第1の発明は、第1の箱体と前記第1の箱体の内側に配置された第2の箱体とで形成される閉空間に、略大気圧で沸点が零度以下の液状の第1の発泡剤と炭化水素からなる液状の第2の発泡剤とをポリウレタン樹脂の原料に混合させたものを充填して前記ポリウレタン樹脂を発泡させた発泡ポリウレタン樹脂を有する前面が開口した断熱箱体であって、前記断熱箱体の背面および側面の前記発泡ポリウレタン樹脂は、底面・天面方向に長い気泡を有することを特徴とする断熱箱体である。
この構成によれば、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の液状の第1の発泡剤を、炭化水素からなる液状の第2の発泡剤と共に用いて、ポリウレタン樹脂を発泡させており、第1の発泡剤は、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂の原料を、第1の箱体と第2の箱体とで形成される閉空間に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合は、本発明での発泡ポリウレタン樹脂の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
したがって、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の液状の第1の発泡剤を、炭化水素からなる液状の第2の発泡剤と共に用いて、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向にポリウレタン樹脂を発泡させることにより、高さ方向の強度を向上させて断熱箱体の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体を提供することができる。
また、本発明の断熱箱体を冷凍冷蔵庫に用いることにより、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記断熱箱体の背面における高さ方向の中間部より上方にのみ前記原料注入用の注入口を有する断熱箱体である。
この構成によれば、第1の発明の作用効果に加えて、発泡ポリウレタン樹脂充填前の断熱箱体を天面が上で底面が下になるように立てた状態で、背面における高さ方向の中間部より上方にのみ設けた原料注入用の注入口から発泡ポリウレタン樹脂の原料を注入して発泡ポリウレタン樹脂を充填することができ、背面における高さ方向の中間部より下方に注入口が必要なく、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。また、注入口が背面にあるので冷凍冷蔵庫の使用時に目に付き難く、特に側面の外観性に優れる。
第3の発明は、第1の発明において、前記断熱箱体の天面もしくは底面のどちらか一方に前記原料注入用の注入口を有する断熱箱体であり、第1の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
断熱箱体の天面に原料注入用の注入口を有する場合は、発泡ポリウレタン樹脂充填前の断熱箱体を天面が上で底面が下になるように立てた状態で、天面に設けた原料注入用の注入口から発泡ポリウレタン樹脂の原料を注入して、また、断熱箱体の底面に原料注入用の注入口を有する場合は、発泡ポリウレタン樹脂充填前の断熱箱体を底面が上で天面が下になるように立てた状態で、底面に設けた原料注入用の注入口から発泡ポリウレタン樹脂の原料を注入して、発泡ポリウレタン樹脂を充填することができ、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。また、注入口から重力方向下方に発泡ポリウレタン樹脂の原料を注入することができるので、注入した発泡ポリウレタン樹脂の原料が、落下途中で第2の箱体の天面と側面と第1の箱体の側面に当たらないように注入できる位置に注入口の位置を配置することにより、原料の落下時に背面または側面の壁面に原料が付いて想定外の箇所から発泡するのを抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂の未充填を抑えることができる。また、注入口が天面もしくは底面にあるので冷凍冷蔵庫の使用時に目に付き難く、特に注入口が底面にある場合は目に付く機会がほとんど無く、特に側面の外観性に優れる。
第4の発明は、第3の発明において、前記注入口を、側面側の縁部にそれぞれ有する断熱箱体であり、第3の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
この構成によれば、注入された原料が最初に充填するのは、断熱箱体の側面や背面に比べて小面積である天面もしくは底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面もしくは底面の全体に広げて充填することができる。これにより、右側面側の縁部と左側面側の縁部の2箇所から注入しても発泡ポリウレタン樹脂の未充填の発生を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口を2つにした場合は、注入ヘッドも2つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
第5の発明は、第3の発明において、前記注入口を、背面側の縁部に有する断熱箱体であり、第3の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
この構成によれば、注入された原料が最初に充填するのは、断熱箱体の側面や背面に比べて小面積である天面もしくは底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面もしくは底面の全体に広げて充填することができる。これにより、1点から注入しても発泡ポリウレタン樹脂の未充填を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口が1つにした場合は、注入ヘッドも1つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
第6の発明は、第1から5の発明における前記第1の発泡剤を、二酸化炭素にしたものであり、第1から5の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
二酸化炭素は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂を充填することができる。
第7の発明は、第1から5の発明のいずれかの断熱箱体と、圧縮機と凝縮器と膨張手段と蒸発器とを配管接続して冷凍サイクルを構成した冷却装置とを備え、前記冷却装置により前記断熱箱体の内側に形成される空間を冷却する冷凍冷蔵庫であり、断熱箱体が第1から5の発明のいずれかの作用効果を有するので、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
第8の発明は、第7の発明において、前記圧縮機が前記断熱箱体の上部に配置され、前記注入口が前記断熱箱体の底面にある冷蔵冷蔵庫であり、第7の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
圧縮機を載せるために、断熱箱体の上部の内箱となる第2の箱体および外箱となる第1の箱体は平らではなく変曲部が多く設けられており、流動抵抗が高く充填し難い。しかし、変曲部を下にして充填が可能なので、原料の粘度が低い状態で充填でき、均一な密度の充填が可能である。また、底面から充填するので注入口が見え難い位置であり、特に側面の外観性の良い冷凍冷蔵庫を実現できる。
