JP2011112392A - 加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】重り部の厚み寸法の大型化や軽量化をすることなく検出感度を向上させることのできる加速度センサを提供する。
【解決手段】第1の凹部41,51と充実部40,50が一体に形成された重り部4,5と、1対のビーム部6a,6b,7a,7bと、可動電極4a,5aと、第1の固定電極20a,21a及び第2の固定電極20b,21bとから成るセンサ部を備え、重り部4,5の重心位置から回動軸に下ろした垂線と可動電極4a,5aの表面とが成す角度が略45度となるように、ビーム部6a,…を第1の凹部41,51側にずらして配置し、且つ充実部40,50に一面に開口する第2の凹部44,54を設け、重り部4,5を成す材料よりも比重の高い金属材料から成る補助重り部45,55を第2の凹部44,54に埋設した。
【選択図】図1
【解決手段】第1の凹部41,51と充実部40,50が一体に形成された重り部4,5と、1対のビーム部6a,6b,7a,7bと、可動電極4a,5aと、第1の固定電極20a,21a及び第2の固定電極20b,21bとから成るセンサ部を備え、重り部4,5の重心位置から回動軸に下ろした垂線と可動電極4a,5aの表面とが成す角度が略45度となるように、ビーム部6a,…を第1の凹部41,51側にずらして配置し、且つ充実部40,50に一面に開口する第2の凹部44,54を設け、重り部4,5を成す材料よりも比重の高い金属材料から成る補助重り部45,55を第2の凹部44,54に埋設した。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量型の加速度センサに関する。
従来、図3(a)に示すように、可動電極を有する直方体形状の重り部100と、重り部100の長手方向における略中央において重り部100を回動自在に支持する1対のビーム部101と、1対のビーム部101を結ぶ直線を境界線とした重り部100の表面のそれぞれ一方側及び他方側に対して所定距離を空けて対向配置された1対の固定電極102,103とを備えた加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この加速度センサは、前記境界線を回動軸とした重り部100の回動に伴う可動電極(重り部100における固定電極102,103との対向部位)と、固定電極102,103との間の静電容量の変化を差動検出することにより、重り部100に印加された加速度を検出する。このような加速度センサでは、重り部100の裏面の前記境界線を挟んだ一方側(図3(a)における右側)に凹部104を形成することにより、重り部100は前記境界線を挟んだ一方側(右側)と他方側(左側)とで重量が異なるように構成している。而して、加速度が印加された際に前記境界線を回動軸としたモーメントが重り部100に発生するようになっている。ここで、重り部100の凹部104が形成された部位が周囲からの応力によって変形してしまうのを防ぐために、凹部104内を2分割するような補強壁105を前記境界線と平行な向きに沿って重り部100と一体に形成している。
ところで、上記の加速度センサでは、回動軸に直交する2方向の加速度を検出することができるが、重り部100の重心位置から回動軸に下ろした垂線と重り部100の表面とが成す角度θを略45度に設定することによって、これら2方向の検出感度を等価にしている。ここで、加速度センサの検出感度を向上させる手段の一つとして、可動電極の面積を大きくする方法があるが、この方法を採用する場合には上記の角度θを略45度に維持するために重り部100の厚み寸法を大きくしなければならない。重り部100の厚み寸法を大きくすると、重り部100を形成するエッチング工程の時間が長くなるため、現実的ではないという問題があった。
そこで、重り部100の厚み寸法を大きくすることなく上記の角度θを略45度に維持させるために、図3(b)に示すように、重り部100においてビーム部101の同図における直下を刳り貫く事で重り部100を軽量化する方法がある。しかしながら、この方法を採用する場合には、重り部100において軽量化された薄肉部の強度が不足するために好ましくないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、重り部の厚み寸法の大型化や軽量化をすることなく検出感度を向上させることのできる加速度センサを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、一面に開口する第1の凹部と第1の凹部を除く充実部が一体に形成された重り部と、第1の凹部と充実部とが回動方向に沿って並ぶように重り部を回動自在に支持する1対のビーム部と、第1の凹部が開口する前記一面と異なる他の一面において第1の凹部と充実部とに跨って設けられた可動電極と、可動電極における第1の凹部側と対向する位置に配設された第1の固定電