JP2002289456A - セラミック積層体およびその製法 - Google Patents
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Abstract
を増大した場合にも、内部導体の厚みによる段差を無く
すとともに、絶縁体層および内部導体間の歪みを改善で
きるセラミック積層体を提供する。 【解決手段】複数の絶縁体層5を積層してなり、前記絶
縁体層5間に、該絶縁体層5よりも形成面積が小さい内
部導体7を介在せしめるとともに、前記内部導体7が形
成された絶縁体層5上に、前記内部導体7に隣接して段
差補償層11を設け、該段差補償層11を構成するセラ
ミック粒子の平均粒径を前記絶縁体層5を構成するセラ
ミック粒子の平均粒径よりも小さくした。
Description
およびその製法に関し、特に、配線基板や積層セラミッ
クコンデンサのように絶縁体層および内部導体が薄層多
層化されたセラミック積層体およびその製法に関するも
のである。
い、セラミック積層体中に内部導体を形成した配線基板
やセラミックコンデンサは、薄型化、高寸法精度が求め
られており、例えば、積層セラミックコンデンサでは小
型高容量化が求められ、このため絶縁体層や内部導体の
薄層化および多層化が進められている。
層の薄層化および多層化に伴い、絶縁体層間に形成され
た内部導体の厚みが大きく影響するようになり、内部導
体が形成されている部分と形成されていない部分との間
で内部導体の厚みによる段差が累積し、内部導体の無い
周囲の絶縁体層同士の密着が弱くなり、デラミネーショ
ンやクラックが発生しやすくなる。このため絶縁体層上
の段差を無くす工夫が図られている。
ば、特開2000−311831号公報に開示されるよ
うなものが知られている。この公報に開示された積層セ
ラミックコンデンサでは、絶縁体グリーンシートの主面
に形成された内部導体パターンの周囲に、この絶縁体グ
リーンシート中のセラミック粉末を含む段差補償パター
ンが、内部導体パターンに隣接して形成されている。
による段差を実質的に無くすことができるため、内部導
体の厚みの影響を受けない状態で、絶縁体層を積層する
ことができる。
た特開2000−311831号公報に開示されるセラ
ミック積層体では、段差補償層を形成する絶縁体ペース
ト中に絶縁体グリーンシートに用いている絶縁体粉末と
同一粒径の絶縁体粉末を用いていたため、内部導体に起
因する段差を解消できたとしても、段差補償層の厚み方
向の焼成収縮率が内部導体の厚み方向の焼成収縮率より
も小さいことから、絶縁体層と内部導体との界面の接合
強度が弱く、内部導体の周辺にデラミネーションが発生
するという問題があった。
層の焼成収縮率が同じであり、段差補償層と内部導体と
の厚み方向の焼成収縮率差が大きくなることから、内部
導体と絶縁体層との界面に引張応力が発生するか、もし
くはわずかな圧縮応力しか発生しないため、セラミック
積層体の内部導体の周縁部や端部に、半田付けや熱衝撃
試験時にクラックが発生するという問題があった。
導体との焼成収縮差によるデラミネーションやクラック
は絶縁体層を薄くすればするほど発生しやすく、特に、
3μm以下となれば発生しやすいという問題があった。
積層数を増加した場合にも、内部導体の厚みによる段差
を無くすことができるとともに、クラックやデラミネー
ションの発生を抑制できるセラミック積層体およびその
製法を提供することを目的とする。
体は、複数の絶縁体層を積層してなり、前記絶縁体層間
に、該絶縁体層よりも形成面積が小さい内部導体を介在
せしめるとともに、前記内部導体が形成された絶縁体層
上に、前記内部導体に隣接して段差補償層を設け、該段
差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径を前記絶
縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径よりも小さ
くしたことを特徴とする。
の平均粒径が0.2μm以上であり、且つ段差補償層を
構成するセラミック粒子の平均粒径が0.45μm以下
であることが望ましい。
子は、絶縁体層を構成するセラミック粒子と組成が同一
であることが望ましい。
大径セラミック粉末を含有する絶縁体グリーンシートの
一方主面の一部に内部導体パターンを形成するととも
に、該内部導体パターンに隣接して小径セラミック粉末
を含有する段差補償パターンを形成する行程と、前記内
部導体パターンおよび前記段差補償パターンが形成され
た前記絶縁体グリーンシートを複数積層して積層成形体
を作製する行程と、該積層成形体を焼成する工程により
作製できる。
0.1μm以上、小径セラミック粉末の平均粒径が0.
