JP2011107586A - 回折光学素子およびそれを有する光学系 - Google Patents

回折光学素子およびそれを有する光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】 広い波長域において設計次数の回折効率が高く、かつ格子側面による不要光が像面に到達することを抑制することができる回折光学素子を得ること。
【解決手段】 少なくとも3種類の材料からなる複数の回折格子を積層した回折光学素子において、複数の回折格子は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、少なくとも1つの材料が第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る2つの回折格子より成る第2の組合せ部とを有し、第1の組合せ部を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率N1Aw、N1Bw、アッベ数ν1A、ν1B、第2の組合せ部を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率N2Ad、N2Bd、アッベ数ν2A、ν2Bの値を適切に設定すること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回折光学素子およびこれを有する光学系に関し、例えばビデオカメラやデジタルカメラ、そしてテレビカメラ等の光学機器に用いる光学系に好適なものである。
光学系(レンズ系)の色収差を減じる方法として、互いに異なった硝材の組み合わせによる方法が知られている。この他、光学系の一部に回折作用を有する回折光学素子を設ける方法が知られている。回折光学素子には、色収差の補正の他、その周期的構造の周期を適宜変化させることで非球面レンズ的な効果を持たせることができることが知られている。ここで、屈折においては、1本の光線は屈折後も1本の光線であるのに対し、回折においては、各次数に光が分かれてしまう。そこで、レンズ系として回折光学素子を用いる場合には、使用波長領域の光束が1つの特定次数(以後設計次数とも言う)に集中するように格子構造を決定する必要がある。
そこで、一般的に回折レンズとして用いられる回折光学素子のうち、ブレーズ構造の回折光学素子は、特定の回折次数と、特定の波長に対して、高い効率で光を回折できる。このブレーズ構造の回折光学素子として広い波長域において高い効率で光を回折するような構成の回折光学素子が知られている(特許文献1)。一方、回折格子の格子部の格子側面に入射した光束は、格子側面で反射、屈折など格子面と異なる振る舞いをするため、回折レンズとしては、不要な光となる。この格子側面での不要光を抑制するため格子側面に入射光束が当たりにくいように、格子溝を連ねた包絡面の曲率と格子側面の角度を最適化した回折光学素子が知られている(特許文献2)。
特開2005−107298号公報 USP5,801,889
格子側面より生ずる不要光を軽減するため、格子側面の傾きを変えて格子側面に入射した光が像面(評価面)に到達することを抑制する構成は必ずしも抑制効果が十分ではない。回折格子の格子部の格子厚を低くすると、撮像に寄与しない光が壁面(格子側面)に入射した際にも、不要光の発生する割合が少なく、望ましい。さらに、撮像に寄与する光に関しても、光の入射角度の変化による回折効率の劣化が少なく、望ましい。2種類の材料からなる回折格子が密着配置した回折光学素子において、広い波長範囲で高い回折効率を得るためには、高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料の組合せが必要であることが知られている。2種類の材料からなる回折格子が密着配置されている回折光学素子において、格子部の格子厚を低くするためには、材料の屈折率差、及び分散の差を大きくする必要があり、より高屈折率で低分散な材料や、より低屈折率で高分散な材料等が必要となる。
しかしながら、現実に存在する光学材料の屈折率と分散(屈折率の波長分散)との関係は、おおよそ、屈折率が大きくなるほど分散も大きくなる傾向を示す。このため、十分な効果を有する複数の光学材料の組み合わせを見つけることは、現状の材料を用いては大変困難である。材料の組合せを増やして、広い波長範囲で比較的高い回折効率を得た回折光学素子が知られている。しかしながら、この構成では全体の格子厚が高く(厚く)なるため、撮像に寄与しない光が壁面(格子側面)に入射した際に、不要光が発生し、このとき発生する不要光を抑制することが大変困難となる。
本発明は、広い波長域において設計次数の回折効率の劣化を抑えつつ、格子側面に入射した後に像面(評価面)に到達する不要光の光量を抑制することができる回折光学素子及びそれを有する光学系の提供を目的とする。
本発明の回折光学素子は、少なくとも3種類の材料からなる複数の回折格子を積層した回折光学素子において、前記複数の回折格子は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、少なくとも1つの材料が前記第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る2つの回折格子より成る第2の組合せ部とを有し、前記第1の組合せ部を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率を、それぞれN1Aw、N1Bw、アッベ数をν1A、ν1B(ν1A>ν1B)、前記第2の組合せ部を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率を、それぞれN2Ad、N2Bd、アッベ数をν2A、ν2B(ν2A>ν2B)とするとき、ある波長wが
370(nm)<w<730(nm)
の範囲内において
N1Aw−N1Bw=0
を満足し、かつ
16<(ν1A−ν1B)<75
0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5
16<(ν2A−ν2B)<75
なる条件式を満たすことを特徴としている。
本発明によれば、広い波長域において設計次数の回折効率が高く、かつ格子側面による不要光が像面に到達することを抑制することができる回折光学素子を得ることができる。さらに、該回折光学素子を光学系中に用いることで、回折格子による不要光が抑制され、かつ、諸収差が低減された光学系や、全長が短縮された光学系を得ることができる。
本発明の実施例1である回折光学素子の正面図および側面図 本発明の実施例1を示す回折光学素子の部分断面図 比較例の回折光学素子の部分断面図 (a),(b)本発明の回折光学素子を説明するための模式断面図 本発明の実施例1の回折光学素子の回折効率のグラフ 回折光学素子に入射角+10度光束が入射する様子を示す模式図 (a)〜(c)実施例1の回折光学素子の入射角+10度光束に対する回折効率のグラフ (a)〜(c)比較例の回折光学素子の入射角+10度光束に対する回折効率のグラフ 本発明の実施例2を示す回折光学素子の部分断面図 (a)〜(c)実施例2の回折光学素子の入射角+10度光束に対する回折効率のグラフ 本発明の実施例3を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例3の別の構成を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例4を示す回折光学素子の部分断面図 (a),(b)本発明の実施例4の回折光学素子の回折効率のグラフ 本発明の実施例5を示す回折光学素子の部分断面図 (a),(b)本発明の実施例5の回折光学素子の回折効率のグラフ 本発明の実施例6を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例6の回折光学素子の回折効率のグラフ 本発明の実施例7を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例7の回折光学素子の回折効率のグラフ 本発明の実施例8を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例9を示す回折光学素子の部分断面図 本発明の実施例9形態の回折光学素子の回折効率のグラフ (a)(b)本発明の回折光学素子を用いた撮影光学系の構成図 本発明の撮像装置の要部概略図
本発明の回折光学素子は、少なくとも3種類の材料からなる3層以上の複数の回折格子を直接又は基板を介して又は空気層を介して積層して構成されている。複数の回折格子は任意の2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、少なくとも1つの回折格子が第1の組合せ部の2つの回折格子と異なる2つの回折格子より成る第2の組合せ部を有している。このうち第1の組合せ部は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る。第2の組合せ部は、少なくとも1つの材料が第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る。
