JP4688326B2 - セラミック積層体およびその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック積層体およびその製法に関し、特に、配線基板や積層セラミックコンデンサのように絶縁体層および内部導体が薄層多層化されたセラミック積層体およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、セラミック積層体中に内部導体を形成した配線基板やセラミックコンデンサは、薄型化、高寸法精度が求められており、例えば、積層セラミックコンデンサでは小型高容量化が求められ、このため絶縁体層や内部導体の薄層化および多層化が進められている。
【0003】
このようなセラミック積層体では、絶縁体層の薄層化および多層化に伴い、絶縁体層間に形成された内部導体の厚みが大きく影響するようになり、内部導体が形成されている部分と形成されていない部分との間で内部導体の厚みによる段差が累積し、内部導体の無い周囲の絶縁体層同士の密着が弱くなり、デラミネーションやクラックが発生しやすくなる。このため絶縁体層上の段差を無くす工夫が図られている。
【0004】
このようなセラミック積層体として、例えば、特開2000−311831号公報に開示されるようなものが知られている。この公報に開示された積層セラミックコンデンサでは、絶縁体グリーンシートの主面に形成された内部導体パターンの周囲に、この絶縁体グリーンシート中のセラミック粉末を含む段差補償パターンが、内部導体パターンに隣接して形成されている。
【0005】
このような製法によれば、内部導体の厚みによる段差を実質的に無くすことができるため、内部導体の厚みの影響を受けない状態で、絶縁体層を積層することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開2000−311831号公報に開示されるセラミック積層体では、段差補償層を形成する絶縁体ペースト中に絶縁体グリーンシートに用いている絶縁体粉末と同一粒径の絶縁体粉末を用いていたため、内部導体に起因する段差を解消できたとしても、段差補償層の厚み方向の焼成収縮率が内部導体の厚み方向の焼成収縮率よりも小さいことから、絶縁体層と内部導体との界面の接合強度が弱く、内部導体の周辺にデラミネーションが発生するという問題があった。
【0007】
また、上記のように、段差補償層と絶縁体層の焼成収縮率が同じであり、段差補償層と内部導体との厚み方向の焼成収縮率差が大きくなることから、内部導体と絶縁体層との界面に引張応力が発生するか、もしくはわずかな圧縮応力しか発生しないため、セラミック積層体の内部導体の周縁部や端部に、半田付けや熱衝撃試験時にクラックが発生するという問題があった。
【0008】
このような絶縁体層(段差補償層)と内部導体との焼成収縮差によるデラミネーションやクラックは絶縁体層を薄くすればするほど発生しやすく、特に、3μm以下となれば発生しやすいという問題があった。
【0009】
従って、本発明は、絶縁体層を薄層化して積層数を増加した場合にも、内部導体の厚みによる段差を無くすことができるとともに、クラックやデラミネーションの発生を抑制できるセラミック積層体およびその製法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック積層体は、複数の絶縁体層を積層してなり、前記絶縁体層間に、該絶縁体層よりも形成面積が小さく、かつ前記絶縁層と接して設けられている内部導体を介在せしめるとともに、前記内部導体に隣接して、当該内部導体を挟んで設けられた前記絶縁体層と一体化した段差補償層を設け、該段差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径を前記絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径よりも小さくしたことを特徴とする。
【0011】
また、前記絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径が0.2μm以上であり、且つ前記段差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径が0.45μm以下であることが望ましい。
【0012】
また、前記段差補償層を構成するセラミック粒子は、前記絶縁体層を構成するセラミック粒子と組成が同一であることが望ましい。
【0013】
