JP2011107297A - 防眩性フィルムおよび表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面形状を規定することによって、優れた防眩性を得ることができるとともに、ぎらつきを確実に抑制できる防眩性フィルムおよび表示装置を提供する。
【解決手段】防眩性フィルム1は、基材11と、この基材11上に形成されたハードコート層12とを備える。ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有し、ハードコート層表面の凹凸形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトルが、波数10(1/mm)付近にピークを有し、ピークの値が、0.03以上0.08未満である。
【選択図】図2

Description

この発明は、防眩性フィルムおよび表示装置に関する。詳しくは、ハードコート層を備える防眩性フィルムおよびこの防眩性フィルムを用いた表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)やプラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)などの各種表示装置が広く普及している。これらの表示装置の画面は、太陽光や室内照明などの外光が映り込むことによって、特に明所での視認性が著しく阻害されるので、画面表面で外光を拡散反射させる防眩性フィルムが多用されている。
従来、この防眩性フィルムでは、画面表面で外光を拡散反射させるために、表面に微細な凹凸構造を構成する手法を用いている。具体的には、透明プラスチック基材上に擦傷性を考慮してハードコート塗料に透明微粒子を分散した拡散層を塗布する方法が、現在の液晶表示装置の主流となっている。
しかしながら、最近の薄型テレビに代表される前述の各種表示装置では、画質の向上、高精細化が急速に進み、画素が小型化している。このため、防眩性フィルムを透過する光が防眩層中の微粒子や表面凹凸構造による屈折や拡散によって歪を受け、画像が不鮮明になったり輝度のバラツキ現象としてぎらつきが発生したり、表面が白茶けた画質となり品位が著しく劣化するという問題がある。
したがって、微粒子を用いて表面凹凸構造を形成する現行の防眩性フィルムは、上述したような画質の向上や高精細化に十分に追従できず、微粒子を用いないで表面凹凸構造を形成する防眩性フィルムの実現が望まれている。
微粒子を用いないで表面凹凸構造を形成する防眩性フィルムを実現するために、表面に微細な凹凸構造を形成する手法として、下記の特許文献1〜3に示すように、微細な凹凸構造をエンボス(形状転写)によって形成する手法が検討されている。
特許文献1では、透明プラスチックフィルム上に、電離放射線硬化型樹脂の粗い凹凸層と、その表面に沿って細かい凹凸とを形成する防眩性フィルムの製造方法が提案されている。この製造方法では、その粗い凹凸を、エンボス法、サンドブラスト法、および乾燥時の樹脂対流法のいずれかによって形成し、細かい凹凸を、薄膜状コート層、またはリフティング効果により形成する。
特許文献2では、エンボス加工によりフィルム表面に凹凸を付与する反射防止フィルムの製造方法が提案されている。この製造方法では、エンボス加工に使用する版の凹凸の算術平均粗さを0.05以上2.00μm以下とし、凹凸の平均周期を50μm以下とする。
特許文献3では、熱可塑性樹脂フィルムの製膜工程で、フィルム面に鋳型を押し当てて表面に凹凸を形成する前もしくは後にテンターにより延伸し、得られた凹凸面上にハードコート層を形成する防眩性フィルムの製造方法が提案されている。
特許第3374299号公報 特開2004−29240号公報 特開2005−156615号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献3の防眩性フィルムでは、防眩性およびぎらつきの低減の両立を制御することが困難であった。すなわち、特許文献1〜特許文献3に記載されている防眩性フィルムでは、ぎらつきを抑制するための表面形状が規定されておらず、ぎらつきは、防眩性を追及した結果の二次的な成果として、偶然に抑制できるものにすぎなかった。
表面に凹凸形状を有する防眩性フィルムでは、ぎらつきは必ず生じるものであるが、ぎらつきの起こる機構は詳細には解明されておらず、ぎらつきは防眩性フィルムの何によって起こる現象なのかも解析されていなかった。
また、ぎらつきの程度は人間の官能的な評価で主観的に定まるものであるため、ぎらつきの程度を定量的に解析することが難しいとされており、このため防眩性フィルムにおいて、ぎらつきを抑制するための有効な表面形状を、適切に設計することは困難であった。
したがって、この発明の目的は、表面形状を規定することによって、優れた防眩性を得ることができるとともに、ぎらつきを抑制できる防眩性フィルムおよび表示装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、凹凸面に有する基材と、基材の凹凸面上に形成されたハードコート層とを備え、ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有し、ハードコート層表面の凹凸形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトルが、波数10(1/mm)付近にピークを有し、ピークの値が、0.03以上0.08未満である防眩性フィルムである。
第1の発明では、ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有し、ハードコート層表面の凹凸形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトルが、波数10(1/mm)付近にピークを有し、ピークの値が、0.03以上0.08未満となるように、凹凸形状が形成されている。これにより、第1の発明では、優れた防眩性を得ることができるとともに、ぎらつきを抑制できる。
この発明によれば、優れた防眩性を得ることができるとともに、ぎらつきを抑制できる。
図1は、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の構成の一例を示す。 図2は、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの構成の一例を示す。 図3A〜図3Cは、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの製造方法の一例について説明するための断面図である。 図4A〜図4Bは、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの製造方法の一例について説明するための断面図である。 図5A〜図5Cは、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの製造方法の一例について説明するための断面図である。 図6A〜図6Cは、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの製造方法の一例について説明するための断面図である。 図7は、実施例1の表面粗さ測定によって得られる断面曲線のデータを示す。 図8A〜図8Cは、実施例1〜実施例3の断面曲線データをフーリエ変換して得られたパワースペクトルを示す。 図9A〜図9Cは、実施例4〜実施例5および比較例1の断面曲線データをフーリエ変換して得られたパワースペクトルを示す。 図10A〜図10Cは、比較例2〜比較例4の断面曲線データをフーリエ変換して得られたパワースペクトルを示す。 図11は、比較例5の断面曲線データをフーリエ変換して得られたパワースペクトルを示す。 図12は、フィルムの表面粗さ測定の概略を示す模式図である。 図13は、ぎらつき評価の測定基準を説明するための模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら、以下の順序で説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態(防眩性フィルムの第1の例)
(2)第2の実施形態(防眩性フィルムの第2の例)
1.第1の実施形態
[液晶表示装置の構成]
