JP2011074654A - 持出部材の設置構造、その設置方法、及びそれを用いた外設部材の取付構造 - Google Patents

持出部材の設置構造、その設置方法、及びそれを用いた外設部材の取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ビルの屋上などの防水層を備える陸屋根等の任意の位置に、太陽電池システム等の外設部材を取り付けることができる持出部材を提供する。
【解決手段】下地72上に防水層71を敷設した屋根面7に立設した棒状部材2に、棒状部材2が挿通する通孔を備える台座部材3、防水体4、防水押さえ具5、締着具6を、基端から順に取り付ける持出部材1の設置構造で、棒状部材2は、下端に下地72に固定される固定部21と、外設部材を取り付ける取付部22とを備え、台座部材3は、通孔付近が厚肉の樹脂製成形体であり、防水体4は、台座部材3の表面及びその外側の屋根面7を覆い、防水押さえ具5は、裏面側にシール材5Bを保持して、締着具6は、棒状部材2の取付部22に締着し、防水押さえ具5を押さえ付けて防水体4に圧着し、下地72に棒状部材2の固定部21を固定し、基端に台座部材3を配設し、表面を防水体4で覆う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビルの屋上などの防水層を備える陸屋根などの任意の位置に太陽電池システム等の外設部材を取り付けることができる持出部材の設置構造、その設置施工方法、及びそれを用いた外設部材の取付構造、改修構造に関する。
従来、ビルの屋上などの陸屋根の上に太陽電池システム等を取り付ける場合には、陸屋根面に支持架台などの取付部材を固定してその上に太陽電池システムを構築する方法が知られている。
前記取付部材としては、単なる杭状の縦杆を陸屋根面に深く突き立てる構造が最も簡単であり、その周囲を防水構造とすることにより、雨水等の浸入を防止する方式が例えば特許文献1,2などに開示されている。
特許文献1には、防水シートが敷設された躯体に、ボルト本体の外周に座板を介してラップシートが固着されたラップシート付き固定ボルトを立設し、ナットの締着により、押さえ板を介してラップシート及び座板が防水シートに圧接される構成である。なお、ラップシートの外周端縁は、シーリング剤により溶着されている。
また、特許文献2には、コンクリート床面に敷設された防水層を貫通するアンカーボルトを立設し、キャップ材を被せるように取り付け、その内側空間に充填材を充填し、キャップ材に防水材を張りかけ、さらに防水材の周辺端末(アンカーボルトに近接する内側端縁)をシーリング材等で処理した構成である。
また、特許文献3には、固定本体と称される硬質合成樹脂製の成形体に、予めボルトを一体的に埋設保持した状態に立設してあり、この固定本体に設けた縦筒部にアンカーボルトである固定長尺体を挿通させて固定する構成が開示されている。
特開2001−107471号公報 特開2000−120236号公報 特開2005−220658号公報
しかしながら、前記特許文献1では、仮にナットを締着して押さえ板がラップシート及び座板を防水シートに圧接できたとしても、雨水が浸入するラップシートの外周端縁は、シーリング剤による溶着にて防水しているに過ぎない。また、前記特許文献2でも、防水材のアンカーボルトに近接する内側端縁をシーリング剤で処理する構成にすぎない。これらのシーリング剤による溶着は、隙間部分に上方から液状のシーリング剤を塗布する作業であるため、雑な施工が一箇所でも存在すると、容易に雨水が浸入するものであった。また、シーリング剤と防水材等の密着が十分でない場合には、当該部分からの雨水の浸入を招くこともあった。さらに、上方からの液剤の塗布は、シーリング剤が表面に露出することを意味しており、紫外線等に曝されるため、耐候性(耐光性)が低いシーリング剤では短期間に雨水の浸入を許す恐れがあった。
さらに、前記特許文献3における硬質合成樹脂製の固定本体も、複雑な形状を有し、さらにはボルトを予め一体に埋設保持した構成であるため、その作成に要する手間や費用が極めて高いものであった。
