JP2011074976A - 摺動部材の製造方法および摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】弱い引き抜き力でマスター軸を電鋳部から引き抜くことができる摺動部材の製造方法、およびその方法で製造された摺動部材を提供する。
【解決手段】電鋳部3を有し、該電鋳部3におけるめっき析出開始面を摺動面とする摺動部材18の製造方法であって、マスター軸1の表面に被膜2を形成する前処理工程と、被膜2上に電鋳部3を形成する電鋳工程と、電鋳部3とマスター軸1とを電鋳部3の摺動面とマスター軸1の被膜2との間で引き離す分離工程とを備えてなり、前処理工程において形成される被膜2は、クロムめっき、または、ダイヤモンドライクカーボンからなる被膜である。
【選択図】図5

Description

本発明は電鋳部を有する摺動部材の製造方法および摺動部材に関する。
電鋳加工により得られた電鋳製品は、その析出母体となるマスター軸表面に倣って高精度に転写形成された面を有する。近年、軸受分野においては、この点に着目し、例えば流体軸受装置や動圧軸受など高い摺動面精度が要求される摺動部材分野に、当該電鋳製品を備えた摺動部材を展開する動きがある。
例えば、電鋳部をインサート部品として一体に型成形した樹脂製軸受部材が提案されている(特許文献1参照)。この軸受部材は、まず、図10に示すように、電鋳部21を有するマスター軸20と樹脂成形部22が一体になった樹脂成形品23が得られる。その後、図11で示すように、樹脂成形品23からマスター軸20を引き抜くと、電鋳部21は樹脂成形部22の軸孔内周面に付着した状態で電鋳殻として残余され、マスター軸20のみが分離する。従って、図11で示すように、樹脂成形部22の軸孔内周面に電鋳殻である電鋳部21が一体形成された軸受部品24として使用可能とするものである。
また、さらなる回転精度、静粛性の向上を図る目的で、互いに対向する軸受部材の内周面、または軸の外周面の何れか一方に、軸受隙間に流体の動圧作用を発生させるための動圧溝を設けた、いわゆる動圧軸受装置が提案されている(特許文献2参照)。
これら、特許文献1および特許文献2の技術の長所を合わせて、軸受面を電鋳部で形成した軸受部材に、上述の動圧溝を形成すれば、高精度に形成された軸受面と相まってさらなる軸受性能の向上を図れる。しかし、この方法を実行するに当たり、マスター軸の外周面のうち、動圧溝の形成面が軸受面の形成面よりも小径になるため、マスター軸を無理抜きする形となり、マスター軸引き抜き時における軸受面の損傷、変形を招き易い。
動圧溝を電鋳部の内周面に形成する手段として、例えば、電鋳部を形成するマスター軸の外周面に予め形成すべき動圧溝の形状に対応した成形部を設けておき、このマスター軸に電鋳部を析出形成することで、軸受面とともに動圧溝を形成する方法が知られている(特許文献3参照)。この方法では、電鋳部のマスター軸との分離面を成形部が通過する向きにマスター軸を引き抜き、分離面の一部を成形部で塑性変形させて溝部を形成する工夫により、マスター軸引き抜き時における軸受面の損傷、変形の防止を図っている。
特開2003−56552号公報 特開2003−239951号公報 特開2008−175386号公報
しかしながら、特許文献3の方法では動圧溝の凹凸に加え、電鋳部とマスター軸との間で強固な密着性を有することから、強い引き抜き力を加えて引き抜かざるを得ない。このため、軸受面の損傷、変形の防止を図る効果は不十分となる場合がある。この場合には、マスター軸を引き抜く際に加熱・冷却を加えることで、膨張・収縮による極微小な隙間を与え、引き抜き力の低減を行なっている。
しかし、近年、軸径の小径化や動圧溝の複雑化に伴ない、加熱・冷却を加える対策では膨張・収縮による極微小な隙間の確保が困難となり、さらに強い引き抜き力を加えて引き抜く必要がある。その結果、軸受内部やマスター軸表面を損傷するおそれがあり、引き抜き力をさらに低減できる製法が望まれる。