そして、このようなセラミック積層体は、大径セラミック粉末を含有する絶縁体グリーンシートの一方主面の一部に内部導体パターンを形成するとともに、該内部導体パターンに隣接して前記絶縁体グリーンシートの前記大径セラミック粉末よりも平均粒径の小さい小径セラミック粉末を含有する段差補償パターンを前記内部導体パターンの厚みに相当する厚みで形成する工程と、前記内部導体パターンおよび前記段差補償パターンが形成された前記絶縁体グリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程と、該積層成形体を焼成する工程により作製できる。
【0014】
さらに、前記大径セラミック粉末として、平均粒径が0.1μm以上であるものを、前記小径セラミック粉末として、平均粒径が0.3μm以下であるであるものを用いることが望ましい。
【0015】
このような構成によれば、一般に金属粒子を有する内部導体パターンの収縮率が大きいことが知られているが、本発明では、絶縁体層を構成するセラミック粒子よりも、小径のセラミック粉末を用いて段差補償パターンを形成しているので、内部導体に起因する段差を解消できるとともに、段差補償層が絶縁体層よりも大きく収縮し、絶縁体層と内部導体との界面近傍に大きな圧縮応力を発生させることができるため接合強度が高くなり、内部導体の周辺のデラミネーションを防止できる。
【0016】
また、上記のように、内部導体の周辺において、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成収縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺には厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積層体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝撃試験時のクラックを防止できる。
【0017】
さらには、内部導体の周辺に形成される段差補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体の面方向の収縮が抑制され、有効面積の減少が抑制できることから、セラミック積層体の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(構造)
本発明のセラミック積層体は、例えば、図1に示すような積層セラミックコンデンサに適用される。
【0019】
このセラミック積層体は積層体本体1の両端部に外部電極3を形成して構成されている。
【0020】
積層体本体1は、絶縁体層5と内部導体7を交互に積層してなり、その積層方向の両面に、絶縁体層5と同一材料からなる絶縁層9が形成されている。
【0021】
この積層体本体1を構成している絶縁体層5は、シート状のセラミック焼結体からなり、例えば、BaTiO3を主成分とする絶縁体グリーンシートを焼成して形成した絶縁体磁器からなる。
【0022】
一方、内部導体7は導電性ペーストの膜を焼結させた金属膜からなり、導電性ペーストとしては、例えば、Ni、Co、Cu等の卑金属が使用されている。また、内部導体7は、このように卑金属を主成分とし、概略矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3層目、第5層目・・・の奇数層の内部導体は、その一端が積層体本体1の一方端面に露出しており、上から第2層目、第4層目、第6層目・・・の内部導体7は、その一端が積層体本体1の他方端面に露出している。尚、外部電極3と内部導体7は必ずしも同一材料から構成される必要はない。
【0023】
そして、本発明のセラミック積層体では、図2に示すように、絶縁体層5上に形成された内部導体7の周辺には段差補償層11が隣接して形成されており、この段差補償層11の厚みは内部導体7の厚みに相当するように形成されている。
【0024】
この段差補償層11は、内部導体7が形成されている部分と形成されていない部分との間で内部導体7の厚みにより累積して大きくなる段差を解消するために形成されている。
【0025】
また、段差補償層11の厚みは、内部導体7と絶縁体層5界面での接合を高めるという理由から、内部導体7側よりもセラミック積層体の端面側が薄いことが望ましい。
【0026】
また、この内部導体7の端面が、絶縁体層5に対して鋭角をもつ傾斜面となるように形成され、この内部導体7の周縁部に段差補償層11が重なるように形成されてもよい。
【0027】
そして、図3に拡大して示すように、段差補償層11は、絶縁体層5を構成するセラミック粒子(セラミック大粒子12)よりも平均粒径の小さなセラミック粒子(セラミック小粒子13)により構成され、段差補償層11のセラミック小粒子13の平均粒径は0.45μm以下であり、一方、絶縁体層5のセラミック大粒子12の平均粒径は0.2μm以上であることが望ましい。
