JP2003197461A - 積層型電子部品の製法 - Google Patents

積層型電子部品の製法

Info

Publication number
JP2003197461A
JP2003197461A JP2001393086A JP2001393086A JP2003197461A JP 2003197461 A JP2003197461 A JP 2003197461A JP 2001393086 A JP2001393086 A JP 2001393086A JP 2001393086 A JP2001393086 A JP 2001393086A JP 2003197461 A JP2003197461 A JP 2003197461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic green
green sheet
carrier film
electronic component
internal electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001393086A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidefumi Iwashita
英史 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001393086A priority Critical patent/JP2003197461A/ja
Publication of JP2003197461A publication Critical patent/JP2003197461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体磁器層および内部電極を薄層化して積層
数を増加した場合にも、内部電極層の厚みによる段差を
無くすことができ、クラックやデラミネーションの発生
を抑制できる積層型電子部品の製法を提供する。 【解決手段】ベースフィルム3と、該ベースフィルム3
上の所定位置に貼り合わされた矩形状の凸パターン5と
から構成されてなるキャリアフィルム1を準備する工程
と、該キャリアフィルム1に形成された前記凸パターン
5側に、セラミック粉末、バインダ及び溶媒を含有する
セラミックスラリを塗布して、前記凸パターン5に対応
する形状の凹部45を有するとともに、該凹部45の反
対側の全面が平坦面47を有するセラミックグリーンシ
ート41を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型電子部品の
製法に関し、特に、積層型アクチュエータや積層セラミ
ックコンデンサのようにセラミックグリーンシートおよ
び導体パターンが薄層多層化された積層型電子部品の製
法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高密度実装化に
伴い、この電子機器の中に実装される積層型電子部品
は、薄型化、高寸法精度が要求されており、例えば、積
層セラミックコンデンサでは小型高容量化が求められ、
このため誘電体磁器層や内部電極の薄層化及び多層化が
進められている。
【0003】このような積層型電子部品では、誘電体磁
器層の薄層化及び多層化に伴い、誘電体磁器層間に形成
された内部電極の厚みが大きく影響するようになり、内
部電極が形成されている部分と形成されていない部分と
の間で内部電極の厚みによる段差が累積し、内部電極の
無い周囲の誘電体磁器層同士の密着が弱くなり、デラミ
ネーションやクラックが発生しやすくなる。このため誘
電体磁器層上の内部電極の有無による段差を無くす工夫
が図られている。
【0004】そして、このような積層型電子部品の製法
として、例えば、特開平10−199750号公報に開
示されるものが知られている。この公報に開示された積
層型電子部品の製法では、セラミックグリーンシート1
00は、図4に示すように、下面側101に内部電極パ
ターン103を嵌入できる凹部105が形成され、上面
側107が略平坦に形成されており、このようなセラミ
ックグリーンシート100を用いて、この下面側101
の凹部105に対応する位置の、上面側107に内部電
極パターン103を付与した後、この内部電極パターン
103が付与されたセラミックグリーンシート100を
