JPH08319317A - 糖鎖高分子及びそれを用いた細胞処理剤並びに処理方法 - Google Patents

糖鎖高分子及びそれを用いた細胞処理剤並びに処理方法

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JPH08319317A
JPH08319317A JP8059693A JP5969396A JPH08319317A JP H08319317 A JPH08319317 A JP H08319317A JP 8059693 A JP8059693 A JP 8059693A JP 5969396 A JP5969396 A JP 5969396A JP H08319317 A JPH08319317 A JP H08319317A
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洋文 由良
Mitsuaki Goto
光昭 後藤
Toshihiro Akaike
敏宏 赤池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖鎖による細胞選択性に加えて、第2の作用
を付加した糖鎖高分子を提供する。 【解決手段】 下記式(1)で表される、糖鎖(SU
G)含有スチレン誘導体と、少なくともひとつの第2の
作用を有する部位(X)を含有するビニル系モノマーと
の共重合体からなる糖鎖高分子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖鎖高分子に関
し、特に細胞に選択的に認識される糖鎖を有し、なおか
つ第2の作用を有する成分を付加した糖鎖高分子、並び
にその糖鎖高分子を用いた細胞処理剤及び処理方法に関
する。ここで、本発明における細胞処理剤とは、細胞培
養基質、細胞をカプセル化する細胞カプセル化剤、また
は細胞回収剤といった細胞に種々の処理を行う薬剤すべ
てを含むものとする。
【0002】
【従来の技術】近年の糖鎖工学の進歩には目ざましいも
のがある。例えば、糖鎖を有する生体高分子としては、
細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグ
リカン、細胞の分化、増殖、接着、移動等に影響を与え
る糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与してい
る糖タンパク質等が挙げられるが、これらの高分子の糖
鎖が、互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは
阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構
が次第に明らかにされつつある。
【0003】さらに、このような糖鎖と細胞の分化増
殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確に
されれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは
臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが
期待できる。
【0004】その一例として、細胞表面の糖鎖や、糖鎖
-レセプター間の相互作用異常による疾病の発生、ある
いはエイズなどのウイルス感染における糖鎖の役割等に
関する研究が活発化してきている。また、細胞-細胞間
相互作用、細胞-マトリックス間相互作用における糖鎖
の関与に関する研究も、生体反応を理解する上で重要に
なってきている。
【0005】各種細胞による糖鎖認識の特異性について
例示すると、肝実質細胞はガラクトース(Gal)やマ
ンノース(Man)を選択的に認識するのに対し、肝非
実質細胞はMan、グルコース(Glc)、N-アセチ
ルグルコサミン(GlcNAc)に対する親和性が高
い。血清組織はMan、GlcNAc、及びN-アセチ
ルマンノサミン(ManNAc)を、リンパ組織はMa
nNAc及びGlcNAcを特異的に認識する。
【0006】また、各種細胞表面に存在するマクロファ
ージ上のアシアロ糖タンパク質やレクチン様タンパク質
等の糖鎖認識タンパク質も、各々選択的に糖鎖を認識す
る。例えば、肺胞マクロファージ上の分子量175Kの
タンパク質は、Man、フコース(Fuc)、及びGl
cNAcを、腹腔マクロファージ上の分子量180Kの
タンパク質はMan、Fuc、及びGlcNAcを、ラ
ットクッパー細胞上の分子量30Kのタンパク質、腹腔
