JP2011079894A - ウレタン樹脂組成物、硬化体及び硬化体を用いた光半導体装置 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、硬化体及び硬化体を用いた光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、銀メッキとの密着性に優れる硬化体、それを用いた光半導体装置、及びそれらを得ることが可能なウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなる2液型ウレタン樹脂組成物であって、上記A液又はB液に2つ以上のチオール基を有する化合物を含む2液型ウレタン樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含むウレタン樹脂組成物、硬化体及び硬化体を用いた光半導体装置に関する。
光半導体装置では、樹脂組成物を硬化し、光半導体素子を保護する封止部材が使用される。樹脂組成物の硬化は、通常成型装置内の成型金型により形成されるキャビティ内に樹脂組成物を充填し、成型金型を加熱することにより行われる。このとき、樹脂組成物の硬化体と成型金型との過度の密着を抑制するために、樹脂組成物に離型剤を含有することがある。これにより、成型金型との離型性に優れた硬化体を得ることができる。特許文献1では、飽和脂肪酸が、特許文献2では、複数のエーテル結合を有する化合物が、それぞれ離型剤として用いられることが開示されている。
一方、硬化体は光半導体装置の封止部材として、周辺の部品との密着性が要求される。半導体装置中の部品であるリードフレームは、その表面に銀メッキが施されていることが一般的であり、成型時、リフロー実装時又は温度サイクル試験時では、封止部材と銀メッキ表面の界面においての剥離はしばしば問題となる。
また、封止部材には、光透過性及び機械強度の点で、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が使用されるが、これらの樹脂は一般的に、材料との密着性に優れていると考えられているものの、銀や金に対しては、他の金属に比べて密着性が劣る傾向がある。
特開2001−234033号公報 国際公開第96/15191号パンフレット
半導体装置の製造において、樹脂組成物中に離型剤を含有させると、成型金型との離型性を向上させることができる反面、リードフレーム等との密着性を低下させることが懸念される。本発明者らの検討によれば、樹脂組成物中に離型剤を含有させて、大量生産された光半導体装置のいくつかは、リードフレームと封止部材との間に剥離が生じていることが分かった。このように、封止部材又は硬化体に関し、成型金型との離型性と、光半導体装置の周辺部材との密着性とは、その両方が必ずしも高い水準で保持されるものではなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、銀メッキとの密着性に優れる硬化体、それを用いた光半導体装置、及びそれらを得ることが可能なウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明では、ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなる2液型ウレタン樹脂組成物であって、上記A液又はB液に2つ以上のチオール基を有する化合物を含む2液型ウレタン樹脂組成物が提供される。
このような2液型ウレタン樹脂組成物から得られる硬化体は、銀メッキとの密着性が高い。
本発明のウレタン樹脂組成物により、硬化体と銀メッキとの高い密着性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
一般に、チオール基やスルフィド基は、金、銀、銅等の1B族の金属と配位又は共有結合を形成すると考えられている。また、本発明者らは、本発明のウレタン樹脂組成物において、2つ以上のチオール基を有する化合物のチオール基は、ポリイソシアネート成分中の、イソシアネート基とも反応し、チオウレタン結合を形成すると考えている。こうして硬化体と銀との間に結合を形成することにより、密着性向上の効果を得ることができるものと考えられる。
上記ポリイソシアネート成分は、少なくとも1つのイソシアネート基が2級の炭素に結合し、2官能又は3官能の脂環構造を有するポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーを合計で30重量%以上含むことが好ましい。
このような構造を有するポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーを所定量含むことにより、得られる硬化体のガラス転移温度を向上させることができる。
また、上記2つ以上のチオール基を有する化合物は、スルフィド基をさらに有するものであることが好ましい。
上記2つ以上のチオール基を有する化合物が、スルフィド基を有することにより、得られる硬化体と銀メッキとの密着性をさらに向上させることができる。
また、上記2つ以上のチオール基を有する化合物は、2,2’−ジメルカプトジエチルスルフィドであることが好ましい。
また、上記2つ以上のチオール基を有する化合物は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の全量に対して、0.01〜2.0重量%含まれることが好ましい。
2つ以上のチオール基を有する化合物を上記範囲で含むことにより、銀メッキとの密着性及び得られる硬化体の耐熱性の両方をバランスよく向上させることができる。