積層、圧着して積層体を形成し、これを所定の条件で焼
成することにより積層型電子部品が形成されるものであ
る。
【0005】そして、上記のセラミックグリーンシート
100を形成するキャリアフィルム111は、その上面
の、セラミックグリーンシート100に形成される内部
電極パターン103の位置に対応する位置に、その内部
電極パターン103の厚み及び形状に対応する高さh及
び形状を有する凸パターン113が形成されたものであ
ることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記の特開平
10−199750号公報に開示された積層型電子部品
の製法に用いられるようなキャリアフィルム111は、
その上面に形成される凸パターン113の高さhが極め
て低いことから、一般に、その上面に内部電極パターン
103の厚みに相当する数μmの深さの凹パターンを有
する金属ロールを用いて、直接加圧加熱することにより
形成する方法が採られているが、キャリアフィルム11
1を直接加圧加熱することにより凸パターン103を形
成する方法では、キャリアフィルム111が変形するほ
どの温度まで加熱した状態で加圧するために、局部的な
体積変化に伴う歪みに起因してキャリアフィルム111
に反りやうねりが生じるため、セラミックスラリを均一
な厚みで塗布することが困難となることから、セラミッ
クグリーンシート100の厚みばらつきが大きくなると
いう問題があった。
【0007】また、上記のようにキャリアフィルム11
1が高温高圧に晒されるため、凸パターン113のエッ
ジ部115が熱により丸みを帯びてしまい、キャリアフ
ィルム111の形状に応じて形成されるセラミックグリ
ーンシート100もまた、下面側101に形成される凹
部105は丸みを帯びて形成される。このため積層加圧
時にこの部分に嵌入される内部電極パターン103は変
形や途切れが発生しやすくなり、積層型電子部品の静電
容量の低下やばらつきの増大が発生するという問題があ
った。
【0008】従って、本発明は、誘電体磁器層および内
部電極を薄層化して積層数を増加した場合にも、内部電
極の厚みによる段差を無くすことができ、クラックやデ
ラミネーションの発生を抑制できる積層型電子部品の製
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型電子部品
の製法は、ベースフィルムと、該ベースフィルム上の所
定位置に貼り合わされた矩形状の凸パターンとから構成
されてなるキャリアフィルムを準備する工程と、該キャ
リアフィルムに形成された前記凸パターン側に、セラミ
ック粉末、バインダ及び溶媒を含有するセラミックスラ
リを塗布して、前記凸パターンに対応する形状の凹部を
有するとともに、該凹部の反対側の全面が平坦面を有す
るセラミックグリーンシートを形成する工程と、該セラ
ミックグリーンシートの前記平坦面上に内部電極ペース
トを塗布して、前記凹部に対応する位置に内部電極パタ
ーンを形成する工程と、該内部電極パターンが形成され
たセラミックグリーンシートを複数積層して母体積層体
を形成する工程と、前記セラミックグリーンシートの積
層方向に切断して電子部品本体成形体を形成する工程
と、該電子部品本体成形体を焼成する工程とを具備する
ことを特徴とする。
【0010】このような製法によれば、まず、セラミッ
クグリーンシートを形成するためのキャリアフィルム
が、ベースフィルムと、このベースフィルム上の所定位
置に矩形状の凸パターンとが貼り合わされて形成され、
キャリアフィルムが変形するほどの温度までの加熱に晒
されていないことから、局部的な体積変化に伴う歪みに
起因するようなキャリアフィルムの反りやうねりが抑制
され、このためセラミックスラリを均一な厚みで容易に
塗布することができ、セラミックグリーンシートの厚み
ばらつきを容易に抑えることができる。
【0011】また、上記したようにキャリアフィルムが
変形するほどの加圧加熱を受けることなく、予め所定の
形状に調製された凸パターンをベースフィルム上に貼り
付けてキャリアフィルムが形成されていることから、凸
パターンのエッジ部が熱などにより丸みを帯びてしまう
ようなことが無く、このためキャリアフィルムの形状精
度が高いことから、これを用いて形成されるセラミック
グリーンシートもまた形状精度が高まり、積層加圧時に
おいても、この凹部に嵌入される内部電極パターンの変