第9の発明は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく天面もしくは背面における高さ方向の中間部より上方にのみ発泡ポリウレタン樹脂の原料注入用の注入口を有する第1の箱体と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく前記第1の箱体の内側に配置した第2の箱体とで、発泡ポリウレタン樹脂を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の液状の第1の発泡剤と、炭化水素からなる液状の第2の発泡剤とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している前記第1の箱体と前記第2の箱体との合体物を、天面が上で底面が下になるように立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を前記注入口から注入して、前記空間において底面から天面に向かう方向に前記発泡ポリウレタン樹脂を充填発泡させる充填発泡工程とを有する断熱箱体の製造方法である。
本発明の断熱箱体の製造方法により、上記第1の発明の断熱箱体または第2の発明の断熱箱体または第3の発明における天面に注入口がある場合の断熱箱体を得ることができる。また、発泡ポリウレタン樹脂を充填する空間を形成している第1の箱体及び第2の箱体の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
第10の発明は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく底面もしくは背面における高さ方向の中間部より下方にのみ発泡ポリウレタン樹脂の原料注入用の注入口を有する第1の箱体と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく前記第1の箱体の内側に配置した第2の箱体とで、発泡ポリウレタン樹脂を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の液状の第1の発泡剤と、炭化水素からなる液状の第2の発泡剤とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している前記第1の箱体と前記第2の箱体との合体物を、底面が上で天面が下になるように立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を前記注入口から注入して、前記空間において天面から底面に向かう方向に前記発泡ポリウレタン樹脂を充填発泡させる充填発泡工程とを有する断熱箱体の製造方法である。
本発明の断熱箱体の製造方法により、上記第1の発明の断熱箱体または第3の発明における底面に注入口がある場合の断熱箱体を得ることができる。また、発泡ポリウレタン樹脂を充填する空間を形成している第1の箱体及び第2の箱体の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
また、第9の発明と比較すると、発泡ポリウレタン樹脂を充填発泡する充填発泡工程では、底面が上で天面が下になるように上下逆さまにする必要があるが、充填発泡後に天面が上で底面が下になるように立てると注入口が目に付き難く、特に注入口が底面にある場合は目に付く機会がほとんど無く、外観性に優れる。
第11の発明は、断熱箱体と、圧縮機と凝縮器と膨張手段と蒸発器とを配管接続して冷凍サイクルを構成した冷却装置とを備え、前記冷却装置により前記断熱箱体の内側に形成される空間を冷却する冷凍冷蔵庫の製造方法であって、前記断熱箱体を第9または第10の発明の断熱箱体の製造方法により製造する冷凍冷蔵庫の製造方法であり、断熱箱体の製造については、第9または第10の発明の作用効果を有し、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を製造でき、また、冷凍冷蔵庫の製造コストを低減できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における断熱箱体の概略斜視図である。図2は、同実施の形態の断熱箱体の縦断面図である。図3は、同実施の形態の断熱箱体の背面図である。図4は、同実施の形態の断熱箱体の製造に用いる製造装置の概略構成図である。図5は、同実施の形態の断熱箱体内の発泡ポリウレタン樹脂の発泡方向の断面を示す顕微鏡写真である。
図1、図3に示すように、本実施の形態の断熱箱体101は、前面が開口し外側にある第1の箱体102と、前面が開口し外寸が第1の箱体102の内寸より小さく第1の箱体102の内側にある第2の箱体103と、第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に発泡充填形成された発泡ポリウレタン樹脂104とから構成されている。
断熱箱体101の背面の高さ方向の中間部より上方の左右の側面側(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)には、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入するための注入口105が設けられている。なお、断熱箱体101は幅や奥行きよりも高さ方向に長い形状をしている。すなわち、幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きい形状をしている。断熱箱体101の高さは1500mm以上であることが望ましい。
断熱箱体101の製造方法は、まず予め炭化水素からなる第2の発泡剤であるシクロペンタン106が混合されたポリオール107に、略大気圧で沸点が零度以下の第1の発泡剤である二酸化炭素108を液状でスタティックミキサー109により混合する。なお、シクロペンタン106とポリオール107の相溶性が低く分離し易い場合には、スタティックミキサー109の上流側に同様の混合手段を用いて、シクロペンタン106とポリオール107を混合しても構わない。
次に、ミキシングヘッド110において、シクロペンタン106と二酸化炭素108とが混合されたポリオール107にポリイソシアネート111を混合する。
次に、断熱箱体101の天面が上になるように設置した断熱箱体101の背面の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入し、シクロペンタン106及び二酸化炭素108が発泡し底面から天面方向に向かって充填発泡し、断熱箱体101が形成される。
これにより、背面および側面において発泡ポリウレタン樹脂104の気泡112の構造が図5記載のように底面から天面方向に伸びた形状で配向できる。すなわち、背面および側面において発泡ポリウレタン樹脂104は、底面・天面方向(高さ方向)に長い気泡を有する。
ここで、底面から天面方向に伸びた形状(底面・天面方向(高さ方向)に長い)とは、図5のように発泡ポリウレタン樹脂104の断面を顕微鏡等で拡大して観察し、気泡112の幅方向に対する高さ方向の長さの比が1.1倍以上になっている形状を指す。測定においては隣接している気泡112を少なくとも100個以上測定し、平均化することで求める。気泡112の長さは、気泡112の各方向における最大の長さを測定することで求める。
