JP2011084739A - リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 - Google Patents
リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011084739A JP2011084739A JP2010210621A JP2010210621A JP2011084739A JP 2011084739 A JP2011084739 A JP 2011084739A JP 2010210621 A JP2010210621 A JP 2010210621A JP 2010210621 A JP2010210621 A JP 2010210621A JP 2011084739 A JP2011084739 A JP 2011084739A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copolymer
- monomer
- ligand
- group
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の共重合体は、反応性基(a)を有する担体の表面にリガンドを固定化するための共重合体であって、上記反応性基(a)と化学的に結合可能な反応性基(b)を有するモノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の一端に有するとともに、上記リガンドを有するモノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の他端に有するか、又は、上記モノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の両端に有するとともに、該両端のセグメント間に上記モノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを有する。
【選択図】図2
Description
本発明の第1の実施形態に係る共重合体は、反応性基(a)を有する担体の表面にリガンドを固定化するための共重合体であって、上記反応性基(a)と化学的に結合可能な反応性基(b)を有するモノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の一端に有するとともに、リガンドを有するモノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の他端に有する。本発明の共重合体では、モノマー(A)に由来する構成単位と、モノマー(B)に由来する構成単位とが混在せず、別々のセグメントに存在することが重要である。なお、モノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントと、モノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントとの間には、その他のモノマーを有していてもよい。また、本発明の共重合体は、鎖状構造を有するが、その構造は、直鎖ポリマー又は分岐ポリマーのいずれであってもよい。
本発明のモノマー(A)は、担体表面の反応性基(a)と化学的に結合可能な反応性基(b)を有する。反応性基(b)は、反応性基(a)と化学的に結合可能であれば特に限定されないが、好ましくは反応性基(a)及び反応性基(b)のいずれか一方がアジド基であり、他方がアルキニル基であるか、一方がアミノ基又はチオール基であり、他方がカルボキシル基、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルで活性化されたカルボン酸、イソシアナート基又はチオイソシアナート基である。本発明の共重合体は、この反応性基(b)が担体の表面にある反応性基(a)と化学的に結合することにより、担体に固定化される。
本発明のモノマー(B)は、リガンドを有することを特徴とする。
本発明の共重合体の重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、RAFT、原子移動ラジカル重合(以下、ATRPと称する。)等のリビングラジカル重合法が好ましい。リビングラジカル重合法によれば、合成する共重合体の分子量や分子量分布を制御できるので好ましい。以下に、モノマー(A)に由来する構成単位からなるセグメントを前記共重合体の鎖の一端に有するとともに、該モノマー(B)に由来する構成単位からなるセグメントを前記共重合体の鎖の他端に有する本発明の共重合体の合成方法を例示する。なお、重合方法はリビングラジカル重合法による。
これに対して、リガンドをアルカンチオールのSAMにより2次元的に固定化する従来法では、図2(B)に示すように、材料表面にSAMが形成されるので、リガンドを高密度に固定化することができるが、分子同士の相互作用により、運動性は低くなる。
以下、本発明の第2の実施形態に係る共重合体について説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る共重合体と共通する部分についての説明は、省略する。
本発明の第2の実施形態に係る共重合体は、反応性基(a)を有する担体の表面にリガンドを固定化するための共重合体であって、モノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを上記共重合体の鎖の両端に有するとともに、該両端のセグメント間にモノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを有する。なお、上記共重合体の鎖の両端にあるモノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントと、上記両端のセグメント間にあるモノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントとの間に、上述のその他のモノマーを有していてもよい。また、本発明の共重合体は、鎖状構造を有するが、その構造は、直鎖ポリマー又は分岐ポリマーのいずれであってもよい。
本発明の共重合体は、該共重合体が有する反応性基(b)と、担体の表面にある反応性基(a)とを反応させることにより、リガンドを担体の表面に固定化する。この反応により、反応性基(b)と反応性基(a)とが化学的に結合するので、担体の表面に安定に固定化することができる。反応性基(a)は、反応性基(b)と化学的に結合可能であれば特に限定されないが、好ましくは反応性基(a)及び反応性基(b)のいずれか一方がアジド基であり、他方がアルキニル基であるか、一方がアミノ基であり、他方がカルボキシル基であるか、一方がアミノ基又はチオール基であり、他方がカルボキシル基、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルで活性化されたカルボン酸、イソシアナート基又はチオイソシアナート基であることが好ましい。
リガンドを結合させた本発明の共重合体によって表面を修飾した培養基材によれば、細胞培養が可能となる。特に、特定の細胞に対して特異的に結合するリガンドを用いた場合には、当該細胞の選択培養に利用することができる。例えば、肝実質細胞にのみ認識される性質を有するラクトースをリガンドとして用いることで、肝実質細胞と、その他の肝臓を構成する非実質細胞(類洞内皮細胞、星細胞、クッパー細胞等)との混合物から、肝実質細胞のみを容易に分離することが可能となる。また、ラクトースをリガンドとして結合させた本発明の共重合体によって表面を修飾した培養基材によれば、ラクトースと細胞とがアシアロ糖タンパク受容体を介して良好に接着するので、無血清培地でも細胞を培養することができる。