形や途切れが抑制され、積層型電子部品の静電容量の低
下やばらつきの増大を防止できる。
【0012】上記積層型電子部品の製法では、キャリア
フィルム上に形成された凸パターンのエッジ部のなす角
度θが80〜95°であることが望ましい。キャリアフ
ィルムに形成される凸パターンのエッジ部の角度を上記
の範囲のように直角に近い角度に形成することにより、
この凸パターンに沿って形成されるセラミックグリーン
シートの凹部もそのエッジ部が直角に近い角度に形成さ
れることから、積層加圧時にこの凹部に嵌入される内部
電極パターンの変形を抑えることができ、静電容量の向
上およびそのばらつきを抑えることができる。
【0013】上記積層型電子部品の製法では、キャリア
フィルムの平坦度が長さ1mmあたり100nm以下で
あることが望ましい。本発明の積層型電子部品の製法に
用いられるキャリアフィルムは、これが変形するほどの
加圧加熱を受けずに形成されることから反りやうねりが
抑制され、このため平坦度を高くできるものであるが、
平坦度が長さ1mmあたり100nm以下のキャリアフ
ィルムを用いることにより、厚みばらつきが低減された
セラミックグリーンシートを容易に形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の積層型電子部品の製法
は、例えば、電子部品の一つである積層セラミックコン
デンサに適用される。
【0015】まず、本発明のセラミックグリーンシート
を形成するために用いられるキャリアフィルムについて
説明する。
【0016】ここで用いられるキャリアフィルム1は、
図1に示すように、ベースフィルム3と、このベースフ
ィルム3上の所定位置に、角度約90°のエッジ部4を
有する矩形状の凸パターン5が接着層7を介して貼り合
わされて構成されている。
【0017】そして、このキャリアフィルム1は、図2
に示すようなフィルム製造装置11を用いて作製され
る。
【0018】まず、ベースロール部13からベースフィ
ルム3を引き出し、一方、凸パターンロール部15から
下面側17に接着層7が塗布された初め面一の凸パター
ン形成フィルム19が引き出され、貼り合せ部21にお
いて対向して設置された加圧ロール23により仮圧着さ
れる。
【0019】次に、ベースフィルム3上に貼り合わされ
た初め面一の凸パターン形成フィルム19は切断機25
を用いて、セラミックグリーンシートに形成される凹部
もしくはそのセラミックグリーンシート上に形成される
内部電極パターンの形状に対応する凸パターン5の形状
になるように切断加工され、この後、この凸パターン5
をベースフィルム3に貼り付けたまま残して、残部27
は残部回収ロール部29に巻き取られる。一方、ベース
フィルム3上に凸パターン5が形成された部分は、圧着
部31においてこれも対向して設置された高圧ロール3
3により本圧着され巻取りロール部35に巻き取られて
長尺状のキャリアフィルム1が形成される。尚、この方
法以外の方法を用いても本発明で用いられるキャリアフ
ィルムを作製することもできる。
【0020】ここで用いるキャリアフィルム1を構成す
るベースフィルム3および凸パターン形成フィルム19
として、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポ
リエーテルサルフォンフィルム、ポリアミドフィルム、
ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィ
ドフィルムなどが挙げられる。そして、キャリアフィル
ム1が用いられるセラミックグリーンシートの成形工程
並びに積層加圧工程に耐え得る耐熱性と機械的強度を有
しかつ低熱膨張性という理由から、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムが好適に用いられる。
【0021】また、凸パターン5の下面側17に予め塗
布されベースフィルム3との接着に寄与する接着層7
は、このベースフィルム3やこの上面に形成される凸パ
ターン5が加圧加熱により塑性変形や変質が起こらず、
かつセラミックグリーンシートを形成する際の乾燥温度
に耐えるものが望ましく、例えば、エポキシ系熱硬化系
樹脂等が好適に用いられる。
【0022】そして、この接着層7を用いてベースフィ
ルム3と凸パターン5とを接着する条件として、仮圧着
条件は、圧力が0.5MPa以下、特に、0.1〜0.