図示しないが、第1の箱体102と第2の箱体103が発泡ポリウレタン樹脂104の発泡圧で変形しないように、第1の箱体102及び第2の箱体103の発泡ポリウレタン樹脂104と逆側を発泡治具により固定した状態で発泡成形を行う。
ポリオール107には、予めシクロペンタン106以外に水、整泡剤、触媒などが混合されている。なお、二酸化炭素108は超臨界状態、亜臨界状態で混合しても構わない。また、二酸化炭素108をポリイソシアネート111側に混合しても構わない。
以上のように構成された本実施の形態の断熱箱体101は、略大気圧で沸点が零度以下の発泡剤を添加することで発泡しており、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を箱体に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合を比較すると、本発明(本実施の形態)の発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように底面から天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。これにより、断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。なお、強度とは圧縮強度と曲げ強度を表している。
また、背面の上下方向の中間部より上方にのみ注入口105を設けて充填することができるので、下方に注入口105が必要なく、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので製造コストを低減することができる。
また、断熱箱体101を立てた方向で発泡ポリウレタンの充填発泡形成が行えるので、断熱箱体101の前面を下にして充填発泡形成した従来からの一般的な場合よりも面積的に少ない用地で行うことができ、製造コストを低減することが可能である。
また、二酸化炭素108は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができる。
なお、発泡剤として、二酸化炭素108より気体の熱伝導率が低く非フロン系として広く利用されるシクロペンタン106を併用しているので、二酸化炭素108だけの場合に比べ、発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率を低くすることができ、断熱性能の高い断熱箱体101を提供できる。
また、二酸化炭素108の代わりに、略大気圧での沸点が氷点下19℃で、熱伝導率が二酸化炭素108より低いハイドロフルオロオレフィン(HFO)を用いると、断熱箱体101の断熱性能をさらに向上できる。
なお、断熱箱体101の高さが1500mm以上であることで本実施の形態の発泡ポリウレタン樹脂の効果が効果的になる。
本実施の形態の断熱箱体101は、第1の箱体102と第1の箱体102の内側に配置された第2の箱体103とで形成される閉空間に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とをポリウレタン樹脂の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)に混合させたものを充填してポリウレタン樹脂を発泡させた発泡ポリウレタン樹脂104を有する前面が開口した断熱箱体101であって、断熱箱体101の背面および側面の発泡ポリウレタン樹脂104は、底面・天面方向(高さ方向)に長い気泡を有する。
この構成によれば、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、ポリウレタン樹脂を発泡させており、二酸化炭素108(第1の発泡剤)は、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)を第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで液状のシクロペンタン106などの発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合は、本発明(本実施の形態)での発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面・天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
したがって、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂104の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向にポリウレタン樹脂を発泡させることにより、高さ方向の強度を向上させて断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101を冷凍冷蔵庫に用いることにより、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の背面における高さ方向の中間部より上方にのみ原料注入用の注入口105を有しているので、発泡ポリウレタン樹脂104充填前の断熱箱体101を天面が上で底面が下になるように立てた状態で、背面における高さ方向の中間部より上方にのみ設けた原料注入用の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入して発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができ、背面における高さ方向の中間部より下方に注入口105が必要なく、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。また、注入口105が背面にあるので冷凍冷蔵庫の使用時に目に付き難く、側面の外観性に優れる。
また、本実施の形態では、断熱箱体101の背面の注入口105を、第2の箱体103の背面と対向しないように背面の左右の側面側で第2の箱体103の左右の側面の位置より外側に注入口105の位置を配置しているので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の背面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入することができれば、原料の落下時に背面または側面の壁面に原料が付いて想定外の箇所から発泡するのを抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂の未充填を抑えることができる。
また、本実施の形態は、略大気圧で沸点が零度以下の第1の発泡剤に二酸化炭素108を用いたが、二酸化炭素108は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101の製造方法は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく背面における高さ方向の中間部より上方にのみ発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入用の注入口105を有する第1の箱体102と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく第1の箱体102の内側に配置した第2の箱体103とで、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している第1の箱体102と第2の箱体103との合体物を、天面が上で底面が下になるように立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を注入口105から注入して、前記空間において底面から天面に向かう方向に発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡させる充填発泡工程とを有するものである。