マクロファージ上の分子量42Kのタンパク質、及び活
性化マクロファージ上の分子量45〜60Kのタンパク
質はGal及びN-アセチルガラクトサミン(GalN
Ac)を、各々特異的に認識する。
【0007】本発明者らは、従来から糖鎖の特異的な親
和力に着目し鋭意研究を行ってきており、例えば、アシ
アロ糖タンパク質レセプターに対するリガンドのモデル
として、ガラクトースを側鎖に有する高分子であるポリ
(N-p-ビニルベンジル-[O-β-D-ガラクトピラノシ
ル-(1→4)-D-グルコンアミド])(PVLAと略
記)を設計・合成した。例えば、このPVLAを固定化
したシャーレ上での肝細胞培養実験において、PVLA
と肝実質細胞表面のアシアロ糖レセプターとの特異的親
和力を介して肝実質細胞が選択的に接着され、しかもそ
の接着形態が特異的であって三次元の細胞集合体が導か
れることを見いだした。(「糖鎖工学と人工臓器」赤池
敏宏ら、日経サイエンス、114〜129頁、1994
年)
【0008】また、生体は、糖鎖以外にも細胞の分化、
増殖、接着、移動等に影響する他の因子を備え、それら
が複合的に作用して精密な生体制御が達成されている。
さらに、生体外にも、それらに影響を与える因子が存在
する。そこで本発明者らは、上記のような細胞選択性を
付与する糖鎖を含む高分子に、生体内あるいは生体外に
由来する第2の作用を付加するべく研究を行い本発明を
なすに至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明における
課題は、細胞によって特異的に認識される糖鎖を利用し
た細胞選択性に加えて、その特異的に選択された細胞を
増殖、分化させたり、その細胞に種々の処理を施す上で
有効な第2の作用を付加した糖鎖高分子を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、糖鎖含有
スチレン誘導体と、少なくともひとつの第2の作用を有
する部位を含有するビニル系モノマーとの共重合体から
なる糖鎖高分子によって解決できる。即ち、本発明の糖
鎖高分子は、下式(1)に示すように、p-置換スチレ
ン誘導体のベンジル位に糖鎖(SUG)を結合させた糖
鎖含有モノマーと、第2の作用を有する部位(X)を結
合させたビニル系モノマーとの共重合体である。
【0011】
【化1】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の糖鎖高分子をなす糖鎖含
有モノマーは、スチレン誘導体のp-ベンジル位に糖鎖
(SUG)を結合させたモノマーである。この糖鎖とし
ては、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マンノ
ース、N-アセチルグルコサミン、ラミナリビオース、
ウロン酸関連物質、硫酸糖等の単糖類、オリゴ糖類等が
いずれも使用でき、これらのモノマーを重合して得た糖
鎖高分子の側鎖として結合した状態で、細胞と特異的相
互作用する糖残基を保持できるものならば、特に限定さ
れるものではない。
【0013】これらの糖鎖含有モノマーにおけるスチレ
ン誘導体と糖鎖との結合方法は、アミド結合、エーテル
結合、エステル結合等の共有結合とするのが好ましい。
これらの糖鎖含有モノマーは、例えば、p-アミノメチ
ルスチレンのアミノ基と、ラクトン化した糖の末端カル
ボニル基間でアミド結合を形成させることにより合成す
ることができる。このような糖鎖含有モノマーの中で
も、例えば、下記式(2)から(11)で表される糖鎖
含有モノマーが特に好適に用いられる。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】上記式(2)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-
グルコンアミド](以後、VLAと略記する)は、p-
アミノメチルスチレンとラクトースとから合成されたモ
ノマーであり、β-ガラクトース残基を有する。
【0025】上記式(3)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-D-グ
ルコンアミド](以後、VMAと略記する)は、p-ア
ミノメチルスチレンとマルトースとから合成されたモノ
マーであり、グルコース残基を有する。
【0026】上記式(4)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-β-D-マンノピラノシル-(1→4)-D-マ