また、上記A液又はB液は、下記一般式(1)で表される飽和脂肪酸、及び下記一般式(2)で表される、重量平均分子量が16,000以下のシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体をさらに含むことが好ましい。
Figure 2011079894


(式中、Rは炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を表す。)
Figure 2011079894


(式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R,Rは、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
上記飽和脂肪酸及びシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体は、いずれも離型剤として機能する。上記A液又はB液が、これらの化合物をさらに含むことにより、ウレタン樹脂組成物を成型して硬化体を得る際に、銀メッキとの密着性を損なわずに、成型用の金型との離型性を向上させることができる。
本発明ではまた、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び2つ以上のチオール基を有する化合物を含むウレタン樹脂組成物を硬化して得られる硬化体が提供される。
このようにして得られる硬化体は、銀メッキとの高い密着性を有する。
また、上記ウレタン樹脂組成物は、上記一般式(1)で表される飽和脂肪酸、及び上記一般式(2)で表される、重量平均分子量が16,000以下のシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体をさらに含むことが好ましい。
また、上記ウレタン樹脂組成物は無機充填材をさらに含むことが好ましい。
無機充填材をさらに含むことにより、硬化体の熱膨張係数をリードフレームの熱膨張係数に近づけ、耐熱試験や温度サイクル試験において、リードフレームとの剥離が生じにくくすることができる。
本発明ではさらに、上記硬化体からなる封止部材を備える光半導体装置が提供される。
このような光半導体装置は、硬化体の光透過性が高く、耐光着色等の光学特性及び機械特性に優れる。
本発明によれば、銀メッキやパラジウムメッキ等との密着性に優れる硬化体、光半導体装置及びそれらを得ることが可能なウレタン樹脂組成物を提供することができる。
本発明の光半導体装置の実施形態を示す断面図である。 硬化体のせん断接着強度の測定を模式的に表した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液からなり、A液又はB液に2つ以上のチオール基を有する化合物を含む2液型ウレタン樹脂組成物である。
(2つ以上のチオール基を有する化合物)
2つ以上のチオール基を有する化合物(以下、ポリチオールという。)としては、例えばチオール基が一級炭素に結合している化合物、チオール基が二級炭素に結合している化合物、1つ以上のチオール基が一級炭素に結合し、1つ以上のチオール基が二級炭素に結合している化合物が挙げられる。
チオール基が一級炭素に結合している化合物としては、例えばトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス−(3−メルカプトプロピオネート)等のチオール基を3つ有する化合物;ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート等のチオール基を4つ有する化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等のチオール基を6つ有する化合物等が挙げられる。
また、チオール基が二級炭素に結合している化合物としては、例えば1,4−ビス−(3−メルカプトブチルオキシ)ブタン等のチオール基を2つ有する化合物;1,3,5−トリス−(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等のチオール基を3つ有する化合物;ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトブチレート等のチオール基を4つ有する化合物等が挙げられる。
ポリチオールの含有量は、後述するポリオール成分及びイソシアネート成分の全量に対して、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。ポリチオールの含有量が、0.01重量%以上であるとき、銀との密着性を向上させる傾向があり、2.0重量%以下であるとき、硬化体のガラス転移温度等の耐熱性の低下を抑制することができる。また、ウレタン樹脂組成物に後述する離型剤を含む場合であっても、成型金型との離型性を損なうことなく、硬化体と銀との密着性を向上させることができる。
ポリチオールは、スルフィド基をさらに有することが好ましい。ポリチオールがスルフィド基をさらに有することにより、得られる硬化体と銀メッキとの密着性をさらに向上させることができる。スルフィド基を有するポリチオールとしては、2,2’−ジメルカプトジエチルスルフィド等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分は、2つ以上のアルコール性水酸基を有する化合物(ポリオール)からなる成分である。ポリオールとしては、例えば脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリル樹脂ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、飽和ポリオールが好ましい。
