JP2011100027A - 防眩性フィルム、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他品種生産が容易であるとともに、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭めることができる防眩性フィルムを提供する。
【解決手段】防眩性フィルム、凹凸面を有する基材と、基材の凹凸面に形成されたハードコート層とを備える。ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を有し、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下である。ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する。
【選択図】図1
【解決手段】防眩性フィルム、凹凸面を有する基材と、基材の凹凸面に形成されたハードコート層とを備える。ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を有し、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下である。ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、防眩性フィルム、およびその製造方法に関する。詳しくは、基材上にハードコート層を備える防眩性フィルムに関する。
従来、画像表示装置の映り込みを低減するため、表示装置前面には防眩性フィルムが設けられている。防眩性フィルムの表面には凹凸が形成され、この凹凸により光が散乱され、外光の映り込みが低減される。防眩性フィルムとしては、フィラー分散型の防眩性フィルムが広く用いられている(例えば特許文献1参照)。このフィラー分散型の防眩性フィルムは、微粒子を含有する樹脂組成物を基材上にコーティングし、微粒子をコーティング膜の表面から突出させることにより形成される。
しかしながら、フィラー分散型の防眩性フィルムでは、フィルム表面には高角度の表面傾斜が形成されてしまうため、表面になだらかなうねりを形成することは困難である。このため、フィラー分散型の防眩性フィルムを表示装置に適用した場合、十分な映り込み防止機能を表示面に付与することはできるが、外光の散乱範囲が広く画面が白ちゃけてしまい、表示装置の表示面の黒さが低下する。すなわち、視認性の低下を招いてしまう。
そこで、近年では、鋳型により防眩性フィルムの表面形状を形成することにより、なだらかなうねりを防眩性フィルムの表面に付与する技術が提案されている。特許文献2には、この技術により、二次関数式を満たす凹凸形状を表面に形成するとともに、3°以内の傾斜角を持つ単位領域の面積の総合計を所定領域の全面積の95%以上とする技術が開示されている。
ところで、近年では、表示装置の使用環境に応じた防眩性や、ユーザのニーズに応じた防眩性を表示装置の表面に付与することが望まれるようになっている。このような要求に応えるためには、多品種生産が容易な防眩性フィルムの実現が必要となる。しかしながら、上述の鋳型を用いる技術では、要求される防眩性毎に鋳型を作製する必要があり、多品種生産には不向きである。そこで、近年では、多品種生産に適した防眩性フィルムが望まれるようになっている。
したがって、本発明の目的は、多品種生産が容易であるとともに、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭めることができる防眩性フィルム、およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
凹凸面を有する基材と、
基材の凹凸面に形成されたハードコート層と
を備え、
ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、
ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルムである。
凹凸面を有する基材と、
基材の凹凸面に形成されたハードコート層と
を備え、
ハードコート層は、基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、
ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルムである。
第2の発明は、
無機系および/または有機系の構造粘性剤を含有する電離放射線硬化型樹脂を、基材の凹凸面に塗布する工程と、
塗布した電離放射線硬化型樹脂を乾燥させて、電離放射線硬化型樹脂を基材の凹凸面に追随させる工程と、
基材の凹凸面に追随した電離放射線硬化型樹脂を硬化し、基材の凹凸面にハードコート層を形成する工程と
を備え、
ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルムの製造方法である。
無機系および/または有機系の構造粘性剤を含有する電離放射線硬化型樹脂を、基材の凹凸面に塗布する工程と、
塗布した電離放射線硬化型樹脂を乾燥させて、電離放射線硬化型樹脂を基材の凹凸面に追随させる工程と、
基材の凹凸面に追随した電離放射線硬化型樹脂を硬化し、基材の凹凸面にハードコート層を形成する工程と
を備え、
ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルムの製造方法である。
本発明において、楕円には、数学的に定義される完全な楕円のみならず、多少の歪みが付与された楕円(例えば長円、卵型など)も含まれる。円形には、数学的に定義される完全な円(真円)のみならず、多少の歪みが付与された円形も含まれる。多角形には、数学的に定義される完全な多角形のみならず、辺に歪みが付与された多角形、および角に丸みが付与された多角形、ならびに辺に歪みが付与され、かつ角に丸みが付与された多角形なども含まれる。ここで、歪みには丸みも含まれるものとする。
本発明では、ハードコート層は基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、このハードコート層の凹凸面は頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を有し、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。また、ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が0.1μm以上1μm以下である。さらに、ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する。したがって、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭くすることができる。
また、防眩性フィルムは、基材の凹凸面にハードコート層を形成した構成を有しているので、ハードコート層を形成するための塗料の物性を適宜調整することにより、容易に表面突起の形状を調整することができる。すなわち、防眩性フィルムの防眩性を容易に調整することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭くすることができる。このような特性を有する防眩性フィルムを、液晶表示装置をはじめとする表示装置に対して適用した場合には、表示装置の黒さが際立ち、視認性が向上する。また、本発明によれば、防眩性フィルムの防眩性を容易に調整することが可能であるため、多品種生産に適した防眩性フィルムを提供することができる。
本発明の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(防眩性フィルムの例)
2.第2の実施形態(表示装置の表面に防眩性フィルムを適用した例)
1.第1の実施形態(防眩性フィルムの例)
2.第2の実施形態(表示装置の表面に防眩性フィルムを適用した例)
<1.第1の実施形態>
[1.1.防眩性フィルムの構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る防眩性フィルムの一構成例を示す断面図である。この防眩性フィルム1は、表面に凹凸形状を有し、この凹凸形状により反射光を散乱させる光学フィルムである。図1に示すように、防眩性フィルム1は、凹凸面を有する基材11と、この基材11の凹凸面上に形成されたハードコート層12とを備える。基材11の凹凸面は、凹部または凸部である構造体11aを基材11表面に繰り返し形成することにより構成されている。なお、図1では、構造体11aが凸部である例が示されている。ハードコート層12は、基材11の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有している。
[1.1.防眩性フィルムの構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る防眩性フィルムの一構成例を示す断面図である。この防眩性フィルム1は、表面に凹凸形状を有し、この凹凸形状により反射光を散乱させる光学フィルムである。図1に示すように、防眩性フィルム1は、凹凸面を有する基材11と、この基材11の凹凸面上に形成されたハードコート層12とを備える。基材11の凹凸面は、凹部または凸部である構造体11aを基材11表面に繰り返し形成することにより構成されている。なお、図1では、構造体11aが凸部である例が示されている。ハードコート層12は、基材11の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有している。
ハードコート層12の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起12aを備える。このような側面を有する複数の突起12aを備えることで、防眩性フィルム12の凹凸面をなだらかなうねりにより形成することができる。すなわち、防眩性を損なうことなく、外光の散乱範囲を狭くすることができる。複数の突起12aのうち隣り合う突起12aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。このような関係にあると、防眩性フィルム12の凹凸面における突起12aの充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができる。ここで、突起12aの底面同士がほぼ接するとは、突起12aの底面同士の距離が0μmより大きく80μm以下の範囲内で隣り合っていることを意味する。
図24A、図24Bは、突起の底面の定義を説明するためのものである。
突起12aの底面は、図24Aに示すように、以下のようにして求めた値である。ある任意の突起12aについて、z軸を含む面における断面形状を評価する。突起12aの頂点からその側面を左右それぞれに下っていき、それぞれで最初に遭遇する極小値αの位置同士を任意の断面について結んでできた図形12vをxy平面に投影する。この投影してできた図形12wを突起12aの底面と定義する。
突起12aの底面は、図24Aに示すように、以下のようにして求めた値である。ある任意の突起12aについて、z軸を含む面における断面形状を評価する。突起12aの頂点からその側面を左右それぞれに下っていき、それぞれで最初に遭遇する極小値αの位置同士を任意の断面について結んでできた図形12vをxy平面に投影する。この投影してできた図形12wを突起12aの底面と定義する。
また、図24Bに示すように、隣接する突起12aの間に隙間がある場合、この隙間部分が平面状となる。この場合には、上記極小値αの位置は以下のように定義される。すなわち、突起12aの頂点からその側面を左右それぞれに下っていき、突起12aの側面と平面状の隙間部分との境界点を極小値αの位置とする。
凹凸面の高さ(突起12aの高さ)とは、z軸方向における突起12aの頂点と突起間の極小値との位置の差である。すなわち、複数の突起12のうち、最も高い突起12aの頂点の位置と、突起間の凹部のうち、最も低い凹部の最下点の位置との差である。但し、z軸方向とは、基材11の厚さ方向である。x軸方向、およびy軸方向とは、防眩性フィルム1の面内において互いに直交するとともに、z軸と直交する方向である。
ハードコート層12の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.25μm以上0.95μm以下である。0.1μm未満であると、外光の散乱範囲が狭くなりすぎ、防眩性が損なわれる傾向がある。一方、0.95μmを超えると、外光の散乱範囲が広くなりすぎ、防眩性フィルム1を液晶表示装置などに適用した場合に、表示面の黒さが低下し、視認性が低下する傾向がある。
ハードコート層12の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する。2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000を超えると、防眩性フィルム1を液晶表示装置などに適用した場合に、表示面の黒さが低下し、視認性が低下する傾向がある。0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%を超えると、防眩性が低下する傾向がある。
ハードコート層12の凹凸面は、3°以上の傾斜角度成分が0.1%以下であるの傾斜角度分布を有していることが好ましい。3°以上の傾斜角度成分が0.1%を超えると、防眩性フィルム1を液晶表示装置などに適用した場合に、表示面の黒さが低下し、視認性が低下する傾向がある。
ハードコート層12の凹凸面は、2°以下の傾斜角度成分が90%以上である傾斜角度分布を有していることが好ましい。2°以下の傾斜角度成分が90%未満であると、防眩性フィルム1を液晶表示装置などに適用した場合に、表示面の黒さが低下し、視認性が低下する傾向がある。
ハードコート層12の凹凸面は、1°以下の傾斜角度成分が40%以上である傾斜角度分布を有していることが好ましい。1°以下の傾斜角度成分が40%未満であると、3°以上の成分が増加、2°以下成分が減少傾向になり、視認性の低下を招く。
防眩性フィルム1における反射光の5°ゲインは、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.05以下の範囲内である。5°ゲインが0.3を超えると、防眩性フィルム1への入射光の散乱範囲が広くなっていまい、白ちゃける傾向がある。
防眩性フィルム1の全光線透過率は、90%以上であることが好ましい。90%以上であると、基材11の透過性を劣化させることなく、バックライトからの光量を保てるからである。へイズは5%以下であることが好ましい。5%以下であると、バックライト光の散乱、および表面反射光の散乱を抑制でき、黒を黒として視認できるからである。内部へイズは、5%以下であることが好ましい。5%以下であると、バックライト光の散乱を抑制でき、より自然に近い色として色を視認できるからである。なお、ヘイズは、表面ヘイズと内部ヘイズとを加算したものである。
防眩性フィルム1の20°光沢度は、20以上78以下であることが好ましい。20未満であると、白ちゃける傾向がある。一方、78を超えると、防眩性が不十分となる傾向がある。
突起12aの底面の形状が、円形状、楕円形状および多角形状の少なくとも1種であることが好ましく、多角形状であることがより好ましい。突起12aの底面の形状が円形状、楕円形状および多角形状の少なくとも1種であると、高角度の表面傾斜を少なく抑えることができる傾向にある。突起12aの底面の形状が多角形状であると、ハードコート層12の凹凸面における突起12aの充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができる。
(基材)
図2は、基材11の凹凸面の形状の一例を示す平面図である。図2に示すように、この基材11の表面には、凹部または凸部である構造体11aが不規則に(ランダム)に形成されている。この構造体11aは、2次元的または3次元的に不規則に形成されていることが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層12の表面を2次元的または3次元的に不規則な凹凸形状とすることができるからである。また、構造体11aの底面の大きさは、不規則に変化することが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層表面の凹凸形状(うねり)の周期を不規則に変化させることができるからである。ここで、2次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。また、3次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていると共に、防眩性フィルム1または基材11の厚さ方向にも、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。