まず最初に、本実施形態の回折光学素子を構成する材料の選択と、回折効率の関係について説明する。図3の参考例を用いて2種類の異なる材料からなる回折格子8、9を密着配置した回折光学素子1において、波長λで次数mの回折光の回折効率が最大となる条件を示す。図3に示す回折光学素子1は、第1の素子部2と第2の素子部3とを、それぞれの素子部に形成された第1の回折格子8と第2の回折格子9とが互いに密着するように重ね合わせた構成となっている。また、図3に示すように、第1の素子部2は、第1の透明基板4と、格子ベース部6およびこの格子ベース部6に一体形成された第1の材料より成る第1の回折格子8からなる。
一方、第2の素子部3も第1の素子部2と同様に、第2の透明基板5と、この第2の透明基板5上に設けられた格子ベース部7およびこの格子ベース部7に一体形成された第2の材料より成る第2の回折格子9からなる。これら第1,第2の素子部2,3の全体で1つの回折光学素子1として作用する。第1および第2の回折格子8,9は同心円状の格子形状からなり、径方向における格子ピッチが変化することで、レンズ作用を有する。図3に示す回折光学素子1において、回折光学素子1に入射させる光の波長領域、すなわち使用波長領域は可視領域(波長370nm〜波長730nm)である。第1および第2の回折格子8,9を構成する材料および格子部8b、9bの格子厚さd0は、可視領域全体で1次の回折光の回折効率を高くするよう選択される。
光束が回折格子のベース面6a(図3に点線で示す面6a)に対して垂直に入射する場合は、回折格子の山と谷の光学光路長差(つまりは、山と谷のそれぞれを通過する光線間における光路長差)が光束の波長の整数倍になることである。これを式で表わすと、
(n2−n1)d0=m×λ ・・・(x1)
となる。ここで、n1と、n2はそれぞれ、第1の回折格子8、第2の回折格子9の材料の波長λ0の光に対する屈折率で、ここではn1<n2とする。また、d0(>0)は格子厚、mは回折次数である。
図3において0次回折光から下向きに回折する光の回折次数を正の回折次数、0次回折光から上向きに回折する光の回折次数を負の回折次数とする。このとき、上記(x1)式での格子厚d0の符号は、図中上から下に格子厚が増加する格子形状を持つ回折格子(第2の回折格子9)の場合、正となる。また、任意の波長λでの回折効率η(λ)は、
η(λ)=sinc^2〔π{M−(n2(λ)−n1(λ))d/λ}〕
・・・(x2)
で表すことができる。上記(x2)式において、Mは評価すべき回折光の次数、n1(λ)、n2(λ)は波長λの光に対する第1、第2の回折格子8、9の材料の屈折率である。また、sinc^2(x)は、{sin(x)/x}^2で表わされる関数である。
上記(x1)式は波長の項を含むため、広い波長域で高い回折効率を得るためには、回折光学素子が使用される各波長における屈折率が、(x1)式をなるべく満たすような材料を用いる必要がある。たとえば、可視域の広い波長範囲で高い回折効率を得るためには、d線だけでなくF線やC線等の波長においても、(x1)式を満たす必要がある。すなわち、d線の波長において高い回折効率を得ることができる格子厚をd0としたとき、
(n2d−n1d)d0=m×λd ・・・(x3a)
(n2F−n1F)d0=m×λF ・・・(x3b)
(n2C−n1C)d0=m×λC ・・・(x3c)
の条件をなるべく満たす材料の組合せを用いる必要がある。
ここで、n1d、n1F、n1Cはそれぞれ第1の回折格子8の材料の、d線、F線、C線の波長における屈折率である。また、n2d、n2F、n2Cはそれぞれ第2の回折格子9の材料の、d線、F線、C線の波長における屈折率である。設計回折次数mを1とし、(x3b)式から(x3c)式を辺々引いて整理すると、
(n2F−n2C)−(n1F−n1C)=(λF−λC)/d0 ・・・(x3d)
となる。ここで、(x3d)の格子厚d0に、(x3a)式を変形して代入し、整理すると、
(n2F−n2C)−(n1F−n1C)
=(λF−λC)/λd×(n2d−n1d) ・・・(x3e)
となる。さらに整理すると、
(n2d−n1d)/{(n2F−n2C)−(n1F−n1C)}
=λd/(λF−λC) = −3.45 ・・・(x3f)
となる。
Δn=(n2d−n1d) ・・・(x3g)
ΔnFC={(n2F−n2C)−(n1F−n1C)} ・・・(x3h)
とすると、(x3f)式は、
Δn/ΔnFC=−3.45 ・・・(x3i)
となり、2つの材料の屈折率差と、分散の差が一定の値をとることが分かる。さらに、(x3i)式の値が負であることから、回折格子を形成する材料は、高屈折率低分散材料と、低屈折率高分散材料の組合せとなることも分かる。(x3a)式より、格子厚d0を低くし、かつ広い波長範囲で高い回折効率を得るためには、屈折率差を大きくする必要があることが分かり、かつ同時に、(x3i)式より、分散の差も大きくとらなければならないことが分かる。
ここで、回折格子8、9の格子厚を、格子厚d0よりも低い格子厚d1とする場合を考える。その際には2つの材料の分散の差も大きくとらなければいけないが、仮に分散の差を小さく設定した場合を考える。前述したように、分散の差が小さい材料の組合せを用いることで、材料の選択が容易となる。特に回折光学素子1の格子厚を数μm程度まで低くする場合、2つ材料の分散の差は非常に大きくなり、現状の材料では困難を極める場合もあるため、分散の差を小さくすることで、材料選択の自由度が大幅に増え、好ましい。
図3に示す回折光学素子1において、第2の回折格子9の材料の分散は変えずに、屈折率をn2(n2d、n2F、n2C)よりも高い値のN2(N2d、N2F、N2C)とし、格子厚を低くした場合について考える。回折格子の格子厚を、d線の波長において(x3a)式を満たす格子厚d1となるように回折格子を形成した場合、各波長における光路長差の式は、
(N2d−n1d)d1=m×λd ・・・(x3aa)
(N2F−n1F)d1=m×λF+αF ・・・(x3bb)
(N2C−n1C)d1=m×λC−αC ・・・(x3cc)
となり、F線及びC線の波長において回折効率の劣化を生じてしまう。ここで、αF、αCは、それぞれF線及びC線における光路長差のずれ分である。そこで、第2の材料の組合せを用いた回折格子をさらに設けて、F線及びC線における光路長差のずれを補正した場合について考える。
図4(a)に、第2の材料の組合せとして、第3の材料より成る第3の回折格子10及び第4の材料より成る回折格子11を図3の回折光学素子に追加した回折光学素子1aの、模式断面図を示す。図4(a)に示す回折光学素子1aは、図3に示す回折光学素子1の、第2の回折格子9(格子ベース部7)と透明基板5の間に、新たな2つの材料から形成される回折格子10、11を設けた構成となっている。図4(a)に示す回折光学素子1aは、図3の回折光学素子1に比べて第3の材料からなる回折格子10と、第4の材料からなる回折格子11が、互いの格子面を挟んで密着接合されている構成が追加された状態となっている。第3の回折格子10と第2の回折格子9は平坦面7aを介して密着接合されおり、かつ、第4の回折格子11と透明基板5も同様に密着接合されている。さらに、第3の回折格子10と第4の回折格子11は格子厚は共にd2である。
第3、第4の材料の、d線、F線、C線の波長における屈折率を、それぞれn3d、n3F、n3C、n4d、n4F、n4Cとする。格子厚d2(>0)となる回折格子を用いるとすると、各波長において、光路長差を満足するための条件式は、それぞれ、
(N2d−n1d)d1+(n4d−n3d)d2=m×λd ・・・(x4a)
(N2F−n1F)d1+(n4F−n3F)d2=m×λF ・・・(x4b)
(N2C−n1C)d1+(n4C−n3C)d2=m×λC ・・・(x4c)
で与えられる。このとき、F線、C線波長における光路長差のずれ分αF、αC、のみを補正するように、第3、及び第4の材料の屈折率を選択すると、広い波長域で高い回折効率を持つ回折光学素子が得られる。
d線、F線、C線の波長において、光路長差が所望の値を得られる条件は、(x4aa)式〜(x3cc)式と、(x4a)式〜(x4c)式の辺々を引くことによって得られ、
(n4d−n3d)=0 ・・・(x5a)
(n4F−n3F)d2=−αF ・・・(x5b)
(n4C−n3C)d2=αC ・・・(x5c)
となる。このとき、第3の材料と第4の材料の屈折率はd線の波長において等しくなっているので、F線やC線の波長においても、その屈折率差は非常に小さい値となる。そのため、第3の材料と第4の材料からなる回折格子10、11の格子側面に、撮像に寄与しない光が壁面に入射した場合も、不要光による影響が非常に小さいものとなる。
