JPH08317785A - 糖鎖の固定化法及びそれを用いた細胞培養基材 - Google Patents

糖鎖の固定化法及びそれを用いた細胞培養基材

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JPH08317785A
JPH08317785A JP5969496A JP5969496A JPH08317785A JP H08317785 A JPH08317785 A JP H08317785A JP 5969496 A JP5969496 A JP 5969496A JP 5969496 A JP5969496 A JP 5969496A JP H08317785 A JPH08317785 A JP H08317785A
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JP
Japan
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sugar chain
chain
immobilization
hydrocarbon
benzene ring
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Application number
JP5969496A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Yura
洋文 由良
Mitsuaki Goto
光昭 後藤
Toshihiro Akaike
敏宏 赤池
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖鎖を安定に固定化でき、なおかつ固定化し
た糖鎖と細胞との相互作用の機能を発揮させるのに最適
な糖鎖の固定化法を提供する。 【解決手段】 糖鎖1及び基材10の少なくとも一方
に、ベンゼン環構造含有疎水性炭化水素2を導入した
後、その疎水性炭化水素2を介して糖鎖1を基材10表
面に固定化することからなる糖鎖の固定化法。ベンゼン
環構造含有疎水性炭化水素2としては、ポリスチレン誘
導体が好ましく、基材10表面は、ベンゼン環構造含有
疎水性炭化水素2の代わりに他の疎水性炭化水素鎖12
で修飾してもよい。 【効果】 糖鎖を基材表面に容易に固定化することがで
き、ベンゼン環構造含有炭化水素から形成される疎水場
によって細胞と糖鎖との特異的相互作用を発現させるの
に好適な環境が提供され糖鎖特有の機能を十分に発揮さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖鎖の固定化法に
関し、特に、細胞の特異的認識性の発現に適した糖鎖の
固定化法、及びそれを利用した細胞培養基材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の糖鎖工学の進歩には目ざましいも
のがある。例えば、糖鎖を有する生体高分子としては、
細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグ
リカン、細胞の分化、増殖、接着、移動等に影響を与え
る糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与してい
る糖タンパク質等が挙げられるが、これらの高分子の糖
鎖が、互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは
阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構
が次第に明らかにされつつある。
【0003】さらに、このような糖鎖と細胞の分化増
殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確に
されれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは
臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが
期待できる。
【0004】その一例として、細胞表面の糖鎖や、糖鎖
-レセプター間の相互作用異常による疾病の発生、ある
いはエイズなどのウイルス感染における糖鎖の役割等に