本実施の形態の断熱箱体101の製造方法により、本実施の形態の断熱箱体101を得ることができる。また、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成している第1の箱体102及び第2の箱体103の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における断熱箱体の概略斜視図である。図7は、同実施の形態の断熱箱体の天面図である。
なお、実施の形態2の断熱箱体の製造方法は、図4に示した実施の形態1の製造方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図6、図7に示すように、本実施の形態の断熱箱体101は、前面が開口し外側にある第1の箱体102と、前面が開口し外寸が第1の箱体102の内寸より小さく第1の箱体102の内側にある第2の箱体103と、第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に発泡充填形成された発泡ポリウレタン樹脂104とから構成されている。
断熱箱体101の天面には、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入するための注入口105が設けられており、天面における断熱箱体101の側面側の縁側(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)に両側各1個ずつ配設してある。
断熱箱体101の発泡ポリウレタン樹脂104の原料の注入は、天面に設けた注入口105から底面に向けて注入することで行う。
以上のように構成された本実施の形態の断熱箱体101は、略大気圧で沸点が零度以下の発泡剤を添加することで発泡しており、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を箱体に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合を比較すると、本発明(本実施の形態)の発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、発泡ポリウレタン樹脂104の充填性が高くできるので、天面に配置した注入口105からウレタン樹脂原料を注入し、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面から天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
これにより、断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。
また、天面から底面に、もしくは底面から天面に原料を垂直に入れることができるので、原料の落下時に壁面に原料が付き想定外の箇所からの発泡を抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑えることができる、
これにより、高さ方向の強度を向上することができ外観性に優れた断熱箱体101を実現できる。また、注入口105が天面もしくは底面にあるので断熱箱体101の使用時に見え難く、特に側面の外観性に優れる。
また、この構成によれば、注入された原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の側面や背面に比べて小面積である天面もしくは底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面もしくは底面の全体に広げて充填することができる。
これにより、2点から注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生を抑え、均一な密度になる充填を実現することができ、高さ方向の強度を向上することができるので特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を実現できる。また、注入口105が2つでいいので、注入ヘッドも2つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。また、注入口105が天面もしくは底面にあるので冷凍冷蔵庫113の使用時に見え難く、特に側面の外観性に優れる。
本実施の形態の断熱箱体101は、第1の箱体102と第1の箱体102の内側に配置された第2の箱体103とで形成される閉空間に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とをポリウレタン樹脂の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)に混合させたものを充填してポリウレタン樹脂を発泡させた発泡ポリウレタン樹脂104を有する前面が開口した断熱箱体101であって、断熱箱体101の背面および側面の発泡ポリウレタン樹脂104は、底面・天面方向(高さ方向)に長い気泡を有する。
この構成によれば、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、ポリウレタン樹脂を発泡させており、二酸化炭素108(第1の発泡剤)は、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)を第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで液状のシクロペンタン106などの発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合は、本発明(本実施の形態)での発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面・天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
したがって、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂104の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向にポリウレタン樹脂を発泡させることにより、高さ方向の強度を向上させて断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101を冷凍冷蔵庫に用いることにより、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の天面にのみ原料注入用の注入口105を有しているので、発泡ポリウレタン樹脂104充填前の断熱箱体101を天面が上で底面が下になるように立てた状態で、天面に設けた原料注入用の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入して発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができ、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。