【0028】
例えば、積層数200層以上の高積層セラミックコンデンサの場合には、このセラミック小粒子13で構成されている段差補償層11は、高強度を要するという理由から平均粒径は0.1〜0.45μmであることが望ましい。
【0029】
一方、絶縁体層5中のセラミック大粒子12は、絶縁体層5を薄層化しても比誘電率および絶縁抵抗を高く維持するという理由から0.3〜0.8μmであることが望ましい。
【0030】
また、本発明のセラミック積層体を構成する絶縁体層5の厚みは、セラミック積層体の小型高容量化のため薄層多層化という理由から、3μm以下が望ましく、高誘電率および高絶縁性という理由から絶縁体層5の厚みは1.5〜3μmが望ましい。
【0031】
一方、内部導体7の厚みは2μm以下が望ましく、この内部導体7に含まれる金属量の低減が図れるとともに、充分な有効面積を確保するという理由から、特に、0.5〜1.5μmであることが望ましい。
【0032】
そして、絶縁体層5と内部導体7との厚み比は、絶縁体層5の厚みをt1、内部導体7の厚みをt2とした時、t2/t1>0.2、且つt2<2μmである場合に、本発明の段差補償層11が好適に適用され、さらには、内部導体7の過剰厚みによるデラミネーション等を抑制するために、厚み比t2/t1は、0.2〜0.75であることが望ましい。
【0033】
即ち、絶縁体層5が3μm以下、内部導体7が2μm以下の厚みで、例えば、積層数200層以上の積層セラミックコンデンサの場合には、内部導体7と絶縁体層5の焼成収縮差を低減するという理由から絶縁体層5を構成するセラミック大粒子12の粒径が0.3〜0.8μmであるのに対して、内部導体7の周辺に形成されている段差補償層11のセラミック小粒子13の平均粒径は、粒子の高充填化、磁器の焼結性及び積層セラミックコンデンサへの電気的、機械的影響から0.1〜0.45μmが好ましい。そして、このとき耐熱衝撃性に対してもクラック等の構造欠陥はみられない。
【0034】
また、本発明のセラミック積層体の積層数は、そのセラミック積層体を構成する絶縁体層5が薄層多層化され、この絶縁体層5上で、内部導体7が形成されている部分と形成されていない部分との間で内部導体7の厚みによる段差が累積されても、内部導体7の無い周囲の絶縁体層5同士の密着力を高め、デラミネーションやクラックを抑えられるという理由から、セラミック積層体の小型高容量化に対してその積層数は100層以上が望ましい。
【0035】
(製法)
次に、本発明のセラミック積層体の、例えば、積層セラミックコンデンサの製法について、図4をもとに説明する。
【0036】
(a)先ず、絶縁体層5となる厚さ1.5〜4μmの絶縁体グリーンシート21をスリップキャスト法を用いて作製する。スリップキャスト法の具体的な方法としては、引き上げ法、ドクターブレード法、リバースロールコーター法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法およびダイコーター法を用いることができる。
【0037】
そして、この絶縁体グリーンシート21の厚みは、小型、大容量化という理由から0.5〜4μmであることが望ましい。
【0038】
絶縁体材料としては、具体的には、BaTiO3−MnO−MgO−Y2O3等のセラミック粉末(大径セラミック粉末)が耐還元性を有するという理由から使用可能である。また、ガラス粉末を加えてもよい。
【0039】
そして、この絶縁体グリーンシート21に用いるセラミック粉末(大径セラミック粉末)の粒子径は、絶縁体グリーンシートの薄層化という理由から1.5μm以下が望ましく、また、高誘電性、高絶縁性という理由から0.1〜0.9μmが望ましい。
【0040】
また、セラミック粉末(大径セラミック粉末)の主原料であるBaTiO3粉末の合成法は、固相法、液相法(蓚酸塩を経過する方法等)、水熱合成法があるが、そのうち粒度分布が狭く、結晶性が高いという理由から水熱合成法が望ましい。そして、BaTiO3粉末の平均比表面積は1.1〜10m2/gが好ましい。
【0041】
(b)次に、この絶縁体グリーンシート21の表面に、導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷法、グラビア印刷、オフセット印刷法等の周知の印刷方法により内部導体パターン23を形成する。その厚みは、コンデンサの小型、高信頼性化という点から2μm以下、特には1μm以下であることが望ましい。
【0042】
