JP5833712B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
しかし、画像表示部と保護部との空隙を一様に樹脂硬化物で充填すると、虹色の回折パターンが表示面で認識され、視認性が低下する場合がある。この原因の詳細については従来知られておらず、その解決手段も提案されていない。
また、凹凸形状の表面を有するディスプレイ用表面材は、付着した指紋を目立たなくするためにも提案されている(例えば、特許文献3)。さらに、互いに異なる屈折率を有する層を複数含む、画像表示装置用のハードコート層についても、異なる屈折率を有する層の界面に凹凸形状を形成することが提案されている(例えば、特許文献4〜6)。
[1] 画像表示部、及び該画像表示部上に配置された透光性の保護部を有する画像表示装置であって、
前記画像表示部と前記保護部との間に、屈折率差Δnが0.01〜0.2である界面が存在し、及び
前記画像表示部と前記保護部との間の光路長の面内分布の標準偏差σが40nm以上であることを特徴とする画像表示装置。
[2] 前記画像表示部と前記保護部との間に光学フィルムを有し、前記界面が、該光学フィルムとそれに隣接する層との隣接面であることを特徴とする[1]の画像表示装置。
[3] 前記光学フィルムの隣接面の表面粗さRaが150nm〜10000nmであることを特徴とする[2]の画像表示装置。
[4] 前記光学フィルムの隣接面の凹凸の平均間隔が10μm〜1000μmであることを特徴とする[2]又は[3]の画像表示装置。
[5] 前記光学フィルムが、透光性粒子を含有することを特徴とする[4]の画像表示装置。
[6] 前記透光性粒子の平均粒子径が5.0〜20.0μmであることを特徴とする[5]の画像表示装置。
[7] 前記光学フィルムが、基材フィルムと、その上に、透光性粒子を少なくとも含む層とを有する積層構造のフィルムであることを特徴とする[2]〜[6]のいずれかの画像表示装置。
[8] 前記光学フィルムの隣接面がサンドブラスト処理されていることを特徴とする[2]〜[7]のいずれかの画像表示装置。
[9] 前記光学フィルムが、流延法によって作製されたフィルムからなる又は該フィルムを含むことを特徴とする[2]〜[8]のいずれかの画像表示装置。
[10]前記光学フィルムが、誘電率が35以上の溶媒によって調製された主成分ポリマーを含む溶液から流延法によって作製されたフィルムからなる又は該フィルムを含む[2]〜[9]のいずれかの画像表示装置。
[11] 前記光学フィルムが、少なくとも粒子と主成分ポリマーとを含む溶液を用いた流延法によって作製されたフィルムからなる又は該フィルムを含むことを特徴とする[2]〜[10]のいずれかの画像表示装置。
[12]前記光学フィルムが、少なくとも粒子と主成分ポリマーとを含む溶液、及び該主成分ポリマーを含み粒子を含まない溶液を用いた共流延法によって作製されたフィルムからなる又は該フィルムを含むことを特徴とする[2]〜[11]のいずれかの画像表示装置。
[13] 前記光学フィルムが、偏光板の保護フィルムであることを特徴とする[2]〜[12]のいずれかの画像表示装置。
[14] 前記光学フィルムに隣接する層が、硬化性樹脂組成物からなる充填層である[2]〜[13]のいずれかの画像表示装置。
図1に示す画像表示装置は、液晶パネル等からなる画像表示部10と、ガラス板又はプラスチック基板等の透光性の保護部12と、その間16に、屈折率差Δnが0.01〜0.2の界面sを有する。画像表示部10と保護部12との間16には、層16a及び層16bが配置されていて、界面sは、これらの層16aと層16bとの間に存在し、即ちそれらの隣接面である。
なお、RaおよびSmはJIS B 0601(1994)に準拠して測定することができる。
光学フィルム:
本発明の画像表示装置では、上記条件を満足する界面を、画像表示部と保護部との間に存在させること等を目的として、画像表示部と保護部との間に光学フィルムを配置するのが好ましい。該光学フィルムは、画像表示装置内において、所定の用途の機能層として用いられていてもよい。例えば、画像表示部の保護部側最表層が、偏光膜であり、且つ光学フィルムを図1中の層16aとして配置する態様では、該偏光膜を保護する保護フィルムを層16aとして配置してもよいし、又は保護フィルムを含んでいる積層構造のフィルムを層16aとして配置してもよい。
共流延法においても、透光性粒子の使用量の好ましい範囲は、上記と同様である。
)の調製の容易性等の観点では、セルロースの脂肪酸エステル(セルロースアシレート)が好ましく、さらにはトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロースが特に好ましい。
本発明に光学フィルムとして利用可能な積層フィルムの具体例は以下の通りであるが、以下の具体例に限定されるものではない。
・基材フィルム/防眩層
・基材フィルム/防眩層/耐擦傷性層
・基材フィルム/帯電防止層/防眩層/耐擦傷性層
・基材フィルム/防眩層/耐擦傷性層(低屈折率層を兼ねる)
・基材フィルム/防眩層/帯電防止層/耐擦傷性層
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/耐擦傷性層
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/耐擦傷性層
・基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/耐擦傷性層
・基材フィルム/防眩層/高屈折率層/耐擦傷性層
・基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/耐擦傷性層