図1は、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の構成の一例を示す。この液晶表示装置は、図1に示すように、光を出射するバックライト3と、バックライト3から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル2とを備える。液晶パネル2の両面にはそれぞれ、偏光子2a、2bが設けられている。液晶パネル2の表示面側に設けられた偏光子2bには、光学フィルムとしての防眩性フィルム1が設けられている。ここでは、フィルムには、従来、フィルムと称されるもののみならず、シートと称されるものも含むものと定義する。また、防眩性フィルム1またはハードコート層12が一主面に形成された偏光子2bを防眩性偏光子4と称する。
バックライト3としては、例えば直下型バックライト、エッジ型バックライト、平面光源型バックライトを用いることができる。バックライト3は、例えば、光源、反射板、光学フィルムなどを備える。光源としては、例えば、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp:HCFL)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence:OEL)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence:IEL)および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。
液晶パネル2としては、例えば、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)モード、垂直配向(Vertically Aligned:VA)モード、水平配列(In-Plane Switching:IPS)モード、光学補償ベンド配向(Optically Compensated Birefringence:OCB)モード、強誘電性(Ferroelectric Liquid Crystal:FLC)モード、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)モード、相転移型ゲスト・ホスト(Phase Change Guest Host:PCGH)モードなどの表示モードのものを用いることができる。
液晶パネル2の両面には、例えば偏光子2a、2bがその透過軸が互いに直交するようにして設けられる。偏光子2a、2bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光子2a、2bとしては、例えば、高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたものを用いることができる。
液晶パネル2の画素ピッチが、RGB各画素50μm以上500μm以下であることが好ましい。50μm未満であると防眩性を抑えた光学フィルムの作製が困難であるからである。500μmを超えると液晶分子の動作特性が劣化するからである。
[防眩性フィルムの構成]
図2は、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルム1の構成の一例を示す断面図である。防眩性フィルム1は、図2に示すように、凹凸面を有する基材11と、この基材11の凹凸面上に形成されたハードコート層12とを備える。
防眩性フィルム1は、表面に凹凸を有し、この凹凸により反射光を散乱させる防眩性フィルムである。この表面の凹凸形状は、3次元的にある程度不規則(ランダム)な凹凸形状であるため、モアレの発生を抑制することができる。ここで、3次元的に不規則とは、防眩性フィルム1の面内方向に凹凸が不規則に形成されているとともに、防眩性フィルム1の厚さ方向(凹凸の高さ方向)にも凹凸が不規則に形成されていることをいう。
また、防眩性フィルム1の凹凸形状は、ぎらつきを抑制するのに最適な形状となっている。ここで、ぎらつきとは、シンチレーションやスペックルのような、表示装置の投影画面中にランダムに存在する輝点の集まりを表し、その輝点の周辺の像が輝度ばらつきで微小に歪む光学特性を表している。この輝点が面内に分布した場合、頻度が高いとぎらぎら感のある画像が目に見える。このぎらつきは、表面に凹凸形状が形成された防眩性フィルム1では、必ず発生するものである。
このぎらつきを抑制するために、防眩性フィルム1の凹凸形状は、以下の方法によって得られたパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値を指標にして、規定されている。
すなわち、まず、防眩性フィルム1の表面を、表面粗さ計によって測定し、この測定によって得られる断面曲線のデータを、フーリエ変換し、1mm当たりの波数(空間周波数)と、空間周波数に対するパワースペクトルを求める。そして、この求められたパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値を、防眩性フィルム1の凹凸形状を規定する指標とする。
防眩性を発揮する防眩性フィルム1では、経験的に、上記のパワースペクトルにおいて、波数10(1/mm)付近にピークが存在することがわかっている。換言すると防眩性を発揮する防眩性フィルム1では、上記のパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークが特徴的なピークであるといえる。したがって、防眩性フィルム1では、防眩性を発揮する防眩性フィルムの特徴的なピークである、上記のパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値を、表面の凹凸形状を規定する指標とする。
この指標により、防眩性フィルム1の表面の凹凸形状は、以下のように規定される。すなわち、防眩性フィルム1の凹凸形状は、表面粗さ計によって測定した断面曲線のデータをフーリエ変換して得られるパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が、0.03以上0.08未満となるように規定される。
上記のピークの値が、0.03未満であると、凹凸形状の平坦度合いが大きいため、光の散乱が弱く、防眩性が低下してしまう。上記のピークの値が、0.08以上であるとぎらつきが大きくなってしまう。
また、防眩性フィルム1の凹凸形状は、上記のピークの値が0.03以上0.06以下となるように規定されるのがより好ましい。これにより、ぎらつきを著しく抑制できる。
また、防眩性フィルム表面の最大頻度の突起高さが、0.1μm以上5μm以下の範囲内であることが好ましい。0.1μmよりも小さい場合、防眩性が不十分となる。一方、5μmよりも大きい場合、フィルムにざらつき感、粒々感がでてしまう、或いは防眩性が強くなりすぎてしまい、白茶けた高防眩フィルムとなってしまう。
防眩性フィルム表面の最大頻度の突起高さよりも大きな突起は、最大頻度の突起高さの中心値から+1μm以内であることが好ましい。この範囲外の場合、フィルムにざらつき感、粒々感がでてしまう、或いは防眩性が強くなりすぎてしまい、白茶けた防眩フィルムとなってしまう。防眩の観点から防眩性フィルム表面の凹凸の横方向長さRSmが50μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上150μm以下であることがより好ましい。この範囲外の場合、所望の防眩性が基本的に得られない。
さらに、[RSm/Rz](Rz:十点平均粗さ)の値が100以上400以下であることが好ましい。[RSm/Rz]の値が100未満であるとフィルムの防眩性が損なわれるからである。[RSm/Rz]の値が400より大きいとぎらつきが視認されるからである。
(基材)
基材11は、透明性を有するプラスチック基材である。基材11の形状としては、例えば、透明性を有するフィルム、基板などを用いることができる。基材11は、不規則(ランダム)な凹凸面を表面に有する。この凹凸面は、リソグラフィー技術やエッチング加工により作製された原盤の凹凸形状を転写することにより成形されるものである。
基材11の凹凸面は、凹部または凸部である構造体11aを基材11の表面に繰り返して形成することにより構成されている。なお、図2では、構造体11aが凸部である例が示されている。
構造体11aは、基材11の表面に不規則に(ランダム)に形成されている。構造体11aは、基材11の表面に2次元的または3次元的に不規則に形成されていることが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層12の表面を2次元的または3次元的に不規則な凹凸形状とすることができるからである。また、構造体11aの底面の大きさは、不規則に変化することが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層表面の凹凸形状(うねり)の周期を不規則に変化させることができるからである。ここで、2次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。また、3次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていると共に、防眩性フィルム1または基材11の厚さ方向にも、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。