そこで、本発明は、太陽電池システム等の外設部材を容易に取り付けることができ、雨水の浸入をまねくことがない持出(もちだし)部材の設置構造を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、下地上に防水層を敷設してなる屋根面に立設される棒状部材に、それぞれ前記棒状部材が挿通する通孔を備える台座部材、防水体、防水押さえ具、締着具を基端から順に取り付けてなる持出部材の設置構造であって、前記棒状部材は、下端に下地に固定される固定部と、その上方に延在して外設部材を取り付ける取付部とを備え、前記台座部材は、通孔付近が厚肉の樹脂製成形体であり、前記防水体は、前記台座部材の表面及びその外側の屋根面を覆うものであり、前記防水押さえ具は、裏面側にシール材を保持してなり、前記締着具は、前記棒状部材の取付部に締着して下降するものであり、下地に棒状部材の固定部を固定して上方に取付部を延在させ、その基端に台座部材を配設し、その表面を防水体で覆い、その上から防水押さえ具を締着具の締着により下方へ押圧し、取付部と防水体との隙間からの雨水の浸入を防止したことを特徴とする持出部材の設置構造に関するものである。
また、本発明は、前記持出部材の設置構造において、台座部材の内側に、棒状部材の基端を覆うシール材を配してなることを特徴とする持出部材の設置構造をも提案する。
また、本発明は、前記持出部材の設置構造において、防水押さえ具の通孔内面に、棒状部材の取付部と螺合する雌ネジが形成されていることを特徴とする持出部材の設置構造をも提案する。
さらに、本発明は、前記持出部材の設置方法であって、下地上に防水層を敷設してなる屋根面に棒状部材の固定部を固定する工程と、棒状部材の基端に台座部材を配設する工程と、取付部を挿通させつつ台座部材の表面及びその外側の屋根面を防水体で覆って固定する工程と、取付部を挿通させつつ防水押さえ具及び締着具を順次取り付ける工程と、締着具を締着することにより、防水押さえ具を下方へ押圧する工程と、からなることを特徴とする持出部材の設置方法をも提案する。
また、本発明は、前記設置構造により設置された持出部材に支持部材を取り付け、該支持部材に外設部材を取り付けてなることを特徴とする外設部材の取付構造をも提案する。
本発明の持出部材の設置構造は、太陽電池システム等の外設部材を取り付けた場合に、風雨等の振動が外設部材から支持部材へ伝搬しても、通孔付近が厚肉の樹脂製成形体からなる台座部材が、下地上に防水層を敷設してなる屋根の穿孔縁部分を保護する作用と、雨水の穿孔への浸入を防止する作用と、棒状部材の制振(制震)作用とを果たし、屋根表面(穿孔縁部分)は崩壊しないし、穿孔への雨水の浸入もなく、さらに防水構造の破綻を生ずることもない。
これに対して、例えば前記特許文献1,2のように縦杆の上部に外設部材を取り付ける構造では、外設部材の振動が縦杆から直接的に固定部分に伝わり、屋根表面が崩壊したり、雨水も浸入しやすく、仮に防水体等を敷設してもその防水構造に破綻を生じて漏水を引き起こす恐れがあった。
また、台座部材の表面を防水体にて覆う構成であるため、雨水の穿孔への浸入は二重に防止されるものとなる。
さらに、締着具にて防水押さえ具を下方に押圧することにより、防水押さえ具の裏面側に保持させたシール材が防水体に押し付けられるため、雨水が棒状部材を伝って浸入してもその浸入を阻止することができる。
そして、この持出部材の連結具の上方に受部材を固定し、該受部材に支持部材を取り付ければ、その支持部材に対して各種の太陽電池パネルや緑化構造を容易に取り付けることができる。
これに対して、例えば前記特許文献2の第2実施形態のように予め溶接してユニットを作成したり、或いは前記特許文献3のように樹脂成形の際に一体的に埋設固定した固定本体を作成する方法では、これらのユニットや固定本体の作成に極めて多大な手間や費用がかかるものであった。
また、台座部材の内側に、棒状部材の基端を覆うシール材を配した場合、雨水の穿孔への浸入を二重に防止することができる。
また、防水押さえ具の通孔内面に、棒状部材の取付部と螺合する雌ネジが形成されている場合、締着具の配設以前にこの防水押さえ具の棒状部材の取付部への取付けができるものとなる。