図2は、基材11の凹凸面の形状の一例を示す平面図である。図2に示すように、この基材11の表面には、凹部または凸部である構造体11aが不規則に(ランダム)に形成されている。この構造体11aは、2次元的または3次元的に不規則に形成されていることが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層12の表面を2次元的または3次元的に不規則な凹凸形状とすることができるからである。また、構造体11aの底面の大きさは、不規則に変化することが好ましい。このような基材11の凹凸面に倣ったハードコート層表面を形成することで、ハードコート層表面の凹凸形状(うねり)の周期を不規則に変化させることができるからである。ここで、2次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。また、3次元的に不規則とは、防眩性フィルム1または基材11の面内方向に、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていると共に、防眩性フィルム1または基材11の厚さ方向にも、構造体11aまたは凹凸が不規則に形成されていることをいう。
構造体11aは、この構造体11aの頂部から底部に向かって広がる側面を有していることが好ましい。このような形状を有する場合、隣り合う構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接することが好ましい。凹部または凸部である構造体11aの形状としては、例えば、ドーム状、錐体状または柱状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、所望とする光学特性に応じて任意に選択することができる。ドーム状としては、例えば、半球状、半楕円球状を挙げることができる。錐体状としては、例えば、先端が尖った錐体状、先端に曲率を有する錐体状、先端が切り落とされた錐体状を挙げることができる。具体的には例えば、円錐状、円錐台状、楕円錐、楕円錐台状、多角錐状、多角錐台状などを挙げることができる。多角錐の形状としては、例えば、四角錐、六角錐、八角錐などの形状が挙げられる。柱状としては、例えば、円柱状、多角柱状などを挙げることができる。多角柱の形状としては、例えば、四角柱、六角柱、八角柱などの形状が挙げられる。また、構造体11aに形状異方性を付与してもよく、表示装置の水平方向および垂直方向の光学特性を調整する観点から、例えば基材11の面内方向のうち、直交する2方向に形状異方性を付与することが好ましい。具体的には、形状異方性を有する構造体11aの形状としては、例えば、楕円柱状、半楕円球状、楕円錐台状、一方向に引き伸ばされた多角柱状または多角錐状などが挙げられる。
構造体11aの底面の形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などが挙げられる。この底面の多角形状としては、例えば、四角形状、六角形状、八角形状などが挙げられる。構造体11aの底面を楕円形状や多角形状にする場合には、構造体11aの底面形状が、例えば同一方向に揃うように構造体11aが基材表面に配置される。具体的には、構造体11aの底面を楕円形状にする場合には、その長軸方向または短軸方向が同一方向に揃うように配置される。構造体11aの底面を多角形状にする場合には、同一の角度を有する角が同一方向に揃うように配置される。構造体11aの底面の形状は、所望とする特性に応じて選択することが好ましい。例えば、構造体11aの底面の形状を楕円形状とした場合には、短軸方向に比して長軸方向がより滑らかな凹凸形状となるため、長軸方向からの外光の影響を受けにくくなり、表示画面などが白っぽくなることを抑制できる。また、短軸方向は、長軸方向に比して凹凸形状が荒れるため、良好な防眩性を確保することができる。すなわち、構造体11aの底面を楕円形状とした場合には、全体として高防眩性であり、かつ高コントラストな防眩性フィルム1を得ることができる。
構造体11aが以下の(1)〜(3)の関係を満たすことが好ましい。モアレの発生を抑制でき、かつ、防眩性およびコントラストに優れた防眩性フィルム1を得ることができるからである。
(1)構造体11aの底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内でランダムに変化する。
(但し、最小距離Rm:構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最短距離、最大距離RM:構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最大距離)
(2)構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。
(3)構造体11aの底面の最小距離Rmと最大距離RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たす。
(1)の関係を満たさず、構造体11aの底面の大きさがランダムに変化しない場合には、モアレが発生する傾向がある。(2)の関係を満たさず、構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にない場合には、充填率が低下し、防眩性が低下する傾向がある。(3)の関係を満たさず、0.9を超えると配置が規則的になり、モアレが発生しやすくなる傾向がある。ここで、構造体11aの底面同士がほぼ接するとは、構造体11aの底面同士の距離が0μmよりも大きく80μm以下の範囲内で隣り合っていることを意味する。
(1)構造体11aの底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内でランダムに変化する。
(但し、最小距離Rm:構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最短距離、最大距離RM:構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最大距離)
(2)構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。
(3)構造体11aの底面の最小距離Rmと最大距離RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たす。
(1)の関係を満たさず、構造体11aの底面の大きさがランダムに変化しない場合には、モアレが発生する傾向がある。(2)の関係を満たさず、構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にない場合には、充填率が低下し、防眩性が低下する傾向がある。(3)の関係を満たさず、0.9を超えると配置が規則的になり、モアレが発生しやすくなる傾向がある。ここで、構造体11aの底面同士がほぼ接するとは、構造体11aの底面同士の距離が0μmよりも大きく80μm以下の範囲内で隣り合っていることを意味する。
図3は、構造体の最小距離Rmおよび最大距離RMの好ましい範囲を示す。図3に示すように、Rm/RM≦0.9の関係を満たすことが好ましい。また、構造体11aの最小距離Rmおよび最大距離RMは、好ましくはRm<RM≦75μm、より好ましくは10μm≦Rm<RM≦75μmの範囲内である。最小距離Rmが10μm未満になると、防眩性を得ようとすると白濁感が上昇し、白濁感を抑えようとすると防眩性が低下する傾向がある。すなわち、防眩性と白濁感の抑制とを両立することが困難になる傾向がある。最大距離RMが75μmを超えると、表面がざらついたり、画面を見たときにぎらついて見えたりする傾向がある。
構造体11aの底面同士の間にできる隙間に、構造体11aをさらに配置することが好ましい。このような構造体11aをさらに配置することで、構造体11aの充填率を高め、平坦部を減らして、防眩性を高めることができるからである。隙間に配置される構造体11aの底面の重心から底面の周縁までの最短距離は、例えば、上述の構造体11aの最小距離Rm以下に設定される。構造体11aの高さは、底面の大きさと連動して、連続的に変化していることが好ましい。
最小距離Rmと最大距離RMがRm/RM≦0.9、10μm≦Rm<RM≦75μmの関係を満たす場合、ハードコート層12の表面の平均凹凸高さPVが、0.15μm≦PV≦1.6μmの範囲内であることが好ましい。PVが0.15μm未満になると、防眩性が得られなくなる傾向がある。PVが1.6μmを超えると、白濁感が上昇し、白濁度が0.64%を越える傾向がある。白濁度は、0.64%以下であることが好ましい。0.64%以下であると、バックライト光の散乱、および表面反射光の散乱を抑制でき、黒を黒として視認できるからである。PVは凸部(構造体11a)の最高点と(隣接する凸部間にできる)谷部の最低点の間の高さを示す。
なお、構造体11aの底面が円形状である場合には、上述の各関係において、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、構造体11aの底面が、楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。
基材11は、例えば、透明性を有するプラスチック基材である。基材11の形状としては、例えば、透明性を有するフィルムなどを用いることができる。ここで、フィルムにはシートも含まれるものと定義する。基材11の材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。基材11の厚さは、生産性の観点から38〜100μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
(ハードコート層)
ハードコート層12は、基材11の表面、すなわち偏光子や表示装置などの表面に耐擦傷性と防眩性とを併せて付与するためのものであり、例えば、基材11より硬い高分子樹脂層である。ハードコート層12は、樹脂組成物を基材11の凹凸面上に塗布、乾燥、硬化して得られる。ハードコート層12は、基材11の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有している。この凹凸形状は、基材11の凹凸面に倣った連続的な波面であることが好ましい。凹凸形状は、2次元的または3次元的に不規則な凹凸形状であることが好ましい。モアレの発生を抑制することができるからである。ハードコート層12の凹部および凸部の位置はそれぞれ、基材11の凹部および凸部の位置と対応していることが好ましい。ハードコート層表面の凹凸量は、例えば基材表面の凹凸量より小さくなり、ハードコート層の塗布厚が厚いほど凹凸量が小さくなる傾向がある。任意の方向に切断したときのハードコート層断面が、連続波形状であることが好ましい。これにより、ハードコート層表面に滑らかなうねりを形成し、このうねりにより光を拡散することができる。ここで、連続的な波面とは、ハードコート層表面に不連続点や段差がなく滑らかにつながっていると、具体的には、ハードコート層表面の任意の点において微分可能であることを示す。ハードコート層12の表面に形成された突出部12aの高さは、その底面の大きさと連動して連続的に変化していることが好ましい。このように突出部12aの高さが連続的に変化することで、分光現象をより抑制することができるからである。分光現象がある場合、遠くの蛍光灯を映し込んだとき、蛍光灯の周囲に虹模様が発生する。
ハードコート層12は、基材11の表面、すなわち偏光子や表示装置などの表面に耐擦傷性と防眩性とを併せて付与するためのものであり、例えば、基材11より硬い高分子樹脂層である。ハードコート層12は、樹脂組成物を基材11の凹凸面上に塗布、乾燥、硬化して得られる。ハードコート層12は、基材11の凹凸面に倣った凹凸形状を表面に有している。この凹凸形状は、基材11の凹凸面に倣った連続的な波面であることが好ましい。凹凸形状は、2次元的または3次元的に不規則な凹凸形状であることが好ましい。モアレの発生を抑制することができるからである。ハードコート層12の凹部および凸部の位置はそれぞれ、基材11の凹部および凸部の位置と対応していることが好ましい。ハードコート層表面の凹凸量は、例えば基材表面の凹凸量より小さくなり、ハードコート層の塗布厚が厚いほど凹凸量が小さくなる傾向がある。任意の方向に切断したときのハードコート層断面が、連続波形状であることが好ましい。これにより、ハードコート層表面に滑らかなうねりを形成し、このうねりにより光を拡散することができる。ここで、連続的な波面とは、ハードコート層表面に不連続点や段差がなく滑らかにつながっていると、具体的には、ハードコート層表面の任意の点において微分可能であることを示す。ハードコート層12の表面に形成された突出部12aの高さは、その底面の大きさと連動して連続的に変化していることが好ましい。このように突出部12aの高さが連続的に変化することで、分光現象をより抑制することができるからである。分光現象がある場合、遠くの蛍光灯を映し込んだとき、蛍光灯の周囲に虹模様が発生する。
[1.2.防眩性フィルムの製造方法]
次に、図4に示すフローチャート、および図5〜図7に示す工程図を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る防眩性フィルムの製造方法の一例について説明する。
次に、図4に示すフローチャート、および図5〜図7に示す工程図を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る防眩性フィルムの製造方法の一例について説明する。
(メッキ処理工程)
まず、ステップS1において、必要に応じて、被加工体である原盤21の表面に、メッキ処理を施し、銅メッキなどのメッキ層を形成する。被加工体である原盤21の形状としては、例えば、板状、シート状、フィルム状、ブロック状、円柱状、円筒状などが挙げられる。
まず、ステップS1において、必要に応じて、被加工体である原盤21の表面に、メッキ処理を施し、銅メッキなどのメッキ層を形成する。被加工体である原盤21の形状としては、例えば、板状、シート状、フィルム状、ブロック状、円柱状、円筒状などが挙げられる。
(レジスト層形成工程)
次に、ステップS2において、原盤21の表面上に、レジスト層22を形成する(図5A参照)。レジスト層22の材料としては、例えば、無機レジストおよび有機レジストのいずれも用いることができる。なお、原盤21が円柱状または円筒状を有する場合には、それらの外周面にレジスト層22を形成することが好ましい。
次に、ステップS2において、原盤21の表面上に、レジスト層22を形成する(図5A参照)。レジスト層22の材料としては、例えば、無機レジストおよび有機レジストのいずれも用いることができる。なお、原盤21が円柱状または円筒状を有する場合には、それらの外周面にレジスト層22を形成することが好ましい。
(露光工程)
次に、ステップS3において、例えば、レジスト層22にレーザー光L1を照射することにより、所定の露光パターンを有する複数の露光部22aをレジスト層22に形成する(図5B参照)。具体的には例えば、ランダムパターンを生成し、このランダムパターンに基づき、以下に示すようにレジスト層22を露光する。すなわち、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内で露光部22aの大きさをランダムに変化させるとともに、露光部22a同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、レーザー光L1をレジスト層22に照射する。また、露光部22aの最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。但し、最小距離Rm:露光部22aの重心から外周までの最短距離、最大距離RM:露光部22aの重心から外周までの最大距離である。露光部22aの形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。なお、露光部22aが円形状である場合には、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、露光部22aが楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。また、ランダムパターンを構成する形状の隙間に、円形状などの形状をさらに配置することが好ましい。
次に、ステップS3において、例えば、レジスト層22にレーザー光L1を照射することにより、所定の露光パターンを有する複数の露光部22aをレジスト層22に形成する(図5B参照)。具体的には例えば、ランダムパターンを生成し、このランダムパターンに基づき、以下に示すようにレジスト層22を露光する。すなわち、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内で露光部22aの大きさをランダムに変化させるとともに、露光部22a同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、レーザー光L1をレジスト層22に照射する。また、露光部22aの最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。但し、最小距離Rm:露光部22aの重心から外周までの最短距離、最大距離RM:露光部22aの重心から外周までの最大距離である。露光部22aの形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。なお、露光部22aが円形状である場合には、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、露光部22aが楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。また、ランダムパターンを構成する形状の隙間に、円形状などの形状をさらに配置することが好ましい。