また、注入口105から重力方向下方に発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入することができるので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の天面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入できる位置に注入口105の位置を配置することにより、原料の落下時に背面または側面の壁面に原料が付いて想定外の箇所から発泡するのを抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑えることができる。また、注入口105が天面にあるので冷凍冷蔵庫の使用時に目に付き難く、特に側面の外観性に優れる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の天面の注入口105を、第2の箱体103の天面と対向しない左右の側面側の縁部(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)にそれぞれ有するので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の天面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入することが容易にでき、注入された発泡ポリウレタン樹脂104の原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の側面や背面に比べて小面積である底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して底面の全体に広げて充填することができる。
これにより、天面における右側面側の縁部と左側面側の縁部の2箇所から注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口を2つにした場合は、注入ヘッドも2つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
また、本実施の形態は、略大気圧で沸点が零度以下の第1の発泡剤に二酸化炭素108を用いたが、二酸化炭素108は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101の製造方法は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく天面における左右の側面側の縁側に両側各1個ずつのみ発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入用の注入口105を有する第1の箱体102と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく第1の箱体102の内側に配置した第2の箱体103とで、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している第1の箱体102と第2の箱体103との合体物を、天面が上で底面が下になるように立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を注入口105から注入して、前記空間において底面から天面に向かう方向に発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡させる充填発泡工程とを有するものである。
本実施の形態の断熱箱体101の製造方法により、本実施の形態の断熱箱体101を得ることができる。また、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成している第1の箱体102及び第2の箱体103の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における断熱箱体の概略斜視図である。図9は、同実施の形態の断熱箱体の天面図である。
なお、実施の形態3の断熱箱体の製造方法は、図4に示した実施の形態1の製造方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図8、図9に示すように、本実施の形態の断熱箱体101は、前面が開口し外側にある第1の箱体102と、前面が開口し外寸が第1の箱体102の内寸より小さく第1の箱体102の内側にある第2の箱体103と、第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に発泡充填形成された発泡ポリウレタン樹脂104とから構成されている。
断熱箱体101の天面には、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入するための注入口105が設けられており、天面における断熱箱体101の背面側の縁側(第2の箱体103の背面より奥側)に1個配設してある。
以上のように構成された本実施の形態の断熱箱体101は、注入された原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の側面や背面に比べて小面積である天面もしくは底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面もしくは底面の全体に広げて充填することができる。これにより、1点から注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口105が1つでいいので、注入ヘッドも1つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
本実施の形態の断熱箱体101は、第1の箱体102と第1の箱体102の内側に配置された第2の箱体103とで形成される閉空間に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とをポリウレタン樹脂の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)に混合させたものを充填してポリウレタン樹脂を発泡させた発泡ポリウレタン樹脂104を有する前面が開口した断熱箱体101であって、断熱箱体101の背面および側面の発泡ポリウレタン樹脂104は、底面・天面方向(高さ方向)に長い気泡を有する。
この構成によれば、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、ポリウレタン樹脂を発泡させており、二酸化炭素108(第1の発泡剤)は、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)を第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで液状のシクロペンタン106などの発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合は、本発明(本実施の形態)での発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面・天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