関する研究が活発化してきている。また、細胞-細胞間
相互作用、細胞-マトリックス間相互作用における糖鎖
の関与に関する研究も、生体反応を理解する上で重要に
なってきている。
【0005】各種細胞による糖鎖認識の特異性について
例示すると、肝実質細胞はガラクトース(Gal)やマ
ンノース(Man)を選択的に認識するのに対し、肝非
実質細胞はMan、グルコース(Glc)、N-アセチ
ルグルコサミン(GlcNAc)に対する親和性が高
い。血清組織はMan、GlcNAc、及びN-アセチ
ルマンノサミン(ManNAc)を、リンパ組織はMa
nNAc及びGlcNAcを特異的に認識する。
【0006】また、各種細胞表面に存在するマクロファ
ージ上のアシアロ糖タンパク質やレクチン様タンパク質
等の糖鎖認識タンパク質も、各々選択的に糖鎖を認識す
る。例えば、肺胞マクロファージ上の分子量175Kの
タンパク質は、Man、フコース(Fuc)、及びGl
cNAcを、腹腔マクロファージ上の分子量180Kの
タンパク質はMan、Fuc、及びGlcNAcを、ラ
ットクッパー細胞上の分子量30Kのタンパク質、腹腔
マクロファージ上の分子量42Kのタンパク質、及び活
性化マクロファージ上の分子量45〜60Kのタンパク
質はGal及びN-アセチルガラクトサミン(GalN
Ac)を、各々特異的に認識する。
【0007】本発明者らは、従来から糖鎖の特異的な親
和力に着目し鋭意研究を行ってきており、例えば、アシ
アロ糖タンパク質レセプターに対するリガンドのモデル
として、ガラクトースを側鎖に有する高分子であるポリ
(N-p-ビニルベンジル-[O-β-D-ガラクトピラノシ
ル-(1→4)-D-グルコンアミド])(PV-LAと略
記)を設計・合成した。例えば、このPV-LAを固定
化したシャーレ上での肝細胞培養実験において、PV-
LAと肝実質細胞表面のアシアロ糖レセプターとの特異
的親和力を介して肝実質細胞が選択的に接着され、しか
もその接着形態が特異的であって三次元の自己集合体が
導かれることを見いだした。(由良洋文、赤池敏宏、
「細胞培養」、第19巻、317−322頁、1993
年)。
【0008】さらに本発明者らは、これら糖鎖高分子あ
るいは糖鎖を固定化する条件に関して詳細に検討した結
果、糖鎖を固定化した基材上での細胞接着性が固定化し
た糖鎖の量には依存せず、その固定化条件によることを
見いだし本発明をなすに至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明における
課題は、糖鎖を安定に固定化でき、なおかつ固定化した
糖鎖と細胞との相互作用の機能を発揮させるのに最適な
糖鎖の固定化法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、糖鎖及び
基材の少なくとも一方に、ベンゼン環構造を有する疎水
性炭化水素を導入した後、その疎水性炭化水素を介して
糖鎖を基材表面に固定化することからなる糖鎖の固定化
法によって解決できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の糖鎖の固定化法は、基材
表面と糖鎖の少なくとも一方にベンゼン環構造を有する
疎水性炭化水素を導入することにより、基材と糖鎖との
間に疎水場を形成し、その疎水場を介して基材表面に糖
鎖を固定化することを特徴とするものである。
【0012】本発明の固定化法で固定化される糖鎖とし
ては、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マンノ
ース、マンノビオース、N-アセチルグルコサミン、ラ
ミナリビオース、ウロン酸関連物質、硫酸糖等の単糖
類、オリゴ糖類等のいずれでもよく、特に限定されるも
のではない。
【0013】本発明の第1の実施態様を、図1を参照し
て詳細に説明する。この第1の実施態様においては、糖
鎖の固定化は吸着により行われる。まず、糖鎖1にベン
ゼン環構造含有疎水性炭化水素2を導入する。このベン
ゼン環構造含有疎水性炭化水素としては、ベンゼン環構
造含有ビニル系高分子が好ましく、中でもポリスチレン
誘導体が特に好ましい。
【0014】このベンゼン環構造含有疎水性炭化水素の
導入は、如何なる方法によってもよいが、アミド結合、
エステル結合、エーテル結合等の共有結合を介して結合