(現像工程)
次に、ステップS4において、複数の露光部22aが形成されたレジスト層22を現像する。これにより、露光部22aに応じた開口部22bがレジスト層22に形成される(図5C参照)。なお、図5Cでは、レジストとしてポジ型レジストを用い、露光部22aが開口部22bとなる例が示されているが、レジストはこの例に限定されるものではない。すなわち、レジストとしてネガ型レジストを用い、露光部22aを残すようにしてもよい。
次に、ステップS4において、複数の露光部22aが形成されたレジスト層22を現像する。これにより、露光部22aに応じた開口部22bがレジスト層22に形成される(図5C参照)。なお、図5Cでは、レジストとしてポジ型レジストを用い、露光部22aが開口部22bとなる例が示されているが、レジストはこの例に限定されるものではない。すなわち、レジストとしてネガ型レジストを用い、露光部22aを残すようにしてもよい。
隣接する開口部22bの間の最小間隔dは、1μm以上、(D2×4)μm以下であることが好ましい。ここで、D2は、再エッチング(第2のエッチング処理)によるエッチング深さ(量)である。最小間隔が1μm未満であると、再エッチング時に、円柱形状などを有する凹部間の壁が破れてつながってしまい、平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。最小間隔が(D2×4)μmを超えると、原盤21の全面を再エッチングしても、平坦部が多くなってしまい、防眩性が低下する傾向がある。
(エッチング工程)
次に、ステップS5において、複数の開口部22bが形成されたレジスト層22をエッチングマスクとして、原盤21の表面にエッチング処理(第1のエッチング処理)を施す。これにより、例えば円柱状などを有する複数の凹部21aが原盤21の表面に形成される(図6A参照)。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずも用いることができるが、設備が簡易である点からすと、ウエットエッチングを用いることが好ましい。また、エッチングとしては、例えば、等方性エッチングおよび異方性エッチングのいずれも用いることができ、所望とする構造体11aの形状に応じて適宜選択することが好ましい。エッチング処理の深さD1は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。0.5μm未満であると、防眩性を維持するにはハードコート層12の膜厚を薄くする必要があり、鉛筆硬度が低下する傾向がある。または、再エッチング処理により、凹部の深さが浅くなる、もしくは平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。一方、10μmを超えると、ハードコート塗料の塗布後にザラツキ感が生じる、または白濁を抑えるためにハードコート層12の厚みを厚くする必要があり、カールが大きくなる傾向がある。また、転写速度が下がり、生産性が低下する傾向もある。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用することができるが、これに限定されるわけではない。
次に、ステップS5において、複数の開口部22bが形成されたレジスト層22をエッチングマスクとして、原盤21の表面にエッチング処理(第1のエッチング処理)を施す。これにより、例えば円柱状などを有する複数の凹部21aが原盤21の表面に形成される(図6A参照)。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずも用いることができるが、設備が簡易である点からすと、ウエットエッチングを用いることが好ましい。また、エッチングとしては、例えば、等方性エッチングおよび異方性エッチングのいずれも用いることができ、所望とする構造体11aの形状に応じて適宜選択することが好ましい。エッチング処理の深さD1は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。0.5μm未満であると、防眩性を維持するにはハードコート層12の膜厚を薄くする必要があり、鉛筆硬度が低下する傾向がある。または、再エッチング処理により、凹部の深さが浅くなる、もしくは平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。一方、10μmを超えると、ハードコート塗料の塗布後にザラツキ感が生じる、または白濁を抑えるためにハードコート層12の厚みを厚くする必要があり、カールが大きくなる傾向がある。また、転写速度が下がり、生産性が低下する傾向もある。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用することができるが、これに限定されるわけではない。
(レジスト剥離工程)
次に、ステップS6において、アッシングなどにより、基材表面に形成されたレジスト層22を剥離する(図6B参照)。これにより、例えば同一深さを有する凹部21aが基材表面に形成される。すなわち、基材表面に凹凸面が形成される。
次に、ステップS6において、アッシングなどにより、基材表面に形成されたレジスト層22を剥離する(図6B参照)。これにより、例えば同一深さを有する凹部21aが基材表面に形成される。すなわち、基材表面に凹凸面が形成される。
(再エッチング工程)
次に、ステップS7において、必要に応じて、原盤21の凹凸面全体に再エッチング処理(第2のエッチング処理)を施す。これにより、原盤21の表面に形成された複数の凹部21aを、例えば円柱状からドーム状に変えることにより、滑らかな凹凸面を有する原盤23が得られる(図6C参照)。この原盤23の凹凸面は、基材11の凹凸面を反転したものである。この再エッチングの深さD2は、(D1×0.6)μm以上(D1×2)μm以下であることが好ましい。(D1×0.6)μm未満であると、ドーム形状などの形成が不十分となり、平坦部が残り、直線傾斜があり、防眩性の改善が不十分となる傾向がある。一方、(D1×2μm)を超えると、凹部の深さが浅くなり過ぎ、または平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。
次に、ステップS7において、必要に応じて、原盤21の凹凸面全体に再エッチング処理(第2のエッチング処理)を施す。これにより、原盤21の表面に形成された複数の凹部21aを、例えば円柱状からドーム状に変えることにより、滑らかな凹凸面を有する原盤23が得られる(図6C参照)。この原盤23の凹凸面は、基材11の凹凸面を反転したものである。この再エッチングの深さD2は、(D1×0.6)μm以上(D1×2)μm以下であることが好ましい。(D1×0.6)μm未満であると、ドーム形状などの形成が不十分となり、平坦部が残り、直線傾斜があり、防眩性の改善が不十分となる傾向がある。一方、(D1×2μm)を超えると、凹部の深さが浅くなり過ぎ、または平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。
(メッキ処理工程)
次に、ステップS8において、必要に応じて、原盤23の凹凸面にメッキ処理を施し、Crメッキなどのメッキ層を形成する。
次に、ステップS8において、必要に応じて、原盤23の凹凸面にメッキ処理を施し、Crメッキなどのメッキ層を形成する。
(形状転写工程)
次に、ステップS9において、基材11の平滑な表面に対して原盤23を押し当てるとともに、基材11を加熱することにより、原盤23の凹凸形状を基材11に転写する(図6D参照)。
次に、ステップS9において、基材11の平滑な表面に対して原盤23を押し当てるとともに、基材11を加熱することにより、原盤23の凹凸形状を基材11に転写する(図6D参照)。
(塗工工程)
次に、ステップS10において、樹脂組成物(以下、適宜塗料とも称する)13を基材11の凹凸面上に塗工する(図7A参照)。塗工方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。
次に、ステップS10において、樹脂組成物(以下、適宜塗料とも称する)13を基材11の凹凸面上に塗工する(図7A参照)。塗工方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。
(樹脂組成物)
樹脂組成物としては、後工程である乾燥工程(ステップS11)において、粘度が上昇し、流動性が失われる特性を有するものが好ましい。後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。樹脂組成物としては、製造の容易性の観点からすると、光または電子線などにより硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては、光により硬化する感光性樹脂組成物が好ましく、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物が最も好ましい。電離放射線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂は、無機酸化物フィラー、有機系の粘度調整剤、および溶剤を含んでいることが好ましい。これらの材料を含むことで、後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。
樹脂組成物としては、後工程である乾燥工程(ステップS11)において、粘度が上昇し、流動性が失われる特性を有するものが好ましい。後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。樹脂組成物としては、製造の容易性の観点からすると、光または電子線などにより硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては、光により硬化する感光性樹脂組成物が好ましく、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物が最も好ましい。電離放射線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂は、無機酸化物フィラー、有機系の粘度調整剤、および溶剤を含んでいることが好ましい。これらの材料を含むことで、後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。
(紫外線硬化型樹脂組成物)
紫外線硬化型樹脂組成物は、例えば、アクリレートと、光重合開始剤と、無機酸化物フィラーと、有機系の粘度調整剤と、溶剤とを含有している。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、防汚性付与の観点から、防汚剤をさらに含有していることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、基材11への濡れ性向上の観点から、レベリング剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、帯電防止機能を防眩性フィルム1に付与する観点から、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、ハードコートに内部ヘイズを付与する有機または無機フィラーをさらに含有するようにしてもよい。このようにフィラーを含有させる場合、フィラーとマトリクスとの屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。フィラーの平均粒径は、0.1〜1μmであることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤および酸化防止剤などをさらに含有するようにしてもよい。
紫外線硬化型樹脂組成物は、例えば、アクリレートと、光重合開始剤と、無機酸化物フィラーと、有機系の粘度調整剤と、溶剤とを含有している。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、防汚性付与の観点から、防汚剤をさらに含有していることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、基材11への濡れ性向上の観点から、レベリング剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、帯電防止機能を防眩性フィルム1に付与する観点から、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、ハードコートに内部ヘイズを付与する有機または無機フィラーをさらに含有するようにしてもよい。このようにフィラーを含有させる場合、フィラーとマトリクスとの屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。フィラーの平均粒径は、0.1〜1μmであることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤および酸化防止剤などをさらに含有するようにしてもよい。
以下、アクリレート、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、有機系の粘度調整剤、溶剤、帯電防止剤、防汚剤、およびレベリング剤について順次説明する。
(アクリレート)
アクリレートとしては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。このモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどを用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基のいずれかを意味するものである。ここで、オリゴマーとは、分子量500以上60000以下の分子をいう。
アクリレートとしては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。このモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどを用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基のいずれかを意味するものである。ここで、オリゴマーとは、分子量500以上60000以下の分子をいう。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、公知の材料から適宜選択したものを使用できる。公知の材料としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、または併用して用いることができる。重合開始剤の配合量は、固形分中0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%未満であると、光硬化性が低下し、実質的に工業生産に適さない。一方、10質量%を超えると、照射光量が小さい場合に、塗膜に臭気が残る傾向にある。ここで、固形分とは、溶剤および有機系の粘度調整剤以外の全ての成分をいう。具体的には例えば、アクリレート、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、帯電防止剤、レベリング剤、および防汚剤などを固形分という。
光重合開始剤としては、公知の材料から適宜選択したものを使用できる。公知の材料としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、または併用して用いることができる。重合開始剤の配合量は、固形分中0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%未満であると、光硬化性が低下し、実質的に工業生産に適さない。一方、10質量%を超えると、照射光量が小さい場合に、塗膜に臭気が残る傾向にある。ここで、固形分とは、溶剤および有機系の粘度調整剤以外の全ての成分をいう。具体的には例えば、アクリレート、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、帯電防止剤、レベリング剤、および防汚剤などを固形分という。
(粘度調整剤)
粘度調整材(構造粘性剤)としては、例えば、無機系および/または有機系の粘度調整剤を用いることができ、両者を併用することが好ましい。両者を併用すると、形状追随性が高まるからである。無機系の粘度調整剤としては、例えば、無機酸化物フィラーを用いることができる。無機酸化物フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫(Antimony-doped tin oxide:ATO)、酸化アルミニウム亜鉛(Alminum Zinc Oxide:AZO)などを用いることができる。無機酸化物フィラー表面は、末端に(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基などの官能基を有する有機系分散剤で表面処理されていることが好ましい。有機系分散剤としては、例えば、上記官能基を末端に有するシランカップリング剤が好適である。末端にアクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103を挙げることができる。末端にメタクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503を挙げることができる。末端にビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KA−1003、KBM−1003、KBE−1003を挙げることができる。末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403を挙げることができる。シランカップリング剤の他、有機カルボン酸を用いるようにしてもよい。このように表面処理された無機酸化物フィラーを用いることで、後述する塗膜の硬化工程において、無機酸化物フィラーがその周囲にある(メタ)アクリルモノマーおよび/またはオリゴマーなどのアクリレートと一体化し、塗膜硬度や可撓性が向上する。
