JP2011088298A - スクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷速度を早くしても、被印刷物がスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまうのを防ぎ、段差吸収層の形成を容易とするスクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【解決手段】 シート状の被印刷物を印刷テーブルに載置して吸着した状態でスクリーン印刷するのに用いられるスクリーン印刷補助板であって、スクリーン印刷補助板は、印刷テーブルに設けた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置した複数の貫通孔を備える薄金属板であって、前記被印刷物はスクリーン印刷補助板を介して印刷テーブルに吸引固定し、被印刷物に作用する吸引力が部位により異なるように、スクリーン印刷補助板の貫通孔による開口面積を異ならせた。
【選択図】 図1
【解決手段】 シート状の被印刷物を印刷テーブルに載置して吸着した状態でスクリーン印刷するのに用いられるスクリーン印刷補助板であって、スクリーン印刷補助板は、印刷テーブルに設けた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置した複数の貫通孔を備える薄金属板であって、前記被印刷物はスクリーン印刷補助板を介して印刷テーブルに吸引固定し、被印刷物に作用する吸引力が部位により異なるように、スクリーン印刷補助板の貫通孔による開口面積を異ならせた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スクリーン印刷用の治具であるスクリーン印刷補助板とこれを用いたスクリーン印刷機に関し、より詳細には、スクリーン印刷時にセラミックグリーンシートや樹脂フィルムなどシート状の被印刷物へ作用する吸引力を部位により異ならせるための薄金属板であるスクリーン印刷補助板に関する。
従来のスクリーン印刷機としては、特許文献1に開示された図9に示すようなものが知られている。スクリーン印刷機の構造を図9に示した概略構成図を用いて説明する。
このスクリーン印刷機は、印刷テーブル50上で被印刷物10を印刷するために、印刷テーブル50に多孔質吸着盤2と、多孔質吸着盤2にて真空ポンプ70により被印刷物10を吸引固定する真空排気部67とを備える。多孔質吸着盤2はステンレスや真鍮の焼結金属で構成され板状に加工されており、その主面が印刷テーブル50と同一平面になるように取り付けられ、印刷テーブル50には被印刷物10が載置され、真空ポンプ70による減圧吸引にて、配管60、真空排気部67を介して支持台55の内側の気室65が減圧され、多孔質吸着盤2を介して被印刷物10の全面が吸着固定される。
このスクリーン印刷機は、印刷テーブル50上で被印刷物10を印刷するために、印刷テーブル50に多孔質吸着盤2と、多孔質吸着盤2にて真空ポンプ70により被印刷物10を吸引固定する真空排気部67とを備える。多孔質吸着盤2はステンレスや真鍮の焼結金属で構成され板状に加工されており、その主面が印刷テーブル50と同一平面になるように取り付けられ、印刷テーブル50には被印刷物10が載置され、真空ポンプ70による減圧吸引にて、配管60、真空排気部67を介して支持台55の内側の気室65が減圧され、多孔質吸着盤2を介して被印刷物10の全面が吸着固定される。
従来のスクリーン印刷機では多孔質吸着盤2によって被印刷物に吸引力がむらなく均一に作用する。このため被印刷物10が薄い場合でも均一に吸引されるので、スクリーン印刷するスクリーン版15とスキージ20によってインキ25を被印刷物10に印刷しても、インキの粘着力に負けて被印刷物10がスクリーン版15に貼着し、印刷テーブル50より剥離、位置ずれ、皴、印刷パターンの滲みや掠れといった不具合が生じない高品質で安定した印刷が可能であるとしている。
しかしながら従来のスクリーン印刷機では、電子部品の製造において前記不具合を十分に解消し得ない場合があった。積層セラミックコンデンサや積層インダクタ等の電子部品では、より一層の小型化・高容量化・低抵抗化が進められている。積層セラミックコンデンサを小型化・高容量化するために、コンデンサ電極を構成する内部電極と絶縁体層を薄層化し交互に多層化する。また積層インダクタを小型化・低抵抗化するために、コイルを構成する内部電極を厚くして絶縁体層と交互に多層化する。