また、屋根面の防水層と防水体とを一体化させた場合、例えば融着等にて一体化させることにより、屋根上の雨水に対する浸入防止の効果が高いものである。
また、前記持出部材の設置構造を用いた本発明の外設部材の取付構造は、各種メーカー及び各種寸法、各種仕様の太陽電池システム等の外設部材を適用することができる。また、外設部材として太陽電池システムに限定されるものではないので、例えば緑化構造などにも容易に適用でき、安定な取り付け状態を維持するものとなる。
(a)本発明に用いられる持出部材の一実施例を示す分解拡大断面図、(b)それに用いた台座部材を示す断面図、(c)それに用いた防水体を示す断面図、(d)それに用いた防水押さえ具を示す断面図、(e)それに用いた連結具を示す断面図である。 (a)下地(躯体)上に固定部を取り付けた状態を示す断面図、(b)棒状部材を立設した状態を示す断面図、(c)台座部材を取り付けた状態を示す断面図、(d)防水体を敷設した状態を示す断面図、(e)防水押さえ具を取り付けた状態を示す断面図、(f)連結具を締着した状態を示す断面図である。 (a)太陽電池パネルを支持する支持部材を示す正面図と左側面図と平面図、(b)太陽電池パネルを示す正面図と右側面図と平面図と断面図、(c)持出部材に支持部材を取り付けた状態を示す斜視図、(d)支持部材に太陽電池パネルを取り付けた状態を示す斜視図である。
本発明の持出部材(持出金具)の設置構造は、下地上に防水層を敷設してなる屋根面に立設される棒状部材の基端に、それぞれ通孔を備える台座部材、防水体、防水押さえ具、締着具を基端から順に取り付けてなる構造である。なお、持出部材という名称に関し、持出金具(もちだしかなぐ)という名称が一般的であるが、金属製に限定されるものではなく、例えば硬質の樹脂成型品でもよいため、持出部材とした。
そして、前記持出部材には、支持部材を取り付け、さらにその支持部材に対し、太陽電池パネルや緑化構造等の各種の外設部材を取り付けることができる。
本発明の持出部材を設置する「下地上に防水層を敷設してなる屋根面」の下地は、例えばコンクリートもしくはデッキプレート上に断熱材等のボード(下地材)を介したものであっても、木造、鉄骨の躯体上に断熱材等のボードを介したものでも、また、折板等の金属屋根上に断熱材材等のボードを介したものであってもよく、防水層が敷設できる公知の屋根下地であればよい。
前記棒状部材は、前述のように下地上に防水層を敷設してなるに立設する部材であって、下端に下地に固定される固定部と、その上方に延在して外設部材を取り付ける取付部とを備える構成であり、単一部材からなる構成でも、複数部材からなる構成でもよい。
前記固定部は、下地に埋設されるが、安定にかつ垂直状に立設させるために、他の部分より、太くかつ高重量(高比重の素材)に形成されることが好ましい。
前記取付部は、後述する締着具を締着する役割をも果たすので、後述する図示実施例のように雄ネジが形成された構成が一般的に採用される。
前記台座部材は、前記棒状部材が挿通する通孔を備え、該通孔付近が厚肉の樹脂製成形体である。
そのため、後述する図示実施例のように略中央に通孔を形成する場合には、この通孔が設けられる略中央付近が厚肉に形成された樹脂製成形体を用いる。また、この台座部材と棒状部材との隙間を小さくする目的で、その通孔内面には、取付部の雄ネジと螺合する雌ネジを形成してもよいし、取付部が遊嵌される径に形成してもよい。
前記防水体は、前記棒状部材が挿通する通孔を備え、前記台座部材の表面及びその外側の屋根面を覆う部材である。
この防水体は、シート状でも成形品でもよく、熱融着により固定されることが望ましいため、防水体自体を熱で融着する構成が望ましい。特に防水体の裏面側に不織布を積層してなる不織布積層防水シートを用いてもよい。この不織布積層防水シートとしては、防水体を構成するプラスチックや合成ゴムなどと不織布とが物理的に一体化された構成であり、既に市販されているのでそれを用いてもよい。
前記防水押さえ具は、前記棒状部材が挿通する通孔を備え、裏面側にシール材を保持してなる部材である。
