JP2013221134A - ケイ素含有硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐クラック性、硬度、アウトガス性に優れ、電気・電子材料等に有用なケイ素含有硬化性組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される環状シロキサン化合物(α)の1種以上及び特定のジビニル化合物又はイソシアヌレート化合物をヒドロシリル化反応して得られる、1分子中に2個以上のSi−H基を含有するプレポリマー(A)と、特定のビニル基末端もしくはエポキシ記末端のポリシロキサン含有ポリマーを含有することを特徴とするケイ素含有硬化性組成物。
Figure 2013221134

【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素含有硬化性組成物及びそれを硬化させてなる硬化物に関する。該ケイ素含有硬化性組成物及びその硬化物は、封止剤、層間絶縁膜、パッシベーション膜、保護膜等の電気・電子部品材料、接着剤等に有用である。
ケイ素含有化合物は、さまざまな研究がなされており、工業的にもシリコーン樹脂に代表されるようにポリシロキサン化合物が古くから利用されている。しかし、シリコーン樹脂は、耐熱性、可撓性に優れてはいるが、アウトガス成分(揮発成分)が多いため電子部材の製造工程等では汚染問題から使用が限定されていた。
また近年、電子情報分野では、技術の発展に伴い、使用される各種材料にも高度の性能が要求されることから、ケイ素の特長ある性質を生かして耐熱性、透明性、物理的・電気的特性に優れた材料が検討されてきている。その中で、ケイ素化合物のヒドロシリル化反応を応用して有用な化合物を製造する技術が多種、検討されている。また、電子情報分野での部材製造工程では、リソグラフィ工程が多用され、高い耐塩基性・耐溶剤性が要求されるようになってきている。そのため、高い耐塩基性・耐溶剤性を保持しつつ、高度の耐熱性、耐クラック性、透明性を同時に満足する材料が求められるようになってきている。これらの要求に対し、種々のケイ素含有硬化性組成物が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2006−232970号公報 特開2010−018719号公報 特開2011−099035号公報
しかしながら、上記特許文献において提案された技術は、文献中で謳われている個々の特徴はそれぞれ有するが、最近の電子情報分野での材料に要求される、耐クラック性、硬度、アウトガス性等の点で満足のいくものではなかった。
従って、本発明の目的は、耐クラック性、硬度、アウトガス性に優れ、電気・電子材料等に有用なケイ素含有硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のケイ素含有化合物の構造とプレポリマーに着目し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)で示される環状シロキサン化合物(α)の1種以上及び下記<群G>から選ばれる化合物(β)の1種以上をヒドロシリル化反応して得られる、1分子中に2個以上のSi−H基を含有するプレポリマー(A)と、下記式(2)で示される線状シロキサン(B)とを含有することを特徴とするケイ素含有硬化性組成物を提供するものである。
Figure 2013221134
(式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、a個のRは同一であっても異なっていてもよく、b個のR、b個のRもそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。aは2〜10の数を表し、bは0〜8の数を表す。)
<群G>
Figure 2013221134
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基、あるいは、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜10のアクリル基もしくは炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基で置換されたフェニル基を示し、R、R、Rのうちいずれか二つは、炭素−炭素二重結合を有する置換基であり、m、nは、それぞれ独立に、1又は2である。)
Figure 2013221134
(式(2)中、R13及びR32は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基又はトリメチルシリル基を表し、R14、R15、R16、R17、R21、R25、R29、R30及びR31は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、フェニル基を表し、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基を表し、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又は酸素原子を表し、R13及びR32が炭素原子数1〜6のアルキル基である時、v≧1又はv+w≧2であり、R14、R15、R16、R17、R21、R25、R29、R30及びR31のうち少なくとも一つが水素原子である時、v≧1又はw≧1であり、p個のR16及びR17はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、q個のR18及びR19、r個のR20及びR21、v個のR22及びR23、w個のR24及びR25、x個のR26及びR27、y個のR28及びR29もそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。p、q、r、v、w、x及びyは、それぞれ独立に0〜3000の数を表し、p+q+r+v+w+x+y≧1である。)
