JP2004065834A - パチンコ機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貯球タンクのタンク本体62の底面62Bにガイドリブ114を設けて、タンク内に、遊技球を貯球する遊技球貯球部118と区画されたファール球収容部116を形成する。大当たり等により、遊技球貯球部118の貯球量が賞球払出装置の払出口120から払い出された賞球でほぼ一杯となっても、開口58からタンク内に取り入れられたファール球46Cはファール球収容部116に収容することができる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機に係り、詳しくは、遊技球を貯球するとともにファール球も取り入れられる構造の貯球タンクを備えたパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技盤の左下に打球発射装置を配置し打球を上方へ打ち出す、通称「左打ち」と呼ばれるタイプのパチンコ機では、特開平11−9795号公報のように、打球供給皿(前皿部)の後側に形成される空きスペースに打球供給皿と連通する貯球タンク(後皿部)を設けているものがある。
【0003】
また、本出願人による特願2001−321746号では、発射された遊技球のうち遊技部に到達せず打球発射装置側に戻ってきたいわゆるファール球を打球供給皿に戻すため、ファール球回収部により回収したファール球を上記の貯球タンク内へ取り入れることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したファール球を貯球タンク内へ取り入れる従来例では、大当たり等により打球供給皿と貯球タンクが満杯になると、ファール球がタンク内に取り入れなれなくなりファール球回収部から溢れてしまう場合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、大当たり等による大量の払い出しがあってもファール球を貯球タンク内へ確実に回収することができるパチンコ機を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、パチンコ機本体内に設けられ遊技球を貯球する貯球タンクと、前記貯球タンクに設けられ発射された遊技球のうち遊技部に到達せずに発射側に戻ってきた戻り球を貯球タンク内へ取り入れる取入部と、前記貯球タンク内へ取り入れられた前記戻り球を収容する収容部を前記遊技球を貯球する貯球部と区画して設ける戻り球収容部形成部材と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明では、パチンコ機本体内に設けられた貯球タンクに、パチンコ機本体内の球払出装置等から払い出される賞球や貸球等の遊技球が貯球される。この貯球された遊技球は、例えば、貯球タンクと連通する打球供給皿へ排出され、打球供給皿から打球発射装置に供給されて遊技盤の遊技部へ発射される。また、発射された遊技球の中で遊技部に到達せずに発射側に戻ってきた戻り球は、取入部から貯球タンク内に取り入れられて打球供給皿等へ戻される。
【0008】
ここで、戻り球が貯球タンク内に取り入れられると、その戻り球は貯球タンク内に設けられた収容部に収容される。収容部は、戻り球収容部形成部材によって遊技球を貯球する貯球部と区画されており、これによって、戻り球は遊技球とは別に貯球タンク内に貯球(収容)される。なお、ここでの区画とは、一部に仕切りがなく貯球部と収容部との境界に連接部が存在する状態を含む。
【0009】
これにより、大当たり等による大量の払い出しがあっても、戻り球を貯球タンク内へ回収することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のパチンコ機において、前記戻り球収容部形成部材は、前記貯球部へ払い出される前記遊技球の払出部と前記取入部との間に配置され、払い出された遊技球の前記収容部内への進入を阻止する隔壁とされていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、貯球部へ払い出される遊技球の払出部と戻り球を取入れる取入部との間に配置した隔壁により、収容部が貯球部と区画される。払出部へ払い出された遊技球は、この隔壁に阻まれて収容部内への進入が阻止される。これにより、収容部の全域を戻り球の収容スペースとして用いることができる。