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/耐擦傷性層
・基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/耐擦傷性層
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/耐擦傷性層
これら機能性層の詳細については、特開2010−32916号公報に詳細な記載があり、参照することができる。
前記防眩層の屈折率は1.4〜1.6であるのが好ましく、1.45〜1.55であるのがより好ましい。また表面に、表面粗さRa及び凹凸の平均間隔が前記範囲である凹凸形状を表面に有しているのが好ましい。一方、基材フィルムと防眩層との間にも界面が存在するが、当該界面の屈折率差については特に制限はない。当該界面が凹凸形状である場合は、屈折率差は小さいほうが好ましく、上記範囲内、即ち0.01〜0.2であるのが好ましい。防眩層上に又は防眩層と基材フィルムとの間に、他の機能性層が配置された態様では、防眩層と機能性層との間、又は基材フィルムと機能性層との間にも界面が存在し、また2層以上の機能性層を有する態様では、機能性層間にも界面が存在する場合がある。当該界面の屈折率差Δnについても特に制限はないが、当該界面が凹凸形状である場合は、屈折率差は小さいほうが好ましく、上記範囲内、即ち0.01〜0.2であるのが好ましい。
防眩性層は、透光性粒子とそれを分散含有するマトリックスポリマー(マトリックスポリマーとなる重合性モノマーであってもよい)とを少なくとも含有する塗布液を、基材フィルム等の表面に塗布・乾燥・硬化して形成することができる。防眩層の厚みについては特に制限はないが、一般的には、1〜40μm程度であるのが好ましい。
粒子の形状は、真球又は不定形のいずれも使用できる。
さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂および多価アルコール等の、多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等も挙げられる。これらのモノマーは2種以上併用してもよく、また、2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂はバインダー全量に対して10〜100%含有することが好ましい。
エポキシ基を有するモノマー類は層を構成する全バインダーに対して20〜100質量%含有することが硬化収縮低減のために好ましく、35〜100質量%含有することがより好ましく、50〜100質量%含有することがさらに好ましい。
使用可能な高分子化合物の例には、セルロースエステル類(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースナイトレート等)、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸メチル等)、ポリスチレン等の樹脂が含まれる。
無機フィラーの添加量は、防眩層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは30〜75質量%である。
前記防眩層形成用塗布組成物中に添加される界面活性剤(特に、フッ素系ポリマー)の好ましい添加量は、塗布液に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
まず、防眩層を形成するための成分を含有した塗布液を調製する。次に、この塗布液を、基材フィルム又は基材フィルム上に形成された層の表面に塗布する。塗布方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が好ましく、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号明細書参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
次に、塗膜中の成分の硬化反応を進行させて、硬化して、防眩層を形成する。硬化反応は、電離放射線照射下及び/又は加熱下で進行させることができる。より具体的には、光照射、電子線ビーム照射、加熱処理などを実施して、硬化反応を進行させることができる。硬化反応の例には、架橋反応及び重合反応が含まれる。
前記基材フィルムの厚さは、通常25μm〜1000μm程度であり、好ましくは25μm〜250μmであり、30μm〜90μmであることがより好ましい。
本発明の画像表示装置は、画像表示部と保護部との間に、充填層を有しているのが好ましい。充填層としては、粘着剤、接着剤、硬化性樹脂組成物を硬化させてなる材料を用いることができる。特に硬化性樹脂組成物を硬化させてなる材料が好ましい。本発明の画像表示装置の一態様は、画像表示部と保護部との間であって、画像表示部の表面上に、表面に凹凸形状を有する前記光学フィルムを配置し、該光学フィルムと保護部との間の空隙に、硬化性樹脂組成物を充填し、硬化させてなる充填層を有する態様である。本態様では、光学フィルムと充填層との隣接面が、屈折率差Δnが0.01〜0.2の界面であって、当該界面が凹凸形状を有することによって、光路長が面内において所定の範囲で分布していることが好ましい。
形成される充填層の厚みについては特に制限はないが、形成される充填層の厚みは、50〜1000μm程度になるであろう。但し、この範囲に制限されるものではない。
本発明の画像表示装置が有する画像表示部は、液晶表示装置(LCD)の液晶パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)パネル、陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)パネル等の種々の画像表示パネルを用いることができる。特に好ましくは液晶表示装置(LCD)の液晶パネルである。液晶パネルのモードについては特に制限はなく、本発明の効果を得ることができる。ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶パネルを用いることができる。
