JP3243035B2 - セラミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具 - Google Patents
セラミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具Info
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Description
の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具に関する
ものである。
回路印刷工程及び外周部切断工程を行った後、積層工程
及び焼成工程を行うというセラミックス多層基板の製造
方法が一般的に知られている。
ートは作業者の手作業によって各工程毎に異なる装置に
流動され、そこでグリーンシートに対する所定の処理ま
たは加工等が実施される。通常、各装置には複数のガイ
ドピンが設けられており、それらのピンをグリーンシー
トの各位置決め用孔に挿入・固定することでグリーンシ
ートの位置決め精度を出している。
来のセラミックス多層基板の製造方法には次のような問
題があった。
位置決めを行う場合に共通の位置決め孔が使用されるこ
とから、工程を経る毎に位置決め用孔に変形や破損が生
じることが多かった。このため、後工程になるほど位置
決め精度が悪化してしまい、結果として位置ずれ量が±
0.01mm以下というような高精度の位置決めを達成す
ることが困難であった。
軟で脆弱であることから、流動時の不注意なハンドリン
グ等によって、グリーンシート自体にも変形が生じた
り、クラック等の破損が生じることがあった。
であり、その目的は、グリーンシートを流動する際のハ
ンドリング性を改善でき、かつ諸工程毎におけるグリー
ンシートの位置決め精度を向上させることが可能なセラ
ミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリ
ア用治具を提供することにある。
めに、請求項1記載の発明では、グリーンシートに対す
る位置決め用孔形成工程、導体回路印刷工程及び外周部
切断工程を行った後、前記グリーンシートを積層する工
程及び積層されたグリーンシートを焼成する工程を行う
セラミックス多層基板の製造方法において、補強用シー
トを前記グリーンシートの外周部に貼着した後、前記導
体回路印刷工程及び前記外周部切断工程にて使用される
第一の位置決め用孔をグリーンシート及び補強用シート
の双方に形成すると共に、前記積層工程にて使用される
第二の位置決め用孔を前記第一の位置決め用孔よりも内
側の部分に形成し、更に前記位置決め用孔形成工程を経
たグリーンシート及び補強用シートの下面側に、補強用
シートの厚さと概ね同じ高さの凸部を有しかつその外周
部に前記第一の位置決め用孔とほぼ同様の貫通孔が形成
された流動用シートを嵌合させ、この状態で前記第一の
位置決め用孔を利用して導体回路印刷工程及び外周部切
断工程を行った後、グリーンシートから流動用シートを
取り外し、次いで前記第二の位置決め用孔を利用して積
層工程を行うことその要旨としている。
開口部を有する補強用シートと、その補強用シートの厚
さと概ね同じ高さを有しかつ前記開口部に対して嵌脱可
能な凸部を備えた流動用シートとからなるグリーンシー
トキャリア用治具をその要旨としている。
切断工程のときと、積層工程のときとでは、異なる位置
決め用孔が使用されるため、従来に比して位置決め用孔
に変形・破損が生じ難くなる。しかも、第一の位置決め
用孔は、補強用シートを貼着したグリーンシートの外周
部に形成されているため、数回の流動を経ても変形・破
損することがない。また、グリーンシートは補強用シー
トと流動用シートとにより下面側から支承された状態で
流動されるため、グリーンシート自体の変形・破損も起
こり難くなる。
リア用治具の構成によると、グリーンシートは、それぞ
れの開口部と凸部とが嵌合状態にある補強用シートと流
動用シートとによって下面側から支承された状態で流動
される。このため、グリーンシートに変形等をもたらす
ような力が付加し難くなると共に、流動時のハンドリン
グ性も向上する。
多層基板の製造方法に具体化した一実施例を図1及び図
2に基づき詳細に説明する。
等を添加したスラリーを材料としてドクターブレード法
によるシート成形を行い、グリーンシート(外形250
mm×250mm,厚さ0.4mm)1を作製した。その後、
グリーンシート1に対して所定の乾燥を施した。
リーンシート1の下面外周部にグリーンシートキャリア
用治具6を構成する補強用シート7を貼着した。また、
前記補強用シート7の中央部には、略正方形状の開口部
7aが設けられている。なお、本実施例では補強用シー
ト7の形成材料として、厚さ0.180mmの樹脂製フィ
ルムが使用されている。前記樹脂製フィルムの片面には
接着剤7bがあらかじめ塗布されており、グリーンシー
ト1と樹脂製フィルムとの接着はその接着剤7bを介し
て行われる(図2参照)。
ーンシート1及び補強用シート7の双方に対してパンチ
加工を施した。そして、グリーンシート1の外周部、即
ち補強用シート7が貼着された部分に第一の位置決め用
孔H1 を形成し、かつそれらよりも内側の部分に第二の
位置決め用孔H2 を形成した。また、同時にグリーンシ
ート1に多数のスルーホール形成用孔2を形成した。な
お、第一の位置決め用孔H1 は後の導体回路印刷工程及
び外周部切断工程にて利用され、第二の位置決め用孔H
2 は積層工程にて利用されることになる。