以上のような構成とすることで、屈折率差が大きい第1の材料と第2の材料からなる回折格子8、9においては、格子厚を低くすることができ、かつ、広い波長域において所望の光路長差を得られる。よって、広い波長域において高い回折効率を持ち、かつ、格子側面による不要光の発生が抑制されている回折光学素子が得られる。上記の図4(a)に示すような構成の回折光学素子1aにおいては、4種類の材料を用いて回折格子を形成しているが、そのうち、2つの材料を同一の材料とすることでより簡素な構成で回折光学素子を形成することができる。例えば、図4(a)の構成において、第2の材料からなる回折格子9と第3の材料からなる回折格子10は平坦面を介して密着接合されているが、この第2の材料と第3の材料を同一とすることで、より簡素な構成とできる。
さらに、上記図4(a)に示す回折光学素子においては、第1の組合せ部からなる回折格子8と回折格子9を、互いの格子面を介して密着させた構成としているが、必ずしもその必要性はない。例えば、図4(a)に示す回折光学素子において、回折格子9を形成する第2の材料と、回折格子11を形成する第4の材料を同一とした場合、d線において光路長差を満足するための条件式は以下のようになる。
(N2d−n1d)d1+(N2d−n3d)d2=m×λd ・・・(x4aa)
これを変形すると、
(n3d−n1d)d1+(N2d−n3d)×(d1+d2)=m×λd
・・・(x4aaa)
となる。図4(b)に(x4aaa)式の光路長差を満たすような回折光学素子を示す。図4(b)に示す回折光学素子においては、第1の材料からなる第1の回折格子8と、第3の材料からなる第3の回折格子10が、互いの格子面を挟んで密着接合されている構成となっている。また、第2の材料からなる第2の回折格子9と、第3の材料からなる第4の回折格子11も同様に、互いの格子面を挟んで密着接合されている構成となっている。
さらに、回折格子10と回折格子11は平坦面を介して密着接合されている。このとき、回折格子10と回折格子11は共に同一の材料から形成されているため、例えば平坦面を無くし、一体成形によって回折光学素子を作製すると、より簡素な構成の回折光学素子が得られる。第1の回折格子8の格子厚はd1であり、第2の回折格子9の格子厚は(d1+d2)である。上述のように、図4(b)に示すような、第1の材料組合せからなる回折格子8と回折格子9が、離れて配置された回折光学素子においても所望の光路長差が得られることがわかる。また、図4(b)に示す回折光学素子においては、(x5a)〜(x5c)式は、以下のようにあらわせる。
(N2d−n3d)=0 ・・・(x5aa)
(N2F−n3F)d2=−αF ・・・(x5bb)
(N2C−n3C)d2=αC ・・・(x5cc)
上式(x5aa)〜(x5cc)が示すように、第2の材料の屈折率N2と第3の材料の屈折率n3は近い値を取る。そのため、回折格子11と回折格子9とがなす格子側面に、撮像に寄与しない光が壁面に入射した場合も、不要光による影響が非常に小さいものとなる。
次に本発明の回折光学素子の各実施例を説明する。本発明の回折光学素子を構成する第1の組合せ部の2つの回折格子を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率を、それぞれN1Aw、N1Bw、アッベ数をν1A、ν1B(ν1A>ν1B)とする。第2の組合せ部の2つの回折格子を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率を、それぞれN2Ad、N2Bd、アッベ数をν2A、ν2B(ν2A>ν2B)とする。そして、ある波長wが
370(nm)<w<730(nm)
の範囲内において
N1Aw−N1Bw=0 ・・・(1)
を満足する。更に
16<(ν1A−ν1B)<75 ・・・(2)
0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5 ・・・(3)
16<(ν2A−ν2B)<75 ・・・(4)
なる条件式を満たす。本発明の回折光学素子は条件式(1)〜(4)を満足すれば良いが、更に好ましくは次の条件式のうち、1以上を満足するのが良い。複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとする。複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとする。
複数の回折格子の格子部の構造が、格子側面を挟んで対向する領域j(j=1、2・・・n(正の整数))において、対向する格子部の構造間のd線における臨界角をθj(rad)、その格子側面の高さをHj(um)、使用次数をmとする。このとき、
1.3<(N2Ad−N2Bd)×(ν2A−ν2B)<35・・・(5)
dtot<30(um) ・・・(6)
0.1<dH/dtot<0.7 ・・・(7)
dH<9(um) ・・・(8)
0<|ν1A−ν2A|<15 ・・・(9)
0<|ν1B−ν2B|<15 ・・・(10)
〔Σ{(π/2−θj)×Hj}〕/m<3.5 ・・・(11)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
(実施例1)
次に、実施例1の具体的な構成について説明する。図1(a)は、本発明の実施例1の回折光学素子の正面図であり、図1(b)は図1(a)の回折光学素子の側面図である。また、図2には、図1の回折光学素子をA−A’線で切断したときの断面形状の一部を拡大して示している。但し、図2は回折格子の格子部の格子深さ方向にかなりデフォルメされた図となっている。これらの図に示すように、回折光学素子1は、第1の素子部2と第2の素子部3とを、それぞれの素子部2、3に形成された第1の回折格子8と第2の回折格子9とが第3の材料層10を挟んで互いに密着するように重ね合わせた構成となっている。また、図2に示すように、第1の素子部2は、第1の透明基板4と、格子ベース部6およびこの格子ベース部6に一体形成された第1の材料より成る第1の回折格子8を有する。第1の回折格子8における、第3の材料層10との境界部には格子面8aが形成されている。
一方、第2の素子部3も第1の素子部2と同様に、第2の透明基板5と、この第2の透明基板5上に設けられた格子ベース部7およびこの格子ベース部7に一体形成された第2の材料より成る第2の回折格子9を有する。第2の回折格子9における第3の材料層10との境界部には格子面9aが形成されている。なお、第3の材料層10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。これら第1,第2の素子部2,3、及び第3の材料層10の全体で1つの回折光学素子1として作用するものである。第1および第2の回折格子8,9は同心円状の格子形状からなり、径方向における格子部の格子ピッチが変化することで、レンズ作用を有する。
本実施形態において、回折光学素子1に入射させる光の波長領域、すなわち使用波長領域は可視領域(波長370nm〜波長730nm)である。第1および第2の回折格子8,9、及び第3の材料層10を構成する材料および格子厚さは、可視領域全体で1次の回折光の回折効率を高くするよう選択されている。図2に示した、実施例1における回折光学素子1において、設計波長がλ0の場合に、回折次数mの回折光の回折効率が最大となる条件は、
(n03−n01)d1+(n02−n03)d2=mλ ・・・(x6)
となる。ここで、上記(x6)式において、n01は第1の素子部2において第1の回折格子8を形成する材料の波長λ0の光に対する屈折率である。n02は第2の素子部3において第2の回折格子9を形成する材料の波長λの光に対する屈折率である。n03は第3の材料層10を形成する材料の波長λ0の光に対する屈折率である。また、d1は第1の回折格子8の格子部8b、d2は第2の回折格子9の格子部9bの格子厚である。
図2において、0次回折光から下向きに回折する光の回折次数を正の回折次数、0次回折光から上向きに回折する光の回折次数を負の回折次数とする。上記(x6)式での格子厚d1、及びd2の加減の符号は、図中上から下に格子厚が増加する格子形状を持つ第2の回折格子9の格子部9bの場合、正となる。図2に示した回折光学素子1において、第1の回折格子8の材料(M2B)に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(屈折率Nd=1.480、アッベ数νd=21.7)を用いた。一方、第2の回折格子9の材料(M1A、M2A)には、アクリル系樹脂にZrO微粒子を混合させた樹脂(屈折率Nd=1.569、アッベ数νd=47.9)を用いた。また、第3の材料層10の材料(M1B)には、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(屈折率Nd=1.564、アッベ数νd=20.8)を用いた。また、回折格子8の格子厚d1は6.2μm、回折格子9の格子厚d2は13.7μm、第3の材料層10における、両回折格子8,9の格子側面の間隔Dは1.5μm、回折ピッチPは100μmである。ここでd1+d2は条件式(6)、(7)の格子厚dtotに相当する。回折格子8、及び回折格子9の格子側面の、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。