マスター軸の引き抜き力と、マスター軸の動圧溝成形部の破損状況との関係を図12に示す。図12は、動圧溝(溝深さ0.7μm)の成形部を設けたマスター軸(材質SUS303、直径0.6mm)の表面に電鋳部(材質Niめっき、厚み100μm)を電気めっき法で形成し、マスター軸を電鋳部から引き抜いた後の該電鋳部の動圧溝を示す図である。図12に示すように、引き抜き力が大きい(56N)場合では、動圧溝が潰れて傷が付いていることが分かる。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、弱い引き抜き力でマスター軸を電鋳部から引き抜くことができる摺動部材の製造方法、およびその方法で製造された摺動部材を提供することを目的とする。
本発明の摺動部材の製造方法は、電鋳部を有し、該電鋳部におけるめっき析出開始面を摺動面とする摺動部材の製造方法であって、該製造方法は、マスター部材の表面に被膜を形成する前処理工程と、上記被膜上に上記電鋳部を形成する電鋳工程と、上記電鋳部と上記マスター部材とを上記電鋳部の摺動面と上記マスター部材の上記被膜との間で引き離す分離工程とを備えてなり、上記前処理工程において形成される上記被膜は、クロム(以下、Crと記す)めっき、または、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCと記す)からなる被膜であることを特徴とする。
上記マスター部材がマスター軸であり、上記電鋳部が円筒形状であり、上記分離工程において、上記マスター軸は上記電鋳部より引き抜かれることを特徴とする。
上記電鋳工程と上記分離工程との間に、上記電鋳工程で得られた電鋳部を金型内に装着して摺動部材を構成する外周部の成形を行ない、内周部に上記電鋳部がインサートされた摺動部材を造る工程を有することを特徴とする。
上記前処理工程において、上記Crめっきからなる被膜の表面に酸化被膜が形成されてなることを特徴とする。
上記電鋳工程において、上記電鋳部の摺動面に、溝が上記マスター部材から転写されて形成されることを特徴とする。また、上記電鋳部の摺動面が円周形状であり、上記溝が円周方向に対して傾斜した溝であることを特徴とする。
上記マスター部材の表面は、上記前処理工程において上記被膜を成形する前の表面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする。
本発明の摺動部材は、電鋳部を有し、該電鋳部におけるめっき析出開始面を摺動面とする摺動部材であって、該部材は上記した本発明の製造方法で製造されることを特徴とする。特に、該摺動部材は、上記電鋳部におけるめっき析出開始面を滑り面とする滑り軸受であることを特徴とする。
本発明の摺動部材の製造方法は、マスター部材の表面にCrめっき、または、DLCからなる被膜を形成し、マスター部材と電鋳部とをマスター部材の該被膜と電鋳部の摺動面との間で引き離すので、マスター部材表面にこれらの被膜を形成しない従来の方法に比べて引き離す力(引き抜き力)を低減でき、摺動部材の摺動面の損傷を防止できる。
このため、電鋳部の摺動面に動圧溝などの溝がある場合でも、該溝の破損を防止できる。また、電鋳部の摺動面が円周形状の場合に、上記溝を円周方向に対して傾斜した溝とすることで、マスター軸の引き抜き力をより低減でき、該溝の破損をより防止できる。
また、引き離す力の低減に加え、上記被膜によりマスター部材表面の耐摩耗性も優れるので、引き離し時(引き抜き時)のマスター部材表面の損傷も防止することができる。このため、マスター部材の交換寿命の延長が図れる。
本発明の摺動部材は、上記製造方法により製造されるので、マスター部材表面に倣って高精度に転写形成された摺動面を有し、かつ、該摺動面にマスター部材の引き離し時における損傷を有しない。
図1(a)は前処理工程後のマスター軸の正面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った拡大断面図である。 電鋳処理装置を示す断面図である。 マスター軸を用いた樹脂成形部の射出成形の要部を示す縦断面図である。 マスター軸と、電鋳部が転写された摺動部材とを示す縦断面図である。 マスター軸の分離工程を示す縦断面図である。 図5におけるB−B線に沿った拡大断面図である。 マスター軸の表面粗さと引き抜き力の関係を示す図である。 Crめっき膜の厚みと引き抜き力の関係を示す図である。 DLC硬質被膜を表面に形成したマスター軸における電鋳部の剥離性を示す図である。 従来のマスター軸と樹脂成形部が一体になった樹脂成形品を示す縦断面図である。 図10の樹脂成形品から電鋳部付きの軸受部品を得る工程を示す縦断面図である。 マスター軸の引き抜き力と、マスター軸の動圧溝成形部の破損状況との関係を示す図である。