本発明の画像表示装置が有する保護部は、透光性である。ここで、「透光性」とは、
可視光をほとんど吸収しないことを意味する。保護部としては、画像表示部と同程度の大きさの板状、シート状又はフィルム状の透光性部材から形成される。保護部として利用可能な透光性部材の例には、光学ガラス、プラスチック(ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂等)が含まれる。保護部の表面又は裏面には、反射防止膜、遮光膜、視野角制御膜等を配置してもよい。
基材フィルム上に防眩層を有する積層構造の光学フィルムを、以下の方法でそれぞれ製造した。
(1)基材フィルムの準備
ロール形態に巻き上げられた、長尺状の80μmの厚みの市販のアセチルセルロースフィルム(「TAC−TD80U」富士フイルム社製)を準備した。
下記表に記載の組成の塗布液をそれぞれ調製した。下記表中の数値は、質量%を意味する。また、下記表中の粒子1及び粒子2は、それぞれ以下の通りである。
粒子1:
平均粒径8.0μm[積水化成品工業(株)製]の架橋アクリル・スチレン粒子の30質量%MIBK分散液であって、ポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散して調製された粒子分散液。粒子の屈折率は1.555である。
粒子2:
エポスターM05(ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、(株)日本触媒製)の平均粒径5μmの粒子の30質量%MIBK分散液であって、ポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散して調製された粒子分散液。粒子の屈折率は1.66である。
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製];
Z7404:ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:MIBK/MEK=9/1、JSR(株)製]);
Irg127:重合開始剤(イルガキュア127[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]);
MIBK:メチルイソブチルケトン;
MEK:メチルエチルケトン;
SP−13:下記構造のフッ素系の界面活性剤(MEKの10質量%溶液として溶解した後に使用した。)
形成した各防眩層のバインダー部分の厚みは、実施例1〜2及び比較例3に関しては4μm、実施例3〜4及び比較例4に関しては2μm;並びに比較例2に関しては10μmであり、塗布量を調整することで上記厚みとした。なお、比較例1に用いた光学フィルムは防眩層を形成しておらず、即ち市販のセルロースアセテートフィルムをそのまま使用した。
上記で作製した各光学フィルムに、以下の条件の鹸化処理を行った。
まず、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した各光学フィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に各フィルムを温度120℃で十分に乾燥させた。このようにして、鹸化処理済み光学フィルムをそれぞれ製造した。
80μmの厚さの市販のアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)を準備し、1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬した後、中和及び水洗をした。
別途、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光膜を準備した。
偏光膜の一方の表面に、鹸化処理後の各光学フィルムを、他方の表面に上記鹸化処理後のアセチルセルロースフィルムを接着して、偏光板を作製した。
この様にして、偏光板をそれぞれ作製した。
市販のIPSモード液晶表示装置について、フロント側の偏光板を剥がして、上記作製した各偏光板を、防眩層がフロント側になるように貼合した。貼合には、粘着剤を用いた。
保護部として、コーニング社 Corning EAGLE XG 厚さ0.5mmを準備し、それをスペーサーを介して、液晶セル上に接着された光学フィルム上に配置し、固定した。光学フィルムと保護部との空隙は1mmであった。
充填層用硬化性樹脂組成物の組成:
ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物 100重量部
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート 30重量部
2−ヒドロキシブチルメタクリレート 10重量部
テルペン系水素添加樹脂 30重量部
ブタジエン重合体 210重量部
光重合開始剤
(商品名イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
7重量部
この様にして、上記で作製した各光学フィルムを用い、図1と同様の構成の画像表示装置をそれぞれ作製した。
但し、比較例2では、保護部を配置しなかった。
(1)光学フィルム及び充填層の屈折率