次に、本実施例の回折光学素子1に対し、撮像に使用する光束が入射した場合の光の振る舞いについて述べる。本実施例の回折光学素子1においては、撮像に使用される光束が、回折格子の格子先端部を連ねた包絡面の法線に対し±2°の範囲で入射する光学系中に配置されたものと想定している。格子厚d1、及び格子厚d2は、最大の入射角度+2°と、最小の入射角度−2°の平均である、0°を重心光線角度として、0°で入射した状態において最適な回折特性を得るように設計されている。さらに、回折格子8、及び回折格子9の格子側面の、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きを、格子厚と同様に重心光線角度に合わせるように、0°としている。この場合、回折格子を1次の回折角を持って、入射角度±2°からわずかに偏向した出射した光束が像面(評価面)に到達する。すなわち、回折角0°付近を基準として、格子先端部を連ねた包絡面の法線に対し、回折角が約±2°の範囲の光束が撮像面に到達する。図5は、実施例1の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面の法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。
次に、撮像に使用される光束の入射角度から、ずれた角度を持って光束が入射した場合について述べる。回折光学素子を光学系中に用いた場合、撮像に使用される光束以外の光が回折光学素子に入射してしまう場合がある。例えば、図6に示すように、回折光学素子1に格子先端部を連ねた包絡面8cの法線に対し+10°の光束が入射した場合について考える。この時、+10°で入射した光束の1次回折光は、それぞれ格子先端部を連ねた包絡面8cの法線に対し約10°で出射し、像面(評価面)には到達しにくい。ただし、格子側面8dからの射出光束は、ある広がり幅を持って射出するため、スネルの法則で計算した光束の出射方向が、像面(評価面)に到達しない構成であっても、実際にはわずかな光が像面(評価面)に到達する。撮像に使用される光束以外の光の強度が大きい場合には、格子側面8dを起因とした不要光が結像性能を低下させる問題となる場合がある。特に、光束が格子側面8dが成す角度からずれて入射した場合、格子側面8dに入射する光束の割合が多くなり、格子側面8dに入射した光が偏向されて、不要光として像面(評価面)に到達する可能性が高くなる。また、格子側面8dに光束が入射する際に、高屈折率の材料から低屈折率の材料側へと入射する場合、格子側面8dの法線方向に対して臨界角以上で入射すると全反射光となって偏光され、エネルギーの高い不要光が生じる。
上記回折光学素子1において、厳密波動計算のうち厳密結合波解析(以下、RCWA:Regorous Coupled Wave Analysis)を用いて回折光学素子の計算を行った。図7(a)、(b)、(c)に、本実施例1の回折光学素子1に対し、最適入射角度からずれた角度(+10°)を持って光束が入射した場合の、RCWA計算の計算結果を示す。それぞれ、図7(a)は波長450nm、図7(b)は波長550nm、図7(c)は波長650nmの計算結果である。なお、図8に、比較例として、図3に示すような回折光学素子1において、同様の計算を行った結果を示す。それぞれ、図8(a)は波長450nm、図8(b)は波長550nm、図8(c)は波長650nmの計算結果である。
図3に示す比較例の回折光学素子においては、第1の回折格子8に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.504、νd=16.3)を用いた。一方、第2の回折格子9には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.568、νd=45.1)を用いた。格子厚d0は9.3μmであり、格子側面8dの格子先端部を連ねた包絡面8cの法線に対する角度は0°である。図7、図8に示す、実施例1、及び従来例のRCWAの計算結果において、波長450nmと波長550nmにおいて、像面に到達する回折角0°付近の回折効率を見ると、本実施例1の方が値が小さいことが分かる。このことから、撮像に使用される光束以外の光が入射した際に、本実施例の回折光学素子1は、広い波長域で不要光の発生を抑制できている。さらに、図3に示す第1の回折格子8においては、アッベ数16.3と非常に高分散な材料を用いているが、実施例1においては、アッベ数21前後の、より低分散の材料を用いているため、回折光学素子1の作成が容易である。本実施例においては、重心光線を回折格子8、及び回折格子9の格子側面8dの、格子先端を連ねた包絡面8cの法線に対して0°と設定したが、本発明の効果はこれに限るものではない。
次に、格子先端を連ねた包絡面8cの法線8eに対して、+5°〜+15°の範囲を持って光束が入射する光学系中に本発明の回折光学素子を用いた場合を考える。その際の重心光線角度を+10°と設定した場合、格子側面8dの、格子先端を連ねた包絡面8cの法線8cに対する角度も、重心光線角度の+10°に合わせた形状とすることで、実施例1と同様に不要光の発生を抑制することができる。また、本実施例の回折光学素子1は可視域における使用を主としているため、可視域全域において屈折率差が少ない材料の組合せを用いるのが良い。そのためには、回折格子8、9と回折格子10の3つの材料のうちの二つの材料の屈折率が、波長370nmから波長730nmの間で等しい点(条件式(1))を持つことで、可視域全域での屈折率差が十分小さいものとなる。
具体的には、第1の組合せ部(回折格子9、10)M1A、M1Bとして、条件式(1)を満たす材料を用いることで、格子側面から発生する不要光を抑制することができる。また、第1の組合せ部における分散の差をある程度大きくしないと、可視域全域で十分な光路長差を得ることができないので、条件式(2)の範囲のアッベ数ν1A、ν1Bとする必要がある。条件式(2)式の下限値を下回ると、回折光学素子全体として十分な分散力を得ることができず、上限値を上回ると分散の差が多くなり、波長変化による屈折率差の増加量が多くなってしまい、不要光の発生が多くなってしまう。さらに望ましくは、条件式(2)の数値範囲を以下の範囲とすることが望ましい。
20 < (ν1A−ν1B) < 60 ・・・(2a)
また、第2の回折格子9の格子側面9dと第3の回折格子10の格子側面10dは、格子ピッチ方向に近接配置されているのが良い。本実施例においては、第2の回折格子9と第3の回折格子10が密着接合された構成となっている。実施例1の回折光学素子1においては、第1の回折格子8の第1の格子材料と第2の回折格子9の第2の格子材料との屈折率差によって光路長差の大部分を得ている。屈折率差が小さい材料のみで構成された回折光学素子1の場合、十分な光路長差を得る為には格子厚を高くしなければならず、不要光の増加につながってしまう。格子厚を低くするためには、前述したように、屈折率差が条件式(3)の範囲となる第2の組合せ部を用いるのが良い。回折光学素子1を可視域において使用する場合、d線付近を設計波長とする場合が多い。その際、設計波長である、d線における屈折率差を(3)式を満たすような条件とすることで、可視域全域で高い回折効率を得て、かつ材料選択の自由度も増えて好ましい。(3)式の下限値を下回ると、十分な光路長差を得られず格子厚が高くなってしまう。逆に上限値を上回ると適切な材料の選択が困難となる。さらに望ましくは、条件式(3)の数値範囲を以下の範囲とすることが望ましい。
0.04<|N2Ad−N2Bd|<0.3 ・・・(3a)
また、その時の二材料の分散の差をある程度大きくしないと、可視域全域で十分な光路長差を得ることが難しく、前述したように、条件式(4)の範囲のアッベ数ν2A、ν2Bとするのが良い。条件式(4)の下限値を下回ると、回折格子全体として十分な分散力を得ることができず、上限値を上回ると適切な材料の選択が困難となる。さらに望ましくは、条件式(4)の数値範囲を以下の範囲とすることが望ましい。
20 < (ν2A−ν2B) < 60 ・・・(4a)