この導電性ペーストは、金属粒子と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混合物からなる有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性のエチルセルロースからなる有機粘結剤と、該有機溶剤に難溶解性のエポキシ樹脂からなる有機粘結剤とを含有するものである。
【0043】
導電性ペースト中に含まれる金属粒子としては、平均粒径0.05〜0.5μmの卑金属粒子が用いられる。卑金属としては、Ni、Co、Cuがあり、金属の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、およびコストが安いという点からNiが望ましい。
【0044】
卑金属粒子の平均粒径は、金属粉末の分散性の向上と焼成時の金属肥大化を防止するために、0.1〜0.5μmの範囲が望ましい。そして、緻密で表面平滑な金属膜を形成するという理由から卑金属の平均粒径は0.15〜0.4μmが望ましい。
【0045】
また、導電性ペーストには、固形分として、金属粉末以外に、内部導体パターンの焼結性を抑えるために微細な絶縁体粉末を混合して用いることが好ましく、内部導体の均一な粒子径の形成と、平滑性を向上させるために、絶縁体粉末の粒径は0.05〜0.3μmが望ましい。
【0046】
また、導電性ペーストに含有されているエポキシ樹脂は、共に含有されているエチルセルロースに対して、0.05〜1.5重量%が望ましい。
【0047】
(c)次に、絶縁体グリーンシート21の表面に形成された内部導体パターン23の周縁部に絶縁体ペーストを塗布することにより段差補償パターン25を形成する。この絶縁体ペーストはスクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、インキジェット法、凸版印刷等の周知の方法により形成できる。尚、この段差補償パターン25の厚みは、内部導体パターン23厚みに相当する厚みに形成される。
【0048】
また、この段差補償パターン25を形成するための絶縁体ペーストは、例えば、段差補償層11と絶縁体層5が一体化するために、絶縁体グリーンシート21を形成するための絶縁体粉末と同じ組成成分であるが、絶縁体グリーンシート21に用いる大径絶縁体粉末よりも粒子径の小さなセラミック粉末(小径セラミック粉末)が用いられる。
【0049】
この小径セラミック粉末の平均粒径は0.3μm以下が望ましく、絶縁体層5や内部導体7との関係で焼成収縮率の制御が容易となり、異常粒成長が無く機械的強度が高くなるという理由から、特に、平均粒子径は0.05〜0.25μmが望ましい。
【0050】
そして、絶縁体ペーストは、この小径セラミック粉末と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混合物からなる有機溶剤と、該有機溶剤に対して可溶性のエチルセルロースからなる有機粘結剤と、該有機溶剤に難溶解性のエポキシ樹脂からなる有機粘結剤とを含有するものである。
【0051】
また、絶縁体ペーストを内部導体パターン23の周辺部に塗布し、絶縁体グリーンシート21を上面に形成するか、あるいは絶縁体グリーンシート21上の内部導体パターン23の周辺に転写しても良い。
【0052】
次に、導電性ペーストが塗布された絶縁体グリーンシート21を複数枚積層し、温度25〜80℃、圧力0.1〜10MPaで、第1回目の積層を行い、仮積層成形体を形成する。この時、積層された絶縁体グリーンシート21は完全に密着されていない状態であり、次の第2回目の積層時に充分な脱気ができるだけの隙間が残される。これは、エポキシ樹脂が高いガラス転移点Tg(120℃)を有するため、25〜80℃での加熱加圧時には可塑化しないためである。
【0053】
(d)次に、この仮積層成形体を温度90〜130℃、圧力10〜100MPaで第2回目の積層プレスを行い、完全に密着させて積層成形体を得る。
【0054】
本発明の積層成形体では、内部導体パターン23を形成した絶縁体グリーンシート21の一方主面に、この内部導体パターン23ととともに段差補償パターン25を形成しているため、積層プレス時に加熱加圧による絶縁体グリーンシート21や内部導体パター23の変形が生じることが無く積層成形体を形成することができる。
【0055】
次に、この積層成形体を格子状に切断して、積層体本体1の成形体を得る。この成形体の両端面には、内部導体7となる内部導体パターン23の一端が交互に露出している。
【0056】
この積層体本体1は、上記方法に限定されるものではなく、薄層化した絶縁体グリーンシートと内部導体パターンとを交互に積層した成形体を作製できるものであればスラリーディップ等のような方法でも良い。
【0057】