また、戻り球収容部形成部材を隔壁とすることで、構成が簡単になる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のパチンコ機において、前記貯球タンクには外部と連通して前記遊技球及び前記戻り球を排出する排出部が設けられ、前記隔壁は前記払出部へ払い出された遊技球を前記排出部側へ案内する第1案内面及び前記取入部から取り入れられた戻り球を前記排出部側へ案内する第2案内面を有することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明では、払出部へ払い出された遊技球は、隔壁に設けられた第1案内面により排出部側へ案内され、取入部から取り入れられた戻り球は、隔壁に設けられた第2案内面により排出部側へ案内される。これにより、同じ排出部側へ案内される各球がスムーズに合流して排出部から排出される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のパチンコ機において、前記収容部は、前記貯球タンク内を視認可能とする窓部を通して視認できない範囲に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明では、例えば、貯球タンクに透明部を設けその透明部に対応する窓部をパチンコ機本体に設けることで、外部から貯球タンク内が視認できるようになる。戻り球を収容する収容部は、この窓部を通して視認できない範囲に設けられるため、窓部からは、貯球部に存在する遊技球の貯球量が確認できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1には、第1の実施形態に係るパチンコ機がパチンコホールの所謂「島」に設置された状態が示されており、図2及び図3には、パチンコ機本体の概略構成が示されている。
【0018】
図1に示すように、パチンコホールの島では、パチンコ機10の左側にそのパチンコ機10に対応する球貸サンド12(球貸し機)が配置されており、それらパチンコ機10と球貸サンド12とは交互に配列されて設置されている。
【0019】
パチンコ機10は、内部に遊技盤14を収容できるパチンコ機本体16を備えている。
【0020】
遊技者側となるパチンコ機本体16の前面部分には、遊技盤14の盤面をガラス板20で覆う上側パネル部材(ガラス枠)22と、遊技盤14の下方部分を覆う下側パネル部材(一体皿)24とが設けられている。この上側パネル部材22及び下側パネル部材24は、パチンコ機本体16の左端部に設けられたヒンジ26(下側パネル部材24のヒンジは図示省略)に軸支されて、開閉可能に取り付けられている。
【0021】
下側パネル部材24の前面略中央には、遊技者側に向けて突出された球皿(打球供給皿)28が設けられている。球皿28の底面28Aは、手前側から奥側に向けて反時計回りの螺旋状に下降傾斜しており、下降側先端部(左奥側)には誘導通路29が設けられている。また、球皿28の奥壁28B略中央には、透明樹脂製のカバーにより塞がれて内部を透視することができる横長略矩形状の窓部30が設けられており、奥壁28Bの右側端部近傍には、パチンコ機本体16内の賞球払出装置(図示省略)から払い出された遊技球(以下、適宜「賞球」という)が排出される排出口31が形成されている。
【0022】
これにより、球皿28に、球貸サンド12から貸し出された貸球と排出口30から排出された賞球とは、底面28Aの下流側に転動して誘導通路29に案内され、誘導通路29により一列に整列されて、図2に示す遊技盤14の左下に配置された発射装置32へと供給される。
【0023】
球皿28の内部には、遊技の終了時に遊技球を球皿28から球箱34へ移すための球抜き通路35、36が形成されている。通常、この球抜き通路35、36は、球皿28の底面28Aと連通する通路入り口(開口部)が蓋部材37(球抜き通路35側の蓋部材は図示省略)によって塞がれており、遊技者が球皿28前面の球抜きレバー38及び球抜きボタン39を操作することにより、各蓋部材がそれぞれスライドして各通路の入り口が開口される。これにより、球皿28内の遊技球が球抜き通路35、36を通って排出され球箱34へと移される。
【0024】
また、下側パネル部材24の前面には、球皿28の右側に、遊技球の発射力(飛距離)を調整する発射ハンドル40が配置され、球皿28の左側に、灰皿41が設けられている。
【0025】