4MPaであり、温度は50℃以下、望ましくは30〜
50℃で行われ、次の本圧着処理は、ベースフィルム3
上の凸パターン5のずれや剥離を抑制できるという理由
から、圧力が1MPa以下、望ましくは0.6〜0.9
MPaであり、温度は100℃以下、望ましくは60〜
90℃で行われることが望ましい。
【0023】ここでキャリアフィルム1を構成するベー
スフィルム3の厚みt1は成形時の蛇行抑制などの点で
剛性を持たせるという理由から30〜60μm範囲のも
のが好適に用いられ、また、この上面に形成される凸パ
ターン5の厚みt2はセラミックグリーンシートに形成
される導体パターンに相当する厚みが望ましいが、本発
明の積層型電子部品製法に用いられるキャリアフィルム
1は少なくとも2枚のフィルムを貼り合せて形成される
ことから、凸パターン5の厚みは任意に変更でき、この
ためセラミックグリーンシートに形成される凹部の深さ
を容易にかつ確実に調整できる。
【0024】また、キャリアフィルム1上に形成された
凸パターン5のエッジ部4のなす角度θは80〜95°
であることが望ましく、特に、セラミックグリーンシー
トに形成される凹部並びにこの凹部に嵌入される内部電
極パターンの変形を抑制するために、特に、85〜90
°であることがより望ましい。尚、このエッジ部4の角
度θは切断時の切断刃の角度を調整することにより容易
に変更できる。
【0025】また、キャリアフィルム1の平坦度Fは長
さ1mmあたり100nm以下が望ましく、形成される
セラミックグリーンシートの厚み精度並びにこのセラミ
ックグリーンシートに形成される凹部の形状精度を向上
するという理由から、特に、70nm以下であることが
より望ましい。
【0026】また、キャリアフィルム1を構成するベー
スフィルム3および凸パターン5の表面粗さ(Ra)は
セラミックグリーンシートの表面粗さ(Ra)を小さく
するという理由から30〜50nmであることが望まし
い。
【0027】また、本発明のキャリアフィルム1の上面
には、薄層化したセラミックグリーンシートの剥離性を
良くするために、その表面にシリコン樹脂をコーティン
グして離型処理されていることが望ましく、その厚みは
20〜50nmであることが望ましい。
【0028】次に、本発明のキャリアフィルム1を用い
て形成されるセラミックグリーンシート並びに積層セラ
ミックコンデンサの製法について、図3に示す概略工程
図に基づいて述べる。
【0029】本発明の積層セラミックコンデンサの製法
では、図3(a)に示すように、上記のキャリアフィル
ム1に形成された凸パターン5側に、セラミック粉末、
バインダ及び溶媒を含有するセラミックスラリを塗布乾
燥することによりセラミックグリーンシート41が形成
される。このセラミックグリーンシート41の下面43
には、キャリアフィルム1の凸パターン5に対応する形
状の凹部45を有するとともに、この凹部45の反対側
面は全面が平坦面47となっている。
【0030】ここで、キャリアフィルム1のうねりや塑
性変形が起こらず、セラミックスラリ中の溶媒をスムー
ズに乾燥させ、セラミックグリーンシート41にピンホ
ールの発生を防止し平滑性を高めるために、セラミック
グリーンシート41を形成するための乾燥温度は、60
〜100℃の範囲であることが望ましい。
【0031】また、セラミックグリーンシート41の凹
部45を除く厚みt5は積層セラミックコンデンサの誘
電体磁器層の薄層化のために3μm以下、特に、1〜
2.5μmであることが望ましく、凹部45の厚みt7
は0.5〜1.5μmであり、この厚みt7は言うまで
も無く前記したキャリアフィルム1の凸パターン5の厚
みt2に相当するように形成される。
【0032】次に、図3(b)に示すように、セラミッ
クグリーンシート41の平坦面47上に金属粉末、粘結
剤および溶媒を含有する内部電極ペーストを塗布して、
セラミックグリーンシート41に形成された凹部45に