ンナミド](以後、VManと略記する)は、p-アミ
ノメチルスチレンとマンノビオースとから合成されたモ
ノマーであり、マンノース残基を有する。
【0027】上記式(5)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-α-D-ガラクトピラノシル-(1→6)-D-
グルコンアミド](以後、VMeAと略記する)は、p
-アミノメチルスチレンとO-α-D-ガラクトピラノシル
-(1→6)-D-グルコースとから合成されたモノマー
であり、α-ガラクトース残基を有する。
【0028】上記式(6)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-6-カルボキシメチル-β-D-ガラクトピラノ
シル-(1→4)-O-D-6-カルボキシメチル-グルコン
アミド](以後、VLACOOHと略記する)は、p-
アミノメチルスチレンとラクトースとから合成されたモ
ノマーをカルボキシメチル化して得られるもので、カル
ボキシメチル化-β-ガラクトース残基を有する。
【0029】上記式(7)で表される3-O-4’-ビニ
ルベンジル-D-グルコース(以後、VGと略記する)
は、p-クロロメチルスチレンとグルコースとから合成
されたモノマーであり、グルコース残基を有する。
【0030】上記式(8)で表されるN-p-ビニルベン
ジル-[O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-O-D-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-D-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド]、
上記式(9)で表されるN-p-ビニルベンジル-[O-D
-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシ
ル-(1→4)-O-D-2-アセトアミド-2-デオキシ-β
-D-グルコンアミド]、またはそれらの混合物(以後、
いずれもVGlcNacと略記する)は、ともにN-ア
セチルグルコサミン残基を有する。
【0031】上記式(10)で表されるN-p-ビニルベ
ンジル-D-グルコンアミド(以後、VGAと略記する)
は、D-グルコースを開環させてp-アミノメチルスチレ
ンと結合させたモノマーである。
【0032】上記式(11)で表されるN-p-ビニルベ
ンジル-[O-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-D-
グルコンアミド](以後、VLamと略記する)は、p
-アミノメチルスチレンとラミナリビオースとから合成
されたモノマーであり、β1→3グルコース残基を有す
る。
【0033】このようなポリスチレン誘導体に糖鎖を結
合させた糖鎖含有モノマーを重合させて得られる糖鎖高
分子は、ポリスチレン誘導体を主鎖とし、その主鎖に糖
鎖が側鎖として結合した形状をなしている。従って、こ
の糖鎖高分子は、水中において、ポリ疎水性のスチレン
主鎖をコアとし、その周囲を親水性の糖鎖が囲んだ安定
なミセルを形成して溶解する。
【0034】一方、式(1)に示した本発明の糖鎖高分
子をなすビニル系モノマーは、その側鎖に第2の作用を
有する部位(X)を含有している。この第2の作用と
は、前記糖鎖を特異的に認識する細胞に対して、その細
胞の接着、増殖、または分化等の機能に直接影響を与え
る作用を含んでおり、そのような作用を有する部位とし
ては、ビタミン類、薬物、サイトカイン、増殖因子、フ
ラボノイド、核酸、ペプチド、及びホルモンから選択さ
れる少なくともひとつからなるものが好ましく、それら
の作用を保持した状態でビニル系モノマーに結合されて
いる。
【0035】ここで、ビタミン類とは、ビタミンA、
D、E、及びK等の脂溶性ビタミン、ビタミンB群やビ
タミンC等の水溶性ビタミン、リボフラビン(ビタミン
G)、またはビオチン(ビタミンH)等のすべてのビタ
ミン、さらに、ユビキノン、リポ酸等のビタミン様作用
因子を含むものとする。
【0036】例えば、肝細胞に特異的なガラクトース残
基を有する前記式(2)の糖鎖含有モノマーであるVL
Aと、ビタミンの一種であるビオチンを側鎖に有するビ
ニル系モノマーとを共重合させた糖鎖高分子は、肝実質
細胞や肝癌細胞であるHepG2に対して、VLAのみ
からなる糖鎖高分子よりも大きな相互作用を有すること
が確認されており、ビオチンという第2の作用を有する