尚、前述した条件式(1)〜(4)については後述する各実施例においても同様に満足している。本実施例の回折光学素子は、式(x3a)〜式(x3i)で説明したとおり、2つの材料からなる回折格子で所望の光路長差を得る為には、かつ、高屈折率低分散な材料と、低屈折率高分散な材料の組合せを用いることが望ましい。本実施例の回折光学素子1においても同様で、光路長差の大部分を得る第2の材料組合せのうち、少なくとも一つの材料の組合せにおいて、条件式(5)を満足することが望ましい。さらに、本実施例の回折光学素子は、格子側面から発生する不要光を抑制することも目的にしているため、格子厚は低い方が好ましい。光束が通過する方向で、各格子部の格子厚の合計をdtotとしたとき、格子厚dtotを条件式(6)の範囲とすることで、不要光の発生を抑制できる。特に、格子側面に起因する不要光は、格子側面を成す材料の屈折率差が大きいほど大きくなる。そのため、屈折率差が大きい格子側面の高さを低くすることで、不要光を抑制することができ、好ましい。具体的には、屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとしたとき、全体の格子厚dtotに対する高さdHの割合が条件式(7)を満たすことで不要光を良好に抑制することができる。さらには、高さdHの値を条件式(8)の範囲とすることで、さらに良好な性能が得られる。また、回折光学素子を形成する材料のうち、条件式(9)又は条件式(10)のうち少なくとも一つを満たすことで、材料選択が容易となり、製造容易な回折光学素子が得られる。
条件式(9)の上限値を上回ると、材料M1Aと材料M2Aのうち、一方の材料に対して非常に低分散な材料(アッベ数の大きな材料)を用いる必要が生じるため、材料作製が困難となる。条件式(10)の上限値を上回ると、材料M1Bと材料M2Bのうち、一方の材料に対して非常に高分散な材料(アッベ数の小さな材料)を用いる必要が生じるため、材料作製が困難となる。また、以上の説明においては、材料種を4種類用いて説明したが、本発明の内容はこれに限るものではない。本発明の特徴は、屈折率差が少なく分散の差が大きい第1の組合せ部(M1A、M1B)と、屈折率差と分散の差が大きい第2の組合せ部(M2A、M2B)との、2種類の材料の組合せ部の選択にある。すなわち、例えば3種類の材料を用いても、2種類の材料組合せを得ることができ、さらに、構成が簡素となるため望ましい。実施例1の回折光学素子1は、3つの材料の中に、屈折率差が小さく分散の差が大きい材料の組合せと、屈折率差が大きく分散の差が大きい組合せを用いている。すなわち、屈折率差が少なく分散の差が大きい回折格子9、10より成る第1の組合せ部(M1A、M1B)のうちアッベ数が大きい材料をM1A(第2の材料)とする。M1Aと回折格子9、8より成る屈折率差と分散の差が大きい第2の組合せ部(M2A、M2B)のうちアッベ数が大きい材料であるM2Aを同一材料としている。そのため、少ない材料数で簡素な構成の回折光学素子1を得ている。尚、以上の条件式(5)〜(10)については、後述する各実施例においても同様に満足するのが良い。
(実施例2)
実施例1において、回折光学素子1ら撮像に使用される光束以外の光(+10°)が入射した際のRCWA計算結果において、波長650nmの光は、参考例よりも実施例1の方が不要光が多い結果となっていた。これは、回折格子9を形成する第2の材料と、第3の材料層10の間のわずかな屈折率差によるものである。図9は、本発明の実施例2の回折光学素子の要部断面図である。図9に示す構成は、実施例1と同様の材料、及び形状で、第1の材料(M2B)からなる回折格子8と、第2の材料(M1A、M2A)からなる回折格子9を形成している。さらに第3の材料層(第3の回折格子)10を形成する材料(M1B)も実施例1と同様としている。第1の回折格子9と第3の材料層10は第1の組合せ部、第1の回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。
図2に示す実施例1においては、第3の材料層(M1B)10において、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定した。それに対し、実施例2においては、回折格子(M2B)8と回折格子(M1A、M2A)9を近接配置させ、回折格子8の格子谷部8fと回折格子9の格子頂点部9fが隣接するように配置している。その結果、回折格子9の格子側面部9dに対し、回折格子8の格子側面8dと第3の材料層10からなる格子部の格子側面10dが、格子ピッチ方向に近接配置された構成となっている。このとき、回折格子9と第3の材料層(M1B)10が隣接する格子側面部10dの高さd3は、実施例1においては、回折格子9の格子側面部9dの高さと同じ13.7μmであったのに対し、本実施例2においては、7.5μmと少なくなっている。実施例1において、回折格子9と第3の材料層10の間の格子側面10dにおいては、屈折率差を小さく設定しているため不要光の発生が少ないことを説明したが、波長が変化した時には若干屈折率差が大きくなり、わずかに不要光が発生する。このとき、図9に示すような構成とすると、回折格子9の第2の材料と第3の材料10の間の屈折率差の影響を少なくすることができ、不要光の発生を抑制することができる。本実施例2における光路長差を満たす式は、
n02×d2−{n01×d1+n03×(d2−d1)}=mλ・・・(x7)
となり、(x7)式を変形すると、(x6)式と同一の式となることが分かる。そのため、設計次数回折光の回折効率は、実施例1の回折光学素子と概ね同様の値が得られる。
次に、図9に示す回折光学素子1に対し、撮像に使用される光束の入射角度からずれた角度を持って光束が入射した場合について述べる。具体的に、回折光学素子1に回折格子先端部を連ねた包絡面の法線に対し+10°の光束が入射した場合について考える。ここでいう+10°とは、図6に示す光線入射方向と同様であり、図9に示す回折光学素子1に対し左側から光束が入射した場合は、光束が図中上側から10°の角度を持って入射することを意味する。図10に、本実施例2の回折光学素子1に対し、最適入射角度からずれた角度(+10°)を持って光束が入射した場合の、RCWA計算の計算結果を示す。それぞれ、図10(a)は波長450nm、図10(b)は波長550nm、図10(c)は波長650nmの計算結果である。図10に示す本実施例2の計算結果と、図8に示す比較例の計算結果を比較する。像面に到達する回折角0°付近の回折効率を見たとき、波長450nm、及び波長550nmの結果は、共に本実施例2の方が低い値となっており、波長650nmにおいても比較例と同等程度となっている。実施例1と本実施例2を比較しても、本実施例2における計算結果は、波長450nmと波長550nmにおいては、実施例1と同様に参考例に対する不要光の抑制効果があり、かつ、波長650nmにおける参考例に対する悪化分が改善されていることが分かる。このことから、撮像に使用される光束以外の光が入射した際に、本実施例の回折光学素子は、広い波長域で不要光の発生を抑制できている。
以上のように、格子側面を形成する材料の屈折率差を大きくすることで格子側面の高さを低くでき、さらに、格子側面を形成する材料の屈折率差が小さい場合も、格子側面の高さを低くすることで、さらに不要光を抑制できることを説明した。ただし、格子側面の法線方向に対し、臨界角以上の角度を持って入射した光束は全反射条件を満たし、格子側面から発生する不要光も強いエネルギーを持つ。格子側面を形成する材料の屈折率差を大きくした場合、臨界角が小さくなり、強いエネルギーを持った不要光が発生する割合が多くなる。そのため、回折光学素子1の格子側面は、材料の屈折率差が小さく(臨界角が大きく)、かつ格子側面高さが低いことが好ましい。具体的には、前述の条件式(11)を満たすことで、格子側面から発生する不要光が良好に抑制された回折光学素子を得ることができる。この条件式(11)は実施例1及び後述する各実施例においても同様である。
(実施例3)
上記実施例2においては、屈折率差が小さい、第2の回折格子9と、第3の材料層10が、格子面9aを挟んで密着接合された構成としたが、本発明の回折光学素子はこれに限るものではない。図11は、本発明の実施例3の回折光学素子1の要部断面図である。実施例3の回折光学素子1は、実施例2の回折光学素子の、第1の回折格子8と第3の材料層10を反転させたものとなっている。図11に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B)8、及びベース部6に、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.564、νd=20.8)を用いた。一方、第2の回折格子(M1A、M2A)9、及びベース部7には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.569、νd=47.9)を用いた。また、第3の材料層(M2B)10には、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.480、νd=21.7)を用いた。
