JP2004221099A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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【課題】複数の積層セラミック電子部品のための積層体チップを取り出すことができるマザー積層体は、大型化されるほど、それを作製するための工程およびその後の取扱いが困難になる。
【解決手段】枠状のホルダ11によって、その周縁部が保持された状態にある、アンダーシート12上で、セラミックグリーンシート16の積層を実施して、マザー積層体を得、その後の搬送および中間的な寸法の中間積層体を得るための1次分割工程も、ホルダ11によって保持されたアンダーシート12とともに実施する。そして、プレス工程を、アンダーシート12によって裏打ちされた中間積層体に対して実施し、その後、複数の積層体チップを得るための2次分割工程を実施する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、複数の積層セラミック電子部品のための積層体チップをマザー積層体から取り出すようにした、積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7には、この発明にとって興味ある積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1が断面図で示されている。
【0003】
積層セラミックコンデンサ1は、内部回路要素としての内部電極2を介在させて積層された複数のセラミック層3をもって構成される積層体チップ4を備え、積層体チップ4の両端面には、特定の内部電極3に電気的に接続されるように外部電極5が形成されている。
【0004】
このような積層セラミックコンデンサ1を工場規模で製造しようとするとき、カット、ブレイクあるいはダイシング等による分割により複数の積層体チップ4を取り出すことができるマザー積層体が作製される。マザー積層体は、セラミック層3となるべき積層された複数のセラミックグリーンシートと、特定のセラミックグリーンシート上の複数箇所に分布して形成された内部電極2とを備えている。
【0005】
上述のようなマザー積層体は、焼成前の生の段階において、これを所定の分割線に沿って分割することによって、複数個の生の状態にある積層体チップ4を取り出すことができる。これら積層体チップ4は、次いで焼成され、その後、外部電極5が形成されることによって、所望の積層セラミックコンデンサ1が得られる。
【0006】
マザー積層体を作製するためには、内部電極2が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層し、次いで、これを積層方向にプレスする、各工程が実施される。
【0007】
他方、積層セラミックコンデンサ1の製造の能率をより向上させるためには、マザー積層体をより大きい面積のものとすることによって、1つのマザー積層体からより多数の積層体チップ4を取り出せるようにすることが有効である。
【0008】
しかしながら、マザー積層体が大型化されると、次のような問題に遭遇する。
【0009】
まず、マザー積層体の大型化に伴って、これを作製するための積層装置からプレス装置への搬送、プレス装置への位置決め、プレス装置からの取り出しといった各工程での取扱いが一層困難になる。
【0010】
また、積層工程、搬送工程およびプレス工程等で用いられる装置が大型化し、設備コスト等の上昇といった問題も無視できない。
【0011】
さらに、プレス工程において、生のセラミックの流動によって生じ得る内部電極2の変形や位置ずれは、マザー積層体が大型化されるほど生じやすい。
【0012】
これらの問題に関連して、マザー積層体を分割する工程を2段階に分け、第1段階で中間的な寸法の中間積層体を得、その後の第2段階において中間積層体を分割して積層体チップを得るといった方法を採用しながら、マザー積層体の段階では比較的高い圧力によるプレス工程を実施せず、中間積層体に対して比較的高い圧力によるプレス工程を実施することが、たとえば特開2000−100655号公報(特許文献1)において提案されている。
【0013】
この特許文献1に記載の方法によれば、プレス工程で用いられる装置の大型化を避けることができるとともに、プレス工程において生じ得る内部電極2の変形や位置ずれを低減することができる。
【0014】
また、たとえば特開平7−106190号公報(特許文献2)では、複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体をプレス用金型内でプレスする際、その表面において優れた離型性を有する離型性フィルムを、積層体とプレス用金型との間に介在させてプレスすることが提案されている。
【0015】
この特許文献2に記載の方法によれば、マザー積層体をプレス装置から取り出す際の取扱いが容易になり、そのため、マザー積層体の大型化にある程度対処することができる。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−100655号公報
【特許文献2】