本発明の摺動部材の製造方法は、摺動面に電鋳部を有する摺動部材の製造方法として特に制限なく適用することができる。摺動部材の形状としては、例えば、平板、幅方向中央に凹みを有するテーパ状の躯体、円管、円筒形などの形状が挙げられる。本発明は、特にφ0.6mm程度の小径で、内周面に複雑な動圧溝(2列等)を有する滑り軸受の製造方法として好適に利用できる。
本発明の摺動部材の製造方法は、(1)マスター部材の表面にCrめっき、または、DLCからなる被膜を形成する前処理工程と、(2)この被膜上に電鋳部を形成する電鋳工程と、(3)電鋳部とマスター部材とを、電鋳部の摺動面とマスター部材の被膜との間で引き離す分離工程とを備えてなる。
本発明において摺動部材は、マスター部材表面の被膜から離型されて残る電鋳部そのものであってもよい。この場合、電鋳部の厚みは、使用時における機械的強度を確保できる厚さとする。また、上記製造方法において、(4)電鋳工程と分離工程との間に、電鋳工程で得られた電鋳部を金型内に装着して摺動部材を構成する外周部の成形を行ない、内周部に電鋳部がインサートされた摺動部材を造る工程をさらに備えることができる。
(1)前処理工程について説明する。該工程は、後述する分離工程においてマスター部材を弱い力で電鋳部から引き離すために、また、マスター部材自体の表面の損傷を防止するために、前処理としてマスター部材に対して所定の被膜を形成する工程である。
マスター部材は、形成する電鋳部の形状に合わせたものを用いる。例えば、円筒状の電鋳部を有する摺動部材を製造する場合には、マスター部材は、断面が円形の中実または中空のマスター軸とする。マスター部材の材質としては、導電性材料、例えば、焼き入れ処理を施したステンレス鋼が挙げられる。特に、ステンレス鋼の中でもSUS303などの使用が好ましい。また、ステンレス鋼に限定されず、同等の性能を有する他の硬質金属材(例えば、ニッケルクロム鋼その他のニッケル合金やクロム合金)などの使用も可能である。また、本発明では、該マスター部材の表面に、導電性を有するCrめっきまたはDLCからなる被膜を形成するので、セラミックなどの非金属材料の使用も可能である。
また、マスター部材表面に形成する後述の被膜は非常に薄い。このため、マスター軸を用いる場合、該マスター軸の外周面によって摺動部材の軸心孔形状が確定される。よって、マスター軸の外周面精度は、真円度、円筒度、表面粗さなどの軸受機能上重要となる表面精度を、予め高精度に仕上げておく必要がある。
マスター部材は、後述する被膜を成形する前の表面粗さRaが0.5μm以下であることが好ましい。マスター部材表面に形成される被膜は薄膜であり、基材の表面の凹凸を平坦化する機能を有しないため、被膜表面粗さRaも、マスター部材の表面粗さに追随することとなる。このため、マスター部材の上記被膜を成形する前の表面粗さRaが0.5μmをこえると、被膜表面粗さも同程度となり、引き抜き力が上昇し、分離工程において摺動部材の電鋳部の摺動面が損傷するので好ましくない。
前処理工程において、マスター部材の表面に形成する被膜は、Crめっきからなる被膜(以下、Crめっき膜ともいう)、または、DLCからなる被膜(以下、DLC硬質被膜ともいう)である。前処理工程において、表面に上記被膜2を形成した断面が円形で中実のマスター軸1を図1に示す。図1(a)はマスター軸の正面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った拡大断面図である。図1では被膜2がマスター軸1の全面に形成されているが、該被膜2は、後述する電鋳工程において電鋳部を形成する被めっき部に少なくとも形成してあればよい。