ここで第1、第2の回折格子8、9が第1の組合せ部である。第2の回折格子9と第3の材料層10が第2の組合せ部となる。また、回折格子8の格子厚d1は7.5μm、回折格子9の格子厚d2は13.7μm、回折ピッチPは100μmである。このとき、実施例2と同様に、回折格子9の格子側面9dに対し、回折格子8の格子側面8dと第3の材料層10からなる格子の格子側面10dが、格子ピッチ方向に近接配置された構成となっている。そのため、本実施例3においても、実施例2と同様に、撮像に使用される光束の入射角度からずれた角度を持って光束が入射した場合に、格子側面から発生する不要光を抑制することができる。また、実施例2と実施例3においては、第1の回折格子8の格子側面8dと、第2の回折格子9の格子側面9dを密着接合させた構成としたが、本実施例はこれに限るものではない。例えば図12に示すように、第1の回折格子8の格子側面8dと、第2の回折格子9の格子側面9dを、格子ピッチ方向にわずかな間隔dxを空けて、近接配置させても同様の効果が得られる。但し、このとき間隔dxを大きくすると、格子面8aと格子面9aを通る光束の光路長差のずれが大きくなり、設計次数の回折光における回折効率が劣化するため好ましくない。間隔dx(μm)を、望ましくは以下の式の範囲とすることで、良好な回折効率を得ることができる。
0≦dx<5(μm) ・・・(12)
さらに、回折格子のピッチをP(μm)とした時、以下の範囲とすることで、良好な回折効率を得ることができる。
0≦dx/P<0.05 ・・・(13)
(実施例4)
図13は本発明の実施例4の回折光学素子の要部断面図である。実施例4においては、実施例1と同様、第1の回折格子8と第2の回折格子9の間に、第3の材料層10を設けた構成となっている。なお、第3の材料層10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。図13に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B)、(M2B)8に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.480、νd=21.7)を用いた。一方第2の回折格子(M2A)9には、ポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと記述)にAl2O3微粒子とY2O3微粒子をそれぞれ体積比率で20.5%混合させた樹脂(Nd=1.634、νd=60.2)を用いた。また、第3の材料層(M1A)10には、フッ素系樹脂サイトップ(旭ガラス製)にAl2O3微粒子とY2O3微粒子をそれぞれ体積比率で13%混合させた樹脂(Nd=1.481、νd=72.9)を用いた。
ここで第1の回折格子(M1B)8と第3の材料層(M1A)10は第1の組合せ部、第1の回折格子(M2B)8と第2の回折格子(M2A)9は第2の組合せ部を構成している。また、回折格子8の格子厚d1は12.4μm、回折格子9の格子厚d2は3.75μm、第3の材料層10における、両回折格子8,9の格子側面8d、9dの間隔Dは1.5μm、回折ピッチPは100μmである。回折格子8、及び回折格子9における格子側面8d、9dの、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。図14(a)は、実施例4の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面8cの法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。また、図14(b)に、本実施例4の回折光学素子1に対し、最適入射角度からずれた角度(+10°)を持って、波長550nmの光束が入射した場合の、RCWA計算の計算結果を示す。ここでいう+10°とは、図6に示す光線入射方向と同様であり、図13に示す回折光学素子1に対し左側から光束が入射した場合は、光束が図中上側から、格子先端部を連ねた包絡面8cの法線に対し10°の角度を持って入射することを意味する。図14(b)から分かるとおり、像面に到達する回折角0°付近の回折効率がかなり低い値となっていることが分かる。そのため、本実施例4の構成の回折光学素子1は、撮像に使用される光束以外の光が入射した際に発生する不要光を大幅に抑制した構成となっている。
(実施例5)
上記の実施形態においては、全て樹脂材料からなる回折格子を用いて説明した。しかし、本発明の回折光学素子を用いる効果はこれに限るものではなく、例えばガラスモールド材料を用いても同様の効果が得られる。図15は本発明の実施例5の回折光学素子の要部断面図である。実施例5において、回折光学素子1は、実施例4と同様、第1の回折格子(M1B、M2B)8と第2の回折格子(M2A)9の間に、第3の材料層(M1A)10を設けた構成となっている。なお、第3の材料層(M1A)10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。図15に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M1B、M2B)8に、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.564、νd=20.8)を用いた。
一方第2の回折格子(M2A)9には、スミタ光学ガラス(株)製ガラスモールド材料K−VC99(Nd=1.851、νd=41.6)を用いた。また、第3の材料層(M1A)10には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.569、νd=47.9)を用いた。また、回折格子8の格子厚d1は12.3μm、回折格子9の格子厚d2は1.88μm、第3の材料層10における、両回折格子8,9の格子側面の間隔Dは1.5μm、回折ピッチPは100μmである。第1の回折格子(M1B)8と第3の材料層(M1A)10が第1の組合せ部、第1の回折格子(M2B)8と第2の回折格子(M2A)9が第2の組合せ部に相当している。回折格子8、及び回折格子9における格子側面8d、9dの、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。
本実施例5においては、ガラスモールド材料を用いることによって、第2の材料組合せにおける屈折率差を大きくすることができ、その結果、第2の回折格子9の格子厚を2μm以下と低くすることができる。図16(a)は、実施例5の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面の法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。また、図16(b)に、本実施例5の回折格子に対し、最適入射角度からずれた角度(+10°)を持って、波長550nmの光束が入射した場合の、RCWA計算の計算結果を示す。ここでいう+10°とは、図6に示す光線入射方向と同様であり、図15に示す回折光学素子に対し左側から光束が入射した場合は、光束が図中上側から、格子先端部を連ねた包絡面の法線に対し10°の角度を持って入射することを意味する。図16(b)から分かるとおり、像面に到達する回折角0°付近の回折効率がかなり低い値となっていることが分かる。そのため、本実施例5の構成の回折光学素子は、撮像に使用される光束以外の光が入射した際に発生する不要光を大幅に抑制した構成となっている。
(実施例6)
図17は本発明の実施例6の回折光学素子の要部断面図である。実施例6において、回折光学素子1は、第1の材料からなる回折格子(M2B)8に第3の材料層10(M2A)を密着接合している。そして、第2の材料からなる回折格子(M1A)9に第4の材料層(M1B)11を密着接合し、かつ、第3の材料層10と第4の材料層11が平坦面を介して密着接合された構成となっている。なお、第3の材料層10は、回折格子8の格子面8aの格子頂点部8gと、第4の材料層11との境界の間において厚さがD1となるように設定されている。同様に、第4の材料層(M1B)11は、回折格子(M1A)9の格子面9aの格子頂点部9gと、第3の材料層10(M2A)との境界の間において厚さがD2となるように設定されている。図17に示した回折光学素子1において、第1の回折格子8に、PMMAにITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.518、νd=30.1)を用いた。