<工程1:3−アジドプロピルトリエトキシシランの合成>
既知の方法(Eur.J.Org.Chem.,2006,2934−2941)に従い、式(1)で表される3−クロロプロピルトリエトキシシラン3.0g(12.5mmol)から、式(2)で表される3−アジドプロピルトリエトキシシランを得た(収量:2.12g(8.60mmol),収率:69%)。反応スキームを以下に示す。
既知の方法(Langmuir.,2004,20(4),1051−1053)を参考に、式(3)で表される1−ブロモウンデカン−11−オールから、式(7)で表される1−アジドウンデカン−11−チオールを合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下、式(3)で表される1−ブロモウンデカン−11オール2.51g(10.0mmol)とアジ化ナトリウム1.95g(30.0mmol)をDMF 45mlに懸濁し、70℃で3時間加熱攪拌した。過剰なアジ化ナトリウムをろ過で取り除いた後、反応溶液を減圧濃縮した。残渣にイソプロピルエーテルを加え、水で2回洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して、式(4)で表される1−アジドウンデカノールを得た(収量:2.13g(10.0mmol),収率:100%)。
次に、式(4)で表される1−アジドウンデカン−11−チオール2.07g(9.70mol)とメタンスルホニルクロリド2.29g(20.0mmol)の脱水THF 60ml溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン2.02g(20.0mmol)の脱水THF20ml溶液を滴下し、そのまま室温で3時間攪拌した。反応溶液をろ過し、生成した塩を除いた後、減圧濃縮した。残渣にイソプロピルエーテルを加え、1M塩酸、水、NaHCO3水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して、式(5)で表される1−アジドウンデカン−11−メチルスルホナートを得た(収量:2.70g(9.27mmol),収率:96%)。
続いて、式(5)で表される1−アジドウンデカン−11−メチルスルホナート2.70g(9.27mmol)とカリウムチオアセテート2.10g(18.6mmol)をメタノール80mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、2.5時間加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮し、残差に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を更に水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して、式(6)で表される1−アジドウンデカン−11−チオアセテートを得た。(収量:2.27g(8.36mmol),収率:90%)
最後に、式(6)で表される1−アジドウンデカン−11−チオアセテート2.27g(8.36mmol)をメタノール150mlに溶解した後、濃塩酸8mlを添加し、アルゴン雰囲気下、5時間加熱還流した。反応溶液に水を加えた後、メタノールを減圧で除き、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を更にNaHCO3水溶液、水、ブラインで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して、式(7)で表される1−アジドウンデカン−11−チオールを得た(収量:1.92g(8.38mmol),収率:100%)。反応スキームを以下に示す。
<工程3:ブチルベンジルトリチオカルボナートの合成>
既知の文献(日本化学会誌,1987,7,1408−1413)を参考に、式(8)で表されるベンジルメルカプタンから、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナートを合成した。
具体的には、式(8)で表されるベンジルメルカプタン1.24g(10.0mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク―7−エン(DBU)1.52g(20.0mmol)を脱水ベンゼン10mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、二硫化炭素1.52g(20.0mmol)をゆっくり滴下し、室温で30分攪拌した。この反応溶液に1−ブロモブタン1.37g(10.0mmol)の脱水ベンゼン5ml溶液を滴下し、室温で18時間攪拌した。反応溶液をベンゼンで希釈し、セライトでろ過した。ろ液を1M塩酸、水、ブラインで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナートを得た(収量:2.48g(9.67mmol),収率:97%)。反応スキームを以下に示す。
<工程4:アクリル酸−4−ペンチニルエステルの合成>
式(11)で表される4−ペンチン−1−オールとアクリル酸クロリドから、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステルを合成した。
具体的には、式(11)で表される4−ペンチン−1−オール2.83g(40.0mmol)とトリエチルアミン4.45g(44.0mmol)を脱水THF 40mlに溶解し、氷浴で冷却しながら、表(12)で表されるアクリル酸クロリド3.98g(44.0mmol)の脱水THF 40ml溶液を滴下した。その後、氷浴を外し、室温で5時間攪拌した。反応溶液をろ過し、生成した塩を除去した後、減圧濃縮した。残渣にイソプロピルエーテルを加え、NaHCO3水溶液、塩化アンモニウム水溶液、ブラインで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して粗生成物得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製し、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステルを得た(収量:1.90g(13.8mmol),収率:35%)。反応スキームを以下に示す。
<工程5:β−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテートの合成>
既知の方法(Biomacromolecule,2004,5(1),224−231)を参考に、式(14)で表されるβ体リッチのD−ラクトース−オクタアセテートと、式(15)で表されるヒドロキシエチルアクリレートとから、式(16)で表されるβ−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテートを合成した。
具体的には、式(14)で表されるβ体リッチのD−ラクトース−オクタアセテート10.0g(14.7mmol)と、式(15)で表されるアクリル酸ヒドロキシエチルエステル2.06g(17.7mmol)とを、アルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタンに溶解し、氷浴で冷却しながら、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(46〜49%)6mlを滴下した。そのまま2時間攪拌した後、氷浴を外し、更に室温で18時間攪拌した。反応溶液をクロロホルムで希釈し、NaHCO3水溶液、水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して粗生成物得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ジクロロメタン=1:30→1:25)で精製した後、メタノール/水で再沈澱を行い、式(16)で表されるβ−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテートを得た(収量:5.36g(7.30mmol),収率:50%)。反応スキームを以下に示す。