Crめっき膜は、マスター部材の表面にCrめっき処理を施すことで形成される。具体的には、Crめっき処理は、例えば、電気めっき法やスパッタリングによるドライめっき法によって行なうことができる。Crめっき膜は、自己不動態化能力により、その表面に水和オキシ水酸化Crからなる酸化被膜(不動態被膜)を自然形成する。この酸化被膜により、該被膜と電鋳部との間の密着性が低下し、分離工程においてマスター部材を引き離す力の低減が図れる。Crめっき膜表面の酸化被膜は、Crめっき膜を形成したマスター部材を大気中に放置して形成させることができる。また、温度100〜300℃の大気中で加熱処理を行なって酸化被膜を形成する方法などを用いることもできる。
Crめっき膜の厚みは、0.18〜0.5μmであることが好ましい。より好ましくは、0.18〜0.3μmである。Crめっき膜の厚みが0.18μm未満の場合には、分離工程において引き離す力(引き抜き力)の低減が十分に図れない。また、Crめっき膜の厚みが0.5μmをこえると、摺動部材が動圧溝を必要とする場合に、該動圧溝の形成がされなくなり、製品性能を果たさなくなる。
DLC硬質被膜は、構造的にはダイヤモンド構造(sp)とグラファイト構造(sp)が混ざり合った両者の中間構造を有するものである。このため、DLC硬質被膜は、ダイヤモンドと同等に硬度が高く、耐摩耗性、潤滑性、熱伝導性、化学安定性などに優れ、構造によっては導電性を有する。DLC硬質被膜の成膜法としては、特に限定しないが、例えば、熱、光、プラズマ(直流プラズマ、ホロカソードプラズマ、RFプラズマ、パルスプラズマ、表面波プラズマ)を使用したCVD方式や、イオンビーム、イオン化蒸着、ホロカソードアーク、真空アーク蒸着、アンバランスド・マグネトロン・スパッタ(以下、UBMSと記す)、プラズマ昇華、電子ビーム蒸着などのPVD方式の成膜方式を挙げることができる。これらの中で、特に耐摩耗性に優れた硬質被膜が得られるUBMS式による成膜方式を採用することが好ましい。
マスター部材表面にDLC硬質被膜を形成することで、該被膜表面の面粗さをマスター部材表面の面粗さと同程度にできるので、研磨、ラッピングなどの後加工が不要となる。
マスター部材に対するDLC硬質被膜の密着性を向上させるため、マスター部材とDLC硬質被膜との間に、タングステン、Crなどを含む金属中間層を予め形成することが好ましい。これらの金属中間層は、上記DLC硬質被膜と同様の方法で形成できる。
DLC硬質被膜は、その硬度がマスター部材表面側から該被膜の最表面側に向けて連続的または段階的に高くなる硬度傾斜被膜とすることが好ましい。硬度傾斜被膜とすることで、マスター部材または金属中間層との間で急激な硬度差をなくすことができ、密着性の向上が図れる。硬度傾斜させたDLC硬質被膜は、例えば、UBMS法において黒鉛ターゲットを用い、基材であるマスター部材に対するバイアス電圧を連続的または段階的に上昇させて成膜することで得られる。
DLC硬質被膜の厚みは0.2〜0.5μmであることが好ましい。厚すぎると、成膜中に膜内に発生する応力が過大となりクラックが生じるおそれがある。また、クラックが生じなくとも厚すぎる膜では残留応力が高いため剥離し易い傾向がある。逆に薄すぎると、DLC硬質被膜が摩耗した場合、マスター部材表面の損傷を防止できなくなる。
前処理工程において、マスター部材の表面に上記被膜を形成することで、マスター部材表面の該被膜と電鋳部との密着性を低下でき、分離工程において引き離す力(引き抜き力)が低減され、摺動部材の電鋳部の摺動面の損傷を防止できる。また、引き離す力の低減に加え、硬質被膜によりマスター部材表面の耐摩耗性にも優れるので、引き離し時(引き抜き時)のマスター部材表面の損傷も防止することができる。
(2)電鋳工程について説明する。該工程は、マスター部材に形成された被膜上に、電鋳部を形成する工程である。本発明の摺動部材は、該電鋳部におけるめっき析出開始面が摺動面となる。なお、「めっき析出開始面」とは、電鋳工程においてめっきの析出が開始される面であり、マスター部材に形成された被膜表面と接する電鋳部の表面である。