この防水押さえ具としては、特に限定するものではないが、後述する図示実施例のように下面側が解放する受皿状の枠体と、その下面側に保持されるシール材とからなる構成が望ましく、この場合、後述する締着具の下方への押圧を枠体が受け、下方へシール材を押し付ける役割を果たす。また、前記枠体の通孔内面には、取付部の雄ネジと螺合する雌ネジを形成しておくことが望ましい。
前記連結具は、前記棒状部材の取付部に締着されるものであり、後述する図示実施例のように取付部の雄ネジに螺合する雌ネジを備えるナットが一般的に用いられる。
そして、これらの棒状部材、台座部材、防水体、防水押さえ具、及び締着具から構成される持出部材の設置構造の施工手順は、以下のとおりである。すなわち本発明の持出部材の設置方法は、以下の手順にて行われる。
まず、下地上に防水層を敷設してなる屋根面に棒状部材の固定部を固定する。
防水層が下地上に敷設されているため、屋根表面の微細な凹凸から雨水等が持出部材の裏面側に回り込むことがない。
次に、棒状部材の基端に台座部材を配設する工程について説明する。
前述のように台座部材は、通孔を備え、該通孔付近が厚肉の樹脂製成形体であるから、屋根面に取り付けた状態の棒状部材に対し、その上から被せるように台座部材を配設してもよいし、前記棒状部材の屋根面への固定に先立って、棒状部材に台座部材を取り付けた状態で棒状部材を屋根面に固定するようにしてもよい。
なお、台座部材と同様に、防水体、防水押さえ具、締着具のそれぞれについても、前記棒状部材の屋根面への固定に先立って、棒状部材に取り付けた状態で、棒状部材を屋根面に固定するようにしてもよい。
次に、取付部を挿通させつつ台座部材の表面及びその外側の屋根面を防水体で覆って固定する工程について説明する。
前述のように防水体は、通孔を含む内側部分は台座部材の表面を覆い、外側部分は外側の屋根面上に敷設されるものであり、外側部分については屋根面上に熱融着により固定されることが望ましい。
次に、取付部を挿通させつつ防水押さえ具及び締着具を順次取り付ける工程について説明する。
前述のように、防水押さえ具の通孔内面に雌ネジを形成した場合には、締着具と同様に取付部の上端から回転しながら下降するものとなる。
締着具を締着することにより、防水押さえ具を下方へ押圧する工程について説明する。
連結具については、既に説明したように、後述する図示実施例ではナットであり、雄ネジである棒状部材の取付部に螺合した状態で下降し、防水押さえ具に当接した状態で締め付けを続けることにより、防水押さえ具のシール材がその下方に位置する防水体に圧着されて一体化する。より詳しくは、防水体の下方側には台座部材が配設されているので、上方側から防水押さえ具が圧着すると、台座部材に押し付けられる状態で一体化するため、取付部と防水体との隙間からの雨水の浸入を防止することができる。
また、取付部に取り付けられる支持部材は、特にその形状や構成等を限定するものではないが、後述する図示実施例のように断面Z字状のピース材でもよい。
前記支持部材に取り付けられる外設部材としては、太陽電池システムを後述する図示実施例にて説明するが、それに限定するものではなく、屋根面に適用される外設部材であれば、例えば緑化構造でもよいし、避雷針、アンテナなどでもよい。
この外設部材の配設位置は、前記支持部材の任意の位置に取り付けることができるので、屋根面の任意の位置に取り付けることができる。
図1(a)に示す持出部材1は、下地(躯体)72上に防水層71を敷設してなる屋根面7に立設される棒状部材2と、それぞれ前記棒状部材2が挿通する通孔を備える台座部材3、防水体4、防水押さえ具5、締着具6を基端から順に取り付けて構成される。
前記棒状部材2は、屋根面7に埋設される固定部21である下方部材に、その上方に延在して外設部材を取り付ける取付部22である上方部材を一体化してなる構成である。
前記固定部21は、図示実施例では他の部分より太くかつ下端が広がる形状であるため、安定にかつ垂直状に立設させることができる。
前記取付部22は、図示実施例では雄ネジが周設され、後述する締着具(ナット)を締着することができる。
