JP2011107586A - 回折光学素子およびそれを有する光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも3種類の材料からなる複数の回折格子を積層した回折光学素子において、複数の回折格子は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、少なくとも1つの材料が第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る2つの回折格子より成る第2の組合せ部とを有し、第1の組合せ部を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率N1Aw、N1Bw、アッベ数ν1A、ν1B、第2の組合せ部を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率N2Ad、N2Bd、アッベ数ν2A、ν2Bの値を適切に設定すること。
【選択図】 図2
Description
370(nm)<w<730(nm)
の範囲内において
N1Aw−N1Bw=0
を満足し、かつ
16<(ν1A−ν1B)<75
0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5
16<(ν2A−ν2B)<75
なる条件式を満たすことを特徴としている。
(n2−n1)d0=m×λ ・・・(x1)
となる。ここで、n1と、n2はそれぞれ、第1の回折格子8、第2の回折格子9の材料の波長λ0の光に対する屈折率で、ここではn1<n2とする。また、d0(>0)は格子厚、mは回折次数である。
η(λ)=sinc^2〔π{M−(n2(λ)−n1(λ))d/λ}〕
・・・(x2)
で表すことができる。上記(x2)式において、Mは評価すべき回折光の次数、n1(λ)、n2(λ)は波長λの光に対する第1、第2の回折格子8、9の材料の屈折率である。また、sinc^2(x)は、{sin(x)/x}^2で表わされる関数である。
(n2d−n1d)d0=m×λd ・・・(x3a)
(n2F−n1F)d0=m×λF ・・・(x3b)
(n2C−n1C)d0=m×λC ・・・(x3c)
の条件をなるべく満たす材料の組合せを用いる必要がある。
(n2F−n2C)−(n1F−n1C)=(λF−λC)/d0 ・・・(x3d)
となる。ここで、(x3d)の格子厚d0に、(x3a)式を変形して代入し、整理すると、
(n2F−n2C)−(n1F−n1C)
=(λF−λC)/λd×(n2d−n1d) ・・・(x3e)
となる。さらに整理すると、
(n2d−n1d)/{(n2F−n2C)−(n1F−n1C)}
=λd/(λF−λC) = −3.45 ・・・(x3f)
となる。
ΔnFC={(n2F−n2C)−(n1F−n1C)} ・・・(x3h)
とすると、(x3f)式は、
Δn/ΔnFC=−3.45 ・・・(x3i)
となり、2つの材料の屈折率差と、分散の差が一定の値をとることが分かる。さらに、(x3i)式の値が負であることから、回折格子を形成する材料は、高屈折率低分散材料と、低屈折率高分散材料の組合せとなることも分かる。(x3a)式より、格子厚d0を低くし、かつ広い波長範囲で高い回折効率を得るためには、屈折率差を大きくする必要があることが分かり、かつ同時に、(x3i)式より、分散の差も大きくとらなければならないことが分かる。
(N2d−n1d)d1=m×λd ・・・(x3aa)
(N2F−n1F)d1=m×λF+αF ・・・(x3bb)
(N2C−n1C)d1=m×λC−αC ・・・(x3cc)
となり、F線及びC線の波長において回折効率の劣化を生じてしまう。ここで、αF、αCは、それぞれF線及びC線における光路長差のずれ分である。そこで、第2の材料の組合せを用いた回折格子をさらに設けて、F線及びC線における光路長差のずれを補正した場合について考える。
(N2d−n1d)d1+(n4d−n3d)d2=m×λd ・・・(x4a)
(N2F−n1F)d1+(n4F−n3F)d2=m×λF ・・・(x4b)
(N2C−n1C)d1+(n4C−n3C)d2=m×λC ・・・(x4c)
で与えられる。このとき、F線、C線波長における光路長差のずれ分αF、αC、のみを補正するように、第3、及び第4の材料の屈折率を選択すると、広い波長域で高い回折効率を持つ回折光学素子が得られる。
(n4d−n3d)=0 ・・・(x5a)
(n4F−n3F)d2=−αF ・・・(x5b)
(n4C−n3C)d2=αC ・・・(x5c)
となる。このとき、第3の材料と第4の材料の屈折率はd線の波長において等しくなっているので、F線やC線の波長においても、その屈折率差は非常に小さい値となる。そのため、第3の材料と第4の材料からなる回折格子10、11の格子側面に、撮像に寄与しない光が壁面に入射した場合も、不要光による影響が非常に小さいものとなる。
これを変形すると、