既知の方法(Aust.J.Chem.,1998,51,31−35)に従い、式(17)で表される1−アミノエタノールと、式(18)で表されるアクリル酸クロリドとから、式(19)で表される2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを合成した。次に、既知の方法(Biomacromolecule,2004,5(1),224−231)を参考に、式(14)で表されるβ体リッチのD−ラクトース−オクタアセテートと、式(19)で表される2−ヒドロキシエチルアクリルアミドとから、式(20)で表されるβ−アクリルアミジルエチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテートを合成した。
具体的には、式(17)で表される1−アミノエタノール30ml(0.50mol)を脱水ジクロロメタン300mlに溶解し、氷浴で冷却しながら式(18)で表されるアクリル酸クロリド20ml(0.25mol)の脱水ジクロロメタン100ml溶液を滴下した。そのまま氷浴で冷却しながら3時間攪拌した後、生成した塩をろ過で除き、ろ液を減圧濃縮し、式(19)で表される2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを合成した(収量:15g(0.13mol),収率:52%)。
次に、式(14)で表されるβ体リッチのD−ラクトース−オクタアセテート10.0g(14.7mmol)と式(19)で表される2−ヒドロキシエチルアクリルアミド2.03g(17.7mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタンに溶解し、氷浴で冷却しながら、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(46〜49%)6mlを滴下した。そのまま2時間攪拌した後、氷浴を外し、更に室温で18時間攪拌した。反応溶液をクロロホルムで希釈し、NaHCO3水溶液、水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮して粗生成物得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1→酢酸エチル)で精製し、式(20)で表されるβ−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテートを得た(収量:6.22g(8.48mmol),収率:58%)。反応スキームを以下に示す。
<工程7:Poly−Lac(OAc)7−Aの合成>
式(16)で表されるβ−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテート1.47g(2.0mmol)と、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナート26mg(0.10mmol)と、AIBN 1.6mg(10μmol)とを脱水DMF 10mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で4日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱を行い、更に得られた沈澱を少量のクロロホルムに溶解し、イソプロパノール/イソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(21)で表されるPoly−Lac(OAc)7−Aを得た(収量:445mg,回収率:30%)。反応スキームを以下に示す。
反応溶液の一部を減圧濃縮した粗生成物の1HNMR(CDCl3)を測定し、積分比から算出したモノマーの転化率は43%であった。また、精製後のポリマーをGPC(ポリスチレンスタンダード)で測定した数平均分子量(Mncal)は3842、分子量分布(Mw/Mn)は1.20、Mncalから算出した平均重合度(ncal)は4.9であった。なお、分子量分布が狭いことから、この重合反応はRAFT機構で進行したと考えられる。よって、モノマーの転化率から算出した理論的な平均分子量(Mnth)は6574、平均重合度(nth)は8.6であった。
<工程8:Poly−Lac(OAc)7−AAの合成>
式(20)で表されるβ−アクリルアミジルエチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテート1.10g(1.5mmol)と、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナート13mg(0.050mmol)と、AIBN 1.6mg(10μmol)とを脱水DMF 8mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で4日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱を行い、更に得られた沈澱を少量のクロロホルムに溶解し、イソプロパノール/イソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(22)で表されるPoly−Lac(OAc)7−AAを得た(収量:555mg,回収率:50%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程7と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は60%、Mncalは4785、Mw/Mnは1.20、ncalは6.2、Mnthは13463、nthは18であった。
<工程9:Poly−Lac(OAc)7−A−co−HEAの合成>
式(16)で表されるβ−アクリル酸エチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテート1.47g(2.0mmol)と、式(15)で表されるアクリル酸ヒドロキエチルエステル232mg(2.0mol)と、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナート26mg(0.10mol)と、AIBN 3.3mg(20μmol)とを脱水DMF 10mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で4日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱を行い、更に得られた沈澱を少量のクロロホルムに溶解し、イソプロパノール/イソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(23)で表されるPoly−Lac(OAc)7−A−co−HEAを得た(収量:1.04g,回収率:53%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程7と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は70%(2種類のモノマー全体として)、Mncalは5186、Mw/Mnは1.28であった。