次に、この積層体本体1の成形体を大気中で250〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化性雰囲気で1200〜1300℃で2〜3時間焼成する。さらに、所望により、酸素分圧が0.1〜10-4Pa程度の低酸素分圧下、900〜1100℃で5〜15時間再酸化処理を施すことにより還元された積層体本体1が酸化されることにより、高い静電容量と絶縁特性を有する積層体本体1を得ることができる。
【0058】
最後に、得られた積層体本体1に対し、各端面にCuペーストを塗布し、Ni/Snメッキを施し、内部導体7と電気的に接続された外部電極3を形成して積層セラミックコンデンサを作製する。
【0059】
(作用)
以上のように、絶縁体層5および内部導体7を薄層化して構成された高積層のセラミック積層体において、内部導体7の周辺に段差補償層11を形成することにより、内部導体7の厚みに起因する段差を無くし、それによる歪みや変形を抑えることができる。
【0060】
また、一般に金属粒子を有する内部導体パターンの収縮率が大きいことが知られているが、本発明では、段差補償層を構成するセラミック粒子と、絶縁体層を構成するセラミック粒子との組成を同一とし、小径のセラミック粉末を用いて段差補償パターンを形成しているので、内部導体に起因する段差を解消できるとともに、段差補償層と絶縁体層が一体化でき、内部導体パターンの周縁部が絶縁体グリーンシートよりも厚み方向に大きな収縮率であることから、絶縁体層と内部導体との界面の接合強度が高くなり内部導体の周辺のデラミネーションを防止できる。
【0061】
さらに、上記のように、内部導体の周辺において、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成収縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺には厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積層体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝撃試験時におけるクラックを防止できる。
【0062】
そして、内部導体の周辺に形成される段差補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体の有効面積の減少が抑制できることから、セラミック積層体の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
【0063】
【実施例】
セラミック積層体の一つである積層セラミックコンデンサを以下のように作製した。
【0064】
絶縁体グリーンシート21は、BaTiO399.5モル%と MnO0.5モル%とからなる組成物100モル%に対して、Y2O3を0.5モル%とMgOを0.5モル%添加した組成の絶縁体セラミックスラリーを、ダイコーター法を用いてポリエステルより成る帯状のキャリアフィルム上に成膜した。
【0065】
導電性ペーストは、粒子径0.2μmのNi粉末45重量%に対し、エチルセルロース5.5重量%と石油系アルコール94.5重量%からなるビヒクル55重量%とを3本ロールで混練して調製した。
【0066】
段差補償パターン25用の絶縁体ペーストは、上記の絶縁体セラミックスラリーの一部をBaTiO3の粒子径が0.1μmになるまで粉砕し、導電ペーストと同様にペースト化して調製した。
【0067】
次に、得られた絶縁体グリーンシート21の主面状に、スクリーン印刷装置を用いて、上記した導電性ペーストを内部導体パターン23状に印刷し、乾燥させた。
【0068】
さらに、この絶縁体グリーンシート21上に形成された内部導体パターン23の周辺にスクリーン印刷により絶縁体ペーストを印刷、乾燥させ、内部導体7とともに段差補償パターン25が塗布形成された絶縁体グリーンシート21を作製した。
【0069】
このとき絶縁体グリーンシート21に用いたセラミック粉末である大径セラミック粉末の平均粒径および絶縁体ペーストに用いたセラミック粉末である小径セラミック粉末の平均粒径を表1に示した。
【0070】
次に、この絶縁体グリーンシート21を表1に示す層数積層し、さらにその上下層に絶縁層となる絶縁体グリーンシート21を各10枚積層し、仮積層成形体を形成した。
【0071】
この条件で作製した仮積層成形体は、絶縁体グリーンシート21が完全に密着されていない状態であり、次の第2回目の積層プレス時に充分な脱気ができるだけの隙間を残していた。
【0072】
