JP2015532467A - 燦光発現を減じる防眩層を有するディスプレイデバイス - Google Patents

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Abstract

ディスプレイデバイス並びに眩光及び燦光発現を最小限に抑える防眩層が説明される。ディスプレイデバイスの一タイプは、ピクセルアレイを有する、ピクセル基板及び防眩層を有する。防眩層は、防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の少なくとも4倍であるかまたはピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の大きくとも1/3であるような、空間周波数をもつ表面粗さを有する。いくつかの実施形態において、ピクセルアレイのピクセルピッチは120μmより小さい。いくつかの実施形態において、防眩層は、パワースペクトル密度の短軸がピクセルアレイの色方向に揃えられている、楕円形のパワースペクトル密度を有することができる。

Description

関連出願の説明
本出願は2012年10月10日に出願された米国仮特許出願第61/712000号の米国特許法第119条の下の優先権の恩典を主張する。本明細書は上記仮特許出願の明細書の内容に依存し、上記仮特許出願の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含められる。
本明細書は全般には防眩層を有するディスプレイデバイスに関し、さらに詳しくは眩光も燦光の発現も最小限に抑える防眩層を有するディスプレイデバイスに関する。
眩光の存在はディスプレイデバイスにおいて、特にディスプレイデバイスが屋外または明るく照明された環境において眺められる場合に、重大な問題である。したがって、ディスプレイの前面からの反射を無くすためにディスプレイの前面上に反射防止膜を用いているディスプレイデバイスがある。しかし、反射防止膜を用いるだけでは、ディスプレイデバイス自体の内部にある様々な層によって反射されるかなりの量の光が残るから、不十分であり得る。したがって、ディスプレイデバイスの前面上の防眩処理、あるいは防眩処理と反射防止処理の両者の組合せを用いることで反射を無くすことを試みているディスプレイデバイスもある。
しかし、ディスプレイデバイス、特に携帯型電子装置に用いられるディスプレイデバイス、の解像度が高くなるにしたがって、ピクセルアレイのピクセルピッチがかなり縮小している。ディスプレイデバイス構造内に防眩処理を用いていると、防眩層は「燦光(sparkle)」と呼ばれる画像アーティファクトを発生させる。燦光の効果を最小限に抑えるため、高空間周波数を有するように防眩処理または表面の粗さを設計することができる。
しかし、空間周波数が高くなるほど、かなりのヘイズが発生し、画像コントラストが低下する。
本開示の第1の態様は、ピクセルアレイを有するピクセル基板及び、ピクセル基板に対して配置された、防眩層を有するディスプレイデバイスである。防眩層は防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の少なくとも4倍であるかまたはピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の大きくとも1/3であるような空間周波数をもつ表面粗さを有する。
本開示の第2の態様は、防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の大きくとも1/3であり、防眩層のパワースペクトル密度が環形を有する、上述した態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第3の態様は、ピクセルアレイから防眩層までの光学距離が0.30mmより小さい、第1または第2の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第4の態様は、防眩層を透過した光の位相変調の振幅が少なくとも100nmである、第1から第3の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第5の態様は、ピクセル基板に隣接するカラーフィルタ基板及びカラーフィルタ基板に隣接する偏光子基板をさらに有し、防眩層が偏光子基板の表面上に配置された、第1から第4の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第6の態様は、偏光子基板の厚さが約0.1mmである、第5の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第7の態様は、ピクセルアレイの表面上に配置されたカラーフィルタ基板、及びタッチ感応層をさらに有する、第1から第4の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第8の態様は、カバーガラス基板及びカバーガラス基板の表面上の反射防止層をさらに有する、第7の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第9の態様は、偏光子基板をさらに有し、タッチ感応層がカラーフィルタ基板またはピクセル基板上に配置され、防眩層が偏光子基板の外側表面上に配置される、第7の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第10の態様は、カバーガラス基板及びカバーガラス基板の外側表面上に配置された反射防止層をさらに有する、第9の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第11の態様は、防眩層の表面粗さが40μmより長い周期で定められる、第1から第10の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第12の態様は、ピクセルアレイのピクセルピッチが120μmより短い、第1から第11の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第13の態様は、ピクセルアレイのピクセルピッチが約80μmである、第1から第12の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第14の態様は、防眩層の表面が楕円形のパワースペクトル密度を与える表面構造で定められる、第1から第13の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第15の態様は、楕円形のパワースペクトル密度がピクセルアレイの色方向に揃えられた短軸を有する、第14の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第16の態様は、防眩層の表面が非回転対称表面構造によって定められる、第1から第13の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第17の態様は、防眩層が防眩ガラス基板上に設けられる、第1から第16の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第18の態様は、ピクセルアレイのピクセルピッチが約120μmより短く、ピクセル基板から防眩層までの光学距離が約0.30mmより小さい、第1から第17の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第19の態様は、ピクセルアレイを有するピクセル基板及び、ピクセル基板に対して配置された、防眩層を有するディスプレイデバイスである。防眩層は防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の少なくとも4倍であるような空間周波数をもつ表面粗さを有し、防眩層の表面構造は非回転対称である。ディスプレイデバイスはピクセルアレイの表面上に配置されたカラーフィルタ基板、タッチ感応層及び偏光子基板をさらに有する。