また本発明の硬化物は、前記ケイ素含有硬化性組成物を硬化させてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、その硬化物が耐クラック性、硬度及びアウトガス性に優れ、電気・電子材料の絶縁膜、パッシベーション膜、封止材料、低誘電率材料、接着材料、耐熱材料、透明材料等に有用なケイ素含有硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明のケイ素含有硬化性組成物及びそれを硬化させてなる硬化物について詳細に説明する。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、式(1)で示される環状シロキサン化合物(α)(以下、(α)成分ともいう)の1種以上及び<群G>から選ばれる化合物(β)(以下、(β)成分ともいう)の1種以上をヒドロシリル化反応して得られる、1分子中に2個以上のSi−H基を含有するプレポリマー(A)(以下、(A)成分ともいう)と、式(2)で示される線状シロキサン(以下、(B)成分ともいう)とを含有するものである。
まず上記(A)成分であるプレポリマーについて説明する。上記(A)成分のプレポリマーは、下記の(α)成分と(β)成分のそれぞれから選ばれる1種以上をヒドロシリル化反応して得られ、その1分子中に2個以上のSi−H基を有するものである。
(α)成分は、上記の式(1)で示され、1分子中に2個以上のSi−H基を含有する環状シロキサン化合物である。Rは工業的入手性の点からメチル基が好ましく、R及びRはメチル基又はフェニル基が好ましい。aは製造の容易さの点から4〜6が好ましく、bは硬化反応の架橋密度の点から0〜1が好ましい。メチル基とフェニル基を両方含む場合は、R〜Rの置換基全体において、メチル基とフェニル基の比は4:1〜1:4であるのが好ましい。
(α)成分の具体例としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、工業的に入手が容易な点と適度のSi−H官能基数の点から1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。(α)成分は単独で使用しても2種以上組み合わせて使用してもよい。
(β)成分は、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有する化合物であり、上記<群G>から選ばれるものである。
<群G>における式中のR、R、Rで表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。また、ハロゲン原子、シアノ基等で置換されたアルキル基であってもよく、そのようなアルキル基としてクロロメチル、トリフルオロメチル、シアノメチル、ジクロロエチル等が挙げられる。
炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等が挙げられる。
炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基としては、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、3−ブテニルオキシなど、上記アルケニル基が酸素原子で中断された基等が挙げられる。
炭素原子数3〜10のアクリル基としては、アクリロイルオキシメチル、メタアクリロイルメチル、アクリロイルオキシエチル、メタアクリロイルエチル、アクリロイルオキシプロピル、メタアクリロイルプロピル、アクリロイルオキシブチル、メタアクリロイルブチル、アクリロイルオキシヘキシル、メタアクリロイルヘキシル、(メタ)アクリロイルオキシ等が挙げられる。
炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基としては、例えば、エポキシ基で置換された、アルキル基、シクロアルキル基、酸素原子で中断されたアルキル基、テトラヒドロベンジル基、ジシクロペンタジエニル基、ノルボルニル基、ノルボルネンイル基等が挙げられる。具体的には、エポキシ、エポキシメチル、エポキシエチル、エポキシプロピル、エポキシシクロヘキシル、グリシジル、シクロヘキサンエポキシメチル、ノルボルナンエポキシメチル、エポキシシクロヘキセン、エポキシテトラヒドロベンジル、エポキシメチルテトラヒドロベンジル、エポキシジシクロペンタジエニル等が挙げられる。
(β)成分である上記の<群G>から選ばれる化合物は、G−1で表される化合物としては、nが1である時は、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、nが2である時は1,2,3−トリビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン等が挙げられる。G−2で表される化合物としては、mが1である時はジビニルシクロヘキサンを示し、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサンのいずれでもよく、mが2である時はトリビニルシクロヘキサンを示し、具体例としては1,2,3−トリビニルシクロヘキサン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン等が挙げられ、G−3で表される化合物としては、下記化合物No.1〜8が挙げられる。上記の<群G>から選ばれる化合物は、ビニル基以外の官能基(例えばメチル基等のアルキル基)が環に結合しているものでもよく、これらの混合物でもよい。(β)成分としては、1種の化合物を単独で使用してもよく、2種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2013221134
