JP2011088635A - ドリップシート - Google Patents

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Abstract

【課題】魚介類や食肉等の食品から出るドリップ(血汁)を吸収するために、これらの食品の下に敷いたり、包む際に使用するドリップシートに関し、特にはドリップの吸収度を高め、ドリップの逆戻りを防ぐとともに、食品の滑りを防止して使い勝手を高めたドリップシートを提供する。
【解決手段】食品から出るドリップDを吸収するためのドリップシート1であって、液吸収性を有する吸収層2と、吸収層2の一面に一体形成された表面層3からなり、表面層3は疎水性繊維6を原料とし、微細な繊維間間隙を有する多孔質であるドリップシートを提供する。そして、表面層3は疎水性繊維6を原料として微細な繊維間間隙を有する多孔質に抄紙されおり、微細な繊維間間隙を均質に有している。
【選択図】図3

Description

本発明は魚介類や食肉等の食品から出るドリップ(血汁)を吸収するために、これらの食品の下に敷いたり、包む際に使用するドリップシートに関し、特にはドリップの吸収性能を高め、ドリップの逆戻りを防ぐとともに、食品の滑りを防止して使い勝手を高めたものである。
魚介類や食肉等の食品の販売或いは保存に際しては、これらの食品から滲出するドリップを吸収するために、液吸収性を有するドリップシートが使用されている。例えば、スーパーマーケット等においては、魚介類や食肉等の食品の定量をトレイに載置し、透明なフィルムで包装した状態で陳列して販売することが主流となっている。その際、陳列時間の経過とともに、食品からドリップが滲出してトレイに溜まることとなり、食品の見映えを損ねるだけでなく、傷みを早める原因にもなる。そこで、ドリップが出る食品の下にはドリップシートを敷いて、ドリップを吸収するようにしている。また、レストラン等の営業店舗や家庭においても、ドリップを吸収するために、魚介類や食肉等のドリップの出る食品の保管に際しては、ドリップシートを食品の下に敷いたり、食品をドリップシートで包装して冷蔵庫等で保管している。
ドリップシートとしては、所定形状に切断した液吸収性を有するシート状の不織布をそのまま使用することから始まり、種々の改良が加えられている。近時はパルプを原料とする液吸収性を有する吸収層の一面に、多数の孔を備えたプラスチックシートや(特許文献1)、合成樹脂製の網体(特許文献2)を貼り合わせたドリップシートが主流となっている。また、これらのドリップシートの改良として、載置された食品の色の悪化を防止することを目的とするドリップシートや(特許文献3)、液吸収性のシートの吸収能力以上のドリップを貯留可能とすることを目的とするドリップシートも提供されている(特許文献4)。
特許文献1,2にかかるドリップシートの構成を基本として、特許文献3にかかるドリップシートは食品の色の悪化防止を、又特許文献4にかかるドリップシートは液吸収性のシートの吸収能力以上のドリップを貯留可能とするという固有の解決すべき課題を有している。しかしながら、これら特許文献1〜4はいずれも、液吸収性を有する吸収層の表面に多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムを貼り合わせてなり、表面に位置する不透液性フィルムの孔を介してドリップを吸収層に吸収する構成を共通して基本としている。
実開平03−85886号公報 特開平09−86569号公報 特開2002−302182号公報 特開2008−265798号公報
従来の液吸収性を有するシート状の不織布をそのまま使用したドリップシートでは、吸収されたドリップが食品とともに看取されるため、見映えが損なわれるとともに、常に吸収されたドリップが直接食品に触れる状態にあるために、ドリップによる食品の劣化を防ぐことに関しての効果は少なかった。一方、特許文献1〜4に示す多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムを表面に有するドリップシートによれば、一旦吸収したドリップが不透液性フィルムによって隔離されるため、ドリップが看取されることはなく、トレイ上に載せられた食品の見映えが悪くなったり、ドリップが原因で生ずる食品の傷みの進行からも護られるため、前記した問題点は解消している。
しかしながら、特許文献1〜4に示す従来のドリップシートにおいても、ドリップシートの表面に位置する多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムは、孔の部分以外ではドリップが通過することができず、必然的に孔以外の部分ではドリップを吸収することがない。そのため不透液性フィルムの全面をドリップの吸収に利用することができない。更に、不透液性フィルム自体には孔以外の間隙が全く存在しない。そのため、如何に孔の数を増やそうと、自ずと吸収性に限界があり、より迅速な吸収が求められている近時においては、吸収速度が不十分である。