極と、可動電極における充実部側と対向する位置に配設された第2の固定電極とから成るセンサ部を備え、1対のビーム部を結ぶ直線を回動軸とした重り部の回動に伴う可動電極と固定電極との間の静電容量の変化から加速度を検出する加速度センサであって、重り部の重心位置から前記回動軸に下ろした垂線と可動電極の表面とが成す角度が略45度となるように、ビーム部を第1の凹部側にずらして配置し、且つ充実部に一面に開口する第2の凹部を設け、第2の凹部に金属材料から成る補助重り部を埋設したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、補助重り部は、重り部を成す材料よりも比重の高い金属材料から成ることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、補助重り部の重量は、第1の凹部の外壁部を構成する構造体の重量と略同一であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、重り部に印加された第1の方向の加速度と、第1の方向と直交する第2の方向の加速度とを検出することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、センサ部は、同一のチップに複数形成されることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、センサ部が同一のチップに2つ形成され、一方のセンサ部が他方のセンサ部に対して同一平面において180度回転して配置されたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、2つのセンサ部が隣接して配置されたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5の発明において、センサ部は同一のチップに3つ形成され、2つのセンサ部は、それぞれ残りの1つのセンサ部に対して同一平面において90度及び180度回転して配置されたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1項の発明において、重り部を内包する枠部と、枠部に形成されて各固定電極に電気的に接続される1対の検出電極とを有し、各検出電極の間、及び各検出電極と枠部との間、及び各検出電極と重り部との間に隙間が設けられたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1項の発明において、各固定電極の可動電極との対向面、又は可動電極の各固定電極との対向面には突起部が形成されたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、突起部は、シリコン又はシリコン酸化膜から形成されたことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項10の発明において、突起部は、その表層がカーボン材料から形成されたことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12の発明において、カーボン材料はカーボンナノチューブであることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れか1項の発明において、重り部の固定電極が対向する側と反対側の面と所定の間隔を空けて配置される固定板を有し、固定板の重り部と対向する面には、重り部の付着を防止するための付着防止膜が設けられたことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14の発明において、付着防止膜は、固定電極と同じ材料から形成されたことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14又は15の発明において、付着防止膜は、固定電極と同時に形成されることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項14乃至16の何れか1項の発明において、付着防止膜は、半導体製造プロセスを利用して成膜されることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項14乃至17の何れか1項の発明において、付着防止膜は、アルミニウム系合金から形成されたことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項14乃至18の何れか1項の発明において、固定電極と可動電極との間に吸引力を発生させることにより、第1及び第2の固定電極と可動電極との間の静電容量の変化を検出することを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項19の発明において、付着防止膜の表面には、有機材料から成る薄膜が設けられたことを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20の発明において、薄膜は、ポリイミド薄膜であることを特徴とする。