本開示の第20の態様は、タッチ感応層に隣接して配置されたカバーガラス基板及びカバーガラス基板の外側表面上の反射防止層をさらに有する、第19の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第21の態様は、表面構造が、ピクセルアレイの色方向と揃えられた短軸を有する楕円形のパワースペクトル密度を与える、第19または第20の態様のディスプレイデバイスである。
本開示の第22の態様は、ピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離が0.30mm以下である、第19から第21の態様のいずれかのディスプレイデバイスである。
本開示の第23の態様は、ピクセルアレイを有するピクセル基板及び、ピクセル基板に対して配置された、防眩層を有し、防眩層が、防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の少なくとも4倍であるような空間周波数をもつ表面粗さを有する、ディスプレイデバイスである。
本開示の第24の態様は、ピクセルアレイを有するピクセル基板及び、ピクセル基板に対して配置された、防眩層を有するディスプレイデバイスである。防眩層は防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイの表面と防眩層の間の光学距離の大きくとも1/3であるような空間周波数をもつ表面粗さを有し、防眩層のパワースペクトル密度は環形を有する。
本明細書に説明される実施形態のさらなる特徴及び利点は以下の詳細な説明に述べられ、ある程度は、当業者にはその説明から容易に明らかであろうし、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を、また添付図面も、含む本明細書に説明される実施形態を実施することによって認められるであろう。
上述の全般的説明及び以下の詳細な説明のいずれもが様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の本質及び特質を理解するための概要または枠組みの提供が目的とされていることは当然である。添付図面は様々な実施形態のさらに深い理解を提供するために含められ、本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす。図面は本明細書に説明される様々な実施形態を示し、記述とともに、特許請求される主題の原理及び動作の説明に役立つ。
図1Aはディスプレイデバイスのピクセルアレイを簡略に示す。 図1Bは、図1Aに示されるピクセルアレイの、2つの隣接ピクセルのサブピクセルを簡略に示す。 図2は非タッチ感応ディスプレイデバイスの各層を簡略に示す。 図3はタッチ感応ディスプレイデバイスの各層を簡略に示す。 図4は10×10LCDピクセルにおける燦光を示す画像である。 図5は、周期位相板に当たって観察者に近い遠視野に交互する明領域及び暗領域を形成する、1つの単色光点p源を簡略に示す。 図6は、無限小のピクセル及び無限小の眼瞳孔直径を仮定して、ピクセル毎パワー偏差(PPD)対粗さ周期をグラフで示す。 図7は、無限小のピクセル及び無限小の眼瞳孔直径を仮定して、PPDをλdz/Tの関数としてグラフで示す。ここで、Tは粗さ周期である。 図8は、有限のピクセル寸法及び無限小の眼瞳孔直径を仮定して、PPD対粗さ周期をグラフで示す。 図9は、有限のピクセル寸法及び有限の眼瞳孔直径を仮定して、PPD対粗さ周期をグラフで示す。 図10Aは、ピクセルがマイクロレンズの焦点面におかれるように配置された、マイクロレンズ及びピクセルを簡略に示す。 図10Bは、マイクロレンズの焦点距離よりもかなり短い距離で、ピクセルに対して配置されたマイクロレンズを簡略に示す。 図11は、様々な防眩層試料についての、防眩層−ピクセルアレイ間距離に対する燦光の変遷をグラフで示す。 図12Aは、ピクセルアレイからの距離を大きくしていくと防眩層試料によって生じる燦光を示す、偽カラー画像である。 図12Bは、ピクセルアレイからの距離を大きくしていくと防眩層試料によって生じる燦光を示す、偽カラー画像である。 図12Cは、ピクセルアレイからの距離を大きくしていくと防眩層試料によって生じる燦光を示す、偽カラー画像である。 図12Dは、ピクセルアレイからの距離を大きくしていくと防眩層試料によって生じる燦光を示す、偽カラー画像である。 図13は防眩層を有する非タッチ感応ディスプレイデバイスの各層を簡略に示す。 図14Aは、防眩層がカバーガラス基板の下に配置されている、タッチ感応ディスプレイの各層を簡略に示す。 図14Bは、防眩層がカバーガラス基板の下に配置されている、タッチ感応ディスプレイの各層を簡略に示す。 図15は、20μmと30μmの間の周期を有する第1の防眩層及び40μmと300μmの間の周期を有する第2の防眩層について、PPD対防眩層−ピクセルアレイ間距離をグラフで示す。 図16は防眩層の3つの表面構造を簡略に示す。 図17は20μmから30μmの周期を有する第1の防眩層に対応する焦点距離ヒストグラムを示す。 図18は40μmから300μmの周期を有する第2の防眩層に対応する焦点距離ヒストグラムを示す。 図19は特性焦点距離とピクセルアレイからの防眩層の距離の間の比に対するPPDをグラフで示す。 図20は燦光の変遷を防眩層周波数成分の関数としてグラフで示す。 図21は、40μmカットオフ周期を有する防眩層に対応する1/e周波数をもつ、ガウス形パワースペクトル密度をグラフで示す。 図22は図21に示されるようなパワースペクトル密度をもつ表面テクスチャを有する防眩層を示す。 図23は、色方向に1/40μm−1、直交方向に1/10μm−1の1/e周波数をもつ、楕円ガウス形パワースペクトル密度を示す。 図24は図23に示されるような楕円形パワースペクトル密度をもつ表面テクスチャを有する防眩層を示す。 図25は、1/20μm−1を中心とする環形パワースペクトル密度を示す。 図26は図25に示されるような環形パワースペクトル密度をもつ表面テクスチャを有する防眩層を示す。 図27はPSD形状が異なる3つの防眩面についてPPD対特性焦点距離をグラフで示す。
ディスプレイデバイスの外側表面からの光の反射によって、またディスプレイデバイス内の内部表面からの光の反射によっても、呈される眩光の発現を減じるための防眩処理を有するディスプレイデバイスの実施形態をここで詳細に参照する。さらに詳しくは、実施形態は防眩層及びディスプレイデバイスに向けられ、防眩層は防眩層のピクセルアレイを有するピクセル基板までの光学距離より長い(例えば、少なくとも4倍は長い)特性焦点距離を有する。別の実施形態において、特に防眩層のパワースペクトル密度が環形である場合、特性焦点距離は防眩層のピクセル基板までの光学距離より短い(例えば大きくとも1/3である)。防眩層及びディスプレイデバイスの様々な実施形態を、添付図面を特に参照して、本明細書でさらに詳細に説明する。