また、多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムは、吸収層に吸収したドリップと食品を隔離することはできるが、食品やドリップシートに一定の荷重がかかった場合には、不透液性フィルムに穿設された孔を介してドリップが逆流する欠点がある。しかも、不透液性フィルムは接着剤を使用して吸収層に貼り付けているため、溶解した接着剤が食品へ付着することの心配もある。
多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムはフィルム特有の滑らかさがあって滑りやすいため、食品を載せる場合には問題は少ないが、ドリップシートの使用方法の一種である食品を包むことには適していないという欠点がある。更に、従来のドリップシートは、表面層としての不透液性フィルムと吸収層を個々に製造し、その後に接着するため、作業工程としては複数となり、製造時間やコストに反映されることとなる。
上記した多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムを表面層として使用している従来のドリップシートの問題点を具体的に説明する。図5は従来のドリップシートの断面構造を示す模式図、図6はその拡大表面図、図7,図8はその作用説明図である。図において、ドリップシート11は所定の形状、例えば矩形状を有しており、ドリップを吸収するためのパルプからなる吸収層12の上面に、表面層として、多数の孔13aが規則的に穿設された不透液性フィルム13が接着剤を介して貼用されている。孔13aは、図6に示すように規則的に配列されており、この孔13aからドリップを通過させて吸収層12に吸収するものである。この不透液性フィルム13は不透液性であって、孔13a以外のフィルム部分13bは液吸収性を有しない。図6に示す従来のドリップシート11の孔13aの孔径は直径0.3mm程度である。
このドリップシート11に載置された魚介類や食肉等の食品から出るドリップdは、図7に示すように、不透液性フィルム13の孔13aから侵入して吸収層12に吸収されて保持される。このとき、不透液性フィルム13のフィルム部分13bからはドリップdは吸収されず、フィルム部分13bに滴下したドリップdは孔13aまで移動してから吸収されることとなる。そのため、自ずと吸収性に限界があり、より迅速な吸収が求められている近時においては、吸収性能が不十分である。即ち、フィルム部分13bは何らドリップdの吸収に寄与していない。
また、ドリップシート11に穿設された孔13aは直線状に吸収層12まで到達しており、孔13a部分の位置する吸収層12の上方にはフィルム部分13bは勿論、何ら被覆されていないため、剥き出しの状態である。そのため、ドリップシート11に載置した食品やドリップシート11に一定の荷重Wがかかった場合には、一旦吸収層12に吸収されたドリップd1が荷重Wによって吸収層12から滲み出して、孔13a部分から逆流しやすいという問題点がある。
そこで、本発明は上記した従来のドリップシートが有している問題点を解決し、ドリップの吸収速度や吸収度(一定時間でのドリップの広がる範囲)等の吸収性能を高め、ドリップの逆戻りを防ぐとともに、食品の滑りを防止して使い勝手を高めたドリップシートを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、食品から出るドリップを吸収するためのドリップシートであって、液吸収性を有する吸収層と、吸収層の一面に一体形成された表面層からなり、表面層は疎水性繊維を原料とし、微細な繊維間間隙を有する多孔質であるドリップシートを基本として提供する。そして、表面層は疎水性繊維を原料として微細な繊維間間隙を有する多孔質に抄紙されおり、微細な繊維間間隙を均質に有している。
また、ドリップを表面層の繊維間間隙から吸収層に吸着させるとともに、吸収層に吸着したドリップを表面層によって隔離可能とし、それぞれ湿式抄紙した吸収層と表面層を抄き合わせて、水中交絡させることにより一体に形成した。更に、疎水性繊維に少量の吸水性繊維を混抄して表面層とし、疎水性繊維として熱融着性繊維を使用して、熱処理によって、熱融着性繊維の交点を融着するようにした。そして、吸収層は、パルプ,又はパルプと吸水性繊維を原料として抄紙されており、吸水性繊維としてレーヨンを使用し、パルプとして、未晒パルプを混合することにより、吸収層の識別を容易とした。