本発明によれば、可動電極の面積を大きくして検出感度を向上させる際に、重り部の重心位置から回動軸に下ろした垂線と可動電極の表面とが成す角度が略45度となるようにビーム部を第1の凹部側にずらして配置するだけで対応できるため、重り部の厚み寸法を大きくする、或いは重り部を軽量化することなく検出感度を向上させることができる。更に、補助重り部を第2の凹部に埋設することで、重り部の重量バランスを維持しつつ重り部の小型化を図ることができ、結果としてセンサ全体の小型化を図ることができる。
以下、本発明に係る加速度センサの実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、図1における上下を上下方向、センサチップ1の短手方向と平行な方向をx方向、センサチップ1の長手方向と平行な方向をy方向、x方向及びy方向に互いに直交する方向をz方向と定めるものとする。本実施形態は、図1,2に示すように、外形が矩形板状であるセンサチップ1と、センサチップ1の上面側に固定される上部固定板2aと、センサチップ1の下面側に固定される下部固定板2bとを備える。
センサチップ1は、上下方向から見て矩形状の2つの枠部3a,3bが長手方向に並設されたフレーム部3と、枠部3a,3bの内周面に対して隙間を空けた状態で枠部3a,3b内に配置された直方体形状の重り部4,5と、枠部3a,3bの内周面と重り部4,5の側面とを連結してフレーム部3に対して重り部4,5を回動自在に支持する各1対のビーム部6a,6b及び7a,7bと、重り部4,5の上面に形成される可動電極4a,5aとを備える。
重り部4,5は、図1,2に示すように、一面(下面)に開口する第1の凹部41,51と、第1の凹部41,51を除く充実部40,50とが一体に形成されている。第1の凹部41,51は、開口面の法線方向(上下方向)から見て平面視四角形状に形成され、また、第1の凹部41,51内を2分割する補強壁42,52が重り部4,5と一体に形成されている。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、一面(下面)に開口する第2の凹部44,54(同図では第2の凹部44のみ図示)が充実部40,50に凹設されている。また、重り部4,5を成す材料よりも比重の高い金属材料から成る補助重り部45,55(同図では補助重り部45のみ図示)を第2の凹部44,54に埋設している。尚、重り部4,5がシリコンにより形成されている場合、シリコンの比重が2.33g/cm3であるため、補助重り部45,55を構成する材料としては、ニッケル(比重8.90g/cm3)、タングステン(比重19.3g/cm3)、クロム(比重7.87g/cm3)、パラジウム(比重12.02g/cm3)、白金(比重21.45g/cm3)、マンガン(比重7.43g/cm3)を採用するのが望ましい。また、補助重り部45,55の重量は、第1の凹部41,51の外壁部を構成する構造体の重量と略同一であることが望ましい。
1対のビーム部6a,6bは、重り部4の枠部3aと対向する側面のx方向における略中央部と枠部3aとを連結している。同様に、1対のビーム部7a,7bは、重り部5の枠部3bと対向する側面のx方向における略中央部と枠部3bとを連結している。而して、1対のビーム部6a,6bを結ぶ直線、並びに1対のビーム部7a,7bを結ぶ直線が回動軸となり、回動軸の回りに各重り部4,5が回動するようになっている。
センサチップ1は、半導体の微細加工技術によりSOI(Silicon on Insulator)基板を加工して形成され、重り部4,5の上面を含む部位が可動電極4a,5aとなる。また、重り部4,5の上面及び下面には、重り部4,5が上部固定板2a及び下部固定板2bに直接衝突するのを防止するための突起部43a,43b,53a,53bが突設されている。
ここで、突起部43a,43b,53a,53bをシリコン又はシリコン酸化膜といったセンサチップの主材料により形成した場合には、突起部43a,43b,53a,53bを容易に製造することができる。尚、突起部43a,43b,53a,53bの表層をカーボン材料でコーティングしてもよい。この場合、突起部43a,43b,53a,53bの機械的強度が増し、上部固定板2a及び下部固定板2bとの衝突によって突起部43a,43b,53a,53bが破損するのを防止することができる。更に、カーボン材料としてカーボンナノチューブを採用すれば、コーティングの厚み寸法を小さくできるので、突起部43a,43b,53a,53bを所望の高さ寸法に容易に調整することができる。