(n3d−n1d)d1+(N2d−n3d)×(d1+d2)=m×λd
・・・(x4aaa)
となる。図4(b)に(x4aaa)式の光路長差を満たすような回折光学素子を示す。図4(b)に示す回折光学素子においては、第1の材料からなる第1の回折格子8と、第3の材料からなる第3の回折格子10が、互いの格子面を挟んで密着接合されている構成となっている。また、第2の材料からなる第2の回折格子9と、第3の材料からなる第4の回折格子11も同様に、互いの格子面を挟んで密着接合されている構成となっている。
(N2F−n3F)d2=−αF ・・・(x5bb)
(N2C−n3C)d2=αC ・・・(x5cc)
上式(x5aa)〜(x5cc)が示すように、第2の材料の屈折率N2と第3の材料の屈折率n3は近い値を取る。そのため、回折格子11と回折格子9とがなす格子側面に、撮像に寄与しない光が壁面に入射した場合も、不要光による影響が非常に小さいものとなる。
370(nm)<w<730(nm)
の範囲内において
N1Aw−N1Bw=0 ・・・(1)
を満足する。更に
16<(ν1A−ν1B)<75 ・・・(2)
0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5 ・・・(3)
16<(ν2A−ν2B)<75 ・・・(4)
なる条件式を満たす。本発明の回折光学素子は条件式(1)〜(4)を満足すれば良いが、更に好ましくは次の条件式のうち、1以上を満足するのが良い。複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとする。複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとする。
1.3<(N2Ad−N2Bd)×(ν2A−ν2B)<35・・・(5)
dtot<30(um) ・・・(6)
0.1<dH/dtot<0.7 ・・・(7)
dH<9(um) ・・・(8)
0<|ν1A−ν2A|<15 ・・・(9)
0<|ν1B−ν2B|<15 ・・・(10)
〔Σ{(π/2−θj)×Hj}〕/m<3.5 ・・・(11)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
次に、実施例1の具体的な構成について説明する。図1(a)は、本発明の実施例1の回折光学素子の正面図であり、図1(b)は図1(a)の回折光学素子の側面図である。また、図2には、図1の回折光学素子をA−A’線で切断したときの断面形状の一部を拡大して示している。但し、図2は回折格子の格子部の格子深さ方向にかなりデフォルメされた図となっている。これらの図に示すように、回折光学素子1は、第1の素子部2と第2の素子部3とを、それぞれの素子部2、3に形成された第1の回折格子8と第2の回折格子9とが第3の材料層10を挟んで互いに密着するように重ね合わせた構成となっている。また、図2に示すように、第1の素子部2は、第1の透明基板4と、格子ベース部6およびこの格子ベース部6に一体形成された第1の材料より成る第1の回折格子8を有する。第1の回折格子8における、第3の材料層10との境界部には格子面8aが形成されている。
(n03−n01)d1+(n02−n03)d2=mλ0 ・・・(x6)
となる。ここで、上記(x6)式において、n01は第1の素子部2において第1の回折格子8を形成する材料の波長λ0の光に対する屈折率である。n02は第2の素子部3において第2の回折格子9を形成する材料の波長λ0の光に対する屈折率である。n03は第3の材料層10を形成する材料の波長λ0の光に対する屈折率である。また、d1は第1の回折格子8の格子部8b、d2は第2の回折格子9の格子部9bの格子厚である。
また、第2の回折格子9の格子側面9dと第3の回折格子10の格子側面10dは、格子ピッチ方向に近接配置されているのが良い。本実施例においては、第2の回折格子9と第3の回折格子10が密着接合された構成となっている。実施例1の回折光学素子1においては、第1の回折格子8の第1の格子材料と第2の回折格子9の第2の格子材料との屈折率差によって光路長差の大部分を得ている。屈折率差が小さい材料のみで構成された回折光学素子1の場合、十分な光路長差を得る為には格子厚を高くしなければならず、不要光の増加につながってしまう。格子厚を低くするためには、前述したように、屈折率差が条件式(3)の範囲となる第2の組合せ部を用いるのが良い。回折光学素子1を可視域において使用する場合、d線付近を設計波長とする場合が多い。その際、設計波長である、d線における屈折率差を(3)式を満たすような条件とすることで、可視域全域で高い回折効率を得て、かつ材料選択の自由度も増えて好ましい。(3)式の下限値を下回ると、十分な光路長差を得られず格子厚が高くなってしまう。逆に上限値を上回ると適切な材料の選択が困難となる。さらに望ましくは、条件式(3)の数値範囲を以下の範囲とすることが望ましい。