「防眩」または同様の術語は、ディスプレイデバイスのような、物品の処理された表面に接触する光の、鏡面反射ではなく拡散反射に変える、物理的変換を、あるいは物品の表面から反射された光を鏡面反射ではなく拡散反射に変える特性を指す。本明細書に説明される実施形態において、防眩層または防眩処理は、薄膜コーティングによるか、またはガラス基板の機械的または化学的エッチングによって、与えることができる。防眩は表面から反射される光の量を減じることはなく、反射光の性質を変えるだけである。防眩層で反射される像には明瞭な境界がない。防眩層とは対照的に、反射防止面は一般に、屈折率変化及び、いくつかの例では、弱め合う干渉手法の使用により、表面からの光の反射を減じる薄膜コーティングである。
ディスプレイの「燦光」または「輝光」は一般に、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、タッチスクリーン、等のような、ピクセル化ディスプレイシステムに防眩面または光散乱面を導入するとおこり得る望ましくない副作用であり、投影システムまたはレーザシステムで見られる、特徴的なタイプの「燦光」または「スペックル」とはタイプ及び起因が異なる。燦光はディスプレイの極めて微細な粒状外観にともない、ディスプレイの視野角の変化による微粒パターンのシフトがあるように見えるであろう。ディスプレイ燦光はほぼピクセルレベルの寸法スケールにおける輝点及び暗点または着色点として表れ得る。以下でさらに詳細に説明されるように、視認できる燦光を示していない第1の透明ガラス板の画像が図12Aに示され、視認できる、強くなっていく燦光を示す透明ガラス板が図12B〜12Dに示される。図12Aに示される試料は視認できる燦光を全く示しておらず、規則的で相互に一致しているピクセル像を有する。対照的に、図12B〜12Dに示される画像は視認できるノイズ及びピクセル毎パワーにいくらかの分散を示す。したがって、図12B〜12Dのピクセルは一層拡散し、融合するように見える。
本明細書に説明されるように、防眩層と組み合わされたピクセル化ディスプレイで普通に視られるディスプレイ燦光のタイプは第一義的に、表面上のいくつかの巨視的(すなわち、光波長よりかなり大きい)寸法を有する構造がディスプレイピクセルの屈折または「レンズ効果」を生じさせて角度を変え、よってピクセルの見かけの相対強度を改変する、屈折効果であると決定されている。この効果を定量化する手法は本明細書に与えられ、2012年1月20日に出願された米国特許出願公開第2012/0221264号の明細書に説明されている。この明細書はその全体が本明細書に参照として含められる。一般に、この手法では、ピクセル毎パワー偏差(PPD)を計算するため、「アイシミュレーター」カメラシステム(すなわち、人間の観察者の目の機構をシミュレートするシステム)を用いてそれぞれのディスプレイピクセルから収集された総合パワーの標準偏差が測定される。この計量はディスプレイ燦光のユーザ判定とよく相関する。
図1Aをここで参照すれば、ディスプレイパネル10上に設けられたピクセル12のアレイの上面図が簡略に示されている。それぞれのピクセル12は、個々のピクセル12間のスペースである、縦帯13及び横帯15で隔てられる。ディスプレイパネル10は、LCD,OLED,能動マトリクス有機発光ダイオード(AMOLED),等のような、いずれかの発光ピクセル化ディスプレイとして構成することができる。図1Aに示されるディスプレイパネル10のピクセル12は指標指数i及びjを有するピクセルアレイに与えられる。図1Bに示されるように、個々のピクセルは、ディスプレイパネル10に沿って横方向の色方向に配列された、赤色(R),緑色(G)及び青色(B)のサブピクセルのような、いくつかのサブピクセルからなる。本明細書に用いられるように、ピクセルピッチppは、同じ色のサブピクセル間の距離と定義される。本明細書に用いられるように、術語「色方向」はサブピクセル(例えば、R,G,Bのサブピクセル)が配列される方向を指す。実施形態が図1A及び1Bに示されるピクセル12のアレイのピクセルの形状及び配置に限定されず、ディスプレイパネル10が異なる個々のピクセルの配置を、また異なるピクセルアレイ配置も、(例えば、円形ピクセル及び/またはサブピクセル、ペンタイルマトリクスピクセル、赤-緑-青-緑ピクセル、等を)有し得ることは当然である。
図2及び3はそれぞれ、タッチ感応不可ディスプレイデバイス11及びタッチ感応可ディスプレイデバイス11'を簡略に示し、いずれもLCDディスプレイデバイスとして構成されている。実施形態が図2及び3に示される構成に限定されず、さらに多いかまたはさらに少ない層を本明細書に説明される実施形態に与え得ることは当然である。以下でさらに詳細に説明されるように、タッチ感応ディスプレイデバイスは人間の手のタッチ及びしぐさから受け取る入力に電気的に応答するデバイスである。初めに図12の非タッチ感応ディスプレイデバイス11を参照すれば、ディスプレイデバイス11は一般に、バックライト21(例えば、蛍光灯バックライト、発光ダイオード(LED)バックライト,等)、第1の偏光子基板22,ピクセル基板23(すなわち、薄膜トランジスタ(TFT)層),カラーフィルタ基板24,及び第2の偏光子基板25を有する。ピクセル基板23及びカラーフィルタ基板24はそれぞれ、例えば、ガラス基板を含むことができる。ピクセル基板23及びカラーフィルタ基板24はピクセル12のアレイを与えるように構成される。第1及び第2の偏光子基板22,25は特定の偏光の光の通過を可能にすることができる(例えば、直線偏光子は光の水平成分または垂直成分の通過を可能にする)。追加のまたはより少ない偏光子基板を与え得ることも当然である。限定ではない例として、OLEDディスプレイにおいて、ディスプレイデバイスは一般に、ディスプレイのカソードからの周囲光の反射を排除するため、円偏光子(例えば、1/4波長板及び直線偏光子)を有する。さらに図2及び3に示される各層の間に接着剤層がさらに設けられ得ることも当然である。
ピクセル基板23,第2の偏光子基板25及び接着剤層の厚さを、例えばそれぞれ0.10mmのような、薄い寸法に減じることで、約0.30mmの機械的厚さdがピクセル基板23の表面と第2の偏光子基板25の上面の間に存在し得る。機械的厚さはカラーフィルタ基板24の底面から測定される。ピクセル基板23、第2の偏光子基板25及び接着剤層について1.5の屈折率を仮定すれば、約0.20mmの光学距離が得られる。LCDディスプレイにおいて、画像はカラーフィルタ基板のカラーフィルタによって形成され、したがって、ピクセルアレイからの機械的距離はカラーフィルタ基板の裏面から測定されることに注意されたい。OLEDディスプレイのような、発光型ディスプレイにおいて、画像はOLED層自体で形成され、この場合、ピクセルアレイからの機械的距離はOLED層から測定される。本明細書に用いられるように。術語「光学距離」は[機械的距離]/[光路内の材料の屈折率]と定義される。屈折率が異なる複数の材料が用いられている場合、総光学距離は個々の材料の光学距離の和に等しい。以下でさらに詳細に説明されるように、ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離を減じれば、観察者が視認できる燦光の強度が減じる。