一方、第3の材料層10には、スミタ光学ガラス(株)製ガラスモールド材料K−GFK68(Nd=1.592、νd=68.3)を用いた。また、第2の回折格子9には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.569、νd=47.9)を用いた。一方、第4の材料層11には、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.564、νd=20.8)を用いた。また、回折格子8の格子厚d1は7.48μm、回折格子9の格子厚d2は6.5μmである。第3の材料層10における、格子側面10dと境界部の間隔D1は1.0μm、第4の材料層11における、格子側面11dと境界部の間隔D2は1.0μm、回折ピッチPは100μmである。回折格子8、及び回折格子9における格子側面の、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。
第2の回折格子(M1A)8と第4の材料(M1B)11は第1の組合せ部、第1の回折格子(M2B)8と第4の材料(M2A)11は第2の組合せ部に相当している。図18は、実施例6の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面の法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。また、本実施例6においても、第2の回折格子9と第4の材料層11の間で、屈折率差が小さく分散の差が大きい材料の組合せを用いているため、第1の回折格子8の格子厚を低くすることができる。そのため、格子側面から発生するフレアを抑制した構成となっている。
(実施例7)
上記実施例6においては、第3の材料層10と第4の材料層11の間を平坦面として、密着させたが、本発明の回折光学素子はこれに限るものではない。図19は実施例7の回折光学素子の要部断面図である。実施例7において、回折光学素子1は、第1の材料からなる回折格子(M2B)8に第3の材料層(M1B)10を密着接合し、第2の材料からなる回折格子(M2A)9に第4の材料層(M1A)11を密着接合している。更に、第3の材料層から成る回折格子10と第4の材料層から成る回折格子11が回折格子面11aを介して密着接合された構成となっている。なお、第3の材料層(M1B)10は、回折格子面8a,11aと格子側面8d、12dとがなすエッジ間において厚さがD1となるように設定されている。
同様に、第4の材料層(M1A)11は、回折格子面9a,11aと格子側面9d、11dとがなすエッジ間において厚さがD2となるように設定されている。図19に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M2B)8に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.453、νd=33.2)を用いた。一方、第3の材料層10(M1B)には、PMMAにITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.555、νd=19.7)を用いた。また、第2の回折格子(M2A)9には、日本ゼオン(株)製樹脂ZEONEX−E48RにY2O3微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.640、νd=56.5)を用いた。一方、第4の材料層11には、アクリル系樹脂にZrO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.561、νd=48.3)を用いた。第4の材料層(M1A)11と第3の材料層(M1B)10は第1の組合せ部、第2の回折格子(M2A)9と第1の回折格子(M2B)8は第2の組合せ部に相当している。回折格子8の格子厚d1は1.5μm、回折格子9の格子厚d2は4.58μm、回折格子面12の格子厚d3は11.5μmである。
また、第3の材料層10における、格子側面10dと境界部の間隔D1は1.0μm、第4の材料層11における、格子側面11dと境界部の間隔D2は1.0μm、回折ピッチPは100μmである。回折格子8、回折格子9、及び格子面12における格子側面8d、9d、12dの、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。図20は、実施例7の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面の法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。また、本実施例7においても、回折格子面11aを形成する第3の材料層10と第4の材料層11の間で、屈折率差が小さく分散の差が大きい材料の組合せを用いているため、第1、第2の回折格子8、9の格子厚を低くすることができる。
(実施例8)
図21は本発明の実施例8の回折光学素子の要部断面図である。図21に示す構成は、図19の実施例7と同様の材料、形状にて、第1の材料からなる回折格子(M2B)8と、第2の材料からなる回折格子(M2A)9、及び回折格子面11aを形成している。さらに第3の材料層(M1B)10、第4の材料層(M1A)11を形成する材料も実施例7と同様としている。回折格子11と回折格子10は第1の組合せ部、回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。実施例7においては、回折格子面11aのエッジ部に対し、回折格子8,9のエッジ部が、それぞれD1、D2の厚さをもって配置された構成となっていた。それに対し、実施例8においては、回折格子面11aに対して、格子面8aと格子面9aを近接配置させ、それぞれエッジ部が隣接するように配置している。
その結果、回折格子面11aの格子側面部に対し、回折格子(M2B)8の格子側面部8d、回折格子(M2A)9の格子側面部9dが、格子ピッチ方向に近接配置されている。更に第3の材料層(M1B)10からなる格子の側面部10d、そして第4の材料層(M1A)11からなる格子の側面部11dが、格子ピッチ方向に近接配置された構成となっている。このとき、格子側面を成す材料間の屈折率差が大きい格子厚は、d1とd2であり、実施例7と変わらない。しかし、格子側面を成す材料間の屈折率差が小さい格子厚は、実施例7においては、回折格子面12の格子側面部高さと同じ11.5μmであったのに対し、本実施例8においては、5.42μmと大幅に少なくなっている。このことから、本実施例8の回折光学素子は、撮像に使用される光束以外の光が入射した際に、不要光の発生が大幅に抑制された構成となっている。なお、第2の組合せ部に関する(3)式、(4)式、(5)式に関しては、条件式を満たす組合せが複数存在する場合は、(3)式の値が最も高いものを表3に示している。(9)、(10)式に関しては、条件式を満たす組合せが複数存在する場合は、(9)、(10)式の値が最も小さいものを各表に示している。
(実施例9)
実施例1乃至8においては、複数の回折格子面の向きが全て同一の方向となる構成であったが、本発明の回折格子はこれに限るものではない。図22は本発明の実施例9の回折光学素子の要部断面図である。実施例9においては、実施例1と同様、第1の回折格子(M2B)8と第2の回折格子(M1B)9の間に、第3の材料層(M1A、M2A)10を設けた構成となっている。回折格子9と回折格子10は第1組合せ部、回折格子9と回折格子8は第2の組合せ部に相当している。但し、第1の回折格子(M2B)8の格子面8aが図中下から上に格子厚が増加する構成であるのに対し、第2の回折格子(M1B)9の格子面9aは、図中下から上に格子厚が減少する構成となっている。なお、第3の材料層(M1A、M2A)10は、両回折格子8,9の格子面8a,9aと格子側面8d、9dとがなすエッジ間において厚さがDとなるように設定されている。
図22に示した回折光学素子1において、第1の回折格子(M2B)8に、フッ素系樹脂にITO微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.480、νd=21.7)を用いた。一方第2の回折格子(M1B)9には、PMMAにTiO2微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.558、νd=28.2)を用いた。また、第3の材料層(M1A、M2A)10には、PMMAにAl2O3微粒子を混合させた樹脂(Nd=1.559、νd=60.2)を用いた。また、回折格子8の格子厚d1は7.45μm、回折格子9の格子厚d2は−4.6μm、第3の材料層10における、両回折格子8,9の格子側面8d、9dの間隔Dは1.5μm、回折ピッチPは100μmである。回折格子8、及び回折格子9における格子側面8d、9dの、格子先端を連ねた包絡面の法線に対する傾きは0°とした。図23は、実施例9の回折光学素子1に、格子先端を連ねた包絡面の法線に対して垂直に光線が入射した時の、設計次数である1次での回折効率特性を示している。これらの特性図からも分かるように、回折光学素子1では可視域全域において、非常に高い回折効率を得ている。また、本実施例9においても、第2の回折格子9と第3の材料層の間で、屈折率差が小さく分散の差が大きい材料の組合せを用いているため、第1の回折格子8の格子厚を低くすることができる。そのため、格子側面から発生するフレアを抑制した構成となっている。