させるのが好ましい。例えば、ポリスチレン誘導体等の
ベンゼン環構造含疎水性高分子を主鎖とし、その主鎖に
上述の糖鎖を側鎖として結合させた糖鎖高分子とするの
が特に好ましい。この糖鎖高分子は、主鎖を形成するモ
ノマーと糖鎖分子とを結合させてから重合してもよい
し、糖鎖と結合可能な官能基を有するモノマーを重合し
た後に糖鎖を結合させてもよい。但し、1分子中に導入
される糖鎖の数を制御できることから、糖鎖を結合させ
たモノマーを重合するのが好ましい。
【0015】また、この糖鎖高分子は、糖鎖を結合させ
たモノマーを単独重合させたホモポリマーとするのが好
ましいが、他のモノマーとのコポリマーとしてもよく、
用途や目的、あるいは基材の性質に応じて適宜選択でき
る。また、これらの糖鎖高分子は、1種のみでも2種以
上を混合して用いてもよく、その使用目的に応じて適宜
選択できる。
【0016】糖鎖高分子の中では、例えば、下記式
(1)から(10)で表されるようなポリスチレン主鎖
を有する糖鎖高分子が特に好適に用いられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】上記式(1)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→
4)-D-グルコンアミド])(以後、PV-LAと略記
する)は、p-アミノメチルスチレンとラクトースとか
ら合成されたモノマーを単独重合して得られるもので、
β-ガラクトース残基を有する。
【0028】上記式(2)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-
D-グルコンアミド])(以後、PV-MAと略記する)
は、p-アミノメチルスチレンとマルトースとから合成
されたモノマーを単独重合して得られるもので、グルコ
ース残基を有する。
【0029】上記式(3)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-β-D-マンノピラノシル-(1→4)-
D-マンナアミド])(以後、PV-Manと略記する)
は、p-アミノメチルスチレンとマンノビオースとから
合成されたモノマーを単独重合して得られるもので、マ
ンノース残基を有する。
【0030】上記式(4)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-α-D-ガラクトピラノシル-(1→
6)-D-グルコンアミド])(以後、PV-MeAと略
記する)は、p-アミノメチルスチレンとO-α-D-ガラ
クトピラノシル-(1→6)-D-グルコースとから合成
されたモノマーを単独重合して得られるもので、ガラク
トース残基を有する。
【0031】上記式(5)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-6-カルボキシメチル-β-D-ガラクト
ピラノシル-(1→4)-O-D-6-カルボキシメチル-グ
ルコンアミド])(以後、PV-LACOOHと略記す
る)は、p-アミノメチルスチレンとラクトースとから
合成されたモノマーを単独重合し、それをカルボキシメ
チル化して得られるもので、カルボキシメチル化ガラク
トース残基を有する。
【0032】上記式(6)で表されるポリ(3-O-4’
-ビニルベンジル-D-グルコース)(以後、PV-Gと略
記する)は、p-クロロメチルスチレンとグルコースと
から合成されたモノマーを単独重合して得られるもの
で、グルコース残基を有する。
【0033】上記式(7)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-[O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-
グルコピラノシル-(1→4)-O-D-2-アセトアミド-
2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-
D-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミ
ド])、上記式(8)で表されるポリ(N-p-ビニルベ
ンジル-[O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グル