対応する位置に内部電極パターン49が形成される。こ
こで用いる内部電極ペーストとして、その粘度特性は降
伏値を有し、チクソトロピー性とすることにより内部電
極パターンの形状精度を高めることができる。
【0033】また、この内部電極パターン49の形状お
よび寸法は、セラミックグリーンシート41に形成され
た凹部45の形状および寸法と略同一であり、また、キ
ャリアフィルム1に形成された凸パターンとも形状およ
び寸法とも略同一であることが望ましい。
【0034】また、この内部電極パターン49の厚みt
10は、積層セラミックコンデンサの誘電体磁器層および
内部電極を薄層化し高容量化するために0.5〜1.5
μmであることが望ましいが、セラミックグリーンシー
ト41の下面43に形成された凹部45の厚みt7と同
じかもしくは厚い方がよく、内部電極パターン49の焼
成収縮率をSHReとし、セラミックグリーンシート4
1の焼成収縮率をSHRcとしたときに、SHRe/SH
c≧1、望ましくは、1.1〜1.3であることがよ
り望ましい。
【0035】次に、図3(c)に示すように、内部電極
パターン49が形成されたセラミックグリーンシート4
1を、逐次、各層積層するごとに内部電極パターン49
が形成されたセラミックグリーンシート41からキャリ
アフィルム1を剥離した後、内部電極パターン49がセ
ラミックグリーンシート41の凹部45に嵌入されるよ
うに複数積層し加圧加熱することにより母体積層体51
が形成され、次に、この母体積層体51を積層方向に切
断して電子部品本体成形体が形成される。
【0036】本発明の積層型電子部品の製法を用いて形
成された母体積層体51では、セラミックグリーンシー
ト41の下面43に形成された凹部45に、下層のセラ
ミックグリーンシート41の平坦面47に形成された内
部電極パターン49が嵌入され、また、積層加圧後にお
いても、これらセラミックグリーンシート41の凹部4
5および内部電極パターン49の変形が抑制できる。ま
た、焼成して形成された電子部品本体においても誘電体
磁器層および内部電極の変形は抑制される。
【0037】この後、図3(d)に示すように、この電
子部品本体成形体を所定の温度、雰囲気条件で焼成して
電子部品本体53が形成され、この電子部品本体53の
内部電極55が露出した端面に外部電極57を形成して
積層型電子部品の一形態である積層セラミックコンデン
サ59が形成される。
【0038】なお、本発明は、以上の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0039】例えば、上記実施形態では、セラミックグ
リーンシート41の表面に形成された内部電極パターン
49が、積層方向に隣接するセラミックグリーンシート
41の裏面の凹部45に嵌入するように、セラミックグ
リーンシート41を積層、圧着して母体積層体51を形
成する場合を例にとって説明したが、セラミックグリー
ンシート41の裏面の凹部45に内部電極パターン49
を塗布充填して形成後、セラミックグリーンシート41
を積層するようにしても良い。
【0040】また、上記実施形態では、積層セラミック
コンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、本
発明は積層セラミックコンデンサに限らず、セラミック
ブロック中に内部電極が配設された構造を有する積層L
C複合部品や多層基板などの種々の積層型電子部品に適
用することが可能である。
【0041】
【実施例】まず、本発明のキャリアフィルムをフィルム
製造装置を用いて作製した。
【0042】表1に示す条件を有するPETフィルムか
ら成るベースフィルムと凸パターン形成フィルムを用意
し、フォルム製造装置を用いて、表1に示す凸パターン
を有するキャリアフィルムを作製した。ベースフィルム
として厚みを30μmのものを用い、接着層としてエポ
キシ系熱硬化性樹脂を用いて、仮圧着の条件は圧力0.