特開平7−106190号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1および2に記載の技術によれば、マザー積層体が大型化されたときに遭遇する前述のいくつかの問題は解決される。しかしながら、特許文献1および2に記載の技術によっても、積層装置からプレス装置へのマザー積層体の搬送およびプレス装置への位置決めが困難であるという問題、積層装置が大型化するという問題等については、なおも解決されない。
【0018】
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、所定の複数の分割線に沿って分割されたとき、個々の積層セラミック電子部品のための積層体チップを与えるものであって、積層された複数のセラミックグリーンシートと、特定のセラミックグリーンシート上の複数箇所に分布して形成された内部回路要素とを備える、マザー積層体を作製するためのマザー積層体作製工程と、マザー積層体を複数の分割線のうちの特定のものに沿って分割し、それによって、中間的な寸法の複数の中間積層体を得るための1次分割工程と、中間積層体を積層方向にプレスするためのプレス工程と、プレスされた中間積層体を複数の分割線の残りのものに沿って分割し、それによって、複数の積層体チップを得るための2次分割工程とを備えている。
【0020】
このような積層セラミック電子部品の製造方法において、前述した技術的課題を解決するため、この発明では、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0021】
まず、枠状のホルダによって、その周縁部が保持された状態にある、アンダーシートを用意する工程を備えている。
【0022】
また、前述のマザー積層体作製工程は、上記枠状のホルダによって保持されたアンダーシート上で、内部回路要素が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層する工程を備える。
【0023】
また、前述の1次分割工程は、枠状のホルダから中間積層体を取り出すために、枠状のホルダの内側においてアンダーシートを分断するとともに、アンダーシートによって裏打ちされた状態の中間積層体を得るために、マザー積層体をアンダーシートと一緒に分割する工程を備える。
【0024】
そして、プレス工程は、アンダーシートによって裏打ちされた状態の中間積層体に対して実施される。
【0025】
この発明において、前述の2次分割工程は、アンダーシートを中間積層体から剥離した後に実施されることが好ましい。
【0026】
また、アンダーシートは、マザー積層体に接する面において粘着性を有していることが好ましい。
【0027】
また、マザー積層体作製工程および1次分割工程は、枠状のホルダを位置決めしながら実施されることが好ましい。
【0028】
また、マザー積層体作製工程において、アンダーシートは、セラミックグリーンシートを積層する面とは逆の面に真空吸引を及ぼすことによって固定されることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、この発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法を説明するためのものである。この実施形態では、積層セラミック電子部品として、図7に示すような積層体チップ4を備える積層セラミックコンデンサ1が製造される。
【0030】
この実施形態による製造方法を実施するため、図1に示すような枠状のホルダ11およびアンダーシート12が用意される。アンダーシート12は、枠状のホルダ11上に重ねられ、その周縁部が押さえ板13によってホルダ11に取り付けられる。この取り付けには、図示しないが、たとえばねじ止めが適用される。このようにして、図2および図3に示すように、アンダーシート12は、枠状のホルダ11によって、その周縁部が保持された状態とされる。
【0031】
図3には、マザー積層体14が図示されているが、このようなマザー積層体14を作製するため、次のような工程が実施される。
【0032】
図2を参照して、キャリアフィルム15が用意され、キャリアフィルム15上でセラミックスラリーをシート状に成形することによって、セラミックグリーンシート16が作製される。セラミックスラリーのシート状への成形には、たとえば、コーティング法または印刷法等が適用される。セラミックグリーンシート16の厚みは、通常、1〜30μm程度とされる。
【0033】
キャリアフィルム15は、たとえば、厚み50〜70μmのポリエステルフィルムまたはポリオレフィンフィルムから構成され、特に、コストおよび物性などの面から、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリプロピレンフィルムから構成されることが好ましい。キャリアフィルム15は、通常、長尺状であり、セラミックグリーンシート16は、このような長尺状のキャリアフィルム15上において、長手方向に連続的に形成される。
【0034】
次に、セラミックグリーンシート16上の複数箇所に分布して、内部回路要素としての内部電極2(図7参照)となるべき導体膜が、たとえば、導電性ペーストの印刷によって形成される。なお、図2ならびに後述する図3ないし図6においては、このような内部電極2となる導体膜の図示が省略されている。
【0035】