次に、パチンコ機本体16の要部の構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、遊技盤14はパチンコ機本体16内の上部(上側パネル部材22の裏側)にセットされるようになっている。パチンコ機本体16内の下部(下側パネル部材24の裏側)には、前述したように、遊技盤14の左下に発射装置32が配置されており、また遊技盤14にほぼ真下に位置して貯球タンク42が着脱可能に取り付けられている。
【0027】
発射装置32は、装置下部側に回動式の発射杵44が設けられ、装置上部には、発射杵44により上方へ打ち出された遊技球46を遊技盤14側へガイドする発射通路48が形成されている。
【0028】
図3に示すように、発射通路48の上端に位置する通路出口50の左右側端部には、上面及び奥壁面が矩形状に開口された略箱状の球受け部52、54が設けられている。通路出口50の後側には、遊技盤14が載せられる載置台部55が位置しており、その載置台部55の下側に回収通路56が設けられている。球受け部52、54は、奥壁面側の開口を通してこの回収通路56にそれぞれ連通されている。
【0029】
回収通路56は、左右方向に沿って延設されるとともに、通路底面が右側に配置された貯球タンク42側に緩やかに傾斜している。さらに、下流側端部に位置する通路出口は、貯球タンク42の左側面に形成された開口58に接続されている。
【0030】
また、図2に示すように、貯球タンク42の前面右側端部には、下側パネル部材24(球皿28の奥壁28B)の排出口31と対応する位置に開口60が形成され、この開口60からタンク内の遊技球が排出されるようになっている。
【0031】
これにより、発射装置32により発射されて、遊技盤14の遊技部(遊技領域)に到達せずに戻ってきた遊技球(以下、適宜「ファール球」という)は、発射通路48の左側の球受け部52に入るか(図3の矢印A)、又は発射通路48の右側の球受け部54に入り(図3の矢印B)、回収通路56を通って(図3の矢印C)貯球タンク42に送られる。貯球タンク42内に回収されたファール球は、後述するタンク内部を通って開口60から排出され、排出口31を抜けて球皿28に戻される。
【0032】
以下、その貯球タンク42について詳細に説明する。
【0033】
図4及び図5には、第1の実施形態に係る貯球タンク42が示されており、図6には、その貯球タンク42が備えるタンク本体が示されている。
【0034】
図4、図5に示すように、貯球タンク42は左右方向を長手方向とした薄型の略直方体形状とされ、タンク下部側を構成する箱状のタンク本体62と、タンク本体62の開口された上面を塞ぐタンク蓋64及びタンク本体62の開口された前面を塞ぐタンクカバー66とにより構成されている。
【0035】
タンク蓋64は、PC等の樹脂材料による成形品とされて全体が略矩形板状とされている。天井面(下面)64A後側の左右側端部近傍には、同軸的に配置された一対のヒンジ部68が一体的に設けられている。タンク本体62には、このヒンジ部68と同軸的に一対のヒンジ部70が後壁部72上縁の左右側端部に一体的に設けられており、タンク蓋64は、これら一対のヒンジ部68、70を介してタンク本体62の後壁部72上縁に取り付けられ、ヒンジ部68、70の軸心Lを中心に図5の矢印D方向に回動可能とされている。
【0036】
タンク蓋64の上面64B中央部には、矩形状の凹陥部74が設けられている。凹陥部74の底面74Aは、タンク蓋64が閉じた状態で右斜め前方(開口60側)へ所定角度傾斜しており、底面74Aの左側端部には、L字形の開口76が形成されている。図6(A)に示すように、開口76は、貯球タンク42がパチンコ機本体16に取り付けられた際に、開口76の上方に位置する賞球払出装置の払出口120に対応して配置されるとともに、払出口120よりも十分大きくされている。また、タンク蓋64の前面64C下端部には、前方へ突出されたリブ78が下端縁に沿って延設されており、このリブ78の上面にタンクカバー66が固着されている。
【0037】
タンクカバー66は、PC等の透明樹脂製で断面L字状に形成されており、リブ78に固着された取付部80の後端部がタンク蓋64の前面64Cに当接されて、前後方向の取付位置が決められている。取付部80の先端部から下方に直角に屈曲されたカバー部82には、タンク蓋64に形成された開口76の前方に位置して、フック部84が設けられている。
【0038】
フック部84は、上下方向と平行な向きに所定の間隔で形成された一対のスリットによってカバー部82の上端部側に接続されており、その接続部となる基端部86側が弾性変形可能とされている。また、フック部84の先端部には、カバー部82の裏面側に突出されたツメ部88が形成されている。