コピラノシル-(1→4)-O-D-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコンアミド])、またはそれらの
混合物(以後、いずれもPV-GlcNacと略記す
る)は、ともにN-アセチルグルコサミン残基を有す
る。
【0034】上記式(9)で表されるポリ(N-p-ビニ
ルベンジル-D-グルコンアミド)(以後、PV-GAと
略記する)は、D-グルコースを開環させてp-アミノメ
チルスチレンと結合させたモノマーを単独重合して得ら
れるものである。
【0035】上記式(10)で表されるポリ(N-p-ビ
ニルベンジル-[O-β-D-グルコピラノシル-(1→
3)-D-グルコンアミド])(以後、PV-Lamと略
記する)は、p-アミノメチルスチレンとラミナリビオ
ースとから合成されたモノマーを単独重合して得られる
もので、β1→3グルコース残基を有する。
【0036】次に、このようなベンゼン環構造含有炭化
水素2を導入した糖鎖1を、基材10表面に吸着させ
る。好ましくは、ベンゼン環構造含有炭化水素2を導入
した糖鎖1を溶媒に溶かし、その溶液を基材10表面に
キャスティングして溶媒を留去し、蒸留水で洗浄した
後、リン酸塩緩衝液(PBS)等で置換しておく。
【0037】この第1の実施態様における基材10は、
疎水性の基材、中でもポリスチレン誘導体等のベンゼン
環構造含有疎水性炭化水素を主原料とする基材を用いる
のが好ましいが、それに限られるものではなく、ガラ
ス、石英等の無機材料やポリメタクリル酸メチルやキト
サン等の他の高分子材料といった疎水性または親水性材
料からなる他の基材を用いてもよい。但し、前記他の基
材を用いる場合は、その基材表面にベンゼン環含有疎水
性炭化水素2を導入しておくのが好ましい。
【0038】このベンゼン環構造含有疎水性炭化水素2
を導入する手段は特に限定されず、例えば、ベンゼン環
構造含有疎水性高分子で被覆するだけでもよい。このベ
ンゼン環含有疎水性高分子としては、吸着させる糖鎖高
分子の主鎖をなす高分子と同種の高分子とするのが好ま
しい。即ち、上記式(1)から(10)に示したような
ポリスチレン誘導体を主鎖とする糖鎖高分子を使用する
場合は、基材表面に導入するベンゼン環構造含有疎水性
炭化水素もポリスチレン誘導体とするのが好ましい。
【0039】以上の説明では、糖鎖1及び基材10の両
方にベンゼン環構造含有炭化水素2を導入する方法を中
心に述べたが、糖鎖1にベンゼン環構造含有炭化水素2
を導入した糖鎖高分子を用いる場合には、基材10表面
にベンゼン環構造含有炭化水素2を導入することは必ず
しも必要ではない。
【0040】例えば、上記他の基材表面に糖鎖高分子を
直接吸着させる方法も本発明の範囲内である。しかしな
がら、特にキトサン等の親水性材料からなる基材であっ
て、表面に活性な官能基(アミノ基、カルボキシ基、ヒ
ドロキシル基等)を有する基材に、ポリスチレン誘導体
を主鎖とする糖鎖高分子を吸着させる場合には、その基
材表面を他の疎水性炭化水素鎖12で修飾しておくのが
好ましい。この「他の疎水性炭化水素鎖12」は、ベン
ゼン環構造を含有している必要はなく、その一端には基
材10表面に存在する官能基と共有結合可能な官能基を
有し、多端には、例えばアルキル基等の疎水性基やp-
tert-ブチルフェニル基等のかさ高い疎水性基を有
する炭化水素鎖が好ましい。
【0041】例えば、基材1としてキトサン・ビーズを
用い、その基材1に糖鎖高分子を吸着させる場合、ま
ず、湿らせた基材1を、p-tert-ブチルフェニルグ
リシジルエーテルのDMF溶液に入れ、80℃で3時間
処理することにより、基材1表面に、p-tert-ブチ
ルフェニル基末端を有する疎水性炭化水素鎖12が導入
される。次に、この疎水性炭化水素鎖12で修飾した基
材1を、糖鎖高分子の水溶液中に室温で2時間程度浸漬
し、蒸留水で数回洗浄し、好ましくは、リン酸塩緩衝液
(PBS)で置換することにより糖鎖1の固定化が完了
する。
【0042】上述のような方法に従って糖鎖を固定化す
ることにより、基材10表面及び/または糖鎖に導入さ
れたベンゼン環構造含有疎水性炭化水素2によって、基
材10と糖鎖1との間には疎水場5が形成され、この疎
水場5を介して糖鎖が基材に安定に固定化される。
【0043】本発明の固定化法の第2の実施態様におい