本発明によって得られたドリップシートによれば、表面層は疎水性繊維を原料として微細な繊維間間隙を均質に有する多孔質に抄紙されており、この無数の繊維間間隙を介して表面層の全面からドリップが通過するため、迅速にドリップを吸収層に吸収することができる。また、一旦吸収層に吸収されたドリップが何らかの荷重によって逆流しようとする場合においても、吸収層は表面層の繊維によって被覆されており、しかも逆流しようとするドリップは表面層の繊維間間隙に貯留されるため、表面層から逆戻りする量が少ない。
疎水性繊維に少量の吸水性繊維を混抄して表面層とすることにより、表面層へのドリップの吸収速度をより早めることができる。また、疎水性繊維として熱融着性繊維を使用して、熱処理によって、熱融着性繊維の交点を融着することにより、表面層に十分な強度を持たせることができ、使い勝手が向上する。
吸収層にパルプと吸水性繊維を混抄した場合には、吸収層内にも空隙が発生し吸収層内においてドリップの広がりが大きく、吸収度(一定時間でのドリップの広がる範囲)が大きくなり、吸収速度を向上させることができる。また、表面層は疎水性繊維で構成されているため、従来の表面層に使用されている不透液性フィルムのような滑らかさが少ないので、食品を保管のために包む際においても滑りにくい。
湿式抄紙した吸収層と表面層を抄き合わせて、水中交絡させて一体に形成することにより、接着剤やバインダーを使用する必要がない。また、吸収層の原料として未晒パルプを使用することによって、漂白するための薬品を使用する必要がないので、食品に使用するドリップシートとしてより安全で味覚に影響を与えることがなく、環境にもやさしい。しかも、1工程で製造できて製造時間の短縮とコストの低減をはかれる。
本発明にかかるドリップシートの断面構造を示す模式図。 本発明にかかるドリップシートの拡大表面図。 本発明にかかるドリップシートの作用説明図。 本発明にかかるドリップシートの作用説明図。 従来のドリップシートの断面構造を示す模式図。 従来のドリップシートの拡大表面図。 従来のドリップシートの作用説明図。 従来のドリップシートの作用説明図。
以下本発明にかかるドリップシートの最良の実施形態を説明する。図1は本発明にかかるドリップシートの断面構造を示す模式図、図2はその拡大表面図、図3,図4はその作用説明図である。図において、ドリップシート1は吸収層2の上面に、表面層3が一体形成されており、矩形状その他の所定の形状を有している。
吸収層2は、魚介類や食肉等の食品から出るドリップを吸収して保液するためのものであって、パルプ4,又はパルプ4に適量の吸水性繊維5を混合したものを原料として所定坪量に、例えば25〜50g/m程度に湿式抄紙する。吸収層2はパルプ4を主原料とするものであるが、吸水性繊維5として、例えばレーヨンをパルプ4に混抄することによって、吸収層2内に吸水性繊維5による空隙を発生させることができる。この空隙によって吸収層2内でのドリップの広がりを大きくすることができ、吸収度(一定時間でのドリップの広がる範囲)が大きくなり、吸収速度を向上させることができる。吸水性繊維5の混合割合は、パルプ4の10〜50重量%程度が適当である。
パルプ4として、全部又は一部に未晒パルプを使用することが好ましい。未晒パルプは漂白されておらず、漂白のための薬品を使用していないので、環境にやさしい材料である。また、未晒パルプを使用した吸収層2は未晒パルプ固有の色彩が発色するため、吸収層2を容易に識別することができ、ドリップシート1の使用に際して、吸収層2と食品を載置するための表面層3の識別が容易となり、使い勝手が向上する。また、吸収層2の抄紙時にスパンレースによるパターン模様を付与してもよく、同様に吸収層2の識別が容易となる。
表面層3は疎水性繊維6を原料として、所定坪量に、例えば10〜50g/m程度に湿式抄紙する。この疎水性繊維6を原料としてスパンレースで繊維を交絡させて湿式抄紙することによって、表面層3は微細な繊維間間隙を有する多孔質に形成されており、微細な繊維間間隙を均質に有している。この繊維間間隙をドリップが通過するものであって、図2に示すように、表面層3の全面が吸液性を有している。図2の右隅に示すスケールは全体で1mmを表しており、最小単位が0.01mmを表している。このため、従来の多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムを使用したドリップシートに比較して、表面層3には無数の繊維間間隙が存在し、ドリップの移動距離が短く、毛細管現象も生じて、吸収速度が早くなる。なお、吸収層2に対する表面層3の坪量の比率は、1:0.4〜0.8程度が適当である。
疎水性繊維6としては、疎水性を有する繊維であれば特に制限はないが、熱融着性繊維が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)の繊維径1.1〜5.0dtex,繊維長5〜20mmの繊維を使用することが適当である。そして、湿式抄紙後に熱処理を施して、熱融着性繊維の交点を融着することにより、強度を付与するようにする。なお、表面層3は、図2に示すように微細な繊維間間隙を有する多孔質に形成することが肝要であるため、熱処理に際しては、疎水性繊維6として使用する熱融着性繊維の融点以上の高温処理をして熱融着性繊維が溶けてしまって、フィルム状にならないように留意することが必要である。
