JP2010100758A - ケイ素含有硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で表される化合物(V-1)と、Si-H基を1分子中に2個以上有する化合物(H-1)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si-H基を1分子中に2個以上有する化合物(H-2);Si-H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上有する環状シロキサン化合物(V-2)、及び/又は化合物(V-2)とSi-H基を1分子中に2個以上有する化合物(H-3)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si-H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上有するプレポリマー(V-3);並びにヒドロシリル化触媒を含有するケイ素含有硬化性組成物。尚、R1はSi-H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を有するC2〜10有機基を表し、R2はC1〜10有機基を表す。
【選択図】なし
Description
接着性については、接着性が低い場合、光学素子と封止樹脂との界面で剥離が発生し、剥離により輝度が低下したり光学素子が固定できなくなるために、製品の信頼性が低下する等の問題が発生する。例えば表面実装タイプのLEDではプラスチック、セラミックス、銀等のパッケージ構成材料との接着性が良好であることも望まれている。
靭性については、靭性が低い場合には、例えば光学素子の実装時のはんだリフロー時や使用環境の変化における急激な温度変化によるクラックが発生するといった問題が発生する。
(A)成分として、下記一般式(1)で表される化合物(V−1)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個(化合物(V−1)の1分子中のSi−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1個である場合には、少なくとも3個)有する化合物(H−1)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−2)、
(B)成分として、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する環状シロキサン化合物(V−2)、及び/又は化合物(V−2)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−3)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有するプレポリマー(V−3)、並びに
(C)成分として、ヒドロシリル化触媒
を含有することを特徴とするケイ素含有硬化性組成物を提供するものである。
本発明に係る(A)成分は、上記一般式(1)で表される化合物(V−1)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個(化合物(V−1)の1分子中のSi−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1個である場合には、少なくとも3個)有する化合物(H−1)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−2)である。
化合物(H−1)としては、例えば、下記の一般式(2)で表される直線状シロキサン化合物、下記の一般式(3)で表される環状シロキサン化合物等が挙げられ、下記の一般式(3)で表される環状シロキサン化合物がより好ましい。化合物(H−1)としては、一般式(2)で表される直線状シロキサン化合物と一般式(3)で表される環状シロキサン化合物とを組み合わせて使用してもよい。化合物(H−1)としては、これらの他、架橋構造を有するシロキサン化合物、例えばシルセスキオキサン型のシロキサン化合物等でもよい。
本発明に係る(B)成分は、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する環状シロキサン化合物(V−2)、及び/又は化合物(V−2)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−3)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有するプレポリマー(V−3)である。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、加熱することにより硬化させることができ、硬化物とすることができる。この硬化反応は、本発明のケイ素含有硬化性組成物の配合成分を使用直前に混合する方法、あらかじめ全部を混合しておき硬化反応を行うときに加熱等により硬化する方法等、いずれの方法で行ってもよい。硬化させる場合の温度は35〜350℃が好ましく、50〜250℃が更に好ましく、100〜230℃が最も好ましい。硬化反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。硬化時間は0.01〜10時間が好ましく、0.05〜6時間がより好ましい。
光学機器分野では、レンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部、ファインダー、保護フィルム等である。
光部品分野では、光ファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、フェルール、光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、素子の封止剤等である。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、電装部品、各種内外装品、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、ガラス代替品等である。
