JP4435950B2 - コアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子並びにそれを用いた、液液相分配法、固定化酵素及び薬物放出剤 - Google Patents

コアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子並びにそれを用いた、液液相分配法、固定化酵素及び薬物放出剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
コアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子並びにそれを用いた、液液相分配法、固定化酵素及び薬物放出剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、刺激応答性高分子はドッラグデリバリーシステム(DDS)、各種分離剤、カテーテル、人工筋肉、ケモバルブなどに広く応用され、その重要性は急激に増大している。例えば特開平8-103653号公報には、刺激応答性高分子として、熱、pH、電位、光などにより高次構造が変化して水溶液中で膨潤したり収縮する高分子が記載され、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、等アクリルアミドの誘導体類、ポリメチルビニルエーテル等のビニルエーテル類が記載されている。しかしながら、これらの温度変化に応答して膨潤-収縮するとして公知の高分子化合物は、上限臨界溶液温度(UCST)又は下限臨界溶液温度(LCST)を有すると記載されるものの、実際は全てLCSTを有する高分子である。すなわち可逆的に或る温度以上において高分子間同士での凝集を起こし水に不溶化し、それ以上では水に溶解するという性質を有する物であった。
また水溶液中でLCSTを有し、かつ感温性コアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子がジメチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド共重合体で合成されている(高分子学会予稿集(1994)Vol.43、p784)。
【0003】
LCSTを有する高分子化合物は、ある一定温度以上において高分子が収縮し水に対して不溶化する物であるから、分離剤等に適用する際、収縮を低温下、降温操作で行いたいという要請に対して、その調整が難しいという課題があった。熱に不安定なタンパク質等の分離剤として用いる場合、該高分子は昇温操作により凝集するため、その操作によりタンパク質の変性を伴う危険性を考慮しなければならなかった。
薬剤をこのLCSTを有するゲルに包括させDDSとして用いる場合、低温時に膨潤し、薬剤を放出するため、薬剤放出の際は疾病患部を冷却する必要がある。しかし実用的には疾病患部の温度を上昇させる方が容易である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決することにあり、水性溶液中の降温操作で凝集する上限臨界溶液温度(UCST)特性を示し、かつコアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子並びにそれを用いた、液液相分配法、固定化酵素及び薬物放出剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前述の問題点を解決すべく鋭意努力した結果、水性溶液中で上限臨界溶液温度特性を示し、かつコアセルベート形成能を持つ熱応答性高分子を見出すに至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の構成からなる。
(1)下記一般式(1)で示される少なくとも1種類のモノマー成分として含有し、水性溶液中で上限臨界溶液温度特性を示し、かつコアセルベート形成能を持つことを特徴とする熱応答性高分子。
【0007】
【化2】
Figure 0004435950
【0008】
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は単結合または炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
(2)親水性モノマー又は疎水性モノマーを更に共重合成分として含有する上記(1)記載の熱応答性高分子。
(3)リガンド分子モノマーを更に共重合成分として含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱応答性高分子。
(4)被分離物と上記(1)〜(3)の何れかに記載の熱応答性高分子とを水性溶媒下に接触させる工程を含むことを特徴とする液液相分配法。