図3を参照すれば、タッチ感応用途の場合、酸化インジウムスズ(ITO)のような、静電容量センサ膜(タッチ感応基板28)のためのいくつかの付加層及びカバーガラス基板29が必要である。図示されるタッチ感応ディスプレイデバイス11'において、タッチ感応基板28は、第1の方向(例えば、y軸方向)のタッチ感応能力を与える第1のITO層28a及び、直交する、第2の方向(例えば、x軸方向)のタッチ感応能力を与える第2のITO層28bを有するガラス基板である。第2の偏光子基板25とタッチ感応基板28の間にシールド層または空隙が配置される。カバーガラス基板29はタッチ感応基板28上に配置される。さらに、反射防止膜またはコーティングとして構成することができる、反射防止層30がカバーガラス基板29の外側表面上に配置される。図3に示されるように、タッチ感応ディスプレイデバイス11'の付加層はカラーフィルタ基板24の底面とカバーガラス基板29または反射防止層30の上面の間の機械的距離及び光学距離を大きくし、これは図2に示される非タッチ感応ディスプレイデバイス11に比較して燦光の強度を高め得る。
燦光は本明細書においてピクセル毎パワー偏差(PPD)と称される標準化計量によって定量化することができ、これは、ほとんどのディスプレイが所与のディスプレイタイプに対する一般的な視距離においては人間の観察者がピクセル寸法より小さい構造を解像できないように設計されるという考察に基づいている。したがって、燦光に関しては、単一ピクセル内部の雑音は問題にならず、異なるピクセル間の雑音だけが有意である。
したがって、燦光は、所与の単色(R,GまたはB)のピクセル化画像が与えられていれば、ピクセルピッチppに等しい寸法をもつ個々のピクセルを囲むウインドウを定めるプロセスである、PPDによって定量化することができる。本明細書においてPPDプロセスは概略的に説明され、PPDに関するさらなる情報は、上で参照した、米国特許出願第13/354827号明細書にも与えられていることに注意されたい。図4は、防眩面の存在によって生じている燦光を示す、10×10LCDピクセルの偽カラー実験画像を与える。単ピクセルを囲む白色正方形として単ウインドウが示されている。正方形の幅はピクセルピッチppに等しい。
一般に、下式:
で与えられるように、ウインドウ内部のパワーは積分され、PPDは、平均ピクセルパワーで規格化された、それぞれのピクセルについての積分されたパワーの標準偏差として定義される。
図5を次に参照すれば、燦光モデルを構築するため、燦光を生じる構造(例えば、構造42a,42b)を有する拡散面を表す周期位相板40に当たる1つの単色光点p源という、ごく単純化した場合を考えることにする。純粋に幾何学的な観点から、周期位相板40は遠視野において数本の干渉縞を形成し、これらの干渉縞は(明領域50a〜50cで表される)明または暗(明領域50a〜50cの間の領域)であり、周期位相板40は凸(例えば構造42a)または凹(例えば構造42b)である。したがって、周期面は、dθで隔てられた、明確に定められる角度に、明干渉縞及び暗干渉縞を形成する。簡単のために周期位相関数を仮定すれば、遠視野は:
で与えられる角周期をもつ周期関数になるであろうと考えられる。ここで、
dθは遠視野における角周期、
Pは位相板の周期、及び
dzは発光点から位相板(すなわち、防眩層または防眩面)までの距離、
である。
ここでディスプレイの遠視野にいる観察者を考えると、彼または彼女は、これらの干渉縞に対して眼瞳孔がどこにあるかに依存して、発光点pがより明るいかまたはより暗いと感じるであろう。ピクセル化ディスプレイにおいては、光源が点源ではなく、個々のピクセルの実寸法が考慮されるべきである。ここでも幾何光学に基づけば、第1の点pから距離dyにある点pによって放射される遠視野像は:
で与えられる角度だけシフトされた第1の点pによって放射される遠視野と同じになるであろう。ここで、dθは発光点のシフトdyにともなう角シフトである。
したがって、広がりがdLの連続ピクセルを考え、光がピクセル内でコヒーレントではないと仮定すれば、遠視野内への強度分布は:
で与えることができ、ここで、
Iffp0は1つの単点源に対する遠視野強度、
rectは矩形関数、
dLはピクセル寸法、
Iffp1はピクセル全体によって放射される遠視野強度、及び
*は畳み込み積、
である。
次に、この特定のピクセルについて観察者の網膜にどれだけのパワーが進むかは:
で計算することができ、ここで、
Pは観察者によって知覚されるパワー、及び
積分ウインドウは眼瞳孔角度範囲に等しい、
である。
知覚されるピクセル毎パワーの偏差に対応するPPDを計算するためには、位相板に対して無秩序な位置にある多くの異なるピクセルを考えるべきである。上の式2によれば、他のピクセルについての遠視野は、追加の遠視野像は全て同じであり、与えられた角度しかシフトされないであろうことが公知なので、再計算する必要はない。したがって、周期位相板40に対して無秩序な位置にあるピクセルについて遠視野パターンを再計算するのではなく、観察者の目は遠視野内部で無秩序な位置にあることを考慮しながら、パワーPを再計算することができる。したがって、PPDは:
及び:
によって得ることができる。ここで、θは眼の角度範囲である。
先の計算においては、ピクセル毎パワー偏差が、排他的に眼瞳孔が変動するパワー量を収集するという事実によると仮定されていたことに注意されたい。しかし、ピクセル毎パワーにいくらかの変動を生じさせ得る別の機構がある。高位相変調周波数または振幅に対し、パワーの一部はピクセルウインドウの外側で網膜上に結像され得る。したがって、このパワーはピクセルウインドウにわたって積分されるパワーに寄与せず、したがってこのパワー漏れは式6で考慮されない。したがって、この簡易モデルは拡散円錐が比較的小さく:
を満たす位相変調に対してしか有効ではない。ここで、
Dは表面拡散角、
dzはピクセルから拡散面までの距離、及び
ピクセル間隙は所与の色のピクセル間の間隙、
である。
上式が適用できない例は、ピクセル間隙がゼロに近く、表面粗さにかかわらず、燦光が決して生じない、白黒eリーダーにおけるような、非ピクセル化画像である。このことは、ディスプレイピクセル間隙を最小限に抑えるかまたは無くすことであり、ディスプレイ燦光を最小限に抑えるための別の方策を暗示している。
最後に、上式はスペクトル的にコヒーレントな光源を仮定しており、これは上式が、粗さ振幅ピクセルコヒーレンス長より短いという条件、すなわち:
の下でしか適用できないことを意味する。ここで、
dhは粗さ振幅、
dnは屈折率差(約0.5)、及び
dλはスペクトル幅、
である。
防眩面において、代表的な粗さ振幅は200nmRMSのオーダーであり、これは、白色光源であってもスペクトルコヒーレント仮定がまだ有効であることを意味している。
ここで、式1〜6を解くため、1つの単発光点に対応する遠視野強度を計算する必要がある。この計算は位相板に当たる球面波を考え、フーリエ光学を用いる:
によって、遠視野における電場Effp0を計算することで行うことができる。
図6のグラフは、無限小のピクセル及び無限小の眼瞳孔直径を仮定し、正弦周期位相板を用いて計算したPPDを示す。波長は532nmに固定した。図6のグラフには、PPD対粗さ周期Tがプロットされている。位相振幅は2π単位で0.1に設定され、ピクセルから正弦周期位相板までの距離は3mmに固定されている。
干渉効果により、FFPにおける干渉縞のコントラストがゼロまで低下する特定の周波数がいくつかあることが示され得る。タルボット周波数としても知られる、これらの周波数は:
で与えられる。ここで、
Tは粗さ周期、及び
kは整数、
である。
したがって、粗さ周期の関数の代わりに、λdz/Tの関数としてPPDをプロットすることで、図7のグラフに示されるように、完全な周期関数が得られる。
実ピクセル寸法を考慮するため、高周波数周期位相板については干渉縞のコントラストを消し去る結果になる、式3の畳み込み積を適用することができる。図8は、レチナディスプレイのような高解像度ディスプレイに対応する70μm(曲線60)、コンピュータモニタディスプレイに対応する200μm(曲線61)及び大型テレビジョンに対応する500μm(曲線62)に等しいピクセルピッチについて粗さ周期の関数として計算したPPDを示す。図8にプロットされたシミュレーションでは眼瞳孔直径がまだ無限小と見なされていることに注意されたい。プロットに見ることができるように、高周波粗さに対してPPDはかなり小さくなっている。また、与えられた粗さ周波数に対し、PPDは必ず、ピクセルが小さくなるほど悪化する。
式5からさらに畳み込み積を適用することによって有限の眼瞳孔直径を考慮することができる。図9は、レチナディスプレイ及びコンピュータディスプレイの場合にはスクリーンから0.5m離れていて、大型テレビジョンに対しては3mの距離にある、直径5mmの眼瞳孔を考慮していることを除き、図8のグラフに与えられた条件と同じ条件で計算したPPDを示す。図8と同様に、曲線63はピクセルピッチが70μmのディスプレイを表し、曲線64はピクセルピッチが200μmのディスプレイを表し、曲線65はピクセルピッチが500μmのディスプレイを表す。
図9のグラフは、ピクセルアレイから正弦周期位相板40までの距離が約3.0mmであるとすると、燦光を最小限に抑えるためには約40μmより大きい粗さ周期は避けるべきであることを示す。この傾向は別の数値モデル及びサンプル粗さの半経験的評価によって相互検証された。
従来の防眩層または防眩面は一般にそれぞれの、粗さ形状のフーリエ変換である、パワースペクトル密度(PSD)で特徴を表すことができる。本明細書に用いられるように、二乗平均平方根(RMS)粗さのような、術語「粗さ」または「表面粗さ」は、微視的レベルまたはさらに微細なレベルにおいて、平坦ではないかまたは不規則な表面状態を指す。防眩層の効果は防眩層によって反射されるかまたは防眩層を透過する光の位相を変調することである。眩光を効率的に排除するためには、位相変調の振幅が少なくとも100nmRMSであるべきことを示すことができる。一例として、防眩層が1.5の屈折率をもつ粗化表面である場合、粗さ振幅が少なくとも200nmRMSであれば、透過光は(透過とは反対に)ほとんど散乱されるであろう。別の例において、屈折率がn及びnの2つの媒質の間の粗化表面で防眩層を形成することができる。この場合、粗さ振幅は少なくとも100nmをnとnの差で割った値とすることが必要である。通常、PSDはゼロを中心とするガウス関数(または、いくつかのさらに精妙な別の関数)で近似することができる。この結果、防眩層上の全ての構造が、高解像度ディスプレイとともに用いられる場合は特に、いくらかの燦光を生じ得るいくらかの低周波数成分を示すことになる。1つの解決策は、燦光を最小限に抑えるため、防眩層の粗さのほとんどが低周波数域ではなく高周波数域に入るように、PSDガウス分布の1/e周波数を高めることにある。しかし、粗さの空間周波数を高めると光は大角度で散乱されるようになり、この結果、表面のヘイズが強くなり、(防眩層がピクセルアレイから遠くに配置されている場合のような)いくつかの場合には、画像もぼやけるようになり得る。
以下でさらに詳細に説明されるように、別の実施形態では、燦光発生の原因である低周波数及びヘイズ発生の原因である高周波数が排除されるようなパワースペクトル密度(図25及び26を見よ)を有する防眩層の使用によって、ヘイズ及び燦光を最小限に抑えることができる。
上述した燦光モデルにおける別の重要なパラメータは、ピクセル基板23と防眩層(例えば、以下で説明される、図14A及び14Bに示される防眩層480)の距離である。距離パラメータが燦光にどのように影響し得るかを説明するため、防眩層構造が一連のマイクロレンズで構成されているとする。言い換えれば、防眩層によって与えられる山及び谷が個々のマイクロレンズとして作用する。図10Aを参照すれば、この場合はピクセルpが防眩層によって与えられるマイクロレンズの焦点面fpの近くに配置されている。参照数字42はピクセルpに焦点面fpを有する単マイクロレンズを表す。この場合、光70はほぼコリメートされ、マイクロレンズを通して観察者Oの眼で見られているディスプレイの表面が赤色、緑色または青色のピクセル、あるいはピクセル間に配された黒色マトリックスのいずれになっているかに依存して、マイクロレンズの全表面が赤色、緑色、青色または黒色になるであろう。この状況は観察者が容易に見て取ることができる高強度燦光をもたらす。
図10Bは、ピクセルアレイと防眩層の間の距離が防眩層によって与えられるマイクロレンズ42の焦点距離よりかなり小さくなるように、マイクロレンズ42がピクセルpのアレイに非常に近づけて配置されている場合を示す。マイクロレンズ42を発光点(ピクセルp)の直上におくと、幾何光学(及びフーリエ光学)は、光70'が放射される態様にマイクロレンズ42は影響を与えず、光の集中は全く無いであろうと予測する。この場合、燦光は完全に排除されると考えることができる。ピクセルとマイクロレンズの間の距離をマイクロレンズの焦点距離よりかなり大きく設定することで燦光を排除できることも示すことができる。しかし、この場合はディスプレイデバイスの厚さが非現実的になるから実用になり得ない。
したがって、理想的な状況は、防眩層がディスプレイのピクセルに極めて近接して配置される場合である。しかし、カラーフィルタ基板、(LCDディスプレイの場合には)偏光板及び(例えば、タッチスクリーンの場合には)TVカバーを含めるに必要な最小距離があるから、ピクセルアレイの直上に防眩層をおくことは実用的解決策ではない。しかし、距離を最小限に抑えることによって、燦光を劇的に減じることができると考えられる。
一対のレンズを用いるLCDディスプレイのピクセルの撮像及びそのレンズ対で形成された像に近接する防眩層の配置からなるシステムを構築することで、ピクセルアレイとマイクロレンズ(すなわち、防眩層)の間の距離の燦光への影響を実験的に評価した。像と防眩層の間の距離を可変とすることができるように、防眩層をx-y-zステージに結合した。距離を変えて、燦光強度対距離を評価した。
図11は、いくつかの防眩サンプルを用いて測定した、ピクセル像と防眩層の間の距離に対する燦光の変遷を示すグラフである。曲線101及び102はそれぞれ粗さをもたないガラス基板に対応し、曲線103〜110は振幅及び形状が異なるいくつかの粗さテクスチャに対応する。
図11から分かるように、距離がゼロに近づくと燦光は大きく低下する。また、距離ゼロにおいて燦光が完全にゼロになっていないことは、レンズ収差及びレンズ開口の限界による測定アーティファクトであると考えられる。図12A〜12Dは様々な距離及び様々な試料における測定結果を示す。図12Aは無防眩層での測定を示す。図12B,12C及び12Dはそれぞれ、0mm、2mm及び5mmにおける、曲線106がともなう試料の測定結果を示す。