ては、糖鎖の固定化は共有結合を介してなされる。具体
的には、図2に示すように、基材10表面に存在する官
能基に、ベンゼン環構造含有疎水性炭化水素鎖3の一端
を共有結合させ、そのベンゼン環構造含有疎水性炭化水
素鎖3の他端に糖鎖1を共有結合させることからなる。
【0044】この炭化水素鎖3は、少なくとも1つのベ
ンゼン環構造を含有し、その両末端に活性な官能基を有
するものなら特に限られないが、ジグリシジル化合物等
が好適に用いられる。さらに、この炭化水素鎖3は、全
体が疎水性である必要はなく、少なくとも結合させた糖
鎖近傍を疎水性環境に保てるものであればよい。
【0045】このような炭化水素鎖3に含有されるベン
ゼン環構造は、フェニルアラニン誘導体のように側鎖と
して存在してもよいし、フタル酸エステルのように主鎖
に組み込まれて存在していてもよい。フタル酸エステル
のように主鎖に組み込まれたベンゼン環は、炭化水素鎖
の回転を抑制して剛直性を付与する機能を有する。
【0046】このようにして糖鎖1が共有結合を介して
固定化された基材10においては、糖鎖1と基材表面1
0との間に疎水性炭化水素鎖3によって疎水場5が形成
され、その疎水場5を介して糖鎖1が基材10に固定化
されている。
【0047】本発明は、上記の固定化方法のいずれかの
ひとつ固定化法に従って、基材表面に糖鎖を固定化して
なる細胞培養基材にも関する。本発明の細胞培養基材に
は、シャーレ、プレート、キュベット、フィルム、ファ
イバー、またはビーズ等の従来から細胞培養に用いられ
ている基材、あるいはそれら以外の細胞培養に使用可能
な基材のいずれもが使用できる。これらの基材は、ガラ
ス、石英等の無機材料、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の有機材料のいずれからなっていて
もよいが、滅菌可能な程度の耐熱性及び耐水性を有して
いる材料からなるのが好ましい。
【0048】特に合成高分子材料は、価格や成形性の点
から好ましい。例えば、ポリスチレン誘導体を主鎖とす
る糖鎖高分子を固定化する場合には、ポリスチレン及び
その誘導体を主原料とする基材を使用するのが好まし
い。
【0049】この細胞培養基材にあっては、基材と糖鎖
との間にベンゼン環構造含有疎水性炭化水素によって形
成された疎水場が存在し、この疎水場が、糖鎖と細胞と
の相互作用に好ましい影響を与える。その詳細な機構は
明かではないが、糖鎖とベンゼン環との疎水的相互作
用、疎水性炭化水素鎖の立体配置、ベンゼン環による疎
水性炭化水素鎖への剛直性付与等が複合的に作用して細
胞接着等に最適な環境を保つものと思量される。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の糖鎖固定化法
をさらに具体的に説明する。 (実施例1)ポリスチレン主鎖を有する糖鎖高分子とし
て上記式(1)及び(2)で表されるPV-LA及びP
V-MAを合成し、これらの糖鎖高分子のポリスチレン
(PSt)及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)プ
レートへの吸着性を比較した。まず、PV-LA及びP
V-MAを、通常の方法に従いフルオレセインイソチオ
シアネート(FITC)で蛍光標識した。PV-LA及
びPV-MAともに、40構造単位に1分子の割合でF
ITC標識された。
【0051】これらの糖鎖高分子溶液(100 μg/ml)
を、各々PSt製及びPMMA製のキュベット(Kartel
l S.P.A.、イタリア、ミラン社製)に入れ、所定時間経
過後に各糖鎖高分子溶液を取り除いた。キュベット内を
蒸留水で洗浄した後、剥離剤(Tween 20, 500 μg/ml)
を満たして超音波処理することにより吸着した糖鎖高分
子を剥離し、蛍光強度を測定することによって吸着量を
見積もった。結果を図2に示す。
【0052】PV-LA及びPV-MAともに、PStキ
ュベットには0.45〜0.60μg/cm2の密度で
吸着したが、PMMAキュベットには0.05〜0.2
0μg/cm2しか吸着しなかった。また、吸着平衡に
達する時間も、PStキュベットの方が明らかにPMM
Aキュベットより短く、PStキュベット中のPV-L
Aは約10分で吸着平衡に達した。即ち、ベンゼン環含
有疎水性炭化水素であるPStを導入した糖鎖であるP