前記台座部材3は、前記棒状部材2(取付部22)が挿通する通孔31を備え、該通孔31付近が厚肉の樹脂製成形体(硬質塩ビ)である。
図示実施例では、通孔31が設けられた略中央付近が厚肉に形成した樹脂製成形体3Aと、通孔31の下端に、予め装着した定形のシール材3Bとから構成した。
前記防水体4は、前記棒状部材2(取付部22)が挿通する通孔41を備え、前記台座部材3の表面及びその外側の屋根面7を覆う部材である。
図示実施例では、この防水体4としては、元旦ビューティ工業社製「元旦サーナルーフF610-20」を用い、外側の端縁を屋根面7の表面に敷設した防水層(元旦ビューティ工業社製「元旦サーナルーフS327-12」)71の表面に熱融着により固定した。
前記防水押さえ具5は、前記棒状部材2(取付部22)が挿通する通孔51を備え、裏面側に不定形のシール材5Bを保持した構成である。
図示実施例では、この防水押さえ具としては、下面側が解放する受皿状の枠体5Aと、その下面側に保持されるシール材5Bとからなる構成を採用した。また、前記枠体5Aの通孔51内面には、前記棒状部材2の取付部22に周設された雄ネジと螺合する雌ネジを形成した。
前記連結具6は、前記棒状部材2の取付部22に締着されるものであり、図示実施例では取付部22の雄ネジに螺合する雌ネジ61を備えるナット6Aを用い、その直下にはワッシャー6Bも共に取り付けた。
そして、これらの棒状部材2、台座部材3、防水体4、防水押さえ具5、及び締着具6から構成される持出部材1の設置構造の施工手順を図2に示した。
図2(a)に示すように予め屋根面7は、下地(躯体)72上に防水層71を敷設しておいた。
そして、下地(躯体)72に棒状部材2の固定部21である下方部材2Bを埋設して固定した。
続いて、図2(b)に示すように埋設固定した下方部材2Bに、上方部材2Aを螺合にて一体化して取付部22を上方に鉛直状に延在させた。
次に、図2(c)に示すように固定した棒状部材2の取付部22を、通孔31に挿通させつつ上方から被せるように台座部材3を配設した。この台座部材3は、前述のように予め通孔31の下端にシール材3Bを装着して一体化したものであるから、この台座部材3の配設により、前記棒状部材2の基端外周は、シール材3Bにて密接状に覆われるものとなった。
次に、図2(d)に示すように固定した棒状部材2の取付部22を、通孔41に挿通させつつ上方から被せるように防水体4を配設した。この防水体4の通孔41を含む内側部分は台座部材3の表面を覆い、外側部分は外側の屋根面7上に敷設し、熱融着により固定した。
次に、図2(e)に示すように固定した棒状部材2の取付部22を、通孔51に挿通させつつ上方から被せるように防水押さえ具5を配設した。この防水押さえ具5は、前述のように予め枠体5Aの裏面側に不定形のシール材5Bを保持させた構成であるから、この防水押さえ具5の配設により、前記棒状部材2の基端外周は、シール材5Bにて密接状に覆われるものとなった。
次に、図2(f)に示すように固定した棒状部材2の取付部22に、ワッシャー6B及びナット6Aを上方から被せるように螺合させた。
この連結具6を締め付けるにしたがい、連結具2は取付部22を上方から下方へ移動する(下降する)ため、その下方に配された前記防水押さえ具5をさらに下方へ押圧し、防水体4に圧着させる。すなわち防水体4は、下方側には台座部材3が配設され、上方側から防水押さえ具5が圧着するので、台座部材3に押し付けられる状態で一体化するため、棒状部材2の取付部22と防水体4の通孔41との隙間からの雨水の浸入を防止することができる。
さらに、前記棒状部材2の取付部22をつたって雨水が浸入しようとしても、台座部材3の内側に位置する定形のシール材3Bがその浸入を防止するので、雨水の浸入は二重に妨げられるものとなる。
次に、取り付けられた持出部材1に支持部材8を介して太陽電池パネル9を取り付けた構造を図3に示す。
前記支持部材8は、図3(a)に示すように上辺(上縁)が傾斜状の台形に成形された縦面部81と、該縦面部81の上縁を一方側へ折曲した支持フランジ部82と、前記縦面部81の下縁を他方側へ折曲した取付フランジ部83とからなる断面略Z字状の金具である。