構造体11aは、この構造体11aの上部から底部に向かって広がる側面を有していることが好ましい。このような形状を有する場合、隣り合う構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接することが好ましい。凹部または凸部である構造体11aの形状としては、例えば、ドーム状、錐体状または柱状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、所望とする光学特性に応じて任意に選択することができる。ドーム状としては、例えば、半球状、半楕円球状を挙げることができる。錐体状としては、例えば、先端が尖った錐体状、先端に曲率を有する錐体状、先端が切り落とされた錐体状を挙げることができる。具体的には例えば、円錐状、円錐台状、楕円錐、楕円錐台状、多角錐状、多角錐台状などを挙げることができる。多角錐の形状としては、例えば、四角錐、六角錐、八角錐などの形状が挙げられる。柱状としては、例えば、円柱状、多角柱状などを挙げることができる。多角柱の形状としては、例えば、四角柱、六角柱、八角柱などの形状が挙げられる。また、構造体11aに形状異方性を付与してもよく、表示装置の水平方向および垂直方向の光学特性を調整する観点から、例えば基材11の面内方向のうち、直交する2方向に形状異方性を付与することが好ましい。具体的には、形状異方性を有する構造体11aの形状としては、例えば、楕円柱状、半楕円球状、楕円錐台状、一方向に引き伸ばされた多角柱状または多角錐状などが挙げられる。
構造体11aの底面の形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。この底面の多角形状としては、例えば、四角形状、六角形状、八角形状などが挙げられる。構造体11aの底面を楕円形状や多角形状にする場合には、構造体11aの底面形状が、例えば同一方向に揃うように構造体11aが基材表面に配置される。具体的には、構造体11aの底面を楕円形状にする場合には、その長軸方向または短軸方向が同一方向に揃うように配置される。構造体11aの底面を多角形状にする場合には、同一の角度を有する角が同一方向に揃うように配置される。構造体11aの底面の形状は、所望とする特性に応じて選択することが好ましい。例えば、構造体11aの底面の形状を楕円形状とした場合には、短軸方向に比して長軸方向がより滑らかな凹凸形状となるため、長軸方向からの外光の影響を受けにくくなり、表示画面などが白っぽくなることを抑制できる。また、短軸方向は、長軸方向に比して凹凸形状が荒れるため、良好な防眩性を確保することができる。すなわち、構造体11aの底面を楕円形状とした場合には、全体として高防眩性であり、かつ高コントラストな防眩性フィルム1を得ることができる。
構造体11aは以下の(1)〜(3)の関係を満たすことが好ましい。モアレの発生を抑制でき、かつ、防眩性およびコントラストに優れた防眩性フィルム1を得ることができるからである。
(1)構造体11aの底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内でランダムに変化する。
(但し、最小距離Rm:構造体11aの底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:構造体11aの底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)
(2)構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。
(3)構造体11aの底面の最小距離Rmと最大距離RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たす。
(1)の関係を満たさず、構造体11aの底面の大きさがランダムに変化しない場合には、モアレが発生してしまう。(2)の関係を満たさず、構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にない場合には、充填率が低下し、防眩性が低下する。(3)の関係を満たさず、0.9を超えると配置が規則的になり、モアレが発生しやすくなる。ここで、構造体11aの底面同士がほぼ接するとは、構造体11aの底面同士が0μmより大きく80μm以下の範囲内で隣接していることを意味する。
構造体11aの最小距離Rmおよび最大距離RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たすことが好ましい。また、構造体11aの最小距離Rmおよび最大距離RMは、好ましくはRm<RM≦75μm、より好ましくは10μm≦Rm<RM≦75μmの範囲内である。最小距離Rmが10μm未満になると、防眩性を得ようとすると白濁感が上昇し、白濁感を抑えようとすると防眩性が低下する。すなわち、防眩性と白濁感の抑制とを両立することが困難になる。最大距離RMが75μmを超えると、表面がざらついたり、画面を見たときにぎらついて見えたりする。
最小距離Rmと最大距離RMがRm/RM≦0.9、10μm≦Rm<RM≦75μmの関係を満たす場合、ハードコート層12の表面の平均凹凸高さPVが、0.15μm≦PV≦1.6μmの範囲内であることが好ましい。PVが0.15μm未満になると、防眩性が得られなくなる傾向がある。PVが1.6μmを超えると、白濁感が上昇し、白濁度が0.64%を越える傾向がある。白濁度は、0.64%以下であることが好ましい。0.64%以下であると、バックライト光の散乱、および表面反射光の散乱を抑制でき、黒を黒として視認できるからである。PVは凸部(構造体11a)の最高点と(隣接する凸部間にできる)谷部の最低点の間の高さを示す。
なお、構造体11aの底面が円形状である場合には、上述の各関係において、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、構造体11aの底面が、楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。
構造体11aの底面同士の間にできる隙間に、構造体11aをさらに配置することが好ましい。このような構造体11aをさらに配置することで、構造体11aの充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができるからである。隙間に配置される構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最短距離は、例えば、上述の構造体11aの最小距離Rm以下に設定される。構造体11aの高さは、底面の大きさと連動して、連続的に変化していることが好ましい。
また、基材11の凹凸面の最大頻度の突起高さは、1.5μm以上10μm以下の範囲内である。1.5μm未満であると、ハードコート層12の硬度を確保しつつ、防眩性を得ることが困難となる。10μmを超えると、フィルムにざらつき感、粒々感がでてしまう、或いは防眩性が強くなりすぎてしまい、白茶けた防眩フィルムとなってしまう。
基材11の凹凸面の最大頻度の突起高さよりも大きな突起は、最大頻度の突起高さの中心値から+3μm以内、好ましくは+2μm以内である。中心値+3μm以内であると、フィルムのざらつき感、粒々感が抑制されるとともに、優れた防眩性を得ることができる。防眩の観点から基材表面の凹凸の横方向長さRSmが、50μm以上500μm以下である。この範囲外の場合、所望の防眩性が得られない。
基材11の材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シクロオレフィン系樹脂(例えばゼオノア)、スチレン・ブタジエン共重合体(SBC)などが挙げられる。基材11の厚さは、生産性の観点から、38〜100μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
(ハードコート層)
ハードコート層12は、基材11の表面、すなわち防眩性フィルムや表示装置などの表面に耐擦傷性と防眩性とを併せて付与するためのものであり、基材11より硬い高分子樹脂層である。例えば、ハードコート層12の凹部および凸部の位置はそれぞれ、基材11の凹部および凸部の位置と対応している。
ハードコート層表面には、基材表面の凹凸形状に倣って凹凸形状が形成されていることが好ましい。基材11の凹凸形状に倣って、ハードコート層表面の凹凸形状が形成されることによって、所望の防眩性を得ることができる。ハードコート層12の鉛筆硬度は、3H以上であることが好ましく、例えば3Hに選ばれる。
