JP2006143715A - 新規のリンカー化合物、該化合物がコーティングされている基板、該化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法、及びそれによって製造されたマイクロアレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】新規のリンカー化合物、該化合物がコーティングされている基板、該化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法、及びそれによって製造されたマイクロアレイを提供する。
【解決手段】下記化学式の構造式を有する化合物、該化合物がコーティングされている基板、該化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法及びそれによって製造されたマイクロアレイである。

【選択図】図1

Description

本発明は、新規のリンカー化合物、該化合物がコーティングされている基板、該化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法、及びそれによって製造されたマイクロアレイに関する。
マイクロアレイは、特定の分子が基板上の一定領域に高密度に固定化されているものをいう。かかるマイクロアレイには、例えばポリヌクレオチド及び蛋白質マイクロアレイが含まれる。かかるマイクロアレイの製造には、プローブ物質を基板上で段階的に合成する方式と、すでに合成されているプローブ物質を活性化された基板上で結合するスポッティング法とが広く使われている。
スポッティング法において、マイクロアレイは、反応性のある官能基、例えばアミノ基を有するリンカー物質(例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(GAPTES)及びγ−アミノプロピルジエトキシシラン(GAPDES)など)を基板上にコーティングし、前記官能基と活性化されたプローブ物質とを反応させることにより、プローブ物質を基板に固定させるか、またはリンカー物質を基板上にコーティングし、前記リンカー物質を活性化、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を結合させ、反応性の高い状態に変換させた後、アミノ基のような反応性官能基を有するプローブ物質と反応させることによって製造される。従来リンカー物質として使われた化合物の例には、カルボキシル基を有するアルキルシラン及びカルボキシル基を有するアルキル硫黄化合物が含まれる。それらの化合物は、それぞれケイ素または硫黄元素を含んでおり、SiO及びAu基板に結合でき、カルボキシル基を有しているために、容易に活性化されうる。
前記の従来技術によれば、リンカー物質は、まず基板上にコーティングされた後で活性化されるという二ステップの反応過程を経た後でプローブ物質と反応できる。したがって、反応効率が低く、活性化が均質になされないという問題点がある。また、従来使われてきたリンカー物質は、アルキル基のような疎水性である部分を含んでおり、プローブ物質を固定化させてマイクロアレイを製造し、これを利用してプローブ物質と標的物質とを反応させ、そこから発生する信号を測定して分析するという方法において、非特異的な結合から発生する信号、すなわちノイズが強く、分析効率が落ちるという問題点があった。
本発明の目的は、基板上にコーティングされている状態で、プローブ物質との反応性にすぐれて結合力も強い化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物を製造する方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記化合物がコーティングされている基板を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記マイクロアレイの製造方法によって製造されたマイクロアレイを提供することである。
本発明者らは、かような従来技術の問題点を解決しようと努力していたところ、基板上にコーティングされている状態で、プローブ物質との反応性にすぐれて結合力も強くありつつ、マイクロアレイの製造にも有用に利用可能な化合物を発見し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するために、本発明は、下記化学式(1)の構造式を有する化合物を提供する:
式中、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
であり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である。
本発明はまた、前記化学式(1)の構造を有する化合物を製造する方法であり、
−C402のポリエチレングリコールを水素化ナトリウムの存在下でアリルハライドまたはC−C15のアルキル基を有するアリルアルキルハライドと反応させ、下記化学式(2)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数である;を得るステップと、
前記化学式(2)の化合物と炭素数3から6のジカルボン酸無水物とをNaHまたはピリジンの存在下で、触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)とともに反応させ、下記化学式(3)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である;を得るステップと、
前記化学式(3)の化合物とRH;ここでRは、
である:とをN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下で反応させ、下記化学式(4)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数であり、Rは、
である;を得るステップと、
前記化学式(4)の化合物とSiH(R;Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択されるものである:を白金触媒の存在下で反応させ、前記化学式(1)の化合物を得るステップとを含む方法を提供する。
前記課題を解決するために、本発明は、前記化学式(1)によって表される化合物がコーティングされている基板を提供する。
前記課題を解決するために、本発明は、前記化学式(1)によって表される化合物を利用してマイクロアレイを製造する方法を提供する。
前記課題を解決するために、本発明は、前記方法によって製造されたマイクロアレイを提供する。
本発明の化合物は、基板に結合できる部分、親水性部分及び活性化部分をいずれも保有しており、基板上でプローブ物質を固定化するのに使われるリンカー化合物として有用に使われうる。
本発明の前記化合物の製造方法によれば、本発明の化合物を効率的に製造できる。
本発明のマイクロアレイの製造方法によれば、プローブ物質と標的物質との反応から発生する信号が優秀なマイクロアレイを製造できる。
本発明のマイクロアレイによれば、プローブ物質と標的物質との反応から発生する信号が優秀であり、さまざまな分析方法に使われうる。
本発明の基板は、プローブ物質との反応性が高く、結合力が強い。
本発明は、下記化学式(1)の構造式を有する化合物を提供する:
式中、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
であり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である。
本発明の一具現例は、Rは、エトキシ基であり、cは、2または3であり、Rは、
である化学式(1)の化合物である。
本発明の前記化合物は、固体基板に容易に結合できるシラン部分と、親水性を帯びており、分子全体の親水性の程度を上昇させるポリエチレングリコール(PEG)部分と、アミノ基のような官能基とカップリング反応を起こすことができる活性化された官能基部分とから構成されている。固体基板は、例えばガラス、シリコンウェーハ及びプラスチック物質が含まれるが、それらの例に限定されるものではない。前記固体基板は、特別な形状に限定されるものではなく、例えば扁平な形状、ナノ粒子及びチャンネル状の形状を有することがあるが、それらの例に限定されるものではない。前記シラン部分は、構造式Si(R−で示される部分であり、Rはそれぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択される。前記活性化された官能基部分は、カップリング反応に置換される容易脱離基とそれを活性化させるための基とから構成されており、前記容易脱離基は、例えば
である。前記活性化のための官能基は、ジカルボキシレートから由来しているものである。
本発明の前記化合物は、基板に容易に結合できるシラン部分と容易脱離基とを保有しており、基板上で物質を固定化しようとする場合、リンカー物質として使われうる。この場合、本発明の化合物のうち、PEG部分は、強い親水性特性により、固定化された物質と標的物質とが相互作用する場合、非特異的に結合することを防止できるという長所がある。また、本発明の化合物は、基板に容易に結合できるシラン部分と容易脱離基とを保有しているために、前記化合物を基板上にコーティングする過程と、プローブ物質とをカップリングする過程とを一つの化合物を利用して連続的に行うことができる。
本発明はまた、下記化学式(1)の構造式を有する化合物:
式中、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
であり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である;
を製造する方法である。
該方法において、C−C402のPEGを水素化ナトリウムの存在下でアリルハライドまたはC−C15のアルキル基を有するアリルアルキルハライドと反応させ、下記化学式(2)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数である;を得るステップと、
前記化学式(2)の化合物と炭素数3から6のジカルボン酸無水物とをNaHまたはピリジンの存在下で、触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)とともに反応させ、下記化学式(3)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である;を得るステップと、
前記化学式(3)の化合物と、RH;ここでRは、
である;とをDCCの存在下で反応させ、下記化学式(4)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数であり、Rは、
である;を得るステップと、
前記化学式(4)の化合物とSiH(R;Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択されるものである;とを白金触媒の存在下で反応させ、下記化学式(1)の化合物:
式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数であり、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
である;を得るステップとを含む。
本発明の前記化学式(1)の化合物を製造する方法は、例えば、下記反応式(I)〜(IV)のような合成過程によって合成されうる:
反応(I)では、PEGとアリルハライドまたはアリルアルキルハライド化合物とをNaHの存在下で反応させ、アリル化またはアリルアルキル化されたPEGである化合物(2)を得る。反応(I)で、PEGは、C−C402のPEGが望ましく、Xは、ハロゲンであり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数である。このときの反応条件は、テトラヒドロフラン(THF)のような有機溶媒中で0℃から30℃の温度、約1気圧の圧力で、3時間から24時間である。望ましくは、THF中で室温で、3時間行われる。
反応(II)では、化合物(2)をNaHまたはピリジンの存在下で、触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP、約5mol%)の存在下でジカルボン酸無水物と反応させ、化合物(3)のアリル化またはアリルアルキル化されてジカルボキシル化されたPEGが得られる。前記ジカルボン酸無水物は、炭素数3から6のものである。このときの反応条件は、THFのような有機溶媒中で0℃から30℃の温度、1気圧下で3時間から24時間である。望ましくは、THF中で室温で約3時間行われる。
反応(III)では、化合物(3)とRHとをDCCの存在下で反応させ、化合物(4)を得る。ここでRHは、Rが、
である化合物である。このときの反応条件は、塩化メチレン(MC)のような有機溶媒中で0℃から30℃の温度、1気圧の圧力下で1時間から4時間である。望ましくは、塩化メチレン中で室温で2時間行われる。
反応(IV)では、化合物(4)とSiH(Rとを白金触媒の存在下で反応させ、化合物(1)を得る。ここでRは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択される。このときの反応条件は、トルエン、THF及びアリルフェニルエーテルのような有機溶媒中で60℃から100℃の温度、1気圧から30気圧の圧力で、10時間から24時間である。望ましくは、溶媒なしに60℃から70℃で16時間行われる。
本発明の化学式(1)の化合物を製造する方法の一例は前記反応(I)、(II)、(III)及び(IV)で、反応中間生成物を精製せずに他の副生成物と混合されている状態で反応されるものを含む。
本発明の製造方法によって製造された化学式(1)の化合物は、活性炭素フィルタ層とセライトフィルタ層とを通過させて触媒及び不純物を除去した後で濃縮させるか、またはbが20以上の生成物である場合には、同じフィルタを通過させた濾過液をジエチルエーテルやt−ブチルメチルエーテル(MTBE)溶媒に沈殿させた後で沈殿を濾し出して乾燥させることによって精製可能である。
本発明はまた、本発明による前記化学式(1)の化合物を固体基板上にコーティングするステップと、コーティングされている前記化学式(1)の化合物とプローブ物質とをカップリング反応させ、プローブ物質を基板上に固定化するステップとを含むマイクロアレイの製造方法を提供する。
本発明の方法において、固体基板は、例えばガラス、シリコンウェーハ及びプラスチック物質が含まれるが、それらの例に限定されるものではない。前記固体基板は、特別な形状に限定されるものではなく、例えば扁平な形状、ナノ粒子及びチャンネル状の形状を有することがあるが、それらの例に限定されるものではない。コーティングは、従来マイクロアレイの製作過程において広く知られており、本発明において公知のそれら任意のコーティング方法が使われうる。例えば、前記コーティングは、自己組織化薄膜コーティング法、スピンコーティング法、沈積法、スプレー法、プリンティング法及びラングミュアブロジェット法(LB法)からなる群から選択される方法によってなされるが、それらの例に限定されるものではない。また、前記のようなコーティング法を使用し、当業者ならば、選択されたコーティング方法によって適切な条件を設定して反応を行うことができる。
本発明の方法において、カップリング反応は、前記基板上にコーティングされている化学式(1)の容易脱離基R、例えば
をプローブ物質中の反応基、例えばアミノ基との反応によってプローブ物質に置換する反応である。プローブ物質とは、基板上に固定化される物質であり、標的物質と特異的に結合できる物質を意味する。本発明において、プローブ物質には、例えば蛋白質、ポリヌクレオチド及び多糖類が含まれるが、それらの例に限定されるものではない。
本発明はまた、本発明のマイクロアレイ製造方法によって製造されたマイクロアレイを提供する。本発明のマイクロアレイは、例えば蛋白質及びポリヌクレオチドのマイクロアレイが含まれる。
本発明はまた、本発明による前記化学式(1)の化合物がコーティングされているコーティング層を有するマイクロアレイ用の固体基板を提供する。
本発明の固体基板において、固体基板は、例えばガラス、シリコンウェーハ及びプラスチック物質が含まれるが、それらの例に限定されるものではない。前記固体基板は、特別な形状に限定されるものではなく、例えば扁平な形状、ナノ粒子及びチャンネル状の形状を有することがあるが、それらの例に限定されるものではない。コーティングは、従来マイクロアレイの製作過程において広く知られており、本発明において公知のそれら任意のコーティング方法が使われうる。例えば、前記コーティングは、自己組織化薄膜コーティング法、スピンコーティング法、沈積法、スプレー法、プリンティング法及びラングミュアブロジェット法からなる群から選択される方法によってなされるが、それらの例に限定されるものではない。また、前記のようなコーティング法を使用し、当業者ならば、選択されたコーティング方法によって適切な条件を設定して反応を行うことができる。
以下、本発明を実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:TES−PEG−スクシネート−NHS(8)(ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)−α−トリエトキシシリルプロピル−ω−[4−[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]−1,4−ジオキソブトキシ]エーテル)の合成
1.アリル−PEG(5)(ポリ(エチレングリコール)−モノアリルエーテル)の合成
窒素雰囲気下で、NaH(800mg、20mmol)とPEG(40g、20mmol)(Mw=およそ2,000)をフラスコに注入した後、乾燥THF(200mL)を室温で添加した。その結果として得られるスラリを水素発生がそれ以上観察されなくなるまで(約20分)撹拌した。次に、前記反応混合物に注射器を介して臭化アリル(1.7mL、20mmol)を滴下した。得られる混合物を3時間室温で撹拌した。
その結果として得られる反応混合物を遠心分離して固体残留物を分離して除去し、上澄み液を注ぎ出した。前記上澄み液を0℃でt−ブチルメチルエーテル(800ml)に滴下して重合体を沈殿させた。前記沈殿物を濾過によって回収し、真空下で乾燥し、白色固体34g(85%)を得た。得られた白色固体の核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)の分析結果は次の通りである。前記白色固体には、PEG:アリル−PEG(5):アリル−PEG−アリルが1:2:1の割合で混合されていると見られる。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−)
2.アリル−PEG−コハク酸(6)の合成
前記1で得た重合体の混合物(34g、17mmol)、コハク酸無水物(3.4g、34mmol)、NaH(1.36g、34mmol)、及びDMAP(120mg、5mol%)を窒素雰囲気下でフラスコに注入し、室温で乾燥THF(150mL)に溶解させた。3時間室温で撹拌した後、前記混合物をアンバーライト(AMBERLITE)(登録商標)IR−120(+)樹脂でイオン交換した。得られた溶出液を焼結されたガラスフィルタを介して濾過した後、前記濾過物を0℃でt−ブチルメチルエーテル(500ml)に滴下して重合体を沈殿させた。前記沈殿物を濾過によって回収して真空下で乾燥し、白色固体32g(95%)を得た。得られた白色固体のNMR分析結果は、次の通りである。前記白色固体には、コハク酸−PEG−コハク酸:アリル−PEG−コハク酸(6):アリル−PEG−アリルが混合されていると見られる。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.27(t、J=4.5Hz、2H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−)、2.65(m、4H)。
3.アリル−PEG−スクシネート−NHS(7)(ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)−α−アリル−ω−[4−[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]−1,4−ジオキソブトキシ]エーテル)の合成
前記2で得られた重合体の混合物(15g、7.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(1.73g、15mmol)を窒素雰囲気下で室温で乾燥CHCl(150ml)中に溶解させた。乾燥塩化メチレン(50ml)中のDCC(3.1g、15mmol)溶液を注射器を介して0℃で前記混合物にゆっくり添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。前記反応混合物を遠心分離し、上澄み液を注ぎ出して下端の固体残留物を除去した。前記上澄み液を0℃でt−ブチルメチルエーテル(500ml)に滴下して重合体を沈殿させた。前記沈殿物を濾過によって回収して真空下で乾燥し、白色固体(14g、93%)を得た。得られた白色固体のNMR分析結果は、次の通りである。前記白色固体には、NHS−スクシネート−PEG−スクシネート−NHS:アリル−PEG−スクシネート−NHS(7):アリル−PEG−アリルが混合されていると見られる。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.27(t、J=4.5Hz、2H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−)、2.96(t、J=6.9Hz、2H)、2.84(s、4H)、2.78(t、J=6.9Hz、2H)
4.TES−PEG−スクシネート−NHS(8)(ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)−α−トリエトキシシリルプロピル−ω−[4−[(2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)オキシ]−1,4−ジオキソブトキシ]エーテル)の合成
前記3で得られた重合体の混合物(3g、1.5mmol)及び酸化白金(4mg、0.1mol%)をスクリューキャップされている培養チューブに充填し、開放されたスクリューキャップと隔膜とを有するように蓋をかぶせた。アリルフェニルエーテル(2g、15mmol)及びトリエトキシシラン(TES)(2.98g、18.2mmol)を注射器で隔膜を介して前記混合物に順次に添加した。前記混合物を60℃から70℃で16時間撹拌した。得られた濃厚な褐色混合物を活性炭及びセライトの短いパッドを介して濾過した。前記濾過物を0℃でt−ブチルメチルエーテル(100ml)に滴下して重合体を沈殿させた。前記沈殿物を濾過によって回収して真空下で乾燥し、灰色固体(2.5g、83%)を得た。得られた灰色固体のNMR分析結果は、次の通りである。前記灰色固体には、NHS−スクシネート−PEG−スクシネート−NHS:TES−プロピル−PEG−スクシネート−NHS(8):TES−プロピル−PEG−プロピル−TESが約1:2:1の割合で混合されていると見られる。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ4.27(t、J=4.5Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−)、2.96(t、J=6.9Hz、2H)、2.84(s、4H)、2.78(t、J=6.9Hz、2H)、1.7(m、2H)、1.2(t、J=6.9Hz、9H)、0.62(t、J=8.1Hz、2H)
得られた前記化合物をエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI−MS:ElectroSpray Ionization−Mass Spectrometry)で分析した結果は、図1の通りである。その結果、前記化合物(8)の分子量は、予想値であるおよそ2,420と類似のおよそ2,500であった。
実施例2:コハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)の合成
1.2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エタノール(9)の合成
窒素雰囲気下でNaH(1.2g、50mmol)をフラスコに注入した後、乾燥THF(15mL)を添加して0℃で15分間撹拌した。前記NaHの混合物に、テトラエチレングリコール(10.7g、55mmol)を0℃で添加した。前記混合物を室温で1時間撹拌した。次に、前記混合物を水(20mL)で希釈して有機物を塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。その結果として得られる有機層を回収し、MgSO上で乾燥して濃縮し、黄色液体として生成物を得た。前記粗生成物をカラムクロマトグラフィ(Hex:EA=1:2(10%MeOH))によって精製し、無色油状として前記生成物を得た(3.8g、32%)。得られた生成物のNMR分析結果は、次の通りである。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−16H)。
2.コハク酸モノ−(2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ−エトキシ}−エチル)エステル(10)の合成
スクリューキャップ培養チューブに2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エタノール(9)(3.6g、15mmol)、コハク酸無水物(1.8g、18mmol)、ピリジン(1.22mL、15mmol)、DMAP(183mg、10mol%)、及び乾燥トルエン(5mL)を注入した。得られる混合物を80℃で10時間撹拌した。次に、反応を室温で10%のHCl(6mL)を添加することによって中断させ、反応混合物をCHCl(3×10mL)で抽出した。回収された有機層をMgSO上で乾燥し、アンバーライト(AMBERLITE)(登録商標)樹脂IR−120(+)(2g)を添加して撹拌することにより、イオン交換した。濾過によって前記樹脂を除去した後、前記濾過物を濃縮して黄色油として生成物を得た(5.2g、92%)。この化合物は、それ以上の精製なしに使用した。前記化合物に対するNMR分析結果は、次の通りである。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−14H)、2.65(s、4H)
3.コハク酸2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルエステル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(11)の合成
N−ヒドロキシスクシンイミド(1.58g、13.8mmol)及びコハク酸モノ−(2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ−エトキシ}−エチル)エステル(10)(4.6g、13.76mmol)を室温で乾燥CHCl(10mL)中に溶解させた。前記混合物中に乾燥CHCl(2mL)中のDCC(2.84g、13.8mmol)溶液を0℃でゆっくり添加した。その結果として得られる混合物を室温で2時間撹拌した。その結果として得られる反応混合物のうちの固体残留物を焼結されたガラスフィルタを介して濾過して除去し、濾過物を濃縮して黄色油として生成物を得た(5.5g、93%)。この化合物は、それ以上精製せずに使用した。前記生成物のNMR分析結果は、次の通りである:
H−NMR(300MHz、CDCl):δ5.9(m、1H)、5.28(dd、J1=14.1Hz、J2=1.8Hz、1H)、5.18(dd、J1=11.4Hz、J2=1.8Hz、1H)、4.03(d、J=5.7Hz、2H)、3.61(m、−CHCHO−14H)、2.96(t、J=6.9Hz、2H)、2.84(s、4H)、2.78(t、J=6.9Hz、2H)。
4.コハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)の合成
スクリューキャップ培養チューブにコハク酸2−{2−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルエステル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(11)(3g、6.9mmol)を充填し、窒素雰囲気下で開放スクリューキャップ及び隔膜で蓋を覆った。前記混合物にトリエトキシシラン(2.3g、14mmol)及びKarstedt触媒(0.1mL)を順次に注射器を介して前記隔膜を介して添加した。前記混合物を80℃で16時間撹拌した。その結果として得られる褐色溶液を活性炭とセライトの短いパッドとを介して濾過した。前記濾過物を濃縮して黄色油として生成物を得た。この化合物は、それ以上精製せずに使用した(3.1g、75%):
H−NMR(300MHz、CDCl):δ4.27(t、J=4.5Hz、2H)、3.82(m、6H)、3.61(m、−CHCHO−14H)、3.43(t、J=6.9Hz、2H)、2.96(t、J=6.9Hz、2H)、2.84(s、4H)、2.78(t、J=6.9Hz、2H)、1.7(m、2H)、1.2(t、J=6.9Hz、9H)、0.62(t、J=8.1Hz、2H)。
得られた化合物(12)をESI−MSで分析した結果は、図2の通りである。その結果、前記化合物(12)の分子量は、およそ728であった。
実施例3:コハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)でコーティングされている基板の製造及びその特性の評価
1.コハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)でコーティングされている基板の製造
前記実施例2で得られたコハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)をガラス材質の固体基板上で自己組織化薄膜コーティング法によってコーティングした。具体的なコーティング過程は、次の通りである。
エタノール中のコハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)溶液(濃度1%(wt/wt))を自己組織化薄膜コーティング法でコーティングした。自己組織化薄膜コーティングは、洗浄したガラスをコーティング液に1時間浸して反応を行った。自己組織化薄膜コーティングが完了した後、基板をエタノールで5分間洗浄して、110℃で45分間硬化させた。硬化された基板は、表面に反応せずに残っているコーティング成分を除去するために、さらにエタノール溶液で5分間洗浄した後で乾燥した。乾燥は、スピンドライを介して行った。
2.コハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)でコーティングされている基板の反応性及び結合力評価
(1)Alexa 532染料との反応性及び結合力
前記1で製造されたコハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)でコーティングされている基板上に、Alexa 532染料(Molecular Probe社、米国)に固定化反応を行ってアレイ状に固定化させた。固定化反応は、前記染料を100μg/mlの濃度で含むリン酸緩衝食塩水(PBS:Phosphate Buffer Saline)(0.1M)溶液を前記基板と37℃で1時間反応させることによって行われた。
このように得られた本発明の基板に、Genepix 4100B scanner(Axon社、USA)を利用して532nmの光を照射し、そこから発光される蛍光を550nmで観察し、本発明の基板の反応性を測定した。対照群としては、エポキシ基のコーティングされている基板(Telechem社、SME、米国)とアミノ基のコーティングされている基板(Corning社、#40004、米国)とに同じ染料をコーティングし、そこから発光される蛍光の強度を測定した。
次に、前記染料がコーティングされている基板を、それぞれTween 20(0.5%(wt/wt))の含まれているPBS(0.1M)溶液で2回洗浄した後、そこから発光される蛍光の強度を同じ過程によって測定した。その結果を表1に表した。
表1に示されているように、本発明の基板を使用する場合、洗浄後に固定化されている染料の比率が顕著に高く、前記化合物と染料との結合が強くなされているということが分かる。
(2)Alexa 532染料が結合されているインシュリンとの反応性及び結合力
前記1で製造されたコハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(12)でコーティングされている基板上に、Alexa 532染料(Molecular Probe社、米国)の結合されているインシュリンを固定化反応によってアレイ状に固定化させた。固定化反応は、前記インシュリンを100μg/mlの濃度で含むPBS(0.1M)溶液を前記基板と37℃で1時間反応させることによって行われた。
このように得られた本発明の基板に、Genepix 4100B scanner(Axon社、USA)を利用して532nmの光を照射し、そこから発光される蛍光を550nmで観察し、本発明の基板の反応性を測定した。対照群としては、エポキシ基のコーティングされている基板(Telechem社、SME、USA)とアミノ基のコーティングされている基板(Corning社、#40004、USA)とに同じ濃度のインシュリンをコーティングし、そこから発光される蛍光の強度を測定した。
次に、前記インシュリンのコーティングされている基板を、それぞれTween 20(0.5%(wt/wt))が含まれているPBS(0.1M)溶液で2回洗浄した後、そこから発光される蛍光の強度を同じ過程によって測定した。その結果を表2に表した。
表2に示されているように、本発明の基板を使用する場合、洗浄後に固定化されているインシュリンの比率が顕著に高く、前記化合物とインシュリンとの結合が強くなされているということが分かる。
(3)プローブ物質と標的物質との特異的結合に及ぼす影響
前記(2)で製造されたインシュリンが固定化されたマイクロアレイに、Alexa 532染料と結合されている抗インシュリン抗体(Zymed Lab、clonez 006)を結合させ、インシュリンと抗インシュリン抗体との特異的結合を誘導させた後、そこから発生する蛍光信号を測定した。
まず、固定化されたマイクロアレイ(25スポット/プレート)で、前記(2)で製造されたインシュリンと抗インシュリン抗体100ng/mlを含む溶液とを混合し、37℃で1時間反応させた。その後、Tween 20(0.5%(wt/wt))が含まれているPBS(0.1M)溶液で2回洗浄した。
次に、Genepix 4100B scanner(Axon社、USA)を利用して532nmの光を照射し、そこから発光される蛍光を550nmで観察し、本発明の基板の反応性を測定した。対照群としては、エポキシ基のコーティングされている基板(Telechem社、SME、USA)とアミノ基のコーティングされている基板(Corning社、#40004、USA)とに同じ濃度のインシュリンをコーティングされている基板を使用し、そこから発光される蛍光の強度を測定した。その結果を表3及び図3に表した。
表3に示されているように、本願発明のマイクロアレイを使用する場合、S/N比(すなわちスポット/背景比)の蛍光強度の非常に優秀な蛍光信号を得ることができた。また、図3に示されているように、スポットの様子も、本発明の基板の場合、対照群基板に比べて明確で明らかであった。図3で、Aは、本発明の基板、Bは、アミノ基のコーティングされている基板、及びCは、エポキシ基のコーティングされている基板を利用して製造されたマイクロアレイについての結果である。
以上のように、本願発明の基板と対照群基板との間で発生する信号の差が、リンカーとして使われた化合物の種類によってマイクロアレイ表面の親水性の程度において違いが出て、この違いにより、プローブ物質と標的物質との間の反応結果から得られる信号に影響を及ぼすと推測できる。本発明者らは、これを立証するために、前記各マイクロアレイの親水性の程度を接触角を測定して確認した。接触角は、CONTACT ANGLE METER(KRUSS GMBH、ドイツ)機器を使用して測定した。その結果を表4に表した。
表4に示されているように、本発明のマイクロアレイは、対照群に比べて顕著に親水性を帯びていることが分かる。
本発明は、試料分析関連の技術分野に効果的に適用可能である。
本発明の実施例1で得られた化合物をESI−MSで分析した結果を示す図面である。 本発明の実施例2で得られたコハク酸2−{2−[2−(2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステルをESI−MSで分析した結果を表す図面である。 本発明の化合物がコーティングされている基板(A)、アミノ基がコーティングされている基板(B)、及びエポキシ基がコーティングされている基板(C)を利用して製造されたマイクロアレイ上で、標的物質とプローブ物質とを反応させた後で蛍光強度及びスポットの様子を示している。

Claims (8)

  1. 下記化学式(1)の構造式を有する化合物:
    式中、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
    であり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である。
  2. 前記化学式(1)において、Rは、エトキシ基であり、cは、2または3であり、Rは、
    である、請求項1に記載の化合物。
  3. 下記化学式(1)の構造式を有する化合物:
    式中、Rは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択され、Rは、
    であり、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である;を製造する方法であり、
    −C402のポリエチレングリコールを水素化ナトリウムの存在下でアリルハライドまたはC−C15のアルキル基を有するアリルアルキルハライドと反応させ、下記化学式(2)の化合物:
    式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数である;を得るステップと、
    前記化学式(2)の化合物と炭素数3から6のジカルボン酸無水物とをNaHまたはピリジンの存在下で、触媒量のジメチルアミノピリジンとともに反応させ、下記化学式(3)の化合物:
    式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数である;を得るステップと、
    前記化学式(3)の化合物と、RH;ここでRは、
    である;とをN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させ、下記化学式(4)の化合物:
    式中、aは、3から18の整数であり、bは、1から200の整数であり、cは、1から4の整数であり、Rは、
    である;を得るステップと、
    前記化学式(4)の化合物とSiH(R;ここでRは、それぞれ同一であるか、または異なり、C−Cのアルコキシ基、ハロゲン及びC−Cのアルキル基を有するホルミルアルキル基から選択されるものである;とを白金触媒の存在下で反応させ、前記化学式(1)の化合物を得るステップとを含む方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の化合物を固体基板上にコーティングするステップと、
    コーティングされている前記化合物とプローブ物質とをカップリング反応させてプローブ物質を基板上に固定化するステップとを含むマイクロアレイの製造方法。
  5. 前記コーティングは、自己組織化薄膜コーティング法、スピンコーティング法、沈積法、スプレー法、プリンティング法及びラングミュアブロジェット法からなる群から選択される方法によってなされる請求項4に記載の方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の方法によって製造されたマイクロアレイ。
  7. プローブ物質が蛋白質またはポリヌクレオチドのマイクロアレイである、請求項6に記載のマイクロアレイ。
  8. 請求項1または請求項2に記載の化合物がコーティングされているコーティング層を有するマイクロアレイ用の固体基板。
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