(β)成分である上記<群G>から選ばれる化合物において、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数(即ちエチレン性不飽和結合の数)は、架橋密度の点から、好ましくは、1分子当たり2〜3個である。
上記(A)成分のプレポリマーは、上記の(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応することにより得られる。(α)成分と(β)成分の反応比率は、(A)成分のプレポリマー1分子中に、2個以上のSi−H基が含有されるようにする限り特に限定されない。好ましくは、プレポリマーの粘度の点から、(α)成分中のSi−H基の数(X)と、(β)成分中のSi−H基との反応性を有する炭素―炭素二重結合の数(Y)との比が、X:Y=10:1〜2:1であり、より好ましくはX:Y=4:1〜2:1である。さらに好ましくは、(α)成分100質量部に対し(β)成分30〜150質量部の範囲で、上記のX:Y比を満たすように反応比率を選択するのが望ましい。
上記(A)成分のプレポリマーが有するSi−H基の濃度は、硬化性及び保存安定性の点から、0.0001mmol/g〜100mmol/gが好ましく、更には、0.01mmol/g〜20mmol/gが好ましい。
上記(A)成分のプレポリマーは、重量平均分子量が500〜50万が好ましく、耐熱性及びハンドリング性の点から、1000〜30万がより好ましい。該プレポリマーの重量平均分子量の測定はGPCを使用すればよく、ポリスチレン換算により求めればよい。
(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応は白金系触媒を用いて行うことができる。該白金系触媒としては、ヒドロシリル化反応を促進する白金、パラジウム及びロジウムの一種以上の金属を含有する公知の触媒を用いることができる。これらのヒドロシリル化反応用の触媒として用いられる白金系触媒としては、白金−カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体等の白金系触媒をはじめ、白金の代わりに同じく白金系金属であるパラジウム、ロジウム等を含有する化合物が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。特に硬化性の点から、白金を含有するものが好ましく、具体的には、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)、白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)が好ましい。また、クロロトリストリフェニルホスフィンロジウム(I)等の、上記白金系の金属を含有するいわゆるWilkinson触媒も、本発明では白金系触媒に含まれる。白金系触媒の使用量は、反応性の点から、(α)成分と(β)成分の合計量の5質量%以下が好ましく、0.0001〜1.0質量%がより好ましい。(α)成分と(β)成分のヒドロシリル化反応条件は特に限定されず、上記触媒を使用して従来公知の条件で行なえばよいが、硬化速度の点から、室温〜130℃で行なうのが好ましく、反応時にトルエン、ヘキサン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等の従来公知の溶媒を使用してもよい。
上記(A)成分のプレポリマーは、Si−H基を有する環状シロキサン化合物である(α)成分と、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する化合物である(β)成分とをヒドロシリル化反応して得られるプレポリマーであり、本発明においては、(A)成分を構成する(α)成分が環状であること、及び、(α)成分を(β)成分と共にまずプレポリマーとしてから、これを硬化性組成物の配合成分とすることに大きな特徴がある。本発明のケイ素含有硬化性組成物は、(A)成分を構成する(α)成分が環状構造であるので硬化収縮性が小さく、そのため密着性に優れる硬化物が得られる。さらに低粘度でありながらケイ素含有量を多くできるので、耐熱性に優れた硬化性組成物を得ることができる。
次に上記(B)成分について説明する。上記(B)成分は、上記式(2)で表される線状シロキサン化合物である。
上記の式(2)中、反応性の点からR13及びR32はビニル基、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基、またはメチル基が好ましく、工業的入手性の点から、R14、R15、R16、R17、R21、R25、R29、R30及びR31はメチル基又はエチル基が好ましく、R22、R23及びR24はビニル基若しくは2−プロペニル基が好ましい。好ましい(B)成分の具体例としては、下記の式(3)〜(12)で示される線状シロキサン化合物が挙げられる。
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