ポリオールの水酸基当量及び分子量は、所望の硬化体を得るために下記のように設計することが好ましい。すなわち、軟質な硬化体を得たい場合には、水酸基当量が小さく、分子量が大きいポリオールを使用することが好ましい。このようなポリオールとしては、高分子量で水酸基を2つ有するポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリエステルジオール等が挙げられる。また、硬質な硬化体を得たい場合には、水酸基当量が大きく、分子量が小さいポリオールを使用することが好ましい。このようなポリオールとしては、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等の低分子量で水酸基を2つ有するポリオール;ポリカプロラクトントリオール、トリメチロールプロパン、プロパン−1,2,3−トリオール、これらにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等を付加した誘導体等の低分子量で水酸基を3つ有するポリオール;ジグリセリン、又はジグリセリンにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等を付加した誘導体等の低分子量で水酸基を4つ有するポリオール等が挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール成分には、水酸基残存プレポリマーが含まれてもよい。水酸基残存プレポリマーは、上記ポリオールの単量体と後述するポリイソシアネートの単量体とを、該ポリオール中の水酸基が、該ポリイソシアネート中のイソシアネート基に対して過剰になるように反応させることにより得られる。ポリオール中の水酸基当量をX、ポリイソシアネート中のイソシアネート基当量をYとしたときの比をX/Yとすると、水酸基残存プレポリマーは、X/Yが3〜20となるように、ポリオールとポリイソシアネートを混合、反応させて得られることが好ましい。X/Yが3より大きい値をとることにより、該水酸基残存プレポリマーの分子量の増大を抑制し、取り扱いやすい粘度に保つことが可能となる。X/Yが20より小さい値をとることにより、プレポリマーの効果を有効に得ることができる傾向にある。また、水酸基残存プレポリマーの合成は、触媒を添加することによって短縮することもできるが、ポリマーの着色を避けるために無触媒下で室温又は加熱反応させることが好ましい。ポリオール成分に、水酸基残存プレポリマーを含むことにより、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との相溶性を向上させることができる。
(ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物(ポリイソシアネート)からなる成分である。ポリイソシアネートは、脂肪族や脂環式のポリイソシアネートが好ましく、第2級の炭素原子と結合したイソシアネート基を有する2官能又は3官能の脂環構造を有していることがより好ましい。上記ポリイソシアネートは、一分子中にイソシアネート基を2つ又は3つ有するものである。その具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、又はノルボルネンジイソシアネート(2,5−(2,6)−ビス−イソシアネトメチル[2,2,1]ヘプタン)等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型、ビゥレット型、又はアダクト型のポリイソシアネートを用いてもよく、特にヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。これらのようなポリイソシアネートを用いることで、得られる硬化体のガラス転移温度を向上させることができる。
ポリイソシアネート成分には、イソシアネート基残存プレポリマーが含まれることが好ましい。イソシアネート基残存プレポリマーは、上記ポリイソシアネートの単量体と上記ポリオールの単量体とを、該ポリイソシアネート中のイソシアネート基が、該ポリオール中の水酸基に対して過剰になるように反応させることにより得られる。イソシアネート基残存プレポリマーは、前述の比X/Yが0.05〜0.3となるように、ポリオールとポリイソシアネートを混合、反応させて得られることが好ましい。X/Yが0.3より小さい値をとることにより、該イソシアネート基残存プレポリマーの分子量の増大を抑制し、取り扱いやすい粘度に保つことが可能となる。X/Yが0.05より大きい値をとることにより、プレポリマーの効果を有効に得ることができるようになる傾向にある。また、イソシアネート基残存プレポリマーの合成は、触媒を添加することによって短縮することもできるが、ポリマーの着色を避けるために無触媒下で室温又は加熱反応させることが好ましい。ポリイソシアネート成分に、イソシアネート基残存プレポリマーを含むことにより、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との相溶性を向上させることができる。
上記脂環式ポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーのポリイソシアネート成分全体に対する割合は、合計で30重量%以上であることがより好ましい。これにより、硬化体の耐高温高湿性をより向上させることができる。