粘度調整材(構造粘性剤)としては、例えば、無機系および/または有機系の粘度調整剤を用いることができ、両者を併用することが好ましい。両者を併用すると、形状追随性が高まるからである。無機系の粘度調整剤としては、例えば、無機酸化物フィラーを用いることができる。無機酸化物フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫(Antimony-doped tin oxide:ATO)、酸化アルミニウム亜鉛(Alminum Zinc Oxide:AZO)などを用いることができる。無機酸化物フィラー表面は、末端に(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基などの官能基を有する有機系分散剤で表面処理されていることが好ましい。有機系分散剤としては、例えば、上記官能基を末端に有するシランカップリング剤が好適である。末端にアクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103を挙げることができる。末端にメタクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503を挙げることができる。末端にビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KA−1003、KBM−1003、KBE−1003を挙げることができる。末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403を挙げることができる。シランカップリング剤の他、有機カルボン酸を用いるようにしてもよい。このように表面処理された無機酸化物フィラーを用いることで、後述する塗膜の硬化工程において、無機酸化物フィラーがその周囲にある(メタ)アクリルモノマーおよび/またはオリゴマーなどのアクリレートと一体化し、塗膜硬度や可撓性が向上する。
無機酸化物フィラーは、その表面にOH基などを有することが好ましい。これにより、後述する塗膜の乾燥工程において、溶剤が蒸発する過程で、無機酸化物フィラー表面のOH基などと、有機系の粘度調整剤の有する官能基とが、水素結合または配位結合し、塗料の粘度が上昇し、好ましくは塗料がゲル化する。このように粘度が上昇することで、塗料が基材11の凹凸形状に追随し、塗料表面に基材11の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成される。
無機酸化物フィラーの平均粒径は、例えば、1nm以上100nm以下である。無機酸化物フィラー配合量は、固形分中10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。なお、全固形分を100質量%としている。10質量%未満であると、溶媒蒸発過程で系が高粘度化しなくなる、または、高粘度化に必要な有機系の粘度調整剤量が多くなりすぎ、塗料に濁りが生じる、もしくは塗膜硬度が劣化する傾向がある。一方、70質量%を超えると、硬化膜の可撓性が低下する傾向がある。
有機系の粘度調整剤としては、例えば、ヒドロキシ基(OH基)、カルボキシル基(COOH基)、ウレア基(−NH−CO−NH−)、アミド基(−NH−CO−)、アミノ基(NH2)基を有する分子を用いることができ、これらの官能基から選ばれる少なくとも1種の官能基を2個以上有する分子を用いることが好ましい。また、有機系の粘度調整剤としては、無機酸化物フィラーの凝集を抑制する観点からすると、カルボキシル基を有する分子を用いることが好ましい。公知のタレ止め剤、沈降防止剤を適用することも可能である。有機系の粘度調整剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−405、BYK−410、BYK−411、BYK−430、BYK−431、共栄社化学株式会社製のターレン1450、ターレン2200A、ターレン2450、フローレンG−700、フローレンG−900などが好適である。有機系の粘度調整剤の配合量は、全塗料100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。最適な配合量は、無機酸化物フィラーの材料種および配合量、有機系の粘度調整剤の材料種、ならびに所望のハードコート膜厚に応じて適宜選択することが好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、使用するアクリレートなどの樹脂原料を溶解すると共に、基材11との濡れ性が良好で、かつ、基材11を白化させないものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸第二アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチルなどのケトン類またはカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤は単一でも2成分以上の混合物でもよく、さらに、上記に例示したもの以外の溶剤を樹脂原料の性能が損なわれない範囲で加えることもできる。
溶剤としては、使用するアクリレートなどの樹脂原料を溶解すると共に、基材11との濡れ性が良好で、かつ、基材11を白化させないものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸第二アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチルなどのケトン類またはカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤は単一でも2成分以上の混合物でもよく、さらに、上記に例示したもの以外の溶剤を樹脂原料の性能が損なわれない範囲で加えることもできる。
(帯電防止剤)
樹脂組成物は、上述のように、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、導電性ポリマー、イオン性液体、および導電性微粒子の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
樹脂組成物は、上述のように、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、導電性ポリマー、イオン性液体、および導電性微粒子の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
四級アンモニウム塩としては、4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物を用いることが好ましい。4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物としては、1個または2個以上の4級アンモニウム塩基と、1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。その分子内の4級アンモニウム塩基により、帯電防止機能をハードコート層12に付与することができる。また、モノマーおよび/またはオリゴマーが(メタ)アクリロイル基を有することで、紫外線照射によりマトリクス樹脂などと一体化する。これにより、4級アンモニウム塩のブリードアウトが抑止される。
4級アンモニウム塩基を分子中に有する化合物としては、例えば、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムp−トルエンスルホネートなどを挙げることができる。
導電性ポリマーとしては、例えば、置換または無置換のポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、およびこれらから選ばれる1種または2種からなる(共)重合体が挙げられる。特にポリピロール、ポリチオフェン、ポリN−メチルピロール、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−メトキシチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、およびこれらから選ばれる1種または2種からなる(共)重合体が好適である。
導電性ポリマーとしては、紫外線硬化型樹脂組成物との相溶性が良いものを選択することが好ましい。相溶性が悪い場合、所望の帯電防止性能を得るために必要な導電性ポリマーの配合量が多くなり、機械特性劣化や着色(透明性劣化)などを招くことになる。
導電性ポリマーが、導電性向上の観点から、ドーパントを含有することが好ましい。ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが挙げられる。具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸などの有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン、水素化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン溶液は、比較的熱安定性が高く、重合度が低いことから、塗膜成形後の透明性が有利となる点で好ましい。
(防汚剤)
樹脂組成物は、上述のように、防汚剤をさらに含有することが好ましい。防汚剤としては、1個以上の(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。防眩性フィルム1に耐アルカリ性を付与する必要がある場合、フッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。上記シリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素オリゴマーの配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、防汚機能が不十分となる傾向がる。一方、5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。防汚剤としては、例えば、DIC株式会社製のRS−602、RS−751−K、サートマー社製のCN4000、ダイキン工業株式会社製のオプツールDAC−HP、信越化学工業株式会社製のX−22−164E、チッソ株式会社製のFM−7725、ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL350、デグサ社製のTEGORad2700などを用いることが好ましい。
樹脂組成物は、上述のように、防汚剤をさらに含有することが好ましい。防汚剤としては、1個以上の(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。防眩性フィルム1に耐アルカリ性を付与する必要がある場合、フッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。上記シリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素オリゴマーの配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、防汚機能が不十分となる傾向がる。一方、5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。防汚剤としては、例えば、DIC株式会社製のRS−602、RS−751−K、サートマー社製のCN4000、ダイキン工業株式会社製のオプツールDAC−HP、信越化学工業株式会社製のX−22−164E、チッソ株式会社製のFM−7725、ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL350、デグサ社製のTEGORad2700などを用いることが好ましい。
(レベリング剤)
紫外線硬化型樹脂組成物は、上述したように、基材11への濡れ性向上の観点から、公知のレベリング剤をさらに含有することが好ましい。レベリング剤の配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、濡れ性の向上が不十分になる傾向がある。5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。
紫外線硬化型樹脂組成物は、上述したように、基材11への濡れ性向上の観点から、公知のレベリング剤をさらに含有することが好ましい。レベリング剤の配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、濡れ性の向上が不十分になる傾向がある。5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。
(乾燥工程)
次に、ステップS11において、基材11の凹凸面上に塗工された樹脂組成物13を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などを調整する人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。また、乾燥温度および乾燥時間は塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
次に、ステップS11において、基材11の凹凸面上に塗工された樹脂組成物13を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などを調整する人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。また、乾燥温度および乾燥時間は塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
溶剤が蒸発する過程で、塗料の固形分濃度が上昇し、無機酸化物フィラーと有機系の粘度調整剤とが系内で水素結合または配位結合などの結合を介したネットワークを形成し、粘度が上昇し、高粘度化する。このように高粘度化することにより、基材11の凹凸形状が乾燥した樹脂組成物の表面13sに残される(図7B参照)。すなわち、乾燥した樹脂組成物の表面13sに適度な滑らかさが形成され、防眩性が発現する。また、上述の高粘度化により、樹脂組成物13の流動性が失われることが好ましい。上述のように、脂組成物が溶媒蒸発過程で高粘度化すると、乾燥後の樹脂組成物が基材11の凹凸形状に倣い、防眩性が発現する。これに対して、紫外線硬化型樹脂組成物が高粘度化しない場合、乾燥した樹脂組成物により、基材11の凹凸形状がつぶれてしまい、防眩性が得られなくなる。
(硬化工程)
次に、ステップS12において、例えば電離放射線照射L2または加熱により、基材111の凹凸面上にて乾燥された樹脂組成物13を硬化させる。これにより、滑らかな凹凸形状を有するハードコート層12が形成される(図7C参照)。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂組成物の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
以上により、目的とする防眩性フィルム1が得られる。
次に、ステップS12において、例えば電離放射線照射L2または加熱により、基材111の凹凸面上にて乾燥された樹脂組成物13を硬化させる。これにより、滑らかな凹凸形状を有するハードコート層12が形成される(図7C参照)。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂組成物の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
以上により、目的とする防眩性フィルム1が得られる。
また、下地パターン(基材11の凹凸パターン)の形成法は、突起径分布選択性、ランダム配置性、高さ制御性、および突起形状(傾斜)制御性などを有するものであればよく、上述の形成方法に限定されるものではない。例えば金属金型上にレジストを塗布後、コンピュータ生成したランダムパターンをレーザー光によりアブレーション除去し、金属を溶解するエッチャントにより、金属金型ロールに突起を形成する方法を用いることができる。また、上記下地パターンの径のインクリメント/デクリメントを行ったパターンを用い、再度このレーザー・エッチング手法を多段に繰り返す方法も用いることができる。これらの手法でパターン形成後、レジストを剥離し全体的にエッチングすることで、傾斜を緩やかにすることができる。