また、その時の二材料の分散の差をある程度大きくしないと、可視域全域で十分な光路長差を得ることが難しく、前述したように、条件式(4)の範囲のアッベ数ν2A、ν2Bとするのが良い。条件式(4)の下限値を下回ると、回折格子全体として十分な分散力を得ることができず、上限値を上回ると適切な材料の選択が困難となる。さらに望ましくは、条件式(4)の数値範囲を以下の範囲とすることが望ましい。
尚、前述した条件式(1)〜(4)については後述する各実施例においても同様に満足している。本実施例の回折光学素子は、式(x3a)〜式(x3i)で説明したとおり、2つの材料からなる回折格子で所望の光路長差を得る為には、かつ、高屈折率低分散な材料と、低屈折率高分散な材料の組合せを用いることが望ましい。本実施例の回折光学素子1においても同様で、光路長差の大部分を得る第2の材料組合せのうち、少なくとも一つの材料の組合せにおいて、条件式(5)を満足することが望ましい。さらに、本実施例の回折光学素子は、格子側面から発生する不要光を抑制することも目的にしているため、格子厚は低い方が好ましい。光束が通過する方向で、各格子部の格子厚の合計をdtotとしたとき、格子厚dtotを条件式(6)の範囲とすることで、不要光の発生を抑制できる。特に、格子側面に起因する不要光は、格子側面を成す材料の屈折率差が大きいほど大きくなる。そのため、屈折率差が大きい格子側面の高さを低くすることで、不要光を抑制することができ、好ましい。具体的には、屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとしたとき、全体の格子厚dtotに対する高さdHの割合が条件式(7)を満たすことで不要光を良好に抑制することができる。さらには、高さdHの値を条件式(8)の範囲とすることで、さらに良好な性能が得られる。また、回折光学素子を形成する材料のうち、条件式(9)又は条件式(10)のうち少なくとも一つを満たすことで、材料選択が容易となり、製造容易な回折光学素子が得られる。
実施例1において、回折光学素子1ら撮像に使用される光束以外の光(+10°)が入射した際のRCWA計算結果において、波長650nmの光は、参考例よりも実施例1の方が不要光が多い結果となっていた。これは、回折格子9を形成する第2の材料と、第3の材料層10の間のわずかな屈折率差によるものである。図9は、本発明の実施例2の回折光学素子の要部断面図である。図9に示す構成は、実施例1と同様の材料、及び形状で、第1の材料(M2B)からなる回折格子8と、第2の材料(M1A、M2A)からなる回折格子9を形成している。さらに第3の材料層(第3の回折格子)10を形成する材料(M1B)も実施例1と同様としている。第1の回折格子9と第3の材料層10は第1の組合せ部、第1の回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。
n02×d2−{n01×d1+n03×(d2−d1)}=mλ0・・・(x7)
となり、(x7)式を変形すると、(x6)式と同一の式となることが分かる。そのため、設計次数回折光の回折効率は、実施例1の回折光学素子と概ね同様の値が得られる。
上記実施例2においては、屈折率差が小さい、第2の回折格子9と、第3の材料層10が、格子面9aを挟んで密着接合された構成としたが、本発明の回折光学素子はこれに限るものではない。図11は、本発明の実施例3の回折光学素子1の要部断面図である。実施例3の回折光学素子1は、実施例2の回折光学素子の、第1の回折格子8と第3の材料層10を反転させたものとなっている。図11に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B)8、及びベース部6に、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.564、νd=20.8)を用いた。一方、第2の回折格子(M1A、M2A)9、及びベース部7には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.569、νd=47.9)を用いた。また、第3の材料層(M2B)10には、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.480、νd=21.7)を用いた。
さらに、回折格子のピッチをP(μm)とした時、以下の範囲とすることで、良好な回折効率を得ることができる。
(実施例4)