したがって、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂104の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向にポリウレタン樹脂を発泡させることにより、高さ方向の強度を向上させて断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101を冷凍冷蔵庫に用いることにより、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の天面にのみ原料注入用の注入口105を有しているので、発泡ポリウレタン樹脂104充填前の断熱箱体101を天面が上で底面が下になるように立てた状態で、天面に設けた原料注入用の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入して発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができ、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。
また、注入口105から重力方向下方に発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入することができるので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の天面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入できる位置に注入口105の位置を配置することにより、原料の落下時に背面または側面の壁面に原料が付いて想定外の箇所から発泡するのを抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑えることができる。また、注入口105が天面にあるので冷凍冷蔵庫の使用時に目に付き難く、特に側面の外観性に優れる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の天面の注入口105を、第2の箱体103の天面と対向しない背面側の縁部(第2の箱体103の背面より奥側)に有するので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の天面と背面と第1の箱体102の背面に当たらないように注入することが容易にでき、注入された発泡ポリウレタン樹脂104の原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の側面や背面に比べて小面積である底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して底面の全体に広げて充填することができる。
これにより、1点から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口105が1つにした場合は、注入ヘッドも1つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
また、本実施の形態は、略大気圧で沸点が零度以下の第1の発泡剤に二酸化炭素108を用いたが、二酸化炭素108は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101の製造方法は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく天面における背面側の縁側に1個のみ発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入用の注入口105を有する第1の箱体102と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく第1の箱体102の内側に配置した第2の箱体103とで、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している第1の箱体102と第2の箱体103との合体物を、天面が上で底面が下になるように立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を注入口105から注入して、前記空間において底面から天面に向かう方向に発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡させる充填発泡工程とを有するものである。
本実施の形態の断熱箱体101の製造方法により、本実施の形態の断熱箱体101を得ることができる。また、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成している第1の箱体102及び第2の箱体103の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における冷凍冷蔵庫を右側から見た概略構成図である。図11は、同実施の形態の冷凍冷蔵庫の天面図である。
図10、図11に示すように、本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、前面1方向に開口部を設けた実施の形態2と同様の構成の断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部を閉じるように配設された断熱扉114と、断熱箱体101と断熱扉114とから形成される密閉空間(収納室115)を冷却する冷却装置116とから構成されている。
断熱箱体101と断熱扉114とから形成される空間は、野菜室、冷蔵室、冷凍室などの収納室115として使用される。断熱扉114は断熱箱体101の開口部を閉じるように複数枚配設されており複数の収納室115が形成されている。
冷却装置116は、圧縮機116aと、凝縮器116bと、膨張手段(図示せず)と、蒸発器116cとから構成されている。凝縮器116bと蒸発器116cとの間には、キャピラリーチューブや膨張弁などの膨張手段が配設されている。圧縮機116a、凝縮器116b、蒸発器116cは配管接続されて冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルでつくられた冷気が収納部へ供給して内部を冷却する。
断熱箱体101の天面には、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入するための注入口105が設けられており、天面における断熱箱体101の側面側の縁側に両側各1個ずつ配設してある。なお、冷凍冷蔵庫113は幅や奥行きよりも高さ方向に長い形状をしている。本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、外形寸法(幅×奥行×高さ)が600×650×1800mmである。
発泡ポリウレタン樹脂104は、実施の形態2と同様に断熱箱体101の天面の注入口105から注入され、シクロペンタン106と液状の二酸化炭素108によって発泡成形されてなる。なお、実施の形態4の断熱箱体101の製造方法は実施の形態2の製造方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以上のように構成された冷凍冷蔵庫113において、略大気圧で沸点が零度以下の発泡剤を添加することで発泡しており、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を箱体に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合を比較すると、本発明(本実施の形態)の発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、発泡ポリウレタン樹脂104の充填性が高くできるので、背面の中心より上方の注入口105からウレタン樹脂原料を注入し、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面から天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