<工程10:Poly−Lac(OAc)7−AA−co−HEAAの合成>
式(20)で表されるβ−アクリルアミジルエチルオキシ−D−ラクトース−ヘプタアセテート1.46g(2.0mmol)と、式(19)で表される2−ヒドロキシエチルアクリルアミド230mg(2.0mmol)と、式(10)で表されるブチルベンジルトリチオカルボナート26mg(0.10mmol)と、AIBN 1.6mg(10μmol)とを脱水DMF 10mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で4日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱を行い、更に得られた沈澱を少量のクロロホルムに溶解し、イソプロパノール/イソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(24)で表されるPoly−Lac(OAc)7−AA−co−HEAAを得た(収量:770mg,回収率:39%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程7と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は45%(2種類のモノマー全体として)、Mncalは4930、Mw/Mnは1.18であった。
<工程11:Poly−Lac(OAc)7−A−b−Alkyne−Aの合成>
式(21)で表されるPoly−Lac(OAc)7−A 384mg(Mncal=3842、Mnth=6574)と、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステル69mg(0.50mol)と、AIBN 5.0mg(30μmol)とを脱水DMF 3mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で6日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(25)で表されるPoly−Lac(OAc)7−A−b−Alkyne−Aを得た(収量:341mg,回収率:75%)。反応スキームを以下に示す。
反応溶液の一部を減圧濃縮した粗生成物の1HNMR(CDCl3)を測定し、積分比から算出したモノマーの転化率は100%であった。また、精製後のポリマーをGPC(ポリスチレンスタンダード)で測定した数平均分子量(Mncal)は3712、分子量分布(Mw/Mn)は1.19であった。なお、分子量分布が狭いことから、この重合反応は、RAFT機構で進行したと考えられる。よって、マクロ連鎖移動剤のMnthとモノマーの転化率とから算出した理論的な平均分子量(Mnth)は7757、平均重合度はnthが8.6、mthが8.6であった。
<工程12:Poly−Lac(OAc)7−AA−b−Alkyne−Aの合成>
式(22)で表されるPoly−Lac(OAc)7−AA 540mg(Mncal=4785、Mnth=13463)と、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステル55mg(0.40mol)と、AIBN 3.3mg(20mmol)とを脱水DMF 4mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で6日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(26)で表されるPoly−Lac(OAc)7−AA−b−Alkyne−Aを得た(収量:526mg,回収率:88%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程11と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は100%、Mncalは4452、Mw/Mnは1.23、Mnthは14840、平均重合度はnthが18、mthが10であった。
<工程13:Poly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−Aの合成>
式(23)で表されるPoly−Lac(OAc)7−A−co−HEA 1.04g(Mncal=5186)と、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステル83mg(0.60mmol)と、AIBN 4.9mg(30μmol)とを脱水DMF 10mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で6日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(27)で表されるPoly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−Aを得た(収量:807mg,回収率:72%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程11と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は100%、Mncalは3502、Mw/Mnは1.32であった。
<工程14:Poly−[Lac(OAc)7−AA−co−HEAA]−b−Alkyne−Aの合成>
式(24)で表されるPoly−Lac(OAc)7−AA−co−HEAA 742mg(Mncal=4930)と、式(13)で表されるアクリル酸−4−ペンチニルエステル207mg(1.50mmol)と、AIBN 4.9mg(30μmol)とを脱水DMF 5mlに溶解し、シュレンク管で3回凍結脱気を行った後、アルゴン雰囲気下、70℃で6日間加熱攪拌した。反応溶液をイソプロピルエーテルに滴下して再沈澱による精製を行い、式(28)で表されるPoly−[Lac(OAc)7−AA−co−HEAA]−b−Alkyne−Aを得た(収量:718mg,回収率:76%)。反応スキームを以下に示す。
なお、工程11と同様の方法にて測定し、算出したモノマーの転化率は78%、Mncalは5594、Mw/Mnは1.23であった。
糖鎖ポリマーブラシを担体表面に形成する方法は、担体表面にアジド基を修飾する第1の工程、合成した本発明の共重合体の末端アルキン部分と第1の工程において担体表面に修飾したアジド基とのクリック反応を行う第2の工程、及び糖鎖の保護基を外す脱保護反応を行う第3の工程で行う。なお、共重合体の状態で脱保護を行っておくことで、第3の工程は省略することができる。各工程における反応進行度は、水滴の接触角の変化で確認した。
アジド基を修飾する担体には、ガラス基板(スライドガラス)と金蒸着ガラス基板を用いた。これら担体表面に付着した有機物等の汚れは、表面反応の促進を阻害する可能性がある。そこで、オゾン洗浄機で15分間処理した後、メタノールをかけ流して洗浄し、乾燥させた担体を用いた。
ガラス基板表面へのアジド基の修飾は、シランカップリング反応により行った。シランカップリング剤には、工程1にて合成した式(2)で表される3−アジドプロピルトリエトキシシランを用いた。3−アジドプロピルトリエトキシシランの1vol%トルエン溶液を調製し、脱脂綿でガラス基板表面に薄く塗布し、ヘアドライアーで数秒間加熱と乾燥を3回繰り返した。
金蒸着ガラス基板表面へのアジド基の修飾は、金とチオール基の反応により行った。アルカンチオールは、金表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を形成することが知られていることから、金蒸着ガラス基板を、工程2にて合成した式(7)で表される1−アジドウンデカン−11−チオールの0.2vol%トルエン溶液に浸漬し、18時間放置した。