ハードコート層12の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備える。このような側面を有する複数の突起を備えることで、防眩性フィルム1の凹凸面をなだらかなうねりにより形成することができる。すなわち、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭くすることができる。複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。このような関係にあると、防眩性フィルム1の凹凸面における突起の充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができる。ここで、突起の底面同士がほぼ接するとは、突起の底面同士の距離が0μmより大きく80μm以下の範囲内で隣り合っていることを意味する。ハードコート層12の表面に形成された突出部の高さは、その底面の大きさと連動して連続的に変化していることが好ましい。このように突出部の高さが連続的に変化することで、分光現象をより抑制することができるからである。分光現象がある場合、遠くの蛍光灯を映し込んだとき、蛍光灯の周囲に虹模様が発生する。
突起の底面の形状が、円形状、楕円形状および多角形状の少なくとも1種であることが好ましく、多角形状であることがより好ましい。突起の底面の形状が円形状、楕円形状および多角形状の少なくとも1種であると、高角度の表面傾斜を少なく抑えることができる傾向にある。突起の底面の形状が多角形状であると、ハードコート層12の凹凸面における突起の充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができる。
(1−4)防眩性フィルムの製造方法
次に、図3〜図6を参照して、上述の構成を有する防眩性フィルムの製造方法の一例について説明する。
(原盤作製工程)
まず、図3Aに示すように、被加工物となる基体23を準備する。この基体23の形状としては、例えば、基板状、シート状、フィルム状、ブロック状などが挙げられる。なお、必要に応じて、被加工体である基体23の表面に予めメッキ処理を施し、銅メッキなどのメッキ層を形成しておくようにしてもよい。
(レジスト層形成工程)
次に、例えば、図3Bに示すように、基体23の表面にレジスト層25を形成する。レジスト層25の材料としては、例えば、無機レジストおよび有機レジストのいずれも用いることができる。
(露光工程)
次に、例えば、図3Cに示すように、レジスト層25にレーザー光Lを照射することにより、露光パターン25aをレジスト層25に形成する。露光パターン25aの形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。例えば、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内で露光パターン25aの大きさをランダムに変化させるとともに、露光パターン25a同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、レーザー光Lをレジスト層22に照射する。また、露光パターン25aの最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。なお、露光パターン25aの底面が円形状である場合には、上述の各関係において、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、露光パターン25aの底面が楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。
(現像工程)
次に、例えば、露光パターン25aが形成されたレジスト層25を現像する。これにより、図4Aに示すように、露光パターン25aに応じた開口部25bがレジスト層25に形成される。なお、図4Aでは、レジストとしてポジ型レジストを用い、露光部に開口部25bを形成する例が示されているが、レジストはこの例に限定されるものではない。すなわち、レジストとしてネガ型レジストを用い、露光部を残すようにしてもよい。
隣接する開口部25bの間の最小間隔dは、1μm以上、(D2×4)μm以下であることが好ましい。ここで、D2は、再エッチング(第2のエッチング処理)によるエッチング深さ(量)である。最小間隔が1μm未満であると、再エッチング時に、円柱形状などを有する凹部間の壁が破れてつながってしまい、平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。最小間隔が(D2×4)μmを超えると、基体23の全面を再エッチングしても、平坦部が多くなってしまい、防眩性が低下する傾向がある。
(エッチング工程)
次に、例えば、開口部25bが形成されたレジスト層25をマスクとして、基体23の表面をエッチングする。これにより、図4Bに示すように、基体23の表面には、開口部25bに対応した位置に、凹部21aが形成される。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれも用いることができるが、設備が簡易である点からすと、ウエットエッチングを用いることが好ましい。また、エッチングとしては、例えば、等方性エッチングおよび異方性エッチングのいずれも用いることができる。
エッチング処理の深さD1は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。0.5μm未満であると、防眩性を維持するにはハードコート層12の膜厚を薄くする必要があり、鉛筆硬度が低下する傾向がある。または、再エッチング処理により、凹部の深さが浅くなる、もしくは平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。一方、10μmを超えると、ハードコート塗料の塗布後にザラツキ感が生じる、または白濁を抑えるためにハードコート層12の厚みを厚くする必要があり、カールが大きくなる傾向がある。また、転写速度が下がり、生産性が低下する傾向もある。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用することができるが、これに限定されるわけではない。
(レジスト剥離工程)
次に、図4Cに示すように、例えば、アッシングなどにより、基材表面に形成されたレジスト層25を剥離する。これにより、基材11の表面の凹凸形状を反転した凹凸形状を有する原盤14が得られる。
(再エッチング工程)
図示は省略するが、次に、必要に応じて、凹凸面全体を再エッチングする。これにより、基材21の表面に形成された複数の凹部21aを、例えば円柱状からドーム状に変えることができ、滑らかな凹凸面を有する原盤14が得られる。
(メッキ工程)
次に、図4Dに示すように、必要に応じて、基体23の表面にメッキ処理を施し、ニッケルメッキやクロムメッキなどのメッキ層26を形成する。このようにメッキ層を形成することで、長期間使用の摩耗耐久性を向上することができる。
以上により目的とする原盤14が得られる。
(転写工程)
上述の工程により得た、図5Aに示す原盤14の凹凸面を、基材11に対して転写する。転写工程では、図5Bに示すように、原盤14を基材11に押し当てるとともに、基材11を加熱することにより、原盤14の凹凸形状を基材11に転写する。
(塗料調製工程)
次に、例えば、二官能以上のアクリルモノマーおよび/またはアクリルオリゴマーなどの樹脂原料、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、粘度調整剤および溶剤を混合してハードコート塗料(樹脂)を調製する。ここでは、溶剤と粘度調製剤以外は、すべて固形分と定義する。また、防汚添加剤をさらに添加することが好ましい。これにより、防汚性ハードコートを形成することができるからである。また、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤および酸化防止剤などを添加するようにしてもよい。ハードコート塗料としては、後工程である乾燥工程において、粘度が上昇し、流動性が失われる特性を有するものが好ましい。後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。
