JPH08240802A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

光学素子およびその製造方法

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JPH08240802A
JPH08240802A JP7068882A JP6888295A JPH08240802A JP H08240802 A JPH08240802 A JP H08240802A JP 7068882 A JP7068882 A JP 7068882A JP 6888295 A JP6888295 A JP 6888295A JP H08240802 A JPH08240802 A JP H08240802A
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JP
Japan
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optical element
optical
resin layer
stamper
manufacturing
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JP7068882A
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English (en)
Inventor
Osamu Nishizaki
修 西崎
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶パネル等の光学部品,光学装置に容易に
密着させることができる光学素子およびその製造方法を
提供する。 【構成】 作製すべき光学要素(光学的ローパスフィル
タ)の光学機能面に相当する型面を持つスタンパ9と,
紫外線透過性をもつセパレータ13の一面上に形成された
粘着樹脂層12とを用い,スタンパの型面と粘着樹脂層と
の間に紫外線硬化樹脂10a,10bを充填し,セパレータ
側から紫外線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬
化させて上記光学要素を形成し,最後にスタンパを剥離
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,光学的ローパス・フィルタ,
フレネル・レンズ,マイクロレンズ・アレイ等の光学素
子,とくにスタンパを用いて樹脂成形が可能な光学素子
およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】この種の光学素子は様々な分野で応用され
ている。たとえば光学的ローパス・フィルタは,画素の
周期的配列構造に起因する,いわゆるサンプリング・ノ
イズを低減ないしは除去するために,ドットマトリクス
表示装置(たとえば液晶表示装置)の表示面に配置して
使用される。マイクロレンズ・アレイ(フレネル・レン
ズ・アレイを含む)もまた,液晶表示装置において,液
晶パネルの各画素に入射するバックライト光量を増大さ
せるために,液晶パネルとバックライト光源との間に配
置して使用される。
【0003】このような光学素子は,たとえば表示装置
において,他の部品(液晶パネル)などとともに,装置
のフレームに組込まれる。そのために,フレームにはあ
らかじめ組込用溝,係合部等を形成しておく必要がある
し,組立作業も必要である。また,光学素子と他の部品
との間に間隙があるとその分だけ装置が大型化する。
【0004】ドットマトリクス画像表示装置の代表例で
ある液晶パネルを考えてみると,それはビデオカメラの
ビューファインダ,携帯用テレビ等に応用されている。
これらの電子機器は持ち運びしやすいように小型化が要
求され,また低廉化が要請されている。小型化(薄型
化),組立工程の簡素化を図るために,液晶パネルと光
学的ローパスフィルタ等の光学素子とを密着させ,一体
化することが望まれている。
【0005】
【発明の開示】この発明は液晶パネル等の部品に容易に
密着させることが可能な光学素子を提供するものであ
る。
【0006】この発明はまた上記光学素子の製造方法を
提供するものである。
【0007】この発明による光学素子の製造方法は,作
製すべき光学要素の光学機能面に相当する型面を持つス
タンパと,紫外線透過性をもつセパレータの一面上に形
成された粘着樹脂層とを用い,スタンパの型面と粘着樹