第1の工程においてアジド基を修飾した担体表面上に、工程14にて合成した式(28)で表されるPoly−[Lac(OAc)7−AA−co−HEAA]−b−Alkyne−Aの粉末を少量(1cm2当たり1mg未満)ふりかけた後、クリック反応溶液を塗布し、18時間放置した。クリック反応溶液には、硫酸銅(II)・5水和物10mgとアスコルビン酸ナトリウム15mgとを、THF/ミリQ水(20ml/5ml)溶液に溶解したものを用いた。反応終了後は、担体表面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した。
糖鎖の脱保護反応は、既知の方法(Biomacromolecule,2004,5,224−231)を参考に行った。第2の工程においてクリック反応させた担体を、ヒドラジン一水和物の3vol% DMSO溶液に浸漬し、密閉状態で5時間放置した。反応終了後は、担体表面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した。
担体表面における糖鎖ポリマーブラシの形成は、担体表面の接触角を測定することにより確認した。糖鎖ポリマーブラシが担体表面に形成されていれば、担体表面における水酸基の密度が高まり、親水性が高くなると考えられるからである。
ガラス基板については、第3の工程の脱保護を部分的に行い、脱保護されている部分と脱保護されていない部分の接触角を比較した。なお、接触角はガラス基板2枚(1枚当たり4ヶ所測定)の平均値を求めた。
金蒸着ガラス基板については、第2の工程のクリック反応を部分的に行い、更に第3の工程の脱保護を部分的に行い、各工程後の接触角を比較した。なお、接触角は金蒸着ガラス基板1枚(1枚当たり10ヶ所測定)の平均値を求めた。
室温(約23℃)下、空気中で担体表面にイオン交換水(ミリQ水)2μlを滴下し、担体表面と水滴との接触角を測定した。測定装置には、表面張力計(協和界面科学社製DropMaster−500,解析ソフトウエアーFAMAS使用)を用いた。
金蒸着ガラス基板については、第1の工程後(アジド基の修飾後)の接触角が67.1°であり、第2の工程後(クリック反応後)の接触角が65.8°であるのに対し、第3の工程後(脱保護反応後)の接触角は51.8°であり、脱保護した部分の接触角が最も小さな値を示した。
以上の結果から、ガラス基板、金蒸着ガラス基板のいずれの担体においても、各工程の反応は進行し、表面に糖鎖ポリマーブラシが形成されたことが示唆された。
1.レクチンの特異的結合とタンパク質の非特異的吸着による評価
(QCMセンサーのセンシング面への糖鎖ポリマーブラシの形成)
(1)第1の工程:センシング面へのアジド基の修飾
QCMセンサー(イニシアム社製,AFFINIX Q,27MHz)のセンサーチップのセンシング面に、ピラニア洗浄溶液(濃硫酸:過酸化水素水=3:1)を塗布し、10分間放置した後、水洗し、更に1%SDS溶液を綿棒につけて軽くこすり洗いした後、水洗し乾燥した。
センシング面は、金の薄膜でできていることから、第1の工程(アジド基の修飾)は、金とチオール基の反応により行った。センシング面を、工程2にて合成した式(7)で表される1−アジドウンデカン−11−チオールの0.2vol%トルエン溶液に浸漬し、2時間放置した。
第1の工程においてアジド基を修飾したQCMセンサーのセンシング面上に、工程11にて合成した式(25)で表されるPoly−Lac(OAc)7−A−b−Alkyne−A、又は工程13にて合成した式(27)で表されるPoly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−Aの粉末を少量(1cm2当たり1mg未満)ふりかけた後、クリック反応溶液を塗布し、18時間放置した。
クリック反応溶液には、硫酸銅(II)・5水和物10mgとアスコルビン酸ナトリウム15mgとを、t−BuOH/ミリQ水(1:1)⇒(10ml/10ml)溶液に溶解したものを用いた。反応終了後は、センシング面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した。
糖鎖の脱保護反応は、既知の方法(Biomacromolecule,2004,5,224−231)を参考に行った。第2の工程においてクリック反応させたQCMセンサーのセンシング面に、ヒドラジン一水和物の3vol% DMSO溶液を塗布して2時間放置することを2回繰り返し行った。反応終了後は、センシング面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した。
レクチンには、ラクトースのレクチンであるRCA120(フナコシ社製)を用いた。測定装置には、QCMセンサーを用いた。QCMセンサーの付属のガラス製セルに、予め減圧脱気したイオン交換水(ミリQ水)8mlを入れ、これに上記方法により糖鎖ポリマーブラシを表面に形成したセンサーチップを浸漬し、25℃で攪拌(850rpm)した。この状態で周波数が一定になるまで待機した後、RCA120(5mg/ml)8μlを添加し、周波数変化を記録した。
タンパク質には、BSA(シグマ社製)を用いた。QCMセンサーの付属のガラス製セルに、予め減圧脱気したイオン交換水(ミリQ水)8mlを入れ、これに上記方法により糖鎖ポリマーブラシを表面に形成したセンサーチップを浸漬し、25℃で攪拌(850rpm)した。この状態で周波数が一定になるまで待機した後、BSA(5mg/ml)8μlを添加し、周波数変化を記録した。更に続いて、周波数が一定になるまで待機した後、RCA120(5mg/ml)8μlを添加し、周波数変化を記録した。
(培養基板表面への糖鎖ポリマーブラシの形成)
(1)第1の工程:ガラス基板表面へのアジド基の修飾
ガラス基板表面へのアジド基の修飾は、シランカップリング反応により行った。シランカップリング剤には、工程1にて合成した式(2)で表される3−アジドプロピルトリエトキシシランを用いた。3−アジドプロピルトリエトキシシランの1vol%トルエン溶液を調製し、脱脂綿でガラス基板表面に薄く塗布し、ヘアドライアーで数秒間加熱と乾燥を3回繰り返した。
第1の工程においてアジド基を修飾したガラス基板表面上に、工程13にて合成した式(27)で表されるPoly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−Aの粉末を少量(1cm2当たり1mg未満)ふりかけた後、クリック反応溶液を部分的に塗布し、18時間放置した。なお、クリック反応溶液には、硫酸銅(II)・5水和物10mgとアスコルビン酸ナトリウム15mgとを、t−BuOH/ミリQ水(1:1)⇒(10ml/10ml)溶液に溶解したものを用いた。反応終了後は、ガラス基板表面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した。
糖鎖の脱保護反応は、既知の方法(Biomacromolecule,2004,5,224−231)を参考に行った。第2の工程においてクリック反応させたガラス基板を、ヒドラジン一水和物の3vol% DMSO溶液に浸漬し、密閉状態で5時間放置した。反応終了後、ガラス基板表面をアセトン、メタノール、ミリQ水の順でよく洗浄し、乾燥した後、これを培養基板として用いた。
細胞接着による評価には、細胞表面にラクトース認識サイトの存在が知られているラット初代肝実質細胞(ヘパトサイト)を用いた。
ラット(7週齢、オス)からコラゲナーゼ溶液により肝細胞を分離し、遠心分離(50×g,2min)を3回行い、肝細胞を精製した。この精製した肝細胞を、上記培養基板に、3.0×106cells播種し、培養した。なお、培養基板全体への細胞接着を避けるために、肝細胞の培養には無血清のWilliams’E培地(50ml FBS,10mlペニシリン−ストレプトマイシン)を用いた。