すなわち、ピクセルと防眩層の間の距離を最小限に抑えることで燦光を減じることができる。図13は図2に関して上述したものと同じコンポーネントを有し、偏光子基板25の表面に防眩層380がさらに配置されている、非タッチ感応ディスプレイデバイス300を示す。防眩層380は、フィルムまたはコーティング、個別防眩ガラス基板、あるいは偏光子基板25の表面に刻印された表面構造によって与えることができる。言い換えれば、防眩層380は本明細書に説明される防眩効果を与えることができるいずれかの表面または処理として構成することができる。ガラス基板の表面上に防眩層構造を与えるための手法例は、2011年4月20日に出願された米国特許出願公開第2011/0267697号の明細書に説明されている。上記明細書はその全体は本明細書に参照として含められる。上述したように、薄層を用いることで、機械的厚さ、したがってピクセル基板23との間の距離を最小限に抑えることができる。この距離を最小限に抑えることにより、燦光の強度が減じられる。例えば、厚さが0.10mm程度の偏光子基板25に接合された厚さが0.10mm程度のカラーフィルタ基板24を用い、防眩層380を与えるために偏光子基板25の表面を粗化することで、機械的距離を0.20mmもの短さに、よって対応する光学距離を約0.14mmにすることができる。
しかし、上述したように、タッチ感応ディスプレイデバイスの場合には、タッチ感応能力を与えるための付加層が必要である。短いピクセルアレイから防眩層までの距離を達成するには、複数の構成が可能である。図14Aに示されるディスプレイデバイス400を参照すれば、ディスプレイデバイスの剛性を保証するため、通常は比較的厚いカバーガラス基板29が好まれる。カバーガラス基板29の上面上に防眩層を配置することは可能であるが、そうすると、ピクセル基板23と防眩層の間の距離が大きくなってしまう。あるいは防眩層をカバーガラス基板29の裏面上に与えることができ、ディスプレイデバイスの前面からくる反射を排除するため、カバーガラス基板29は反射防止コーティング30を有することができる。この場合、防眩層の機能はディスプレイデバイス内部に配された各層からくる反射を排除することである。
図14A及び14Bを参照すれば、別の選択肢は、x及びy方向のタッチ感応能力を与えるITO格子の形態の(ガラス基板をもたない)タッチ感応層428を提供する。図14Aはディスプレイデバイス400のカラーフィルタ基板24上に配されたタッチ感応層428(すなわち「オンセル」構造)を示し、図14Bはピクセル基板23上にタッチ感応層428が配されている(すなわち「インセル」構造の)ディスプレイデバイス400'を示す。いくつかの実施形態において、タッチ感応層はピクセル基板23上及びカラーフィルタ基板24上のいずれにも配置され得る。次いで防眩層480を偏光子基板25上に配することができる。いくつかの実施形態において、ディスプレイデバイスに追加のカバーガラス基板29を使用する必要はなく、考察下の光学距離に寄与する構造は、図13に示される非タッチ感応ディスプレイデバイスの場合におけるように、カラーフィルタ基板24及び偏光子基板25だけを含む。上述したように層厚を最小限に抑えておけば、燦光強度を減じることができる。
防眩層が配置されるピクセルアレイからの距離に加えて、防眩層がピクセルアレイから比較的遠くに配置される場合であっても、燦光を減じるために防眩層の構成を操作することができる。以下で詳細に説明されるように、高解像度ディスプレイデバイス(例えば、ピクセルピッチが約120μmより小さいディスプレイデバイス)の場合、防眩層がピクセルアレイまでの防眩層の光学距離の少なくとも4倍(または、環形パワースペクトル強度を有する表面の場合はピクセルアレイまでの防眩層の光学距離の大きくとも1/3)の特性焦点距離を有するように、防眩層の表面構造を構成して、観察者の目に入り得る燦光の強度を減じることができる。
一般に、上述したように、ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離に対する燦光の量を測定するかまたはモデル化する場合、距離ゼロから始めると、燦光は急速に強くなり、次いでプラトーに達し、以後は緩やかに減少する。曲線の形状はピクセルアレイの形状寸法及び防眩層の周波数成分の関数である。図15は、ピクセルアレイのピクセルピッチを80μmに固定しておいて、2つの異なる防眩層について燦光強度を示すグラフである。正方形で示される曲線はほとんどが高い周波数にある(すなわち、そのPSDが図25に示されるパワースペクトル密度及び図26に示される表面と同様の、20〜30μm周期に制限された環形関数である)防眩層に対応する。三角形で示される曲線はかなり多くの低周波数成分を含む(すなわち、そのPSDは40〜300μm周期に制限された環形関数である)。高周波数防眩層では、非常に小さいピクセルアレイ−防眩層間距離でプラトーに達し、プラトーの強度は低周波数成分を有する他の防眩層よりかなり低い。
上述したように、防眩層は無秩序配置マイクロレンズと対照することができ、燦光は屈折効果(幾何光学)及び回折効果の両者の結果である。ここでは回折態様を無視すれば、マイクロレンズの焦点距離がピクセルからレンズ自体(すなわち、防眩層)までの(カラーフィルタ基板の底面から測定した)光学距離に等しいときに、燦光は最悪になると考えられる。マイクロレンズの焦点距離が光学距離に等しいときは、観察者の視線は、レンズが暗くなっているとピクセル間の隙間に、またレンズが明るくなっているとピクセル自体に、集中する。
本開示の実施形態は、ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離よりかなり大きいかまたはかなり小さい特性焦点距離を有する防眩層の使用により、燦光の強度を最小限に抑える。本明細書に用いられるように、「特性焦点距離」は以下の手順:
1.防眩層の二次偏微分:
を計算する。ここで、
A(x,y)は防眩層のトポロジー、
B(x,y)は二次偏微分、及び
Xはディスプレイパネルにおける赤色、緑色及び青色のサブピクセルの方向(すなわち、色方向)、
である、
2.特定の場所における局所曲率半径:
を計算する。ここで、
R(x,y)は局所曲率半径、
である、
3.局所焦点距離:
を計算する。ここで、
であり、
F(x,y)は局所焦点距離、及び
及びnは防眩層を定める材料の屈折率(防眩層が空気と接している場合には、n=1)、
である、
4.特性焦点距離fを決定するため、防眩層にわたるF(x,y)分布のヒストグラムを計算する。ここで、特性焦点距離fは防眩層上で発生度合いが最も大きい焦点距離である、
にしたがって決定される防眩層の焦点距離を意味する。
図16を次に参照すれば、防眩層80が簡略に示されている。それぞれの表面構造82a〜82cは局所曲率半径r及び、r/(n−n)で定められる、局所焦点距離fを有する。ここで、n及びnは防眩層の屈折率である。防眩層がレンズ表面上にあるとき、防眩層は空気に接していて、したがって局所焦点距離はr/(n−1)である。3つの表面構造82a〜82cは相異なる半径r及び振幅Aを有する。例えば、表面構造82aは、表面構造82cと比較して、小さい局所曲率半径r、したがって短い局所焦点距離fを有する。防眩層にわたって最も発生頻度が高い焦点距離fが防眩層の特性焦点距離fである。