上述したキャリアフィルム15上でのセラミックグリーンシート16の成形工程と内部電極2となる導体膜の形成工程とは、逆の順序で実施されてもよい。
【0036】
なお、多くの図面において、マザー積層体14およびセラミックグリーンシート16は、各々の厚み方向寸法が誇張されて図示され、また、セラミックグリーンシート16の積層数については、実際のものより少なく図示されていることを指摘しておく。
【0037】
マザー積層体14を作製するため、内部電極2となる導体膜が形成されたセラミックグリーンシート16を含む複数のセラミックグリーンシート16を積層する工程は、図2に示すように、枠状のホルダ11によって保持されたアンダーシート12上で実施される。
【0038】
まず、枠状のホルダ11が位置決めされるとともに、アンダーシート12が積層テーブル17上に配置される。積層体テーブル17は、好ましくは、図示しないが、アンダーシート12の下面に対して真空吸引を及ぼすことが可能な構成とされ、それによって、アンダーシート12は、積層テーブル17に固定される。また、積層テーブル17は、60〜80℃程度の温度に加熱される。
【0039】
セラミックグリーンシート16を積層するため、吸着ヘッド18が用いられる。吸着ヘッド18は、キャリアフィルム15の上方の位置と積層テーブル17の上方の位置との間を両方向矢印19で示すように、往復移動可能である。吸着ヘッド18は、図示しないが、カット刃を備え、図2に破線で示した位置にあるとき、カット刃はキャリアフィルム15上のセラミックグリーンシート16の所定の領域を切り出す。吸着ヘッド18は、このように切り出されたセラミックグリーンシート16を真空吸引に基づき保持するように構成されていて、このように保持したセラミックグリーンシート16を積層テーブル17の上方の位置まで搬送する。
【0040】
上述のように、吸着ヘッド18によって搬送されたセラミックグリーンシート16は、吸着ヘッド18のさらなる下方への移動によって、積層テーブル17上のアンダーシート12上、またはアンダーシート12上に既に配置されたセラミックグリーンシート16上に配置される。このとき、既に積層されたセラミックグリーンシート16に対して、これから積層されようとするセラミックグリーンシート16を圧着させるため、後述するプレス工程の場合より低い圧力による仮プレス工程が実施されてもよい。そして、以上のような工程が繰り返されることによって、図3に示すようなマザー積層体14が得られる。
【0041】
上述のような積層工程において、アンダーシート12は、セラミックグリーンシート14を拘束し、これを位置決めするように作用する。アンダーシート12としては、キャリアフィルム15と同じものを用いることができるが、上述の作用をより効果的に発揮させるためには、アンダーシート12は、セラミックグリーンシート16に対してより大きな拘束力を働かせ得るものであることが好ましい。また、アンダーシート12は、積層工程において付与される前述したような60〜80℃といった温度によっても変形しないものでなければならない。さらに、アンダーシート12は、後述する分割工程において、押し切りによる切断が可能でなければならない。
【0042】
これらのことを考慮して、アンダーシート12としては、厚み100〜250μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィルムまたはポリプロピレンフィルムなどが好適に用いられる。そして、後述するアンダーシート12の剥離工程を容易に進め得るようにするため、アンダーシート12の少なくともマザー積層体14に接する面上に、良好な離型性を与える離型剤コーティングが施されると、この離型剤自身が有する粘着性によって、セラミックグリーンシート16がアンダーシート12によって十分に拘束されることができる。
【0043】
なお、離型剤以外の粘着剤による粘着性がコーティングされてもよい。
【0044】
上述のように、離型剤または粘着剤コーティングが施される場合には、アンダーシート12の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。これによって、アンダーシート12に接するセラミックグリーンシート16の表面の平滑性を損なわないようにすることができる。
【0045】
他方、アンダーシート12に接するセラミックグリーンシート16の表面の平滑性を損なわないようにする必要が特にない場合には、セラミックグリーンシート16を拘束するため、上述のような離型剤または粘着剤が有する粘着性に頼らず、アンダーシート12の表面を粗面化する方法を採用してもよい。この場合には、アンダーシート12の表面粗さ(Ra)は、たとえば0.5〜10μm程度とされる。
【0046】
なお、これら粘着性による方法および粗面化による方法の両者を併用してもよく、いずれにしても、アンダーシート12は、キャリアフィルム15に比べて、セラミックグリーンシート16に対する拘束力がより大きくなるように構成されることが好ましい。
【0047】
また、上述のような機能を有するアンダーシート12が枠状のホルダ11によって保持されていることにも重要な意義がある。
【0048】