これにより、冷凍冷蔵庫113の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫113を提供することができる。
また、天面から底面に、もしくは底面から天面に原料を垂直に入れることができるので、原料の落下時に壁面に原料が付き想定外の箇所からの発泡を抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑えることができる、これにより、高さ方向の強度を向上することができ特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫113を実現できる。
また、注入された原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の小面積である天面もしくは底面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面もしくは底面に広げて充填することができるので、2点から注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑え、均一な発泡ポリウレタン樹脂104の充填をすることができる。また、注入口105が2つで済むので、注入ヘッドも2つでよく、設備コストを抑えることができる。また、冷凍冷蔵庫113を立てた方向で発泡ポリウレタンの充填発泡形成が行えるので、冷凍冷蔵庫113の前面を下にして充填発泡形成した場合よりも面積的に少ない用地で行うことができ、製造コストを低減することが可能である。
なお、発泡剤として、二酸化炭素108より気体の熱伝導率が低く非フロン系として広く利用されるシクロペンタン106を併用しているので、二酸化炭素108だけの場合に比べ、発泡ポリウレタン樹脂104の熱伝導率を低くすることができ、断熱性能の高い冷凍冷蔵庫113を提供できる。また、二酸化炭素108の代わりに、略大気圧での沸点が氷点下19℃で、熱伝導率が二酸化炭素108より低いハイドロフルオロオレフィン(HFO)を用いると、冷凍冷蔵庫113のエネルギー消費をさらに削減できる。
また、本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、実施の形態2と同様の構成の断熱箱体101と、圧縮機116aと凝縮器116bと膨張手段と蒸発器116cとを配管接続して冷凍サイクルを構成した冷却装置116とを備え、冷却装置116により断熱箱体101の内側に形成される空間(収納室115)を冷却する冷凍冷蔵庫であり、断熱箱体101が実施の形態2と同様の作用効果を有するので、冷凍冷蔵庫113の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫113を実現することができる。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5における冷凍冷蔵庫を右側から見た概略構成図である。図13は、同実施の形態の冷凍冷蔵庫の底面図である。
なお、実施の形態5の冷凍冷蔵庫113の製造方法は実施の形態4の製造方法とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
図12、図13に示すように、本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、実施の形態4の冷凍冷蔵庫113の構成とほぼ同じであり、相違点は、圧縮機116aが冷凍冷蔵庫113の上部に配設してあること、注入口105が冷凍冷蔵庫113の底面にあることである。注入口105は、底面における断熱箱体101の側面側の縁側(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)に両側各1個ずつ配設してある。
発泡ポリウレタン樹脂104は、断熱箱体101の天面を下にして設置して底面の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104を注入し、天面から底面の方向にシクロペンタン106と液状の二酸化炭素108によって発泡することで形成される。
以上のように構成された冷凍冷蔵庫113は、圧縮機116aを載せるために、断熱箱体101の上部の内箱および外箱は平らではなく変曲部が多く設けられており、流動抵抗が高く充填し難い。しかし、変曲部を下にして充填されるので、原料の粘度が低い状態で充填でき、均一な密度の充填が可能である。また、底面から充填するので注入口105が見え難い位置であり、特に側面の外観性の良い冷凍冷蔵庫113を実現できる。
本実施の形態の冷凍冷蔵庫113に用いた断熱箱体101は、第1の箱体102と第1の箱体102の内側に配置された第2の箱体103とで形成される閉空間に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とをポリウレタン樹脂の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)に混合させたものを充填してポリウレタン樹脂を発泡させた発泡ポリウレタン樹脂104を有する前面が開口した断熱箱体101であって、断熱箱体101の背面および側面の発泡ポリウレタン樹脂104は、底面・天面方向(高さ方向)に長い気泡を有する。
この構成によれば、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、ポリウレタン樹脂を発泡させており、二酸化炭素108(第1の発泡剤)は、常温でも大気圧下にすることで気化して気体となり膨張するため、発泡ポリウレタン樹脂104の原料(ポリオール107、ポリイソシアネート111、水、整泡剤、触媒など)を第1の箱体102と第2の箱体103とで形成される閉空間に注入した直後から発泡することができる。
従来では原料の発熱反応による熱や外部からの熱等が加わることで液状のシクロペンタン106などの発泡剤が気化して発泡が始まるので、発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入から発泡開始まで時間がかかっていたので、同量の体積まで発泡が進んだ時点での硬化度合は、本発明(本実施の形態)での発泡ポリウレタン樹脂104の方が硬化していない状態にできる。
よって、側面や背面の気泡112の配向が断熱箱体101の高さ方向になるように(気泡が底面・天面方向に長くなるように)底面・天面方向に発泡させ発泡距離が長くなっても、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生抑制や密度を均一に充填することができ、高さ方向の強度を向上させることができる。
したがって、発泡剤に、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)を、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)と共に用いて、側面や背面の発泡ポリウレタン樹脂104の気泡が底面・天面方向に長くなるように底面・天面方向にポリウレタン樹脂を発泡させることにより、高さ方向の強度を向上させて断熱箱体101の撓みを抑え、特に側面の外観性に優れた断熱箱体101を提供することができる。