図13は本発明の実施例4の回折光学素子の要部断面図である。実施例4においては、実施例1と同様、第1の回折格子8と第2の回折格子9の間に、第3の材料層10を設けた構成となっている。なお、第3の材料層10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。図13に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B)、(M2B)8に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.480、νd=21.7)を用いた。一方第2の回折格子(M2A)9には、ポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと記述)にAl2O3微粒子とY2O3微粒子をそれぞれ体積比率で20.5%混合させた樹脂(Nd=1.634、νd=60.2)を用いた。また、第3の材料層(M1A)10には、フッ素系樹脂サイトップ(旭ガラス製)にAl2O3微粒子とY2O3微粒子をそれぞれ体積比率で13%混合させた樹脂(Nd=1.481、νd=72.9)を用いた。
上記の実施形態においては、全て樹脂材料からなる回折格子を用いて説明した。しかし、本発明の回折光学素子を用いる効果はこれに限るものではなく、例えばガラスモールド材料を用いても同様の効果が得られる。図15は本発明の実施例5の回折光学素子の要部断面図である。実施例5において、回折光学素子1は、実施例4と同様、第1の回折格子(M1B、M2B)8と第2の回折格子(M2A)9の間に、第3の材料層(M1A)10を設けた構成となっている。なお、第3の材料層(M1A)10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。図15に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B、M2B)8に、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.564、νd=20.8)を用いた。
図17は本発明の実施例6の回折光学素子の要部断面図である。実施例6において、回折光学素子1は、第1の材料からなる回折格子(M2B)8に第3の材料層10(M2A)を密着接合している。そして、第2の材料からなる回折格子(M1A)9に第4の材料層(M1B)11を密着接合し、かつ、第3の材料層10と第4の材料層11が平坦面を介して密着接合された構成となっている。なお、第3の材料層10は、回折格子8の格子面8aの格子頂点部8gと、第4の材料層11との境界の間において厚さがD1となるように設定されている。同様に、第4の材料層(M1B)11は、回折格子(M1A)9の格子面9aの格子頂点部9gと、第3の材料層10(M2A)との境界の間において厚さがD2となるように設定されている。図17に示した回折光学素子1において、第1の回折格子8に、PMMAにITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.518、νd=30.1)を用いた。
上記実施例6においては、第3の材料層10と第4の材料層11の間を平坦面として、密着させたが、本発明の回折光学素子はこれに限るものではない。図19は実施例7の回折光学素子の要部断面図である。実施例7において、回折光学素子1は、第1の材料からなる回折格子(M2B)8に第3の材料層(M1B)10を密着接合し、第2の材料からなる回折格子(M2A)9に第4の材料層(M1A)11を密着接合している。更に、第3の材料層から成る回折格子10と第4の材料層から成る回折格子11が回折格子面11aを介して密着接合された構成となっている。なお、第3の材料層(M1B)10は、回折格子面8a,11aと格子側面8d、12dとがなすエッジ間において厚さがD1となるように設定されている。
図21は本発明の実施例8の回折光学素子の要部断面図である。図21に示す構成は、図19の実施例7と同様の材料、形状にて、第1の材料からなる回折格子(M2B)8と、第2の材料からなる回折格子(M2A)9、及び回折格子面11aを形成している。さらに第3の材料層(M1B)10、第4の材料層(M1A)11を形成する材料も実施例7と同様としている。回折格子11と回折格子10は第1の組合せ部、回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。実施例7においては、回折格子面11aのエッジ部に対し、回折格子8,9のエッジ部が、それぞれD1、D2の厚さをもって配置された構成となっていた。それに対し、実施例8においては、回折格子面11aに対して、格子面8aと格子面9aを近接配置させ、それぞれエッジ部が隣接するように配置している。
実施例1乃至8においては、複数の回折格子面の向きが全て同一の方向となる構成であったが、本発明の回折格子はこれに限るものではない。図22は本発明の実施例9の回折光学素子の要部断面図である。実施例9においては、実施例1と同様、第1の回折格子(M2B)8と第2の回折格子(M1B)9の間に、第3の材料層(M1A、M2A)10を設けた構成となっている。回折格子9と回折格子10は第1組合せ部、回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。但し、第1の回折格子(M2B)8の格子面8aが図中下から上に格子厚が増加する構成であるのに対し、第2の回折格子(M1B)9の格子面9aは、図中下から上に格子厚が減少する構成となっている。なお、第3の材料層(M1A、M2A)10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。