部位を導入した糖鎖高分子は、例えば、肝細胞の癌化を
識別する診断試薬として使用できる。
【0037】薬物とは、細胞の接着、増殖、分化等の機
能に作用する薬物であれば、特に限定されるものではな
い。例えば、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞からのイ
ンスリン分泌に関与するK+チャンネルを制御する脂溶
性薬物であるスルホニルウレア構造を側鎖に有するビニ
ル系モノマーを、前記VB-LAと共重合させた糖鎖高
分子は、膵臓β細胞より誘導されたインスリン分泌能の
高いトランスジェニックマウス由来のインスリノーマM
IN6細胞のインスリン放出に影響を与えることが確認
されている。即ち、この糖鎖高分子は、例えば、インス
リン放出調整剤として使用できる。
【0038】増殖因子とは、上皮細胞成長因子、繊維芽
細胞成長因子、ソマトメジン、T細胞成長因子等のすべ
ての増殖因子を含むものとし、フラボノイドとは、フラ
ボン、フラボノール、フラバノン、カテキン、カルコン
等のすべてのフラボノイドを含み、核酸は、DNA及び
RNA、あるいはそれらと類似の構造を持つ高分子物質
をも含むものとする。
【0039】また、肝細胞表面のアシアロ糖タンパク質
レセプターに特異的なガラクトース残基を有する前記V
LAと、やはり肝細胞表面のレセプターであるインテグ
リンファミリーに特異的に認識されるRGDSG(アル
ギニン・グリシン・アスパラギン酸・セリン・グリシ
ン)ペプチドを側鎖に有するビニル系モノマーとを共重
合させて得た糖鎖高分子は、肝細胞上の各々のレセプタ
ーに特異的に認識されることが確認されており、このよ
うな多点認識性糖鎖高分子は、高精度で高感度な細胞識
別剤に応用できる。
【0040】本発明にあっては、前記第2の作用が、そ
の糖鎖を特異的に認識する細胞に対して非特異的に作用
するものであってもよい。ここで、「非特異的に作用す
る」とは、第2の作用を有する部位が、その細胞の接
着、増殖、分化等に対して直接特異的に作用はしない
が、その第2の作用によって、例えば、その細胞の周囲
の環境や立体配置を変化させたり、糖鎖高分子自身の物
理化学的特性を変化させたりすることにより、その細胞
に間接的に影響を及ぼすことを意味するものとする。
【0041】このような非特異的に作用する第2の作用
性部位含有ビニル系モノマーの一例として、イソプロピ
ルアクリルアミド等の温度感受性基を有するモノマーが
挙げられる。これを重合した高分子は、約32℃以上で
は脱水和して疎水性高分子として振る舞い、それ以下で
は水和して親水性高分子として挙動するという温度感受
性を有している。したがって、上記の糖鎖含有モノマー
と、温度感受性基含有モノマーとを共重合させて得られ
た糖鎖高分子は、一定温度以上では疎水性を有し、それ
以下では親水性となる。
【0042】例えば、その糖鎖に特異的な細胞を分散し
た水性分散液を一定温度以下に保ったまま前記糖鎖高分
子を加えると、親水性の糖鎖高分子は溶解して分散され
た細胞が糖鎖に特異的に結合する。次に、水温を一定温
度以上に上昇させると、細胞と結合した糖鎖高分子は疎
水性となって沈降する。よって、本発明の糖鎖高分子
は、目的とする細胞を選択的に回収できる細胞回収剤と
して使用することができる。
【0043】また、アミノ基等の塩基性基を含有するビ
ニル系モノマーも、上記の非特異的に作用する第2の作
用性部位含有ビニル系モノマーの一例である。アミノ基
等の塩基性基は、ゲル形成能を有するアルギン酸等の酸
性多糖類と容易にコンプレックスを形成する。したがっ
て、このような塩基性基含有モノマーと糖鎖含有モノマ
ーとを共重合させた糖鎖高分子と酸性多糖類とのコンプ
レックスでゲルを形成することにより、糖鎖を含有し、
3次元的構造を有する細胞培養基質を得ることができ
る。
【0044】「3次元的構造」とは、細胞培養基材表面
をコラーゲンのような細胞接着物質で被覆するような従
来の2次元的構造とは異なり、細胞の特異的接着機能を
有する糖鎖を、3次元的に分布させた構造体を意味する
ものとする。そのような3次元構造を有するゲル状の細
胞培養基質上で、その糖鎖に特異的な細胞を培養するこ
とにより、形成される細胞凝集体の立体構造を制御する
ことが可能になる。
【0045】さらには、上記の糖鎖高分子と酸性多糖類
とで形成されるゲルで造粒することにより、細胞を粒子
という閉鎖された環境で培養することが可能になり、過
剰な細胞の凝集体形成を防止し、適度にコントロールさ
れた凝集体形成をすることができる。このような立体構