コンピュータによりランダムパターンを生成する際に、円形パターンの直径分布を狭くしたり、パターン密度を上げるためにパターン間の配置の制約を行うと、ランダム性が落ち、表示装置に適用した際にモアレは生成しないものの、反射光が分光する傾向がある。このため、円形パターンの直径分布を広くとり、配置上の制約は設けないことが好ましい。例えば、円形パターンの直径分布としては、好ましくは150μm以下、より好ましくは20μm以上150μm以下に広く取ることが好ましい。このような円形パターンの直径分布範囲を選択することで、自己相関関数の最大値を0.1以下に抑えることができ、分光現象を緩和することができる。なお、基材11の構造体底面の直径分布は、上述したコンピュータにより生成した円形パターンのものとほぼ同一となる。
また、所望の拡散反射角度特性を実現するため、金型のエッチング深さ、およびレジスト剥離後の全体エッチング時間などを調整することが好ましい。また、無機フィラー、および有機系の粘度調整剤などを添加して形状追随性を調整した樹脂を、基材11の凹凸面上に膜厚を調整して塗布することが好ましい。
[1.3.ランダムパターンの配置方法]
以下、露光パターンとしてのランダムパターンの配置方法を具体的に説明する。ここでは、円形状を有する複数の露光部をランダムに配置する場合を例として説明するが、露光部の形状はこれに限定されるものではない。また、「転写ロールへの円の配置方法」、「ランダムドット生成アルゴリズム」は、以下に説明する例に限定されるものではなく、これ以外のものを用いることも可能である。特に、X軸上(最下段)のデータ生成方法、円の充填方法2、タイリング方法は、他の方法を用いることも可能である。また、以下に示す方法は、CPU(Central Processing Unit)などの制御部を有する電子計算機によって実行されるものである。
以下、露光パターンとしてのランダムパターンの配置方法を具体的に説明する。ここでは、円形状を有する複数の露光部をランダムに配置する場合を例として説明するが、露光部の形状はこれに限定されるものではない。また、「転写ロールへの円の配置方法」、「ランダムドット生成アルゴリズム」は、以下に説明する例に限定されるものではなく、これ以外のものを用いることも可能である。特に、X軸上(最下段)のデータ生成方法、円の充填方法2、タイリング方法は、他の方法を用いることも可能である。また、以下に示す方法は、CPU(Central Processing Unit)などの制御部を有する電子計算機によって実行されるものである。
まず、X軸上の近傍に、Rm≦Ri≦RMを満足し、互いに接する円Ci(i=0,1,2,・・・)を描く。その描画方法の一例を以下に示す。
・原点(0,0)に半径R0(Rm≦R0≦RMの範囲でランダムに決定)の円C0を描く。
・円C1の半径R1をRm≦R1≦RMの範囲でランダムに決定する。
・−45°≦θr≦45°の範囲のθrをランダムに決定する。
・円C0と円C1が接し、円C0と円C1の中心を結ぶ直線とX軸の角度がθrになるような円C1の中心座標を求める。
・次に、円C1に対する円C2を求め、これを必要な範囲まで繰り返す。
・原点(0,0)に半径R0(Rm≦R0≦RMの範囲でランダムに決定)の円C0を描く。
・円C1の半径R1をRm≦R1≦RMの範囲でランダムに決定する。
・−45°≦θr≦45°の範囲のθrをランダムに決定する。
・円C0と円C1が接し、円C0と円C1の中心を結ぶ直線とX軸の角度がθrになるような円C1の中心座標を求める。
・次に、円C1に対する円C2を求め、これを必要な範囲まで繰り返す。
次に、このようにして生成された一列のランダムパターンを最下段として、Rm≦R≦RMの範囲でランダムな円Cを、Y軸方向の正方向からこれらの最下段の円の列に接するように積み重ねる。その積み重ね方法の一例を以下に示す。
・y座標が最も小さい円を抽出しこの円Ciの中心座標を(xi,yi)、半径をRiとする。
・円Ci近傍で円Ciを除きy座標が最も小さい円を円Cjとし、この中心座標を(xj,yj) 、半径をRjとする。
・y座標が最も小さい円を抽出しこの円Ciの中心座標を(xi,yi)、半径をRiとする。
・円Ci近傍で円Ciを除きy座標が最も小さい円を円Cjとし、この中心座標を(xj,yj) 、半径をRjとする。
次に、このように選択した2つの円Ci(中心座標(xi,yi)、半径Ri)と、円Cj(中心座標(xj,yj)、半径Rj)とに接する半径Rkの円Ckの中心座標(xk,yk)を下記のように求める。
Rk=Rm+(RM−Rm)×r
でRkを計算する。
cosθ={Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}
∴θ=cos-1[{Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}]
となる角度θを計算する。次に、この角度θを使って、中心座標(xk,yk)を下記式で計算する。
xk=xi−(Ri+Rk){(xi−xy)cosθ−(yi−yj)sinθ}/Lij・・・(1)
yk=yi−(Ri+Rk){(yi−yy)cosθ−(xi−xj)sinθ}/Lij・・・(2)
Rk=Rm+(RM−Rm)×r
でRkを計算する。
cosθ={Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}
∴θ=cos-1[{Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}]
となる角度θを計算する。次に、この角度θを使って、中心座標(xk,yk)を下記式で計算する。
xk=xi−(Ri+Rk){(xi−xy)cosθ−(yi−yj)sinθ}/Lij・・・(1)
yk=yi−(Ri+Rk){(yi−yy)cosθ−(xi−xj)sinθ}/Lij・・・(2)
以下、この方法を繰り返して、ランダムな半径の円を積み重ねることにより、ランダムパターンを生成する。
以下に、上述の式で用いられる記号を説明する。
・R:円の半径、Rm:最小の円の半径、RM:最大の円の半径
・ρ:0≦ρ≦1の値を一様に取る乱数
・r:0≦r≦1の値を取る乱数、rはρの関数r=f(ρ) であり、f(ρ)は図8Aに示すように、斜線の範囲内の値を取る任意の関数でよい。図8B〜図8C、および図9A〜図9Cに、乱数rおよび円の半径の例を示す。
・円Ci:座標(xi,yi)を中心とし、下記式で計算される半径Riの円
・Ri:円Ciの半径、Ri=Rm+(RM−Rm)×r
・Lij=√(xi−xj)2+(yi−yj)2
ここで、“√”は、“(xi−xj)2+(yi−yj)2”の平方根を意味する。
円Ciの中心座標(xi,yi)と、円Cjの中心座標(xj,yj)との間の距離
以下に、上述の式で用いられる記号を説明する。
・R:円の半径、Rm:最小の円の半径、RM:最大の円の半径
・ρ:0≦ρ≦1の値を一様に取る乱数
・r:0≦r≦1の値を取る乱数、rはρの関数r=f(ρ) であり、f(ρ)は図8Aに示すように、斜線の範囲内の値を取る任意の関数でよい。図8B〜図8C、および図9A〜図9Cに、乱数rおよび円の半径の例を示す。
・円Ci:座標(xi,yi)を中心とし、下記式で計算される半径Riの円
・Ri:円Ciの半径、Ri=Rm+(RM−Rm)×r
・Lij=√(xi−xj)2+(yi−yj)2
ここで、“√”は、“(xi−xj)2+(yi−yj)2”の平方根を意味する。
円Ciの中心座標(xi,yi)と、円Cjの中心座標(xj,yj)との間の距離
[1.4.ランダムドット生成アルゴリズムについて]
[1.4.1.X軸上データの生成方法1]
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
θr:隣接する円の中心間を結ぶ直線とX軸の角度(−45°≦θr≦45°)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0)、P1(x1,y1;R1)、・・・、Pn(xn,yn;Rn)
[1.4.1.X軸上データの生成方法1]
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
θr:隣接する円の中心間を結ぶ直線とX軸の角度(−45°≦θr≦45°)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0)、P1(x1,y1;R1)、・・・、Pn(xn,yn;Rn)
図10Aにて斜線を付した円を次のアルゴリズムによって求める。隣合う円の半径および中心点間を結ぶ直線とX軸との角度をランダムに決定し、円同士が接するように並べて行く。
図11は、X軸上データの生成方法1について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、計算条件Rm、RM、Xm、XMを設定する。次に、ステップS2において、P0を座標原点(x0,y0)=(0.0、0.0)に置き半径R0=Rm+(RM−Rm)×rをランダムに決定する。
まず、ステップS1において、計算条件Rm、RM、Xm、XMを設定する。次に、ステップS2において、P0を座標原点(x0,y0)=(0.0、0.0)に置き半径R0=Rm+(RM−Rm)×rをランダムに決定する。
次に、ステップS3において、座標Pn(xn,yn;Rn)を以下の式により決定する。
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
xn=xn-1−(Rn+Rn-1)×cos(θr)
yn=yn-1−(Rn+Rn-1)×sin(θr)
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
xn=xn-1−(Rn+Rn-1)×cos(θr)
yn=yn-1−(Rn+Rn-1)×sin(θr)
次に、ステップS4において、Xn>XMであるか否かを判別する。ステップS4にてXn>XMであると判別された場合には、処理は終了する。ステップS4にてXn>XMでないと判別された場合には、処理はステップS5に進む。ステップS5において、座標Pn(xn,yn;Rn)を記憶する。次に、ステップS6において、nの値をインクリメントし、ステップS3に処理を移行する。
[1.4.2.X軸上データの生成方法2]
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Yr:Y座標の振り幅(%)、但しYr<100
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),P1(x1,y1;R1),・・・,Pn(xn,yn;Rn)
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Yr:Y座標の振り幅(%)、但しYr<100
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),P1(x1,y1;R1),・・・,Pn(xn,yn;Rn)
図10Bにて斜線を付した円を次のアルゴリズムによって求める。円の半径およびY座標値を一定範囲内でランダムに決定し、隣り合う円が接するように並べて行く。
図12は、X軸上データの生成方法2について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS11において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Yrを設定する。次に、座標P0(x0,y0;R0)を以下の式により求める。
R0=Rm+(RM−Rm)×r
Y0=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
X0=Xm+R0×cos(asin(Y0/R0))
まず、ステップS11において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Yrを設定する。次に、座標P0(x0,y0;R0)を以下の式により求める。
R0=Rm+(RM−Rm)×r
Y0=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
X0=Xm+R0×cos(asin(Y0/R0))
次に、ステップS13において、Pn(xn,yn;Rn)を以下の式により求める。
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
Yn=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
Xn=Xn-1+(Rn−Rn-1)×cos(asin(Yn−Yn-1)/(Rn−Rn-1))
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
Yn=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
Xn=Xn-1+(Rn−Rn-1)×cos(asin(Yn−Yn-1)/(Rn−Rn-1))
次に、ステップS14において、Xn>XMであるか否かを判別する。ステップS14にてXn>XMであると判別された場合には、処理は終了する。ステップS14にてXn>XMでないと判別された場合には、処理はステップS15に進む。ステップS15において、座標Pn(xn,yn;Rn)を記憶する。次に、ステップS16において、nの値をインクリメントし、ステップS13に処理を移行する。
[1.4.3.円の充填方法1]
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Ym:Y座標の最小値(mm)
YM:Y座標の最大値(mm)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),(x1,y1;R1),・・・,(xn,yn;Rn)
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Ym:Y座標の最小値(mm)
YM:Y座標の最大値(mm)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),(x1,y1;R1),・・・,(xn,yn;Rn)
図10Cにて斜線を付していない円を次のアルゴリズムによって求める。
図13は、円の充填方法1について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS21において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Ym、YMを設定する。
次に、ステップS22において、中心円座標P0からPnのうちY座標値が最小な円Piを求める。次に、ステップS23において、Yi>YMである否かを判別する。ステップS23にてYi>YMであると判別された場合には、処理は終了となる。ステップS24において、Yi>YMでないと判別された場合には、Pi近傍でPiを除きY座標値が最小な円Pjを求める。次に、ステップS25において、PiとPjに接する円Pkの半径RkをRk=Rm+(RM−Rm)×rとし、Pkの座標を求める。
図13は、円の充填方法1について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS21において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Ym、YMを設定する。
次に、ステップS22において、中心円座標P0からPnのうちY座標値が最小な円Piを求める。次に、ステップS23において、Yi>YMである否かを判別する。ステップS23にてYi>YMであると判別された場合には、処理は終了となる。ステップS24において、Yi>YMでないと判別された場合には、Pi近傍でPiを除きY座標値が最小な円Pjを求める。次に、ステップS25において、PiとPjに接する円Pkの半径RkをRk=Rm+(RM−Rm)×rとし、Pkの座標を求める。
次に、ステップS26において、Pkが存在するか否かを判別する。ステップS26にてPkが存在しないと判別した場合には、ステップS27において、Pi、Pjの組み合わせは以後除外する。ステップS26にてPkが存在すると判別した場合には、ステップS28において、P0からPnにPkと重なる円が存在するか否かを判別する。ステップS28にて重なる円が存在すると判別した場合には、ステップS27において、Pi、Pjの組み合わせは以後除外する。次に、ステップS28にて重なる円が存在しない判別した場合には、ステップS29において、座標Pk(xk,yk;Rk)を記憶する。次に、ステップS30において、nの値をインクリメントし、ステップS22に処理を移行する。
なお、図13中にて、(*1)、(*2)は以下のことを示す。
(*1)Y座標の最小値ではなく、Piにおけるyi+Riの値(円の上面)が最小の円を求める方法も有効である。
(*2)Pkの計算には、上述した式(1)、(2)を用いる。
(*1)Y座標の最小値ではなく、Piにおけるyi+Riの値(円の上面)が最小の円を求める方法も有効である。
(*2)Pkの計算には、上述した式(1)、(2)を用いる。
[1.4.4.円の充填方法2]
図14は、円の充填方法2について説明するためのフローチャートである。