上記一般式(2)で表される化合物の中でも、式(4)、(6)、(8)で表されるものが、硬化物の黄変を防ぎ、硬化物に靱性を与え、樹脂強度を調整することができるので好ましい。
上記(B)成分は、Si−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有する線状シロキサン化合物であり、この(B)成分が線状シロキサン化合物であることにより、密着性が向上する。本発明のケイ素含有硬化性組成物は、上記(B)成分の線状シロキサン共重合体を、上記(A)成分100質量部に対して好ましくは0.05〜30質量部含有するものであり、上記の密着性向上効果の観点から、0.1〜25質量部含有することがより好ましく、3〜20質量部含有することがさらに好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性組成物中、(A)成分は5〜90質量%が好ましく、(B)成分は0.05〜50質量%が好ましく、5〜40質量%が更に好ましい。
(A)成分と(B)成分の含有量は、Si−H基と、Si−H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の比を考慮して適宜決めればよいが、(A)成分に含まれるSi−H基と、(B)成分に含まれるSi−H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の当量比(前者/後者)が、0.1〜10が好ましく、1.0〜5.0が特に好ましい。当量比が0.1未満ではケイ素含有硬化性組成物が硬化せず、10より大きいと着色する可能性がある。
本発明のケイ素含有硬化性組成物には、更に下記式(13)で表される環状シロキサン化合物を添加して密(接)着性を向上させることができる。
Figure 2013221134
(式(13)中、R41、R42及びR43は、それぞれ、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、c個のR41は同一であっても異なっていてもよく、d個のR42、d個のR43もそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。cは2〜10の数を表し、dは0〜8の数を表す。)
上記の式(13)中、工業的入手性の点から、R41、R42及びR43は、メチル基またはフェニル基が好ましい。cは架橋密度の点から2〜4が好ましく、dは粘度の点から1〜3が好ましい。上記式(13)で表される環状シロキサン化合物としては、下記式(14)〜(16)で示される環状シロキサン化合物が、耐熱性及び密着性の観点から好ましい。
Figure 2013221134
Figure 2013221134
Figure 2013221134
本発明のケイ素含有硬化性組成物には、更にシアヌル酸構造を有する化合物を添加して密(接)着性を向上させることができる。該シアヌル酸構造を有する化合物としては、例えば、イソシアヌル酸、トリアリルシアヌル酸、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌル酸、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌル酸、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌル酸、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、トリス(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌル酸、下記化合物No.9、特許第2768426号公報、特開平3−261769号公報、特開平4−139211号公報、特開平4−139174号公報、特開平10−333330号公報等に記載されているもの等を用いることができる。また、これらの化合物は、シリコーン変性、エチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性等の各種変性処理が常法によりなされていてもよい。シアヌル酸構造を有する化合物を使用する場合、本発明のケイ素含有硬化性組成物中の該化合物の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
Figure 2013221134
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、任意成分としてフィラーを含有することもできる。フィラーを含有させると、得られる硬化物を所望の色に着色することができ、また得られる硬化物の硬度を上げることができる。該フィラーとしては、コロイダルシリカ、シリカゲル、マイカやモンモリロナイト等の鉱物;酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム等の金属酸化物等あるいはこれらを有機変性処理等によって改質したもの;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等のセラミックス等あるいはこれらを有機変性処理等により改質したもの;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物あるいはこれらを有機変性処理等により改質したもの;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩あるいはこれらを有機変性処理等により改質したもの;金属ホウ酸塩、カーボンブラック等の顔料;炭素繊維、グラファイト、ウィスカ、カオリン、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、層状粘土鉱物、クレー、チタン酸カリウム、炭化ケイ素、石英、アルミニウム、亜鉛、木粉、パルプ、木綿チップ等が挙げられる。