VLA及びPVMAは、エステル基を持つPMMA上よ
りも疎水性炭化水素であるPSt上に良好に吸着される
ことが確認された。
【0053】次に、PSt製のシャーレ表面に前記PV
LA及びPVMAを吸着させて固定化し、肝細胞の培養
実験を行った。PV-LA及びPV-MAの水溶液(100
μg/ml)各1mlを、各々PSt製シャーレ(Falcon 1
008、日本ベクトン・ディッキンソン社製)に入れ、室
温で2時間放置した。減圧乾燥して、蒸留水中に2時間
以上浸漬した後、リン酸緩衝液(PBS)で置換してP
V-LA及びPV-MAの固定化を完了した。
【0054】PV-LA及びPV-MAを固定化したPS
tシャーレ及び未被覆のPStシャーレに、肝細胞懸濁
液(30×104細胞/ml)を1.5mlずつ播種し
た。また、同様に肝細胞懸濁液を播種した各シャーレを
ウシ血清アルブミンのPBS溶液(1mg/ml)で処
理した。それらのシャーレを、加湿した空気/CO2(9
5/5 容量%)インキュベーター中に、37℃で60分間
保持した。その後、接着しなかった細胞をデカンテーシ
ョンにより収集し、ハンクスの調整塩溶液(HBSS)
でリンスした後に細胞接着率を測定した。
【0055】結果を図3に示す。ガラクトース認識性を
有する肝細胞は、ガラクトース残基を持つPV-LAを
固定化したシャーレ上で選択的に接着されたが、グルコ
ース残基を有するPV-MAを固定化したシャーレ上で
は、未被覆のPSt上よりも細胞接着が抑制された。ま
た、未被覆及びPV-MA固定化シャーレでは、アルブ
ミン処理により細胞接着率が低下したが、PV-LA固
定化シャーレでは、ほとんど変化が見られなかった。
【0056】(実施例2)基材としてキトサン・ビーズ
を用い、その表面に本発明の固定化法に従って糖鎖を固
定化した。直径0.1mmのキトサン・ビーズ(富士紡
績(株)製)を使用した。湿らせたキトサン・ビーズ2
0gを、10mg/mlのフェニルグリシジルエーテル
(EX141、ナガセ化成(株)製)DMF溶液30ml
中、80℃で3時間処理し、図4(a)に示す炭化水素
鎖修飾キトサン・ビーズを作成した。同様に、p-te
rt-フェニルグリシジルエーテル(EX146、ナガセ化成
(株)製)DMF溶液、及びラウリルアルコール(エチ
レンオキサイド)15グリシジルエーテル(EX171、ナガ
セ化成(株)製)炭酸塩緩衝液(0.2M、pH10)
溶液を用いて、図4(b)及び(c)に各々示す炭化水
素鎖修飾キトサン・ビーズを作成した。
【0057】キトサン・ビーズをクロロメチルオキシラ
ンで処理して表面にオキシラン基を導入した後、0.2
Mのn-ブチルアミン(BA)を含む炭酸塩緩衝液中、
または0.2Mの1-テトラデシルアミン(TDA)の
DMF溶液中、80℃で3時間処理し、図4(d)及び
(e)に示す炭化水素鎖修飾キトサン・ビーズを作成し
た。
【0058】糖鎖としてガラクトースを選択し、上記式
(1)に示したガラクトース残基を有するポリスチレン
誘導体(PV-LA)を合成した。上記6種類の炭化水
素鎖修飾キトサン・ビーズを、PV-LA水溶液(100
μg/ml)中に浸漬して室温で2時間放置した後、蒸留水
で洗浄し、PBSで置換して糖鎖固定化を完了した。
【0059】各ビーズに固定化された糖鎖の量は、β-
ガラクトースと特異的に相互作用するレクチンであるA
llo Aの結合量から見積もった。具体的には、糖鎖
固定化したキトサン・ビーズ0.2gを、100μg/
mlのBSA溶液中に10分間浸漬し、蒸留水で十分洗
浄した後、ペルオキシダーゼ修飾したAllo A(1
μg)を含むPBS中に1時間浸漬させる。ビーズを取
り出して洗浄し、3,3’,5,5’-テトラメチルベ
ンジジン(TMB)基質溶液中に移して30分間撹拌し
た後に、上澄液の波長405nmでの吸収を測定するこ
とにより行った。結果を表1に示す。
【0060】糖鎖を固定化した各キトサン・ビーズを、
直径13mm、長さ8mmのカラムに充填し、肝細胞懸
濁液(250×104細胞/ml)0.2mlをカラム
中に添加した。BSA(1mg/ml)を含むHBSS(5m
l)を約1.7ml/分の流速で通し、接着せずに流出
した細胞を7秒間収集して、コールターカウンターで計
数した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1における「単位糖鎖量当たりの細胞接