試験には、2.と同様にラット肝実質細胞を用いた。ラット(7週齢、オス)からコラゲナーゼ溶液により肝細胞を分離し、遠心分離(50×g,2min)を3回行い、肝細胞を精製した。この精製した肝細胞を無血清のWilliams’E培地を用いて1×105cells/mlに調整した細胞懸濁液を、12wellプレートに1×105cells/wellになるように細胞を播種し(2ml/well)、培養した。なお、基板には、ラクトースグリコポリマー(Poly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−A)基板とゼラチン修飾基板とを用いた。ラクトースグリコポリマー基板表面への糖鎖ポリマーブラシの形成は、上記2.(1)〜(3)と同様の方法にて行った。培養6時間後に、Williams’E培地(添加因子無し,10% FBS,2%ペニシリン−ストレプトマイシン)と、Williams’E培地(添加因子有り,10% FBS,2%ペニシリン−ストレプトマイシン,10−6M Insulin,10−7 Dexamethasone,0.3mg/ml L−glutamine)とに培地交換を行った。
(1)培地の上澄みを1ml採取し、−80℃で保存した。
(2)96wellプレートに5000倍希釈した一次抗体(rabbit anti rat IgG)を100μlずつ加えて、1時間静置した。
(3)well内の溶液を吸い取り、洗浄液(0.02% Tween 20−PBS溶液)で3回洗浄した。
(4)0.1% BSA−PBS溶液を200μl加えて、30分間静置した。
(5)well内の溶液を吸い取り、洗浄液(0.02% Tween 20−PBS溶液)で3回洗浄した。
(6)試料溶液を100μlずつ加えて、1時間静置した。
(7)well内の溶液を吸い取り、洗浄液(0.02% Tween 20−PBS溶液)で3回洗浄した。
(8)二次抗体(goat anti rat albumin IgG)を100μlずつ加えて、1時間静置した。
(9)well内の溶液を吸い取り、洗浄液(0.02% Tween 20−PBS溶液)で3回洗浄した。
(10)発色試薬(SAT Blue)を50μlずつ加えて、well内の溶液が青色になるまで反応させた。
(11)溶液が青くなった後、反応停止液(1M H2SO4溶液)を50μlずつ加えた。
(12)マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定することにより、アルブミン産生量を測定した。
試験には、上記2.と同様にラット肝実質細胞を用いた。ラット(7週齢、オス)からコラゲナーゼ溶液により肝細胞を分離し、遠心分離(50×g,2min)を3回行い、肝細胞を精製した。この精製した肝細胞を無血清のWilliams’E培地を用いて1×105cells/mlに調整した細胞懸濁液を、12wellプレートに1×105cells/wellになるように細胞を播種し(2ml/well)、培養した。なお、基板には、ラクトースグリコポリマー(Poly−[Lac(OAc)7−A−co−HEA]−b−Alkyne−A)基板とゼラチン修飾基板とを用いた。ラクトースグリコポリマー基板表面への糖鎖ポリマーブラシの形成は、上記2.(1)〜(3)と同様の方法にて行った。培養6時間後に、Williams’E培地(EGF無し,10% FBS,2%ペニシリン−ストレプトマイシン,10−6M Insulin,10−7 Dexamethasone,0.3mg/ml L−glutamine)と、Williams’E培地(EGF有り,10% FBS,2%ペニシリン−ストレプトマイシン,10−6M Insulin,10−7 Dexamethasone,0.3mg/ml L−glutamine,EGF 50ng/ml)と、に培地交換を行った。
試験には、2.と同様にラット肝実質細胞を用いた。ラット(7週齢、オス)からコラゲナーゼ溶液により肝細胞を分離し、遠心分離(50×g,2min)を3回行い、肝細胞を精製した。この精製した肝細胞を無血清のWilliams’E培地(2%ペニシリン−ストレプトマイシン)を用いて5×104cells/mlに調整した細胞懸濁液に、アシアロフェツィン(ASF)を濃度10μg/mlとなるように添加し、4℃で30分間プレインキュベートした。また、アシアロフェツィン濃度0μg/mlの細胞懸濁液も同様に、4℃で30分間プレインキュベートした。その後、12wellプレートに1×105cells/wellになるように細胞を播種し、37℃で6時間培養した。
Claims (11)
- 反応性基(a)を有する担体の表面にリガンドを固定化するための共重合体であって、
前記反応性基(a)と化学的に結合可能な反応性基(b)を有するモノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを前記共重合体の鎖の一端に有するとともに、前記リガンドを有するモノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを前記共重合体の鎖の他端に有するか、又は、
前記モノマー(B)に由来する構成単位を含むセグメントを前記共重合体の鎖の両端に有するとともに、前記両端のセグメント間に前記モノマー(A)に由来する構成単位を含むセグメントを有する共重合体。 - 前記モノマー(A)に由来する構成単位からなるセグメントを前記共重合体の鎖の一端に有するとともに、前記モノマー(B)に由来する構成単位からなるセグメントを前記共重合体の鎖の他端に有する、請求項1に記載の共重合体。
- リビングラジカル重合により形成されている請求項1又は2に記載の共重合体。
- 前記反応性基(a)及び前記反応性基(b)のいずれか一方がアジド基であり、他方がアルキニル基である請求項1から3いずれかに記載の共重合体。
- 前記モノマー(A)が一般式(I)で表される請求項1から4いずれかに記載の共重合体。
- 前記モノマー(B)が一般式(II)で表される請求項1から5いずれかに記載の共重合体。
- 前記リガンドが、糖、糖鎖、及びアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1から6いずれかに記載の共重合体。
- 請求項1から7いずれかに記載の共重合体によりリガンドが固定化されている担体。
- 請求項1から7いずれかに記載の共重合体が有する反応性基(b)と、担体の表面にある反応性基(a)とを反応させる工程を含む、リガンドの固定化方法。
- 請求項1から7いずれかに記載の共重合体が固定化された培養基材を用いた細胞培養方法。
- 無血清培地にて細胞を培養する請求項10に記載の細胞培養方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010210621A JP5672892B2 (ja) | 2009-09-18 | 2010-09-21 | リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009216783 | 2009-09-18 | ||
JP2009216783 | 2009-09-18 | ||
JP2010210621A JP5672892B2 (ja) | 2009-09-18 | 2010-09-21 | リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011084739A true JP2011084739A (ja) | 2011-04-28 |
JP5672892B2 JP5672892B2 (ja) | 2015-02-18 |