造を制御した細胞培養は、特に肝細胞培養において重要
であり、生体由来の肝細胞を培養して使用するハイブリ
ッド型人工肝臓への応用が可能である。
【0046】以上、特にVLAのガラクトース残基と肝
細胞との特異的親和性を利用した例について説明した
が、本発明はこれらに限られるものではなく、種々の応
用を含んでいる。即ち、本発明の糖鎖高分子は、上述し
たような糖鎖含有モノマーと、第2の作用性部位含有ビ
ニル系モノマーとを共重合させてなることを特徴とする
ものであって、糖鎖により細胞の特異的認識性が付与さ
れ、さらにビニル系モノマーの作用性部位によって様々
な第2の作用が付加されている。
【0047】本発明の糖鎖高分子にあっては、糖鎖と第
2作用性部位との組み合わせは自由であり、選択的に処
理すべき細胞と、なすべき処理に応じて適宜選択でき
る。また、それらの組成割合は、選択性の強さや目的に
より適宜選択すればよく、特に限定されるものではな
い。さらに、2種以上の糖鎖含有モノマー及び/または
2種以上の作用性部位含有ビニル系モノマーを組み合わ
せて共重合させた糖鎖高分子も本発明の範囲内であるこ
とは言うまでもない。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の糖鎖高分子を
さらに具体的に説明する。 (実施例1)ビオチンのヒドロキシサクシンイミドエス
テル1.92g(7.9mmol)とビニルベンジルア
ミンとをDMF20mlに溶解し、これを窒素気流下3
7℃で24時間反応させた。反応終了後、ろ過し、ろ液
に200mlのエーテルを加えて放置し、生じた沈澱を
ろ別した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムにて精製し
て目的とする第2の作用部位含有ビニルモノマーである
ビニルベンジルビオチンアミド(VBA)2.1gを得
た(収率82%)。また、糖鎖含有モノマーとして上記
式(2)のVLAを合成した。
【0049】上記VLAとVBAとを、仕込モル比9
0:10で共重合させた。即ち、VLA1.77g
(3.7mmol)とVBA0.15g(0.42mm
ol)を2mlのDMSOに溶解し、開始剤(AIB
N)を添加して、重合用ガラスアンプル中で重合させて
糖鎖高分子を得た。同様に、仕込モル比を80:20と
した糖鎖高分子(P(VLA-co-VBA)と略記)、
及びVLAの代わりに上記式(3)のVMAを用い、仕
込モル比を80:20とした糖鎖高分子(P(VMA-
co-VBA)と略記)を合成した。比較のため、前記
VLA及びVMAの単独重合体であるPVLA及びPV
MAを合成し、各高分子に、VLAまたはVMA120
単位当たり1個の割合でFITCを導入して蛍光標識し
た。
【0050】各高分子を、その濃度が0.1%、0.0
1%、及び0.001%(W/V)となるように、ビオチ
ンを含まない培地に溶解した高分子溶液を作製した。た
だし、各濃度における各高分子溶液間の蛍光量に差が無
くなるように、蛍光標識した高分子と蛍光標識していな
い高分子とを混合して調整した。
【0051】癌細胞(Hep G2)を、10%ウシ胎児血清
(FCS)、0.07g/lペニシリンGカリウム、
0.01g/lストレプトマイシン硫酸を添加したウィ
リアムス媒質E(バッファA)で、親水性ボトル(Falc
on3045)を用いて継代培養した。継代培養3日目に、培
養液を捨てた後、細胞表面をPBS(−)溶液で洗浄
し、トリプシン溶液(0.25% トリフ゜シン、0.02% EDTA を溶
解したハンクス液)8mlを加え、CO2下37℃で2
分間インキュベートした。FCS添加培地を加えてピペ
ッティングした後、細胞を回収し、800rpmで1分
間遠心処理した。この処理を数回繰り返して細胞を洗浄
した後、細胞数100万個となるようにチューブに分注
した。
【0052】上記チューブに各濃度の高分子溶液を10
0μlずつ加え、撹拌後37℃と4℃で45分間処理し
た。反応の途中は、15分おきに撹拌を行い、最終的に
NaN3を含むPBS(+)を加えた。同溶媒で2回洗
浄した後、フローサイトメトリーによる解析を行った。
高分子濃度0.01%のときの結果を図1に示す。
【0053】Hep G2は、グルコース残基を有するVMA
系糖鎖高分子よりも、ガラクトース残基を有するVLA
系糖鎖高分子に対する認識性が高く、ビオチンが共存す
る糖鎖高分子に対する認識性はさらに高くなった。即
ち、Hep G2は、ガラクトース及びビオチンのいずれをも
認識して相互作用しており、このことから、VLAに加