しかしながら積層構造を採る電子部品では、絶縁体層と内部電極が重なる部分と、絶縁体層のみが重なる部分が形成され、内部電極が存在する部分と、そうでない部分との間で段差を生じ、変形や層間のデラミネーションなどが生じる場合があった。
この様な問題に対して、図12及び図13に示すように絶縁体層を構成するグリーンシート(被印刷物)10に内部電極パターン100を形成した後、内部電極パターン100が形成されていない部分に段差吸収層70を形成して平坦化し、積層して多層化することが行なわれる。グリーンシート10を形成するためのセラミック基材は、アルミナや、窒化アルミニウムや、低温焼成セラミック等が良く知られている。
この様な問題に対して、図12及び図13に示すように絶縁体層を構成するグリーンシート(被印刷物)10に内部電極パターン100を形成した後、内部電極パターン100が形成されていない部分に段差吸収層70を形成して平坦化し、積層して多層化することが行なわれる。グリーンシート10を形成するためのセラミック基材は、アルミナや、窒化アルミニウムや、低温焼成セラミック等が良く知られている。
段差吸収層70の形成には電極段差吸収用印刷ペースト(インキ)25が用いられ、有機バインダを溶剤に溶解させた有機ビヒクル中にソフトフェライトや誘電体などのセラミック粉末を分散させたものが用いられ、印刷パターンの精度やグリーンシート10との接着性を向上するように、有機バインダとしてポリビニルブチラールを含むなどするが、この様な電極段差吸収用印刷ペーストは粘度が高く、糸引き現象が生じ易いため、スクリーン版の被印刷物からの版離れ性が悪い。このためグリーンシートがスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまい、印刷できないと言った問題がある。
スクリーン版15の開口部を通過した電極段差吸収用印刷ペースト25はグリーンシート10上に供給される。この時、電極段差吸収用印刷ペースト25は、前記開口部とほぼ同じ平面寸法と、スクリーン版とほぼ同じ厚さ(即ち、開口部とほぼ同じ高さ)の段差吸収層70を構成する。
電極段差吸収用印刷ペースト25の印刷では、電極段差吸収用印刷ペースト25とスクリーン版15の開口部やグリーンシート10との密着力が影響し、版離れ性が悪いため、ペーストの改良によって粘度を低減し、糸引き現象を解消するように取り組まれているが現状十分では無い。
電極段差吸収用印刷ペースト25の印刷では、電極段差吸収用印刷ペースト25とスクリーン版15の開口部やグリーンシート10との密着力が影響し、版離れ性が悪いため、ペーストの改良によって粘度を低減し、糸引き現象を解消するように取り組まれているが現状十分では無い。
他の方法として、スクリーン版15とグリーンシート10との間隔を大きくして、スクリーン版15に作用する張力を大きくして版離れ性を改善することが行なわれるが、版の裏面(グリーンシート10側)に電極段差吸収用印刷ペーストが回り込み易くなり、段差吸収層が滲んで内部電極パターンを覆い、他の層に形成された内部電極パターンとの電気的接続を阻害する場合があった。またスキージ圧も高くせざるを得ないため、グリーンシートや内部電極パターンに変形を生じさせる問題もある。
また高張力タイプのスクリーン版を用いればグリーンシートとの間隔を変えることなく印刷可能となり、段差吸収層の滲みなどの問題は低減されるが、スキージ圧も高くせざるを得ないため、間隔を大きくする場合と同様の問題がある。
また電極段差吸収用印刷ペーストとスクリーン版の開口部との密着力が低減する訳では無いので、グリーンシートの吸引力が前記密着力に負けると、グリーンシートが多孔質吸着盤から剥離してしまうという課題が残される。
また高張力タイプのスクリーン版を用いればグリーンシートとの間隔を変えることなく印刷可能となり、段差吸収層の滲みなどの問題は低減されるが、スキージ圧も高くせざるを得ないため、間隔を大きくする場合と同様の問題がある。
また電極段差吸収用印刷ペーストとスクリーン版の開口部との密着力が低減する訳では無いので、グリーンシートの吸引力が前記密着力に負けると、グリーンシートが多孔質吸着盤から剥離してしまうという課題が残される。
吸引手段として大型の真空ポンプやブロアーを用いることでグリーンシートの吸引力を上げることは可能であるが、生産装置が無用に大型化し、製造コストも上昇するので好ましくは無い。
このため段差吸収層の形成は、スクリーン印刷機のスキージの速度を遅くして行なうことで、グリーンシートとスクリーン版との版離れが十分に行なわれるようにしなければならず、電子部品の生産性を著しく低下させていた。