脂層との間に紫外線硬化樹脂を充填し,セパレータ側か
ら紫外線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化さ
せて上記光学要素を形成し,最後にスタンパを剥離する
ものである。
【0008】この製造方法によって作製された光学素子
は,光学機能面を有する光学要素を含み,この光学要素
の光学機能面とは反対側の面に粘着樹脂層が設けられ,
この粘着樹脂層の外面がセパレータで覆われた構造をも
つ。
【0009】上記光学要素の例としては,光学的ローパ
ス・フィルタおよびフレネル・レンズを含む回折格子
や,マイクロレンズ・アレイがある。
【0010】上記の構造をもつ光学素子はセパレータを
剥して,粘着樹脂層により液晶パネル等の部品の表面に
容易に密着させかつ固定することができる。したがっ
て,この光学素子を用いた装置や機器の組立てが容易と
なり,その小型化,薄型化を図ることが可能となる。
【0011】光学要素に粘着樹脂層を貼り合わせる方法
を採用すると,光学要素と粘着樹脂層との間に気泡が混
入したり,しわが発生したりする。
【0012】この発明の製造方法によると,粘着樹脂層
を一種の基板として用い,この粘着樹脂層上にスタンパ
を用いて光学要素を樹脂成形している。このため,上述
した貼り合わせる方法に比べ,気泡の混入やしわの発生
を低減することが可能となる。
【0013】上述したこの発明の製造方法によって作製
された光学素子にさらに保護板を接着することにより,
複合光学素子を作製することができる。
【0014】このさらに発展した形の(複合)光学素子
の製造方法は,上記光学要素の光学機能面の上に接着層
を介して保護板を接着するものである。この接着層とし
ては上記光学要素と屈折率が異なる材料が用いられる。
接着層は次に述べる紫外線硬化樹脂のみならず他の樹脂
でもよい。
【0015】より具体的には,この発明の方法は上記光
学要素の光学的機能面と上記保護板との間に接着材とし
て紫外線硬化樹脂を充填し,上記セパレータ側から紫外
線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させ,上
記保護板を接着するものである。
【0016】光学素子の光学的機能面が保護板により覆
われるので光学的機能面が外力から保護される。この場
合に,保護板は基板である。
【0017】特に液晶表示装置において用いられる光学
素子においては,上記光学要素は光学的ローパス・フィ
ルタまたはマイクロレンズ・アレイである。また,上記
保護板として偏光板または位相差板が用いられる。この
ような偏光板または位相差板付の複合光学素子は,セパ
レータを剥して粘着樹脂層により液晶パネルの一面に固
定される。これにより,液晶表示装置の組立が一層容易
となり,その一層の小型化が図られる。
【0018】上述したさらに発展した製造方法は,保護
板が偏光板のとき(光学素子と偏光板とが一体化した複
合光学素子をつくるときに)次に説明するような特徴を
もつ。
【0019】偏光板は一般に紫外線の透過率が非常に低
い。したがって,偏光板を基板として,この偏光板とス
タンパ(光学素子作製用スタンパ)との間に紫外線硬化
樹脂を充填し,紫外線照射によってこの樹脂を硬化させ
るときに,紫外線を偏光板の側から照射しても(スタン
パはニッケル等の金属であるから,スンタパ側からは紫
外線を照射しても透過しない),紫外線硬化樹脂が硬化
するのに非常に時間がかかる。
【0020】上述したこの発明の方法によると,粘着樹
脂層上に既に光学素子が形成されている。この光学素子
と偏光板との間に接着材としての紫外線硬化樹脂が充填
される。紫外線は粘着樹脂層側から照射される。セパレ
ータおよび粘着樹脂として紫外線透過性の良いもの(こ
れは容易に入手可能である)を用いさえすれば,接着材
としての紫外線硬化樹脂を容易に硬化させることが可能
となる。
【0021】したがって,光学素子と偏光板とが一体化
した複合光学素子を容易に作製できる。
【0022】この発明による光学素子の製造方法では樹
脂としては紫外線硬化樹脂に必ずしも限定されない。こ
の発明による光学素子の製造方法は次のように統括でき
る。
【0023】すなわち,この発明の光学素子の製造方法
は,作製すべき光学要素の光学機能面に相当する型面を
持つスタンパと,セパレータの一面上に形成された粘着
樹脂層とを用い,スタンパの型面と粘着樹脂層との間に
樹脂を充填し,充填した樹脂を硬化させて上記光学要素
を形成し,最後にスタンパを剥離するものである。