これらフィラーの粒径は、耐熱性の点から100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。本発明のケイ素含有硬化性組成物中のフィラーの含有量は、耐熱性及びハンドリングの点から、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。フィラーを含有させる場合、その添加効果を充分発揮させるためには、本発明のケイ素含有硬化性組成物中のフィラーの含有量は5質量%以上が好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性組成物には、更に任意の成分として、フリーラジカルスカベンジャーを配合してもよい。この場合のフリーラジカルスカベンジャーは、酸化防止剤、安定剤等の抗酸化性物質であればよく、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−パラクレゾール(DBPC)等が挙げられる。本発明のケイ素含有硬化性組成物中の、フリーラジカルスカベンジャーの含有量は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性及びハンドリングの点から、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、室温(25℃)で良好な流動性があり、ハンドリング性に優れる。流動性に関しては、室温(25℃)で、E型粘度計で測定した粘度が1Pa・S以下であるのが好ましく、0.1Pa・S以下であるのがより好ましい。
また、本発明のケイ素含有硬化性組成物には、前記した環状シロキサン化合物、フィラー及びシアヌル酸構造を有する化合物以外の任意成分として、本発明の目的とする性能を損なわない範囲で、その他の公知の各種樹脂、添加剤等も配合することができる。フィラー及びシアヌル酸構造を有する化合物以外の任意成分の使用量は、特に制限されるものではないが、本発明の効果を損なわないようにするためには、本発明のケイ素含有硬化性組成物中5質量%以下の範囲とすることが好ましい。本発明においては、さらに、(A)成分及び(B)成分のいずれか一種以上に、各種の有機官能基を結合させ、更なる機能を付与することができる。また、本発明のケイ素含有硬化性組成物又はその硬化物をマトリックスとし、この中に他の有用な化合物を分散させた高機能複合材料を作製することもできる。
任意に配合できる各種樹脂の例としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。任意に配合できる添加剤の例としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。
次に本発明の硬化物について述べる。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、加熱することにより硬化させることができ、硬化物とすることができる。この硬化反応は、本発明のケイ素含有硬化性組成物の配合成分を使用直前に混合する方法、あらかじめ全部を混合しておき硬化反応を行うときに加熱等により硬化する方法等、いずれの方法で行ってもよい。
硬化させる場合の加熱温度は35〜350℃が好ましく、50〜250℃がより好ましい。硬化時間は0.01〜10時間が好ましく、0.05〜6時間がより好ましい。これらの硬化反応条件下に硬化反応を行うことにより、本発明のケイ素含有硬化性組成物から、耐熱性、耐久性、密着性等に優れた性能を有する硬化物を得ることができる。
また、本発明のケイ素含有硬化性組成物から得られる硬化物は、特に耐熱性、密着性に優れている。耐熱性については、詳しくは、硬化物の5質量%の重量減少を来たす温度が400℃以上、より好ましくは500℃以上の硬化物が好適に得られる。また、本発明のケイ素含有硬化性組成物からは、クラック発生の少ない硬化物が好適に得られる。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、(A)成分に含まれるヒドロシリル化反応の触媒である白金系触媒の効果により、(A)成分のSi−H基と、(B)成分のSi−H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合(例えばSi−CH=CH 基)の反応による硬化反応が速やかに進行する。さらに、本発明のケイ素含有硬化性組成物は、光反応性の触媒を添加することで、光硬化も可能である。もちろん光反応性のモノマーや樹脂を更に配合してもよく、ケイ素含有硬化性組成物中の各成分のいずれか一種以上が光反応性基を有していてもよい。更にまた、本発明のケイ素含有硬化性組成物からは、耐候性、硬度、耐汚染性、難燃性、耐湿性、ガスバリヤ性、可撓性、伸びや強度、電気絶縁性、低誘電率性等の力学特性、光学特性、電気特性等に優れた材料を得ることができる。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、その硬化物が、耐熱性、耐光性、密着性、透明性、着色性等の諸物性に優れた硬化性組成物として利用することができる。本発明のケイ素含有硬化性組成物及び硬化物は、電気・電子材料分野における表示材料・光材料・記録材料・半導体・太陽電池等の封止材料;高電圧絶縁材料;絶縁・防振・防水・防湿を目的とした各種材料として用いることができる。