このため段差吸収層の形成は、スクリーン印刷機のスキージの速度を遅くして行なうことで、グリーンシートとスクリーン版との版離れが十分に行なわれるようにしなければならず、電子部品の生産性を著しく低下させていた。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、印刷速度を早くしても、被印刷物がスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまうのを防ぎ、段差吸収層の形成を容易とするスクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
本発明は、シート状の被印刷物を印刷テーブルに載置して吸着した状態でスクリーン印刷するのに用いられるスクリーン印刷補助板であって、スクリーン印刷補助板は、印刷テーブルに設けられた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板であって、前記被印刷物はスクリーン印刷補助板を介して印刷テーブルに吸引固定され、被印刷物に作用する吸引力が部位により異なるように、スクリーン印刷補助板の貫通孔による開口面積を異ならせたことを特徴とするスクリーン印刷補助板である。
スクリーン印刷補助板と被印刷物との間には、前記被印刷物を支持する樹脂フィルムを備えるのが好ましい。樹脂フィルムがスクリーン印刷補助板に吸着されることで、貫通孔による被印刷物の撓みなどの変形や破れを防ぐことが出来る。なお、被印刷物を支持する樹脂フィルムは、ドクターブレード法等の公知のシート成形に用いられるものであり、グリーンシートを支持する塗こうフィルムであって、グリーンシートと一体の状態で供せられるものである。
本発明者等は、被印刷物がスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまう現象を再現しながら詳密に検討したところ、被印刷物の外縁部で僅かに多孔質吸着盤から剥離することで空気が漏れ、多孔質吸着盤から被印刷物へ与えられる吸引力が減じられて被印刷物が剥離することが判明した。
更に幾種類のスクリーン版を用いて確認したところ、開口部の場所、形状等の影響は有るが、スクリーン版の中央側よりも被印刷物の縁部に対応する外縁側で初期剥離が生じることが判明した。従って前記開口面積は、スクリーン印刷補助板の中央側よりも被印刷物の縁部に対応する外縁側で大きくするのが好ましい。
更に幾種類のスクリーン版を用いて確認したところ、開口部の場所、形状等の影響は有るが、スクリーン版の中央側よりも被印刷物の縁部に対応する外縁側で初期剥離が生じることが判明した。従って前記開口面積は、スクリーン印刷補助板の中央側よりも被印刷物の縁部に対応する外縁側で大きくするのが好ましい。
前記外縁側の開口面積が大なる領域を被印刷物の縁部に対応する全周に設けても良いし、外縁側の一部にのみ開口面積が大なる領域を設けても良い。スクリーン印刷補助板の中央側の一部にも選択的に開口面積が大なる領域を設けて被印刷物に対する吸着力を上げても良いが、相対的に外縁側で大きな吸引力が発揮される様にする。
また被印刷物には複数の貫通孔が形成されている場合がある。被印刷物の貫通孔とスクリーン印刷補助板の貫通孔とが重なると、その部分で空気の漏れが生じてしまい吸着力の低下を招く。そこで、被印刷物の貫通孔に対応するスクリーン印刷補助板の部位を、吸引のための貫通孔を有さない構成、若しくは、吸引のための貫通孔が感光乳剤等をシール材として用い、目止めされた構成とするのが好ましい。
第2の発明は、シート状の被印刷物を載置して吸着する印刷テーブルと、印刷テーブルに設けられた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板で形成されたスクリーン印刷補助板と、多孔質吸着板とスクリーン印刷補助板を介して被印刷物を印刷テーブルに吸引固定するための吸引手段として真空ポンプまたはブロアーとを備え、前記スクリーン印刷補助板として、前記スクリーン印刷補助板を用いることを特徴とするスクリーン印刷機である。
印刷テーブルの多孔質吸着板を配置する窪みをスクリーン印刷補助板の厚みの分深くし、印刷テーブルの天面に対して、多孔質吸着板の上面が落ち込む様に段差もって構成すれば、スクリーン印刷補助板を配置した印刷テーブルの天面を凹凸無く一面に構成できるので、スクリーン版の破れなど、不具合の発生を低減できるので好ましい。またスクリーン印刷補助板はその外縁と印刷テーブルの窪みの内周とで位置決めすることが出来好ましい。