上部固定板2aは、例えばガラス等の絶縁材料から形成され、その下面には、上下方向に沿ってセンサチップ1の重り部4(可動電極4a)と対向する位置に第1の固定電極20aと第2の固定電極20bとがx方向に並設されるととともに、上下方向に沿ってセンサチップ1の重り部5(可動電極5a)と対向する位置に第1の固定電極21aと第2の固定電極21bとがx方向に並設されている。また、上部固定板2aのx方向一端側には、5つの貫通孔22a〜22eがy方向に並べて貫設されている。更に、上部固定板2aの下面には、各固定電極20a,20b及び21a,21bと電気的に接続された複数の導電パターン(図示せず)が形成されている。
一方、センサチップ1のx方向一端側には、フレーム部3から離間された計4つの電極部8a,8b,9a,9bが並設されている。これら4つの電極部8a,8b,9a,9bは、上面における略中央に金属膜から成る検出電極80a,80b,90a,90bがそれぞれ形成されるとともに、枠部3a,3bに臨む端部の上面に金属膜から成る圧接電極(図示せず)がそれぞれ形成されている。尚、フレーム部3上面の電極部8b,9aの間には接地電極10が形成されている。そして、センサチップ1の上面に上部固定板2aが接合されると、上部固定板2aの下面に形成されている導電パターンと圧接電極とが圧接接続されることで、各検出電極80a,80b,90a,90bが各固定電極20a,20b,21a,21bと電気的に接続されるとともに、上部固定板2aの貫通孔22a〜22dを介して各検出電極80a,80b,90a,90bが外部に露出する。尚、接地電極10も貫通孔22eを介して外部に露出する。
尚、本実施形態では、図2に示すように、電極部8aと電極部8bとの間、電極部9aと電極部9bとの間、各電極部8a,8b,9a,9bとフレーム部3との間、各電極部8a,8b,9a,9bと各重り部4,5との間に各々隙間が設けられている。このように構成することで、各検出電極80a,80b,90a,90bが互いに電気的に絶縁されるので、各検出電極80a,80b,90a,90bの寄生容量や電極間のクロストークを低減し、高精度な静電容量の検出を行うことができる。
下部固定板2bは、上部固定板2aと同様にガラス等の絶縁材料から形成され、その上面には上下方向に沿ってセンサチップ1の重り部4,5と対向する位置にそれぞれ付着防止膜23a,23bが形成されている。この付着防止膜23a,23bは、アルミニウム系合金等の固定電極20a,…と同じ材料で形成されており、回動した重り部4,5の下面が下部固定板2bに付着するのを防止している。このように、付着防止膜23a,23bを固定電極20a,…と同一材料で形成することにより、付着防止膜23a,23bを容易に形成することができる。このとき、付着防止膜23a,23bを固定電極20a,…と同時に形成すれば、重り部4,5と固定電極20a,…との間、及び重り部4,5と下部固定板2bとの間の距離の精度を高めることができる。
尚、付着防止膜23a,23bを半導体製造プロセスにより成膜した場合、付着防止膜23a,23bの表面に微小な凹凸が形成されるため、重り部4,5が下部固定板2bに付着するのをより好適に防止することができる。ここで、付着防止膜23a,23bをアルミニウム系合金により形成した場合、エッチング加工が容易になる。また、付着防止膜23a,23bの表面上に半導体製造プロセスとの整合性が良く、且つ加工がし易いポリイミド薄膜等の有機材料薄膜を形成することにより、付着防止膜23a,23bと重り部4,5との間の短絡を防止するようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、枠部3a、重り部4、ビーム部6a,6b、可動電極4a、第1及び第2の固定電極20a,20b、検出電極80a,80bと、枠部3b、重り部5、ビーム部7a,7b、可動電極5a、第1及び第2の固定電極21a,21b、検出電極90a,90bとで各々センサ部が構成され、重り部4,5の向き(充実部40,50と凹部41,51の配置)を180度反転させた状態で2つのセンサ部が一体に形成されている。
次に、本実施形態の検出動作について説明する。先ず、一方の重り部4にx方向の加速度が印加された場合を考える。x方向に加速度が印加されると、重り部4が回動軸の回りに回動して可動電極4aと第1の固定電極20a並びに第2の固定電極20bとの間の距離が変化し、その結果、可動電極4aと各固定電極20a,20bとの間の静電容量C1,C2も変化する。ここで、x方向の加速度が印加されていないときの可動電極4aと各固定電極20a,20bとの間の静電容量をC0とし、加速度の印加によって生じる静電容量の変化分をΔCとすれば、x方向の加速度が印加されたときの静電容量C1,C2は、
C1=C0−ΔC …(1)
C2=C0+ΔC …(2)
と表すことができる。
C1=C0−ΔC …(1)
C2=C0+ΔC …(2)
と表すことができる。
同様に、他方の重り部5にx方向の加速度が印加された場合、可動電極5aと各固定電極21a,21bとの間の静電容量C3,C4は、
C3=C0−ΔC …(3)
C4=C0+ΔC …(4)
と表すことができる。