【0039】
タンク本体62は、ABS等の樹脂材料による成形品とされている。下面62Aには、貯球タンク42をパチンコ機本体16に取り付ける際の固定部となる取付片90が一体的に設けられている。取付片90は、所定厚さの略矩形板状とされ、貯球タンク42の開口60の左側に位置して左右方向と平行な向きに配置されている。また図6(B)に示すように、取付片90の左側端からは、下面62Aに一体的に設けられた所定高さの補強リブ92がタンク本体62の左側端部まで延出されている。
【0040】
取付片90の略中央部には、左右方向を長手方向として前後方向に貫通する略樽形状の長穴94が形成されており、左下隅には、円形の位置決め孔96が形成されている。これにより、貯球タンク42をパチンコ機本体16に取り付けるには、図2に示すように、貯球タンク42をパチンコ機本体16内のタンク取付部にセットすると、パチンコ機本体16に設けられた位置決めピン98に取付片90の位置決め孔96が嵌め入れられて位置決めされるとともに、長穴94には、横向きの姿勢とされたパチンコ機本体16側の回転レバー100が挿通される。この回転レバー100を図中の矢印E方向に90度回転させて縦向きの姿勢にすると、長穴94の縁部に回転レバー100が係止して、貯球タンク42はパチンコ機本体16に固定される。
【0041】
また、タンク本体62の前壁部102は、前述したファール球取入部としての開口58か形成された左壁部104よりも所定寸法低くされている。前壁部102の前面下端部には、前方へ突出されたリブ106が下端縁に沿って延設されており、リブ106には、タンクカバー66のフック部84と対応する位置に、切り欠き108が形成されている。これにより、図4に示すように、タンク蓋64を閉じると、タンクカバー66のカバー部82下端縁がタンク本体62のリブ106に乗り上げて閉方向の位置決めがなされ、フック部84は切り欠き108に嵌合してツメ部88を切り欠き108の下縁に係止させる。したがって、タンク蓋64はタンク本体62の上面部分を塞ぎ、タンクカバー66はタンク本体62の前面部分を塞いで、各々その位置に固定される。また、タンク蓋64を開けるときは、フック部84を弾性変形させてツメ部88の係止状態を解除することにより、簡単に開けることができる。
【0042】
また、タンクカバー66は透明樹脂製であるため、タンク蓋64及びタンクカバー66を閉じた状態でも、貯球タンク42の正面からタンクカバー66を通してタンク内部が視認できるようになる。貯球タンク42をパチンコ機本体16に取り付けた状態では、図6(B)に示すように、貯球タンク42の前面ほぼ中央に、下側パネル部材24の窓部30が配置される。そのため、パチンコ機10の正面に座って遊技する遊技者には、窓部30を通して、貯球タンク42の内部が視認できるようになる。また、その視認可能な左右方向の範囲は、パチンコ機10の正面に位置する遊技者からは、窓部30の左右方向幅寸法Wとほぼ等しくなる。
【0043】
次に、タンク本体62の内部について説明する。
【0044】
タンク本体62の底面62Bは、それぞれ異なる方向に傾斜された3つの傾斜面部により構成されている。
【0045】
図6(A)に示すように、底面62Bの右側領域には、開口60の後側を占める略矩形状の傾斜面部110Aが設けられている(傾斜面部110Aの左右方向幅寸法は開口60の開口幅寸法とほぼ同じ)。その傾斜面部110A以外の左側の略矩形状領域には、左後角部と右前角部とを結ぶ対角線により区切られた2つの略直角三角形のうちの右後側を占める、傾斜面部110Aと隣接した傾斜面部110Bと、左前側を占める傾斜面部110Cとが設けられている。
【0046】
各傾斜面部の傾斜方向については、上流側となる一方の傾斜面部110Cが右方向(図中の矢印SC方向)へ傾斜しており、他方の傾斜面部110Bは右斜め前方向(図中の矢印SB方向)へ傾斜している。また、下流側となる傾斜面部110Aは前方向(図中の矢印SA方向)へ傾斜している。したがって、何れの傾斜面部も開口60側へ傾斜している。
【0047】
また、傾斜面部110Bには、後端部右側に張出部112が設けられている。張出部112は、平面視が略台形状とされてタンク本体62の後壁部72よりも少し低くされている。
【0048】
