JP2011073422A - 成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色および/または材質の異なる2枚のシートを用いて中空体を成形方法であって、色および/または材質の異なる2つの熱可塑性樹脂製材料の溶融状態のシート状パリソンP離間した状態で、一対の分割金型のそれぞれのキャビティ116の周縁部に設けられる環状のピンチオフ部118にはみ出させる様に位置決めし、それぞれのシート状パリソンPを離間させる方向にキャビティ116まで移動させ、環状外枠部を有するキャビティ116とシート状パリソンPにより形成した密閉空間及び環状ピンチオフ部118の外側部分も含めシート状パリソンPを吸引賦形後に、一対の分割金型を型締めして、環状のピンチオフ部118同士を当接させる事により2つのシート状パリソンP同士を溶着する。
【選択図】図1
Description
特に、成形品が自動車用ダクトのように、直管状でなく曲管状のもの、たとえばコの字状の場合には、互いに平行な2つの水平管部とこれらの水平管部を接続する鉛直直管部とからなるところ、ブロー成形するに際し、水平管部の水平長さと鉛直管部の鉛直長さとにより構成される矩形広さ以上のシート状パリソンが必要となることから、2つの水平管部間の鉛直管部の側方の樹脂部分はバリとして、矩形広さのシート状パリソンのうち相当部分を成形対象から除外せざるを得なかった。
このようなブロー成形技術によれば、ブロー成形金型を閉じて、それぞれの金型のキャビティに設けた環状のピンチオフ部を突き合わせることにより、2枚のシートの周縁同士を溶着することで貼り合わせ、ブロー成形することが可能であるが、互いに色の異なる2枚のシートを用いることに起因して、バリの再利用に関して以下のような技術的問題点を有する。
互いに色の異なる2枚のシートのバリが混ざった状態では、リサイクルするのは困難であり、シート状パリソンの相当部分を廃棄せざるを得ず、歩留まりの低下を引き起こしていた。
この点は、色が同じでも材質の異なる2枚のシートを用いてブロー成形する場合には、同様な問題が引き起こされる。
色および/または材質の異なる2枚のシートを用いる成形方法であって、
色および/または材質の異なる2つの熱可塑性樹脂製材料の溶融状態のシート状パリソンそれぞれを互いに離間した状態で、一対の分割形式の金型のキャビティの周縁部に設けられた環状のピンチオフ部のまわりにはみ出す形態で、一対の分割形式の金型間に位置決めする段階と、
一対の分割形式の金型それぞれの外周面に外嵌する環状外枠を対向する金型に向かって、対応するシート状パリソンの対向面に当たるまで移動させることにより、金型のキャビティ、対応するシート状パリソンの対向面、および環状外枠部の内周面により密閉空間を形成する段階と、
該密閉空間を通じて、環状のピンチオフ部の外側に位置する部分も含め対応するシート状パリソンを吸引することにより、シート状パリソンを対応する金型のキャビティに押し当てて、賦形する段階と、
一対の分割形式の金型を型締めして、環状のピンチオフ部同士を当接させることにより、2つのシート状パリソン同士を溶着する段階とを有する構成としている。
さらに、前記型締段階は、環状のピンチオフ部の外側に位置するシート状パリソンの部分を吸引保持した状態で、型締を行うのがよい。
さらに、前記型締め段階において、環状のピンチオフ部同士の型締め方向の当接位置は、互いに離間するシート状パリソンの間に設けられるのがよい。
さらにまた、環状のピンチオフ部の少なくとも一方は、対向する金型に向かって突出するように設けられ、
前記型締段階は、シート状パリソンの対向面に当接する環状外枠をそのままの位置に保持した状態で、前記少なくとも一方の環状のピンチオフ部が対応する環状外枠より突出するまで対応する金型を移動させるのがよい。
前記型締段階は、シート状パリソンの対向面に当接する環状外枠をそのままの位置に保持した状態で、前記環状のピンチオフ部それぞれが対応する環状外枠より突出するまで両金型を互いに近づく向きに移動させるのでもよい。
さらに、前記型締段階は、環状のピンチオフ部同士が当接した状態で、それぞれの環状外枠の相対する環状外枠に対する対向面と、対応する金型の相対する金型に対する対向面とが面一となるように、環状外枠および/または金型を型締方向に移動調整する段階を有するのがよい。