また、表面層3は、原料として疎水性繊維6に少量の吸水性繊維(図示略)、例えばレーヨンを混抄して湿式抄紙するようにしてもよい。表面層3に混抄した吸水性繊維によって、表面層3の吸収度がより向上する。疎水性繊維6に混抄する吸水性繊維の割合は、疎水性繊維6の坪量の30%以内が適当である。
上記した構成の吸収層2の一面を被覆するように表面層3を抄紙機上で抄き合わせて、ウォータージェットにより、相互に繊維を交絡させて吸収層2と表面層3を一体化させてドリップシート1とする。よって、本発明にかかるドリップシート1は、1ライン上で吸収層2と表面層3をそれぞれ抄紙し、一体化することができる。しかも、吸収層2と表面層3の一体化に際して、接着剤やバインダーを使用する必要がない。ドリップシート1全体の坪量としては、35〜100g/mが適当である。なお、吸収層2の表裏両面に表面層3を配置するようにしてもよい。
本発明にかかるドリップシート1は、表面層3の上に魚介類や食肉等の食品を載置したり、或いは魚介類や食肉等の食品を包むために使用し、食品から出るドリップを吸収し、かつ、滲出したドリップが再び食品と接触することがないようにするものである。使用時において、表面層3の原料繊維である疎水性繊維6は滑らかさが少ないので、食品を載置したり、保管のために包む際においても滑りにくい。
ドリップシート1を使用して、魚介類や食肉等の食品から出るドリップDを吸収する作用は次の通りである。ドリップシート1に載置された魚介類や食肉等の食品から滴下したドリップDは、図3に示すように、多孔質の表面層3の全面に均質に形成された微細な繊維間間隙を介して、ドリップD1として表面層3に速やかに吸収されて通過し、吸収層2に吸収されて保持される。
ドリップD1の吸収に際しては、疎水性繊維6の繊維間間隙が吸収層2への吸収を促進する導入路としての作用を果たすため、吸収速度を向上させることができる。このとき、表面層3の原料繊維である疎水性繊維6にレーヨン等の少量の吸水性繊維を混抄しておけば、表面層3へのドリップDの吸収速度をより早めることができる。
そして、一旦吸収層2に吸収されたドリップD1は、表面層3によって食品と隔離されているため、外部から看取されることもなく、又食品と再び接触することもないため、ドリップD1による食品の劣化を防ぐことができる。また、吸収層2に混抄した吸水性繊維5によって、吸収層2内にも空隙が発生し吸収層2内においてドリップの広がりを大きくすることができ、より吸収速度を向上させることができる。
また、一旦吸収層2に吸収されたドリップD1がドリップシート1に載置した食品やドリップシート1に一定の荷重Wがかかって逆流しようとする場合においても、図4に示すように吸収層2は表面層3の疎水性繊維6によって全面が被覆されており、しかも逆流しようとするドリップD1は表面層3の疎水性繊維6の間隙に貯留されるため、表面層3から逆戻りする量が少ない。
以下に本発明にかかるドリップシートの具体的な実施例を説明する。なお、本願発明はこれら実施例の記載内容に限定されるものではない。
パルプ37重量%と未晒パルプ43重量%にレーヨン20重量%を混抄して、坪量50g/mの吸収層を湿式抄紙した。また、疎水性繊維である熱融着性繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)の芯部と鞘部からなる芯鞘構造のPET/PET繊維80重量%と、吸水性繊維としてレーヨン20重量%を原料としてスパンレースで繊維を交絡させて、坪量32.8g/mの表面層を湿式抄紙した。この吸収層と表面層を抄き合わせて、ウォータージェットにより、相互に繊維を交絡させることにより、一体化させ、その後に熱処理によって熱融着性繊維の交点を融着してドリップシートとした。
[従来例1]
パルプ100重量%を坪量59.6g/mの吸収層として湿式抄紙した。また、オレフィン100重量%を原料として坪量25.2g/mの多数の孔が規則的に穿設された不透液性フィルムを製造し、吸収層の上に接着剤を使用して貼り合わせることにより一体化させてドリップシートとした。この従来例1は株式会社ユニチャームより、商品名「フレッシュマスター」の名称で市販されているものを使用した。
実施例1及び従来例1の各種測定結果を表1に示す。なお、各測定及び評価方法は次の通りである。
[スポット吸液]
ドリップシートを直径100mmの円筒状の容器の開口部に弛みのないように固定し、ドリップシートの10mm上方からスポイトで水を1滴(0.05g)だけ滴下させ、水滴がドリップシートに吸収されるまでの時間を、水滴に対する照明の反射光の有無を基準としてストップウォッチで測定した。