3μm以下であることが望ましい。
を有する内部導体パターンの収縮率が大きいことが知ら
れているが、本発明では、絶縁体層を構成するセラミッ
ク粒子よりも、小径のセラミック粉末を用いて段差補償
パターンを形成しているので、内部導体に起因する段差
を解消できるとともに、段差補償層が絶縁体層よりも大
きく収縮し、絶縁体層と内部導体との界面近傍に大きな
圧縮応力を発生させることができるため接合強度が高く
なり、内部導体の周辺のデラミネーションを防止でき
る。
いて、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成収
縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺に
は厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積層
体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝撃
試験時のクラックを防止できる。
差補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体
の面方向の収縮が抑制され、有効面積の減少が抑制でき
ることから、セラミック積層体の、例えば、積層セラミ
ックコンデンサの静電容量を高くできる。
体は、例えば、図1に示すような積層セラミックコンデ
ンサに適用される。
端部に外部電極3を形成して構成されている。
を交互に積層してなり、その積層方向の両面に、絶縁体
層5と同一材料からなる絶縁層9が形成されている。
5は、シート状のセラミック焼結体からなり、例えば、
BaTiO3を主成分とする絶縁体グリーンシートを焼
成して形成した絶縁体磁器からなる。
焼結させた金属膜からなり、導電性ペーストとしては、
例えば、Ni、Co、Cu等の卑金属が使用されてい
る。また、内部導体7は、このように卑金属を主成分と
し、概略矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3
層目、第5層目・・・の奇数層の内部導体は、その一端
が積層体本体1の一方端面に露出しており、上から第2
層目、第4層目、第6層目・・・の内部導体7は、その
一端が積層体本体1の他方端面に露出している。尚、外
部電極3と内部導体7は必ずしも同一材料から構成され
る必要はない。
図2に示すように、絶縁体層5上に形成された内部導体
7の周辺には段差補償層11が隣接して形成されてお
り、この段差補償層11の厚みは内部導体7の厚みに相
当するように形成されていることが望ましい。
されている部分と形成されていない部分との間で内部導
体7の厚みにより累積して大きくなる段差を解消するた
めに形成されている。
7と絶縁体層5界面での接合を高めるという理由から、
内部導体7側よりもセラミック積層体の端面側が薄いこ
とが望ましい。
5に対して鋭角をもつ傾斜面となるように形成され、こ
の内部導体7の周縁部に段差補償層11が重なるように
形成されてもよい。
補償層11は、絶縁体層5を構成するセラミック粒子
(セラミック大粒子12)よりも平均粒径の小さなセラ
ミック粒子(セラミック小粒子13)により構成され、
段差補償層11のセラミック小粒子13の平均粒径は
0.45μm以下であり、一方、絶縁体層5のセラミッ
ク大粒子12の平均粒径は0.2μm以上であることが
望ましい。
ミックコンデンサの場合には、このセラミック小粒子1
3で構成されている段差補償層11は、高強度を要する
という理由から平均粒径は0.1〜0.45μmである
ことが望ましい。
2は、絶縁体層5を薄層化しても比誘電率および絶縁抵
抗を高く維持するという理由から0.3〜0.8μmで
あることが望ましい。
る絶縁体層5の厚みは、セラミック積層体の小型高容量
化のため薄層多層化という理由から、3μm以下が望ま
しく、高誘電率および高絶縁性という理由から絶縁体層
5の厚みは1.5〜3μmが望ましい。
ましく、この内部導体7に含まれる金属量の低減が図れ
るとともに、充分な有効面積を確保するという理由か
ら、特に、0.5〜1.5μmであることが望ましい。
比は、絶縁体層5の厚みをt1、内部導体7の厚みをt2
とした時、t2/t1>0.2、且つt2<2μmである
場合に、本発明の段差補償層11が好適に適用され、さ
らには、内部導体7の過剰厚みによるデラミネーション
等を抑制するために、厚み比t2/t1は、0.2〜0.