Claims (11)
- 少なくとも3種類の材料からなる複数の回折格子を積層した回折光学素子において、
前記複数の回折格子は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、
格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、
少なくとも1つの材料が前記第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る2つの回折格子より成る第2の組合せ部とを有し、
前記第1の組合せ部を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率を、それぞれN1Aw、N1Bw、アッベ数をν1A、ν1B(ν1A>ν1B)、前記第2の組合せ部を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率を、それぞれN2Ad、N2Bd、アッベ数をν2A、ν2B(ν2A>ν2B)とするとき、ある波長wが
370(nm)<w<730(nm)
の範囲内において
N1Aw−N1Bw=0
を満足し、かつ
16<(ν1A−ν1B)<75
0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5
16<(ν2A−ν2B)<75
なる条件式を満たすことを特徴とする回折光学素子。 - 前記第2の組合せ部をなす材料M2A、M2Bは
1.3<(N2Ad−N2Bd)×(ν2A−ν2B)<35
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。 - 前記複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとするとき、
dtot<30(um)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の回折光学素子。 - 前記複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdH、前記複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとするとき、
0.1<dH/dtot<0.7
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。 - 前記複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとするとき、
dH<9(um)
なる条件式を満足する事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。 - 前記材料M1A、M1Bのアッベ数ν1A、ν1B、前記材料M2A、M2Bのアッベ数ν2A、ν2Bは
0<|ν1A−ν2A|<15
又は
0<|ν1B−ν2B|<15
なる条件式のうち少なくとも一つを満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素子。 - 前記材料、M1A、M1B、M2A、M2Bのうち、二つの材料は同一であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
- 前記複数の回折格子は、3つ以上の回折格子が密着接合されており、このうち少なくとも一つの回折格子の格子側面に対して、二つ以上の回折格子の格子側面が、格子ピッチ方向に近接配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回折光学素子。
- 前記複数の回折格子の格子部の構造が、格子側面を挟んで対向する領域j(j=1、2・・・n)において、対向する格子部の構造間のd線における臨界角をθj(rad)、その格子側面の高さをHj(um)、使用次数をmとするとき、
〔Σ{(π/2−θj)×Hj}〕/m<3.5
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回折光学素子。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回折光学素子を有することを特徴とする光学系。
- 請求項10の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する固体撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
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