【0024】この発明はさらに光学素子を提供してい
る。この光学素子は,セパレータと,このセパレータの
一面上に形成された粘着樹脂層と,粘着樹脂層上に形成
された光学要素とから構成され,上記光学要素の光学的
機能面が上記粘着樹脂層とは反対側の面に形成されてい
るものである。
【0025】複合構造の光学素子は,上記光学要素の光
学的機能面の上に接着層により接着された保護板をさら
に備えている。
【0026】上記光学要素は,例えば回折格子またはマ
イクロレンズ・アレイである。
【0027】特に液晶表示装置に利用される態様におい
ては,上記光学要素が光学的ローパス・フィルタであ
り,上記保護板が偏光板である。または,上記光学要素
が光学的ローパス・フィルタであり,上記保護板が位相
差板である。
【0028】この発明による光学素子は粘着樹脂層を利
用して液晶パネル等の部品に容易に固定することができ
る。また,この光学素子を用いた装置の小型化,薄型化
に寄与する。
【0029】
【実施例】図1および図2は光学素子の製造過程の一例
を示している。光学素子に含まれる光学要素は光学的ロ
ーパスフィルタである。光学要素の材料としては紫外線
硬化樹脂が用いられる。
【0030】セパレータ13上に形成された粘着樹脂層12
を用意する。この粘着樹脂層12およびセパレータ13は紫
外線領域(少なくとも紫外線硬化樹脂を硬化させるため
に用いる紫外線の波長を含む)において透明(透過率が
高い)(一般には可視光の波長帯域においても透明であ
る)な性質をもつ。このような性質をもつ粘着樹脂の一
例として日東電工(株)製MC−2000がある。
【0031】セパレータ13を下側にして,その上の粘着
樹脂層12上に紫外線硬化樹脂10aを滴下し,均一に広が
るのを待つ(図1(A1))。紫外線硬化樹脂10aが粘着樹
脂層12上で均一に広がらない場合にはスピン・コートま
たはロール・コートにより,紫外線硬化樹脂層の厚さを
均一にする(図1(A2))。粘着樹脂層12上に紫外線硬化
樹脂層10aが均一な膜厚で形成された様子が図1(B) に
示されている。紫外線硬化樹脂は兼気性のために半硬化
状態となる。
【0032】用いられる紫外線硬化樹脂としては,東洋
インキ製造(株)社製LE−3629(屈折率n=1.5
2),大日本インキ化学工業(株)社製GRANDIC
RCシリーズ(屈折率n=1.52〜1.53),DEFEN
SA HNAシリーズ(屈折率n=1.37)等がある。
【0033】光学的ローパスフィルタは位相型回折格子
の一種であり,一表面(光学機能面)上に正弦波状,三
角形状,矩形状,台形状等の凹凸(回折格子)が一定周
期で二次元的にかつ連続的に形成されているものであ
る。このような光学的ローパスフィルタの光学機能面に
対応した(凹凸が反対の)型面をもつスタンパ9をあら
かじめ用意する。
【0034】このスタンパ9の型面の中央部に,紫外線
硬化樹脂層10aのものと同じ紫外線硬化樹脂10bを滴下
し,紫外線硬化樹脂層10aにスタンパ9の型面が対面す
るように,紫外線硬化樹脂層10a上にスタンパ9を置
き,型面上に滴下した紫外線硬化樹脂10bが広がるまで
放置する(図2(C) )。
【0035】紫外線硬化樹脂10bをスタンパ9の型面の
中央に滴下し,この樹脂10bを外方に広がらせていくこ
とによって,樹脂10b内に気泡が混入することを防止さ
れる。
【0036】必要に応じてスタンパ9をセパレータ13に
対して押圧する。スタンパ9とセパレータ13とは互いに
平行な状態に保持される。スタンパ9を押圧したり,用
いる紫外線硬化樹脂の粘度を小さくすることにより,ス
タンパ9の型面上の紫外線硬化樹脂が広がる速度が速ま
る。
【0037】セパレータ13側から,セパレータ13を通し
て紫外線を照射し,紫外線硬化樹脂10a,10bを硬化さ
せる(図2(D) )。
【0038】紫外線硬化樹脂10a,10bが硬化したの
ち,スタンパ9を剥離する(図2(E))。紫外線硬化樹
脂10a,10bが光学的ローパスフィルタ10となる。
【0039】このようにして,セパレータ13上の粘着樹
脂層12上に一体的に光学的ローパスフィルタ10が形成さ
れた光学素子が得られる。得られた光学素子の一部を拡
大して示すのが図3である。光学的ローパスフィルタ10
の部分のみの断面図が図4に示されている。
【0040】図3および図4に示される光学的ローパス
フィルタは正弦波状光学的ローパスフィルタといわれて
いるもので,その一面(光学的機能面)に正弦波状の凹
凸が一定周期で二次元的に形成されている。一方向の正