75であることが望ましい。
7が2μm以下の厚みで、例えば、積層数200層以上
の積層セラミックコンデンサの場合には、内部導体7と
絶縁体層5の焼成収縮差を低減するという理由から絶縁
体層5を構成するセラミック大粒子12の粒径が0.3
〜0.8μmであるのに対して、内部導体7の周辺に形
成されている段差補償層11のセラミック小粒子13の
平均粒径は、粒子の高充填化、磁器の焼結性及び積層セ
ラミックコンデンサへの電気的、機械的影響から0.1
〜0.45μmが好ましい。そして、このとき耐熱衝撃
性に対してもクラック等の構造欠陥はみられない。
は、そのセラミック積層体を構成する絶縁体層5が薄層
多層化され、この絶縁体層5上で、内部導体7が形成さ
れている部分と形成されていない部分との間で内部導体
7の厚みによる段差が累積されても、内部導体7の無い
周囲の絶縁体層5同士の密着力を高め、デラミネーショ
ンやクラックを抑えられるという理由から、セラミック
積層体の小型高容量化に対してその積層数は100層以
上が望ましい。
の、例えば、積層セラミックコンデンサの製法につい
て、図4をもとに説明する。
〜4μmの絶縁体グリーンシート21をスリップキャス
ト法を用いて作製する。スリップキャスト法の具体的な
方法としては、引き上げ法、ドクターブレード法、リバ
ースロールコーター法、グラビアコータ法、スクリーン
印刷法、グラビア印刷法およびダイコーター法を用いる
ことができる。
厚みは、小型、大容量化という理由から0.5〜4μm
であることが望ましい。
iO3−MnO−MgO−Y2O3等のセラミック粉末
(大径セラミック粉末)が耐還元性を有するという理由
から使用可能である。また、ガラス粉末を加えてもよ
い。
用いるセラミック粉末(大径セラミック粉末)の粒子径
は、絶縁体グリーンシートの薄層化という理由から1.
5μm以下が望ましく、また、高誘電性、高絶縁性とい
う理由から0.1〜0.9μmが望ましい。
末)の主原料であるBaTiO3粉末の合成法は、固相
法、液相法(蓚酸塩を経過する方法等)、水熱合成法が
あるが、そのうち粒度分布が狭く、結晶性が高いという
理由から水熱合成法が望ましい。そして、BaTiO3
粉末の平均比表面積は1.1〜10m2/gが好まし
い。
1の表面に、導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷
法、グラビア印刷、オフセット印刷法等の周知の印刷方
法により内部導体パターン23を形成する。その厚み
は、コンデンサの小型、高信頼性化という点から2μm
以下、特には1μm以下であることが望ましい。
族炭化水素と高級アルコールとの混合物からなる有機溶
剤と、この有機溶剤に対して可溶性のエチルセルロース
からなる有機粘結剤と、該有機溶剤に難溶解性のエポキ
シ樹脂からなる有機粘結剤とを含有するものである。
ては、平均粒径0.05〜0.5μmの卑金属粒子が用
いられる。卑金属としては、Ni、Co、Cuがあり、
金属の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する
点、およびコストが安いという点からNiが望ましい。
性の向上と焼成時の金属肥大化を防止するために、0.