すなわち、アンダーシート12がホルダ11によって保持されていない場合には、積層工程を実施している間、アンダーシート12が積層テーブル17によって吸引保持されているものの、セラミックグリーンシート16が大型化されるに従って、セラミックグリーンシート16の熱による変形量が大きくなり、その結果、アンダーシート12に反りが生じ、アンダーシート12が積層テーブル17から浮き上がることがある。
【0049】
このような浮き上がりは、セラミックグリーンシート16の積層位置のずれの原因となったり、最悪の場合には、吸着ヘッド18とセラミックグリーンシート16とが干渉し、設備の故障を招いたりすることがある。
【0050】
これらの不都合は、アンダーシート12を枠状のホルダ11によって保持しておくことにより、有利に回避することができる。
【0051】
また、アンダーシート12がホルダ11によって保持されない場合には、積層テーブル17からの加熱によって、アンダーシート12に変形が生じやすい。このような変形は、積層テーブル17の面方向に生じやすく、したがって、このことも、セラミックグリーンシート16の積層位置のずれの原因となる。
【0052】
このような不都合についても、アンダーシート12を枠状のホルダ11によって保持した状態としておくことにより、有利に回避することができる。
【0053】
上述のようにしてマザー積層体14の作製を終えたとき、積層テーブル17による真空吸引が停止され、図3に示すように、マザー積層体14が、枠状のホルダ11によって保持されたアンダーシート12とともに、積層装置から取り出される。このとき、アンダーシート12には、枠状のホルダ11による張力が加えられているので、アンダーシート12とマザー積層体14との熱変形量の差による反りを防止することができる。
【0054】
また、積層装置から取り出されたマザー積層体14は、次の工程を実施する場所まで搬送されるが、この搬送は、枠状のホルダ11によって保持されたアンダーシート12上にマザー積層体14を載せた状態で行なわれる。したがって、枠状のホルダ11を搬送するための搬送装置を適用することができ、マザー積層体14のみを搬送する場合に比べて、搬送装置の機構をより簡単なものとすることができる。
【0055】
次に、図3に示す状態でマザー積層体14を特定の分割線20に沿って分割し、それによって、図4に示すような中間的な寸法の複数の中間積層体21を得るための1次分割工程が実施される。この1次分割工程では、通常、カット刃による押し切りが適用され、マザー積層体14がアンダーシート12と一緒に分割される。
【0056】
上述した分割線20は、マザー積層体14をセンシングすることによって得られる仮想線であって、マザー積層体14から個々の積層体チップ4を得るための複数の分割線のうちの特定のものであり、この実施形態では、マザー積層体14の中央部を通るものである。マザー積層体14は、その中央部を通る分割線20とこれに十字状に交差するもう1つの分割線とに沿ってそれぞれ分割され、それによって、たとえば4つの中間積層体21が取り出される。
【0057】
また、1次分割工程において、枠状のホルダ11から中間積層体21を取り出すために、枠状のホルダ11の内側においてアンダーシート12が分断される。この分断は、たとえば、マザー積層体14の周縁部を通る分割線22に沿う切断によって実現される。このように、マザー積層体14の周縁部に位置する分割線22に沿う切断を実施すれば、得られた中間積層体21の外形寸法精度を高めることができる。
【0058】
なお、中間積層体21の外形寸法精度がそれほど要求されない場合には、たとえば分割線23に沿う分割のように、アンダーシート12におけるマザー積層体14が位置していない領域での分割が適用されてもよい。
【0059】
上述の1次分割工程は、枠状のホルダ11を位置決めしながら実施されることが好ましい。ホルダ11を位置決めすれば、このホルダ11によって保持されたアンダーシート12を介してマザー積層体14が位置決めされ、マザー積層体14に対して実施される分割を高い位置精度をもって実施することができる。また、マザー積層体14を直接位置決めする場合に比べて、位置決めのための機構を簡単に実現することができる。
【0060】
また、1次分割工程は、熱によるマザー積層体14の変形を防ぐため、たとえば60℃以下といった低温で実施されることが好ましい。
【0061】
図4には、1次分割工程を実施することによって得られた中間積層体21が示されている。上述のような1次分割工程の結果、中間積層体21は、アンダーシート12によって裏打ちされた状態となっている。
【0062】
次に、上述のような中間積層体21に対して、その積層方向にプレスするためのプレス工程が実施される。このプレス工程では、静水圧プレスまたは剛体プレスなどが適用される。なお、上記プレス工程において、弾性体を介在させてからプレスしてもよい。
【0063】
このようなプレス工程において、中間積層体21はアンダーシート12によって裏打ちされた状態となっているので、アンダーシート12が生のセラミックの流動を拘束する機能を果たし、中間積層体21において生じ得るプレス歪みを低減することができる。また、中間積層体21をプレスするためのプレス装置は、マザー積層体14をプレスするためのプレス装置に比べて小型化できる。
【0064】