えて第2成分であるビオチンを含む糖鎖高分子を用いる
ことにより、癌化した細胞であるHep G2をより明確に識
別できることが明らかになった。
【0054】(実施例2)糖鎖含有モノマーとして上記
式(2)のVLA及び式(3)のVMAを合成し、第2
の作用部位を有するビニル系モノマーとして、下記式
(12)で表されるスルホニルウレア構造含有ビニルモ
ノマーを合成した。
【0055】
【化12】
【0056】上記スルホニルウレア構造含有ビニルモノ
マーは、次のようにして合成した。まず、p-アミノエ
チルベンゼンスルフォンアミド(1g、5mmol)を
アセトン5ml及び1NのNaOH水溶液5mlの混合
溶液に溶解させ、アクロイルクロライドの0.54g
(6mmol)を加えて室温で3時間反応させた。溶媒
を留去後、メタノールに溶解し、不溶物を濾別した。こ
れをメタノールから3回再結晶を行って、4-
[(2’)-アクリルアミドエチル]ベンゼンスルホニ
ルアミド(AEBSA)を得た(収率80%)。
【0057】AEBSAの1.7g(7mmol)を
3.5mlのアセトンに分散させた後、1NのNaOH
水溶液7mlを加えて溶解した。これに3.5mlアセ
トンに溶解したシクロヘキシルイソシアネート(0.8
76g、7mmol)を添加した。16時間反応させた
後、1NのHCl水溶液7mlを添加し、沈澱を濾取
後、水で十分に洗浄した後、メタノールから再結晶し、
上記式(12)で示すシクロヘキシル4-[(2’)-ア
クリルアミドエチル]ベンゼンスルホニルウレア(CA
EBSU)を得た(収率75%)。
【0058】VLAとCAEBSUとの仕込みモル比
9:1の糖鎖高分子は、1.7gのVLAと、0.13
gのCAEBSUとを、2mlのDMSOに溶解させ、
AIBN2mgを添加した後、60℃で6時間反応させ
ることにより得た。
【0059】同様にして、VLAまたはVMAと、CA
EBSUとを、各々仕込モル比7:3で共重合させて糖
鎖高分子を得た(P(VLA-co-SU)、及びP(V
MA-co-SU)と略記)。これら各々の糖鎖高分子の
水溶液(0.1%)1.5mlをポリスチレン製シャー
レに添加して放置することにより被覆した。比較のた
め、PVLA及びPVMAで被覆したシャーレも作製し
た。
【0060】トランスジェニックマウス由来のインスリ
ノーマMIN6細胞を、2×105個/mlに調整し、
その1.5mlずつを、上記各高分子で被覆したシャー
レに播種した。37℃、5%CO2下で所定時間培養し
た後、培地を採取し、培地に含まれるインスリン量をエ
ンザイムイムノアッセイ(EIA)で測定した。MIN
6細胞播種後、24時間のインスリン産生量を表したの
が図2である。図2中、「対照」とは未被覆のポリスチ
レン製シャーレで培養したときの結果である。
【0061】対照と比較し、グルコース残基を有するP
VMA及びP(VMA-co-SU)の系ではインスリン
産生量の増加がみられ、特に、P(VMA-co-SU)
の系で最大の産生量が得られた。このことから、MIN
6細胞がグルコースを認識し、さらにスルホニルウレア
を認識することによって、それらとの相互作用がインス
リン産生量を増大させたことをが明らかに示唆された。
【0062】(実施例3)糖鎖含有モノマーとして上記
式(2)のVLAを合成した。RGDSGペプチドは、
市販の化合物、または Sheppard's Fmoc改良法でバイオ
テック・ペプチド・シンセサイザ(Biotech Peptide Sy
nthesizer)によって合成したものを用いた。
【0063】P-ビニル安息香酸4g(27mmol)
を、3.5g(30mmol)のN-ヒドロキシサクシ
ンイミドとN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
6g(30mmol)とともにクロロホルム10mlに
溶解し、室温で24時間反応させた。溶媒留去後、得ら
れた沈澱をクロロホロム・エーテルから再結晶した(収
量2.7g)。得られた活性エステル(1.5g(6m
mol))を6-アミノ-N-カプロン酸0.8g(6m
mol)とともにTHFに溶解し、室温で4日間反応さ
せた。溶媒を留去後、クロロホルムから再結晶して、6
-(p-ビニルベンズアミド)-ヘキサン酸を得た。
【0064】VLA1g(2.1mmol)と6-(p-
ビニルベンズアミド)-ヘキサン酸61mg(0.21
mmol)を3mlのDMSOに溶解し、2mgのAI
BNを添加し、60℃で24時間共重合させた。得られ
た共重合体100mgをテトラメチルエチレンジアミン