[吸収度]
ドリップシートの横方向及び縦方向から、それぞれ25mm×20mmのサイズに切り取り、切り取ったドリップシート片をクリップを使用して吸水度計に固定し、ドリップシート片の下部10mmを水の中に浸した。その状態を5分間保持した後、水位が上昇した位置までの距離を測定した。
[加圧時逆戻り試験]
ドリップシートに吸収したドリップの逆戻り状況を確認するため次の実験を行った。平滑な試験台上にA4サイズ(210mm×300mm)のドリップシートを敷き、赤インクを1滴(0.05g)を滴下させて吸収させ、その後にドリップシートの表面層を1枚のティッシュペーパーで被覆し、その上に2Kg(荷重面積95mm×60mm)の錘を5分間載置した。その後、錘を取り除き、ティッシュペーパーを取り除いてドリップシートの表面層における赤く着色した部分の縦,横の長さを測定するとともに、色の濃さを目視で測定した。
実施例1によれば、スポット吸液の速度と吸収度が従来例1に比べて飛躍的に向上しており、表面層3の全面からドリップDを迅速に吸収することができる。更に、吸収度(一定時間でのドリップの広がる範囲)が非常に高い値を示しており、このことは、毛細管現象によってドリップDがドリップシート1の全域に広がりやすいことを示している。そのため、食品から滲出したドリップDが直ちにドリップシート1に吸収されるので、ドリップDと食品の接触する時間がきわめて短い。また、ドリップシート1に一旦吸収したドリップD1は表面層3によって食品と隔離され、しかも、逆戻りも少ないことから、食品の鮮度保持効果がきわめて高い。
また、表面層3に疎水性繊維6として熱融着性繊維を使用し、繊維の交点を熱融着させた場合には、従来例1の2〜4倍の高い引張強度を得ることができて丈夫で破れにくいため、食品を包んだり、冷蔵庫等への出し入れに際しての使い勝手が頗るよい。
以上記載した本発明にかかるドリップシートによれば、表面層は疎水性繊維を原料として微細な繊維間間隙を均質に有する多孔質に抄紙されており、この無数の繊維間間隙を介して表面層の全面からドリップが通過するため、迅速にドリップを吸収層に吸収することができる。また、一旦吸収層に吸収されたドリップが何らかの荷重によって逆流しようとする場合においても、吸収層は表面層の繊維によって被覆されており、しかも逆流しようとするドリップは表面層の繊維間間隙に貯留されるため、表面層から逆戻りする量が少ない。よって、ドリップシートとして多用途に利用することが可能である。
よって、ドリップシートとして吸収速度や吸収度等の吸収性能を向上させるとともに、ドリップの逆戻りを防ぎ、食品の滑りを防止して使い勝手を高めることができ、魚介類や食肉等の食品から出るドリップを吸収するために食品の下に敷いたり、食品を包むためのドリップシートとして多用途に利用することが可能である。
1…ドリップシート
2…吸収層
3…表面層
4…パルプ
5…吸水性繊維
6…疎水性繊維
D,D1…ドリップ

Claims (10)

  1. 食品から出るドリップを吸収するためのドリップシートであって、
    液吸収性を有する吸収層と、吸収層の一面に一体形成された表面層からなり、表面層は疎水性繊維を原料とし、微細な繊維間間隙を有する多孔質であることを特徴とするドリップシート。
  2. 食品から出るドリップを吸収するためのドリップシートであって、
    液吸収性を有する吸収層と、表面層を一体に絡合してなり、表面層は疎水性繊維を原料として微細な繊維間間隙を有する多孔質に抄紙されていることを特徴とするドリップシート。
  3. 表面層は、微細な繊維間間隙を均質に有する請求項1又は2記載のドリップシート。
  4. ドリップを表面層の繊維間間隙から吸収層に吸着させるとともに、吸収層に吸着したドリップを表面層によって隔離可能とした請求項1,2又は3記載のドリップシート。
  5. それぞれ湿式抄紙した吸収層と表面層を抄き合わせて、水中交絡させることにより一体に形成した請求項1,2,3又は4記載のドリップシート。
  6. 疎水性繊維に少量の吸水性繊維を混抄して表面層とした請求項1,2,3,4又は5記載のドリップシート。
  7. 吸水性繊維としてレーヨンを使用した請求項6記載のドリップシート。
  8. 疎水性繊維として熱融着性繊維を使用して、熱処理によって、熱融着性繊維の交点を融着してなる請求項1,2,3,4,5又は6記載のドリップシート。
  9. 吸収層は、パルプ,又はパルプと吸水性繊維を原料として抄紙されている請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のドリップシート。
  10. パルプとして、未晒パルプを混合することにより、吸収層の識別を容易とした請求項9記載のドリップシート。
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