また、プレス工程では、通常、中間積層体21を収容する金型が用いられるが、この金型は、専らプレス工程においてのみ用いられる。すなわち、前述した積層工程や搬送工程では、このような金型を用いる必要はない。プレス工程で用いる金型は、プレス工程での圧力に耐え得るようにするため、通常、比較的重量が大きい。そのため、このような金型が、搬送工程においても用いられることになると、搬送装置に対して高い剛性が要求され、そのコストの上昇を招く。また、このような金型は熱容量が大きい。そのため、積層工程において、前述した積層テーブル17として、このような金型が用いられると、それを所定の温度にまで加熱するための予熱時間がかかり、また余計な熱源も必要となる。これらの問題は、積層工程および搬送工程において、アンダーシート12を保持する枠状のホルダ11を用いることによって、すべて解消されることができる。
【0065】
次に、図5に示すように、中間積層体21からアンダーシート12が剥離される。
【0066】
次に、図6に示すように、中間積層体21を残りの分割線24に沿って分割するための2次分割工程が実施される。この2次分割工程においても、カット刃による押し切りが適用される。この2次分割工程の結果、複数の積層体チップ4が得られる。
【0067】
その後、各積層体チップ4は、周知のように、焼成され、次いで、図7に示すように外部電極5が形成されたとき、所望の積層セラミックコンデンサ1が得られる。
【0068】
以上、この発明を、図示した実施形態による積層セラミックコンデンサの製造方法に関連して説明したが、この発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、抵抗、インダクタ、バリスタ等として機能する積層セラミック電子部品、多層セラミック基板のような積層セラミック電子部品、あるいは、複数の機能が複合された積層セラミック電子部品にも適用することができる。
【0069】
また、前述した実施形態では、積層体チップの内部に形成される内部回路要素が、内部電極であったが、上述のように、この発明は任意の機能を有する種々の積層セラミック電子部品に対して適用可能であるので、内部回路要素としては、種々の態様が考えられる。たとえば、内部回路要素は、内部電極のような良好な導電性を有する回路要素である以外に、たとえば比較的大きな電気抵抗性あるいは他の電気的特性を有する回路要素であってもよい。
【0070】
また、前述した実施形態において用いるアンダーシート12は、枠状のホルダ11に取り付ける前に熱処理しておいて、熱収縮を抑制するための対策を施しておいてもよい。
【0071】
また、アンダーシート12は、ポリエチレンテレフタレートのような樹脂フィルム以外に、紙や薄い金属シートなどで構成されてもよい。このように、紙や薄い金属シートが用いられる場合においても、必要に応じて、離型剤コーティングが施される。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、枠状のホルダによって、その周縁部が保持された状態にある、アンダーシートを用意し、このアンダーシート上で、複数のセラミックグリーンシートを積層する工程を実施するようにしているので、積層工程後のマザー積層体の搬送を、枠状のホルダによって保持されたアンダーシートともに行なうことができる。したがって、マザー積層体の取扱いが容易になるとともに、取扱い中のマザー積層体への損傷を生じさせにくくすることができる。
【0073】
また、アンダーシートが枠状のホルダによって保持されているので、積層工程においてセラミックグリーンシートに熱変形が生じ、この熱変形がセラミックグリーンシートの大型化によって大きく生じたとしても、アンダーシートに変形がもたらされることは防止される。したがって、積層位置の精度が低下したり、セラミックグリーンシートないしはマザー積層体に反りが生じたりすることを防止することができる。
【0074】
また、この発明では、マザー積層体から個々の積層セラミック電子部品のための積層体チップを得る前に、中間的な寸法の中間積層体を得るようにして、この中間積層体に対してプレス工程を実施するようにしている。そして、中間積層体を得るための1次分割工程では、枠状のホルダによって保持されたアンダーシートともに、マザー積層体を分割するようにしている。
【0075】
したがって、1次分割工程が実施されるマザー積層体は、枠状のホルダによって保持されたアンダーシート上に載せられた状態にあるので、その取扱いが容易であるとともに、分割位置に関して高い精度を与えることができる。
【0076】
また、プレス工程がマザー積層体より寸法の小さい中間積層体に対して実施されるので、プレス工程での取扱いが容易になるとともに、プレス装置を小型化することができる。また、プレス工程が、アンダーシートによって裏打ちされた状態の中間積層体に対して実施されるので、アンダーシートが生のセラミックの流動を拘束するように作用し、プレス歪みを生じにくくすることができる。
【0077】
上述のアンダーシートは、中間積層体をさらに分割して複数の積層体チップを得るための2次分割工程では、特に必要としない。そのため、アンダーシートを中間積層体から剥離した後に2次分割工程を実施すれば、2次分割工程をより円滑に進めることができる。また、積層体チップを得てから、アンダーシートを剥離する場合に比べて、アンダーシートを能率的に剥離することができる。
【0078】