1〜0.5μmの範囲が望ましい。そして、緻密で表面
平滑な金属膜を形成するという理由から卑金属の平均粒
径は0.15〜0.4μmが望ましい。
て、金属粉末以外に、内部導体パターンの焼結性を抑え
るために微細な絶縁体粉末を混合して用いることが好ま
しく、内部導体の均一な粒子径の形成と、平滑性を向上
させるために、絶縁体粉末の粒径は0.05〜0.3μ
mが望ましい。
ポキシ樹脂は、共に含有されているエチルセルロースに
対して、0.05〜1.5重量%が望ましい。
表面に形成された内部導体パターン23の周縁部に絶縁
体ペーストを塗布することにより段差補償パターン25
を形成する。この絶縁体ペーストはスクリーン印刷法、
グラビア印刷法、オフセット印刷法、インキジェット
法、凸版印刷等の周知の方法により形成できる。尚、こ
の段差補償パターン25の厚みは、内部導体パターン2
3厚みに相当する厚みに形成される。
るための絶縁体ペーストは、例えば、段差補償層11と
絶縁体層5が一体化するために、絶縁体グリーンシート
21を形成するための絶縁体粉末と同じ組成成分である
が、絶縁体グリーンシート21に用いる大径絶縁体粉末
よりも粒子径の小さなセラミック粉末(小径セラミック
粉末)が用いられる。
3μm以下が望ましく、絶縁体層5や内部導体7との関
係で焼成収縮率の制御が容易となり、異常粒成長が無く
機械的強度が高くなるという理由から、特に、平均粒子
径は0.05〜0.25μmが望ましい。
ミック粉末と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混
合物からなる有機溶剤と、該有機溶剤に対して可溶性の
エチルセルロースからなる有機粘結剤と、該有機溶剤に
難溶解性のエポキシ樹脂からなる有機粘結剤とを含有す
るものである。
23の周辺部に塗布し、絶縁体グリーンシート21を上
面に形成するか、あるいは絶縁体グリーンシート21上
の内部導体パターン23の周辺に転写しても良い。
グリーンシート21を複数枚積層し、温度25〜80
℃、圧力0.1〜10MPaで、第1回目の積層を行
い、仮積層成形体を形成する。この時、積層された絶縁
体グリーンシート21は完全に密着されていない状態で
あり、次の第2回目の積層時に充分な脱気ができるだけ
の隙間が残される。これは、エポキシ樹脂が高いガラス
転移点Tg(120℃)を有するため、25〜80℃で
の加熱加圧時には可塑化しないためである。
〜130℃、圧力10〜100MPaで第2回目の積層
プレスを行い、完全に密着させて積層成形体を得る。
ン23を形成した絶縁体グリーンシート21の一方主面
に、この内部導体パターン23ととともに段差補償パタ
ーン25を形成しているため、積層プレス時に加熱加圧
による絶縁体グリーンシート21や内部導体パター23
の変形が生じることが無く積層成形体を形成することが
できる。
て、積層体本体1の成形体を得る。この成形体の両端面
には、内部導体7となる内部導体パターン23の一端が
交互に露出している。
るものではなく、薄層化した絶縁体グリーンシートと内
部導体パターンとを交互に積層した成形体を作製できる
ものであればスラリーディップ等のような方法でも良
い。
で250〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低
酸素雰囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化
性雰囲気で1200〜1300℃で2〜3時間焼成す
る。さらに、所望により、酸素分圧が0.1〜10-4P
a程度の低酸素分圧下、900〜1100℃で5〜15
時間再酸化処理を施すことにより還元された積層体本体
1が酸化されることにより、高い静電容量と絶縁特性を
有する積層体本体1を得ることができる。
端面にCuペーストを塗布し、Ni/Snメッキを施
し、内部導体7と電気的に接続された外部電極3を形成
して積層セラミックコンデンサを作製する。
内部導体7を薄層化して構成された高積層のセラミック
積層体において、内部導体7の周辺に段差補償層11を
形成することにより、内部導体7の厚みに起因する段差
を無くし、それによる歪みや変形を抑えることができ
る。
ターンの収縮率が大きいことが知られているが、本発明
では、段差補償層を構成するセラミック粒子と、絶縁体
層を構成するセラミック粒子との組成を同一とし、小径
のセラミック粉末を用いて段差補償パターンを形成して
いるので、内部導体に起因する段差を解消できるととも
に、段差補償層と絶縁体層が一体化でき、内部導体パタ
ーンの周縁部が絶縁体グリーンシートよりも厚み方向に
大きな収縮率であることから、絶縁体層と内部導体との
界面の接合強度が高くなり内部導体の周辺のデラミネー
ションを防止できる。
おいて、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成
収縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺
には厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積