弦波周期(ピッチ)とこれに直交する方向の正弦波周期
は同じでも,異なっていてもよい。光学的ローパスフィ
ルタ10の遮断空間周波数はそのピッチΛと格子厚dとに
よって規定される。正弦波状光学的ローパスフィルタは
優れた光学的ローパスフィルタ特性をもつといわれてい
る。
【0041】図5から図10は光学的ローパスフィルタの
他の例を示している。
【0042】図5に示す光学的ローパスフィルタ10Aは
一面に四角錐状の凸部(断面が三角形)が二次元的にか
つ連続的に形成されたものである。
【0043】図6に示す光学的ローパスフィルタ10Bは
いわゆるステップ・タイプのもので,直方体(立方体)
状の凸部(断面が矩形)が二次元的にかつ連続的に形成
されたものである。
【0044】図7に示す光学的ローパスフィルタ10Cは
プリズム板といわれるもので,一面上に四角錐状のプリ
ズムが直交する二方向に間隔をあけて形成されている。
【0045】図8に示す光学的ローパスフィルタ10Dは
一面上に,球面の一部からなる凸面が直交する二方向に
一定周期で形成されたものである。
【0046】図9に示す光学的ローパスフィルタ10E
は,図8の光学的ローパスフィルタ10Dと凹凸が反転し
た形状をもつもので,一面上に,球面の一部からなる凹
面が直交する二方向に一定周期で配置された形に形成さ
れたものである。
【0047】図10に示す光学的ローパスフィルタ10F
は,図7に示す光学的ローパスフィルタ10Cの四角錐プ
リズムの頂部を裁断した形をもつ。
【0048】このような光学的ローパスフィルタをもつ
光学素子もまた上述した方法により作製されるのはいう
までもない。
【0049】図11および図12は,セパレータ上の粘着樹
脂層に上述の方法により一体的に形成される光学要素の
他の例を示している。
【0050】図11において回折形フレネルレンズ14が粘
着樹脂層12上にスタンパを用いて紫外線硬化樹脂により
形成されている。フレネルレンズ14は複数の同心の円環
状凹凸パターンを有し,この円環状パターンの幅は外側
にいくほど狭くなっており,光の回折効果により光の集
光作用を達成する。ブレーズ化されたものが図示されて
いるが,ステップ・タイプの凹凸パターンでもよい。
【0051】図12において,多数のマイクロレンズ15a
が二次元的に配列されてなるマイクロレンズ・アレイ15
が粘着樹脂層12上にスタンパを用いて紫外線硬化樹脂に
より形成されている。このような粘着樹脂層12と一体化
されたマイクロレンズ・アレイ15は,特に後述するよう
な液晶表示装置において,セパレータ13を剥がし,粘着
樹脂層12により液晶パネルのバックライト光源側の面に
固定して用いることができる。マイクロレンズ・アレイ
15に含まれる各マイクロレンズ15aが液晶パネルの各画
素に1対1に対応する。バックライト光源からの光はマ
イクロレンズ15aによって集光され,液晶パネルの各画
素に入射する。これにより,明るい画像表示が可能とな
る。
【0052】上記以外の多くの種類の光学要素を用いる
ことができる。たとえば一次元回折格子なども光学要素
の一例である。
【0053】上述した光学素子はセパレータを剥がして
粘着樹脂層を露出させ,この粘着樹脂層により各種の光
学部品,光学装置,光学製品等に固定して利用される。
【0054】上述した光学素子はまた,光学要素の光学
的機能面に保護板を接着することにより複合光学素子を
製造するのに用いられる。
【0055】図13は複合光学素子の製造過程の一例を示
すものである。ここでは保護板としては偏光板が用いら
れ,その接着樹脂として紫外線硬化樹脂が用いられてい
る。
【0056】粘着樹脂層12上に形成された光学的ローパ
スフィルタ(光学要素)10の凹凸パターン面(光学的機
能面)上の中央に紫外線硬化樹脂11aを滴下する。(図
13(F) )。
【0057】この工程で用いる紫外線硬化樹脂として
は,上述した光学的ローパスフィルタを形成するときに
用いた紫外線硬化樹脂(図1(A1),(A2),(C) ,(D) )
とは異なる屈折率をもつものを用いる。
【0058】光学的ローパスフィルタ10上に滴下された
紫外線硬化樹脂11a上に偏光板24を置き,樹脂11aが広
がるまで放置する。樹脂11aが広がる速度を速めたい場
合には偏光板24を押圧するか,または樹脂11aの粘度を
小さくする。偏光板24は光学的ローパスフィルタ10と平
行な状態に保たれる。
【0059】セパレータ13側から紫外線を照射し,紫外
線硬化樹脂を硬化させる(図13(G))。