緩衝液(TEMED、50mM、pH4.7)10ml
に溶解し、1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカル
ボジイミド0.063g(2.2mmol)を加えて室
温で24時間反応させた。得られた活性化高分子に、R
GDSGペプチド0.117g(2.2mmol)を加
えて室温で3日間反応させ、第2の作用部位としてRG
DSGペプチドを有する下式(13)で表されるモノマ
ーとVLAとの共重合体からなる糖鎖高分子(P(VL
A-co-RGDSGと略記)を合成した。
【0065】
【化13】
【0066】P(VLA-co-RGDSG)及びPVL
Aの0.01%水溶液(w/v)を各々シャーレ(Falcon1
008)に添加し、24時間放置後PBSで洗浄して糖鎖
高分子被覆シャーレを作製した。それらの糖鎖高分子被
覆シャーレに、Seqlenの方法で単離したラット肝細胞の
懸濁液3.5×105細胞/ディッシュとなるように分
注し、60分間培養した。シャーレに接着していない細
胞を回収してコールターカウンターで計数することによ
り細胞接着率を算定した。また、培養開始と同時に、P
VLA、RGDSG、またはP(VLA-co-RGDS
G)の水溶液(0.01%(W/V))を添加し、細胞接
着に対する阻害効果も測定した。P(VLA-co-RG
DSG)不被覆シャーレでの結果を図3(A)に、PV
LA被覆シャーレでの結果を図3(B)に示す。
【0067】阻害剤を添加しない場合には、どちらのシ
ャーレでも70%以上の接着率を示した。阻害実験の結
果、P(VLA-co-RGDSG)被覆シャーレでは、
P(VLA-co-RGDSG)でしか阻害されなかった
のに対し、PVLA被覆シャーレでは、PVLAによっ
ても接着阻害された。即ち、P(VLA-co-RGDS
G)被覆シャーレでの肝細胞接着は、VLAのガラクト
ース残基に対する認識だけでなく、第2の作用部位であ
るRGDSGに対する認識をも介してなされていること
が示された。
【0068】(実施例4)糖鎖含有モノマーとして、前
記式(2)のVLAを合成した。ビニル系モノマーとし
ては、下記式(14)に示すような温度感受性基を有す
るイソプロピルアクリルアミド(IPAAM)を用い
た。IPAAMとVLAの組成比が、9:1、8:2、
7:3、4:6、及び2:8(両者のモル数の和は0.
01mol)となるように分取し、各々のモノマーに対
して1mol%となるように顆粒酸カリウムを加えた。
これらを2mlの水溶液とした後、60℃で24時間共
重合させて糖鎖高分子を得た。
【0069】
【化14】
【0070】上記の糖鎖高分子水溶液の Lower Critica
l solution Temperature(LCST)を測定した。方法
は、16℃〜44℃の各種温度条件での糖鎖高分子水溶
液のUV(波長400nm)透過率の変化を測定するこ
とにより行った。その結果、IPAAM:VLA=9:
1の組成比で共重合した糖鎖高分子のみにLCSTが3
4℃に観測された。この9:1の共重合体を、本実施例
の糖鎖高分子(P(IPAAM-co-VLA)と略記)
とする。
【0071】本実施例の糖鎖高分子(P(IPAAM-
co-VLA))の各種濃度でシャーレを被覆した。Seg
lenらの方法に従ってラット肝細胞を単離して4×104
細胞/mlに調整し、前記被覆シャーレに37℃で分注
した。37℃、5%CO2下、WE培地中で2時間培養
し、未接着の細胞を37℃で回収して各被覆シャーレに
対する細胞接着率を算定した。次いで、各被覆シャーレ
に接着した細胞に、4℃に冷却した培地を添加し、脱着
した細胞を回収してコールターカウンターで脱着細胞数
を計数した。結果を図4に示す。
【0072】10及び30mg/cm2の濃度でP(I
PAAM-co-VLA)を被覆したシャーレでは、80
%前後の良好な接着率が得られた。また、30mg/c
2で被覆したシャーレでは、接着した細胞のほぼ全部
が脱着したのに対し、10mg/cm2で被覆したシャ
ーレでは接着した細胞の約半分しか脱着されなかった。
一方、90mg/cm2で被覆したシャーレでは、接着
率及び脱着率ともに40%程度であった。
【0073】以上の結果から、ラット肝細胞は、ガラク
トース残基を有し、かつ温度感受性基をも有するP(I
PAAM-co-VLA)に対して良好な接着を示し、接
着した細胞は、4℃の培地を添加するだけで容易に脱着
できることがわかった。ただし、これらの接着−脱着
は、P(IPAAM-co-VLA)の被覆濃度にも依存