3MPa、温度40℃、本圧着の条件は、圧力1MP
a、温度70℃で行った。尚、離型層として厚み50n
mのシリコン樹脂膜を形成した。こうして作製したキャ
リアフィルムは、平坦度Fをレーザー変位計を有する平
坦度測定装置を用いて測定し、表面粗さ(Ra)は原子
間力顕微鏡を用いて評価した。また、エッジ部の角度θ
はキャリアフィルムから一部切出して分度器表示目盛り
を具備した実体顕微鏡を用いて観察し評価した。
【0043】次に、これらのキャリアフィルムを用い
て、積層セラミックコンデンサを作製した。
【0044】セラミックグリーンシートは、BaTiO
399.5モル%と、MnO0.5モル%とからなる組
成物100モル部に対して、Y23を0.5モル部、M
gOを0.5モル部添加し、これらのセラミック成分1
00重量部に対して、エチルセルロース5.5重量%と
石油系アルコール94.5重量%からなるビヒクル55
重量%を添加し、ボールミルで混練してセラミックスラ
リを作成し、ダイコーター法を用いて上記の上に成膜
し、凹部を除く厚みが平均2μmのセラミックグリーン
シートを作製した。また、積層体の上下面に用いる凹部
の無いセラミックグリーンシートを作製した。
【0045】導体ペーストは、粒子径0.2μmのNi
粉末45重量%と、エチルセルロース5.5重量%と石
油系アルコール94.5重量%からなるビヒクル55重
量%とを3本ロールで混練して調製した。導体ペースト
の粘度特性はチクソトロピー性を有していた。
【0046】次に、得られたセラミックグリーンシート
の主面上に、150mm角の印刷スクリーンを有するス
クリーン印刷装置を用いて、上記した導体ペーストを印
刷し、セラミックグリーンシートの凹部に対向する位置
に矩形状の内部電極パターンを形成した。内部電極パタ
ーンの寸法は凸パターン寸法と同じく2.2mm×1.
2mmとし、厚みは1μmとした。
【0047】次に、その上面に内部電極パターンが形成
されたセラミックグリーンシートからキャリアフィルム
を剥離した。このときセラミックグリーンシートに形成
された凹部はほぼ直角に近い角度で形成されていた。
【0048】積層は外部電極と接続される対向する内部
電極パターンの端面方向に積層位置を交互にずらして、
200層積層し、さらにその上下に、内部電極パターン
が形成されていない凹部の無いセラミックグリーンシー
トを各10枚積層し、第1回目の加圧プレスを行い、仮
積層体を形成した。
【0049】次に、この仮積層体を温度100℃、圧力
20MPaで第2回目の積層プレスを行い、仮積層体内
の空気を脱気するとともに、内部電極パターンを塗布し
たセラミックグリーンシートおよびその上下のセラミッ
クグリーンシートと同一材料からなるセラミックグリー
ンシートを積層して完全に密着させて母体積層体を得
た。
【0050】本発明の積層型電子部品を形成する母体積
層体は、内部電極パターンを形成したセラミックグリー
ンシートの一方主面に、凹部を形成しているため、この
積層プレス工程において、加熱加圧によるセラミックグ
リーンシートや内部電極パターンの変形が生じることが
無く形状保持が良好な母体積層体を形成することができ
た。
【0051】次に、この母体積層体の凹部を積層方向に
沿ってダイシングを行い格子状に切断し、電子部品本体
成形体を得た。このときダイシングの幅を凹部よりも狭
い幅としたことにより、電子部品本体成形体の側面から
完全に凹部に含まれる金属成分が除かれていた。
【0052】次に、この電子部品本体成形体を大気中2
50℃または0.1Paの酸素/窒素雰囲気中500℃
に加熱し、脱バイ処理を行った。
【0053】さらに、脱バイ後の電子部品本体成形体に
対して、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250℃
で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素窒素雰囲気
中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、電子部品
本体を得た。焼成後、電子部品本体の端面にCuペース
トを900℃で焼き付け、さらにNi/Snメッキを施
し、内部電極と接続する外部電極を形成した。
【0054】このようにして得られた積層セラミックコ
ンデンサの外形寸法は、幅1.2mm、長さ2.2mm
であった。また内部電極に起因する段差はなく、この内
部電極は湾曲することなく平坦であった。
【0055】次に、焼成後に得られた積層セラミックコ
ンデンサの試料300個を40倍の双眼顕微鏡にて観察
し、この積層セラミックコンデンサの端面のクラックの
有無を評価し、また積層セラミックコンデンサの端面及
び側面からそれぞれ研磨し、内部導体周縁部のデラミネ
ーションの発生率を評価した。
【0056】また、デラミネーション評価と同数の試料
について、静電容量とCV値について評価した。静電容
量は、基準温度25℃で行い、周波数1kHz、測定電
圧1Vrmsの条件とした。
【0057】一方、比較例として、凸パターンを加圧加
熱により形成したキャリアフィルムを作製し、このキャ
リアフィルムにより形成したセラミックグリーンシート
を用いて作製した試料を作製し評価した。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から明らかなように、ベースフ
ィルムと凸パターン形成フィルムを重ね合わせて形成し
たキャリアフィルムを用いて作製したセラミックグリー