後、図1(c)に示されるように、グリーンシート1及
び補強用シート7の下面側に、グリーンシートキャリア
用治具6を構成する流動用シート8を配置した。この流
動用シート8の上面中央部には、図2に示されるよう
に、補強用シート7の厚さと概ね同じ高さの凸部8aが
形成されている。このため、流動用シート8の凸部8a
と補強用シート7の開口部7aとの嵌脱が可能となって
いる。
した第一の位置決め用孔H1 とほぼ同じ大きさの貫通孔
H3 が第一の位置決め用孔H1 と同一軸線上に形成され
ている。なお、本実施例では流動用シート8の形成材料
として、補強用シート7と同様の樹脂製フィルムが使用
されている。そして、この樹脂製フィルムの上面には、
グリーンシート1及び補強用シート7からの離型性を良
くするための手段として、あらかじめ離型剤8bが塗布
されている(図2参照)。
嵌合させた図1(c)の状態にしてスクリーン印刷機1
0までの流動を行い、スクリーン印刷機10の治具11
のガイドピン11aを第一の位置決め用孔H1 及び貫通
孔H3 に挿入した。
め用孔H1 及び貫通孔H3 とにより所定の位置決めを行
った後、導電性金属ペーストPを印刷した。そして、図
1(d)に示されるように、グリーンシート1に導体回
路としてのスルーホール内導体回路3aと配線パターン
3bとを形成した。なお、本実施例では、タングステン
粉末を主成分として含む従来公知のタングステンペース
トを印刷に使用した。
に嵌合させた状態で切断機12までの流動を行い、切断
機12の治具13のガイドピン13aを第一の位置決め
用孔H1 及び貫通孔H3 に挿入した。そして、ガイドピ
ン13aと第一の位置決め用孔H1 及び貫通孔H3 とに
より所定の位置決めを行った後、グリーンシート1の外
周部の切断を行った(図1(e) 参照)。
グリーンシート1から流動用シート8を取り外し、ラミ
ネート装置14の治具15上に複数枚(本実施例では5
枚)のグリーンシート1を重ね合わせて配置した。そし
て、ガイドピン15aと第二の位置決め用孔H2 とによ
り所定の位置決めを行った後、プレス圧の付加によりグ
リーンシート1を熱圧着させ、積層体4を得た(図1
(f) 参照)。以下、常法に従って積層体4に仮焼成及び
本焼成を施し、所望のAlN多層基板を得た。
して、導体回路3a,3bの横方向への位置ずれ量(±
mm)を調査した。また、積層工程前にグリーンシート1
を観察し、第一及び第二の位置決め用孔H1 ,H2 の変
形・破損、グリーンシート1の変形・破損の有無を調査
した。これらの結果を表1に示す。
うなグリーンシートキャリア用治具6を用いることな
く、従来通りに作業者の手作業によってグリーンシート
を流動させた。また、各工程における位置決めも一種類
の位置決め用孔(つまり、実施例における第一の位置決
め用孔に相当する孔)のみを用いて行った。このように
して得られるグリーンシート及びAlN多層基板につい
ても同様の調査を実施した。
±0.005mmという極めて小さな値を示し、位置決め
精度に極めて優れることがわかった。一方、比較例では
±0.030mmとなり、実施例に比して高い値となっ
た。
にもグリーンシート1にも特に変形等が認められなかっ
たのに対し、比較例ではいずれについても変形等が認め
られる結果となった。
程及び切断工程のときに第一の位置決め用孔H1 と貫通
孔H3 が利用され、積層工程のときに第二の位置決め用
孔H2 が利用されることを特徴とする。この場合、従来
に比して位置決め用孔H1 ,H2 に変形・破損が生じ難
くなる。しかも、第一の位置決め用孔H1 は補強用シー
ト7によって補強されているため、数回の流動を経ても
変形・破損することがない。よって、諸工程毎における
グリーンシート1の位置決め精度が確実に向上し、結果
として寸法精度に優れたAlN多層基板が効率良く得ら
れるようになる。
と流動用シート8とにより下面側から支承された状態で
流動されるため、グリーンシート1自体に変形・破損が
起こることも防止できる。更に、グリーンシート1の流
動中には開口部7aと凸部8aとが嵌合した状態にある
ことから、グリーンシート1に変形等をもたらすような
力が付加し難くなり、流動時のハンドリング性も向上す
る。
用いると、いわゆる多数個採り用の大型のグリーンシー
トを取り扱う場合でも、同グリーンシートの変形等を確
実に防止することができるという利点がある。また、前
記キャリア用治具6を用いることは、肉薄のグリーンシ
ート(例えば0.2mm厚)の流動を行うときなどに極め
て好都合である。
ることはなく、以下のように変更することが可能であ
る。例えば、 (a)本発明は実施例のようなAlN多層基板の製造方
法のみに限定されず、例えばアルミナ多層基板や窒化ホ
ウ素多層基板等の製造方法に具体化しても良い。
治具6は多層基板の製造時のみの使用に限定されること
はなく、片面板や両面板の製造時においても使用するこ
とが勿論可能である。
とを接着する手段は、実施例のような接着剤による方法
のみに限られず、他の従来公知の手段に代替させること
が勿論可能である。また、必ずしも両者1,7を面接触
させて完全に固定することが必須というわけではない。
は、実施例のような樹脂製フィルムに限定されることは
ない。例えば、所定の剛性を有しかつ孔あけ加工等が可
能なものであれば、金属板や木板等であっても良い。
をあらかじめ嵌合させた状態で第一及び第二の位置決め
用孔H1 ,H2 、スルーホール形成用孔2、貫通孔H3
の形成を行っても構わない。
にしても良いし、何回も繰り返して使用しても良い。 (g)補強用シート7は実施例のように必ずしも一体で