本発明のケイ素含有硬化性組成物を硬化させる際には、スピンキャスト、ポッティング、ディッピング等の成膜方法を適宜適用することができる。また、用途としては、プラスチック部品の試作母型、コーティング材料、層間絶縁膜、パッシベーション膜、プリプレグ、絶縁用パッキング、熱収縮ゴムチューブ、O−リング、表示デバイス用シール剤・保護材、光導波路、光ファイバー保護材、光学レンズ、光学機器用接着剤、高耐熱性接着剤、弾性接着剤、粘着剤、ダイボンディング剤、高放熱性材料、高耐熱シール材、太陽電池・燃料電池用部材、電池用固体電解質、絶縁被覆材、複写機用感光ドラム、ガス分離膜にも応用できる。また、土木・建材分野におけるコンクリート保護材、ライニング、土壌注入剤、シーリング剤、蓄冷熱材、ガラスコーティング、発泡体、塗料等への応用も可能であり、さらに医療用材料分野においても、チューブ、シール材、コーティング材料、滅菌処理装置用シール材、コンタクトレンズ、酸素富化膜等に応用できる。その他フィルム、ガスケット、注型材料、各種成型材料、網入りガラスの防錆・防水用封止剤、自動車部品、各種機械部品等に応用することが可能である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。
[合成例1](A)成分:プレポリマーA−1の合成
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100部、トリビニルシクロヘキサン100部、トルエン60部及び白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)0.0005部を加えて撹拌しながら、5時間還流した。反応液から70℃で溶媒を減圧留去し、(A)成分であるプレポリマーA−1を得た。
GPCによる分析の結果、プレポリマーA−1の分子量はMw=10,000であり、ヒドロシリル基(Si−H基)の含有量はH−NMRから5.3mmol/gであった。尚、以降のGPCは全てこの条件で行った。
(GPCの測定条件)
カラム:東ソー株式会社製TSK−GEL MULTIPORE HXL M、7.8mm X 300mm
展開溶媒:テトラヒドロフラン
[合成例2](A)成分:プレポリマーA−2の合成
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100部、ジビニルベンゼン50部、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート70部及び白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)0.0001部を加えて撹拌しながら、6時間還流した。反応液から50℃で溶媒を減圧留去し、(A)成分であるプレポリマーA−2を得た。
GPCによる分析の結果、プレポリマーA−2の分子量はMw=140000であり、ヒドロシリル基(Si−H基)の含有量はH−NMRから5.2mmol/gであった。
[合成例3](A)成分:プレポリマーA−3の合成
上記合成例1において、トリビニルシクロヘキサン100部に替えて、トリアリルイソシアヌル100部を用いた以外は上記合成例1と同様にして、(A)成分であるプレポリマーA−3を得た。
GPCによる分析の結果、プレポリマーA−3の分子量はMw=10,000であり、ヒドロシリル基(Si−H基)の含有量は H−NMRから5.3mmol/gであった。
[合成例4](A)成分:プレポリマーA−4の合成
上記合成例2において、ジビニルベンゼン50部に替えて、ビニルノルボルネン50部を用いた以外は上記合成例2と同様にして、(A)成分であるプレポリマーA−4を得た。
GPCによる分析の結果、プレポリマーA−4の分子量はMw=10,000であり、ヒドロシリル基(Si−H基)の含有量はH−NMRから5.3mmol/gであった。
[合成例5](B)成分:線状シロキサン化合物B−1の合成
ジクロロジメチルシラン100部を、100部のイオン交換水、50部のトルエン及び450部の48%水酸化ナトリウム水溶液の混合物中に滴下し、105℃で5時間重合させた。得られた反応溶液を500部のイオン交換水で水洗した後に、このトルエン溶液を脱水し、ピリジンを20部加え、これにさらにジメチルビニルクロロシラン20部を加えて70℃で30分間撹拌した。その後、100部のイオン交換水で水洗した後、150℃で溶媒を減圧留去した。次に100部のアセトニトリルで洗浄し、その後、70℃で溶媒を減圧留去し、上記の式(8)で示される、(B)成分である線状シロキサン化合物B−1を得た。下記条件でのGPCによる分析の結果、線状シロキサン化合物B−1の分子量はMw=20,000であった。
[合成例6](B)成分:線状シロキサン化合物B−2の合成
ジフェニルシランジオール30部をメチルイソブチルケトン450部及びピリジン60部に溶解させ、ジメチルビニルクロロシラン60部を滴下した。滴下後室温で2時間反応させ、溶媒を除去して、上記の式(6)で示される、(B)成分である線状シロキサン化合物B−2を得た。
[合成例7](B)成分:線状シロキサン化合物B−3の合成
合成例5で得られた線状シロキサン化合物B−2の100部をトルエン200部に溶かし、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンを20部及び白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)を添加し、70℃2時間反応し、3−ビニル−7−オキサビシクロ〔4,1,0〕ヘプタン20部を加え、105℃で2時間撹拌した。70℃で溶媒を減圧留去した後にアセトニトリル100部で洗浄し、その後、70℃で溶媒を減圧留去し、上記の式(4)で示される、(B)成分である線状シロキサン化合物B−3を得た。GPCによる分析の結果、線状シロキサン化合物B−3の分子量はMw=30,000であり、JIS規格K7236に基づく電位差滴定法により求めたエポキシ当量(エポキシ基の数当たりの分子量)は3000g/mmolであった。