窒素ガス導入管、温度計、冷却管、攪拌装置を備えた200mlのガラス製フラスコに化合物(H−1)成分として2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン36.0g(0.15モル)、化合物(V−1)としてモノアリルジグリシジルイソシアヌレート15.6g(0.05モル)、触媒として白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.01g及び溶媒としてトルエン50gを仕込み、105℃で2時間反応させた。その後、70℃で溶媒を減圧留去しプレポリマーA−1を得た。プレポリマーA−1のGPC分析により求めた質量平均分子量は570であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのSi−H基の含有量は8.16mmolであり、質量平均分子量とSi−H基の濃度とから得られた1分子あたりのSi−H基の数は4.65である。
化合物(H−1)として1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン20.2g(0.15モル)を使用し、化合物(V−1)としてジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸15.9g(0.06モル)、を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行いプレポリマーA−2を得た。プレポリマーA−2のGPC分析により求めた質量平均分子量は620であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのSi−H基の含有量は3.75mmolであり、質量平均分子量とSi−H基の含有量とから得られた1分子あたりのSi−H基の数は2.33である。
化合物(V−1)としてジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸13.3g(0.05モル)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行いプレポリマーA−3を得た。プレポリマーA−3のGPC分析により求めた質量平均分子量は770であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのSi−H基の含有量は7.8mmolであり、質量平均分子量とSi−H基の濃度とから得られた1分子あたりのSi−H基の数は6.01である。
合成例1と同様のガラス製フラスコに化合物(V−2)として2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン79.1g(0.23モル)、及び化合物(H−3)として合成例2で得られたプレポリマーA−2を32.2g(0.052モル)、溶媒としてトルエン50gを仕込み、105℃で2時間反応させた。その後、70℃で溶媒を減圧留去しプレポリマーB−1を得た。プレポリマーB−1のGPC分析により求めた質量平均分子量は1450であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのビニル基の含有量は5.34mmolであり、質量平均分子量とビニル基の濃度とから得られた1分子あたりのビニル基の数は7.74である。
合成例1と同様のガラス製フラスコに化合物(V−2)として2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン38.4g(0.16モル)、及び化合物(H−3)として2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンを13.8g(0.04モル)、溶媒としてトルエン50gを仕込み、105℃で2時間反応させた。その後、70℃で溶媒を減圧留去しプレポリマーB−2を得た。プレポリマーB−2のGPC分析により求めた質量平均分子量は1270であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのビニル基の含有量は9.29mmolであり、質量平均分子量とビニル基の濃度とから得られた1分子あたりのビニル基の数は11.8である。
合成例3において、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸を、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリジメチルシロキサン(分子量186、1分子あたりのSi−ビニル基の含有量は2個)9.3g(0.05モル)に変えたほかは、同様の操作を行いプレポリマーA’−1を得た。プレポリマーA’−1のGPC分析により求めた質量平均分子量は800、1H−NMR分析により求めた1gあたりのSi−H基の含有量は2.67mmol、質量平均分子量とSi−H基の含有量とから得られた1分子あたりのSi−H基の数は2.14である。
合成例4において、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン79.1g(0.23モル)の代わりに、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン22.7g(0.122モル)を使用し、プレポリマーA−2を64.2g(0.104モル)に増やしたほかは、合成例4と同様の操作を行いプレポリマーB’−1を得た。プレポリマーB’−1のGPC分析により求めた質量平均分子量は1000であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのビニル基の含有量は2.18mmolであり、質量平均分子量とビニル基の含有量とから得られた1分子あたりのビニル基の数は2.18である。
ジクロロジメチルシラン100部を100部のイオン交換水と50部のトルエンと450部の48%水酸化ナトリウム水溶液中に滴下し、105℃で5時間重合させた。得られた反応溶液を500部のイオン交換水で水洗した後にトルエン溶液を脱水し、ピリジンを20部加え、これにさらにジメチルビニルクロロシラン20部を加えて70℃で30分間攪拌した。その後、100部のイオン交換水で水洗した後に溶液を150℃で溶媒を減圧留去した。次に100部のアセトニトリルで洗浄し、その後、70℃で溶媒を減圧留去し、不飽和結合を有する非環状ポリシロキサン化合物であるプレポリマーB’−2を得た。プレポリマーB’−2のGPC分析により求めた質量平均分子量は40000であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのビニル基の含有量は0.07mmolであり、質量平均分子量とビニル基の含有量とから得られた1分子あたりのビニル基の数は2.8である。