【0060】紫外線硬化樹脂11aは偏光板24と光学的ロ
ーパスフィルタ10との接着層11Aとなる。接着層11Aが
硬化すれば複合光学素子が完成する(図13(H) )。
【0061】このように,保護板として偏光板24を用い
た複合光学素子は後述する液晶表示装置において好適に
用いられる。
【0062】偏光板24は一般に紫外線透過率が非常に低
い。上述した製造方法によると,紫外線透過性を有する
セパレータ13および粘着樹脂層12側から紫外線を照射し
ているので,樹脂11aがすみやかに硬化する。
【0063】紫外線硬化樹脂11aに代えてエポキシ樹脂
(屈折率=1.46〜1.54)等の接着樹脂を用いることもで
きる。この場合には,接着樹脂を硬化させるのに常温で
放置してもよいし,加熱して硬化を促進してもよい。
【0064】図14は保護板として基板40が用いられた複
合光学素子を示している。基板40としては光学的に透明
な部材,たとえばガラス等が用いられる。この場合に
は,接着層11Aとしての紫外線硬化樹脂を硬化させると
きに,基板40側から紫外線を照射することができる。
【0065】光学要素(光学的ローパスフィルタ10等)
の光学的機能面には一般に凹凸パターンが形成されてい
る。この凹凸パターンは外力によって損傷したり,凹部
に塵埃が入りやすい。光学要素の光学的機能面を基板40
で覆うことにより,光学的機能面の保護が図られる。
【0066】上述した光学素子および複合光学素子のい
ずれにおいても,光学要素と他の部材(粘着樹脂層,保
護板)との界面において,空気との界面に比べて屈折率
差が小さいので,界面反射率が低くなるという特徴があ
る。このことは特に,光学素子または複合光学素子を液
晶表示装置等の表示装置に利用した場合に,コントラス
トの低下を防げるという利点につながる。
【0067】複合光学素子の応用例について説明する。
【0068】図15は液晶表示装置の構造を模式的に示す
ものである。この図において,作図の便宜上および理解
しやすさのために,液晶パネル,その他の構成要素の厚
さ方向がかなり拡大されて描かれ,長さ(または幅)方
向がかなり縮小されて(画素またはドットの数がきわめ
て少なく)描かれている。このことは,他の図にもあて
はまる。
【0069】液晶パネル20は2枚のガラス基板21,22を
有し,これらのガラス基板21と22との間のわずかの間隙
に液晶(図示略)が充填されている。2枚のガラス基板
21と22の間に描かれた破線はブラックマトリクス32を表
わしている。ブラックマトリクス32によって囲まれた範
囲が表示画素である。
【0070】図15に示す液晶表示装置はたとえば携帯型
テレビに設けられるものである。フレーム58Aに光源3
0,偏光板23および液晶パネル20がこの順序で取付けら
れかつ固定されている。図13(H) に示す偏光板24を備え
た複合光学素子が,セパレータ13を剥がして粘着樹脂層
12により液晶パネル20の外面に固定されている。
【0071】このようにして,フレーム58Aに組立てる
構成要素の数が少なくなり,組立てが簡単となる。要す
れば,光源30と液晶パネル20との間にマイクロレンズ・
アレイが設けられる。このマイクロレンズ・アレイとし
て,好ましくは,図12に示すものが用いられる。また,
偏光板24の外側面に反射防止膜が形成されるか,または
アンチグレアが施される。
【0072】液晶パネル20の前後には偏光板23,24が配
置される。光源側の偏光板23は光源からのランダム偏光
の光を直線偏光に変換するものである。これらの偏光板
23,24の偏光方向は互いに直交している。液晶パネルを
通過する光は直線偏光の光であることが前提である。と
ころが,液晶の種類によっては,液晶内を直線偏光の光
が通過するときに,その光を楕円偏光に変換するものが
ある。たとえば,スーパー・ツイスティッド・ネマティ
ック(STN)液晶である。このような液晶表示装置で
は表示画像のコントラストを向上させるために,液晶パ
ネルと外側の偏光板24との間に位相差板が配置される。
この位相差板によって楕円偏光の光が直線偏光に変換さ
れる。アクティブ方式の液晶パネル(Thin Film Transi
stor(TFT)方式やMetal Insulator Metal (MI
M)方式)においてもコントラストの向上のために位相
差板の利用が検討されている。
【0073】図16は位相差板が設けられた液晶表示装置
の例を示すものである。図15に示すものと同一物には同
一符号を付し重複説明を避ける。