そして、前記取付フランジ部83は略水平面状に、前記縦面部81は略鉛直面状に、前記支持フランジ部82は傾斜面状に配設される。
前記太陽電池パネル9は、図3(b)に示すように太陽電池90の周縁に、フレーム91を配した構成である。
そして、図3(c)に示すように二つの持出部材1,1に跨るように前記支持部材8を取り付け、図3(d)に示すように取り付けた二つの支持部材8,8の支持フランジ部82,82に、太陽電池パネル9の裏面を支持させるようにした。
なお、前記持出部材1への支持部材8の取り付けは、図示しないが、前記持出部材1の取付部22を取付フランジ部83に形成した通孔に挿着した状態でナットなどを締着することにより容易に取り付けることができる。
このように前記持出部材1の設置構造を用いた外設部材(太陽電池パネル9)の取付構造は、前述のように容易に屋根表面に持出部材1を取り付け、その持出部材1に対して支持部材8、および太陽電池パネル9を取り付ける各作業についても容易に実施することができる。
1 持出部材
2 棒状部材
21 固定部
22 取付部(雄ネジ)
3 台座部材
3A 樹脂製成形体
3B (定形の)シール材
31 通孔
4 防水体
41 通孔
5 防水押さえ具
5A 枠体
5B (不定形の)シール材
51 通孔
6 締着具
6A ナット
6B ワッシャー
61 雌ネジ
7 屋根面
71 防水層
72 下地(躯体)
8 支持部材
9 太陽電池パネル
90 太陽電池
91 フレーム

Claims (6)

  1. 下地上に防水層を敷設してなる屋根面に立設される棒状部材に、それぞれ前記棒状部材が挿通する通孔を備える台座部材、防水体、防水押さえ具、締着具を基端から順に取り付けてなる持出部材の設置構造であって、
    前記棒状部材は、下端に下地に固定される固定部と、その上方に延在して外設部材を取り付ける取付部とを備え、
    前記台座部材は、通孔付近が厚肉の樹脂製成形体であり、
    前記防水体は、前記台座部材の表面及びその外側の屋根面を覆うものであり、
    前記防水押さえ具は、裏面側にシール材を保持してなり、
    前記締着具は、前記棒状部材の取付部に締着して下降するものであり、
    下地に棒状部材の固定部を固定して上方に取付部を延在させ、その基端に台座部材を配設し、その表面を防水体で覆い、その上から防水押さえ具を締着具の締着により下方へ押圧し、取付部と防水体との隙間からの雨水の浸入を防止したことを特徴とする持出部材の設置構造。
  2. 台座部材の内側に、棒状部材の基端を覆うシール材を配してなることを特徴とする請求項1に記載の持出部材の設置構造。
  3. 防水押さえ具の通孔内面に、棒状部材の取付部と螺合する雌ネジが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の持出部材の設置構造。
  4. 屋根面の防水層と防水体とを一体化させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の持出部材の設置構造。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の設置構造を施工する設置方法であって、
    下地上に防水層を敷設してなる屋根面に棒状部材の固定部を固定する工程と、
    棒状部材の基端に台座部材を配設する工程と、
    取付部を挿通させつつ台座部材の表面及びその外側の屋根面を防水体で覆って固定する工程と、
    取付部を挿通させつつ防水押さえ具及び締着具を順次取り付ける工程と、締着具を締着することにより、防水押さえ具を下方へ押圧する工程と、からなることを特徴とする持出部材の設置方法。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の設置構造により設置された持出部材に支持部材を取り付け、該支持部材に外設部材を取り付けてなることを特徴とする外設部材の取付構造。
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