以下の表1〜4に、各実施例の回折光学素子の、各条件式に対応した値を示す。又樹脂M1A、M1B、M2A、M2Bに対する回折格子との対応も示す。表5に条件式(6)に関する格子厚dtotを示す。
図24(a)には、本発明の回折光学素子を用いた、カメラ(スチルカメラやビデオカメラ等)の撮影(結像)光学系の要部断面図である。この図中、101は大部分が屈折光学素子(例えば通常のレンズ素子)で構成される撮影レンズであり、内部に開口絞り102と各実施例にて説明した回折光学素子1を有する。103は結像面に配置されたフィルム又はCCD等の撮影媒体である。回折光学素子1はレンズ機能を有する素子であり、撮影レンズ101中の屈折光学素子で発生する色収差を補正している。そして、回折光学素子1は、上記のように、従来のものに比べて不要光が大幅に抑制されているので、フレア光が少なく低周波数での解像力も高く、高い光学性能を有した撮影光学系を実現することができる。なお、本実施例では、絞り102の近傍に配置された平板ガラス面に回折光学素子1を設けているが、本実施例はこれに限定するものではなく、回折光学素子1をレンズの凹面又は凸面上に設けてもよい。さらに、撮影レンズ101内に回折光学素子1を複数個配置してもよい。
図24(b)には、本発明の回折光学素子を用いた双眼鏡の観察光学系の要部断面図である。この図中、104は対物レンズ、105は倒立像を正立させるためのプリズム、106は接眼レンズ、107は評価面(瞳面)である。1は各実施例にて説明した回折光学素子であり、対物レンズ104の結像面103での色収差等を補正する目的で設けられている。この観察光学系は、各実施例にて説明したように、回折効率特性が従来のものに比べて大幅に改善されているので、フレア光が少なく低周波数での解像力も高く、高い光学性能を有する。なお、本実施例では、平板ガラス面に回折光学素子1を設けた場合について説明したが、本実施例はこれに限定されず、回折光学素子1をレンズの凹面又は凸面上に設けてもよい。さらに、観察光学系内に回折光学素子1を複数個配置してもよい。また、本実施例では、対物レンズ部に回折光学素子1を設けた場合を示したが、これに限らず、プリズム105の表面や接眼レンズ106内の位置に設けることもでき、この場合も先に説明したのと同様の効果が得られる。但し、回折光学素子1を結像面103より物体側に設けることで対物レンズ部のみでの色収差低減効果があるため、肉眼の観察系の場合、少なくとも対物レンズ部に設けることが望ましい。また、本実施例では、双眼鏡の観察光学系について説明したが、本発明の回折光学素子は、地上望遠鏡や天体観測用望遠鏡等の観察光学系にも適用することができる。さらにはレンズシャッターカメラやビデオカメラなどの光学式ファインダーにも適用することができ、先に説明したのと同様の効果が得られる。
図25は本発明の回折光学素子を有した光学系を撮影光学系としてもちいたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の要部断面図である。本発明の光学系によって構成された撮影光学系、22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。23は撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリ、24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダーである。このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像素子に適用することにより、フレアの少なく、十分な透明性を持ち、高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
1 回折光学素子、2 第1の素子部、3 第2の素子部、4 第1の基板、5 第2の基板、6 第1の格子ベース部、7 第2の回折ベース部、8 第1の回折格子、9 第2の回折格子、10 第3の材料層、11 第4の材料層、12 第3の回折面、101 撮影レンズ、102 絞り、103 結像面、104 対物レンズ、105 プリズム、106 接眼レンズ、107 評価面(瞳面)

Claims (11)

  1. 少なくとも3種類の材料からなる複数の回折格子を積層した回折光学素子において、
    前記複数の回折格子は、互いに異なった材料M1A、M1Bより成り、
    格子部の格子側面が、格子ピッチ方向に接触又は近接配置された2つの回折格子より成る第1の組合せ部と、
    少なくとも1つの材料が前記第1の組合せ部の2つの回折格子の材料と異なり、互いに異なった材料M2A、M2Bより成る2つの回折格子より成る第2の組合せ部とを有し、
    前記第1の組合せ部を成す材料M1A、M1Bの、ある波長w(nm)における屈折率を、それぞれN1Aw、N1Bw、アッベ数をν1A、ν1B(ν1A>ν1B)、前記第2の組合せ部を成す材料M2A、M2Bの、d線における屈折率を、それぞれN2Ad、N2Bd、アッベ数をν2A、ν2B(ν2A>ν2B)とするとき、ある波長wが
    370(nm)<w<730(nm)
    の範囲内において
    N1Aw−N1Bw=0
    を満足し、かつ
    16<(ν1A−ν1B)<75
    0.03<|N2Ad−N2Bd|<0.5
    16<(ν2A−ν2B)<75
    なる条件式を満たすことを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記第2の組合せ部をなす材料M2A、M2Bは
    1.3<(N2Ad−N2Bd)×(ν2A−ν2B)<35
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとするとき、
    dtot<30(um)
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の回折光学素子。
  4. 前記複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdH、前記複数の回折格子の格子部の光束の通過方向の格子厚をdtotとするとき、
    0.1<dH/dtot<0.7
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記複数の回折格子の格子側面において格子側面の両側の回折格子の材料の屈折率差が0.03以上ある領域の格子側面の高さの合計をdHとするとき、
    dH<9(um)
    なる条件式を満足する事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 前記材料M1A、M1Bのアッベ数ν1A、ν1B、前記材料M2A、M2Bのアッベ数ν2A、ν2Bは
    0<|ν1A−ν2A|<15
    又は
    0<|ν1B−ν2B|<15
    なる条件式のうち少なくとも一つを満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 前記材料、M1A、M1B、M2A、M2Bのうち、二つの材料は同一であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  8. 前記複数の回折格子は、3つ以上の回折格子が密着接合されており、このうち少なくとも一つの回折格子の格子側面に対して、二つ以上の回折格子の格子側面が、格子ピッチ方向に近接配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  9. 前記複数の回折格子の格子部の構造が、格子側面を挟んで対向する領域j(j=1、2・・・n)において、対向する格子部の構造間のd線における臨界角をθj(rad)、その格子側面の高さをHj(um)、使用次数をmとするとき、
    〔Σ{(π/2−θj)×Hj}〕/m<3.5
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回折光学素子を有することを特徴とする光学系。
  11. 請求項10の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する固体撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
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