光学フィルム及び充填層の屈折率は、別途表面が平滑になるようにサンプルを作成し、アッベ屈折率計を用いて測定した。各光学フィルムについて、各防眩層用塗布液組成から透光性粒子を抜いた塗布液を作成し、ガラス基板上に塗布液を塗布後、防眩層と同条件で硬化させた。また充填層について、充填層と同じ塗布液をガラス基板上に塗布後、UVコンベアで搬送して紫外線を照射し硬化させた。
(2)光学フィルムの表面性状の測定
上記で作製した各光学フィルムの防眩層の表面のRaを菱化システム社製VertScan2.0を用いて測定した。
上記で作製した各光学フィルムの防眩層の表面のRMS(二乗平均平方根粗さ)を菱化システム社製VertScan2.0を用いて測定した。光学フィルムと保護と光学フィルムの間の層の屈折率差をΔnとし、式σ=Δn×RMSを用いて面内標準偏差を算出した。
別途、以下の方法で評価用サンプルをそれぞれ作製した。
ガラス1の上に粘着剤を介して、各光学フィルムを貼り、比較例2以外は最表面に、前記組成の硬化性樹脂組成物を塗布した。その上にガラス2を配置して封止し、紫外線を照射して硬化性樹脂組成物を硬化させて充填層を形成した。ガラス1の粘着剤の裏側は黒ペンキで塗りつぶした。
・鏡面反射率、積分球反射率
日本分光製 紫外可視分光光度計V550を用いて測定した。積分球反射率の値が小さいほど、その画像表示装置が明室環境下で黒締りが良好であることを示す。
・写像性
スガ試験機製 写像性測定器 ICM−1Tを用いて測定した。光学くし歯0.125mmの写像性評価値を表に記す。この値が小さいほど、その画像表示装置が虹色回折パターンを発生しにくいことを示す。
高さ2.5mの天井に蛍光灯(東芝製蛍光灯FHF32E)が備えられた部屋に、電源OFFの状態で各画像表示装置を設置し、虹色回折パターン及び黒締まりについて目視評価した。
・虹色回折パターン
回折虹の目視評価は、ディスプレイ表面に天井の蛍光灯を写り込ませ、その蛍光灯の周辺に虹色パターンが見えるかどうかで、以下の基準で評価した。
◎ 見えない
○ 少し見える
× はっきり見える
・黒締まり
黒締まりの目視評価は、画像表示装置を正面から観察し、画面の黒さで評価した。比較のため、各画像表示装置の隣に、裏を黒ペンキで塗りつぶしたガラス(以下、黒ガラス)板を置き、黒さを比較することで、以下の基準で評価した。
◎ 黒ガラスと同等
○ 黒ガラスよりも少し白い
× 黒ガラスよりも白い
一方、画像表示部と保護部との間の光路長が面内で一様な比較例1の画像表示装置では、虹色解決パターンが観察され、実施例と比較して表示特性が顕著に悪かった。
また、保護部を配置しなかった比較例2では、黒締まりが悪く、画面全体が白っぽかった。
比較例3及び4はそれぞれ、画像表示部と保護部との間に、防眩層を有する光学フィルムを配置しているので、屈折率差Δnが0.01〜0.2の界面が存在し、且つ光路長も面内において分布していたが、標準偏差が本発明の範囲外であったので、虹色回折パターンの軽減効果は得られなかった。
12 保護部
16a 光学フィルム
16b 充填層
s 界面
Claims (11)
- 画像表示部と、透光性の保護部と、表面に凹凸形状を有する光学フィルムとを、前記画像表示部と前記透光性の保護部との間であって画像表示部の表面上に前記光学フィルムが配置されるように配置する工程;及び
前記光学フィルムと前記透光性の保護部との間の空隙に、粘着剤、接着剤、又は硬化性樹脂組成物を硬化させてなる材料からなる充填層を配置する工程:
を含む、画像表示装置の製造方法であって、
前記画像表示装置が、画像表示部、及び該画像表示部上に配置された透光性の保護部を有する画像表示装置であり、
前記画像表示部の表面上に、表面に凹凸形状を有する光学フィルムが配置され、
該光学フィルムと保護部との間の空隙に、粘着剤、接着剤、又は硬化性樹脂組成物を硬化させてなる材料からなる充填層を有し、
前記光学フィルムと前記充填層との隣接面が、屈折率差Δnが0.01〜0.2の界面であって、前記画像表示部と前記保護部との間の光路長の面内分布の標準偏差σが40nm以上である、
前記の画像表示装置の製造方法。 - 前記充填層が、硬化性樹脂組成物を硬化させてなる材料からなる、請求項1に記載の方法。
- 前記透光性の保護部が、ガラス板又はプラスチック基板からなる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記光学フィルムの隣接面の表面粗さRaが150nm〜10000nmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光学フィルムの隣接面の凹凸の平均間隔が10μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光学フィルムが、透光性粒子を含有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記透光性粒子の平均粒子径が5.0〜20.0μmであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記光学フィルムが、基材フィルムと、その上に、透光性粒子を少なくとも含む層とを有する積層構造のフィルムであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光学フィルムの隣接面をサンドブラスト処理する工程を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光学フィルムを流延法によって作製する工程を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光学フィルムが、偏光板の保護フィルムであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
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