(5)上記(1)〜(3)の何れかに記載の熱応答性高分子に酵素を固定化したことを特徴とする固定化酵素。
(6)上記(1)〜(3)の何れかに記載の熱応答性高分子からなることを特徴とする薬物放出剤。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、水性溶液中でUCST特性を示し、かつコアセルベート形成能を持つ特定構造の熱応答性高分子(以下、UCST−CVポリマーともいう)を提供する。本発明において、水性溶液とは、水、水を主体とする溶媒、例えば、生理的食塩水、緩衝液等の溶液を意味する。
本発明のUCST−CVポリマーは、下記一般式(1)で示される少なくとも1種類のモノマー成分(以下、モノマー(1)という)として含有するポリマーである。
【0010】
【化3】
Figure 0004435950
【0011】
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は単結合または炭素数1〜5、好ましくは1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R2はメチレン基が好ましい。
【0012】
UCST−CVポリマーは、その他の共重合成分として、例えば、後述する親水性モノマー又は疎水性モノマー(以下、モノマー(2)ともいう)等を合成されるポリマーがUCST特性及びコアセルベート形成能を持ち得る範囲で用いることができる。
本発明のUCST−CVポリマーにおけるモノマー(2)との共重合の効果は、形成されるコアセルベートが溶解する温度を任意に変化させる事ができるためである。
上記モノマー(2)の仕込み比は、モノマー(1)に対して0.1〜50質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.5%〜10質量%である。
【0013】
本発明でUCST−CVポリマーの共重合成分として含有させることが出来るモノマー(2)は、モノマー(1)成分部位に対する親水性、疎水性であることから一概に言えないが、親水性モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド等を、疎水性モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレンなどを挙げることが出来、これらは適宜、単独乃至組み合わせて用いられる。
本発明のUCST−CVポリマーは、リガンド分子モノマー(以下、モノマー(3)ともいう)を共重合成分としてモノマー(1)との共重合体として、或いは更に親水性又は疎水性モノマーとの共重合体として含有することができる。
リガンド分子モノマーとしては、合成されるポリマーがUCST特性及びコアセルベート形成能を持ち得るものであれば特に化学構造を問題とする事はない。具体的には、ビオチン部位或いはイミノビオチン部位を有するモノマー成分、及び後述で定義されるリガンドを含むモノマーが挙げられる。
ビオチン部位或いはイミノビオチン部位を有するモノマー成分としては、下記一般式(3)で示せるモノマーが挙げられる。
【0014】
【化4】
Figure 0004435950
【0015】
【0016】
式(3)中、R2は水素原子又はアルキル基を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。
Tは酸素原子又は=NH基を表す。
Wは単結合又はカルボニル基、チオカルボニル基もしくは炭素数1〜5のアルキレン基を示す。Uは単結合又は−NH−基を示す。Xは単結合又は炭素数1〜8の炭化水素結合、酸素原子もしくは−NH−基を示す。Yは単結合又はカルボニル基、チオカルボニル基、−NH基−、1,2−ジオキシエチレン基もしくは1,2−ジアミノエチレン基を示す。Zは単結合又はカルボニル基、チオカルボニル基、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子もしくは−NH−基を示す。Vは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
【0017】
更に具体的には、下記(3A)から(3C)で表される重合性(イミノ)ビオチン誘導体が好ましい。
【0018】
【化5】
Figure 0004435950
【0019】
一般式(3A)〜(3C)中、R1は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R5は炭素数2又は3のアルキレン基を示す。
1は酸素原子又は硫黄原子を示し、X2〜X5はそれぞれ独立に、酸素原子又は−NH−基を示す。
T、R2、R3及びR4はそれぞれ上記式(3)で定義される通りある。
【0020】