次に、この仮積層成形体を温度100℃、圧力20MPaで第2回目の積層プレスを行い、内部導体パターン23を塗布した絶縁体グリーンシート21およびその上下の絶縁体グリーンシート21と同一材料からなるグリーンシートを積層して完全に密着させて積層成形体を得た。
【0073】
本発明のセラミック積層体となる積層成形体は、内部導体パターン23を形成した絶縁体グリーンシート21の一方主面に、この内部導体パターン23とともに段差補償パターン25を形成しているため、この積層プレス工程において、加熱加圧による絶縁体グリーンシート21や内部導体パターン23の変形が生じることが無く積層成形体を形成することができた。
【0074】
次に、この積層成形体を格子状に切断して、積層体本体1の成形体を得た。この積層成形体の両端面には、内部導体7の内部導体パターン23の一端が交互に露出していた。
【0075】
次に、この積層体本体1の成形体を大気中250℃または0.1Paの酸素/窒素雰囲気中500℃に加熱し、脱バイ処理を行った。
【0076】
さらに、脱バイ後の積層体本体1の成形体に対して、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250℃で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素窒素雰囲気中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、セラミック焼結体を得た。焼成後、セラミック焼結体の端面にCuペーストを900℃で焼き付け、さらにNi/Snメッキを施し、内部導体と接続する外部電極を形成した。
【0077】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、幅0.8mm、長さ1.6mmであった。また内部導体7に起因する段差はなく、この内部導体7は湾曲することなく平坦であった。
【0078】
このとき積層セラミックコンデンサの絶縁体層5および内部導体7の厚みおよび積層数を表1に示した。
【0079】
次に、焼成後に得られた焼結体について、1000個の試料を40倍の双眼顕微鏡にて観察し、積層セラミックコンデンサの端面のクラックの有無を評価した。また各300個の試料を焼結体の端面及び側面からそれぞれ研磨し、内部導体周縁部のデラミネーションの有無を評価した。
【0080】
また、上記のようにして得られた積層セラミックコンデンサを用いて、耐熱衝撃性試験をJIS規格に基づいて行った。各試料数300個について、温度(ΔT=225℃)および温度(ΔT=280℃)のときのクラックが発生した試料数を評価した。
【0081】
積層セラミックコンデンサの段差補償層11端部表面の内部応力は、積層セラミックコンデンサの積層方向に対して、X線回折法による並傾法により測定した。
【0082】
また、積層セラミックコンデンサを各10個を断面研磨した後、熱エッチングして、絶縁体層5中のセラミック大粒子12、及び内部導体7の周辺に形成された段差補償層11のセラミック小粒子13について電子顕微鏡(SEM)観察を行い、このSEM写真をインターセプト法によりセラミック粒子の平均粒径を算出した。
【0083】
また、絶縁体グリーンシート21に用いた大径セラミック粉末および絶縁体ペーストに用いた小径セラミック粉末の平均粒径は、ステージ上に分散させた粉末を100個について電子顕微鏡により測定し、その平均値を算出した。以上の結果をまとめて表1に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
表1の結果から、段差補償層11中の平均粒径を絶縁体層5中の平均粒径よりも小さくした試料No.3〜18では、焼成後にクラックやデラミネーションは見られなかった。また、温度差(ΔT=225℃)における耐熱衝撃試験においてもクラックの発生はなかった。
【0086】
また、積層セラミックコンデンサの段差補償層11端部の内部応力は−50MPa(−は圧縮方向を表す)以上であった。
【0087】
特に、絶縁体層5中のセラミック大粒子12の平均粒径を0.3〜0.6μmとし且つ段差補償層11中のセラミック小粒子13の平均粒径を0.15〜0.5μmとした試料No.4〜11では、内部応力が−60MPa(−は圧縮応力)以上となり、温度差280℃における耐熱衝撃試験においてもクラックやデラミネーションは見られなかった。
【0088】
さらに、絶縁体層5および段差補償層11中の、セラミック粒子の平均粒径の範囲を上記の範囲にすることに加えて、内部導体7の厚みt2と絶縁体層5の厚みt1との比を、t2/t1≦0.5とした試料No.16〜18では、積層数が400層以上においても温度差280℃における耐熱衝撃試験においてクラックやデラミネーションは見られなかった。