アンダーシートが、マザー積層体に接する面において粘着性を有していると、アンダーシートに対するセラミックグリーンシートないしはマザー積層体の位置決めを確実に行なうことができるので、積層工程における積層位置の精度および2次分割工程での分割位置の精度をより高めることができる。また、アンダーシートに対するセラミックグリーンシートないしはマザー積層体の位置決めを確実に行なうため、アンダーシートを粗面化するなどの処理が不要であるので、アンダーシートに接するセラミックグリーンシートの表面の平滑性を良好なものとすることができる。
【0079】
マザー積層体作製工程および1次分割工程が、枠状のホルダを位置決めしながら実施されると、セラミックグリーンシートないしはマザー積層体の位置決めをより確実に行なうことができるとともに、このような位置決めのための機構を簡易な構成で実現することができる。
【0080】
また、マザー積層体作製工程において、アンダーシートが、セラミックグリーンシートを積層する面とは逆の面に真空吸引を及ぼすことによって固定されると、セラミックグリーンシートの積層位置についての精度を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法において用いられる枠状のホルダ11、アンダーシート12および押さえ板13を互いに分離した状態で示す斜視図である。
【図2】図1に示した枠状のホルダ11によって保持されたアンダーシート12を用いてセラミックグリーンシート16を積層する工程を実施している状態を示す断面図である。
【図3】図2に示した工程を実施して得られた、枠状のホルダ11によって保持されたアンダーシート12上に位置するマザー積層体14を示す断面図である。
【図4】図3に示した状態で1次分割工程を実施して得られた複数の中間積層体21を示す断面図である。
【図5】図4に示した中間積層体21からアンダーシート12を剥離する工程を示す断面図である。
【図6】図5に示した中間積層体21から個々の積層体チップ4を得るための2次分割工程を説明するための断面図である。
【図7】この発明にとって興味ある積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ
2 内部電極(内部回路要素)
3 セラミック層
4 積層体チップ
11 枠状のホルダ
12 アンダーシート
14 マザー積層体
16 セラミックグリーンシート
17 積層テーブル
20,22,23,24 分割線
21 中間積層体

Claims (5)

  1. 所定の複数の分割線に沿って分割されたとき、個々の積層セラミック電子部品のための積層体チップを与えるものであって、積層された複数のセラミックグリーンシートと、特定の前記セラミックグリーンシート上の複数箇所に分布して形成された内部回路要素とを備える、マザー積層体を作製するためのマザー積層体作製工程と、
    前記マザー積層体を前記複数の分割線のうちの特定のものに沿って分割し、それによって、中間的な寸法の複数の中間積層体を得るための1次分割工程と、
    前記中間積層体を積層方向にプレスするためのプレス工程と、
    プレスされた前記中間積層体を前記複数の分割線の残りのものに沿って分割し、それによって、複数の積層体チップを得るための2次分割工程と
    を備え、さらに、
    枠状のホルダによって、その周縁部が保持された状態にある、アンダーシートを用意する工程を備え、
    前記マザー積層体作製工程は、前記枠状のホルダによって保持された前記アンダーシート上で、前記内部回路要素が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数の前記セラミックグリーンシートを積層する工程を備え、
    前記1次分割工程は、前記枠状のホルダから前記中間積層体を取り出すために、前記枠状のホルダの内側において前記アンダーシートを分断するとともに、前記アンダーシートによって裏打ちされた状態の前記中間積層体を得るために、前記マザー積層体を前記アンダーシートと一緒に分割する工程を備え、
    前記プレス工程は、前記アンダーシートによって裏打ちされた状態の前記中間積層体に対して実施される、
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記2次分割工程は、前記アンダーシートを前記中間積層体から剥離した後に実施される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記アンダーシートは、前記マザー積層体に接する面において粘着性を有する、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記マザー積層体作製工程および前記1次分割工程は、前記枠状のホルダを位置決めしながら実施される、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記マザー積層体作製工程において、前記アンダーシートは、前記セラミックグリーンシートを積層する面とは逆の面に真空吸引を及ぼすことによって固定される、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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