2つの、コンピュータで生成した、20μm〜30μmの表面構造周期を有する防眩層(図15の高周波数曲線に対応する同じ防眩層)及び40μm〜300μmの表面構造周期を有する防眩層(図15の低周波数曲線に対応する同じ防眩層)のそれぞれについて特性焦点距離を計算した。図17は20μm〜30μmの周期を有する防眩層に対応する焦点距離ヒストグラムを示す。このヒストグラムに示されるように、特性焦点距離は約0.11mmであり、これは図15に示される高周波数燦光曲線の最大値にかなりよく対応する。図18は40μm〜300μmの表面構造周期を有する防眩層に対応する焦点距離ヒストグラムを示す。図18のヒストグラムは特性焦点距離が約0.65mmにシフトされていることを示し、これも、図15の低周波数燦光曲線の最大値にかなりよく対応する。
したがって、燦光の発生に影響を与えるように、防眩層の特性焦点距離を決定及び操作することができる。
防眩層の特性焦点距離の効果を示すための別の方法は、ピクセルアレイからの防眩層の距離dを固定して、周波数成分が異なり、したがって特性焦点距離が異なる、様々な防眩層を考察することである。特性焦点距離と距離dの間の比に対して燦光強度をプロットすることができる。上述したように、燦光発生は特性焦点距離と距離dの間の比が1のときに最も大きくなるはずであると考えられる。図19は、特性焦点距離と距離dの間の比に対する燦光の発生をPPDで表してプロットした、そのようなグラフである。グラフに示されるように、PPDで表した最大燦光は比が1に等しいときに発生している。
一般に、ピクセル−防眩層間距離は可変パラメータではなく、上述したように、いくつかの機械的制約によって固定される。ほとんどの用途において、この機械的距離は、カラーフィルタ基板の厚さが一般に0.50mm程度であり、偏光板及び光路内に存在し得るその他の様々な層の厚さもディスプレイデバイスの厚さに寄与するから、少なくとも1.0mmである。上で説明したように、燦光を回避するには、特性焦点距離がピクセル−防眩層間距離と大きく異なるような表面とすべきである。特性焦点距離が1.0mmの機械的距離より大きければ、そのような防眩層は極めて低い粗さ周波数を有することが必要であろうことを示すことができ、これは拡散角の幅が非常に狭く、眩光が効率的に排除されないであろうことを意味する。
別の選択肢は特性焦点距離が1mmより十分に小さい防眩層を選ぶことであり、これは、20〜30μmの範囲の周期を有する表面構造のような、ほとんどが高空間周波数成分の構造を表面が有する必要があることを意味する。ピクセルピッチが120μmより小さい高解像度ディスプレイの特定の場合において、特性焦点距離が1mmよりかなり小さいモードで動作させて、燦光を許容レベルにするには、周波数が非常に高い(例えば、1/20μm−1より高い)防眩層を用いる必要がある。しかし、そのような高周波数表面の結果は、表面が非常に高いヘイズを有し、画像解像度が悪影響を受けることである。したがって、低燦光及び低ヘイズを達成し、同時に高い画像解像度を維持することは困難である。
本開示のいくつかの実施形態において、ディスプレイデバイスは、ピクセルアレイから短距離に配置された、低空間周波数をもつ防眩層を有する。言い換えれば、防眩層の特性焦点距離がピクセルアレイと防眩層の間の光学距離より大きい。図20は、以下の条件、
1.PSDがグラフ上のカットオフ周期に対応する1/e周波数をもつ概ガウス形である、
2.防眩層の位相変調振幅が100nmRMSである、
3.ピクセルピッチが80μmである、
4.屈折率が1.5である、及び
5.ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離が0.2mm(ほぼ0.3mmの機械的距離)である、
を用いて計算した、防眩層周波数成分の関数として燦光の変遷を示すグラフである。
図20のグラフから分かるように、ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離が0.2mmの場合に5%以下の燦光レベルを得るためには、カットオフ周期は少なくとも40μmとすべきである。これはピクセルアレイと防眩層の間の光学距離のほぼ7倍の特性焦点距離に相当する。カットオフ周期はさらに大きくすることができるが、防眩層によって与えられる拡散が実に低くなり、この結果、眩光の排除効率が低くなる。5%ではないPPDを有するように防眩層の特性焦点距離(すなわち、光学距離の7倍ではない特性焦点距離)を構成できることは当然である。目標PPDは防眩層の所望の特性に依存する。図20のグラフは、特性焦点距離をピクセルアレイと防眩層の間の光学距離より大きくすべきであることを示す。
図21は、40μmのカットオフ周期及び0.2μmRMSの表面粗さを有する防眩層に対応する1/e周波数をもつ一例の円形対称ガウス形PSDを示す。図22は図21に示されるようなPSDを有する防眩層の表面テクスチャの例を示す。図22に示される表面の特性焦点距離の計算値は約1.2mmであり、これはピクセルアレイと防眩層の間の光学距離を0.19mmより小さくすべきであることを意味する。光路内のディスプレイデバイスの材料の屈折率を1.5と仮定すれば、機械的距離は0.285mmより小さくすべきである。図21に示されるPSD及び図22に示される表面テクスチャが、限定ではない、説明の目的のために与えられていることは当然である。
低空間周波数を有する防眩層では拡散角が小さくなり、この結果、高空間周波数をもつ防眩層よりも眩光の排除効率が低くなり得ることに注意されたい。防眩層の形状がディスプレイデバイスの色方向CD(すなわち、RGBサブピクセル方向)において最も重要であることを示すことができる。いくつかの実施形態において、防眩層の表面構造は、表面構造がディスプレイデバイスの色方向CDにおいて直交方向におけるより長くなるような、非回転対称として構成することができる。したがって、ディスプレイデバイスの色方向に沿って短軸を有し、色方向に直交する方向に長軸を有する、楕円形PSD(例えば、図23を見よ)をもつ防眩層を用いることによって、燦光を最小限に抑え、同時に円形PSDを有する防眩層よりも拡散角を大きくすることができる。
図23は、色方向CDにおいて1/40μm−1、色方向CDに直交する方向において1/10μm−1の1/e周波数をもつ楕円形ガウス関数である、PSDを示す。粗さの振幅は0.2μmRMSである。したがって、限定ではなく、例として、防眩層の楕円形PSDは色方向において直交方向の1/4の1/e周波数を有することができる。
図24は、図23に示されるような楕円形PSDを有する防眩層の表面テクスチャの例を示す。図24に示されるように、防眩層は色方向CDにおいて色方向CDに直交する方向におけるより長い周期を有する。図23に示される防眩層の特性焦点距離は図21に示される防眩層と同じである。
上述したように、いくつかの実施形態において、防眩層は、燦光を生じさせる原因である低空間周波数がヘイズを生じさせる原因である高空間周波数と同時に排除される、環形(すなわち、ドーナツ形)PSDを有することができる。図25を次に参照すれば、一例の防眩面の環形PSDがグラフで示されている。図25に示されるように、環形PSDの中心は1/20μm−1にある。したがって、望ましくない低空間周波数及び高空間周波数は存在せず、よって有意なヘイズを発現させずに、燦光を減じることができる。
図26は図25に示されるような環形PSDを有する防眩層の表面テクスチャの例を示す。図26に示されるように、防眩層は環形PSDで定められる範囲内の周期をもつ(すなわち、低空間周波数及び高空間周波数が存在しない)表面構造を有する。