【0089】
一方、段差補償層11中の平均粒径が絶縁体層5中の平均粒径と同等かもしくはそれよりも大きな試料No.1、2では、焼成後にクラックが見られ、磁器内部にデラミネーションが観察された。また、耐熱衝撃試験においてもクラックが多数観察された。
【0090】
また、段差補償層11を設けなかった試料No.19では、内部導体による段差のためにクラックやデラミネーションが発生し、耐熱衝撃試験においてもクラックが多数観察された。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、絶縁体層および内部導体を薄層化して構成された高積層のセラミック積層体において、内部導体の周辺に、絶縁体層を構成するセラミック粒子と同一組成のセラミック粒子からなる段差補償層を形成することにより、内部導体の厚みに起因する段差を無くすことができる。
【0092】
また、一般に金属粒子を有する内部導体パターンの収縮率が大きいことが知られているが、本発明では、段差補償層を構成するセラミック粒子と、小径セラミック粉末を用いて段差補償パターンを形成しているので、内部導体に起因する段差を解消できるとともに、段差補償層と絶縁体層が一体化でき、内部導体パターンの周縁部が絶縁体グリーンシートよりも厚み方向に大きな収縮率となり、絶縁体層と内部導体との界面の接合強度が高くなり内部導体の周辺のデラミネーションを防止できる。
【0093】
さらに、上記のように、内部導体の周辺において、絶縁体層と交互に形成される段差補償層の焼成収縮率が絶縁体層よりも大きいために、内部導体の周辺には厚み方向に大きな圧縮応力が発生し、セラミック積層体の端部の強度を高めることができ、半田付けや熱衝撃試験時におけるクラックを防止できる。
【0094】
そして、内部導体の周辺に形成される段差補償層の高い焼成収縮のために、焼結による内部導体の有効面積の減少が抑制できることから、セラミック積層体の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック積層体の概略断面図を示す。
【図2】本発明のセラミック積層体を構成する内部導体および段差補償層が形成された絶縁体層を示す平面図である。
【図3】図1の段差補償層およびその近傍を拡大して示す断面模式図である。
【図4】本発明のセラミック積層体を製造するための工程図を示す。
【符号の説明】
1 積層体本体
3 外部電極
5 絶縁体層
7 内部導体
9 絶縁層
11 段差補償層
Claims (5)
- 複数の絶縁体層を積層してなり、前記絶縁体層間に、該絶縁体層よりも形成面積が小さく、かつ前記絶縁層と接して設けられている内部導体を介在せしめるとともに、前記内部導体に隣接して、当該内部導体を挟んで設けられた前記絶縁体層と一体化した段差補償層を設け、該段差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径を前記絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径よりも小さくしたことを特徴とするセラミック積層体。
- 前記絶縁体層を構成するセラミック粒子の平均粒径が0.2μm以上であり、且つ前記段差補償層を構成するセラミック粒子の平均粒径が0.45μm以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミック積層体。
- 前記段差補償層を構成するセラミック粒子は、前記絶縁体層を構成するセラミック粒子と組成が同一であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック積層体。
- 大径セラミック粉末を含有する絶縁体グリーンシートの一方主面の一部に内部導体パターンを形成するとともに、該内部導体パターンに隣接して前記絶縁体グリーンシートの前記大径セラミック粉末よりも平均粒径の小さい小径セラミック粉末を含有する段差補償パターンを前記内部導体パターンの厚みに相当する厚みで形成する工程と、前記内部導体パターンおよび前記段差補償パターンが形成された前記絶縁体グリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程と、該積層成形体を焼成する工程とを具備することを特徴とするセラミック積層体の製法。
- 前記大径セラミック粉末として、平均粒径が0.1μm以上であるものを、前記小径セラミック粉末として、平均粒径が0.3μm以下であるであるものを用いることを特徴とする請求項4記載のセラミック積層体の製法。
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