着数」は、結合したAllo Aの1mg当たりに換算
した接着細胞数である。末端にベンゼン環構造を有する
炭化水素鎖であるEX-141及びEX-146で修飾したキトサン
・ビーズには、ポリスチレン主鎖を持つPV-LAが良
好に吸着されている。しかしながら、接着された肝細胞
の数は、固定化された糖鎖の量にはよらず、固定化量が
最少のTDA修飾ビーズで最も多く接着された。
【0063】単位糖鎖量当たりの細胞接着数を比較する
と、末端に疎水性の長鎖アルキル基を持つTDAで最も
多く、かさ高い疎水性のtert-ブチル基を持つEX-14
6が次いでいた。同じ長鎖アルキル基を有していても、
分子中に親水性基を有するEX-171や、親水性基がかさ高
い疎水性基で遮蔽されていないEX-141及びBAでは、未
被覆のキトサン・ビーズと同程度の値しか得られなかっ
た。これらの結果より、基材表面を修飾する炭化水素鎖
としては、疎水性のもの、あるいは親水性部分を有して
いてもそれが疎水性部分によって遮蔽され、糖鎖に影響
を与えないようなものが好ましいことが確認された。
【0064】(実施例3)本発明の糖鎖固定化法の第2
の実施態様に従って、基材表面に糖鎖を共有結合を介し
て固定化した。基材としては、実施例2と同様のキトサ
ン・ビーズを用いた。乾燥したキトサン・ビーズ20g
を、1.4gのFmoc-Ala-Opfp及び0.3g
のHOBTを含むDMF溶液中、または1.2gのFm
oc-Phe-Opfp及び0.25gのHOBTを含む
DMF溶液中に添加し、室温で16時間撹拌した後、
0.2gのピペリジンDMF溶液で処理して保護基を取
り外した。4-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→
4)-D-グルコン酸及び1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩を、N,N,
N’,N’-テトラメチレンジアミン(TEMED)緩
衝液中で、室温で2時間撹拌し、上記の処理を行ったキ
トサン・ビーズを加えて、室温で3日間撹拌し洗浄し
て、図5(B)及び(C)に示すように糖鎖を固定化し
たキトサン・ビーズを作成した。図において、「LA」
はラクトース構造を示す。
【0065】湿ったキトサン・ビーズ20gを、各々1
00μg/mlのネオペンチルジグリシジルエーテル
(EX211)、o-フタル酸ジグリシジルエーテル(EX72
1)を含む30mlのDMF溶液中、または100μg
/mlのポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
(EX861)を含む30mlの炭酸塩緩衝液中、80℃で
3時間処理した。これらのジグリシジル化合物を導入し
たキトサン・ビーズを、洗浄後、0.2Mの脱水素エチ
レンジアミンを含む30mlの炭酸塩緩衝液で、80℃
で3時間処理した。
【0066】4-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→
4)-D-グルコン酸及び1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩を、N,N,
N’,N’-テトラメチレンジアミン(TEMED)緩
衝液中で、室温で2時間撹拌し、上記の処理を行ったキ
トサン・ビーズを加えて、室温で3日間撹拌し洗浄し
て、図5(D)、(E)及び(F)に示すように糖鎖を
固定化したキトサン・ビーズを作成した。
【0067】これらのキトサン・ビーズに固定化された
ガラクトースの量、及び肝細胞の接着量を、実施例2と
同様にして測定した。結果を表2に示す。なお、表2に
おける「直接修飾」は、キトサン・ビーズ表面のアミノ
基に直接糖鎖を結合させたものである。
【0068】
【表2】
【0069】共有結合を介して糖鎖を固定化した場合
は、実施例2の糖鎖高分子を吸着させた場合に比較し
て、ビーズ表面に固定化される糖鎖の量は1/10以下
になるが、細胞の接着数はあまり変わらない。従って、
単位糖鎖当たりの細胞接着数は10倍以上となった。表
2の結果を、図5(A)から(C)に示すような短い炭
化水素鎖を介して固定化したものと、図5(D)から
(F)に示すような炭化水素鎖を介して固定化したもの