することがわかった。
【0074】即ち、本実施例の糖鎖高分子は、ガラクト
ース残基で細胞を特異的に接着させ、肝細胞に非特異的
な第2の作用部位であるIPAAMで高分子を物理的に
変化させ、細胞を脱着できる。よって、この糖鎖高分子
は、細胞の選択的回収剤などとしても有効に使用できる
ことが示唆された。
【0075】(実施例5)糖鎖含有モノマーとして、前
記式(2)のVLAを合成した。ビニル系モノマーとし
ては、下記式(15)に示すようなアミノ基を有するp
-アミノメチルスチレンとした。これらのモノマーを、
80:20のモル比で混合して共重合させ、本実施例の
糖鎖高分子を得た。
【0076】
【化15】
【0077】本発明の糖鎖高分子とアルギン酸ナトリウ
ムとを、水に溶解してゲル状の細胞培養基質を作製し
た。この細胞培養基質に肝細胞懸濁液(30×104
胞/ml)を混合し、造粒装置を用いて粒子状に加工し
た。
【0078】肝細胞を含む粒子状の細胞培養基質をポリ
スチレンシャーレに互いが接触しないように分散し、加
湿した空気/CO2(95/5 容量%)インキュベーター中
に、37℃で60分間保持した。顕微鏡観察により、培
養された肝実質細胞は、適度な大きさ(約100μm)
の3次元的凝集体を形成したことが確認された。
【0079】
【発明の効果】本発明の糖鎖高分子は、糖鎖によって細
胞に対する選択性が付与され、さらにビニル系モノマー
によって第2の作用が付加されている。例えば、温度感
受性基を有するビニル系モノマーを組み合わせれば、目
的とする細胞を選択的に回収する細胞回収剤が得られ
る。
【0080】また、塩基性基を有するビニル系モノマー
を組み合わせれば、酸性多糖類とゲル状のコンプレック
スを形成でき、3次元的構造を有する細胞培養基質を得
ることができる。この3次元構造を有する細胞培養基質
で肝細胞を培養すれば、肝細胞の3次元的凝集体が容易
に得ることができる。この細胞培養基質は、粒子化が可
能であり、粒子化した細胞培養基質で肝細胞を培養する
ことにより、立体制御された閉鎖環境の培養を行うこと
ができる。このような立体制御された閉鎖環境ので培養
した肝細胞凝集体は、そのままの形状でハイブリッド人
工肝臓に好適に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の糖鎖高分子の癌細胞に対する認識
性を示すグラフである。
【図2】 実施例2の糖鎖高分子の、MIN6細胞のイ
ンスリン産生量に対する影響を示すグラフである。
【図3】 実施例3の糖鎖高分子(A)及びPVLA
(B)に対する肝細胞の接着性を表すグラフである。
【図4】 実施例4の糖鎖高分子の各濃度で被覆された
シャーレに対する肝細胞の接着率及び脱着率を示すグラ
フである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖鎖含有スチレン誘導体と、少なくとも
    ひとつの第2の作用を有する部位を含有するビニル系モ
    ノマーとの共重合体からなることを特徴とする糖鎖高分
    子。
  2. 【請求項2】 前記ビニル系モノマーが含有する第2の
    作用を有する部位が、ビタミン類、薬物、サイトカイ
    ン、増殖因子、フラボノイド、核酸、ペプチドから選択
    される少なくともひとつからなることを特徴とする請求
    項1記載の糖鎖高分子。
  3. 【請求項3】 前記第2の作用を有する部位が、RGD
    SGペプチドである請求項2の糖鎖高分子からなること
    を特徴とする細胞認識剤。
  4. 【請求項4】 前記ビニル系モノマーが含有する第2の
    作用を有する部位が、前記糖鎖を特異的に認識する細胞
    に対して非特異的に作用することを特徴とする請求項1
    記載の糖鎖高分子。
  5. 【請求項5】 前記第2の作用を有する部位が、酸性多
    糖類とコンプレックスを形成する塩基性基であることを
    特徴とする請求項4記載の糖鎖高分子。
  6. 【請求項6】 請求項5の糖鎖高分子と酸性多糖類との
    コンプレックスからなるゲル状の細胞培養基質。
  7. 【請求項7】 請求項6の細胞培養基質を粒子状に加工
    し、その粒子内で細胞を培養することからなる細胞培養
    法。
  8. 【請求項8】 前記第2の作用を有する部位が、温度感
    受性基である請求項4の糖鎖高分子からなることを特徴
    とする細胞回収剤。
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