傾斜面部110Cには、後壁部72と同じ高さ寸法とされた隔壁としてのガイドリブ114が立設されている。ガイドリブ114は、左端部114Aが貯球タンク42の左壁部104内面における開口58の後縁に接続されており、その左端部114Aから右斜め前側に延出されて、タンク蓋64の開口76の左前角部近傍で右方向に屈曲され、開口76前縁の内側をその前縁に沿って右側に延出されて右端部114Bに至る形状とされている。また右端部114Bは、図1に示した下側パネル部材24の窓部30の左側端縁に対して、左側に寸法Xだけずれて配置されている。
【0049】
このガイドリブ114によって、傾斜面部110Cの左前側領域にはファール球収容部116が形成され、ファール球収容部116は、ガイドリブ114及び境界線BLにより、傾斜面部110Cのファール球収容部116以外の領域、及び、傾斜面部110A、110Bにより形成される遊技球貯球部118と区画される。境界線BLについては、ガイドリブ114の右端部114Bを通る、傾斜面部110Cの傾斜方向に対して垂直な向きの仮想線である。ファール球収容部116は、この境界線BLを境に遊技球貯球部118に連通(連接)され、また、開口58側から遊技球貯球部118側へ傾斜している。
【0050】
また、貯球タンク42をパチンコ機本体16に取り付けると、パチンコ機本体16に装備された賞球払出装置の払出部である払出口120がタンク蓋64の開口76内の後部に配置される。そのため、ガイドリブ114は、賞球をタンク内に払い出す払出口120と、ファール球をタンク内に取り入れる開口58との間に配置される。
【0051】
また、ガイドリブ114の遊技球貯球部118側に位置する貯球部側壁面114C(但し、右端部114Bの端面は除く)は、払い出された賞球がガイドリブ114に衝突した際に、その賞球を開口60側へ案内する案内面とされている。ガイドリブ114のファール球収容部116側に位置するファール球収容部側壁面114Dは、開口58から取り入れられたファール球がガイドリブ114に衝突した際に、そのファール球を開口60側へ案内する案内面とされている。
【0052】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0053】
パチンコ機10による遊技で、入賞等により賞球払出装置から賞球が払い出されると、図6(A)に示すように、その払い出された賞球46Aは、払出口120から貯球タンク42の上面部分に設けられた開口76を通ってタンク本体62の底面62Bに落下される(図4の矢印F)。
【0054】
ここで、タンク内に遊技球が貯球されていなければ、底面62Bに落下した賞球は、底面62Bに設けられた傾斜面部110B又は傾斜面部110C上をその傾斜方向(矢印SB方向又は矢印SC方向)に転動して下流側の傾斜面部110Aに移る。さらに、傾斜面部110A上をその傾斜方向(矢印SA方向)に転動して、開口60(排出口31)から球皿28に排出される(図4の矢印G)。
【0055】
また、大当たり等により大量の賞球が払い出された場合は、先ず球皿28内の貯球タンク42よりも低位となる領域に賞球が蓄えられていき、その低位領域がほぼ一杯になると貯球タンク42内に蓄えられていく。貯球タンク42では、最下流側となる開口60付近から賞球が貯まり始め、次第に、傾斜面部110Aの全域及び上流側の傾斜面部110B、110Cへと貯球されていく。貯球範囲がファール球収容部116の近くに及ぶと、境界線BLの遊技球貯球部118側に位置する賞球46Bによって、ファール球収容部116の出口が塞がれる。それ以降払い出された賞球は、ガイドリブ114の貯球部側壁面114Cに沿ってさらに上流側へと蓄えられていく。そしてタンク内の遊技球貯球部118が賞球でほぼ一杯になると、賞球払出装置に設けられたオーバーフロースイッチ(図示省略)が賞球に押され、貯球できない状態になったことが検出されて、払い出しが一旦停止する。ここで、前述した球抜き操作を遊技者が行うと、球皿28内の球が球箱34に移されるのに伴い、貯球タンク42内から賞球が排出されて、賞球の払い出しが再開される。
【0056】
また、遊技球貯球部118が賞球で満たされているときに、ファール球が発生すると、開口58からタンク内に取り入れられたファール球(図4の矢印H)は、ガイドリブ114によって区画形成されたファール球収容部116に収容される。このファール球収容部116に収容されたファール球は、下流側となる境界線BL側から上流側となる開口58側へと順次貯球され、遊技球貯球部118に貯球された賞球が排出されるのに伴い、遊技球貯球部118へ転がって開口60から排出される。なお、この第1実施形態のファール球収容部116には、ファール球46Cが21個程度収容できようになっている。
【0057】