C3=C0−ΔC …(3)
C4=C0+ΔC …(4)
と表すことができる。
ここで、静電容量C1〜C4の値は、検出電極80a,80b及び90a,90bから取出す電圧信号を演算処理することで検出することができる。そして、一方のセンサ部から得られる静電容量C1,C2の差分値CA(=C1−C2)と、他方のセンサ部から得られる静電容量C3,C4の差分値CB(=C3−C4)との和(±4ΔC)を算出すれば、この差分値CA,CBの和に基づいてx方向に印加された加速度の向きと大きさを演算することができる。
次に、一方の重り部4にz方向の加速度が印加された場合を考える。z方向に加速度が印加されると重り部4が回動軸の回りに回動して可動電極4aと第1の固定電極20a並びに第2の固定電極20bとの間の距離が変化し、その結果、可動電極4aと各固定電極20a,20bとの間の静電容量C1,C2も変化する。ここで、z方向の加速度が印加されていないときの可動電極4aと各固定電極20a,20bとの間の静電容量をC0とし、加速度の印加によって生じる静電容量の変化分をΔCとすれば、z方向の加速度が印加されたときの静電容量C1,C2は、
C1=C0+ΔC …(5)
C2=C0−ΔC …(6)
と表すことができる。
C1=C0+ΔC …(5)
C2=C0−ΔC …(6)
と表すことができる。
同様に、他方の重り部5にz方向の加速度が印加された場合、可動電極5aと各固定電極21,21bとの間の静電容量C3,C4は、
C3=C0−ΔC …(7)
C4=C0+ΔC …(8)
と表すことができる。
C3=C0−ΔC …(7)
C4=C0+ΔC …(8)
と表すことができる。
そして、一方のセンサ部から得られる静電容量C1,C2の差分値CA(=C1−C2)と、他方のセンサ部から得られる静電容量C3,C4の差分値CB(=C3−C4)との差(±4ΔC)を算出すれば、この差分値CA,CBの差に基づいてz方向に印加された加速度の向きと大きさを演算することができる。尚、差分値CA,CBの和と差とに基づいてx方向及びz方向の加速度の向きと大きさを求める演算処理については従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
ところで、前述のように、加速度センサの検出感度を高めるべく可動電極4a,5aの面積を大きくする場合、重り部4,5の重心位置から回動軸に下ろした垂線と可動電極4a,5aの表面とが成す角度を略45度に維持するために、重り部4,5の厚み寸法を大きくする、或いは重り部4,5のビーム部6a,6b,7a,7bの直下を刳り貫いて軽量化する方法は望ましくない。そこで、本実施形態では、図1に示すように、ビーム部6a,6b,7a,7b(同図ではビーム部6bのみ図示)を重り部4,5の長手方向における略中央から第1の凹部41,51側(右側)にずらして配置することで、重り部4,5の重心位置から回動軸に下ろした垂線と可動電極4a,5aの表面とが成す角度θを略45度となるようにしている。而して、ビーム部6a,6b,7a,7bをずらして配置するだけで角度θを略45度に維持することができるため、重り部4,5の厚み寸法を大きくする、或いは重り部4,5を軽量化することなく検出感度を向上させることができる。
更に、本実施形態では、重り部4,5の充実部40,50に第2の凹部44,54を凹設するとともに、当該第2の凹部44,54に補助重り部45,55を埋設しているので、重り部4,5の重量バランスを維持しつつ重り部4,5の小型化を図ることができ、結果としてセンサ全体の小型化を図ることができる。
尚、本実施形態では、以下の手順を踏むことで加速度センサの動作確認を行うことができる。即ち、第1の固定電極20a又は第2の固定電極20bと可動電極4aとの間、若しくは第1の固定電極21a又は第2の固定電極21bと可動電極5aとの間に吸引力を発生させることで、重り部4,5を回動させる。そして、重り部4,5の回動に伴って生じる各固定電極20a,…と重り部4,5との間の静電容量の変化を検出することで、加速度センサが正常に動作しているか否かを確認することができる。尚、付着防止膜23a,23bと可動電極4a,5aとの間に吸引力を発生させることで同様の動作確認を行ってもよい。
また、本実施形態では、x方向とy方向の2方向の加速度を検出する加速度センサを例示したが、上述のセンサ部の1つをxy平面内で90度回転対称に配置すれば、y方向を加えた3方向の加速度を検出する加速度センサを実現することができる。また、3つのセンサ部を同一チップに配置し、2つのセンサ部を、それぞれ残りの1つのセンサ部に対してxy平面において90度及び180度回転対称に配置しても、上記と同様に3方向の加速度を検出する加速度センサを実現することができる。
20a,21a 第1の固定電極
20b,21b 第2の固定電極
4,5 重り部
40,50 充実部
41,51 第1の凹部
44,54 第2の凹部
45,55 補助重り部
4a,5a 可動電極
6a,6b ビーム部