円の充填方法2は、ステップS31、ステップS32の追加処理をさらに行う点において、上述の円の充填方法1と異なっている。この方法は、ランダム性を多少犠牲にして、充填率を向上させる手法である。
図14は、円の充填方法2について説明するためのフローチャートである。
円の充填方法2は、ステップS31、ステップS32の追加処理をさらに行う点において、上述の円の充填方法1と異なっている。この方法は、ランダム性を多少犠牲にして、充填率を向上させる手法である。
ステップS21〜S28までは円の充填方法1と同様である。次に、ステップS28にて重なる円が存在しない判別した場合には、ステップS29において、座標Pk(xk,yk;Rk)を記憶する。次に、ステップS30において、nの値をインクリメントし、ステップS22に処理を移行する。ステップS28にて重なる円が存在すると判別した場合には、ステップS31において、座標Pk(xk,yk;Rk)の半径を設定範囲内で小さくすれば重なりを回避できるか否かを判別する。ステップS31にて重なりを回避できないと判別した場合には、ステップS27において、Pi、Pjの組み合わせは以後除外する。ステップS32にて重なりを回避できると判別した場合には、ステップS32において、Rkを重なりが回避できる最大の値にする。次に、テップS29において、座標Pk(xk,yk;Rk)を記憶する。次に、ステップS30において、nの値をインクリメントし、ステップS22に処理を移行する。
[1.4.5.タイリング方法]
大面積のランダムパターンを生成する場合、光学特性に影響を及ぼさなくなる程度に充分な大きさのパターンを繰り返し繋げて用いることで、製作を効率的に行うことができる。繰り返し繋げる場合、パターン開始部の直線と、パターン終了部の直線の配置が同一である必要がある(図10D中で上段と下段の斜線を付した円)。
大面積のランダムパターンを生成する場合、光学特性に影響を及ぼさなくなる程度に充分な大きさのパターンを繰り返し繋げて用いることで、製作を効率的に行うことができる。繰り返し繋げる場合、パターン開始部の直線と、パターン終了部の直線の配置が同一である必要がある(図10D中で上段と下段の斜線を付した円)。
図15は、X軸上の開始点と終了点を同一パターンにする方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS41において、X軸上のデータを上述の方法で生成する。次に、ステップS42において、座標列P0〜Pmについて、それぞれのy座標値にYMを加算した座標値を新たな円として、Pm以降に追加する。次に、ステップS43において、円の充填を上述の方法で行い、座標P0〜Pnを得る。
まず、ステップS41において、X軸上のデータを上述の方法で生成する。次に、ステップS42において、座標列P0〜Pmについて、それぞれのy座標値にYMを加算した座標値を新たな円として、Pm以降に追加する。次に、ステップS43において、円の充填を上述の方法で行い、座標P0〜Pnを得る。
上述のようにしてランダムパターンを形成することによって、モアレの発生を抑制できる防眩性フィルム1が得られる。このパターンは、レーザー加工やエッチング処理などによりエンボスロール表面に彫刻することができる。
なお、上述の説明では、円を用いてランダムパターンを形成しているが、ランダムパターンは特に円に限定されるわけではない。例えば、多角形、楕円などの形状でもランダムパターンを形成することができる。特に、楕円を用いてランダムパターンを形成すると、防眩性フィルム1に光学的な異方性を発現させることができる。また、充填率も円の場合と同様な高い充填率となる。さらに、長軸方向が短軸方向に比して滑らかな凹凸になるため、その方向からの外光の影響を受けにくくなり、表示画面が白っぽくなることを抑制できる。一方、短軸方向は、長軸方向に比して荒れているため、防眩性が確保される。したがって、楕円を用いてランダムパターンを形成すると、全体として高防眩、高コントラストな防眩性フィルム1が得られる。
[1.5.パターン生成装置]
図16は、上述したランダムパターンの生成方法を実効するためのパターン生成装置の構成の一例を示すブロック図である。パターン生成装置は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータや、コンピュータ装置に準じた構成の装置である。
図16は、上述したランダムパターンの生成方法を実効するためのパターン生成装置の構成の一例を示すブロック図である。パターン生成装置は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータや、コンピュータ装置に準じた構成の装置である。
パターン生成装置50において、バス40に対してCPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43が接続される。ROM42には、例えばパターン生成装置50を起動させるための初期プログラムが予め記憶される。RAM43は、CPU41のワークメモリとして用いられる。
バス40に対して、さらに、表示部44、入出力インターフェイス(入出力I/F)45、ハードディスクドライブ48および通信インターフェイス(通信I/F)49が接続される。表示部44は、パターン生成装置50に内蔵またはパターン生成装置50に接続して用いられ、CPU41で生成された表示制御信号に応じた表示を行う。入出力I/F45には、キーボードや所定の操作子が配置された操作パネルといった、ユーザからの入力を受け付けるための入力部46が接続されている。また、入出力I/F45には、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体を再生可能なドライブ装置47も接続するようにしてもよい。
ハードディスクドライブ48には、このパターン生成装置50の動作を制御し、上述の各方法を実効するためのプログラムが格納される。CPU41は、例えばパターン生成装置50の起動時に、ROM42から読み出された初期プログラムに従いハードディスクドライブ48に記録されたプログラムを読み出し、RAM43上に展開してパターン生成装置50の動作を制御する。
通信I/F49は、例えば、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してレーザー加工装置に接続されている。CPU41が、通信I/F49を介して、レーザー加工装置を制御する。この際、レーザー加工装置の制御は、パターン生成装置50にて生成したランダムパターン、またはそれを必要に応じてタイリングしたパターンに基づき行われる。
上述したように、第1の実施形態に係る防眩性フィルム1によれば、表面凹凸の傾斜角度分布が適切に調整されているため、有機フィラー系では困難ななだらかなうねりを実現できる。すなわち、外光の散乱角度を狭くでき、且つ優れた防眩機能を発現することができる。したがって、第1の実施形態に係る防眩性フィルム1を、液晶表示装置をはじめとするディスプレイに装着すると、黒さが際立ち、視認性がより一層向上する。
また、防眩性フィルム1に入射する光の散乱範囲を狭く抑えることができる。また、正反射成分を少なくし、映りこんだ像をぼやかすことができる。また、第1の実施形態に係る防眩性フィルム1は、ディスプレイの明所コントラストを向上することができる。
また、エッチングマスクを用いて基材表面に対してエッチングを施した後、エッチングマスクを除去し、基材表面の全体に対して再度再エッチング処理を施した場合、滑らかな凹凸を有する原盤23を作製することができる。このような原盤23により成形された基材上に、乾燥により流動性が失われるハードコート塗料を塗布、乾燥、硬化させることで、基材表面の凹凸に倣ったハードコート層12が形成される。したがって、高防眩、および低白濁の両特性を満たす防眩性フィルム1が得られる。
また、ハードコート層12の塗布厚、および/またはハードコート層12を形成するための樹脂組成物の追随性を調整することで、傾斜角度分布をコントロールできる。したがって、防眩性フィルム1の防眩性を容易に調整することができる。すなわち、多品種生産が容易である防眩性フィルム1を提供できる。
<2.第2の実施形態>
[液晶表示装置の構成]
図17は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の一構成を示す断面図である。図17に示すように、この液晶表示装置は、光を出射するバックライト3と、バックライト3から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル2とを備える。液晶パネル2の両面にはそれぞれ、偏光子2a、2bが設けられている。液晶パネル2の表示面側の偏光子2bには、光学フィルムである防眩性フィルム1が設けられている。
以下、液晶表示装置を構成するバックライト3、液晶パネル2、および防眩性フィルム1について順次説明する。
[液晶表示装置の構成]
図17は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の一構成を示す断面図である。図17に示すように、この液晶表示装置は、光を出射するバックライト3と、バックライト3から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル2とを備える。液晶パネル2の両面にはそれぞれ、偏光子2a、2bが設けられている。液晶パネル2の表示面側の偏光子2bには、光学フィルムである防眩性フィルム1が設けられている。
以下、液晶表示装置を構成するバックライト3、液晶パネル2、および防眩性フィルム1について順次説明する。
(バックライト)
バックライト3としては、例えば、直下型バックライト、エッジ型バックライト、平面光源型バックライトを用いることができる。バックライト3は、例えば、光源、反射板、光学フィルムなどを備える。光源としては、例えば、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp:HCFL)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence:OEL)、無機エレクトロルミネッセンス(IEL:Inorganic ElectroLuminescence)および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。
バックライト3としては、例えば、直下型バックライト、エッジ型バックライト、平面光源型バックライトを用いることができる。バックライト3は、例えば、光源、反射板、光学フィルムなどを備える。光源としては、例えば、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp:HCFL)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence:OEL)、無機エレクトロルミネッセンス(IEL:Inorganic ElectroLuminescence)および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。
(液晶パネル)
液晶パネル2としては、例えば、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)モード、垂直配向(Vertically Aligned:VA)モード、水平配列(In-Plane Switching:IPS)モード、光学補償ベンド配向(Optically Compensated Birefringence:OCB)モード、強誘電性(Ferroelectric Liquid Crystal:FLC)モード、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)モード、相転移型ゲスト・ホスト(Phase Change Guest Host:PCGH)モードなどの表示モードのものを用いることができる。
液晶パネル2としては、例えば、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)モード、垂直配向(Vertically Aligned:VA)モード、水平配列(In-Plane Switching:IPS)モード、光学補償ベンド配向(Optically Compensated Birefringence:OCB)モード、強誘電性(Ferroelectric Liquid Crystal:FLC)モード、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)モード、相転移型ゲスト・ホスト(Phase Change Guest Host:PCGH)モードなどの表示モードのものを用いることができる。
液晶パネル2の両面には、例えば偏光子2a、2bがその透過軸が互いに直交するようにして設けられる。偏光子2a、2bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光子2a、2bとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムに、ヨウ素錯体や二色性染料を一軸方向に配列させたものを用いることができる。偏光子2a、2bの両面には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護層を設けることが好ましい。このように保護層を設ける場合、この保護層が防眩性フィルム1の基材を兼ねる構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、偏光子2a、2bを薄型化できるからである。
(防眩性フィルム)
防眩性フィルム1は、上述した第1の実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
防眩性フィルム1は、上述した第1の実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
第2の実施形態によれば、液晶表示装置の表示面に防眩性フィルム1を設けているので、液晶パネル2の表示面における防眩性や耐擦傷性などを向上することができるとともに、表示面の黒さを際立たせ、視認性をより一層向上することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
この実施例において、ハードコート層の膜厚(平均膜厚)は、厚み測定器(TESA株式会社製、電気マイクロメータ)を用いて以下のようにして求めたものである。まず、接触端子として6mmφの円筒形状のものを用い、ハードコート層が潰れない程度の低荷重で、円筒端子をハードコート層に接触させ、防眩性フィルムの厚さを任意の5点で測定した。次に、測定した防眩性フィルムの厚さを単純に加算平均し、防眩性フィルム総厚の平均値DAを求めた。次に、同一の防眩性フィルムの未塗布部の厚さ(すなわち、基材(TACフィルム)の厚さ)を任意の5点で測定した。次に、測定した基材の厚さを単純に加算平均し、基材の平均厚みDBを求めた。次に、防眩性フィルム総厚の平均値DAから基材の平均厚みDBを差し引き、その値をハードコート層の膜厚とした。
(実施例1−1)
フォトリソグラフィー技術により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を以下のようにして作製した。まず、転写ロール原盤としての鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。
フォトリソグラフィー技術により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を以下のようにして作製した。まず、転写ロール原盤としての鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。
次に、円径のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)を生成した後、生成した円と円の隙間に半径15μm〜23.5μmの円を配置し、露光パターンとした。次に、この露光パターンをレーザー露光によりフォトレジスト層に形成した後、現像した。これにより、複数の開口部がランダムパターンに配置されたエッチングマスクが得られた。
次に、エッチングマスクが形成されたロールを回転させながら、そのロール表面に対してエッチング液を吹き付けることにより、ロール表面に対してエッチング処理(第1のエッチング処理)を行った。これにより、深さD1:5.5μmの円柱形状の穴(凹部)が形成された。
次に、フォトレジスト層をロール表面から取り除いた後、ロール面全体を均一にエッチング深さD2:5μm(D2=D1×0.91)で再度エッチング処理(第2のエッチング処理)を行った。これにより、円柱形状の穴が滑らかな曲面形状の穴に変化した。エッチング液としては、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用した。次に、ロール表面に硬質Crメッキを5μm施すことにより、目的とする転写ロール原盤を作製した。
次に、作製した転写ロール原盤を用いた形状転写(転写ロール温度:170℃、線圧:200kg/cm、転写速度:8m/min)により、TACフィルム(富士フイルム株式会社製、フィルム厚:80μm)表面に凹凸を形成した。次に、触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、商品名:サーフコーダET4000)でTACフィルム表面の凹凸形状を評価した。その結果、Ra(算術平均粗さ)=0.625μm、Rc(粗さ曲線要素の平均高さ)=1.774μm、Rz(十点平均粗さ)=2.186μm、RSm(粗さ曲線要素の平均長さ)=77μmであった。