【0074】液晶パネル20の外面に接着樹脂または粘着
樹脂11Bにより位相差板26が取付け固定されている。こ
の位相差板26の外面に,図13(H) に示す複合光学素子が
セパレータ13を剥がして粘着樹脂層12により固定されて
いる。
【0075】図17は保護板として位相差板26が用いられ
た複合光学素子の例を示すものである。図13(F) ,(G)
および(H) に示す工程にしたがって,偏光板に代えて位
相差板26を用いることにより,図17に示す複合光学素子
がつくられる。
【0076】図18は図17に示す複合光学素子を用いた液
晶表示装置を示すものである。液晶パネル20の外面に接
着樹脂または粘着樹脂11Bにより,図17に示す複合光学
素子がその位相差板26を内側にして固定されている。複
合光学素子の外面には,セパレータ13を剥がして粘着樹
脂層12により偏光板24が取付け固定される。
【0077】図19はビデオカメラに備えられるビューフ
ァインダの構成を示している。鏡筒59にレンズ57と表示
装置が取付けられる。表示装置は図15に示すものと同じ
構造を有し,フレーム58Bを含み,このフレーム58Bに
光源30,偏光板23および液晶パネル20が取付けられる。
液晶パネル20には,図13(H) に示す偏光板24と光学的ロ
ーパスフィルタ10を有する複合光学素子がその粘着樹脂
層12により固定される。
【0078】図20は液晶TV(テレビジョン)プロジェ
クタの光学的構成を示すものである。光源61によって発
生した光は,光源61の後方に配置された放物面鏡62で反
射してほぼ平行化され,コンデンサ・レンズ63によって
集光される。このコンデンサ・レンズ63によって集光さ
れる光の光路上に液晶パネル20が配置されている。液晶
パネル20とレンズ63との間に偏光板23が設けられ,液晶
パネル20の外面に図13(H) に示す複合光学素子が固定さ
れている。
【0079】液晶パネル20は外部から与えられる映像信
号によって制御される。これにより映像信号によって表
わされる画像が液晶パネル20の面上に現われる。液晶パ
ネル20および偏光板23,24を透過した光によって表わさ
れる画像が結像レンズ66を通して遠方のスクリーン67上
に結像される。
【0080】図21は人間の頭部に直接装着して用いるヘ
ッド・マウント・ディスプレイ装置への応用例を示して
いる。この装置の内部には,フレーム58に固定された液
晶表示装置が内蔵されている。この液晶表示装置は図15
に示すものと同じ構造をもつ。ユーザは接眼レンズ57を
通して,液晶表示装置に表示された画像のレンズ57によ
って形成された虚像を見ることになる。
【0081】この発明による光学素子および複合光学素
子は液晶パネルのみならず,他のすべてのドットマトリ
クス・タイプの表示装置,およびその他の光学装置に適
用できるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A1),(A2)および(B) は光学素子の製造工程を
示すものである。
【図2】(C) ,(D) および(E) は光学素子の製造工程を
示すものである。
【図3】正弦波状光学的ローパスフィルタを含む光学素
子を示す斜視図である。
【図4】正弦波状光学的ローパスフィルタの断面図であ
る。
【図5】光学的ローパスフィルタの他の例を示す断面図
である。
【図6】光学的ローパスフィルタのさらに他の例を示す
断面図である。
【図7】光学的ローパスフィルタのさらに他の例を示す
断面図である。
【図8】光学的ローパスフィルタのさらに他の例を示す
断面図である。
【図9】光学的ローパスフィルタのさらに他の例を示す
断面図である。
【図10】光学的ローパスフィルタのさらに他の例を示
す断面図である。
【図11】マイクロフレネル・レンズを含む光学素子を
示す斜視図である。
【図12】マイクロレンズ・アレイを含む光学素子を示
す斜視図である。
【図13】(F) ,(G) および(H) は複合光学素子の製造
工程を示すものである。
【図14】保護板として基板が設けられた複合光学素子
の例を示す断面図である。
【図15】液晶表示装置の構成例を模式的に示す断面図
である。
【図16】位相差板を含む液晶表示装置の構成例を模式
的に示す断面図である。
【図17】保護板として位相差板が設けられた複合光学
素子の例を示す断面図である。
【図18】位相差板を含む液晶表示装置の他の構成例を
模式的に示す断面図である。
【図19】ビューファインダの構成を示す断面図であ
る。
【図20】TVプロジェクタの構成を示す。