(離型剤)
ウレタン樹脂組成物は、離型剤として下記一般式(1)で表される飽和脂肪酸、及び下記一般式(2)で表される、シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体をさらに含んでいてもよい。
Figure 2011079894


(式中、Rは炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を示す。)
Figure 2011079894


(式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R,Rは、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
上記一般式(1)で表される飽和脂肪酸としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸等が挙げられる。また、一般式(1)においてRの炭素数は、通常7〜28であり、10〜22であることが好ましく、14〜18であることがより好ましい。中でも、炭素数が17のイソステアリン酸は液体で、ウレタン樹脂組成物の粘度が増加しない点で好ましい。
上記一般式(2)で表されるシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体において、式中のm/nの比は0.5〜1.0を満たす。m/nの比が0.5より大きいとき、他の材料との相溶性が高く、硬化体に白濁が生じる等の不具合を抑制できる。また、m/nの比が1.0より小さいとき、成型金型との優れた離型性を得ることができる。上記シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体は、溶解性に優れる点で重量平均分子量が16,000以下である。
ウレタン樹脂組成物に、上記一般式(1)及び(2)で表される化合物を含むことにより、ウレタン樹脂組成物を成型して硬化体を得る際に、銀メッキとの密着性を損なわずに、成型金型との離型性を向上させることができる。
上記離型剤の含有量は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の全量に対し、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、上記一般式(1)で表される飽和脂肪酸及び上記一般式(2)で表されるシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体を併用する。離型剤の含有量が0.01重量%より大きいとき、成型金型との離型性に優れる傾向があり、5.0重量%より小さいとき、硬化体のガラス転移温度等の耐熱性の低下を抑制できる傾向にある。
(無機充填材)
ウレタン樹脂組成物は、無機充填材をさらに含んでもよい。無機充填材としては、硬化体の光透過性を維持するためにシリカであることが好ましく、ウレタン樹脂組成物中に高密充填するために粒子径の異なるシリカ粉末を混合して用いることが好ましい。ウレタン樹脂組成物に無機充填材を含むことにより、硬化体の熱膨張係数を光半導体装置のリードフレームの熱膨張係数に近づけることができ、耐熱試験や温度サイクル試験において、リードフレームとの剥離が生じにくくなる。また、ウレタン樹脂組成物が、無機充填材として蛍光体を含むことにより、青色発光ダイオード(LED)との組み合わせで、白色を得ることができる。
(その他材料)
ウレタン樹脂組成物は、上記以外に酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、有機充填材、重合禁止剤、硬化触媒、カップリング剤等を含んでもよい。また、成型性の観点から、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等を含んでもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダード型フェノール系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられる。これらの中でも特にヒンダード型フェノール系、硫黄系酸化防止剤を、単独又は組み合わせて使用することが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の全量に対し、0.05〜5重量%であることが好ましく、0.05〜0.3重量%であることがより好ましい。酸化防止剤の含有量が0.05重量%以上であるとき、酸化防止剤としての効果が有効に得られやすい傾向にあり、5重量%以下であるとき、溶解性や硬化時の硬化体表面への析出等の問題が生じにくくなる傾向にある。
硬化触媒としては、亜鉛、ジルコニウム、若しくはアルミニウム等の有機金属系、ジブチルスズラウレート等のスズ系、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカン−7−エン)のフェノール塩、オクチル酸塩、アミン、イミダゾール等の触媒を使用することができる。これらの中でも、ステアリン酸亜鉛が耐熱着色性及びウレタン樹脂組成物の室温での粘度安定性に優れるため好ましい。硬化触媒の含有量は、ウレタン樹脂組成物全量に対して、0.001〜1重量%であることが好ましく、0.002〜0.1重量%であることがより好ましい。硬化触媒の含有量が0.001重量%以上であるとき、硬化促進の効果が現れる傾向にあり、1重量%以下であるとき、硬化体の白濁を抑制できる。硬化触媒を加えることによりウレタン樹脂組成物の硬化性を高めることができる。