ハードコート塗料としては、製造の容易性の観点からすると、光または電子線などにより硬化する電離放射線硬化型樹脂、および熱により硬化する熱硬化型樹脂の少なくとも1種を主成分とするものが好ましく、紫外線により硬化する感光性樹脂が最も好ましい。このような感光性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。例えば、ウレタンアクリレート樹脂は、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、あるいはプレポリマーを反応させ、得られた生成物に、水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレート系のモノマーを反応させることによって得られる。硬化後の特性は適宜選択することが可能であり、例えば、画像透過性の観点からすると透光性に優れるものが好ましく、耐傷性の観点からすると高硬度を有するものが好ましい。なお、感光性樹脂は、上述の例に特に限定されるものではなく、透光性を有するものであれば用いることができるが、着色やヘイズにより透過光の色相や透過光量が顕著に変化しないものが好ましい。特に使用する基材11との屈折率差が小さい樹脂を使用することが好ましい。屈折率差が大きい樹脂を使用すると基材界面で反射が発生し白濁してしまうからである。
感光性樹脂に、乾燥によって固体となるウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、セルロース系樹脂、更には電離放射線硬化型オリゴマー、熱硬化型オリゴマーを適宜混合して使用することが好ましい。上記樹脂を適宜混合することによって、ハードコート層12の硬さやカールを調整することが可能である。樹脂は上述の例に限定されるものではなく、例えばポリマーとしては、(メタ)アクリル基のようなラジカル重合性基、アクリル二重結合のような電離放射線官能基、−OH基などの熱硬化性基を持つものを使用することが可能である。
感光性樹脂に含まれる光重合開始剤としては、公知の材料を適宜選択できる。例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、あるいは併用して用いることができる。この感光性樹脂には、皮膜形成をより良くさせる成分、例えばアクリル系樹脂などをさらに適宜選択配合してもよい。重合開始剤は、固形分中0.1wt%〜10wt%混合して使用することが好ましい。0.1wt%未満であると、光硬化性が低下し、実質的に工業生産に適さない。一方、10wt%を超えると、照射光量が小さい場合に、塗膜に臭気が残る傾向にある。
無機酸化物フィラーとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫(Antimony-doped tin oxide:ATO)、三酸化アンチモン(Antimony trioxide:ATO)、酸化アルミニウム亜鉛(Alminum Zinc Oxide:AZO)などが好ましい。無機酸化物フィラー表面は、末端に(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基をもつ有機系分散剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、塗膜の硬化工程でフィラーは周囲の(メタ)アクリルモノマー/オリゴマーと一体化し、塗膜硬度や可撓性が向上する。
無機酸化物フィラーは、その表面にOH基などを有することが好ましい。これにより、後述する塗膜の乾燥工程において、溶剤が蒸発する過程で、無機酸化物フィラー表面のOH基などと、粘度調整剤の有する官能基とが、水素結合または配位結合し、塗料の粘度が上昇し、好ましくは塗料がゲル化する。このように粘度が上昇することで、塗料が基材11の凹凸形状に追随し、塗料表面に基材21の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成される。
無機酸化物フィラーの粒径は、例えば1nm〜100nmの範囲内である。固形分中の無機酸化物フィラー配合量は、10wt%〜70wt%の範囲内であることが好ましい。10wt%未満であると、溶媒蒸発過程で系はゲル化しない、すなわち、ゲル化に必要な粘度調整剤量が多くなりすぎ、塗料に濁りが生じる傾向にある。一方、70wt%を超えると、硬化膜の可撓性が悪くなる傾向がある。ここで、全固形分を100wt%としている。また、溶剤および粘度調整剤以外をすべて固形分としている。
粘度調整剤としては、例えば、ヒドロキシ基(OH基)、カルボキシル基(COOH基)、ウレア基(−NH−CO−NH−)、アミド基(−NH−CO−)、アミノ基(NH2基)を2個以上含有する分子が好ましい。公知のタレ止め剤および沈降防止剤を適用することも可能である。配合量は材料種により適宜選択することが好ましい。
防汚添加剤としては、1つ以上の(メタ)アクリル基、ビニル基、或いはエポキシ基を含有するシリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素含有オリゴマーが好ましい。防眩性フィルムとして耐アルカリ性を必要とする場合には、フッ素含有オリゴマーが好ましい。この際、前記シリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素オリゴマーの配合量は、固形分の0.01質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
ハードコートに内部ヘイズを付与する有機または無機フィラーをさらに添加してもよい。マトリクスとの屈折率差が0.01以上あることが好ましい。このフィラーの粒径は、例えば0.1μm〜1μmの範囲から選択される。
溶剤としては、使用する樹脂原料を溶解すると共に、基材11との濡れ性が良好で、かつ、基材11を白化させないものが好ましく、例えば、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸第二アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチルなどのケトン類またはカルボン酸エステル類よりなる溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤は単一でも2成分以上の混合物でもよく、さらに、上記に例示したもの以外の溶剤をハードコート塗料の性能が損なわれない範囲で加えることもできる。
ハードコート塗料は、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、導電性ポリマー、イオン性液体、および導電性微粒子の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
四級アンモニウム塩としては、4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物を用いることが好ましい。4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物としては、1個または2個以上の4級アンモニウム塩基と、1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。その分子内の4級アンモニウム塩基により、帯電防止機能をハードコート層12に付与することができる。また、モノマーおよび/またはオリゴマーが(メタ)アクリロイル基を有することで、紫外線照射によりマトリクス樹脂などと一体化する。これにより、4級アンモニウム塩のブリードアウトが抑止される。
4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物としては、例えば、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムp−トルエンスルホネートなどを挙げることができる。
導電性ポリマーとしては、例えば、置換または無置換のポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、およびこれらから選ばれる1種または2種からなる(共)重合体が挙げられる。特にポリピロール、ポリチオフェン、ポリN−メチルピロール、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−メトキシチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、およびこれらから選ばれる1種または2種からなる(共)重合体が好適である。
導電性ポリマーとしては、ハードコート塗料との相溶性が良いものを選択することが好ましい。相溶性が悪い場合、所望の帯電防止性能を得るために必要な導電性ポリマーの配合量が多くなり、機械特性劣化や着色(透明性劣化)などを招くことになる。