Family
ID=44077913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010210621A Expired - Fee Related JP5672892B2 (ja) | 2009-09-18 | 2010-09-21 | リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5672892B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012231743A (ja) * | 2011-05-02 | 2012-11-29 | National Institute For Materials Science | 短繊維足場材料、短繊維−細胞複合凝集塊作製方法及び短繊維−細胞複合凝集塊 |
JP2019085520A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | 東ソー株式会社 | ブロック共重合体、細胞培養基材及び細胞培養方法 |
Citations (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62227446A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-06 | Nitto Electric Ind Co Ltd | アフイニテイ・クロマトグラフイ−用吸着体 |
JPH06199883A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-19 | Nakano Vinegar Co Ltd | 多糖誘導体モノマーの製造法 |
JPH08319317A (ja) * | 1995-03-17 | 1996-12-03 | Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad | 糖鎖高分子及びそれを用いた細胞処理剤並びに処理方法 |
JPH08317785A (ja) * | 1995-03-17 | 1996-12-03 | Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad | 糖鎖の固定化法及びそれを用いた細胞培養基材 |
JP2003513132A (ja) * | 1999-10-29 | 2003-04-08 | 4セー・ビオテヒ | 特定の特性を有する新規な細胞培養担体、およびその製造 |
WO2004056895A1 (ja) * | 2002-12-19 | 2004-07-08 | Tokyo University Of Science, Educational Foundation | ラテックス粒子およびその製造方法 |
JP2004323859A (ja) * | 1999-09-01 | 2004-11-18 | Affymetrix Inc | 重合性ブラシにおける高分子のアレイおよびそれを調製するための方法 |
JP2005510593A (ja) * | 2001-11-26 | 2005-04-21 | アメルシャム・バイオサイエンシーズ・アクチボラグ | 多孔性支持体の後修飾 |
JP2005520042A (ja) * | 2001-09-07 | 2005-07-07 | ダイオネックス コーポレイション | 基体に共有結合させたイオン交換クリプタンド類 |
JP2005264078A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 表面グラフト材料およびそれを用いたグラフトパターン形成方法 |
JP2005537813A (ja) * | 2002-09-06 | 2005-12-15 | ジョーンズ ホプキンズ シンガポール ピーティーイー リミテッド | ポリマー表面へのリガンドのクラスターの固定化方法および細胞工学上の利用 |
JP2007326045A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Kyoto Institute Of Technology | アフィニティ担体及びその製造方法 |
JP2008515996A (ja) * | 2004-10-13 | 2008-05-15 | イリプサ, インコーポレイテッド | 毒素結合性オリゴ糖および重合体粒子を含有する医薬組成物 |
JP2009013274A (ja) * | 2007-07-04 | 2009-01-22 | Celagix:Kk | 重合体およびその製造方法 |
JP2010528271A (ja) * | 2007-05-25 | 2010-08-19 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | カチオン交換クロマトグラフィーのためのグラフトコポリマー |
-
2010
- 2010-09-21 JP JP2010210621A patent/JP5672892B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62227446A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-06 | Nitto Electric Ind Co Ltd | アフイニテイ・クロマトグラフイ−用吸着体 |
JPH06199883A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-19 | Nakano Vinegar Co Ltd | 多糖誘導体モノマーの製造法 |
JPH08319317A (ja) * | 1995-03-17 | 1996-12-03 | Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad | 糖鎖高分子及びそれを用いた細胞処理剤並びに処理方法 |
JPH08317785A (ja) * | 1995-03-17 | 1996-12-03 | Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad | 糖鎖の固定化法及びそれを用いた細胞培養基材 |
JP2004323859A (ja) * | 1999-09-01 | 2004-11-18 | Affymetrix Inc | 重合性ブラシにおける高分子のアレイおよびそれを調製するための方法 |
JP2003513132A (ja) * | 1999-10-29 | 2003-04-08 | 4セー・ビオテヒ | 特定の特性を有する新規な細胞培養担体、およびその製造 |
JP2005520042A (ja) * | 2001-09-07 | 2005-07-07 | ダイオネックス コーポレイション | 基体に共有結合させたイオン交換クリプタンド類 |
JP2005510593A (ja) * | 2001-11-26 | 2005-04-21 | アメルシャム・バイオサイエンシーズ・アクチボラグ | 多孔性支持体の後修飾 |
JP2005537813A (ja) * | 2002-09-06 | 2005-12-15 | ジョーンズ ホプキンズ シンガポール ピーティーイー リミテッド | ポリマー表面へのリガンドのクラスターの固定化方法および細胞工学上の利用 |
WO2004056895A1 (ja) * | 2002-12-19 | 2004-07-08 | Tokyo University Of Science, Educational Foundation | ラテックス粒子およびその製造方法 |