また、スクリーン印刷補助板を磁性体金属板から構成し、印刷テーブルに埋設された磁石により、非吸着動作時にスクリーン印刷補助板を印刷テーブルに着脱自在に固定させる構造としても良い。
本発明によれば、印刷速度を早くしても、グリーンシートがスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまうのを防ぎ、段差吸収層の形成を容易とするスクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機を提供することが出来る。
図を用いて本発明について詳細に説明する。図1はスクリーン印刷補助板の平面図である。スクリーン印刷補助板1は薄金属板であって、防錆や加工容易、また価格等の観点からステンレス材を用いるのが好ましく、厚みは1mm以下であり、多孔質吸着板による吸引に対して容易に変形しない厚みであるものが好ましい。ステンレス材としては非磁性で安価なSUS304や強磁性体のSUS430等の金属板で構成されているのが好ましい。現在、工業的に供給され、容易に入手可能なステンレス材の厚みは0.03mm程度の薄さのものまであるが、吸着により変形が生じるため、0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上の厚みとするのが好ましい。外形は多孔質吸着板の外形よりも大きく、それを覆う程度以上の大きさで形成される。
スクリーン印刷補助板1は、被印刷物の縁部に対応する部位を含み、その縁部を越えない内側の領域に多数の貫通孔が形成される。前記縁部近傍の領域5aには相対的に開口面積が大きな貫通孔が形成され、更にその内側の領域5bには開口面積が小さな貫通孔が形成されている。貫通孔はレーザ加工、打ち抜き金型や、NCマシン、放電加工、エッチングなどの公知の穴あけ方法により形成され、円形状、多角形状など形状等は特に限定はされないが、開口面積は、吸引時や印刷時に被印刷物に変形が生じない程度に限定される。好ましくは直径が0.5mm以下の円形状あるいは、前記円に内接する4角形以上の多角形であるのが好ましい。
図1に示したスクリーン印刷補助板では、被印刷物の外縁の全周に亘って開口面積が大きな領域5aが形成される。図2にスクリーン印刷補助板の領域5a,5bを含むA部の拡大平面図を示す。領域5aには6角形の貫通孔が稠密状に多数配置され、領域5bには円形状で相対的に小開口の貫通孔が多数配置され、単位面積当たりの開口面積を異ならせ、被印刷物の外縁部において相対的に大きな吸引力を発揮させている。
図3はスクリーン印刷補助板の領域5a,5bの他の態様を示す。領域5aには6角形の貫通孔が細密状に多数配置されるが、貫通孔の大きさを幾つかに異ならせている。この様に領域5aに形成される貫通孔一つ当たりの開口面積は同じでなくても良く、領域5b形成される貫通孔もまた同様である。この場合もまた、単位面積当たりの開口面積を異ならせて、被印刷物の外縁部において相対的に大きな吸引力を発揮させている。
図6〜8はスクリーン印刷補助板の他の態様を示す平面図である。図6に示したスクリーン印刷補助板では、矩形の被印刷物の角部領域に開口面積が大きな領域5aを形成する例であり、図7、図8は矩形の被印刷物の一辺側、あるいは二辺側に領域5aを形成する例である。先にも述べたが、スクリーン版の開口の形状や場所などの条件によって、グリーンシートがスクリーン版に貼着し易い部位が異なるため、この部位にのみ、あるいはその部位の近傍にのみ領域5aを形成しても良い。
図4及び図5を用いて本発明のスクリーン印刷補助板を用いたスクリーン印刷機について説明する。図4はスクリーン印刷補助板を含むスクリーン印刷機の断面図であり、図5はスクリーン印刷補助板を用いたスクリーン印刷機の部分分解斜視図である。
図4に示す様にスクリーン印刷補助板を用いたスクリーン印刷機の基本的な構成は、印刷テーブル50に設けられた多孔質吸着板2と、被印刷物10との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板で構成されたスクリーン印刷補助板1を備える以外は、図9で示した従来のスクリーン印刷機の基本的な構成と同じである。
図4に示す様にスクリーン印刷補助板を用いたスクリーン印刷機の基本的な構成は、印刷テーブル50に設けられた多孔質吸着板2と、被印刷物10との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板で構成されたスクリーン印刷補助板1を備える以外は、図9で示した従来のスクリーン印刷機の基本的な構成と同じである。