電鋳部の形成は、ニッケル(以下、Niと記す)や銅などの金属イオンを含んだ電解質溶液に上記被膜が形成されたマスター部材を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属を該被膜の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの固体潤滑材、あるいはサッカリンなどの応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。固体潤滑材を電鋳部に分散させることで、分離工程において引き離す力(引き抜き力)を低減することができる。金属の種類は、摺動部材の摺動面に求められる硬度などの物理的性質、化学的性質に応じて適宜選択される。また、電鋳部の好ましいめっき厚は、摺動部材のサイズや用途などの要件によって異なるが、例えば80〜200μmの範囲内で所望に設定する厚肉状に形成される。
電鋳部は、必要に応じて、マスター部材の一部のみに形成される。非電鋳部に対するマスキング処理としては、公知のレジスト処理や絶縁材入りインクをシルク印刷する形態を採用できる。本発明が実施対象のひとつとしている小型で高精度な摺動部材の場合には、高い寸法精度で電鋳処理を施す領域を設定する必要があるととともに、電鋳処理を大量に行なう必要があるので、図2で示すような電鋳処理装置4を使用することが好ましい。
以下、マスター部材として図1に示すマスター軸を用いた場合の電鋳工程を図2に基づいて説明する。マスター軸1は、前処理工程により表面に所定の被膜2が形成されたものである(図1参照)。電鋳処理装置4は、スペーサ部材5の上下に上側マスク部材6と下側マスク部材7を配置している。各マスク部材6、7の間にはスペーサ部材5の厚みに相当するめっき槽8が形成される。各マスク部材6、7は、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの弾性樹脂で形成される。また、各マスク部材6、7には、マスター軸1を装着する多数の挿通孔6a、7aが所定間隔毎に並設されている。この挿通孔6a、7aは、マスター軸1が圧入状態で挿通されるようにマスター軸1よりも僅かに小径にしている。
また、下側マスク部材7の下方には下方支持板9を設け、下方支持板9上には銅板などで形成した陰極板10を設ける。挿通孔7a内に装着した各接点部材11の下端側を、それぞれ陰極板10に当接させる。各接点部材11の上端側は、各マスター軸1の下端側に当接させる。各マスター軸1の上端側は、上側マスク部材6の上方に設けた上方支持板12にそれぞれ当接させる。上方支持板12は、連結ボルト13を介してスペーサ部材5と着脱可能に連結されている。各マスター軸1は、被めっき部が接点部材11により位置決めされ、非めっき部が各マスク部材6、7によってマスキングされる。
電鋳処理装置4に多数(図面上では3本のみ)のマスター軸1を装着させ、めっき槽8に注入しためっき液の存在下、電解めっき液に浸漬した陽極と陰極板10との間に通電を行なうことで、マスター軸1の被めっき部(被膜有り)に電鋳部3が形成される。この電鋳処理装置4は、マスター軸1を、各マスク部材6、7の挿通孔6a、7aに圧入状態で挿通させるだけで被めっき部の位置決めを精度良く行なうことができ、かつ、非めっき部に対するマスキング処理を確実に行なうことが可能である。
電鋳工程において、電鋳部3の摺動面に所定形状の溝を、マスター軸1に設けた溝成形部から転写して形成することができる。本発明の摺動部材を動圧型滑り軸受とする場合では、上記溝として、流体の動圧作用で圧力を発生させるための動圧溝を形成する。該動圧溝の形状を、電鋳部3の摺動面の円周方向に対して、例えば45度以上傾斜した溝とすることで、分離工程におけるマスター軸1の引き抜き力の低減が図れる。
なお、電鋳処理装置4を用いて、前処理工程におけるCrめっき膜を形成することもできる。この場合、前処理工程においてCrめっき膜が形成されたマスター軸1を、別の処理装置に移動させるために電鋳処理装置4から取り出す必要がなく、そのまま次工程の電鋳工程に進ませることができる。
(4)電鋳部の外周部に樹脂成形部を形成する工程について説明する。該工程は、電鋳工程と分離工程との間において、電鋳工程で得られた電鋳部を金型内に装着して摺動部材を構成する外周部の成形を行ない、内周部に電鋳部がインサートされた摺動部材を造る工程である。該工程は、必須工程ではなく、摺動部材に必要とされる特性に応じて適宜備えることができる。上記外周部としては、樹脂成形部以外に、焼結金属部などを形成することもできる。なお、該工程を備えない場合は、後述する分離工程において、マスター部材表面の被膜から離型されて残る電鋳部そのものが摺動部材となる。