ンシートにより作製した試料No.1〜5では、クラッ
クやデラミネーションが無く、静電容量が8μF以上と
大きく、CV値が3%以下であった。また、キャリアフ
ィルムの凸パターンの角度θを80〜90°とし、キャ
リアフィルムの平坦度を100nm/1mm以下とした
試料No.2〜4では、特に、静電容量のCV値が減少
した。
【0060】一方、加圧加熱により凸パターンを形成し
たキャリアフィルムを用いたセラミックグリーンシート
により作製した従来の試料No.6では、内部電極の端
部にデラミネーションが見られ、静電容量が小さく、か
つそのCV値も大きかった。
【0061】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、セラミ
ックグリーンシートを形成するためのキャリアフィルム
が、ベースフィルムと、このベースフィルム上の所定位
置に矩形状の凸パターンとが貼り合わされて形成され、
変形するほどの温度までの加熱に晒されていないことか
ら、局部的な体積変化に伴う歪みに起因するようなキャ
リアフィルムの反りやうねりが抑制され、このためセラ
ミックスラリを均一な厚みで容易に塗布することがで
き、セラミックグリーンシートの厚みばらつきを容易に
抑えることができる。
【0062】また、上記したようにキャリアフィルムが
変形するほどの加圧加熱を受けることなく、予め所定の
形状に調製された凸パターンをベースフィルム上に貼り
付けてキャリアフィルムが形成されていることから、凸
パターンのエッジ部が熱などにより丸みを帯びてしまう
ようなことが無く、このためキャリアフィルムの形状精
度が高いことから、これを用いて形成されるセラミック
グリーンシートもまた形状精度が高まり、積層加圧時に
おいても、この凹部に嵌入される内部電極パターンの変
形や途切れが抑制されることから、積層型電子部品の静
電容量の低下やばらつきの増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリアフィルムを示す概略図であ
る。
【図2】キャリアフィルムを作製する工程を示す概略図
である。
【図3】本発明の積層型電子部品を製造するための工程
図を示す。
【図4】従来の積層型電子部品の製法を示す断面図であ
り、キャリアフィルム上にセラミックグリーンシートが
形成されさらにその上面に内部電極パターンが形成され
た状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 キャリアフィルム 3 ベースフィルム 5 凸パターン 41 セラミックグリーンシート 45 凹部 49 内部電極パターン 51 母体積層体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースフィルムと、該ベースフィルム上の
    所定位置に貼り合わされた矩形状の凸パターンとから構
    成されてなるキャリアフィルムを準備する工程と、該キ
    ャリアフィルムに形成された前記凸パターン側に、セラ
    ミック粉末、バインダ及び溶媒を含有するセラミックス
    ラリを塗布して、前記凸パターンに対応する形状の凹部
    を有するとともに、該凹部の反対側の全面が平坦面を有
    するセラミックグリーンシートを形成する工程と、該セ
    ラミックグリーンシートの前記平坦面上に内部電極ペー
    ストを塗布して、前記凹部に対応する位置に内部電極パ
    ターンを形成する工程と、該内部電極パターンが形成さ
    れたセラミックグリーンシートを複数積層して母体積層
    体を形成する工程と、前記セラミックグリーンシートの
    積層方向に切断して電子部品本体成形体を形成する工程
    と、該電子部品本体成形体を焼成する工程とを具備する
    ことを特徴とする積層型電子部品の製法。
  2. 【請求項2】キャリアフィルム上に形成された凸パター
    ンのエッジ部のなす角度θが80〜95°であることを
    特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品の製法。
  3. 【請求項3】キャリアフィルムの平坦度が長さ1mmあ
    たり100nm以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の積層型電子部品の製法。
JP2001393086A 2001-12-26 2001-12-26 積層型電子部品の製法 Pending JP2003197461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001393086A JP2003197461A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 積層型電子部品の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001393086A JP2003197461A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 積層型電子部品の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003197461A true JP2003197461A (ja) 2003-07-11

Family