スクリーン印刷機の支持台55の内側は空洞に形成され、印刷テーブル50と多孔質吸着板2に囲まれた領域で気室65を構成する。気室65は真空排気部67と配管60、真空排気部67を介して真空ポンプ70と接続されており、真空ポンプ70により気室65には負圧・正圧を作用させることができる。
制御装置80からの信号に基づいて真空ポンプ70により気室65に負圧を作用させることにより、印刷テーブル50に載置された多孔質吸着盤2とスクリーン印刷補助板1を介して、被印刷物10の全面が吸引固定され、印刷テーブル50上に保持される。なお、被印刷物10がそれを支持する樹脂フィルムを備える場合には、樹脂フィルムを吸着して被印刷物10を固定する。
次いで、この状態でスクリーン版15とスキージ20により被印刷物10にインキ25を印刷する。印刷終了後、制御装置80からの信号に基づいて、真空ポンプ70により気室65に対する負圧解除し、正圧を作用させて、印刷テーブル50への被印刷物10の吸着を解除する。
次いで、この状態でスクリーン版15とスキージ20により被印刷物10にインキ25を印刷する。印刷終了後、制御装置80からの信号に基づいて、真空ポンプ70により気室65に対する負圧解除し、正圧を作用させて、印刷テーブル50への被印刷物10の吸着を解除する。
スクリーン印刷機にスクリーン印刷補助板1を用いることで、容易に被印刷物10に作用する吸引力を部位により異ならせることが出来る。なお多孔質吸着盤2に換えて、スクリーン印刷補助板1を直接印刷テーブル50に取り付けすることも考えられるが、変形を防ぐように強度の確保が必要であって、金属板の厚みを厚くすることが必要となり、貫通孔の形成が難しくなる。またスクリーン版を換える度にスクリーン印刷機の印刷テーブル50に取り付けることが必要となり、繁雑であるとともに、取り付け状態によっては不要な空気漏れが生じる場合があり好ましくは無い。
本発明の一実施の形態に係るスクリーン印刷補助板を用いて被印刷物にインクを印刷し、被印刷物がスクリーン版の裏面に貼着し多孔質吸着盤から剥離してしまう不具合の発生有無を確認した。なお本実施形態では、電子部品として積層インダクタを例示して説明する。
用いたスクリーン印刷補助板は図1と図2に示したものと同様であって、スクリーン印刷補助板の領域5aは矩形の被印刷物10の外縁全周に対応して設けられており、6角形の貫通孔が形成されている。外形が300mm×300mmの正方形で、厚みが0.1mmのSUS304材で形成され、貫通孔の対角幅寸法は0.2mmであり、貫通孔間の中心間隔が0.225mmであって稠密状に連続して配置され、単位面積あたりの開口率は61.7%としている。なお領域5aはスクリーン印刷補助板の内側に位置し、外寸法は200mm×180mmに形成され、その外側には吸着用の貫通孔は形成されていない。
領域5aの内側には、相対的に開口率が低い領域5bが形成されている。外寸法は190mm×170mmに形成され、直径が50μmの複数の貫通孔が均一に配置され形成されており、単位面積あたりの開口率は11.1%としている。
積層インダクタは、フェライト層とコイルを構成する内部電極パターンとが交互に積層された構成を有する。図10は積層インダクタを構成するフェライト層の一例を示すグリーンシートの平面図であり、図11はその一部拡大平面図であり、積層インダクタを構成する内部電極パターンの一例を示している。
フェライト層を構成するグリーンシートは、Li系フェライト、Ni系フェライト、Mg系フェライト等のソフトフェライト粉末と、バインダ、溶媒を混合したスラリーを、ドクターブレード法より樹脂フィルム(キャリアフィルムとも呼ぶ)上に塗こうして、乾燥後、0.5〜200μm程度の厚みで形成される。樹脂フィルムは、剥離性を改善するためにシリコーンなどがコーティングされたPETフィルムなどが用いられる。本実施例ではグリーンシートの厚みを20μmとし、樹脂フィルムの厚みを50μmとしている。
フェライト層を構成するグリーンシートは、Li系フェライト、Ni系フェライト、Mg系フェライト等のソフトフェライト粉末と、バインダ、溶媒を混合したスラリーを、ドクターブレード法より樹脂フィルム(キャリアフィルムとも呼ぶ)上に塗こうして、乾燥後、0.5〜200μm程度の厚みで形成される。樹脂フィルムは、剥離性を改善するためにシリコーンなどがコーティングされたPETフィルムなどが用いられる。本実施例ではグリーンシートの厚みを20μmとし、樹脂フィルムの厚みを50μmとしている。