導電性ポリマーが、導電性向上の観点から、ドーパントを含有することが好ましい。ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが挙げられる。具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸などの有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン、水素化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン溶液は、比較的熱安定性が高く、重合度が低いことから、塗膜成形後の透明性が有利となる点で好ましい。
(塗工工程)
次に、図6Aに示すように、調製したハードコート塗料15を基材11上に塗工する。ハードコート塗料15の塗布厚は、基材11の表面の最大頻度の突起高さにより、3μm以上25μm以下の範囲で適宜選択することが好ましい。塗工されたハードコート塗料15の液面はレベリングされているが、基材表面の凹凸形状との間の厚みが分布することから、乾燥時の体積変化によって滑らかな凹凸状の気液界面が形成される。これにより、ハードコート層12の表面凹凸量が基材11の表面凹凸量より小さい防眩性フィルム1を得ることができる。また、基材11の表面凹凸量は、塗工するハードコート塗料15の厚みによって、拡散反射特性を制御できることができる。さらに、塗布から硬化に亘る全てのプロセスにおいて、非接触で表面形成できることから、欠陥のない品質の高い防眩性フィルム1を提供することができる。
塗工方法は、特に限定されるものではなく公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。
(乾燥工程)
次に、図6Bに示すように、基材11上に塗工されたハードコート塗料15を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などの調整による人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。風紋が生じると防眩層表面に所望のなだらかなウネリの微細凹凸形状が形成されにくくなる傾向があり、防眩性とコントラストとを両立することが困難になるからである。また、乾燥温度および乾燥時間は塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
溶剤が蒸発する過程で、塗料の固形分濃度が上昇し、無機酸化物フィラーと粘度調整剤とが系内で水素結合または配位結合などの結合を介したネットワークを形成し、粘度が上昇し、高粘度化する。このように高粘度化することにより、基材11の凹凸形状が乾燥したハードコート塗料15の表面に残される。すなわち、乾燥したハードコート塗料15の表面に適度な滑らかさが形成され、防眩性が発現する。上述のように、ハードコート塗料15が溶媒蒸発過程で高粘度化すると、乾燥後のハードコート塗料15が基材11の凹凸形状に倣い、防眩性が発現する。これに対して、ハードコート塗料15が高粘度化しない場合、乾燥したハードコート塗料15により、基材11の凹凸形状がつぶれてしまい、防眩性が得られなくなる。
(硬化工程)
次に、例えば電離放射線照射または加熱により、基材11上にて乾燥された樹脂を硬化させる。これにより、図6Cに示すように、滑らかな波面をハードコート層12の表面に形成することができる。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂硬化の具合に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
以上により、目的とする防眩性フィルムが得られる。
(効果)
この発明の第1の実施形態によれば、防眩性フィルム1の表面の凹凸形状は、凹凸形状の測定によって得られる断面曲線のデータを、フーリエ変換して得たパワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が、0.03以上0.08未満となるように規定される。これにより、ぎらつきを抑制することができる。また、この防眩性フィルム1の表面の凹凸形状は、3次元的にある程度不規則(ランダム)な凹凸形状であるため、モアレの発生を抑制することができる。
また、この発明の第1の実施形態によれば、好ましくは、紫外線硬化性樹脂組成物などのハードコート塗料を、凹凸形状が付与された基材11上に塗布・乾燥・紫外線硬化後、凹凸形状に倣ったハードコート層12が形成される。このような表面形状が形成されるのは、溶媒蒸発過程で、組成物中に含まれる無機酸化物フィラーと粘度調整剤との作用により、固形分がゲル化することによる。
ハードコート塗料は、二官能以上の(メタ)アクリルモノマーおよび/またはオリゴマーなどの樹脂原料、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、粘度調整剤および溶剤を少なくとも含有する。溶媒が蒸発する過程で、系の固形分濃度が上昇し、高粘度化する。ハードコート塗料が基材11の凹凸形状に倣うためには、溶媒蒸発過程で系はゲル化することが好ましい。系がゲル化しない場合、基材11の凹凸形状がつぶれてしまい、防眩性を得ることが困難となる。系がゲル化することにより、基材11の凹凸形状が残される。このように凹凸形状が残されると、適度な滑らかさがハードコート塗料の表面に形成され、防眩性が発現する。無機酸化物フィラーと粘度調整剤とが系内で水素結合または配位結合を介したネットワークを形成し、ゲル化する。
このように、基材11の凹凸形状に倣って、ハードコート層12の凹凸形状が形成されることによって、所望の防眩性を得ることできる。
2.第2の実施形態
第2の実施形態では、原盤作製工程において、基材表面の凹凸形状を、エッチング加工に代えて、ブラスト加工によって形成した点において、第1の実施形態と異なっており、これ以外のことは、第1の実施形態と同様である。したがって、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と異なる点(すなわち、基材、原盤作製工程)を詳細に説明し、その他の説明は省略する。
(基材)
基材11は、透明性を有するプラスチック基材である。基材11の形状としては、例えば、透明性を有するフィルム、基板などを用いることができる。基材11は、不規則(ランダム)な凹凸面を表面に有する。この凹凸面は、ブラスト加工により作製された原盤を形状転写することにより成形されるものである。基材11の凹凸面は、凹部または凸部である構造体11aを基材11の表面に繰り返して形成することにより構成されている。構造体11aは、基材11の表面に不規則に(ランダム)に形成されている。
(原盤作製工程)
ブラスト加工による原盤の作製工程について説明する。原盤には、ブラスト加工により、基材11とは反対の凹凸形状が形成される。まず、被加工物となる基体を準備する。この基体の形状としては、例えば、基板状、シート状、フィルム状、ブロック状などが挙げられる。また、基体の材料としては、例えば、金属などが挙げられる。次に、ブラスト加工により、基体表面に凹凸形状を形成する。
ブラスト加工は、細かな加工粒子を対象物に衝突させて加工することによって、原盤表面に不規則な凹凸を形成する加工方法である。ブラスト加工によって形成された凹凸形状は、3次元的な不規則性を有する。したがって、この原盤を用いて作製した防眩性フィルム1はモアレの発生を防ぐことができる。
(効果)
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、この実施例および比較例において、ハードコート層の塗布厚は以下のようにして測定したものである。
(ハードコート層の塗布厚の測定)
凹凸形状を転写したTACフィルムと同量の樹脂を平坦なTACフィルムに塗布して、接触式厚み測定器(TESA株式会社製)を用いて塗布厚を測定し、この塗布厚をハードコート層の塗布厚(膜厚)とした。
下記の表1に示す条件で実施例1〜実施例5、および比較例1〜比較例5の防眩性フィルムを作製した。
Figure 2011107297
以下、実施例1〜実施例5、および比較例1〜比較例5の防眩性フィルムの作製について具体的に説明する。
<実施例1>
(原盤の形成工程)
まず、鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施したロール状の基体を準備した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。次に、所定の条件でパターンを作成し、この作成したパターンをタイリングしてエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。
(基材の形成工程)