また、本実施の形態の断熱箱体101を冷凍冷蔵庫に用いることにより、冷凍冷蔵庫の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫を実現することができる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の底面にのみ原料注入用の注入口105を有しているので、発泡ポリウレタン樹脂104充填前の断熱箱体101を底面が上で天面が下になるように上下逆さまに立てた状態で、底面に設けた原料注入用の注入口105から発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入して発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができ、注入口の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済み、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができるので、製造コストを低減することができる。
また、注入口105から重力方向下方に発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入することができるので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の底面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入できる位置に注入口105の位置を配置することにより、原料の落下時に背面または側面の壁面に原料が付いて想定外の箇所から発泡するのを抑えることができ、均一な密度の実現や、発泡ポリウレタン樹脂104の未充填を抑えることができる。また、注入口105が底面にあるので目に付く機会がほとんど無く、外観性に優れる。
また、本実施の形態は、断熱箱体101の底面の注入口105を、第2の箱体103の底面と対向しない左右の側面側の縁部(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)にそれぞれ有するので、注入した発泡ポリウレタン樹脂104の原料が、落下途中で第2の箱体103の底面と側面と第1の箱体102の側面に当たらないように注入することが容易にでき、注入された発泡ポリウレタン樹脂104の原料が最初に充填するのは、断熱箱体101の側面や背面に比べて小面積である天面であり、長手方向から注入するので重力を利用して天面の全体に広げて充填することができる。
これにより、底面における右側面側の縁部と左側面側の縁部の2箇所から注入しても発泡ポリウレタン樹脂104の未充填の発生を抑え、均一な密度になる充填を実現することができる。また、注入口を2つにした場合は、注入ヘッドも2つでよく、それに係る設備も低減することができるので、設備コストを抑えることができる。
また、本実施の形態は、略大気圧で沸点が零度以下の第1の発泡剤に二酸化炭素108を用いたが、二酸化炭素108は、略大気圧での沸点が氷点下79℃であり、発泡力が非常に高く、化学的に安定し、耐環境性にも優れた物質である。これを発泡剤として用いることで、発泡力が高く充填性を高くできるので、発泡距離が長くても発泡ポリウレタン樹脂104を充填することができる。
また、本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、断熱箱体101と、圧縮機116aと凝縮器116bと膨張手段と蒸発器116cとを配管接続して冷凍サイクルを構成した冷却装置116とを備え、冷却装置116により断熱箱体101の内側に形成される空間(収納室115)を冷却する冷凍冷蔵庫であり、断熱箱体101が上記作用効果を有するので、冷凍冷蔵庫113の撓みを低減し、特に側面の外観性に優れた冷凍冷蔵庫113を実現することができる。
また、本実施の形態の冷凍冷蔵庫113は、圧縮機116aが断熱箱体101の背面上部(天面奥部)に配置され、注入口105が断熱箱体101の底面にある冷蔵冷蔵庫113であり、圧縮機116aを背面上部(天面奥部)に載せるために、断熱箱体101の上部の内箱となる第2の箱体103および外箱となる第1の箱体102は平らではなく変曲部が多く設けられており、流動抵抗が高く充填し難い。しかし、変曲部を下にして充填が可能なので、原料の粘度が低い状態で充填でき、均一な密度の充填が可能である。また、底面から充填するので注入口105が見え難い位置であり、外観性の良い冷凍冷蔵庫を実現できる。
また、本実施の形態の断熱箱体101の製造方法は、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく底面における左右の側面側の縁側に両側各1個ずつのみ発泡ポリウレタン樹脂104の原料注入用の注入口105を有する第1の箱体102と、前面が開口し幅と奥行きと高さの各寸法のうち高さの寸法が最も大きく第1の箱体102の内側に配置した第2の箱体103とで、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成する空間形成工程と、略大気圧で沸点が零度以下の氷点下79℃である液状の二酸化炭素108(第1の発泡剤)と、炭化水素からなる液状のシクロペンタン106(第2の発泡剤)とを、ポリウレタン樹脂の原料に混合させる原料混合工程と、前記空間形成工程により空間を形成している第1の箱体102と第2の箱体103との合体物を、底面が上で天面が下になるように上下逆さまに立てた状態で、前記原料混合工程で得た混合物を注入口105から注入して、前記空間において天面から底面に向かう方向に発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡させる充填発泡工程とを有するものである。
本実施の形態の断熱箱体101の製造方法では、発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡する充填発泡工程で、底面が上で天面が下になるように上下逆さまにする必要があるが、充填発泡後に天面が上で底面が下になるように立てると、注入口105が目に付く機会がほとんど無く、外観性に優れる。
本実施の形態の断熱箱体101の製造方法では、発泡ポリウレタン樹脂104を充填する空間を形成している第1の箱体102及び第2の箱体103の合体物を立てた状態で、発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行えるので、前面を下にして横に寝かせた状態で充填発泡形成する従来の一般的な製造方法よりも面積的に少ない用地で発泡ポリウレタン樹脂104の充填発泡形成が行うことができ、また、注入口105の数が少なくて済み、注入ヘッド等の設備が少なくて済むので、製造コストを低減できる。
なお、本実施の形態では、断熱箱体101の底面にのみ注入口105を設けたが、断熱箱体101の底面にのみ注入口105を設ける代わりに、背面の高さ方向の中間部より下方の左右の側面側(第2の箱体103の左右の側面の位置より外側)にのみ、発泡ポリウレタン樹脂104の原料を注入するための注入口105が設けても構わず、その場合は、発泡ポリウレタン樹脂104を充填発泡する充填発泡工程で、底面が上で天面が下になるように上下逆さまにする以外は、実施の形態1における断熱箱体101の製造方法と同様の製造方法で製造する。