グリーンシートの外形はスクリーン印刷補助板の領域5aの外寸法と等しく、樹脂フィルムとともに200mm×180mmに裁断形成されている。図10にて示す格子にて区切られた領域Bにはコイルを構成するリング状の内部電極パターン100が導体ペーストにより印刷形成されている。導体ペーストに用いられる導体はAgやCu等の低抵抗導体が用いられ、乾燥後、厚みが50μm、幅200μmの帯状にラインパターンとしている。図示した内部電極パターン100の両端110a,110bは自由端として形成され、一端110a側には他の層との接続の為のビアホール60が形成されている。ビアホール60には内部電極パターン100を構成する導体ペーストが充填されるが、その中央部が開口状態となる場合もあるので、ビアホール60と対応するスクリーン印刷補助板の部位に設けられた貫通孔には、乳剤により目止めがされている。なお前記内部電極パターンの寸法形状は様々であって、特に限定されるものでは無い。
内部電極パターン100が形成される格子にて区切られた領域は、グリーンシートの外縁よりも内側に位置し、その外寸法はスクリーン印刷補助板の領域5bと略等しい。それよりも外側の領域には、変形対策のための電極パターンやグリーンシートを識別するための電極パターンが、内部電極パターン100を形成するのに合わせて、同時に印刷形成されている。
このグリーンシートをスクリーン印刷補助板1、グリーンシート10の順に重ねて、真空ポンプ70により印刷テーブル50上に吸着固定し、グリーンシート1の内部電極パターン100、及び他の電極パターンを除く余白領域に、乾燥後、ほぼ内部電極パターンの厚みと同じとなるように、電極段差吸収用印刷ペーストにて段差吸収層70を印刷形成した。なお電極段差吸収用印刷ペーストは、グリーンシートに用いたものと同じ組成のフェライト粉末と有機バインダとしてポリビニルブチラールを含み、粘度が200〜300Pa・sのものを用いた。印刷条件は印圧が0.45MPa、背圧が0.20MPa、グリーンシート表面とスクリーン版裏面との間隔を4.0mmとしている。
比較例としてスクリーン印刷補助板1を用いず、他は実施例と同じ条件にて印刷した。それらを合わせて、結果を表1に纏める。
比較例としてスクリーン印刷補助板1を用いず、他は実施例と同じ条件にて印刷した。それらを合わせて、結果を表1に纏める。
比較例の条件では、スキージ速度60mm/secではグリーンシートとスクリーン版との貼着は生じなかったが、スキージ速度を速めると貼着が生じた。スキージ速度100mm/secでは、図10で示すグリーンシート右上の10%程度の領域で、スキージ速度120mm/secでは、グリーンシートの右下を除く60%程度の領域で貼着が生じた。
一方実施例ではキージ速度120mm/secまで貼着は無く、スキージ速度140mm/secでグリーンシート右上の5%程度の領域で貼着が生じた。
一方実施例ではキージ速度120mm/secまで貼着は無く、スキージ速度140mm/secでグリーンシート右上の5%程度の領域で貼着が生じた。
次いでスクリーン版を換えるとともに、このスクリーン版の開口にあわせたスクリーン印刷補助板を用いて、積層インダクタの他の層を構成するグリーンシートに、電極段差吸収用印刷ペーストにて段差吸収層を印刷形成した。この場合もまた、スキージ速度120mm/secまで貼着は無く、スキージ速度140mm/secでグリーンシート右上の数%程度の領域で貼着が生じた。
スキージ速度120mm/secで段差吸収層を印刷形成した実施例のグリーンシートを積層し、所定の形状にて切断し後、920℃で焼結して積層インダクタを作成した。同様に、スキージ速度60mm/secで段差吸収層を印刷形成した比較例のグリーンシートを積層し積層インダクタを作成した。得られたそれぞれの積層インダクタについて、電気的特性、外観状態、積層方法切断面の観察を行なったところ、インダクタンス値、直流抵抗等の電気的特性に差異は無く、外観状態や内部状態も、割れやクラック無く、共に良好であった。実施例によれば、スキージ速度を速めてもスクリーン版に被印刷物が貼着することが無く、得られる電子部品の特性にも影響しないことがわかった。スクリーン印刷補助板を用いることで、従来よりもスキージ速度を2倍化することが出来、単純には段差吸収層の形成において、生産性を2倍化することが出来る。
1 スクリーン印刷補助板
2 多孔質吸着盤
10 被印刷物
15 スクリーン版
20 スキージ
25 インキ
50 印刷テーブル
55 支持台
60 配管
65 気室
67 真空排気部
70 真空ポンプ
100 内部電極パターン
2 多孔質吸着盤
10 被印刷物
15 スクリーン版
20 スキージ
25 インキ
50 印刷テーブル
55 支持台
60 配管
65 気室
67 真空排気部
70 真空ポンプ
100 内部電極パターン
Claims (8)