図27を次に参照すれば、PSD形状が異なる3つの防眩層について、燦光強度対特性焦点距離を示すグラフが与えられている。図27のグラフで表されるシミュレーションにおいては、ピクセルアレイから防眩層までの光学距離を0.20mmに設定し、位相変調の振幅は透過において125nmであり、ピクセルピッチを80μmに設定した。3つの防眩層のPSD形状はそれぞれ、ガウス分布、トップハット形分布(すなわち、矩形分布)及び環形分布であり、菱形で表されるデータ点はガウス分布を有する防眩層に対応し、正方形で表されるデータ点はトップハット形分布を有する防眩層に対応し、三角形で表されるデータ点は環形分布を有する防眩層に対応する。
グラフから分かるように、燦光はほぼ0.30mmの特性焦点距離に対してピークにあり、これはピクセルアレイから防眩層までの光学距離に対応する。グラフは2つの異なるタイプの防眩層が、生じる燦光を低レベルにできることを示す。第1に、ピクセル−AG面間距離よりかなり大きい特性焦点距離を有する防眩層により、生じる燦光を低レベルにすることができる。例えば、図27のグラフを参照すれば、約6のPPDを達成するためには、矢印500で示されるように、特性焦点距離を約1.2mmとすべきであり、これはピクセルアレイから防眩層までの光学距離の約6倍の特性焦点距離に相当する。約6のPPDを達成するには、特性焦点距離を光学距離のほぼ7倍とすべきであり、これは図20に示されるグラフに対応する。特性焦点距離は防眩層の所望のパラメータ及び目的とする燦光低減レベルに依存する。一般に、光学距離の少なくとも4倍の特性焦点距離を有する防眩層により、燦光強度を最小限に抑えることができる。
第2に、ピクセルアレイと防眩層の間の光学距離より小さい(すなわち、光学距離の大きくとも1/3の)特性焦点距離を有する防眩層によっても、燦光強度を最小限に抑えることができる。しかし、上述したように、小さい特性焦点距離を有する防眩粗は、望ましくないヘイズを生じさせる、高空間周波数を有する。したがって、環形PSD及び短い特性焦点距離を有する(例えば、丸で囲まれたデータ点510で表される)防眩層は高空間周波数を排除し、ガウス形PSDを有する表面のような、従来の表面に通常存在する高周波数テールが排除されるから、ヘイズの少ない外観を示す傾向がある。
本開示の実施形態が、眩光を減じ、燦光の発現も最小限に抑える、防眩層を有するディスプレイデバイスを提供することが今では了解されるはずである。本明細書に説明される防眩層は、ディスプレイデバイスのピクセルアレイと防眩層の間の光学距離に比較して大きい(例えば、少なくとも4倍である)か、またはディスプレイデバイスのピクセルアレイと防眩層の間の光学距離に比較して小さい(例えば、大きくとも1/3である)、特性焦点距離を有することができる。いくつかの実施形態において、防眩層は、ディスプレイデバイスの色方向に揃えられた短軸及び直交方向に揃えられた長軸を有する楕円形パワースペクトル密度関数を周波数空間において有することができる。別の実施形態において、特に特性焦点距離が短い場合に、防眩層は環形パワースペクトル密度を有することができる。
術語「ほぼ」及び「約」は、いかなる量的比較、値、測定またはその他の表現にも帰因させ得る、本質的な不確定性の度合いを表すために本明細書で用いられ得ることに注意されたい。これらの術語は、量的表現が言明された基準から、本開示の主題の基本機能に変化を生じさせることなく変わり得る度合いを表すためにも、本明細書で用いられる。
特定の実施形態を本明細書に示し、説明したが、特許請求される主題の精神及び範囲を逸脱することなく様々なその他の変更及び改変がなされ得ることは当然である。さらに、特許請求される主題の様々な態様を本明細書に説明したが、そのような態様が組合せで用いられる必要はない。したがって、添付される特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのような変更及び改変の全てを包含するとされる。
10 ディスプレイパネル
11 タッチ感応不可ディスプレイデバイス
11' タッチ感応可ディスプレイデバイス
12 ピクセル
13 縦帯
15 横帯
21 バックライト
22,25 偏光子基板
23 ピクセル基板
24 カラーフィルタ基板
28 タッチ感応基板
28a,28b ITO層
29 カバーガラス基板
30 反射防止層
40 周期位相板
42 マイクロレンズ
80,380,480 防眩層
300 非タッチ感応ディスプレイデバイス
400,400' タッチ感応ディスプレイデバイス
428 タッチ感応層

Claims (10)

  1. ディスプレイデバイスにおいて、
    ピクセルアレイを有するピクセル基板、及び
    前記ピクセル基板に対して配置された防眩層であって、該防眩層の特性焦点距離が、前記ピクセルアレイの表面と前記防眩層の間の光学距離の少なくとも4倍であるかまたは前記ピクセルアレイの前記表面と前記防眩層の間の前記光学距離の大きくとも1/3であるような空間周波数をもつ表面粗さを有する防眩層、
    を有することを特徴とするディスプレイデバイス。
  2. 前記防眩層の前記特性焦点距離が、前記ピクセルアレイの前記表面と前記防眩層の間の前記光学距離の大きくとも1/3であり、前記防眩層のパワースペクトル密度が環形を有することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイデバイス。
  3. 前記ピクセル基板に隣接するカラーフィルタ基板、及び
    前記カラーフィルタ基板に隣接する偏光子基板であって、前記防眩層がその表面上に配置された偏光子基板、
    をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイデバイス。
  4. 前記ピクセルアレイの前記表面上に配置されたカラーフィルタ基板、及び
    タッチ感応層、
    をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
  5. カバーガラス基板、及び
    前記カバーガラス基板の表面上の反射防止層、
    をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のディスプレイデバイス。
  6. 偏光子基板をさらに有し、前記タッチ感応層が前記カラーフィルタ基板上または前記ピクセル基板上に配置され、前記防眩層が前記偏光子基板の外側表面上に配置されることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイデバイス。
  7. カバーガラス基板及び、前記カバーガラス基板の外側表面上に配置された、反射防止層をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のディスプレイデバイス。
  8. 前記防眩層の表面が楕円形パワースペクトル密度を与える表面構造によって定められることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
  9. 前記防眩層の表面が非回転対称表面構造によって定められることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
  10. 前記防眩層が防眩ガラス基板上に与えられることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
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