カップリング剤としては、エポキシ基、ウレイド基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。ウレタン樹脂組成物中のカップリング剤の含有量は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の全量に対して、0.1〜2重量%であることが好ましい。ウレタン樹脂組成物中にカップリング剤を含むことにより、硬化体とリードフレームの銀メッキ、発光素子、ワイヤー、無機充填材等との密着性が向上する。
(硬化体)
硬化体は、ポリオール成分を含むA液とポリイソシアネート成分を含むB液とを混合し、これを加熱して反応させることにより製造することができる。
ウレタン樹脂組成物を構成する上記のポリオール成分及びポリイソシアネート成分以外の各成分は、A液又はB液のどちらに含まれてもよいが、2つ以上のチオール基を有する化合物は、A液とB液との混合前にA液に含まれていることが好ましい。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合比、及び水酸基残存プレポリマーとイソシアネート基残存プレポリマーの混合比は、ウレタン樹脂組成物中の(ポリオール及び水酸基残存プレポリマー中の水酸基当量)/(ポリイソシアネート及びイソシアネート基残存プレポリマー中のイソシアネート基当量)の比が0.7〜1.3であることが好ましく、0.8〜1.1であることがより好ましい。当量比が0.7〜1.3の範囲にあることにより、硬化体が耐熱性、光学特性及び機械特性が向上する傾向にある。無機充填材は、A液とB液とを混合した後に、ウレタン樹脂組成物に加えられてもよい。
(光半導体装置)
以上のように得られるウレタン樹脂組成物を、液状トランスファー成型又はコンプレッション成型することにより光半導体素子の封止を行い、光半導体装置を製造することができる。このとき、ウレタン樹脂組成物は165℃におけるゲル化時間が25〜200秒であることが好ましい。ゲル化時間をこの範囲とすることで、従来の固形トランスファー成型とほぼ同じ成型条件での製造が可能となる。ゲル化時間が25秒より短いと、溶融したウレタン樹脂組成物が成型金型(以下、単に「金型」という。)内の流路を十分に満たす前に硬化し、硬化体の成型物に未充填部位やボイドが発生しやすくなる傾向にある。一方、ゲル化時間が200秒より長いと、硬化不十分な成型物となる傾向がある。
図1は、光半導体装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す光半導体装置200は、一対のリードフレーム102(102a,102b)と、一方のリードフレーム102a上に設けられた接着部材103と、接着部材103上に備えられた光半導体素子104と、光半導体素子104と他方のリードフレーム102bとを電気的に接続するワイヤ105と、一対のリードフレーム102の一部、接着部材103、光半導体素子104及びワイヤ105を封止する封止部材106とを有している。光半導体装置200は、表面実装型又はチップ型と呼ばれるものである。
リードフレーム102は、一方のリードフレーム102aと他方のリードフレーム102bとからなる。このリードフレーム102は、金属等の導電材料からなる部材であり、その表面は通常銀メッキにより被覆されている。また、一方のリードフレーム102aと他方のリードフレーム102bとは、互いに分離している。接着部材103は、一方のリードフレーム102aと光半導体素子104とを接着して互いに固定するとともに、それらを電気的に接続するための部材である。接着部材103は、例えば銀ペーストから形成される。
光半導体素子104には、順方向に電圧を加えた際に発光する発光ダイオード素子等が挙げられる。また、ワイヤ105は光半導体素子104と他方のリードフレーム102bとを電気的に接続できる金属細線等の導電ワイヤである。
封止部材106は、上記のウレタン樹脂組成物の硬化体で形成される。封止部材106は、光半導体素子104を外気から保護するとともに、光半導体素子104から発せられた光を外部に取り出す役割を担っているため、高い光透過性を有するものである。本実施形態において封止部材106は、リードフレーム102側の平板状部106aと、リードフレーム102とは反対側のレンズ部106bと、から形成されており、凸レンズ形状であるレンズ部106bによって光半導体素子104から発せられた光が集約される。
以上説明した本実施形態の光半導体装置200は、その製造工程の一部に液状トランスファー成型又はコンプレッション成型を採用することができ、これにより成型時間を短くして生産性を高めることが可能となる。また、液状トランスファー成型又はコンプレッション成型を採用することで、図1のような光の取り出し効率が向上するようなレンズ形状を付与する効果も得られる。
光半導体装置200は、光半導体素子と、これを封止する封止部材とを備えていればよく、上記のような表面実装型に代えて砲弾型であってもよい。
次に、光半導体装置の製造方法の好適な実施形態について、図1の光半導体装置200を製造する場合を例にして説明する。本実施形態に係る光半導体装置200の製造方法は、上記ウレタン樹脂組成物を液状トランスファー成型又はコンプレッション成型により硬化成型して、光半導体装置200の封止部材106を形成する工程を備えている。