上記一般式(3A)で示される重合性(イミノ)ビオチン誘導体は、一般に下記一般式(a1)で示される(イミノ)ビオチン又は(イミノ)ビオチン誘導体の側鎖カルボキシル水酸基を適当な脱離基に変換後、下記一般式(a2)で示されるアクリル誘導体と縮合反応させることにより得ることができる。
【0021】
【化6】
Figure 0004435950
【0022】
上記一般式(3B)で示される重合性(イミノ)ビオチン誘導体は、一般に下記一般式(b1)で示される(イミノ)ビオチン誘導体を、適当なアクリル化剤(b2)(メタクリル化剤等も含む、例えばアクリル酸、アクリル酸クロリド、無水アクリル酸、アクリロキシスクシンイミド等のアクリル化剤、メタクリル酸、メタクリル酸クロリド、無水メタクリル酸、メタクリロキシスクシンイミド等のメタクリル化剤)と反応させて得ることができる。
【0023】
【化7】
Figure 0004435950
【0024】
ここで、式(b1)の(イミノ)ビオチン誘導体は、式(a1)の(イミノ)ビオチン又は(イミノ)ビオチン誘導体を適当な還元剤で還元することによりアルコール体(X4=酸素原子)を得ることができ、更に該アルコール体の水酸基を脱離基機能を有する官能基に変換後、アミン誘導体(X4=−NH−)と置換反応させることにより得ることができる。
【0025】
上記一般式(3C)で示される重合性(イミノ)ビオチン誘導体は、一般に下記一般式(c1)で示される(イミノ)ビオチン誘導体を、THF、DMSO、エーテル、DMF、時クロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の非プロトン性溶媒中で、式(c2)で示されるイソシアネート化合物と反応させることにより得ることができる。
【0026】
【化8】
Figure 0004435950
【0027】
本発明において特に好ましい重合性ビオチンモノマーとして、例えば、特開平11−215667号明細書に記載の式(3a)のようなビオチンメタクリアミド誘導体、或いは式(3b)のようなビオチン誘導体が挙げられる。
【0028】
【化9】
Figure 0004435950
【0029】
このようなリガンド分子モノマーは、UCST−CVポリマーのモノマー(1)に対して0.1〜10質量%の範囲で用いられる。
【0030】
本発明では、上記モノマーを共重合させた後、未反応のモノマーや塩等を除くために、透析を行うことができる。または溶液の温度をUCST以下とし、コアセルベート層を回収後水層を取り除いたりすることで本発明のUCST−CVポリマーを精製することも出来る。
【0031】
本発明のUCST−CVポリマーの分子量は特に限定されず、UCST特性及びコアセルベート形成能などの性質はその分子量にあまり依存しないことが好ましい。現実的には通常、質量平均分子量が500〜1000000程度、さらに好ましくは1000〜100000程度である。
本発明のUCST−CVポリマーは、特定温度(UCST)以上では水性溶液中で溶液を維持するが、その特定温度より低い温度では不溶化し、コアセルベートを形成する性質を有する。本発明において、UCST−CVポリマーから形成されるコアセルベートとしては、そのコアセルベート液滴内乃至コアセルベート層内のUCST−CVポリマー濃度とそれ以外の水性溶媒中のUCST−CVポリマー濃度との差が、0.01〜45質量%であるものが好ましく、更に好ましくは0.01〜10質量%の範囲である。
【0032】
また、このUCST−CVポリマーは、後述のリガンド等の固定化及びリガンドとの複合体形成を行っても少なくともそのUCST特性は、不変であることが好ましい。この複合体形成を行った場合、コアセルベート形成能は保持されていてもいなくともよい。本発明において、UCST−CVポリマーという場合は、リガンド等が固定されたものを包含するものとする。また、UCST−CVポリマーは、溶解、不溶化の繰返し変化によってもその熱応答性は保持されることが好ましい。
本発明において、UCST−CVポリマーのUCSTは、該ポリマーを蒸留水に溶解し(2質量%)、昇温もしくは降温しつつ石英セル中で500nmの可視光の透過率を測定し、昇温したときの該ポリマー清澄溶液の可視光の透過率を100%とし、該透過率が50%になった時点の温度として求められるものを言う。ただし、ある時点で該透過率が50%になっても更に温度を昇温乃至降温してもある温度範囲で50%の値が保持される場合がある。この温度範囲の上限を昇温時のUCSTと言い、同下限を降温時のUCSTと言う。この両者の温度範囲の差をスイッチング範囲言う。このスイッチング範囲は狭ければ狭いほど良く、本発明によれば、実用的なUCSTのスイッチング範囲は10℃以下、好ましくは0℃である。
本発明のUCST−CVポリマーのUCSTは、特に限定されないが、本発明のUCST−CVポリマーを液液相分配法、固定化酵素、薬物放出剤等に適用する場合、好ましいUCSTは0〜50℃、特に好ましくは0〜40℃の範囲である。
【0033】
本発明のUCST−CVポリマーは、上記特性を利用することができる種々の用途乃至用法に適用することができる。
本発明のUCST−CVポリマーを液液相分配法に適用する場合、分離しようとする被分離物は、UCST−CVポリマー水性溶液に溶解され、溶液温度をUCSTより小さくした時に形成されるコアセルベート層及び水層に対する被分離物の親和性に差が生じ、どちらかにより多く分配され、所望により繰り返すことにより被分離物の回収率を増加できる。本発明では、特にUCST−CVポリマーに結合性を有する被分離物の分離・濃縮に好適である。このような被分離物としては、チバクロンブルー、ブルーデキストラン等の色素等が好適に挙げられる。例えば、コアセルベート層に分配された被分離物は、コアセルベート層を透析することにより分離することができる。
尚、本発明の液液相分配法に適用されるUCST−CVポリマーとしては、後述のリガンドを固定化したものでなくとも、リガンドを固定化して分離剤としたもの等を用いてもよい。後者の場合、被分離物の種類の幅を広げる利点がある。
【0034】
本発明は、UCST−CVポリマーに酵素を固定化することにより、固定化酵素を提供することができる。本発明の固定化酵素は、イムノアッセイ法等の検量法、バイオリアクター等を構築するための有力な要素となる。
この場合、上記したように分子中にビオチン又はイミノビオチンが固定化されているモノマーの共重合誘導体等を用いると、後述の共有結合の生成等により抗体等を固定化する必要はなく、アビジン-ビオチンのアフィニティーの利用によりアビジン固定化酵素を固定化する事が可能であり、好ましい。
【0035】
また、アビジンはビオチンを認識する部位が4カ所あるため、アビジンの結合部位の一つをUCST−CVポリマーの固定化に使用し、残りのビオチン結合部位に、任意のビオチン固定化酵素、或いはビオチン固定化抗体、ビオチン固定化ヒートショックプロテイン等の後述のリガンドを固定化したビオチンを用いて任意のリガンドを固定化でき、適用範囲を大幅に拡大することができるという利点を有する。
本明細書においてアビジンは、ストレプトアビジンを包含するものである。
上記アビジン−ビオチン間のアフィニティーなど特異的な相互作用を行うことが知られている一組の結合部位を少なくとも含むものの一組の一方(以下、リガンドというが、他方もリガンドとなり得る)を固定化することにより、溶液降温操作を行うことで簡単に他方の結合部位を有する標的物質乃至目的物(好ましくは薬物、生体分子、微生物等)をUCST−CVポリマーに固定化されたリガンドに結合させることが出来る有用な分離剤等を得ることが出来る。尚、上記相互作用を行う組は、一方が同じリガンドであっても他方は必ずしも同じ種類である必要はなく、適宜選定され得るので、目的により同じリガンドで別種の分子を分離し得る。
【0036】
このリガンドとしては、蛋白質、核酸、ペプチド及び糖鎖等が挙げられ、いずれか1つ以上が固定化される。また、同一カテゴリー種であっても2種以上を用いることができる。具体的には、抗原、抗体、分子シャペロン、バイオプロダクト、糖鎖、レクチン、プロテインA、プロテインG、アビジン、ビオチン、DNA、RNA、ホルモン、色素等の他、酵素反応における基質や生成物、競争阻害剤、補酵素、細胞、人口細胞、微生物、合成高分子等も挙げられる。
上記特異的な相互作用を行うことが知られている一組の具体例としては、抗原−抗体、酵素−基質(阻害剤)、各種の生理活性物質−レセプター等が挙げられる。これらの組は、天然分子同士に限らず、合成分子−天然分子、合成分子−合成分子も包含される。また、相互作用としては、静電相互作用、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用等の単独乃至組み合わせが挙げられる。
【0037】
また、本発明はUCST−CVポリマーからなる薬物放出剤を提供することができる。
本発明の薬物放出剤は、UCST−CVポリマーをいわゆるドラッグデリバリーシステム(DDS)の薬剤の担持体に用いるもので、UCST−CVポリマーと任意の薬剤からなる。本発明の薬物放出剤は、UCST−CVポリマーの温度或いは更にpH等に対する応答性を制御することにより可逆的なUCST−CVポリマーの溶解・不溶化に伴うコアセルベートの消失・形成或いはUCST−CVポリマーの溶解・不溶化に伴い、薬物の放出・保持を制御することができる。本発明の薬物放出剤は、必要なときに必要なだけ薬物を投与しようというインテリゼント化製剤として脚光を浴びている製剤に好適に用いられる。本発明の薬物放出剤において、UCST−CVポリマーに各種薬物(例えば、アドレアマイシン、タキソール等の抗ガン剤等)を担持乃至結合させる手段は、UCST−CVポリマーの水性溶液を温度、pH等の制御下でUCST−CVポリマーと薬物を接触させる方法が挙げられる。この場合、UCST−CVポリマーとして、上記固定化抗体等のリガンドを用いる方法、その他、当該分野で通常用いられる態様を適用することができる。
また、本発明の薬物放出剤における薬剤をUCST−CVポリマーに担持乃至結合させたUCST−CVポリマーの態様は、好ましくはコアセルベート層の内部乃至表面であるが、溶液相であってもよい。また、本発明の薬物放出剤は、更にカプセル、スポンジ、ゲル等に収容乃至担持する等、二次的な処理が施されていても良い。
また、本発明の薬物放出剤の投与形態も任意であり、その剤形により適宜選択される。例えば、経口剤、貼付剤、注射剤等が挙げられる。
本発明は、適当なリガンドを選択して調製したUCST−CVポリマーを用いることにより、従来よりも更に高感度な種々の物質乃至微生物などの分離、イムノアッセイ法等の検量、蛋白製造制御、バイオリアクター等を構築することも出来る。
【0038】
液液相分配法、固定化酵素、薬物放出剤等の標的物質乃至目的物のUCST−CVポリマーへの結合は、イオンコンプレックスや電荷移動錯体を利用した結合、生化学的親和性等を利用した結合が好ましい。
本発明のUCST−CVポリマーに結合した標的物質乃至目的物等は、例えば、●塩濃度制御、●pH制御、●阻害剤、基質等の制御、●尿素、SDSなどの変性剤の制御、●有機溶媒、金属イオンなどの制御、●温度制御などの方法を適宜選定乃至組み合わせることにより結合強度を制御し、ひいては分配率、反応速度、薬物放出速度等を制御することができる。
また、種々のリガンドのUCST−CVポリマーへの固定化は、UCST−CVポリマーの繰返し再現性を保持するには共有結合であることが好ましいが、イオンコンプレックスや電荷移動錯体を利用した結合、生化学的親和性等を利用した結合であってもよい。
更に具体的には、抗体、酵素などの蛋白質をUCST−CVポリマーに結合させる場合、蛋白質には、アミノ基とカルボキシル基等の官能基が存在する場合が多く、これらの官能基の反応性を利用してUCST−CVポリマーと蛋白質とを結合させることができる。
【0039】
例えば、蛋白質のアミノ基を利用する場合は、UCST−CVポリマーにカルボキシル基を導入して、下記に示すような反応式でアミド結合を作ることができる。
【0040】
【化10】
Figure 0004435950
【0041】
下記に示すようなアルデヒド基を利用する方法、エポキシ基を利用する方法もある。
【0042】
【化11】
Figure 0004435950
【0043】
また、蛋白質のカルボキシル基を利用する場合は、UCST−CVポリマーにアミノ基を導入して、下記に示すような反応式でアミド結合を作ることができる。
【0044】
【化12】
Figure 0004435950
【0045】
また、UCST−CVポリマーに抗体を導入して、標的物質としての蛋白質と結合させる場合、pHが中性付近の燐酸、トリスバッファーの中で行われることが好ましい。また、塩濃度は目的に応じて適宜設定できる。
更に、UCST−CVポリマーに磁性体粒子を結合させて複合化させ、分離時に磁石等を用いることにより、標的物質乃至目的物を結合したUCST−CVポリマーをより効率よく凝集させることもできる。
【0046】
本発明のUCST−CVポリマーは、更に具体的には、細菌、残留農薬の検出等の如き検査薬、診断薬への応用、微生物や細胞培養の生体物等のバイオプロダクトの分離、酵素や分子シャペロン等の固定化による生体反応機能の活性化・維持などに特に有効に利用できる。
【0047】
【実施例】
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1 3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸の合成
アクリル酸クロリド、9質量部と3-アミノブタン酸10質量部を1N(mol/l)の苛性ソーダ水溶液中200ml中に溶液温度を5℃に保ち、撹拌しながら、同時に滴下する。滴下終了後室温下2時間反応させ、酢酸エチル200mlを加え入れ有機層の抽出を行う。減圧下40℃以下の温度で有機層を濃縮し、得られた在留物を酢酸エチルを移動相に用いて、シリカゲルでカラムクロマトを行い白色結晶の化合物を得た。
得られた化合物をNMR及び質量分析を行ったところ目的物を良く支持した。
【0048】
実施例2 ポリ-3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸の合成とその物性
3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸5質量を100mlのジメチルスルフォキシドに溶解し、0.05質量部のAIBNを開始剤に用いて窒素雰囲気下、3時間重合を行った。反応終了後アセトンを用いて再沈を行い、白色の重合物を得た。得られた重合物をNMR分析を行ったところ目的物を良く支持した。またGPCを用いて分子量を測定したところ、質量平均分子量は約8000であった。
得られたポリマーを蒸留水に溶解し(2質量%)、石英セル中で500nmの可視光の透過率を用いてUCSTを測定したところ、約35℃であった。この溶解した水溶液を30℃に冷却したところ白濁し、光学顕微鏡で観測により、直径約5ミクロンのコアセルベートを形成していることが明らかとなった。このコアセルベートを約1時間放置すると下層部にコアセルベート層と上層の水層に分かれ、得られたポリマーは、UCST−CVポリマーであることが分かった。
【0049】
実施例3 ポリ-3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸水溶液を用いたチバクロンブルー(色素)の分離
3質量%の実施例2で得られたUCST−CVポリマー水溶液2ml中にチバクロンブルーを1mgを加え、40℃に加温し、溶解させた。この水溶液を20℃に冷却し、1時間放置しコアセルベートを形成させた。このコアセルベート層と上層の水層に含まれる色素の割合を吸光光度計で測定したところ、コアセルベート層に含まれる色素と水層に含まれる色素の割合は96:4であった。色素は透析により分離、回収された。
【0050】
実施例4 3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸とアクリルアミド(30:1)との共重合体の合成とその物性
3-(アクリロイルアミノ)ブタン酸3質量部とアクリルアミド0.1質量部を80mlのジメチルスルフォキシドに溶解し、0.03質量部のAIBNを開始剤に用いて窒素雰囲気下、3時間重合を行った。反応終了後アセトンを用いて再沈を行い、白色の重合物を得た。得られた重合物をNMR分析を行ったところ目的物を良く支持した。またGPCを用いて分子量を測定したところ、質量平均分子量は約6000であった。
得られたポリマーを蒸留水に溶解し(2質量%)、石英セル中で500nmの可視光の透過率を用いてUCSTを測定したところ、約30℃であった。この溶解した水溶液を20℃に冷却したところ白濁し、光学顕微鏡で観測により、直径約5ミクロンのコアセルベートを形成していることが明らかとなった。このコアセルベートを約1時間放置すると下層部にコアセルベート層と上層の水層に分かれ、得られたポリマーは、UCST−CVポリマーであることが分かった。
【0051】
実施例5 UCST−CVポリマーより生成したコアセルベート中へのアドレアマイシンの包括とその放出
2質量%の実施例4で得られたUCST−CVポリマー水溶液5ml中にアドレアマイシン3mgを混ぜ、40℃で溶解させた。その後20℃に冷却しコアセルベート層を形成させ、水層を分離した。高速液体クロマトグラフィーによりアドレアマイシンは水層から検出されなかった。蒸留水を2mlコアセルベート層に加え再び40℃に加温し、高速液体クロマトグラフィーで分析したところアドレアマイシンが定量的に放出されていることを確認した。この溶液を再び20℃に冷却したところコアセルベートを形成した。光学顕微鏡の観測により直径約5ミクロンのコアセルベートであった。
【0052】
【発明の効果】
本発明のUCST−CVポリマーは、水性溶液中、例えば、水溶液中、生理的食塩水中、緩衝溶液中等で、各種物質の分離、酵素の固定化、DDS等に、有効に適用する事が出来る。特に温度設定が難しい物質、高温環境が好ましくない物質(例えばバイオプロダクト、酵素、抗体などの蛋白質)の検量、制御、或いはケモバルブ等に有効に利用出来る。また、本発明のUCST−CVポリマーは、磁性粒子、その他の担持体等に担持させることにより、効果的な分離手段を提供することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示されるモノマー成分からなる高分子であるか、下記一般式(1)で示されるモノマー成分とアクリルアミドを質量比で前者:後者で30:1で共重合した高分子であり、水性溶液中で上限臨界溶液温度特性を示し、かつコアセルベート形成能を持つことを特徴とする熱応答性高分子。
    【化1】
    一般式(1)
    Figure 0004435950
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
  2. 請求項1に記載の熱応答性高分子からなることを特徴とする分離剤。
  3. 被分離物と請求項1に記載の熱応答性高分子とを水性溶媒下に接触させる工程を含むことを特徴とする液液相分配法。
  4. 請求項1に記載の熱応答性高分子からなることを特徴とする薬物放出剤。
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