【図21】ヘッド・マウント・ディスプレイ装置の光学
的構成を示す。
【符号の説明】
9 スタンパ 10a,10b,11a 紫外線硬化樹脂 10,10A,10B,10C,10D,10E,10F 光学的ロー
パスフィルタ 11A,11B 接着樹脂または粘着樹脂 12 粘着樹脂層 13 セパレータ 14 マイクロフレネル・レンズ 15 マイクロレンズ・アレイ 15a マイクロレンズ 20 液晶パネル 21,22 ガラス基板 23,24 偏光板 26 位相差板 40 基板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作製すべき光学要素の光学機能面に相当
    する型面を持つスタンパと,紫外線透過性をもつセパレ
    ータの一面上に形成された粘着樹脂層とを用い,スタン
    パの型面と粘着樹脂層との間に紫外線硬化樹脂を充填
    し,セパレータ側から紫外線を照射することにより紫外
    線硬化樹脂を硬化させて上記光学要素を形成し,スタン
    パを剥離する,光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記光学要素が光学的ローパス・フィル
    タおよびフレネル・レンズを含む回折格子である,請求
    項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記光学要素がマイクロレンズ・アレイ
    である,請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記光学要素の光学機能面の上に接着層
    を介して保護板を接着する,請求項1に記載の光学素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記光学要素の光学的機能面と上記保護
    板との間に接着材として紫外線硬化樹脂を充填し,上記
    セパレータ側から紫外線を照射することにより紫外線硬
    化樹脂を硬化させ,上記保護板を接着する,請求項4に
    記載の光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記保護板が基板である,請求項4また
    は5に記載の光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記保護板が偏光板である,請求項4ま
    たは5に記載の光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記保護板が位相差板である,請求項4
    または5に記載の光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 セパレータと,このセパレータの一面上
    に形成された粘着樹脂層と,粘着樹脂層上に形成された
    光学要素とから構成され,上記光学要素の光学的機能面
    が上記粘着樹脂層とは反対側の面に形成されている,光
    学素子。
  10. 【請求項10】 上記光学要素の光学的機能面の上に接
    着層により接着された保護板をさらに備えている,請求
    項9に記載の光学素子。
  11. 【請求項11】 上記光学要素が回折格子またはマイク
    ロレンズ・アレイである,請求項9または10に記載の光
    学素子。
  12. 【請求項12】 上記光学要素が光学的ローパス・フィ
    ルタであり,上記保護板が偏光板である,請求項10に記
    載の光学素子。
  13. 【請求項13】 上記光学要素が光学的ローパス・フィ
    ルタであり,上記保護板が位相差板である,請求項10に
    記載の光学素子。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の光学素子が
    液晶パネルの前面に設けられている液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 作製すべき光学要素の光学機能面に相
    当する型面を持つスタンパと,セパレータの一面上に形
    成された粘着樹脂層とを用い,スタンパの型面と粘着樹
    脂層との間に樹脂を充填し,充填した樹脂を硬化させて
    上記光学要素を形成し,スタンパを剥離する,光学素子
    の製造方法。
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