比較用のプレポリマーB’−2の100部をトルエン200部に溶かし、白金触媒0.003部と環状ポリシロキサン化合物である2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン10部を加え、105℃で2時間反応させた。70℃で溶媒を減圧留去した後にアセトニトリル100部で洗浄した。その後、70℃で溶媒を減圧留去し、ケイ素含有化合物プレポリマーA’−2を得た。プレポリマーA’−2のGPC分析により求めた質量平均分子量は50000であり、1H−NMR分析により求めた1gあたりのSi−H基の含有量は0.20mmolであり、質量平均分子量とSi−H基の含有量とから得られた1分子あたりのSi−H基の数は10.0である。
(A)成分として合成例1で得られたプレポリマーA−1を100部、(B)成分として合成例4で得られたプレポリマーB−1を60部配合して、実施例1のケイ素含有硬化性組成物を得た。なお、100部の実施例1のケイ素含有硬化性組成物には、プレポリマーA−1及びプレポリマーB−1由来の白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体((C)成分に相当)が0.003部含まれている。
ガラス板に縦20mm、横20mmの正方形の穴のあいた3mm厚のシリコーンシートをのせ、軽く減圧して気泡を除いた実施例1のケイ素含有硬化性組成物を、その穴に流し込んだ後、ガラス板を載せた。これを、恒温槽に入れて150℃で3時間加熱して実施例1の硬化物試験片を得た。
表1に示す配合とした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3のケイ素含有硬化性組成物を調製し、ケイ素含有硬化性組成物から硬化物試験片を得た。なお、下記表1において、B−3及びC−1は、それぞれ以下の化合物である。
B−3:2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルテトラシクロシロキサン
C−1:白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体
厚さ3mmの硬化物試験片を200℃恒温槽に24時間加熱保存し、加熱前後の400nm及び700nmの光の透過率を測定することにより熱着色性を評価した。加熱前後の透過率の低下が大きいほど着色が大きく耐熱性が劣ることを示す。
硬化物試験片に、5mmの距離から照度5000mW/cm2の光線を、温度100℃で24時間照射した後、外観を目視し、下記の評価基準にて耐光性を評価した。なお、照射には、光源に超高圧水銀ランプ(三永電機社製、商品名UVF352S)を用い分光フィルタ(旭テクノガラス社製、商品名UV−33)で300nm以下の波長成分をカットした光線を用いた。
(評価基準)
○:試験片が透明で、変化がない。
△:試験片にやや濁りが見られる。
×:試験片が明らかな濁りが見られる。
JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方)に準拠し、硬化物試験片のデュロメータ硬さ(ショア硬さ)を測定した。表中、AはタイプAデュロメータ、DはタイプDデュロメータの値であることを示す。
ポリフタルアミド樹脂(ソルベイ・アドバンシト・ポリマーズ社製、商品名:アモデルA1145 HS BK324)の表面に、ケイ素含有硬化性組成物を厚さ0.3mmで塗布した後、平面上に室温で1時間静置し、静置前後の塗膜の形状の変化により、はじきを下記の評価基準により判定した。
(評価基準)
○:塗膜の形状に変化がなくはじきがない。
△:塗膜の形状にやや変化があり、はじきがややある。
×:塗膜の形状に変化があり、はじきがある。
JIS K6850(接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法)に準拠し、はじき試験と同様のポリフタルアミド樹脂の試験片を用いて、ケイ素含有硬化性組成物の接着性を評価した。なお、ケイ素含有硬化性組成物を塗布した試験片は150℃の恒温槽で3時間加熱してケイ素含有硬化性組成物を硬化させ、島津製作所製の試験機名オートグラフAG−Xにて、接着力(引張りせん断接着強さ)を測定した。
Claims (6)
- (A)成分として、下記一般式(1)で表される化合物(V−1)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個(化合物(V−1)の1分子中のSi−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1個である場合には、少なくとも3個)有する化合物(H−1)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−2)、
(B)成分として、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する環状シロキサン化合物(V−2)、及び/又は化合物(V−2)とSi−H基を1分子中に少なくとも2個有する化合物(H−3)とをヒドロシリル化反応させて得られる、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有するプレポリマー(V−3)、並びに
(C)成分として、ヒドロシリル化触媒
を含有することを特徴とするケイ素含有硬化性組成物。
- 上記化合物(H−3)が、上記化合物(H−2)である請求項1乃至4の何れか1項に記載のケイ素含有硬化性組成物。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載のケイ素含有硬化性組成物を加熱硬化させてなるケイ素含有硬化物。
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