ある必要はなく、例えばグリーンシート1の外周部に同
じ厚さのテープ等を4本貼着することによって代えても
良い。その際には、開口部7aに相当する部分を形成す
ることが望ましい。
H2 の形成数やその配列の仕方等は、実施例にて示した
もののみに限定されることはない。また、流動用シート
8の貫通孔H3 の径を第一及び第二の位置決め用孔H1
,H2 の径よりも小さく設定しておくことも良い。つ
まり、印刷工程及び切断工程のときの位置決めに、貫通
孔H3 のみが実質的に関与することとなるため、更なる
第一の位置決め用孔H1の変形防止が図られる。
クス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用
治具によれば、グリーンシートを流動する際のハンドリ
ング性を改善でき、かつ諸工程毎におけるグリーンシー
トの位置決め精度を向上させることができるという優れ
た効果を奏する。
造する工程を説明するための概略正断面図である。
治具を示す斜視図である。
ール内導体回路、3b…導体回路としての配線パター
ン、6…グリーンシートキャリア用治具、7…補強用シ
ート、7a…開口部、8…流動用シート、8a…凸部、
H1 …第一の位置決め用孔、H2 …第二の位置決め用
孔、H3 …貫通孔。
Claims (2)
- 【請求項1】グリーンシート(1)に対する位置決め用
孔(H1 ,H2 )形成工程、導体回路(3a,3b)印
刷工程及び外周部切断工程を行った後、前記グリーンシ
ート(1)を積層する工程及び積層されたグリーンシー
ト(4)を焼成する工程を行うセラミックス多層基板の
製造方法において、 補強用シート(7)を前記グリーンシート(1)の外周
部に貼着した後、前記導体回路(3a,3b)印刷工程
及び前記外周部切断工程にて使用される第一の位置決め
用孔(H1 )をグリーンシート(1)及び補強用シート
(7)の双方に形成すると共に、前記積層工程にて使用
される第二の位置決め用孔(H2 )を前記第一の位置決
め用孔(H1 )よりも内側の部分に形成し、更に前記位
置決め用孔(H1 ,H2 )形成工程を経たグリーンシー
ト(1)及び補強用シート(7)の下面側に、補強用シ
ート(7)の厚さと概ね同じ高さの凸部(8a)を有し
かつその外周部に前記第一の位置決め用孔(H1 )とほ
ぼ同様の貫通孔(H3 )が形成された流動用シート
(8)を嵌合させ、この状態で前記第一の位置決め用孔
(H2 )を利用して導体回路(3a,3b)印刷工程及
び外周部切断工程を行った後、グリーンシート(1)か
ら流動用シート(8)を取り外し、次いで前記第二の位
置決め用孔(H2 )を利用して積層工程を行うことを特
徴としたセラミックス多層基板の製造方法。 - 【請求項2】中心部分に開口部(7a)を有する補強用
シート(7)と、その補強用シート(7)の厚さと概ね
同じ高さを有しかつ前記開口部(7a)に対して嵌脱可
能な凸部(8a)を備えた流動用シート(8)とからな
るグリーンシートキャリア用治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3888093A JP3243035B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | セラミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3888093A JP3243035B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | セラミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06252557A JPH06252557A (ja) | 1994-09-09 |
JP3243035B2 true JP3243035B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=12537534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3888093A Expired - Lifetime JP3243035B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | セラミックス多層基板の製造方法及びグリーンシートキャリア用治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3243035B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2009154354A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Panasonic Corp | スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法ならびに基板保持装置および基板保持方法 |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP3888093A patent/JP3243035B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH06252557A (ja) | 1994-09-09 |
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