層体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝
撃試験時におけるクラックを防止できる。
補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体の
有効面積の減少が抑制できることから、セラミック積層
体の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を
高くできる。
クコンデンサを以下のように作製した。
399.5モル%と MnO0.5モル%とからなる組成
物100モル%に対して、Y2O3を0.5モル%とMg
Oを0.5モル%添加した組成の絶縁体セラミックスラ
リーを、ダイコーター法を用いてポリエステルより成る
帯状のキャリアフィルム上に成膜した。
i粉末45重量%に対し、エチルセルロース5.5重量
%と石油系アルコール94.5重量%からなるビヒクル
55重量%とを3本ロールで混練して調製した。
は、上記の絶縁体セラミックスラリーの一部をBaTi
O3の粒子径が0.1μmになるまで粉砕し、導電ペース
トと同様にペースト化して調製した。
の主面状に、スクリーン印刷装置を用いて、上記した導
電性ペーストを内部導体パターン23状に印刷し、乾燥
させた。
に形成された内部導体パターン23の周辺にスクリーン
印刷により絶縁体ペーストを印刷、乾燥させ、内部導体
7とともに段差補償パターン25が塗布形成された絶縁
体グリーンシート21を作製した。
たセラミック粉末である大径セラミック粉末の平均粒径
および絶縁体ペーストに用いたセラミック粉末である小
径セラミック粉末の平均粒径を表1に示した。
1に示す層数積層し、さらにその上下層に絶縁層となる
絶縁体グリーンシート21を各10枚積層し、仮積層成
形体を形成した。
体グリーンシート21が完全に密着されていない状態で
あり、次の第2回目の積層プレス時に充分な脱気ができ
るだけの隙間を残していた。
圧力20MPaで第2回目の積層プレスを行い、内部導
体パターン23を塗布した絶縁体グリーンシート21お
よびその上下の絶縁体グリーンシート21と同一材料か
らなるグリーンシートを積層して完全に密着させて積層
成形体を得た。
体は、内部導体パターン23を形成した絶縁体グリーン
シート21の一方主面に、この内部導体パターン23と
ともに段差補償パターン25を形成しているため、この
積層プレス工程において、加熱加圧による絶縁体グリー
ンシート21や内部導体パターン23の変形が生じるこ
とが無く積層成形体を形成することができた。
て、積層体本体1の成形体を得た。この積層成形体の両
端面には、内部導体7の内部導体パターン23の一端が
交互に露出していた。
250℃または0.1Paの酸素/窒素雰囲気中500
℃に加熱し、脱バイ処理を行った。
に対して、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250
℃で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素窒素雰囲
気中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、セラミ
ック焼結体を得た。焼成後、セラミック焼結体の端面に
Cuペーストを900℃で焼き付け、さらにNi/Sn
メッキを施し、内部導体と接続する外部電極を形成し
た。
ンデンサの外形寸法は、幅0.8mm、長さ1.6mm
であった。また内部導体7に起因する段差はなく、この
内部導体7は湾曲することなく平坦であった。
体層5および内部導体7の厚みおよび積層数を表1に示
した。
1000個の試料を40倍の双眼顕微鏡にて観察し、積
層セラミックコンデンサの端面のクラックの有無を評価
した。また各300個の試料を焼結体の端面及び側面か
らそれぞれ研磨し、内部導体周縁部のデラミネーション
の有無を評価した。
ミックコンデンサを用いて、耐熱衝撃性試験をJIS規
格に基づいて行った。各試料数300個について、温度
(ΔT=225℃)および温度(ΔT=280℃)のと
きのクラックが発生した試料数を評価した。
1端部表面の内部応力は、積層セラミックコンデンサの
積層方向に対して、X線回折法による並傾法により測定
した。
個を断面研磨した後、熱エッチングして、絶縁体層5中
のセラミック大粒子12、及び内部導体7の周辺に形成
された段差補償層11のセラミック小粒子13について
電子顕微鏡(SEM)観察を行い、このSEM写真をイ
ンターセプト法によりセラミック粒子の平均粒径を算出
した。
大径セラミック粉末および絶縁体ペーストに用いた小径
セラミック粉末の平均粒径は、ステージ上に分散させた
粉末を100個について電子顕微鏡により測定し、その
平均値を算出した。以上の結果をまとめて表1に示し
た。
粒径を絶縁体層5中の平均粒径よりも小さくした試料N
o.3〜18では、焼成後にクラックやデラミネーショ
ンは見られなかった。また、温度差(ΔT=225℃)
における耐熱衝撃試験においてもクラックの発生はなか