まず、複数の組立部品を備える構造体を準備する。組立部品は、一対のリードフレーム102(102a,102b)と、その一方のリードフレーム102a上に設けられた接着部材103と、接着部材103上に形成された光半導体素子104と光半導体素子104と他方のリードフレーム102bとを電気的に接続するワイヤ105と、を備える。この構造体を、成型装置が備える金型により形成されるキャビティ内の所定の位置に設置する。成型装置は、液状トランスファー成型又はコンプレッション成型に用いられるものであって、その金型により形成されるキャビティが、目的とする硬化体の形状をなしているものであれば特に限定されない。
次に、上記ウレタン樹脂組成物を準備して、それを成型装置のポット内に充填する。具体的には、プランジャーを起動させて、ウレタン樹脂組成物をポット内からランナ、ゲート等の流路を経由して、所定の温度に加熱した金型のキャビティ内に圧入する。金型は、通常、分離可能な上金型及び下金型から構成されており、それらを連結することによって、キャビティが形成される。その後、ウレタン樹脂組成物をキャビティ内に一定時間保持することによって、キャビティ内に充填したウレタン樹脂組成物を上記構造体上で硬化する。これにより、ウレタン樹脂組成物の硬化体が、目的とする形状に成型され、複数の組立部品を封止するとともに、構造体に密着する。
金型温度は、上記流路においては、ウレタン樹脂組成物の流動性が高く、キャビティ内では、ウレタン樹脂組成物が短時間で硬化できるような温度に設定することが好ましい。この温度は、ウレタン樹脂組成物の組成にも依存するが、例えば120〜200℃であることが好適である。また、キャビティ内にウレタン樹脂組成物を圧入する際の射圧は、キャビティ内全体にウレタン樹脂組成物を隙間なく充填できるような圧力を設定することが好ましく、具体的には2MPa以上であることが好ましい。射圧が2MPa以上であるとき、キャビティ内の未充填部位や、封止部材106内のボイドが発生しにくくなる傾向にある。
ウレタン樹脂組成物の硬化体(封止部材106)を金型から取り出しやすくするために、キャビティを形成する金型内壁面に離型剤を塗布又は噴射することもできる。さらに、硬化体におけるボイドの発生を抑制するために、キャビティ内を減圧できる公知の減圧装置を用いてもよい。
続いて、構造体及びそれに密着したウレタン樹脂組成物の硬化体をキャビティから取り出した後、複数の組立部品を個々に分離するようにリードフレームを切断する。こうして、上記ウレタン樹脂組成物の硬化体を、組立部品を封止する封止部材として備える光半導体装置が得られる。
以上説明した本実施形態の光半導体装置の製造方法によると、液状トランスファー成型方又はコンプレッション成型法を採用しているため、硬化時間を短く設定でき、光半導体装置の生産性が向上する。また、上記成型法を用いることで、硬化体に任意の形状を付与することが可能となる。
本発明のウレタン樹脂組成物を用いて、注型法、ポッティング法によって光半導体装置を製造する場合は、各成分の種類、組み合わせ、添加量にもよるが、60〜150℃で1〜10時間程度加熱硬化することが好ましく、特に80〜150℃で1〜10時間程度であることが好ましい。また、急激な硬化反応により発生する内部応力を低減するために、硬化温度を段階的に昇温することが望ましい。
以上説明した、本発明の硬化体は、光透過性が高く、耐熱、耐光着色等の光学特性、機械特性に優れる、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の封止部材として好適である。また、本発明のウレタン樹脂組成物を用いることで、液状トランスファー成型により効率良く光半導体素子の封止を行うことができ、LEDパッケージ等の光半導体装置を生産性よく製造することが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。配合割合は、特にことわりのない限り重量部とする。
(実施例1)
ポリオール成分として、分子量が300、水酸価が540(mg/gKOH)のポリカプロラクトントリオール(A2:ダイセル化学工業株式会社製 プラクセル303)40.9重量部、ポリチオールとして、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート(C1:堺化学工業株式会社製 PEMP)0.5重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(F1:住友化学株式会社製 スミライザーGA−80)0.1重量部を混合し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間加熱撹拌して、透明均一なポリオール成分を含むA液を得た。
一方、トリメチロールプロパン(A1:Perstorp社製)4.5重量部、及びイソホロンジイソシアネート(B1:Degussa社製 VESTANAT IPDI)54.6重量部を混合し、窒素雰囲気下にて80℃で6時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製し、これをイソシアネート成分を含むB液とした。
上記A液41重量部とB液59.2重量部を、室温にて透明均一となるまで混合撹拌し、ウレタン樹脂組成物を得た。
(実施例2)
ポリチオールとして(C1)に代えて、2,2’−ジメルカプトジエチルスルフィド(C2:東洋化成工業株式会社製 DMDES)0.5重量部を加えたこと以外は実施例1と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(実施例3)