また、貯球タンク42内がほぼ空の状態で、賞球の払い出しとファール球の回収とが同時に発生した場合は、払い出された賞球は、ガイドリブ114の貯球部側壁面114Cに当って開口60側へ案内され、取り入れられたファール球は、ガイドリブ114のファール球収容部側壁面114Dに当って開口60側へ案内される。賞球の払い出しについては、所定数の賞球が連続的にタンク内に落とされるため、払出口120真下の落下地点から底面62Bの傾斜方向に逆らい、放射状のように広がることもある。そのような場合でも、ガイドリブ114側へ転がった賞球は、ガイドリブ114の貯球部側壁面114Cに当って傾斜面部110Cの傾斜方向である右方向に転動方向が変えられるため、同じ開口60(排出部)側へ案内されるファール球とスムーズに合流して流下する。
【0058】
また、本実施形態のパチンコ機10では、貯球タンク42に貯球された遊技球の量を、下側パネル部材24に設けた窓部30を通して確認できるようになっているが、貯球タンク42内に設けたファール球収容部116は、窓部30よりも左側に位置して、窓部30を通して視認できない範囲に設けられている。そのため、遊技者は、遊技球貯球部118に存在する遊技球のうち、窓部30を通して視認することができる範囲内でのほぼ正確な貯球量を確認することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態に係るパチンコ機10では、貯球タンク42に取り入れられたファール球が、タンク内に遊技球貯球部118と区画されて設けられたファール球収容部116に収容されるため、大当たり等による大量の払い出しがあっても、ファール球を貯球タンク42内へ回収することができる。
【0060】
また、本実施形態では、遊技球貯球部118へ払い出される遊技球(賞球)の払出部(払出口120)と、ファール球を取入れる取入部(開口58)との間にガイドリブ114を配置したことにより、払出部へ払い出された遊技球は、ガイドリブ114に阻まれてファール球収容部116内への進入が阻止される。これにより、ファール球収容部116の全域をファール球の収容スペースとして用いることができる。また、ファール球収容部116を形成する部材に、隔壁としてのガイドリブ114を用いたことで、構成が簡単になる。
【0061】
また、本実施形態のガイドリブ114には、払い出された遊技球を排出部(開口60)側へ案内する第1案内面としての貯球部側壁面114C、及び、取り入れられたファール球を排出部側へ案内する第2案内面としてのファール球収容部側壁面114Dを設けたことにより、同じ排出部側へ案内される遊技球とファール球とがスムーズに合流して排出部から排出される。
【0062】
さらに、本実施形態では、ファール球収容部116を、貯球タンク42内を視認可能とする窓部30を通して視認できない範囲に設けたことにより、窓部30からは、遊技球貯球部118に存在する遊技球の貯球量が確認できるようになる。
【0063】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。ただし、この第2の実施形態に係る貯球タンク(タンク本体)は、上記第1の実施形態と同一構成部又は同様機能部については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0064】
図7(A)、(B)に示すように、第2の実施形態に係るタンク本体122の傾斜面部110Cには、平面視が略L字型とされたガイドリブ124が設けられている。このガイドリブ124は、右側部分の形状とそのタンク本体122底面上での立設位置とが、第1実施形態のガイドリブ114と同じとされている(右端部124B側)。また、第1実施形態のガイドリブ114の左端部114A側に相当する部分は、ガイドリブ114の中央付近から後方へ屈曲され開口76左縁の外側を左縁に沿って後側に延出されて、その延出先端部となる左後端部124Aがタンク本体122の後壁部72内面に接続された形状とされている。
【0065】
また、ガイドリブ124の左後端部124A側に仕切られてタンク底面左側端部に形成された矩形状領域は、最上流に配置されて前方向(図中の矢印SD方向)へ傾斜した傾斜面部110Dとなっている。
【0066】
これにより、傾斜面部110D及び傾斜面部110Cの左前側領域とによりファール球収容部126が構成され、ファール球収容部126は、タンク底面のその他の領域に形成される遊技球貯球部128に対して、ガイドリブ124及び境界線BLによって区画される。
【0067】