次に、下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に、コイルバーで塗工した後、紫外線硬化型樹脂組成物を80℃で1.5分乾燥させた。次に、窒素雰囲気下で350mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚5.4μmのハードコート層を有する防眩性フィルムを得た。
(紫外線硬化型樹脂組成物の配合)
・6官能ウレタンアクリレート 14.39質量部
(サートマー製、商品名:CN9006)
・4官能アクリルモノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7.19質量部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMMT)
・無機系の粘度調整剤:シリカフィラー 16質量部
(日揮触媒化成株式会社製、OSCALシリーズの粒径25nm品。粒子表面を末端アクリル基を含有するシランカップリング剤(例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103)で処理した。)
・重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
・レベリング剤:有効成分(フッ化アクリルポリマー)30質量%の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール溶液) 0.07質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:KL−600)
・防汚剤:フッ化アクリレート 1質量部
(DIC株式会社製、商品名:RS−751−K)
・有機系の粘度調整剤:カルボキシル基含有ポリマー変性物 0.03質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:G−700)
・溶剤:イソプロピルアルコール(IPA) 37.33質量部
・溶剤:1,3−ジオキソラン 21.99質量部
・6官能ウレタンアクリレート 14.39質量部
(サートマー製、商品名:CN9006)
・4官能アクリルモノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7.19質量部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMMT)
・無機系の粘度調整剤:シリカフィラー 16質量部
(日揮触媒化成株式会社製、OSCALシリーズの粒径25nm品。粒子表面を末端アクリル基を含有するシランカップリング剤(例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103)で処理した。)
・重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
・レベリング剤:有効成分(フッ化アクリルポリマー)30質量%の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール溶液) 0.07質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:KL−600)
・防汚剤:フッ化アクリレート 1質量部
(DIC株式会社製、商品名:RS−751−K)
・有機系の粘度調整剤:カルボキシル基含有ポリマー変性物 0.03質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:G−700)
・溶剤:イソプロピルアルコール(IPA) 37.33質量部
・溶剤:1,3−ジオキソラン 21.99質量部
(実施例1−2)
乾燥後のハードコート層の膜厚が6.7μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が6.7μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例1−3)
乾燥後のハードコート層の膜厚が8.3μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が8.3μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例1−4)
乾燥後のハードコート層の膜厚が9.8μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が9.8μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例1−5)
乾燥後のハードコート層の膜厚が11μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が11μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例1−6)
乾燥後のハードコート層の膜厚が12.1μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が12.1μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例1−7)
乾燥後のハードコート層の膜厚が12.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が12.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(比較例1)
乾燥後のハードコート層の膜厚が13.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が13.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例2−1)
有機系の粘度調整剤の配合量を実施例1に比べて増やし、形状追随性を向上させた下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を用いる以外は、実施例1−1と同様にして、乾燥後のハードコート層の膜厚が8.2μmである防眩性フィルムを得た。
有機系の粘度調整剤の配合量を実施例1に比べて増やし、形状追随性を向上させた下記配合の紫外線硬化型樹脂組成物を用いる以外は、実施例1−1と同様にして、乾燥後のハードコート層の膜厚が8.2μmである防眩性フィルムを得た。
(紫外線硬化型樹脂組成物の配合)
・6官能ウレタンアクリレート 14.39質量部
(サートマー製、商品名:CN9006)
・4官能アクリルモノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7.19質量部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMMT)
・無機系の粘度調整剤:シリカフィラー 16質量部
(日揮触媒化成株式会社製、OSCALシリーズの粒径25nm品。粒子表面を末端アクリル基を含有するシランカップリング剤(例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103)で処理した。)
・重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
・レベリング剤:有効成分(フッ化アクリルポリマー)30質量%の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール溶液) 0.07質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:KL−600)
・防汚剤:フッ化アクリレート 1質量部
(DIC株式会社製、商品名:RS−751−K)
・有機系の粘度調整剤:カルボキシル基含有ポリマー変性物 0.06質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:G−700)
・溶剤:イソプロピルアルコール(IPA) 37.33質量部
・溶剤:1,3−ジオキソラン 21.96質量部
・6官能ウレタンアクリレート 14.39質量部
(サートマー製、商品名:CN9006)
・4官能アクリルモノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7.19質量部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMMT)
・無機系の粘度調整剤:シリカフィラー 16質量部
(日揮触媒化成株式会社製、OSCALシリーズの粒径25nm品。粒子表面を末端アクリル基を含有するシランカップリング剤(例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103)で処理した。)
・重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
・レベリング剤:有効成分(フッ化アクリルポリマー)30質量%の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール溶液) 0.07質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:KL−600)
・防汚剤:フッ化アクリレート 1質量部
(DIC株式会社製、商品名:RS−751−K)
・有機系の粘度調整剤:カルボキシル基含有ポリマー変性物 0.06質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:G−700)
・溶剤:イソプロピルアルコール(IPA) 37.33質量部
・溶剤:1,3−ジオキソラン 21.96質量部
(実施例2−2)
乾燥後のハードコート層の膜厚が9.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が9.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例2−3)
乾燥後のハードコート層の膜厚が10.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が10.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例2−4)
乾燥後のハードコート層の膜厚が11.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が11.4μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例2−5)
乾燥後のハードコート層の膜厚が11.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が11.6μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(比較例2)
乾燥後のハードコート層の膜厚が8μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
乾燥後のハードコート層の膜厚が8μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例2−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(比較例3)
以下のようにして、有機フィラー系の防眩性フィルムを得た。まず、下記の原料を配合して、マグネチックスターラーにて1時間攪拌して紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。次に、表面に形状転写されていない、平滑な表面を有するTACフィルム(富士フイルム株式会社製)を準備し、このTACフィルムの片面にコロナ処理を施した。次に、上述のように調製した紫外線硬化型樹脂組成物を、コロナ処理面にコイルバーで塗布した。次に、80℃で1.5分乾燥させた後、窒素雰囲気下で350mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚12μmのハードコート層(防眩層)を有する防眩性フィルムを得た。
以下のようにして、有機フィラー系の防眩性フィルムを得た。まず、下記の原料を配合して、マグネチックスターラーにて1時間攪拌して紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。次に、表面に形状転写されていない、平滑な表面を有するTACフィルム(富士フイルム株式会社製)を準備し、このTACフィルムの片面にコロナ処理を施した。次に、上述のように調製した紫外線硬化型樹脂組成物を、コロナ処理面にコイルバーで塗布した。次に、80℃で1.5分乾燥させた後、窒素雰囲気下で350mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚12μmのハードコート層(防眩層)を有する防眩性フィルムを得た。
(紫外線硬化型樹脂組成物の配合)
CN9006 34質量部
Irgacure184 2質量部
溶剤(酢酸ブチル) 60質量部
架橋性スチレンビーズSBX6(積水化成品工業株式会社製) 4質量部
CN9006 34質量部
Irgacure184 2質量部
溶剤(酢酸ブチル) 60質量部
架橋性スチレンビーズSBX6(積水化成品工業株式会社製) 4質量部
(比較例4)
まず、ブラスト加工により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を作製した。具体的には、転写ロール原盤を回転させながら、研磨剤を吹き付けるいわゆるビーズブラスト加工により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を作製した。以下にブラスト加工条件を示す。
ブラスト加工:ビーズブラスト
研磨剤:200番メッシュ相当
ビーズ: ガラスビーズ
繰り返し加工:8回
まず、ブラスト加工により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を作製した。具体的には、転写ロール原盤を回転させながら、研磨剤を吹き付けるいわゆるビーズブラスト加工により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を作製した。以下にブラスト加工条件を示す。
ブラスト加工:ビーズブラスト
研磨剤:200番メッシュ相当
ビーズ: ガラスビーズ
繰り返し加工:8回
次に、作製した転写ロール原盤を用いた形状転写(転写ロール温度:180℃、線圧:200kg/cm、転写速度:8m/min)により、TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製、フィルム厚:80μm)表面に凹凸を形成した。次に、触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、商品名:サーフコーダET4000)でTACフィルム表面の凹凸形状を評価した。その結果、Ra=0.509μm、Rc=1.722μm、Rz=2.638μm、RSm=85μmであった。次に、乾燥後のハードコート層の膜厚が8μmとなるように、紫外線硬化型樹脂組成物をTACフィルムの凹凸の表面上に塗布する以外は、実施例1−1と同様にして防眩性フィルムを得た。
上述のようにして得られた実施例1−1〜2−5、および比較例1〜4の防眩性フィルムに対して、以下の評価を行った。
(白濁度の評価)
白濁度の具体的な測定法を以下に示す。まず、防眩性フィルムの裏面に粘着剤を介して黒色アクリル板に貼合した。次に、積分球型分光測色計(エックスライト社製、商品名:SP64)を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて行った。
白濁度の具体的な測定法を以下に示す。まず、防眩性フィルムの裏面に粘着剤を介して黒色アクリル板に貼合した。次に、積分球型分光測色計(エックスライト社製、商品名:SP64)を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて行った。
(光沢度の評価)
防眩性フィルムの光沢度を以下のようにして測定した。防眩性フィルムを粘着剤により黒板アクリル板(三菱レイヨン株式会社製アクリライトL 502)に貼合し、Gardner社製マイクロトリグロスにより光沢度の測定を行った。表2に20°光沢度の測定結果を示す。
防眩性フィルムの光沢度を以下のようにして測定した。防眩性フィルムを粘着剤により黒板アクリル板(三菱レイヨン株式会社製アクリライトL 502)に貼合し、Gardner社製マイクロトリグロスにより光沢度の測定を行った。表2に20°光沢度の測定結果を示す。
(全光線透過率、HAZEの評価)
全光線透過率(JIS K7361)、HAZE(JIS K7136)は、株式会社村上色彩技術研究所製のHM−150で評価した。
全光線透過率(JIS K7361)、HAZE(JIS K7136)は、株式会社村上色彩技術研究所製のHM−150で評価した。