7a,7b ビーム部
20b,21b 第2の固定電極
4,5 重り部
40,50 充実部
41,51 第1の凹部
44,54 第2の凹部
45,55 補助重り部
4a,5a 可動電極
6a,6b ビーム部
7a,7b ビーム部
Claims (21)
- 一面に開口する第1の凹部と第1の凹部を除く充実部が一体に形成された重り部と、第1の凹部と充実部とが回動方向に沿って並ぶように重り部を回動自在に支持する1対のビーム部と、第1の凹部が開口する前記一面と異なる他の一面において第1の凹部と充実部とに跨って設けられた可動電極と、可動電極における第1の凹部側と対向する位置に配設された第1の固定電極と、可動電極における充実部側と対向する位置に配設された第2の固定電極とから成るセンサ部を備え、1対のビーム部を結ぶ直線を回動軸とした重り部の回動に伴う可動電極と固定電極との間の静電容量の変化から加速度を検出する加速度センサであって、重り部の重心位置から前記回動軸に下ろした垂線と可動電極の表面とが成す角度が略45度となるように、ビーム部を第1の凹部側にずらして配置し、且つ充実部に一面に開口する第2の凹部を設け、第2の凹部に金属材料から成る補助重り部を埋設したことを特徴とする加速度センサ。
- 前記補助重り部は、重り部を成す材料よりも比重の高い金属材料から成ることを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
- 前記補助重り部の重量は、第1の凹部の外壁部を構成する構造体の重量と略同一であることを特徴とする請求項1又は2記載の加速度センサ。
- 前記重り部に印加された第1の方向の加速度と、第1の方向と直交する第2の方向の加速度とを検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記センサ部は、同一のチップに複数形成されることを特徴とする請求項4記載の加速度センサ。
- 前記センサ部が同一のチップに2つ形成され、一方のセンサ部が他方のセンサ部に対して同一平面において180度回転して配置されたことを特徴とする請求項5記載の加速度センサ。
- 前記2つのセンサ部が隣接して配置されたことを特徴とする請求項6記載の加速度センサ。
- 前記センサ部は同一のチップに3つ形成され、2つのセンサ部は、それぞれ残りの1つのセンサ部に対して同一平面において90度及び180度回転して配置されたことを特徴とする請求項5記載の加速度センサ。
- 前記重り部を内包する枠部と、枠部に形成されて各固定電極に電気的に接続される1対の検出電極とを有し、各検出電極の間、及び各検出電極と枠部との間、及び各検出電極と重り部との間に隙間が設けられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記各固定電極の可動電極との対向面、又は可動電極の各固定電極との対向面には突起部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記突起部は、シリコン又はシリコン酸化膜から形成されたことを特徴とする請求項10記載の加速度センサ。
- 前記突起部は、その表層がカーボン材料から形成されたことを特徴とする請求項10記載の加速度センサ。
- 前記カーボン材料はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項12記載の加速度センサ。
- 前記重り部の固定電極が対向する側と反対側の面と所定の間隔を空けて配置される固定板を有し、固定板の重り部と対向する面には、重り部の付着を防止するための付着防止膜が設けられたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記付着防止膜は、固定電極と同じ材料から形成されたことを特徴とする請求項14記載の加速度センサ。
- 前記付着防止膜は、固定電極と同時に形成されることを特徴とする請求項14又は15記載の加速度センサ。
- 前記付着防止膜は、半導体製造プロセスを利用して成膜されることを特徴とする請求項14乃至16の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記付着防止膜は、アルミニウム系合金から形成されたことを特徴とする請求項14乃至17の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記固定電極と可動電極との間に吸引力を発生させることにより、第1及び第2の固定電極と可動電極との間の静電容量の変化を検出することを特徴とする請求項14乃至18の何れか1項に記載の加速度センサ。
- 前記付着防止膜の表面には、有機材料から成る薄膜が設けられたことを特徴とする請求項19に記載の加速度センサ。
- 前記薄膜は、ポリイミド薄膜であることを特徴とする請求項20記載の加速度センサ。
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