このように、第2実施形態では、第1実施形態よりもファール球収容部が大きくされているため、より多くのファール球を収容することができる。また、賞球の払い出しとファール球の回収とが同時に発生する場合でも、第1実施形態と同様に、賞球はガイドリブ124の貯球部側壁面124Cに当って開口60側へ案内され、ファール球はガイドリブ124のファール球収容部側壁面124Dに当って開口60側へ案内されるため、各球はスムーズに合流して流下する。
【0068】
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0069】
例えば、上述した実施の形態のガイドリブ114、124については、形状や大きさ、位置等を適宜変更することができる。例えば、形状は、直線状に限らず曲線状等とすることができ、また位置についても、タンク底面に限らず、蓋側に設けることができる。
【0070】
また、タンク内にファール球(戻り球)の収容部を形成するための戻り球収容部形成部材については、隔壁(ガイドリブ114、124)以外に、例えば、遊技球貯球部に対してファール球収容部を高位段差とするような構成とすることができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機は上記構成としたので、大当たり等による大量の払い出しがあってもファール球を貯球タンク内へ確実に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機本体の概略構成を示した正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機本体のファール球回収部付近を拡大した斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る貯球タンクを示した斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る貯球タンクのタンク蓋が開けられた状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るタンク本体を示した、(A)が平面図であり、(B)が正面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るタンク本体を示した、(A)が平面図であり、(B)が正面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機
16 パチンコ機本体
30 窓部
42 貯球タンク
46A 賞球(遊技球)
46B 遊技球
46C ファール球(戻り球)
58 開口(取入部)
60 開口(排出部)
114 ガイドリブ(戻り球収容部形成部材/隔壁)
114C 貯球部側壁面(第1案内面)
114D ファール球収容部側壁面(第2案内面)
116 ファール球収容部(収容部)
118 遊技球貯球部(貯球部)
120 払出口(払出部)
124 ガイドリブ(戻り球収容部形成部材/隔壁)
124C 貯球部側壁面(第1案内面)
124D ファール球収容部側壁面(第2案内面)
Claims (4)
- パチンコ機本体内に設けられ遊技球を貯球する貯球タンクと、
前記貯球タンクに設けられ発射された遊技球のうち遊技部に到達せずに発射側に戻ってきた戻り球を貯球タンク内へ取り入れる取入部と、
前記貯球タンク内へ取り入れられた前記戻り球を収容する収容部を前記遊技球を貯球する貯球部と区画して設ける戻り球収容部形成部材と、
を有することを特徴とするパチンコ機。 - 前記戻り球収容部形成部材は、前記貯球部へ払い出される前記遊技球の払出部と前記取入部との間に配置され、払い出された遊技球の前記収容部内への進入を阻止する隔壁とされていることを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
- 前記貯球タンクには外部と連通して前記遊技球及び前記戻り球を排出する排出部が設けられ、前記隔壁は前記払出部へ払い出された遊技球を前記排出部側へ案内する第1案内面及び前記取入部から取り入れられた戻り球を前記排出部側へ案内する第2案内面を有することを特徴とする請求項2記載のパチンコ機。
- 前記収容部は、前記貯球タンク内を視認可能とする窓部を通して視認できない範囲に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載のパチンコ機。
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