次に、エッチング加工で作製したエンボスロールの表面形状を、TACフィルム表面に対して形状転写した。これにより、表面に凹凸が形成されたTACフィルムを得た。
(HC層の形成工程)
次に、下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を調整した。
ウレタンアクリルオリゴマー 36.6質量部
(共栄社化学社、商品名UA−510H)
架橋剤:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 18.3質量部
(日本化成株式会社製、商品名4HBA)
重合開始剤 5質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名Irgacure184)
レべリング剤 1.9質量部
(DIC株式会社社製、商品名RS−751−K)
無機フィラー:酸化ケイ素 40質量部
(日揮触媒化成株式会社製、商品名1041SIV、平均粒径3μm)
粘度調整剤:特殊変性ウレア溶液 0.1質量部
(ビッグケミー・ジャパン株式会社製、商品名G−700)
溶媒:イソプロピルアルコール(IPA) 93.7質量部
1,3−ジオキソラン 54.4質量部
次に、紫外線硬化型樹脂組成物を、凹凸付与後のTACフィルム上にコイルバーにより、塗布厚6μmで塗工した後、乾燥温度80℃の環境下に搬入し、搬送速度3m/sで1.5m搬送した。これにより、紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる溶媒が蒸発するとともに、無機フィラーと粘度調整剤とが結合を形成し、紫外線硬化型樹脂組成物の粘度が増加して高粘度化し、TACフィルムの凹凸形状に倣った。適度に滑らかな凹凸表面が形成された。次に、窒素雰囲気下で350mJ/cm2の紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂組成物を硬化した。これにより、ハードコート層がTACフィルムの凹凸面上に形成された。
以上により、目的とする防眩性フィルムが得られた。
<実施例2>
塗布厚を16μmに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
<実施例3>
(原盤の形成工程)
まず、エンボス転写装置を準備した。この装置のエンボスロールは、ロール回転させながら、研磨剤を吹き付けるいわゆるサンドブラストで加工で作製した。以下にブラスト加工条件を示す。
ブラスト加工:サンドブラスト
研磨剤:200番メッシュ相当
繰り返し加工:1回
(基材の形成工程)
次に、ブラスト加工で作製したエンボスロールの表面形状を、TACフィルム表面に対して形状転写した。これにより、表面に凹凸が形成されたTACフィルムを得た。
(HC層の形成工程)
次に、下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
ウレタンアクリルオリゴマー 36.6質量部
(サートマー社製、商品名CN9010)
架橋剤:ペンタエリストールテトラアクリレート 18.3質量部
(新中村化学工業株式社製、商品名A−TMM−3)
重合開始剤 5質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
レべリング剤 1.9質量部
(DIC株式会社製、商品名RS−751−K)
無機フィラー:酸化ケイ素 40質量部
(日揮触媒化成株式会社製、商品名1041SIV、平均粒径3μm)
粘度調整剤:特殊変性ウレア溶液 0.1質量部
(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名BYK−410)
溶媒:イソプロピルアルコール(IPA) 93.7質量部
1,3−ジオキソラン 54.4質量部
次に、紫外線硬化型樹脂組成物を、凹凸付与後のTACフィルム上にコイルバーにより塗布厚6μmで塗工した後、乾燥温度50℃の環境下に搬入し、搬送速度4m/sで1.5m搬送した。これにより、紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる溶媒が蒸発するとともに、無機フィラーと粘度調整剤とが結合を形成し、紫外線硬化型樹脂組成物の粘度が増加して高粘度化し、TACフィルムの凹凸形状に倣った。適度に滑らかな凹凸表面が形成された。次に、窒素雰囲気下で350mJ/cm2の紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂組成物を硬化した。これにより、ハードコート層がTACフィルムの凹凸面上に形成された。
以上により、目的とする防眩性フィルムが得られた。
<実施例4>
塗布厚を9μm、搬送距離を3mに変更した以外は実施例3と同様にして、防眩性フィルムを得た。
<実施例5>
塗布厚を4.5μmに変更した以外は実施例3と同様にして、防眩性フィルムを得た。
<比較例1>
下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した以外は実施例5と同様にして防眩性フィルムを得た。
ウレタンアクリルオリゴマー 36.6質量部
(サートマー社製、商品名CN9010)
架橋剤:ペンタエリストールテトラアクリレート 18.3質量部
(新中村化学工業株式社製、商品名A−TMM−3)
重合開始剤 5質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
無機フィラー:酸化ケイ素 40質量部
(日揮触媒化成株式会製、商品名1041SIV、平均粒径3μm)
粘度調整剤:特殊変性ウレア溶液 0.1質量部
(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名BYK−410)
溶媒:イソプロピルアルコール(IPA) 93.7質量部
1,3−ジオキソラン 54.4質量部
<比較例2>
塗布厚を9μm、搬送距離を2mに変更した以外は比較例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
<比較例3>
乾燥温度を80℃に変更した以外は比較例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
<比較例4>
以下のようにして、防眩性フィルムを得た。
まず、下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
4官能ウレタンアクリルオリゴマー 4000質量部
重合開始剤 200質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
フィラー:架橋性MSビーズ 200質量部
(積水化成品工業株式会社製、商品名:テクポリマー、屈折率1.515、平均粒径5.0μm、変動係数7)
溶媒:t−ブタノール 6000質量部
(表面張力20.0mN/m)
次に、調製した塗料を10μmのメッシュのフィルターで濾過した後、濾過した塗料を厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、グラビアコーターで塗布速度20m/分で塗布した。塗布後のフィルムは乾燥温度80℃に設定した30m長の乾燥炉で乾燥させた。この際に、溶剤の揮発時に発生する表面張力の不均一分布によるマランゴニー対流を利用し、塗料内の対流により微粒子の衝突および凝集を適度に生じさせ、塗工層表面にベナードセル構造を形成させた。
そして、ベナードセル内に形成される液状の樹脂のメニスカスによって、塗工膜表面になだらかなうねりの微細凹凸を形成させた。その後フィルムを連続して紫外線硬化炉に搬入し、160W、積算光量300mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、乾燥後の平均膜厚6μmの防眩層を形成し、防眩性フィルムを得た。
<比較例5>
塗布厚を14μmに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(評価)
作製した実施例1〜5および比較例1〜比較例5の各防眩性フィルムを以下に説明するようにして評価した。
[断面曲線データのフーリエ変換]
以下のようにして、表面粗さを測定し、得られた断面曲線データをフーリエ変換した。
(表面粗さの測定)
触針式表面粗さ計(小阪研究所製 製品名:サーフコーダーET−4000)によって、実施例1の防眩性フィルム(ハードコード層)の表面形状を測定した。
測定条件
触針:先端R=0.5μmR
測定長:4mm
送り速さ:0.1mm/s
以上の測定条件で測定した表面形状の実空間凹凸分布(断面曲線)を図7に示す。Z方向は膜厚方向の凹凸形状の高さを表す。さらに水平方向は触針の送り距離を表す。