ID=27600159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001393086A Pending JP2003197461A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 積層型電子部品の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003197461A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100916067B1 (ko) 2007-11-28 2009-09-08 삼성전기주식회사 유전체 시트 및 다층 세라믹 기판 제조방법
WO2017168323A1 (en) * 2016-03-31 2017-10-05 At&S (China) Co. Ltd. Electronic component embedded by laminated sheet
CN107295747A (zh) * 2016-03-31 2017-10-24 奥特斯(中国)有限公司 器件载体及制造器件载体的方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100916067B1 (ko) 2007-11-28 2009-09-08 삼성전기주식회사 유전체 시트 및 다층 세라믹 기판 제조방법
WO2017168323A1 (en) * 2016-03-31 2017-10-05 At&S (China) Co. Ltd. Electronic component embedded by laminated sheet
CN107295746A (zh) * 2016-03-31 2017-10-24 奥特斯(中国)有限公司 器件载体及其制造方法
CN107295747A (zh) * 2016-03-31 2017-10-24 奥特斯(中国)有限公司 器件载体及制造器件载体的方法
US10779415B2 (en) 2016-03-31 2020-09-15 At&S (China) Co. Ltd. Component embedding in thinner core using dielectric sheet
CN107295747B (zh) * 2016-03-31 2021-03-12 奥特斯(中国)有限公司 器件载体及制造器件载体的方法
CN107295746B (zh) * 2016-03-31 2021-06-15 奥特斯(中国)有限公司 器件载体及其制造方法
US11116083B2 (en) 2016-03-31 2021-09-07 At&S (China) Co. Ltd. Electronic component embedded by laminate sheet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7089659B2 (en) Method of producing ceramic laminates
JP2003017356A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP3726035B2 (ja) セラミック積層体の製法
JP2006041268A (ja) 積層型電子部品の製法および積層型電子部品
WO2004088686A1 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2002289456A (ja) セラミック積層体およびその製法
JP3784293B2 (ja) セラミック積層体の製法
JP2003197461A (ja) 積層型電子部品の製法
JP2004179348A (ja) セラミック積層体の製法
JP2004165375A (ja) セラミック積層体の製法
JP4591151B2 (ja) 内部電極パターンの形成方法とこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004063913A (ja) 積層型電子部品の製法
JP4333141B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4150246B2 (ja) セラミック積層体の製法
JP6686470B2 (ja) 印刷装置、および、電子部品の製造方法
JP2002198255A (ja) 積層型電子部品
JP4449544B2 (ja) 内部電極パターンの形成方法とこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JP4663173B2 (ja) セラミック積層体の製法
JP2004014668A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2019197845A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2024070607A1 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法および積層セラミック電子部品
JP2004186343A (ja) セラミック積層体及びその製法
JP2004186341A (ja) セラミック積層体の製法
JP2003017362A (ja) セラミック積層体の製法
JP2004186344A (ja) セラミック積層体及びその製法