(ハードコート表面の傾斜角度分布評価)
ハードコート層の表面形状観察、角度分布は、非接触表面・層断面形状計測システム(Ryoka Systems Inc. VertScan2.0)で評価した。防眩性フィルムを粘着剤により黒板アクリル板(三菱レイヨン株式会社製アクリライトL 502)に貼合したものを試験片とした。測定はVS-Measure(Version 1.0.2)で行った。520nmの波長フィルタ、X20倍の対物レンズを使用し、観察領域は520μm×390μmとした。表面傾斜角度分布、突起の直径と高さは、VS-Viewer(Version 4.2.2)にて算出した。表面傾斜角度分布スペクトルは、横軸を角度、縦軸を頻度とし、0°から3°まで1/30°刻みでプロットした。実施例1−1〜1−7、比較例3のハードコート層表面形状を図18A〜図20Bに示す。実施例1−1〜1−7、実施例2−1〜2−5、比較例1〜4の防眩性フィルムの傾斜角度分布を図21A〜図22B、および図23に示す。
ハードコート層の表面形状観察、角度分布は、非接触表面・層断面形状計測システム(Ryoka Systems Inc. VertScan2.0)で評価した。防眩性フィルムを粘着剤により黒板アクリル板(三菱レイヨン株式会社製アクリライトL 502)に貼合したものを試験片とした。測定はVS-Measure(Version 1.0.2)で行った。520nmの波長フィルタ、X20倍の対物レンズを使用し、観察領域は520μm×390μmとした。表面傾斜角度分布、突起の直径と高さは、VS-Viewer(Version 4.2.2)にて算出した。表面傾斜角度分布スペクトルは、横軸を角度、縦軸を頻度とし、0°から3°まで1/30°刻みでプロットした。実施例1−1〜1−7、比較例3のハードコート層表面形状を図18A〜図20Bに示す。実施例1−1〜1−7、実施例2−1〜2−5、比較例1〜4の防眩性フィルムの傾斜角度分布を図21A〜図22B、および図23に示す。
(ハードコート層の突起の底面の形状評価)
ハードコート層の突起の底面の形状評価は、ハードコート層の表面微分画像を用いて評価した。ハードコート層の表面微分画像は以下のようにして得た。測定はVS-Measure(Version 1.0.2)で行った。520nmの波長フィルタ、X50倍の対物レンズを使用し、観察領域は200μm×150μmとした。表面形状データの微分画像化は、VS-Viewer(Version 4.2.2)にて行った。
ハードコート層の突起の底面の形状評価は、ハードコート層の表面微分画像を用いて評価した。ハードコート層の表面微分画像は以下のようにして得た。測定はVS-Measure(Version 1.0.2)で行った。520nmの波長フィルタ、X50倍の対物レンズを使用し、観察領域は200μm×150μmとした。表面形状データの微分画像化は、VS-Viewer(Version 4.2.2)にて行った。
(防眩性の評価)
防眩性の評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、自分の顔をフィルムから約30cmの位置から映し込み、瞳のぼやけ方を下記の基準で評価した。
◎:瞳がぼやけて、輪郭が見えない
○:瞳の輪郭が薄く見える
×:瞳がくっきりと映りこむ
防眩性の評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、自分の顔をフィルムから約30cmの位置から映し込み、瞳のぼやけ方を下記の基準で評価した。
◎:瞳がぼやけて、輪郭が見えない
○:瞳の輪郭が薄く見える
×:瞳がくっきりと映りこむ
(黒さの評価)
黒さの評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、むき出しの蛍光灯を映し込み、拡散光の広がりを下記の基準で評価した。
◎:拡散光の広がり範囲が狭く、広がった範囲を超えると突如黒い領域となる。
○:拡散光の広がり範囲は狭いが、広がった範囲を超えた場所でうっすらと拡散光が確認できる。
×:拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見える。
黒さの評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、むき出しの蛍光灯を映し込み、拡散光の広がりを下記の基準で評価した。
◎:拡散光の広がり範囲が狭く、広がった範囲を超えると突如黒い領域となる。
○:拡散光の広がり範囲は狭いが、広がった範囲を超えた場所でうっすらと拡散光が確認できる。
×:拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見える。
(拡散反射角度特性の評価)
防眩性フィルムを光学粘着剤により3mm厚の黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリライトL 502)に貼合した。次に、ゴニオフォトメータ(オプテック社製、商品名:GP−1−3D)を用い、サンプル面(アクリル板表面の垂線)に対して−5°方向からコリメートした入射光を照射し、正反射方向を0°として−5°から10°まで走査して暗室条件下にて反射光強度を求めた。この際、ゴニオフォトメータの輝度計は1°視野であった。その反射強度から5°ゲインを求めた。但し、標準白色拡散板(株式会社トプコン製、標準白色板WS−3)の反射強度をゲイン=1とした。
防眩性フィルムを光学粘着剤により3mm厚の黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリライトL 502)に貼合した。次に、ゴニオフォトメータ(オプテック社製、商品名:GP−1−3D)を用い、サンプル面(アクリル板表面の垂線)に対して−5°方向からコリメートした入射光を照射し、正反射方向を0°として−5°から10°まで走査して暗室条件下にて反射光強度を求めた。この際、ゴニオフォトメータの輝度計は1°視野であった。その反射強度から5°ゲインを求めた。但し、標準白色拡散板(株式会社トプコン製、標準白色板WS−3)の反射強度をゲイン=1とした。
(RΔqの評価)
粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔは、触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、商品名:サーフコーダET4000)により得られたデータを用いて算出した。
粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔは、触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、商品名:サーフコーダET4000)により得られたデータを用いて算出した。
表1、表2は、上述の各評価結果をまとめて示す。
表1、表2、図18A〜図20B、図21A〜図22B、図23などの評価結果から以下のことがわかった。
実施例1−1〜実施例1−7では、ハードコート層を5.4μm〜12.6μmの範囲で厚くするにつれて、よりなだらかな表面傾斜角度が形成された。また、ハードコート層を5.4μm〜12.6μmの範囲で厚くするにつれて、防眩性を維持しつつも蛍光灯の拡散範囲が狭まっていき、黒さがより強調されていった。すなわち、ハードコート層厚みにより、防眩性と黒さを両立しつつ、光沢の広いバリエーションが可能であった。
一方、比較例1では、ハードコート層厚みを13.4μmと厚くしたため、表面傾斜角度0.5°以下成分が86.999%であった。このため、正反射成分が多く、防眩性が低下した。
実施例1−1〜実施例1−7では、ハードコート層を5.4μm〜12.6μmの範囲で厚くするにつれて、よりなだらかな表面傾斜角度が形成された。また、ハードコート層を5.4μm〜12.6μmの範囲で厚くするにつれて、防眩性を維持しつつも蛍光灯の拡散範囲が狭まっていき、黒さがより強調されていった。すなわち、ハードコート層厚みにより、防眩性と黒さを両立しつつ、光沢の広いバリエーションが可能であった。
一方、比較例1では、ハードコート層厚みを13.4μmと厚くしたため、表面傾斜角度0.5°以下成分が86.999%であった。このため、正反射成分が多く、防眩性が低下した。
実施例2−1〜2−5では、有機系の粘度調整剤の増量により、ハードコートの形状追随性が高まった。実施例1−1〜1−7、実施例2−1〜2−5では、形状追随性の制御により、所望のハードコート膜厚で所望の防眩性、黒さを得ることが可能である。
一方、比較例2では、ハードコート層厚みを8μmと薄くしたため、表面傾斜角度3°以上成分は0.03%であるが、表面傾斜角度2°以下成分が89.084%であった。このため、上述の黒さの評価では、拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見えた。反射光の5°ゲインは0.3を超えて0.397であった。
一方、比較例2では、ハードコート層厚みを8μmと薄くしたため、表面傾斜角度3°以上成分は0.03%であるが、表面傾斜角度2°以下成分が89.084%であった。このため、上述の黒さの評価では、拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見えた。反射光の5°ゲインは0.3を超えて0.397であった。
比較例3では、表面傾斜角度3°以上成分が1.546%、表面傾斜角度2°以下成分が88.286%であった。このため、上述の黒さの評価では、拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見えた。反射光の5°ゲインは0.3を大幅に超えて0.704であった。
比較例4では、表面傾斜角度3°以上成分は0.12%であった。このため、上述の黒さの評価では、拡散光の広がり範囲は狭いが、広がった範囲を超えた場所でうっすらと拡散光が確認された。反射光の5°ゲインは0.2を超えて0.206であった。
以上により、表面傾斜角度3°以上の成分が0.1%以下であり、表面傾斜角度2°以下の成分が90%以上であり、表面傾斜角度0.5°以下の成分が85%以下であることが好ましい。
また、反射光の5°ゲインは0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。
また、反射光の5°ゲインは0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。
防眩性と黒さとを両立できている実施例1−1〜1−7、2−1〜2−5では、以下の条件を満たしている。すなわち、(1)ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が0.1μm以上1μm以下である。(2)ハードコート層の凹凸面における2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下である。(3)ハードコート層の凹凸面における0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である。
これに対して、防眩性が著しく低下している比較例1では、(1)、(2)の条件を満たしているが、(3)の条件を満たしていない。黒さが著しく低下している比較例2では、(1)、(3)の条件を満たしているが、(2)の条件を満たしていない。黒さが著しく低下している比較例3では、(3)の条件を満たしているが、(1)、(2)の条件を満たしていない。黒さがやや低下している比較例4では、(3)の条件を満たしているが、(1)、(2)の条件を満たしていない。
以上により、防眩性と黒さとを両立するためには、(1)〜(3)の条件を満たす必要がある。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の各構成は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態に係る防眩性フィルムを、アンチニュートンリング(Anti Newton-Ring:ANR)フィルムとして表示装置に用いるようにしてもよい。このようにANRフィルムとして用いることで、ニュートンリングの発生を抑制する、もしくは気にならない程度までニュートンリングの発生を低減することが可能である。
また、上述の実施形態では、本発明に係る防眩性フィルムを液晶表示装置に適用する場合を例として説明したが、本発明に係る防眩性フィルムは液晶表示装置以外の各種表示装置に対しても適用可能である。例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種表示装置に対しても本発明に係る防眩性フィルムは適用可能である。
また、上述の実施形態では、基材上にハードコート層を形成する場合を例として説明したが、ハードコート層を形成しない状態で基材を拡散シートや拡散板などとして活用することも可能である。このようにして活用する場合、基材の両面に対して、上述の実施形態の凹凸形状を形成した構成としてもよい。これにより、基材の両面に拡散作用を付与することができる。
また、上述の実施形態において、基材に微粒子を含有させてもよい。また、基材の裏面に凹凸形状を形成するようにしてもよい。この凹凸形状の形成方法としては、例えば、エンボス加工、シボ加工を挙げることができる。また、基材裏面に、微粒子を含有する樹脂層を設け、この樹脂層の表面から微粒子を突出させるようにしてもよい。また、基材に微粒子を含有させるとともに、これらの微粒子の一部を基材裏面から突出させるようにしてもよい。また、基材の内部に微粒子を含有させるとともに、基材の裏面に凹凸形状を形成するようにしてもよい。このような構成を採用することで、基材の内部および/または裏面に拡散作用を付与することができる。なお、このような構成を採用する場合、ハードコート層の形成を省略し、基材の表面の凹凸形状が露出した構成としてもよい。これにより、基材を拡散シートや拡散板などとして用いることができる。
1 防眩性フィルム
2 液晶パネル
2a、2b 偏向子
3 バックライト
11 基材
11a 構造体
12 ハードコート層
12a 突起
21 原盤
21a 凹部
22 レジスト層
22a 露光パターン
22b 開口部
23 原盤
13 樹脂組成物
13s 表面
2 液晶パネル
2a、2b 偏向子
3 バックライト
11 基材
11a 構造体
12 ハードコート層
12a 突起
21 原盤
21a 凹部
22 レジスト層
22a 露光パターン
22b 開口部
23 原盤
13 樹脂組成物
13s 表面
Claims (10)
- 凹凸面を有する基材と、
上記基材の凹凸面に形成されたハードコート層と
を備え、
上記ハードコート層は、上記基材の凹凸面に倣った凹凸面に有し、
上記ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
上記ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
上記ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルム。 - 反射光の5°ゲインは、0.3以下である請求項1記載の防眩性フィルム。
- 上記突起の底面の形状が、円形状、楕円形状および多角形状の少なくとも1種である請求項1記載の防眩性フィルム。
- 上記ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂を上記基材の凹凸面に塗布、乾燥、硬化して得られる請求項1記載の防眩性フィルム。
- 上記電離放射線硬化型樹脂は、無機系および/または有機系の構造粘性剤を含有する請求項4記載の防眩性フィルム。
- 上記複数の突起は、二次元的または三次元的にランダムに形成されている請求項1記載の防眩性フィルム。
- 上記ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.25μm以上0.95μm以下である請求項1記載の防眩性フィルム。
- 上記ハードコート層の凹凸面は、3°以上の傾斜角度成分が0.1%以下である傾斜角度分布を有する請求項1記載の防眩性フィルム。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の防眩性フィルムを備える表示装置。
- 無機系および/または有機系の構造粘性剤を含有する電離放射線硬化型樹脂を、基材の凹凸面に塗布する工程と、
塗布した上記電離放射線硬化型樹脂を乾燥させて、上記電離放射線硬化型樹脂を上記基材の凹凸面に追随させる工程と、
上記基材の凹凸面に追随した上記電離放射線硬化型樹脂を硬化し、上記基材の凹凸面に倣ったハードコート層の凹凸面を形成する工程と
を備え、
上記ハードコート層の凹凸面は、頂部から底部に向かって広がる側面を有する複数の突起を備え、該複数の突起のうち隣り合う突起の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
上記ハードコート層の凹凸面の最大高さ(Rz)が、0.1μm以上1μm以下であり、
上記ハードコート層の凹凸面は、2.5°以上の傾斜角度成分と2°以下の傾斜角度成分との比が1/1000以下であり、0.5°以下の傾斜角度成分が全体の85%以下である傾斜角度分布を有する防眩性フィルムの製造方法。
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