とに分類して考えると、全般的に短鎖で修飾したビーズ
の方が糖鎖の固定化量が少ない傾向が見られる。それら
の中では、ベンゼン環構造を有するフェニルアラニンを
介して固定化した図5(B)で、最も多い細胞接着が得
られた。
【0070】長鎖を介して固定化したビーズの中では、
やはりベンゼン環構造を含有するフタル酸を含む炭化水
素鎖を介して固定化した図5(F)で、最も高い細胞接
着率が得られた。これらのことから、ベンゼン環と糖鎖
との疎水的相互作用や、ベンゼン環の剛直性、あるいは
それらの炭化水素鎖で形成される立体構造等が、細胞に
よる糖鎖認識に好ましい影響を与えていることが示唆さ
れた。逆に、親水性を持つ炭化水素鎖は、細胞と糖鎖と
の相互作用に悪影響を与える可能性も示唆された。
【0071】
【発明の効果】本発明の糖鎖固定化法によれば、特に糖
鎖高分子を用いた場合に、糖鎖を基材表面に容易に固定
化することができる。また、本発明の固定化法のいずれ
の態様によっても、糖鎖と基材との間にベンゼン環構造
含有炭化水素からなる疎水場が形成され、細胞と糖鎖と
の特異的相互作用を発現させるのに好適な環境が提供さ
れるので、糖鎖特有の機能を十分に発揮させることがで
きる。よって、本発明の固定化法で糖鎖を固定化した細
胞培養基材を用いれば、細胞を選択的に培養することが
可能になり、例えば、ハイブリッド型人工臓器への応用
も見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の糖鎖固定化法の第1の実施態様に従
って糖鎖高分子を固定化した基材を示す図である。
【図2】 本発明の糖鎖固定化法の第2の実施態様に従
って糖鎖高分子を固定化した基材を示す図である。
【図3】 PV-LA及びPV-MAのPSt及びPMM
A基材への吸着の時間変化を示すグラフである。
【図4】 PV-LA及びPV-MAを固定化したPSt
シャーレ及び未被覆のPStシャーレ上での肝細胞接着
の結果を示すグラフである。
【図5】 実施例2で作製した炭化水素鎖修飾キトサン
・ビーズを示す図である。
【図6】 実施例3で作製した糖鎖固定化キトサン・ビ
ーズを示す図である。
【符号の説明】
1…糖鎖、2…ベンゼン環構造含有疎水性炭化水素、3
…ベンゼン環構造含有疎水性炭化水素鎖、5…疎水場、
10…基材、12…他の疎水性炭化水素鎖
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/53 Y

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖鎖及び基材の少なくとも一方に、ベン
    ゼン環構造を有する疎水性炭化水素を導入した後、その
    疎水性炭化水素を介して糖鎖を基材表面に固定化するこ
    とを特徴とする糖鎖の固定化法。
  2. 【請求項2】 前記固定化が、吸着により行われること
    を特徴とする請求項1記載の固定化法。
  3. 【請求項3】 前記疎水性炭化水素が、ポリスチレン誘
    導体であることを特徴とする請求項2記載の固定化法。
  4. 【請求項4】 前記ポリスチレン誘導体が糖鎖にのみ導
    入され、前記固定化に先立って、前記基材表面を他の疎
    水性炭化水素鎖で修飾することを特徴とする請求項3記
    載の固定化法。
  5. 【請求項5】 前記他の疎水性炭化水素鎖が、その末端
    にテトラデシルアミノ基またはp-tert-ブチルフェ
    ニル基を有することを特徴とする請求項4記載の固定化
    法。
  6. 【請求項6】 前記固定化が、共有結合を介してなされ
    ることを特徴とする請求項1記載の固定化法。
  7. 【請求項7】 前記疎水性炭化水素が、フェニルアラニ
    ン誘導体であることを特徴とする請求項6記載の固定化
    法。
  8. 【請求項8】 前記疎水性炭化水素が、フタル酸構造を
    含む炭化水素鎖であることを特徴とする請求項6記載の
    固定化法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれかの固定化法に
    従って、基材表面に糖鎖を固定化してなることを特徴と
    する細胞培養基材。
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