(フーリエ変換)
図7に示す触診送り方向と凹凸振幅方向の断面曲線のデータから凹凸形状の波数(1/mm)成分をフーリエ変換で抽出した。その結果を図8Aに示す。
実施例2〜実施例5および比較例1〜比較例5の防眩性フィルムについても同様に、表面形状を測定し、測定結果の断面曲線のデータを、フーリエ変換し、凹凸形状の波数(1/mm)成分を抽出した。実施例2〜実施例5および比較例1〜比較例5の各断面曲線のデータをフーリエ変換して得た各パワースペクトルを、図8Bおよび図8Cおよび図9〜図11に示す。
[表面粗さの測定(ハードコート層の表面)]
また、防眩性フィルム(ハードコート層)の表面粗さを以下のように測定し、最大頻度突起高さ、凹凸の横方向長さRSmを求めた。
図12に、フィルムの表面粗さ測定の概略を示す。
JIS規格にある測定条件JIS B0633でフィルムの表面形状を測定した。測定機は小坂研究所製サーフコーダーET−4000を使用した。測定機から得られる高さデータを元に測定長の中で最も低い谷を基準としてそれぞれの山の頂点の高さ(h1,h2,h3,h4,・・・)を抜き出し、0.3μmごとにその出現頻度を集計することで突起高さの分布が得られる。また、同時に凹凸の横方向長さRSmも測定される。
以下に測定条件の詳細を示す。
触針:先端R=0.5μmR
測定長:4mm
送り速さ:0.1mm/s
[ぎらつきの評価]
17インチのモニター(SXGA 1280×1024)に、図13に示す縞模様の画素パターンを表示し、このモニターの画像表示面に対向して配置したCCDカメラによって、画像をキャプチャし、このときの画素パターンを基準画素パターンとした。なお、このモニターの画素ピッチはRGB各画素で80μmである。
上記と同様のモニターに緑色の画像を出し、このモニターに防眩性フィルムをのせた。この防眩性フィルムに対向して配置したCCDカメラで、画像をキャプチャし、このときの画素パターンを測定画像パターンとし、基準画素パターンからの測定画素パターンの崩れ具合の程度によってぎらつきを以下のように3段階で評価した。
画素パターンのエッジが明瞭に確認できる:ぎらつき度合いが非常に弱い
画素パターンのエッジがぼやけて見える:ぎらつき度合いが弱い
画素パターンのエッジが確認できない程崩れている:ぎらつき度合いが強い
[防眩性の評価]
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例5の防眩性フィルムについて、防眩性の評価を行った。具体的には、防眩性フィルムにむき出しの蛍光灯を写し、反射像のぼやけ方を下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
○:蛍光灯がある程度認識できるが輪郭がぼやけている、または蛍光灯の輪郭が分からない(2本の蛍光灯が1本に見える)
×:蛍光灯がそのまま写りこむ
断面曲線データをフーリエ変換した後のパワースペクトルのピークの値、ぎらつきの評価結果および防眩性の評価結果を下記表1にまとめ、これらの相関性を検討した。
Figure 2011107297
表1に示すように、実施例1〜実施例2および比較例5では、ぎらつき度合いが非常に弱いと評価された。また、実施例3〜実施例5では、ぎらつき度合いが弱いと評価された。比較例1〜比較例4では、ぎらつき度合いが強いと評価された。
また、実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例4では、防眩性が良好であった。一方、比較例5では、防眩性が悪かった。
ぎらつき度合いが非常に弱いと評価された実施例1〜実施例2では、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が以下の値であった。
実施例1:0.056
実施例2:0.043
ぎらつき度合いが弱いと評価された実施例3〜実施例5では、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が以下の値であった。
実施例3:0.072
実施例4:0.078
実施例5:0.065
ぎらつき度合いが強いと評価された比較例1〜比較例4では、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が以下の値であった。
比較例1:0.090
比較例2:0.081
比較例3:0.092
比較例4:0.105
また、ぎらつき度合いは非常に弱かったが、良好な防眩性を得ることができなかった比較例5では、波数10(1/mm)付近からピークがずれ、またそのピークの値が以下の値であった。
比較例5:0.0299
以上の検討によれば、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が0.08未満の場合には、ぎらつき度合いが非常に弱くなる、または弱くなることがわかった。また、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が0.06以下の場合には、ぎらつき度合いが弱くなることがわかった。さらに、パワースペクトルの波数10(1/mm)付近に存在するピークの値が0.08以上の場合には、ぎらつき度合いが強くなることがわかった。
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の全ての実施形態の各構成は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、本発明を表示装置に対して適用する場合を例として説明したが、本発明はタッチパネルなどに対しても適用することも可能である。
また、上述の実施形態による防眩性フィルムを、アンチニュートンリング(Anti Newton-Ring:ANR)フィルムとして表示装置に用いるようにしてもよい。このようにANRフィルムとして用いることで、ニュートンリングの発生を抑制する、もしくは気にならない程度までニュートンリングの発生を低減することが可能である。
また、上述の実施形態では、本発明に係る防眩性フィルムを液晶表示装置に適用する場合を例として説明したが、本発明に係る防眩性フィルムは液晶表示装置以外の各種表示装置に対しても適用可能である。例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種表示装置に対しても本発明に係る防眩性フィルムは適用可能である。
1・・・防眩性フィルム
2・・・液晶パネル
2a、2b・・・偏光子
3・・・バックライト
4・・・防眩性偏光子
11・・・基材
12・・・ハードコート層
13・・・基材
14、23・・・原盤
25・・・レジスト層
25b・・・開口部
26・・・めっき層

Claims (8)

  1. 凹凸面に有する基材と、
    上記基材の凹凸面上に形成されたハードコート層と
    を備え、
    上記ハードコート層は、上記基材の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有し、
    上記ハードコート層表面の凹凸形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトルが、波数10(1/mm)付近にピークを有し、
    上記ピークの値が、0.03以上0.08未満である防眩性フィルム。
  2. 上記最大ピークの値が、0.03以上0.06以下である請求項1記載の防眩性フィルム。
  3. 上記ハードコート層表面の凹凸の横方向長さRSmが、50μm以上150μm以下である請求項1記載の防眩性フィルム。
  4. 上記ハードコート層表面の十点平均粗さRzに対する、上記ハードコート層表面の凹凸の横方向長さRSmの比率(Rsm/Rz)が、100以上400以下である請求項1記載の防眩性フィルム
  5. 上記ハードコート層表面の凹凸形状が、3次元的に不規則な凹凸形状である請求項1記載の防眩性フィルム。
  6. 上記ハードコート層表面の最大頻度の突起高さが、0.1μm以上5μm以下の範囲内であり、
    上記ハードコート層表面の最大頻度の突起高さよりも大きな突起が、最大頻度の突起高さの中心値から+1μm以内の高さであり、
    上記ハードコート層表面の凹凸の横方向長さRSmが、50μm以上500μm以下である請求項1記載の防眩性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の防眩性フィルムを表示部上に備える表示装置。
  8. 上記表示部が液晶パネルであり、
    上記液晶パネルの画素ピッチが、RGB各画素50μm以上500μm以下である請求項7記載の表示装置。
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