図3は、前処理工程および電鋳工程を経たマスター軸を用いて、摺動部材の外周部として樹脂成形部を射出成形する際の要部を示す縦断面図である。図3に示すように、上型14と下型15とを備えた射出成形金型のキャビティ16内に、コアロッドの代わりにマスター軸1をインサートさせた状態にする。この状態で、例えば3点のピンポイントゲートまたはリングゲート(図示を省略)を介して成形樹脂材を注入し、マスター軸1と一体に樹脂成形部17を射出成形することができる。樹脂成形部17の形状はキャビティ16を所望形状に適合させることによって、任意に設定することができる。
図4は、マスター軸と、電鋳部が転写された摺動部材とを示す縦断面図である。図4で示すように、上記インサート成形によって、マスター軸1と樹脂成形部17とが一体の摺動部材18となる。摺動部材18は、射出成形中にマスター軸1の外側の電鋳部3が樹脂成形部17の内周面に密着して転写される。摺動部材18は、樹脂成形部17の成形後における熱収縮の影響をなくすために、軸心にマスター軸1を装着した状態で射出成形金型から取り出される。
射出成型時における軸心方向への成形圧力の印加、および、射出成型後における成形樹脂材の熱収縮に対して、電鋳部3の内外径はマスター軸1によって保形されるので、得られる摺動部材18は高い真円度および寸法精度を有する。また、樹脂成形部17の内周面と電鋳部3との間を、強固な接合状態で連結することができる。
(3)分離工程について説明する。該工程は、電鋳部3とマスター軸1とを、電鋳部3の摺動面とマスター軸1の被膜2との間で引き離す工程である。
図5は、マスター軸を分離した摺動部材を示す縦断面図である。また、図6は図5におけるB−B線に沿った拡大断面図である。図4に示す摺動部材18において、マスター軸1の表面に形成した被膜2と電鋳部3との間が分離し易い状態になっている。また、電鋳部3の外周面が樹脂成形部17と密着状態で接合されている。このため、図5に示すように、マスター軸1に対して軸方向に引き抜き力を加えると、電鋳部3とマスター軸1とが、電鋳部3の摺動面とマスター軸1の被膜2との間で引き離され、マスター軸1を電鋳部3から容易に引き抜くことがきる。なお、上述の動圧溝を電鋳部3の摺動面に形成しており、該溝部分が無理抜きとなる場合でも、マスター軸1に形成したCrめっき膜またはDLC硬質被膜により、引き抜き力の低減が図れ、該溝の破損を防止できる。
また、マスター軸1と電鋳部3との分離に際して、マスター軸1と電鋳部3とを加熱(または冷却)し、両者間に熱膨張量差を生じさせる手段を併用することができる。マスター軸1の被膜2の表面と、電鋳部3の摺動面との間で、膨張・収縮により極微小な隙間が生じ、引き抜き力の低減が図れる。
以上より、マスター軸1が分離され、電鋳部3と樹脂成形部17とからなる摺動部材18が得られる(図5および図6参照)。摺動部材18は、滑り軸受として、軸孔19に別の軸を装着して使用することができる。また、摺動部材18は、電鋳部3の内周面に動圧溝を形成することで、動圧軸受として好適に利用できる。
マスター軸の表面粗さと引き抜き力の関係を図7に示す。図7は、図横軸に示す表面粗さRaを有するマスター軸(材質SUS303、直径0.6mm)の表面に電鋳部(材質Niめっき、厚み100μm)を電気めっき法により形成し、マスター軸を電鋳部より引き抜いた際の試験結果である。図7に示すように、マスター軸の表面粗さRaが0.5μmをこえると、引き抜き力が大きく(50N以上)なり、特に0.8μmをこえると急激に引き抜き力が大きくなっていることが分かる。
マスター軸に形成したCrめっき膜の厚みと引き抜き力の関係を図8に示す。図8は、マスター軸(材質SUS303、直径0.6mm)の表面に、図横軸に示す膜厚のCrめっき膜を電気めっき法により形成し、該被膜上に電鋳部(材質Niめっき、厚み100μm)を電気めっき法により形成した後、マスター軸を電鋳部より引き抜いた際の試験結果である。図8に示すように、Crめっき膜の膜厚を厚くすることで、引き抜き力の低減が図れることが分かる。