JP2005264078A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 表面グラフト材料およびそれを用いたグラフトパターン形成方法 |
JP2008515996A (ja) * | 2004-10-13 | 2008-05-15 | イリプサ, インコーポレイテッド | 毒素結合性オリゴ糖および重合体粒子を含有する医薬組成物 |
JP2007326045A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Kyoto Institute Of Technology | アフィニティ担体及びその製造方法 |
JP2010528271A (ja) * | 2007-05-25 | 2010-08-19 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | カチオン交換クロマトグラフィーのためのグラフトコポリマー |
JP2009013274A (ja) * | 2007-07-04 | 2009-01-22 | Celagix:Kk | 重合体およびその製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012231743A (ja) * | 2011-05-02 | 2012-11-29 | National Institute For Materials Science | 短繊維足場材料、短繊維−細胞複合凝集塊作製方法及び短繊維−細胞複合凝集塊 |
JP2019085520A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | 東ソー株式会社 | ブロック共重合体、細胞培養基材及び細胞培養方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5672892B2 (ja) | 2015-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7250253B1 (en) | Immobilization of molecules on surfaces via polymer brushes | |
US20190219570A1 (en) | Dual-functional nonfouling surfaces comprising target binding partner covalently coupled to polymer attached to substrate | |
US7205161B2 (en) | Polymer brushes for immobilizing molecules to a surface or substrate having improved stability | |
Hvilsted | Facile design of biomaterials by ‘click’chemistry | |
JP2011516885A5 (ja) | ||
KR102224521B1 (ko) | 광분해성 재료, 기판 및 그 패터닝 방법 | |
JP2015513666A5 (ja) | ||
JP5672892B2 (ja) | リガンド固定化用共重合体及び該共重合体によるリガンドの固定化方法 | |
EP1290052B1 (fr) | Polymere biocompatible pour la fixation de ligands biologiques | |
EP1176423B1 (en) | Surface-attached polyfunctional polymer networks for sensor chips | |
JP2004346209A (ja) | イオン性ポリマーおよびポリマー含有基板 | |
JP5409671B2 (ja) | アフィニティヒドロゲルとその標識非依存性検出方法 | |
EP1035218A1 (en) | Immobilization of molecules on surfaces via polymer brushes | |
US7572644B2 (en) | Hydrogel copolymer, substrate coated with the copolymer, method of producing microarray using the copolymer, and microarray produced by the method | |
CN103980398B (zh) | 一种以苝系衍生物或其类似物为荧光发色端基的自组装体及其制备方法 | |
JP2006143715A (ja) | 新規のリンカー化合物、該化合物がコーティングされている基板、該化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法、及びそれによって製造されたマイクロアレイ | |
EP2600152B1 (en) | Sugar chain array | |
JP3655327B2 (ja) | オリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体およびその製造方法 | |
JP2007101520A (ja) | 生体物質複合体、並びに、生体物質複合体担持体、対象物質の精製方法、アフィニティークロマトグラフィー用容器、分離用チップ、対象物質の解析方法、対象物質の解析用分離装置及びセンサーチップ | |
WO2003076933A1 (fr) | Surface en poly(ethylene oxyde) a structure de type pinceau presentant une densite elevee | |
WO2023210671A1 (ja) | 共重合体、高分子膜、測定用装置および測定用担体 | |
NL2027864B1 (en) | Method for forming a bond between two substrates of a device; device obtainable by the method; a microfluidic device; and use of the device | |
JP5093661B2 (ja) | 生体関連物質センシングのための基板及びこれを用いたタンパク、金属イオン等の回収方法もしくは検出方法 | |
JP5958911B2 (ja) | 糖ペプチドアレイ | |
US20140275614A1 (en) | Production and purification of carboxylic betaine zwitterionic monomers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130917 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140310 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140507 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140616 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141118 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5672892 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |