JP2011082543A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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俊二 中村
Akira Hatada
明良 畑田
Yoshiaki Fukuzumi
嘉晃 福住
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Abstract

【課題】集積度が高く、低価格で高信頼性の半導体装置を提供する。
【解決手段】第1領域MCとその周囲の第2領域PCを含む基板と、第2領域PC上に形成される絶縁膜と、第1領域MC内の基板1表面上に形成される電極と、電極上に形成される誘電体膜と、誘電体膜上に形成される対向電極とを有し、絶縁膜の側壁の形状が、対向する電極の側壁の外周形状を反映した部分を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体装置とその製造方法に関し、特にキャパシタ素子を含む半導体装置及びその製造方法に関する。
ダイナミックランダムアクセスメモリ(以下「DRAM」と称す。)は、通常1メモリセル内に1つのトランジスタと1つのキャパシタを含む。メモリ容量を増大させるためには、限られたメモリセルアレイの面積内にできるだけ多くのメモリセルを配置する必要がある。
DRAMのメモリセルアレイ内では、メモリセルトランジスタのゲート電極を兼ねるワード線と、キャパシタに電荷を供給しキャパシタから電荷を読み出すためのビット線とが交差して配置されている。
各トランジスタに接続される蓄積電極と、蓄積電極に対してキャパシタ誘電体膜を介して対向するセルプレート電極によりキャパシタを構成する。
DRAMの集積度を向上させるため、半導体基板上にワード線、ビット線を配置した後、さらにその上方にキャパシタを配置するキャパシタ・オーバ・ビット線構成が知られている。キャパシタ用蓄積電極は、メモリセルトランジスタのソース/ドレイン領域のいずれか一方に接続する必要がある。絶縁層内に接続用開口を確実に形成するために、自己整合コンタクト(Self AlignedContact:以下「SAC」と称する。)構造が提案されている。
SAC構造では、メモリセルトランジスタのワード線の上面及び側面を、例えば窒化シリコン膜で覆う。トランジスタのソース/ドレイン領域に達する開口を形成する際、開口の位置が多少ずれていても、窒化シリコン膜がエッチストッパとして機能するため、確実にソース/ドレイン領域が露出される。この際、ゲート電極を兼ねるワード線は窒化シリコン膜により絶縁保護される。
ワード線を絶縁層で埋め込み、絶縁層表面上にビット線を形成する際にも、SAC構造が採用される。ビット線の上面及び側面を窒化シリコンで覆い、開口形成のため上方からエッチングする場合に、ビット線を絶縁、保護し、接続領域に確実に開口を形成する。
DRAMにおいては、さらなる集積度の向上、生産価格の低下が望まれる。高集積度のDRAMを確実に製造するためには、製造プロセスを簡略化することが望まれる。
本発明の目的は、集積度が高く、低価格で高信頼性の半導体装置の製造プロセスを提供することである。
本発明の他の目的は、集積度が高く、低価格で高信頼性の半導体装置を提供することである。
本発明の1つの観点によれば、
(a)第1領域とその周囲の第2領域を含む半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記第1領域の前記第1絶縁膜内に前記半導体基板に達する複数の第1コンタクト孔を形成し、第1コンタクト孔内に導電性プラグを形成する工程と、
(c)前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記第1領域の前記第2絶縁膜内に前記導電性プラグに達する開口を形成する工程と、
(e)前記開口内に蓄積容量用の材料膜を堆積し、不要部を除去して、前記基板と電気的に接続された蓄積電極を形成する工程と、
(f)まず、前記蓄積電極の外側側壁に沿って、スリットを形成するエッチングを行ない、次いで残留する前記第2絶縁膜を基板表面と平行方向にもエッチングし、平面視上前記第2絶縁膜の側壁の外周が前記蓄積電極の側壁外周から一定距離離れた形状を形成する工程と、
(g)前記電極の露出した表面を覆う誘電体膜を形成する工程と、
(h)前記誘電体膜上に対向電極を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法
が提供される。
バスタブの形状を有する蓄積電極をマスクレスで形成することが可能になる。DRAM等の半導体装置の製造工程を短縮することができる。半導体装置の製造コストを大幅に削減することができる。
DRAMの製造工程においては、メモリセル部と周辺回路領域との境界をマスク合わせ工程無しに自己整合的に形成することができるので、位置合わせずれを考慮する必要がない。メモリセル部と周辺回路領域との境界に余裕を持たせるための余分な領域を見込んでおく必要がなく、半導体集積回路の集積度を向上させることができる。メモリセル部と周辺回路領域との境界を必要最小限に小さくすることができ、余分な領域が形成されず、集積度を向上させることができる。
DRAMの製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 DRAMの製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 DRAMの製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 DRAMの概略的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造方法の原理を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の概略的な平面図である。図9Aはエッチング前の様子を示す。図9Bはエッチング後の様子を示す。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の概略的な平面図であり、特徴的な形状のバリエーションを示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造工程の変形例を説明するための半導体基板の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体装置の製造工程の変形例を説明するための半導体基板の概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態による半導体装置本発明の第4の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第4の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第5の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第5の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第5の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の概略断面図である。 本発明の第6の実施の形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態による半導体装置の構造を示す断面図である。
まず、図面を参照して発明者の実験的考察について説明する。
図1から図3までは、DRAMの製造工程を示す半導体基板の概略断面図である。図4は、DRAMの概略的な平面図である。
図1Aに示すように、DRAMは、メモリセルが形成されるメモリセル領域MCと、周辺回路が形成される周辺回路領域PCとに分けて考えることができる。
p型表面領域を有する半導体基板101の表面に、STI(ShallowTrench Isolation)技術を用いて素子間分離用の酸化シリコン膜102を形成する。
酸化シリコン膜102は、半導体基板表面上において複数の活性領域を画定する。
各活性領域の半導体基板表面上に、ゲート酸化膜103が形成され、その上にゲート電極(ワード線)104が多結晶シリコン、ポリサイド、金属等により形成される。
ゲート電極の上面は、窒化シリコン層105によって覆われる。窒化シリコン層105は、ゲート電極104と共にパターニングされ、同一形状を有する。
窒化シリコン層105、ゲート電極104をマスクとし、半導体基板101表面にn型不純物をイオン注入し、低濃度のソース/ドレイン領域106が形成される。メモリセル領域MCと周辺回路領域PCのnチャネルトランジスタに対して、マスクを用いて別個のイオン注入を行っても良い。
その後、半導体基板全面上に窒化シリコンが堆積され、異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極構造の側面上にのみ窒化シリコンのサイドスペーサ107が残される。
ゲート電極104上面上の窒化シリコン層105と側面上のサイドスペーサ107とにより、ゲート電極104表面は窒化シリコン層で覆われる。
必要に応じ、例えば周辺回路用のトランジスタに関しては、サイドスペーサ107を形成した後、さらに高濃度、高加速エネルギーでイオン注入を行い、高濃度のソース/ドレイン領域106aを形成する。LDD構造を有するトランジスタとなる。
半導体基板表面上に酸化シリコン等の絶縁層111を形成する。絶縁層111表面上にレジストパターンを形成し、絶縁層111をエッチングすることにより、所望のソース/ドレイン領域に達する開口が形成される。この際、ゲート電極上面及び側面上の窒化シリコン層105,107は、エッチングストッパとして機能し、自己整合的にコンタクト開口が形成される。
開口を埋め戻すように多結晶シリコン112等の導電層を堆積し、絶縁層111上面上の導電層を化学的機械研磨(Chemical MechanicalPolishing:CMP)等によって除去する。絶縁層111のコンタクト開口内に多結晶シリコン112等が埋め込まれた平坦な表面が形成される。図において、メモリセル領域MC内に並列に配置されているゲート電極104は、メモリセル領域のワード線(WL)を構成する。周辺回路領域PCに配置されているトランジスタは、周辺回路のトランジスタである。絶縁層111上にさらに絶縁層を堆積した後、図では破線で示されているビット線BLが形成され、さらに他の絶縁層を堆積する。ビット線BLは、全体として絶縁層116により周囲を囲まれる。
図4に、メモリセル領域MCにおける活性領域AR、ワード線WL、ビット線BLの配置例を示す。各活性領域は横方向に長く、左右両端に蓄積キャパシタが接続されるソース/ドレイン領域S/Dを有する。また、中央部にはビット線が接続されるソース/ドレイン領域S/Dが形成される。これらの2種類のソース/ドレイン領域S/Dの間の領域には、図中縦方向に延びるワード線WLが配置されている。すなわち、1つの活性領域ARに2つのメモリセルトランジスタが形成され、中央の共通ソース/ドレイン領域CSDには破線で示されるビット線BLが接続される。ビット線BLとワード線WLは、半導体基板表面上に交差して配置される。斜線で示された領域にビット線BL用のプラグが形成される。メモリセル用のキャパシタは、活性領域ARの両脇に形成される。図では丸印で示されている。
メモリセル領域MCの外周を囲むように周辺回路領域PCが形成されている。周辺回路領域PCには多数のトランジスタや抵抗等の素子が配置され、これらにより周辺回路が形成されている。尚、図1は図4のI−I線断面図に相当する。但し、ビット線BLの構成を明らかにするため、図1は単なる断面図ではなくビット線に関しては透過図となっている。
図1Aに戻り、絶縁層111及び116の一部を貫通し、ビット線コンタクト用の開口が形成され、ビット線BLならびにコンタクトパッド(周辺回路領域)が形成される。
絶縁層116内には別のコンタクト用開口が形成される。開口内にW等の導電材料が充填される。導電材料を形成後、絶縁層116の表面上の導電層材料が除去され、導電性プラグ117が埋め込まれた平坦な表面が形成される。平坦化された表面全面にエッチストッパ用の窒化シリコン膜120が形成される。
次に、テトラエトキシシラン(Tetra−Etoxy Silane: TEOS)を用いたCVD法により、シリコン酸化膜等により形成された絶縁層121を厚く堆積する。
絶縁層121の厚さは、例えば0.3μmから1.5μmの間が好ましい。絶縁層121上にハードマスクとしてアモルファスシリコン層122を、例えば50nm程度の厚さ堆積する。フォトリソグラフィー技術を用いてフォトレジストマスクを形成し、アモルファスシリコン層122、絶縁層121、窒化シリコン膜120を順次エッチング除去する。導電性プラグ117の表面が露出される開口部AP1が形成される。開口の側壁を形成する絶縁層の傾斜角は、例えば、88度から90度である。尚、傾斜角が88度というのは、開口の径が基板の上方に向けて徐々に大きくなっている状態を示すものである。
図1Bに示すように、基板全面に蓄積容量用の材料123aを堆積する。次いで蓄積容量用の材料123a上に、例えばSOG酸化膜を用いて内側保護膜124を形成する。内側保護膜124の厚さは20nm程度である。内側保護膜124は、薄い蓄積容量用の材料123aを内側から保護する。
次いで内側保護膜124を異方性エッチングすることにより、開口AP1内の内側保護膜124を窪ませる。
次いで、蓄積容量用の材料123aをエッチングする。絶縁層121表面及び側面に露出している蓄積電極用の材料が除去される。
図2Cに示すように、窪んだ内側保護膜124の表面の位置まで蓄積電極用材料123aをエッチングする。1つの開口AP1ごとに、分離された蓄積電極123が形成される。
次に、図2Dに示すように、蓄積電極123内に形成されている内側保護膜124と蓄積電極123間の絶縁層121とを除去する。エッチングに際しては、第1段階として反応性イオンエッチング(RIE)により異方性エッチングを行い、次いでウェットエッチングを行う。
エッチングの際、周辺回路領域PCの絶縁層121も同時にエッチングされるのを防止するために、フォトリソグラフィー技術を用いて周辺回路領域PCの絶縁層121上にフォトレジストマスクR1を形成する必要がある。
次いで、図3Eに示すように、基板表面にキャパシタ用絶縁層131を形成する。キャパシタ用絶縁層131の上に、CVD法により導電層135aを形成する。CMP法を用いて、周辺回路領域PCの絶縁層121表面がストッパとなるように導電層135aの表面を平坦化する。平坦化工程のためのとしてエッチバック法を用いても良い。このようにしてセルプレート電極135を形成する。
メモリセル領域MCに、周辺回路領域PCの絶縁層121と表面高さがほぼ等しいセルプレート電極135が形成される。
図3Fに示すように、セルプレート電極135を覆って、基板表面に絶縁膜141を形成する。その後、セルプレート電極135上にコンタクト開口部143が、周辺回路領域PCのトランジスタ上にコンタクト開口部145が形成される。コンタクト開口部143、145内を導電材料により充填し、上部配線を形成する。
上述のように、蓄積電極123内に形成されている内側保護膜124と蓄積電極123関の絶縁膜121とをエッチングする際に、周辺回路領域PCの絶縁層121も同時にエッチングされるのを防止するために、フォトリソグラフィー技術を用いて周辺回路領域PCの絶縁層121上にフォトレジストマスクR1を形成する必要がある。
ところで、このフォトリソグラフィーの工程を省略できれば、工程の短縮化、DRAMの歩留まり向上が期待できる。
発明者は、上記のフォトリソグラフィー工程を不要とする新しい工程を考案した。
図5は、発明者が考えた新しい工程を説明するための図であり、上記図2C、D間の工程に相当する工程を示す断面図である。但し、周辺回路領域PC上の絶縁層121の上にフォトレジストマスクR1を形成しない。
蓄積電極123の上部が絶縁層121表面から窪んだ状態において、内側保護膜124及び絶縁層121のエッチングを行う。エッチングには、通常、フッ酸系のウェットエッチングを用いる。内側保護膜124はSOGにより形成されている。フッ酸系のウェットエッチング液を用いると、SOGのエッチング速度は非常に速い。
蓄積電極123と絶縁層121との界面における絶縁層121のエッチング特性と、前記界面から離れた内部の領域(バルク領域)の絶縁層121のエッチング特性とが異なるようにしておく。エッチング液をうまく選択することにより、蓄積電極123と絶縁層121との界面における絶縁層121を速やかにエッチング除去することができる可能性がある。
当初、エッチングは、蓄積電極123と絶縁層121の界面を基板方向に向かって進む(矢印AR1で示す)。界面にスリットが形成され、その後、エッチングは蓄積電極123と絶縁層121との界面に垂直な方向に進む(矢印AR2で示す)。
実際、フッ酸系のエッチング液を用いてエッチングを行うと、蓄積電極123と絶縁層121との界面近傍の絶縁層121のエッチングレートは、バルクの絶縁層121より1桁程度速い。エッチングは、まず界面に沿って進行し、続いて横方向にも等方向的に進行する。
一旦、蓄積電極123と絶縁層121との界面がエッチングにより分離されれば、蓄積電極123間に存在する絶縁層121は素早くエッチングされる。蓄積電極123間の絶縁層121は、両側の蓄積電極123との界面からエッチングにより除去されることになる。蓄積電極間の幅の約半分の厚さ分の絶縁膜をエッチング除去すれば、蓄積電極間の絶縁膜を全て除去することができる。例えば、0.15〜0.13μmルールのDRAMでは、蓄積電極間の距離は、約0.1μmである。従って、少なくとも0.05μm程度の絶縁膜の除去を行えばよい。実際には、エッチング量がバラツクことを考慮して、0.1μm程度の絶縁膜を除去しておくのが好ましい。
メモリセル領域MC以外の領域、例えば周辺回路領域PCの上面の絶縁層121も上面から基板方向に向けて(矢印AR3で示す)エッチングされる。絶縁層121は、表面から0.1μm程度エッチングされることになるが、予めこのエチング分を見込んで絶縁層121の厚さを厚めにしておけば特に問題ない。メモリセル部MCと周辺回路領域PCとの界面においても、矢印AR4で示すように周辺回路領域PC方向へ向けて基板表面と平行な方向にエッチングが進行する。このエッチングもエッチング量が約0.1μmあれば、特に問題とはならない。
上述の工程を実現できれば、周辺回路領域PCを覆うフォトレジストマスク、従ってフォトリソグラフィー工程は不要となる。
発明者は、上記の工程を実現させるための手段として以下に説明するような第1から第3までの3つの手段が存在することを見いだした。
a)第1の手段: 蓄積電極用の材料と絶縁層との界面における密着性が弱い組み合わせを選択する。両者の密着性が弱ければ、ウェットエッチング時にまず界面に沿ってエッチング液がしみ込み、絶縁層のエッチングが急速に進行する。
b)第2の手段: 蓄積電極を、絶縁層の開口内に形成した後、熱処理等を行う。蓄積電極を構成する材料又はその一部が蓄積電極と絶縁層との界面付近の絶縁層中に拡散する。界面付近の絶縁層は、金属材料を拡散させることによりウェットエッチングの速度が速まる。
c)第3の手段 絶縁層上に蓄積電極を形成する材料を堆積する前に、所定のウェットエッチング法を用いた場合のエッチング速度が絶縁層や蓄積電極に比べて速い分離膜を薄く形成しておく。絶縁層の表面に堆積した蓄積電極材料をCMP法などにより取り除く際に、分離膜の端面が露出する。分離膜を選択的に又は非常に速くエッチングするエッチング方法を用いることにより、分離膜を選択的に除去する。分離膜が除去された蓄積電極と絶縁層との界面にスリットが形成される。絶縁層をエッチングするためのエッチング液がスリット内にしみ込み、絶縁層がエッチングされる。
上記の第1から第3までの手段のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを適宜選択することができる。
以下に図面を参照して本発明の第1の実施の形態による半導体装置およびその製造方法について説明する。
図6Aに示すように、DRAMを、メモリセルが形成されるメモリセル領域MCと周辺回路が形成される周辺回路領域PCとに分けて考えることができる。
p型表面領域を有する半導体基板1の表面に、STIを用いて素子間分離用の酸化シリコン膜2を形成する。
酸化シリコン膜2は、半導体基板表面上に複数の活性領域を画定する。
各活性領域の半導体基板表面上に、ゲート酸化膜3が形成され、その上にゲート電極(ワード線)4が多結晶シリコン、ポリサイド、金属等により形成される。
ゲート電極4の上面は、窒化シリコン層5によって覆われる。窒化シリコン層5は、ゲート電極4と共にパターニングされ、同一形状を有する。
窒化シリコン層5、ゲート電極4をマスクとし、半導体基板1表面にn型不純物をイオン注入し、低濃度のソース/ドレイン領域6が形成される。その後、半導体基板全面上に窒化シリコンが堆積され、異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極構造の側面上にのみ窒化シリコンのサイドスペーサ7が形成される。
必要に応じ、例えば周辺回路用のトランジスタに関しては、サイドスペーサ7を形成した後、さらに高濃度、高加速エネルギーでイオン注入を行い、高濃度のソース/ドレイン領域6aを形成する。LDD構造を有するトランジスタとなる。
周辺回路領域PCのトランジスタをCMOSで形成する場合には、n型の不純物層を形成するためのイオン注入に加えてp型の不純物層を形成するためのイオン注入を行えば良い。
半導体基板表面上に酸化シリコン等の絶縁層11を形成する。絶縁層11表面上にレジストパターンを形成し、絶縁層11をエッチングすることにより、所望のソース/ドレイン領域に達する開口が形成される。この際、ゲート電極上面及び側面上の窒化シリコン層5,7は、エッチングストッパとして機能し、自己整合的にコンタクト開口を形成することができる。
開口を埋め戻すように多結晶シリコン12等の導電層を堆積し、絶縁層11表面上の導電層をCMP等を用いて除去する。絶縁層11上のコンタクト開口内に多結晶シリコン12等が埋め込まれた平坦な表面が形成される。
図6Aにおいて、メモリセル領域MC内に並列に配置されているゲート電極4は、メモリセル領域のワード線(WL)を構成する。周辺回路領域PCに配置されているトランジスタは、周辺回路のトランジスタである。絶縁層11上にさらに他の絶縁層16を堆積し、多結晶シリコン層12に至るコンタクト開口を形成した後、図では破線で示されているビット線BLが形成される。
図4に、メモリセル領域MCにおける活性領域AR、ワード線WL、ビット線BLの配置例を示す。各活性領域は横方向に長く、左右両端に蓄積キャパシタが接続されるソース/ドレイン領域S/Dを有する。また、中央部にはビット線BLが接続される共通ソース/ドレイン領域CSDが形成される。これらの2種類のソース/ドレイン領域S/Dの間の領域には、図中、縦方向にワード線WLが配置されている。すなわち、1つの活性領域ARに2つのメモリセルトランジスタが形成され、中央の共通ソース/ドレイン領域CSDには、ビット線BLが接続される。ビット線BLとワード線WLは、半導体基板表面上に交差して配置される。
図6Aに戻り、絶縁層11の上に層間絶縁膜(符号16の一部)を形成し、ビット線開口およびビット線BLを形成した後、さらに層間絶縁膜(符号16の一部)を形成する。
層間絶縁層16内には別のコンタクト用開口15が形成される。開口15内にW等の導電層が充填される。導電層を形成後、層間絶縁層16の表面上の導電層材料が除去され、導電性プラグ17が埋め込まれた平坦な表面が形成される。
ところで、前述の工程のように界面に沿ってエッチングを進める場合に、その下部構造にまでエッチング液がしみ込み、下部構造までがエッチング除去されてしまう恐れがある。
また、蓄積電極の外周を覆っていた絶縁層がエッチング除去されると、蓄積電極は底面で下部構造(プラグ)と密着力のみにより支持されることとなる。蓄積電極が転倒しやすくなる。
そこで、平坦化された表面全面に下部領域にまでエッチングが進行しないように、エッチストップ用の窒化シリコン膜20が形成される。
加えて、蓄積電極との密着性の良い窒化シリコン膜20を用いてその開口内に蓄積電極の下部を納める。蓄積電極の下部においてその外周を窒化シリコン膜が支持し、蓄積電極が倒れないようにする。
次いで、テトラエトキシシラン(Tetra−Etoxy Silane: TEOS)を用いたCVD法により、シリコン酸化膜等により形成された絶縁層21を厚く堆積する。
絶縁層21の厚さは、例えば0.3μmから1.5μmの間が好ましい。絶縁層21上にハードマスクとしてアモルファスシリコン層22を、例えば50nm程度の厚さ堆積する。フォトリソグラフィー技術を用いてフォトレジストマスクを形成し、アモルファスシリコン層22、絶縁層21、窒化シリコン膜20を順次エッチング除去する。導電性プラグ17の表面が露出される開口部AP2が形成される。開口の側壁を形成する絶縁層21の傾斜角は、例えば、88度から90度である。尚、ここで、傾斜角が88度というのは、開口AP2の径が基板の上方に向けて徐々に大きくなるように傾斜している状態を表す。
尚、本明細書において、「内壁が半導体表面に対してほぼ直立する」との表現は、半導体表面に対して90度の角度で立ち上がる場合のみではなく、例えば半導体表面に対して角度が80度から90度までの範囲であれば良い。
図6Bに示すように、基板全面に蓄積容量用の材料、例えばRu膜23aをCVD法により堆積する。Ru膜の厚さは、例えば20nm程度である。次いでRu膜の上に、例えばSOG膜を用いて内側保護膜24を形成する。内側保護膜24の厚さは200nm程度である。内側保護膜24は、薄いRu膜を保持し、Ru膜が内側からエッチングされるのを保護する機能を発揮する。
次いで内側保護膜24を異方性エッチングすることにより、開口AP1内の内側保護膜24を窪ませる。
次いで、Ru膜23aをエッチングする。基板表面及び側面に露出しているRu膜が除去される。
図7Cに示すように、窪んだ内側保護膜24の表面の位置までRu膜がエッチングされる。内側保護膜24の表面の位置までRu膜がエッチングされ、1つの開口AP2ごとに、分離された蓄積電極23が形成される。
次に図7Dに示すように、蓄積電極23内に形成されている内側保護膜24を除去する。エッチングに際しては、第1段階として反応性イオンエッチング(RIE)により異方性エッチングを行う。次いで、アッシング処理、コリン(Colin)処理、希フッ酸処理を行う。希フッ酸は、例えばフッ化水素酸と水とを、例えば、2:100の割合で混合した緩衝液を用いる。
蓄積電極23と絶縁層21との界面に沿ってエッチングが速やかに進行してスリットが形成され、次いで、基板表面と平行な方向にエッチングされる。エッチング処理により、内側保護膜24と、蓄積電極23間の絶縁層21とが除去される。SOGで形成された内側保護膜24は、絶縁層21に比べてフッ酸系のエッチング液によりエッチングした際のエッチング速度が速く、速やかに除去される。
次いで、図8Eに示すように、基板表面にキャパシタ用絶縁層31を形成する。キャパシタ用絶縁層31の材料としては、誘電材料、好ましくは高誘電率の材料、例えばTa25が用いられる。Ta25の厚さは、例えば10nmである。キャパシタ用絶縁層31の上に、CVD法により導電層35a、例えばTiON層、Ru、W、WN、SRO等を形成する。導電層35aの厚さは例えば200nmである。周辺回路領域PCの絶縁層21表面をストッパとしてCMP法を用いて導電層35aの表面を平坦化し、セルプレート電極35を形成する。平坦化工程のための方法としてエッチバック法を用いても良い。
メモリセル領域MCに、周辺回路領域PCの絶縁層21と表面高さがほぼ等しいセルプレート電極35が形成される。
次いで、図8Fに示すように、基板表面にTEOS絶縁膜41を形成する。その後、セルプレート電極35上にコンタクト開口部43が、周辺回路領域PCのトランジスタ上にコンタクト開口部45が形成される。コンタクト開口部43、45内を導電材料により充填し、上部配線を形成する。
上記第1の実施の形態による半導体装置の製造方法によれば、周辺回路領域の絶縁層に対して、蓄積電極内及び蓄積電極間の絶縁層をほぼ選択的に除去できる。
従って、蓄積電極内及び蓄積電極間の絶縁層をエッチング除去する際に、周辺回路領域の絶縁層が同時に除去されるのを防止するための追加の保護マスク形成工程が不要になる。DRAMの製造工程が簡略化される。
上記の半導体装置の製造方法を用いて製造したDRAM構造において特徴的な構造について図9及び図10を用いて以下に説明する。
図9Aに示すように、メモリセル領域MC内に多数形成された蓄積電極23の外周部は、フォトリソグラフィー工程によってその形状が決まるため、通常、ある間隔だけ隔ててほぼ平行に向き合う直線状の部分23cと2本の直線状の部分23cをその両端で結ぶ2本の円弧状の部分23dとからなるレーストラック状の形状を有している。
メモリセル部MCの絶縁層21と蓄積電極23とを分離するためのエッチングを行うと、蓄積電極23の外周形状を反映するように蓄積電極23の外周部からほぼ等距離だけ離れた面までの領域に存在する絶縁層がエッチングされる。図9Aに示すように、外周部23c、23dを結ぶレーストラック状の形状を反映して、一点鎖線で示される仮想線の内側の領域に存在する絶縁層21が除去されることになる。
図9Bに、絶縁層21のエッチングが終了した後の平面形状を示す。実線53で示される輪郭の内側部分に形成されていた絶縁層がエッチングされる。実線53で示される部分の形状は、図9Aにおける蓄積電極の外周形状のうち直線状の部分23cの形状を反映した直線状の部分53cと、図9Aにおける円弧状の部分23dの形状を反映した円弧状の部53aとを結んだ形状となる。直線状の部分53c間には内側に向けて窪む形状の部分53dが形成されており、円弧状の部分23dの間にも、同様に内側(メモリセルMC側)に向けて絶縁層が突出する形状の部分53bが形成される。実線53が、メモリセル領域MCと周辺回路領域PCとの境界を画定することになる。
加えて、各メモリセル間の間隔をある程度広くとる場合に、またはオーバーエッチングを少な目にする場合、メモリセル領域MC内には、以下に説明するような構造が残留する。
メモリセル領域MC内の左右上下に並ぶ4つのメモリセルの中心間を結ぶ2本の対角線の交点付近に、ほぼ菱形に形成された搭状の絶縁層51が残留する。
尚、実際には、蓄積電極は、マスクパターンとしては長方形の形状をしているのが一般的である。ところで、長方形の形状を、フォトリソグラフィー技術を用いて形成する場合には、回折、干渉で角部は丸め込まれ、完全な長方形のパターンとはなりにくい。いわゆるショートニング効果と呼ばれる効果により、蓄積電極パターンの長手方向の間隔は、短い方向の間隔よりも広くなる傾向が強い。
さらに、4つの蓄積電極のうち対角線方向に並ぶ2つの蓄積電極間の間隔は、水平方向又は垂直方向に隣接する蓄積電極間の間隔と比べて広くなる。従って、水平方向又は垂直方向に隣接する蓄積電極間に存在する絶縁層を除去するために必要な時間に多少のオーバーエッチング時間をも見込んでエッチングを行ったとしても、対角線方向に並ぶ2つの蓄積電極間に存在する絶縁層が全てエッチングされるとは限らない。典型的には、菱形の形状をした島状の絶縁層領域が残る。
エッチング時間を長くしすぎると、菱形の絶縁層領域は消失することになる。残された菱形の部分51の形状および寸法は、蓄積電極間の間隔と絶縁層のエッチング量とに依存する。
ところが、あまりエッチング時間を長くすると、メモリセル領域MCと周辺回路領域PCとの境界を画定する境界線53が、周辺回路領域PCの方に向けて拡がっていく。周辺回路領域PCの絶縁層がオーバーエッチングされてしまう。このオーバーエッチングされた領域は、何らの機能も有していないことから無駄な領域といえる。このような無駄な領域が増えると、チップ表面を余計な領域が占有することになり、素子の詰め込み密度を低下し、ひいてはチップサイズを大きくすることになる。チップ単価を押し上げることにもなる。
また、この隙間を埋めるためにプレート電極を厚くすることもできるが、余計なプレート電極の成膜に余計な時間が必要となる。プレート電極が厚くなると、プレート電極中にクラックが入る等の問題も生じる。
従って、境界線53を必要以上にメモリセル領域MC外方に拡げるのは得策ではなく、拡がりを最小限に押えることが望ましい。すると、メモリセル間に酸化物の柱状体が残る。
図10に示すような特徴的な形状のバリエーションが存在する。
図10Aに示すように、水平方向に隣接する蓄積電極間の距離が長ければ、各メモリセル間には菱形状の領域は形成されない。代わりに複数の蓄積電極が水平方向に整列して形成される2つの蓄積電極の列間に、帯状の絶縁層領域55が形成される。帯状の絶縁層領域55の外周部は、内側に凸の円弧状の外周部53aが垂直方向に整列した形状を有している。
図10Bに示すように、蓄積電極が垂直方向に整列しておらず、斜め方向に整列している場合には、蓄積電極の列の間に斜め方向に延びる帯状の絶縁層領域57が形成される。斜め方向に延びる帯状の絶縁層領域57は、内側に凸の円弧状の外周部53aと直線状の外周部53cの一部とを1単位としてこの1単位が複数、連続して繋がった外周形状を有している。
図10Cに示すように垂直方向に隣接する蓄積電極間の距離が長ければ、水平方向に複数の蓄積電極が整列して形成される蓄積電極の行間に、帯状の絶縁層領域60が形成される。帯状の絶縁層領域60の外周部は、直線状の外周部53cと外側に凸の円弧状外周部53aの一部とを1単位としてこの1単位が複数、連続して繋がった形状を有している。
図10Dに示すように、水平方向及び垂直方向に隣接する蓄積電極間の距離が長ければ、1つの蓄積電極ごとに分離された被エッチング領域が形成される。すなわち、絶縁層内にレーストラック状断面を有する開口が形成され、この開口内に絶縁層から一定距離離れて平面視レーストラック状の形状を有する蓄積電極が配置される。
以上に説明したように、メモリセル中の蓄積電極の配置を変えると、絶縁層のエッチングを行った後に残される絶縁層の形状は変化する。従って、その形状をある1つの形状として特定することは困難であるが、絶縁層がエッチングされた部分(被エッチング部)の外周形状は、蓄積電極の外周形状を反映していることは確かである。蓄積電極の外周からのエッチングは基板面と水平な方向に等方的に進むと考えられ、従って、蓄積電極の外周から絶縁層の外周を画定する境界線までの距離は、ほぼ等しくなる。本明細書において、「蓄積電極の外周形状を反映する」との表現は、上記のような状態を意味している。
但し、例えば図10Aから図10Dに示すように、基板面と水平な方向に向けてエッチングされる距離が、隣接する蓄積電極間の距離よりも長い部分においては、実際には絶縁膜がエッチング処理の途中で完全に除去されてしまう。この場合にも、一部の絶縁層が残り、その残った絶縁層の形状が蓄積電極の外周部の形状を反映していれば、外周部の形状を反映すると表現することができる。本明細書における「外周形状を反映する」との表現は、上記の状態をも含むものである。
次に、本発明の第1の実施の形態による半導体装置及びその製造方法の変形例について図面を参照しつつ説明する。
図11A、B及び図12C、Dは、第1の実施の形態における図7Cに対応する図である。
図11Aに示す構造では、蓄積電極23と内側保護膜24との表面が、絶縁層21の表面とほぼ面一になっている。蓄積電極23および内側保護膜24の表面が窪んでいない。
この構造では、プレート電極用の導電層35aを堆積した後に、周辺回路領域PCの絶縁層21表面をストッパとしてCMP法を用いて導電層35aの表面を平坦化すると、蓄積電極上のセルプレート電極が除去されるため、セルプレート電極の抵抗が高くなってしまう。前述のように、蓄積電極23の上面が、絶縁層21の上面とほぼ面一になっているからである。
従って、プレート電極を形成する際には、導電層35a上にフォトレジスト等により加工用のマスクを形成する必要がある。
上記の構造においても、蓄積電極を形成する際にはマスクが不要である。従って、製造工程が簡略化される。
図11Bに示す構造では、蓄積電極内に内側保護膜が形成される開口部が存在しない。蓄積電極用の導電膜を厚めに堆積することにより、中実の蓄積電極が形成される。いわゆる台座(Pedestal)構造の蓄積電極である。
この構造においても、蓄積電極間の絶縁層21をエッチングする際に周辺回路領域PC上の絶縁層21を覆うマスクは不要である。蓄積電極23の表面は、絶縁層21の表面に対して窪んでいる。従って、プレート電極形成工程においても、CMP法等を用いることができ、マスク形成工程が不要となる。
図12Cに示す構造は、絶縁層21のエッチング時において、絶縁層21上にアモルファスシリコン膜22を残している。このアモルファスシリコン膜22は、開口21を形成するための反応性イオンエッチングを行う際における、いわゆるハードマスクとして働く。アモルファスシリコン膜2を残しておくことにより、絶縁膜21が上面から目減りするのを緩和する機能もある。
尚、蓄積電極23を窪ませる際には、アモルファスシリコン膜22と絶縁膜との界面の高さよりも深くまで窪ませる必要がある。絶縁層21の側面を露出させ、絶縁層21の除去のためのウェットエッチング時に絶縁層21と蓄積電極23の界面に早くエッチング液がしみ込むようにするためである。
上記のアモルファスシリコン膜22は最終的には除去する。アモルファスシリコン膜22に代えて、Al23やSi34などの絶縁材料を残すこともできる。
絶縁層21をフッ酸系のエッチング液でエッチングした際にアモルファスシリコン膜22はエッチングされずに残る。アモルファスシリコン膜22は、通常薄く形成するため、強度的にはもろい。アモルファスシリコン膜22の強度を保つため、上述の菱形状に残る絶縁層をその支柱として機能させることもできる。
図12Dに示す構造は、プラグの形成工程を省略した構造である。蓄積電極用の開口と、その下の接続用の開口とが一体に形成され、蓄積電極用導電材料により蓄積電極部分とプラグに相当する部分とが一体になって形成される。
次に本発明の第2の実施の形態による半導体装置の製造方法について説明する。
第2の実施の形態による半導体装置の製造方法は、絶縁層と蓄積電極との界面近傍の絶縁層のエッチング速度を速くするための第2の手段、すなわち、以下の方法を採用している。
蓄積電極として例えばRuやRuO2の他、Pt、W、WN、TiN、SRO、Ir、IrOx絶縁層の開口内に形成した後、350℃から800℃の間の温度で熱処理を行う。
蓄積電極を構成する材料又はその一部であるRuが蓄積電極と絶縁層との界面付近の絶縁層中に拡散する。Ruが絶縁層中に拡散すると、フッ酸系のエッチング液でエッチングした際の絶縁層のエッチング速度が増す。蓄積電極と絶縁層との界面付近の絶縁層が速やかにエッチングされる。この現象を利用することにより、周辺回路領域上の絶縁層に対して、蓄積電極間に存在する絶縁層をほぼ選択的に除去することができる。その他の工程については、第1の実施の形態による半導体装置の製造方法と同様の方法が用いられる。
尚、蓄積電極用の導電材料として不純物がドーピングされた多結晶シリコンを用いることもできる。その場合には、熱処理を行うことによって多結晶シリコン内の不純物、例えば燐やヒ素、ボロン等が絶縁層中に拡散する。不純物が拡散すると、絶縁層のエッチング速度は増す。蓄積電極と絶縁層との界面の密着性が良くない場合と同様に、周辺回路領域上の絶縁層に対して蓄積電極間に存在する絶縁層をほぼ選択的に除去することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態による半導体装置の製造方法について説明する。
第3の実施の形態による半導体装置の製造方法は、絶縁層と蓄積電極との界面近傍の絶縁層のエッチング速度を速くするため、前述の第3の手段を採用している。
すなわち、絶縁層上に蓄積電極を形成する材料を堆積する前に、ウェットエッチングによるエッチング速度の速い分離膜を薄く形成しておく。絶縁層の表面に堆積した蓄積電極材料をCMP法などにより取り除く際に、分離膜の端面が露出する。蓄積電極形成後、分離膜を選択的に又は非常に速くエッチングするエッチング方法を用いることにより、分離膜を除去する。分離膜が除去された蓄積電極と絶縁層との界面にスリットが形成される。続いて絶縁層のエッチングが行われる。絶縁層をエッチングするためのエッチング液がスリット内にしみ込み、絶縁層がエッチングされる。分離膜のエッチングと絶縁層のエッチングとは、同じエッチングでも別のエッチングでも良い。
以下に具体的な工程について図13から図15までを参照して説明する。
図13Aに示すように、絶縁層21に開口AP2を形成する際に、厚い絶縁膜21の下部に形成されている窒化膜20をエッチングストッパーとして用いる。窒化膜20の表面でエッチングを停止させる。窒化膜20内に開口を形成しない。
尚、窒化膜に開口を形成しても良いが、この段階では開口を形成しない方が、後に蓄積電極の転倒を防止できるので有利である。
次に、所定のエッチング液でエッチングした場合に、絶縁層21と比較してそのエッチングレートの速い材料により形成される分離膜61を、開口AP2の内壁を含む基板表面上にCVD法或いはスパッタ法を用いて堆積する。分離膜61として、例えばTiを用いる。Tiからなる分離膜61は、開口AP2の内壁における膜厚が、例えば5nm程度となるように成膜する。
尚、分離膜61用材料としては、蓄積電極と反応せず、異方性エッチングが容易でHF以外のエッチング液で容易にエッチングできる材料が望ましい。
図13Bに示すように、異方性エッチングを用いて、Tiからなる分離膜61をエッチングする。
異方性エッチングの条件としては以下の条件を用いることができる。
例えば。多結晶シリコンに対してはCF4とO2との混合ガスが用いられる。Wに対しては、SF6が用いられる。Al、TiN、Ti、Al23に対しては、SiCl4が用いられる。Cや有機膜に対してはO2が用いられる。Si3N4に対しては、CF4とO2との混合ガスが用いられる。
尚、Cや有機膜としては、特別に準備したものを用いなくても、開口AP2を異方性エッチングにより形成した際に、開口内壁に堆積される被膜(内壁を保護し垂直エッチングを可能にする)を除去せずにそのまま用いても良い。また膜と表現できないようなもの、例えば薬品により処理した場合に付着した付着物でも良い。
異方性エッチングを行うことにより、Ti分離膜61のうち、開口AP2の内壁に堆積された分離膜61のみが残る。
更に、開口AP2底部に残る窒化膜20をエッチングにより除去する。コンタクトプラグ(セルトランジスタのソース又はドレインに接続される)17表面に達する開口を形成する。
図14Cに示すように、蓄積電極用の導電材料23aを形成する。導電材料23aとしては、例えば、Ruが用いられる。Ruを、例えばCVD法を用いて20nm程度堆積する。
開口部AP2内に形成される窪みを、例えばレジスト又はSOG等(24)で埋める。図14Dに示すように、導電材料23aであるRuをエッチングし、酸化膜21の表面を露出させる。
次に、ボイルド塩酸やボイルド硫酸、硫酸に過酸化水素を混合した液などのエッチング液を用いて基板全面をエッチングする。分離膜21の材料に応じて次のウェットエッチングを用いることもできる。
例えば、Wに対してボイルド硫酸が、多結晶シリコンに対しては希釈したHFとHNO3との混合液が、TiNに対しては過酸化水素と硫酸との混合液が、Alに対してはHClが、Al23に対しては、ボイルド硫酸が用いられる。
図15Eに示すように、開口内壁に形成されている導電材料23a(例えば、Ti)がエッチングされ、基板表面から下部の窒化膜20に至る空洞(スリット)63が、蓄積電極24と隣接する絶縁膜21との界面に形成される。
図15Fに示すように、フッ酸系エッチャントのエッチング処理を行う。フッ酸系のエッチング液は、スリット63内に浸透し深部に至る。絶縁層21の等方的なエッチングが行われる。蓄積電極23間の絶縁層21が除去される。上記第1又は第2の実施の形態による製造方法と同様に、周辺回路領域上の絶縁層を保護するマスクを必要としない。
尚、分離膜除去工程において用いられるエッチング液としては、フッ酸を含まないエッチング液を用いるのが好ましい。フッ酸系のエッチング液を用いると、周辺の絶縁膜21もエッチングされてしまうからである。
尚、同じHFを用いた場合でも、HFに対するエッチング速度が、分離膜61のエッチング速度が絶縁膜21のエッチング速度に対して十分に速ければ十分使用可能である。
スリット63は、窒化膜20と蓄積電極23との界面には形成されない。水平方向に隣接する蓄積電極23間に窒化膜20からなるスペーサが介在しているため、蓄積電極23の転倒の可能性が低減する。
尚、窒化膜20を貫通する開口を形成した後にTiの分離膜61を形成すると、Tiの分離膜61が窒化膜20の側壁にも形成される。窒化膜20の側壁と蓄積電極23の外側壁との間にもスリットが形成されるため、蓄積電極が倒れ易くなる。
上記の半導体装置の製造方法によれば、CVD法により形成されたRuの成膜条件を、上記第1の実施の形態による半導体装置の製造方法とは変えることが好ましい。
上記第1の実施の形態によるDRAMの製造方法においては、Ruと酸化膜との界面の密着性を適度に制御して(密着性をある程度弱めて)、フッ酸系のエッチング液でエッチングを行った場合に、エッチング液が速やかに界面にしみ込むようにするのが好ましい。
これに対して本実施の形態による半導体装置の製造方法によれば、Ruと絶縁層との界面の密着性を強めて、フッ酸系のエッチング液でエッチングを行った場合でも、そのエッチング液がRuと絶縁膜との界面にしみ込みにくいようにするのが好ましい。そのための手段として、例えば、Ru成膜工程のうち初期の段階において、雰囲気中に酸素をわずかに添加してRuOを薄く成膜する。次いで酸素の供給を停止してRuを形成する方法がある。
上記の方法を用いると、絶縁層(シリコン酸化膜等)とRuO膜との密着性は良好であるため、フッ酸系のエッチング液でエッチングを行った場合でも、エッチング液が界面にしみ込みにくい。
次に、本発明の第4の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について図面を参照して説明する。
本実施の形態による半導体装置の製造方法も、蓄積電極と隣接する絶縁膜との界面のエッチングレートが速い現象を利用したものである。
ところで、上記の現象は、蓄積電極23の下部に形成され、エッチングによる除去は行わない絶縁膜(16: 主に酸化膜)の表面において停止されるのが好ましい。絶縁膜16の表面でエッチングが停止しないと、蓄積電極23をその下部において支える絶縁膜16がエッチングにより除去されて、蓄積電極23の支持機構が失われ、デバイスの構造が破壊される恐れがある。蓄積電極23の絶縁性が失われる等、正常なデバイス特性を維持できなくなる可能性がある。
本実施の形態による半導体装置の製造方法は、上記の点を考慮し、次に説明するような構造及びプロセスを採る。
図16に示すように、蓄積電極23の下部に、蓄積電極23との密着性が良く、蓄積電極と隣接する絶縁層との間の界面をエッチングする場合にエッチング速度が非常に遅い材料により形成された絶縁性の密着層20を形成する。密着層20は、例えばシリコン窒化膜により形成される。この密着層20は、蓄積電極23と隣接する絶縁層21との間の界面をエッチングする際に、下部構造まではエッチングされないようにするエッチングストッパ層の機能を兼ねる。
蓄積電極形成用の開口部AP2内において、上記の密着層20内を貫通する開口が形成される。その後に、蓄積電極用の導電性材料を堆積する。
蓄積電極23の外側壁と密着層20の内側壁とが接触している。この密着層20と蓄積電極23との界面では、フッ酸系のエッチング液によるエッチングの際におけるエッチングレートが速くなる現象は起きない。フッ酸系のエッチング液によるエッチングの際に形成されるスリットは、蓄積電極23の外側壁と密着層20の内側壁とが接触している部分には形成されない。
尚、スリットの形成を停止する機能が、密着層20を形成するだけでは不十分な場合には、エッチングストッパー層を兼ねる密着層の厚さを厚くすれば良い。
密着層20の厚さとしては、蓄積電極23の高さの半分程度にまで厚くすることが可能である(破線DL参照)。密着層20の厚さを厚くすると、その厚さに相当する部分の蓄積電極外壁の面積分、蓄積電極23に蓄積される電気容量の値は小さくなる。但し、この場合でも、内壁はほぼ全部の面積分を容量として使用することができる。
このような構造を作成した後は、上述の方法と同様の方法により蓄積電極23を形成し、隣接する蓄積電極間の絶縁層21を除去する。密着層兼エッチングストッパ層20の厚さが十分に厚いので、蓄積電極23の外側壁にスリットを形成するためのエッチング工程を行っても、スリットの形成は密着層の厚さ方向の途中において停止し、蓄積電極下部にまで到達するスリットが形成される可能性が少ない。
尚、密着層20を複合膜としても良い。たとえば、窒化膜/酸化膜、窒化膜/酸化膜/窒化膜の2層、3層構造としても良い。複合膜であっても、表面側の層の少なくとも一層が蓄積電極23との密着性が良く、耐HF性があり、界面でのHFのしみ込みを防止できるものであれば、全体として上記の構造と同じように、密着層としての機能を持たせたり、エッチングストッパ膜と兼用させたりすることができる。
次に本発明の第4の実施の形態による半導体装置及びその製造方法の変形例について説明する。
本変形例においては、密着層20の窒化膜の代わりに、タンタルの酸化膜(例えば、Ta25やTa26を含む)、BST(Barium Strontium Tantalate)又はST(Strontium Tantalate)、アルミナ(Al23)等の材料により形成された絶縁膜が密着膜として用いられる。3層構造における窒化膜1層を上記の膜に置換することができる。
これらの材料は、フッ酸系のエッチング液によってはほとんどエッチングされない。加えて、蓄積電極を形成する材料、例えばRuとの密着性が良好である。
従って、蓄積電極の外側壁にスリットを形成するためのフッ酸系のエッチング液を用いたエッチング工程を行っても、スリットの形成は密着層の厚さ方向の途中において停止し、蓄積電極下部にまで到達するスリットが形成される可能性が少ない。
次に本発明の第5の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について説明する。
図17は、第5の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について説明するための断面図である。
図17に示す構造において、蓄積電極23の下部に形成されているプラグ17の周辺を覆う材料16のうちの表層16bは、フッ酸系のエッチングに対して耐エッチング性があり、プラグ17用の材料との密着性が良好な材料である。材料16として、例えば、窒化膜或いは窒化膜/酸化膜/窒化膜の3層構造からなる積層構造を有する絶縁層を用いることができる。
図18および図19に、上記の図17に示す構造を形成するための工程を示す。
第1の層間絶縁膜の表層16a上にシリコン酸化膜16cを形成する。シリコン酸化膜16c内に第1の層間絶縁膜11までは到達しない溝を形成するとともに、下部構造へのコンタクト用開口を形成する。溝内に例えばW配線を埋め込む。その後、絶縁層16a例えば窒化シリコン膜を用い、W配線上を覆う。可能であれば、基板表面を平坦化する。平坦化工程は任意の工程である。
次いで、CVD法を用いて窒化膜16bを形成する。厚さは、例えば50nm〜200nmである。
図18Bに示すように、フォトレジストパターンをマスクとして、窒化膜16b、窒化膜16a、酸化膜16cを貫通する開口AP3を形成する。開口AP3は、メモリセルトランジスタのソース/ドレインに至る。開口AP3を形成するためには、DRAMの製造工程において通常用いられているSACプロセスを用いても良い。要するに、ソース/ドレインに電気的に接続する開口が形成されれば良い。
プラグ17とは別の材料、例えばドープした多結晶シリコン又はTiNなどの別プラグ12を介してトランジスタのソース/ドレインに接続されていても良い。
尚、SAC構造とは、ビットラインBLの上面と側面が窒化膜により覆われており、窒化膜が、絶縁層16除去のためのエッチング条件においてはほとんどエッチングされないことを利用して、ビット線BL間において位置合わせ余裕を考慮することなしに自己整合的にコンタクト開口AP3が形成される構造である。
図18Cに示すように、基板面上に、フッ酸系のエッチング液に対して耐エッチング性のある導電材料、例えばW又はTiN或いはPt、TiN、WN、RuO、Ru、ドープした多結晶シリコン、W/TiN/Ti等からなる複合膜の耐エッチング導電材料を堆積する。開口AP3内は、W又はTiN、W/TiN/Tiの複合膜等の導電材料によって充填される。
開口AP3内に充填されるプラグ用の電極材料としては、例えば蓄積電極23にRuを用いる場合、Ruとは異なる材料が使用される。蓄積電極と酸化膜との界面とは異なり、プラグ用の電極材料は、絶縁層との密着性が良く、界面におけるエッチング速度が速くなりすぎないようにするのが好ましい。
次いで、CMP法又はエッチバック法等を用いて、窒化膜16b上のプラグ用電極材料を除去する。WやTiN、(ドープトポリシリコン)、W/TiN/Ti、WN、RuO、Ru等の導電材料により開口内が充填されたプラグ構造が形成される。プラグ17は、上記の多結晶シリコンからなる別プラグ12の上に形成される。
図19Dに示すように、基板表面に窒化膜20を形成し、その上に厚い酸化膜21を形成する。窒化膜20の形成は省略することもできる。厚い酸化膜21と窒化膜20を貫通しプラグ17の表面に至る蓄積電極用開口部AP4を形成する。
図19Eに示すように、蓄積電極用の材料として、CVD法によりRu膜を形成する。蓄積電極23を形成する工程は、これまでに説明した工程と同様である。
蓄積電極23とその周辺に形成されている絶縁膜21との界面に形成されるスリットは、下部構造にまで達しない。プラグ17とその周辺に形成される窒化膜16bとの密着性は良い。加えて、プラグ17を形成するプラグ材料及び窒化膜16bのフッ酸系のエッチング液によるエッチング速度は非常に遅い。従って、窒化膜16bとプラグ17との界面にフッ酸系のエッチング液がしみ込み、界面にスリットが形成される可能性が少ない。スリットの形成は、この下部構造(窒化膜16bとプラグ17)によってくい止められる。スリットが更に下部の構造にまで延びるのを防止する。
尚、本明細書においては、プラグの上に電極を形成した構造を総称して電極と称する場合がある。
次に、本発明の第6の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について説明する。
図20Aは、第6の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について説明するための断面図である。図20Aに示す構造は、図16および図17に示す構造においてエッチングストッパー兼スリット防止膜を3層構造で形成したものである。3層構造は、例えば窒化シリコン膜/酸化シリコン膜/窒化シリコン膜である。酸化シリコン膜の代わりに、Ta25膜又はアルミナ膜、BST、STOなどを用いることもできる。
図20Aに対応するプロセスを図21、図22に示す。
3層構造のうち上下2層は、フッ酸系のエッチング液に対して耐エッチング性のある絶縁膜で形成される。3層構造のうちの中間に形成される膜は、あるエッチング条件下では、等方性のエッチングが可能な絶縁膜である。
図20Aに示す構造の場合には、図16、図17の厚い酸化膜21下部の窒化膜20の代わりに、上述した3層構造の膜が用いられる。以下に製造方法を示す。
図21Aに示すように、ビット線BL上に窒化膜16aと酸化膜16bとを形成する。酸化膜の形成は省略しても良い。
図21Bに示すように、プラグ形成用の開口AP5を形成する。開口は、上記窒化膜16a及び酸化膜16bを貫通し、別ブラグ12の表面にまで到達する。
図21Cに示すように、開口AP5内に上述の工程と同様の工程により、プラグ材を充填し、プラグ17を形成する。
図22Dに示すように、3層構造20と絶縁層21とを基板上に形成する。蓄積電極用の開口部AP6を、まず3層構造20のうち最上部の窒化膜20a表面に至るまで形成する。その後、最上部の窒化膜20aをエッチングし、次いでフッ酸系のエッチング液を用いて中間の膜20bを横方向にサイドエッチングし、横方向に延びるスリットHSを形成する。この際、最下部窒化膜20cはエッチングされていない。
次に下部の窒化膜20cをエッチングにより除去する。下部プラグの表面に到達する蓄積電極用の開口部が形成される。
図22Eに示すように、これまでに説明した工程と同様の工程を用いて、蓄積電極を形成する。図22Eには蓄積電極23の上面図も合わせて示している。
例えば、CVD法により形成されたRu膜又はCVD法を用いて形成されたWN膜を用いて蓄積電極を形成する。Ru又はWNにより形成されたCVD膜は、ステップカバレッジが非常に良い。横方向に延びるスリットHSの内部にも電極材料が侵入する。
上面図に示すように、蓄積電極23の下部外側壁から突出する環状の突出部23bが形成される。
蓄積電極の突出部と3層構造の上下に存在する窒化膜とが接触することにより、その下部に存在する酸化膜領域までの距離が実質的に長くなる。フッ酸系のエッチング液が下部領域まで侵入するのを防止できる。
加えて、突出部が横方向スリット内に挿入されているため抜けにくい。蓄積電極が強固に支持されるため、蓄積電極の転倒が防止できる。
次に、本発明の第7の実施の形態による半導体装置及びその製造方法について説明する。
上記第6の実施の形態による半導体装置の製造方法における3層構造と同様の3層構造を、ビットラインBL上に設けている。
図20Bおよび図23、図24に半導体装置の製造方法を示す。
図23Aに示すように、絶縁層16の最上層の絶縁層16bは、3層構造(16e、16f、16g)により形成されている。
図23Bに示すように、まず表層の窒化膜16eをエッチングして開口部を設け、3層構造の中間層(酸化膜)16fを露出する。
中間層(酸化膜)16fを、フッ酸系のエッチング液によりエッチングし、横方向に延びるスリットHSを形成する。
この場合には、上記第6の実施の形態において説明した構造と異なり、周辺には蓄積電極23周辺の絶縁膜21の相当する酸化膜がない。絶縁層21等がエッチングされる点を考慮しなくて済む。横方法のスリットSHの長さのみを考慮して必要量のエッチングを行えば良い。
次に、図23Cに示すように、3層構造の最下層の窒化膜16gをエッチングする。次いで、窒化膜16a、酸化膜16cを異方性エッチングして、別プラグ12表面に達するコンタクト開口AP11を形成する。
尚、窒化膜16a、酸化膜16cを異方性エッチングしたのは、等方性のエッチングを行うと、中間層の酸化膜16fが余計に再度エッチングされ、横方向スリットSHの長さを制御することが難しくなるからである。
図23Dに示すように、コンタクト開口AP11内をプラグ材として用いる導電性材料により埋める。この導電性材料は、横方向のスリットHSの内部にも入る。プラグ17の外側壁から突出する突出部17aが形成される。プラグ17とその周辺の窒化膜16e、16gとの接触面積が増え、またフッ酸系のエッチング液の浸入ルートとなる距離が長くなる。フッ酸系のエッチング液の浸入を防止することができる。
その後の蓄積電極の形成工程を、図24E及び図24Fに示す。基板表面上に、窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21とを形成する。窒化シリコン膜20は省略されていても良い。窒化シリコン膜20と酸化シリコン膜21にコンタクト孔AP12を形成する。
その上に、蓄積電極用の導電材料、例えばRuを形成する。
図24Fに示すように、酸化シリコン膜21上のRuを除去し、内側保護膜をSOG等で形成する。
RuとSOGとをエッチングして、酸化シリコン膜21表面上から窪ませる。
その後に、蓄積電極23間に形成されている酸化膜21を選択的にエッチングする。
その後のキャパシタ用誘電膜及びセルプレート電極の形成は、前述の方法、例えば第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法で行う。
この実施の形態による半導体装置及びその製造方法によれば、蓄積電極とその下部の別プラグとを接続するプラグに、その外側壁から突出する突出部が形成されている。この突出部は、上下を窒化膜により挟まれた3層構造の中間に形成されている横方向スリット内に挿入されている。
従って、フッ酸系のエッチング液が下部領域まで侵入するのを防止できる。
加えて、突出部が横方向スリット内に挿入されているため抜けにくい。蓄積電極が強固に支持されるため、蓄積電極の転倒が防止できる。
尚、横方向スリットHSは、3層構造の上層膜16eをエッチングした後に行うように説明したが、3層分(16e、16f、16g)の全てをエッチングして開口を形成した後に、スリット形成のためのエッチングを行っても良い。
但し、この場合には、フッ酸系のエッチング液によるエッチングが下層にも至ることを考慮してサイズを決める必要がある。この観点からは、前者の方が望ましい。
尚、上記の実施の形態においては、主として蓄積電極の形状がシリンダ形状の場合について説明したが、蓄積電極の形状はピラー形状でも良く、他の形状、例えば、シリンダ型、ピラー型の表面を波打たせて、表面積を大きくしたような蓄積電極構造にも適用できる。
尚、本願明細書に記載されている発明に関して、特許請求の範囲に記載した発明と併せて、以下に付記する発明についても抽出可能である。
付記1(a)半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、(b)前記第1絶縁膜上に第1シリコン窒化膜とシリコン酸化膜と第2シリコン窒化膜とを含む第2絶縁膜を形成する工程と、(c)前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、(d)前記第3絶縁膜内に前記第2絶縁膜の前記第1シリコン窒化膜表面に達する第1コンタクト孔を形成する工程と、(e)前記第1シリコン窒化膜内に前記第1コンタクト孔に対応する第2コンタクト孔を形成する工程と、(f)前記シリコン酸化膜をオーバーエッチングして前記半導体基板と平行な方向に延びる収容部を形成する工程と、(g)前記第2シリコン窒化膜を除去する工程と、(h)前記第1絶縁膜内に前記第1及び第2コンタクト孔に対応する第3コンタクト孔を形成する工程と、(i)前記第1、第2及び第3のコンタクト孔内に電極材料を充填するとともに前記収容部内に収容される突出部を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
付記2(a)半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、(b)前記第1絶縁膜上に第1シリコン窒化膜とシリコン酸化膜と第2シリコン窒化膜とを含む第2絶縁膜を形成する工程と、(c)前記第1シリコン窒化膜内に第1コンタクト孔を形成する工程と、(d)前記シリコン酸化膜をオーバーエッチングして前記半導体基板と平行な方向に延びる収容部を形成する工程と、(e)前記第2シリコン窒化膜を除去する工程と、(f)前記第1絶縁膜内に前記第1コンタクト孔に対応する第2コンタクト孔を形成する工程と、(g)前記第1及び第2コンタクト孔内に充填されるとともに、前記収容部内に収容されるプラグ電極を形成する工程と、(h)前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、(i)前記第3絶縁膜内に前記プラグ電極に達する第3コンタクト孔を形成する工程と、(j)前記第3のコンタクト孔内に電極を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
付記3(a)半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、(b)前記第1絶縁膜内に第1コンタクト孔を形成する工程と、(c)前記第1コンタクト孔内にプラグ電極を形成する工程と、(d)前記第1絶縁膜上に第1シリコン窒化膜とシリコン酸化膜と第2シリコン窒化膜とを含む第2絶縁膜を形成する工程と、(e)前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、(f)前記第3絶縁膜内に第2コンタクト孔を形成する工程と、(g)前記第2コンタクト孔に対応する領域の前記第1シリコン窒化膜内に第3コンタクト孔を形成する工程と、(h)前記シリコン酸化膜をオーバーエッチングして前記半導体基板と平行な方向に延びる収容部を形成する工程と、(i)前記第2シリコン窒化膜を除去する工程と、(j)前第2及び内に充填されるとともに、前記収容部内に収容される上部電極を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
MC メモリセル領域
PC 周辺回路領域
AR 活性領域
WL ワード線
BL ビット線
AP 開口部
HS 横方向スリット
1 半導体基板
2 素子間分離用酸化シリコン膜
3 ゲート酸化膜
4 ゲート電極
5 窒化シリコン層
6 ソース/ドレイン領域
7 サイドスペーサ
11、16 絶縁層
12 多結晶シリコン(別プラグ)
16 絶縁膜
17 導電プラグ(接続プラグ)
20 窒化シリコン膜
21 絶縁層
23 蓄積電極
23b 突出部
24 内側保護膜
31 キャパシタ用絶縁層
35 セルプレート電極
35a 導電層
41 絶縁膜
43、45 コンタクト開口部
57、60 絶縁層領域
61 分離膜

Claims (7)

  1. (a)第1領域とその周囲の第2領域を含む半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
    (b)前記第1領域の前記第1絶縁膜内に前記半導体基板に達する複数の第1コンタクト孔を形成し、第1コンタクト孔内に導電性プラグを形成する工程と、
    (c)前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
    (d)前記第1領域の前記第2絶縁膜内に前記導電性プラグに達する開口を形成する工程と、
    (e)前記開口内に蓄積容量用の材料膜を堆積し、不要部を除去して、前記基板と電気的に接続された蓄積電極を形成する工程と、
    (f)まず、前記蓄積電極の外側側壁に沿って、スリットを形成するエッチングを行ない、次いで残留する前記第2絶縁膜を基板表面と平行方向にもエッチングし、平面視上前記第2絶縁膜の側壁の外周が前記蓄積電極の側壁外周から一定距離離れた形状を形成する工程と、
    (g)前記電極の露出した表面を覆う誘電体膜を形成する工程と、
    (h)前記誘電体膜上に対向電極を形成する工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程(f)が、まず、前記蓄積電極の外側側壁と前記第2絶縁膜との界面に沿って、前記第2絶縁膜をエッチングしてスリットを形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記工程(f)が、前記第1領域において、側壁の外周が平面視上前記蓄積電極の側壁外周から一定距離離れた形状を有する前記第2絶縁膜の残留部分を残す請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. (x)前記工程(a)の前に、前記半導体基板の前記第1領域に、ゲート及びソース/ドレインを含む半導体メモリ用スイッチング素子を形成する工程をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程(b)が、前記ソース又はドレインと接続する導電性プラグを形成し、
    前記工程(e)が、前記導電性プラグと接続された蓄積電極を形成する、
    請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程(e)が、蓄積容量用の材料膜上部をエッチングすることにより、前記蓄積電極の頂面を前記第2絶縁膜の表面から所定の深さだけ低い位置に形成し、
    前記工程(h)が、
    (h−1)前記誘電体膜上に前記対向電極用導電領域を形成する工程と、
    (h−2)前記第2絶縁膜の表面上方に形成されている前記対向電極用導電領域を選択的に除去する工程と
    を含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記工程(e)の前に、
    (x)前記第2絶縁膜と異なるエッチング特性を有する分離膜を前記開口の内壁に形成する工程と、
    (y)前記第2絶縁膜の上面上及び前記開口の底面上に形成されている前記分離膜を除去し、前記開口の側壁上に前記分離膜を残す工程と
    を含み、
    前記工程(f)が、まず前記分離膜をエッチングする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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