DLC硬質被膜を表面に形成したマスター軸における電鋳部の剥離性を図9に示す。図9は、マスター軸(材質SUS303、直径0.6mm)の表面に、UBMS法によりDLC硬質被膜(厚み0.5μm)を形成し、該被膜上に電鋳部となるNiめっき膜(厚み100μm)を電気めっき法により形成した後、該Niめっき膜を剥離させた際の試験結果である。図9(a)に示すように、DLC硬質被膜上へのNiめっき膜の形成が可能であることが分かる。また、図9(b)に示すように、Niめっき膜(電鋳部)の剥離後において傷は確認されず、剥離性良好であることが分かる。
本発明の摺動部材の製造方法は、従来の方法に比べてマスター部材を引き離す力(引き抜き力)を低減できるので、マスター部材表面に倣って高精度に転写形成された摺動面を有し、かつ、該摺動面にマスター部材の引き離し時における損傷を有しない摺動部材を得られる。このため、該製造方法は、高精度な滑り軸受、特に小径で、内周面に動圧溝を有する滑り軸受の製造方法として好適に利用できる。
1 マスター軸
2 被膜
3 電鋳部
4 電鋳処理装置
5 スペーサ部材
6 上側マスク部材
7 下側マスク部材
8 めっき槽
9 下方支持板
10 陰極板
11 接点部材
12 上方支持板
13 連結ボルト
14 上型
15 下型
16 キャビティ
17 樹脂成形部
18 摺動部材
19 軸孔
20 マスター軸
21 電鋳部
22 樹脂成形部
23 樹脂成形品
24 軸受部品

Claims (9)

  1. 電鋳部を有し、該電鋳部におけるめっき析出開始面を摺動面とする摺動部材の製造方法であって、
    該製造方法は、マスター部材の表面に被膜を形成する前処理工程と、前記被膜上に前記電鋳部を形成する電鋳工程と、前記電鋳部と前記マスター部材とを前記電鋳部の摺動面と前記マスター部材の前記被膜との間で引き離す分離工程とを備えてなり、
    前記前処理工程において形成される前記被膜は、クロムめっき、または、ダイヤモンドライクカーボンからなる被膜であることを特徴とする摺動部材の製造方法。
  2. 前記マスター部材がマスター軸であり、前記電鋳部が円筒形状であり、前記分離工程において、前記マスター軸は前記電鋳部より引き抜かれることを特徴とする請求項1記載の摺動部材の製造方法。
  3. 前記電鋳工程と前記分離工程との間に、前記電鋳工程で得られた電鋳部を金型内に装着して摺動部材を構成する外周部の成形を行ない、内周部に前記電鋳部がインサートされた摺動部材を造る工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の摺動部材の製造方法。
  4. 前記前処理工程において、前記クロムめっきからなる被膜の表面に酸化被膜が形成されてなることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の摺動部材の製造方法。
  5. 前記電鋳工程において、溝が前記電鋳部の摺動面に前記マスター部材から転写されて形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の摺動部材の製造方法。
  6. 前記電鋳部の摺動面が円周形状であり、前記溝が円周方向に対して傾斜した溝であることを特徴とする請求項5記載の摺動部材の製造方法。
  7. 前記マスター部材の表面は、前記前処理工程において前記被膜を成形する前の表面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載の摺動部材の製造方法。
  8. 電鋳部を有し、該電鋳部におけるめっき析出開始面を摺動面とする摺動部材であって、該部材は請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載の製造方法で製造されることを特徴とする摺動部材。
  9. 前記摺動部材が、前記電鋳部におけるめっき析出開始面を滑り面とする滑り軸受であることを特徴とする請求項8記載の摺動部材。
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