った。
償層11端部の内部応力は−50MPa(−は圧縮方向
を表す)以上であった。
2の平均粒径を0.3〜0.6μmとし且つ段差補償層
11中のセラミック小粒子13の平均粒径を0.15〜
0.5μmとした試料No.4〜11では、内部応力が
−60MPa(−は圧縮応力)以上となり、温度差28
0℃における耐熱衝撃試験においてもクラックやデラミ
ネーションは見られなかった。
中の、セラミック粒子の平均粒径の範囲を上記の範囲に
することに加えて、内部導体7の厚みt2と絶縁体層5
の厚みt1との比を、t2/t1≦0.5とした試料N
o.16〜18では、積層数が400層以上においても
温度差280℃における耐熱衝撃試験においてクラック
やデラミネーションは見られなかった。
体層5中の平均粒径と同等かもしくはそれよりも大きな
試料No.1、2では、焼成後にクラックが見られ、磁
器内部にデラミネーションが観察された。また、耐熱衝
撃試験においてもクラックが多数観察された。
No.19では、内部導体による段差のためにクラック
やデラミネーションが発生し、耐熱衝撃試験においても
クラックが多数観察された。
絶縁体層および内部導体を薄層化して構成された高積層
のセラミック積層体において、内部導体の周辺に、絶縁
体層を構成するセラミック粒子と同一組成のセラミック
粒子からなる段差補償層を形成することにより、内部導
体の厚みに起因する段差を無くすことができる。
ターンの収縮率が大きいことが知られているが、本発明
では、段差補償層を構成するセラミック粒子と、小径セ
ラミック粉末を用いて段差補償パターンを形成している
ので、内部導体に起因する段差を解消できるとともに、
段差補償層と絶縁体層が一体化でき、内部導体パターン
の周縁部が絶縁体グリーンシートよりも厚み方向に大き
な収縮率となり、絶縁体層と内部導体との界面の接合強
度が高くなり内部導体の周辺のデラミネーションを防止
できる。
おいて、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成
収縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺
には厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積
層体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝
撃試験時におけるクラックを防止できる。
補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体の
有効面積の減少が抑制できることから、セラミック積層
体の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を
高くできる。
す。
および段差補償層が形成された絶縁体層を示す平面図で
ある。
す断面模式図である。
程図を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】複数の絶縁体層を積層してなり、前記絶縁
体層間に、該絶縁体層よりも形成面積が小さい内部導体
を介在せしめるとともに、前記内部導体が形成された絶
縁体層上に、前記内部導体に隣接して段差補償層を設
け、該段差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径
を前記絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径よ
りも小さくしたことを特徴とするセラミック積層体。 - 【請求項2】絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均
粒径が0.2μm以上であり、且つ段差補償層を構成す
るセラミック粒子の平均粒径が0.45μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載のセラミック積層体。 - 【請求項3】段差補償層を構成するセラミック粒子は、
絶縁体層を構成するセラミック粒子と組成が同一である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック
積層体。 - 【請求項4】大径セラミック粉末を含有する絶縁体グリ
ーンシートの一方主面の一部に内部導体パターンを形成
するとともに、該内部導体パターンに隣接して小径セラ
ミック粉末を含有する段差補償パターンを形成する工程
と、前記内部導体パターンおよび前記段差補償パターン
が形成された前記絶縁体グリーンシートを複数積層して
積層成形体を作製する工程と、該積層成形体を焼成する
工程とを具備することを特徴とするセラミック積層体の
製法。 - 【請求項5】大径セラミック粉末の平均粒径が0.1μ
m以上、小径セラミック粉末の平均粒径が0.3μm以
下であることを特徴とする請求項4記載のセラミック積
層体の製法。
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