ポリオール成分として、トリメチロールプロパン(A1)9.1重量部、ポリカプロラクトントリオール(A2)18.1重量部、及びポリチオールとして、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート(C1)0.5重量部を混合し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間加熱撹拌して、透明均一なポリオール成分を含むA液を得た。
一方、トリメチロールプロパン(A1)0.5重量部、及び4,4’−メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(B2:Degussa社製 H12MDI)7.6重量部を混合し、窒素雰囲気下80℃で10時間加熱撹拌し、イソシアネート基残存プレポリマーを得た。
ポリイソシアネート成分として、上記イソシアネート基残存プレポリマー8.1重量部、4,4’−メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(B2)7.6重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B3:三井武田ケミカル株式会社製 コスモネートNBDI)15.9重量部、イソホロンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート型ポリイソシアネートの70重量%酢酸ブチル溶液(B4:住化バイエルウレタン株式会社製 デスモジュールZ4470BA)41.2重量部、及びヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(F1)0.1重量部を混合し、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。一方、離型剤としてイソステアリン酸(E1:高級アルコール工業株式会社製 イソステアリン酸EX)1.25重量部及びシリコーン−カプロラクトン共重合体(E2:旭化成ワッカーシリコーン株式会社製 開発品番SLJ−02(上記一般式(2)において、m/n=0.7、重量平均分子量Mw=9,000))1.25重量部を150℃で10分間溶融混合した。その後、離型剤をポリイソシアネート成分に加え、均一になるまで撹拌した。そこへ硬化触媒として、ステアリン酸亜鉛(D1:日油株式会社製 MZ−2)0.1重量部を加え、均一になるまで撹拌し、イソシアネート成分を含むB液を調製した。上記A液27.1重量部とB液63.01重量部とを室温にて均一となるまで撹拌して、ウレタン樹脂組成物を得た。
(実施例4)
ポリチオールとして(C1)に代えて、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(C3:堺化学工業株式会社製 TMMP)0.5重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(実施例5)
ポリチオールとして(C1)に代えて、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(C4:堺化学工業株式会社製 TEMPICO)0.5重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(実施例6)
ポリチオールとして(C1)に代えて、2,2’−ジメルカプトジエチルスルフィド(C2:東洋化成工業株式会社 DMME)0.5重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(比較例1)
ポリチオールを加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(比較例2)
ポリチオールを加えなかったこと以外は実施例3と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
(比較例3)
ポリチオールとして(C1)に代えて、チオール基を1つしか有さない2−エチルヘキシル−(3−メルカプトプロピオネート)(C5:丸善石油化学株式会社製)0.5重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3で用いられる各材料の添加量を下記表1に示した。
Figure 2011079894

以上のようにして得られたウレタン樹脂組成物を下記方法に従って評価した。
<接着強度>
銀メッキを施した銅板上において、実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂組成物を用いて、ポッティング法によって半径が1.5mmとなる円柱状の硬化体を形成し、150℃で3時間、加熱して接着試験片サンプルを作製した。上記試験片と銀メッキとの接着強度をボンドテスター(株式会社アークテック製 dageシリーズ4000)を用いて測定した。測定温度を室温とし、図2においてツール移動速度を100μm/sとして、シェアツール3をX方向に移動し、せん断接着強度を測定した。これを接着強度として表2に示した。
<成型後の剥離/リフロー後の剥離>
実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂組成物を、液状トランスファー成型機を用いて、金型温度165℃、射圧9.8MPa、注入時間30秒、硬化時間120秒として成型し、外形寸法が5.1mm×3.9mmのLEDパッケージを作製した。得られたLEDパッケージを85℃、85%RHの条件下に9時間おいて吸湿させた後、保持温度150℃で120秒、最高到達温度260℃で5秒のプロファイルのリフロー処理を行った。