- シート状の被印刷物を印刷テーブルに載置して吸着した状態でスクリーン印刷するのに用いられるスクリーン印刷補助板であって、
スクリーン印刷補助板は、印刷テーブルに設けられた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板であって、前記被印刷物はスクリーン印刷補助板を介して印刷テーブルに吸引固定され、被印刷物に作用する吸引力が部位により異なるように、スクリーン印刷補助板の貫通孔による開口面積を異ならせたことを特徴とするスクリーン印刷補助板。 - 被印刷物がグリーンシートであり、スクリーン印刷補助板と被印刷物との間には、前記被印刷物を支持する樹脂フィルムを備えたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷補助板。
- 前記開口面積は、スクリーン印刷補助板の中央側よりも被印刷物の縁部に対応する外縁側で大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン印刷補助板。
- スクリーン印刷補助板の外縁側に中央側よりも大きい開口面積を有する開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン印刷補助板。
- 被印刷物には複数の貫通孔が形成されており、被印刷物の貫通孔に対応するスクリーン印刷補助板の部位では、吸引のための貫通孔を有さない、若しくは、吸引のための貫通孔がシール材にて目止めされたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のスクリーン印刷補助板。
- シート状の被印刷物を載置して吸着する印刷テーブルと、印刷テーブルに設けられた多孔質吸着板と被印刷物との間に配置された複数の貫通孔を備える薄金属板で形成されたスクリーン印刷補助板と、多孔質吸着板とスクリーン印刷補助板を介して被印刷物を印刷テーブルに吸引固定するための吸引手段とを備え、前記スクリーン印刷補助板として請求項1乃至5のいずれかに記載のスクリーン印刷補助板を用いることを特徴とするスクリーン印刷機。
- 印刷テーブルの天面に対して、スクリーン印刷補助板の厚みの分、多孔質吸着板はその上面が落ち込む様に段差もって構成されることを特徴とする請求項6に記載のスクリーン印刷機。
- 前記スクリーン印刷補助板は磁性体金属板からなり、印刷テーブルに埋設された磁石により、非吸着動作時にスクリーン印刷補助板を印刷テーブルに着脱自在に固定させたことを特徴とする請求項6に記載のスクリーン印刷機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009241739A JP2011088298A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | スクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009241739A JP2011088298A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | スクリーン印刷補助板、およびこれを用いたスクリーン印刷機 |
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---|---|---|---|---|
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JP2013023402A (ja) * | 2011-07-20 | 2013-02-04 | Lemi Ltd | ガラス基板の加工装置 |
CN103042817A (zh) * | 2012-11-29 | 2013-04-17 | 强记实业公司 | 无胶连续式印花机 |
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-
2009
- 2009-10-20 JP JP2009241739A patent/JP2011088298A/ja active Pending
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JP2015214088A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スクリーン印刷装置 |
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