[実施例1〜15及び比較例1〜4]ケイ素含有硬化性組成物の調製及び評価
[表1]〜[表2]に示す組成で(A)プレポリマー及び(B)線状シロキサン化合物、任意成分である環状シロキサン化合物を配合してケイ素含有硬化性組成物を得た。得られたケイ素含有硬化性組成物について、耐クラック性、硬度、アウトガスの試験を、それぞれ以下に示す方法で行った。内径20mmの容器に高さ1mmまでケイ素含有硬化性組成物を加えて、200℃で1時間加熱を行い、効果を行った。ケイ素含有硬化性組成物の硬化物を容器から取り出し、試験片として用いた。
<耐クラック性>
直径20mm、高さ1mmの円柱状に硬化させた試験片を200℃の強制送風式恒温槽の中で試験を行った。
○:200℃100時間でクラックが生じなかった
△:200℃100時間でクラックが発生
×:200℃40時間でクラックが発生
として耐クラック性評価とした。
<硬度>
JIS K6253もしくはASTM D2240に準じて測定を行った。いずれの評価においてもショアAデュロメータで90を超えたため、ショアDデュロメータで測定を行い、ショアDデュロメータの目盛の値を硬度評価とした。
<アウトガス>
硬化後の試験片について、示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)を用い、25℃から150℃まで毎分10℃で温度上昇を行い、150℃90分保持する条件で、測定前後の重量減少率(%)を算定することによりアウトガスの発生量とした
Figure 2013221134
Figure 2013221134
上記表1及び表2の結果より、本発明のケイ素含有硬化性組成物の硬化物は耐クラック性、硬度及びアウトガス性に優れることが明らかである。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で示される環状シロキサン化合物(α)の1種以上及び下記<群G>から選ばれる化合物(β)の1種以上をヒドロシリル化反応して得られる、1分子中に2個以上のSi−H基を含有するプレポリマー(A)と、
    下記式(2)で示される線状シロキサン化合物(B)と、
    を含有することを特徴とするケイ素含有硬化性組成物。
    Figure 2013221134
    (式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、a個のRは同一であっても異なっていてもよく、b個のR、b個のRもそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。aは2〜10の数を表し、bは0〜8の数を表す。)
    <群G>
    Figure 2013221134
    (式中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基、あるいは、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜10のアクリル基もしくは炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基で置換されたフェニル基を示し、R、R、Rのうちいずれか二つは、炭素−炭素二重結合を有する置換基であり、m、nは、それぞれ独立に、1又は2である。)
    Figure 2013221134
    (式(2)中、R13及びR32は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基又はトリメチルシリル基を表し、R14、R15、R16、R17、R21、R25、R29、R30及びR31は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、フェニル基を表し、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜10のエポキシ基を有する基を表し、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又は酸素原子を表し、R13及びR32が炭素原子数1〜6のアルキル基である時、v≧1又はv+w≧2であり、R14、R15、R16、R17、R21、R25、R29、R30及びR31のうち少なくとも一つが水素原子である時、v≧1又はw≧1であり、p個のR16及びR17はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、q個のR18及びR19、r個のR20及びR21、v個のR22及びR23、w個のR24及びR25、x個のR26及びR27、y個のR28及びR29もそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。p、q、r、v、w、x及びyは、それぞれ独立に0〜3000の数を表し、p+q+r+v+w+x+y≧1である。)
  2. 請求項1記載のケイ素含有硬化性組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
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