成型後及びリフロー後のLEDパッケージにおいての封止部材とリードフレームとの剥離を顕微鏡で観察し、その結果を表2に示した。表中の分子は剥離したパッケージ数、分母は同じ条件で評価したパッケージの全体数を表す。
Figure 2011079894

実施例1では、ウレタン樹脂組成物中に2つ以上のチオール基を有する化合物(ポリチオール)、実施例2では、2つ以上のチオール基とスルフィド基とを有する化合物を含むことによって、銀メッキとの接着強度が高く、パッケージ成型後及びリフロー後の封止部材とリードフレームとの間に剥離は見られなかった。また、実施例3〜6のウレタン樹脂組成物は離型剤を含むが、2つ以上のチオール基を有する化合物をさらに含む。このようなウレタン樹脂組成物から得られる硬化体は、銀メッキとの接着強度が高く、パッケージ成型後及びリフロー後の封止部材とリードフレームとの間に剥離は見られなかった。
一方、比較例1,2のように、2つ以上のチオール基を有する化合物を含まない場合は、封止部材とリードフレームとの間に剥離が見られた。また、比較例3のように1つのチオール基を有する化合物を含む場合でも、封止部材とリードフレームとの間に剥離が見られた。
本発明の硬化体は、透明性、成型金型との離型性、及びリードフレームとの密着性に優れ、光半導体の封止に用いる硬化体として優れた性能を発揮することができる。
1…硬化体、2…銀メッキを施した銅板、3…シェアツール、102,102a,102b…リードフレーム、103…接着部材、104…光半導体素子、105…ワイヤ、106…封止部材、200…光半導体装置。

Claims (10)

  1. ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなる2液型ウレタン樹脂組成物であって、前記A液又はB液に2つ以上のチオール基を有する化合物を含む2液型ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリイソシアネート成分は、少なくとも1つのイソシアネート基が2級の炭素に結合し、2官能又は3官能の脂環構造を有するポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーを合計で30重量%以上含む、請求項1記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記2つ以上のチオール基を有する化合物が、スルフィド基をさらに有するものである請求項1又は2記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記2つ以上のチオール基を有する化合物が、2,2’−ジメルカプトジエチルスルフィドである請求項3記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記2つ以上のチオール基を有する化合物の含有量が、前記ポリオール成分及び前記ポリイソシアネート成分の全量に対して、0.01〜2.0重量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
  6. 前記A液又はB液に、下記一般式(1)で表される飽和脂肪酸、及び下記一般式(2)で表される、重量平均分子量が16,000以下のシリコーン−カプロラクトンブロック重合体をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
    Figure 2011079894


    (式中、Rは炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を示す。)
    Figure 2011079894


    (式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R,Rは、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
  7. ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び2つ以上のチオール基を有する化合物を含むウレタン樹脂組成物を硬化して得られる硬化体。
  8. 前記ウレタン樹脂組成物が、下記一般式(1)で表される飽和脂肪酸、及び下記一般式(2)で表される、重量平均分子量が16,000以下のシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体をさらに含む、請求項7記載の硬化体。
    Figure 2011079894


    (式中、Rは炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を示す。)
    Figure 2011079894


    (式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R,Rは、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
  9. 前記ウレタン樹脂組成物が無機充填材をさらに含む、請求項7又は8記載の硬化体。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の硬化体からなる封止部材を備える光半導体装置。
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