さらにまた、前記シート状パリソンの吸引段階は、ピンチオフ部の外周に沿って設けられた真空吸引口を通じて、環状のピンチオフ部の外側に位置するシート状パリソンの部分を吸引するのがよい。
本実施形態では、樹脂成形品として、ゲーム機のケーシングカバーとして、表カバーと裏カバーとが材質が同じで色の異なる樹脂を採用し、2枚の熱可塑性樹脂を一体成形することにより完成する場合を例に説明する。
まず、本発明の成形方法を実施するための成形装置について、以下に説明する。
図1に示すように、樹脂成形品の成形装置10は、押出装置12と、押出装置12の下方に配置された型締装置14とを有し、押出装置12から押出された溶融状態のシート状パリソンPを型締装置14に送り、型締装置14により溶融状態のシート状パリソンPを成形するようにしている。ここに、2枚の熱可塑性樹脂それぞれを押し出して、型締装置14まで送るまでの装置は、同様であるので、一方のみ説明し、他方については同様な参照番号を付することによりその説明は省略する。
それぞれのローラーの直径およびローラーの軸方向長さは、成形すべきシート状パリソンPの押出速度、シートの押出方向長さおよび幅、ならびに樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよいが、後に説明するように、一対のローラー30間にシート状パリソンPを挟み込んだ状態で、ローラーの回転によりシート状パリソンPを円滑に下方に送り出す観点から、回転駆動ローラー30Aの径は、被回転駆動ローラー30Bの径より若干大きいのが好ましい。ローラーの径は50〜300mmの範囲であることが好ましく、シート状パリソンPとの接触においてローラーの曲率が大きすぎてもまた、小さすぎてもシート状パリソンPがローラーへ巻き付く不具合の原因となる。
2つの分割形式の金型32A,Bそれぞれにおいて、キャビティ116のまわりには、ピンチオフ部118が形成され、このピンチオフ部118は、キャビティ116のまわりに環状に形成され、対向する金型32A,Bに向かって突出する。これにより、2つの分割形式の金型32A,Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部118の先端部が当接し、溶融状態のシート状パリソンPの周縁にパーティングラインPLが形成されるようにしている。
なお、一方の連続シート状パリソンP用の押出装置および一対のローラーと、他方の一方の連続シート状パリソンP用の押出装置および一対のローラーとは、この閉位置に関して対称に配置されている。
この場合、図3に示すように、ピンチオフ部118の外周、より正確には、ピンチオフ部118と型枠33の内周面102との間には、真空吸引室120に連通する真空吸引口124が設けられ、それによりピンチオフ部118の外側に位置するシート状パリソンPの部分(バリの部分)を吸引することが可能としている。これにより、分割金型32を型締する際、バリの部分がくっついて分離できなくなる事態を防止することが可能である。
真空吸引口124は、ピンチオフ部118のまわりに環状形態で設けてもよいし、ピンチオフ部118のまわりに分布する複数の管状形態で設けてもよい。
型枠33の金型32に対する型締方向の突出量D、および型枠33の内周面102と真空吸引口124との距離Lは、吸引圧力との関係において、バリ部を確実に吸着可能にする観点から定めればよい。
また、このような真空吸引口124は、金型32A,Bのそれぞれに設けるのが好ましいが、2枚の溶融樹脂シートのうち一方が吸引されて、対応する金型32に吸着保持されている限り、金型の型締の際、2枚の溶融樹脂シートそれぞれのバリの部分が互いにくっつく事態を防止することが可能であるから、一方の金型32にのみ真空吸引口124を設けてもよい。
まず、溶融混練した熱可塑性樹脂をアキュムレータ22内に所定量貯留し、Tダイ28に設けられた所定間隔の押出スリット34から、貯留された熱可塑性樹脂を単位時間当たり所定押出量で間欠的に押し出すことにより、熱可塑性樹脂はスウェルし、溶融状態のシート状に下方に垂下するように所定の厚みにて所定押出速度で押し出される。
以上の工程を、異色の2枚のシート状パリソンPそれぞれについて行う。
次いで、図3に示すように、金型32のキャビティ116、型枠33の内周面102、および金型32に対向するシート状パリソンPの表面により構成された第1密閉空間200を通じて、真空吸引室120から吸引穴122、124を介して吸引することにより、シート状パリソンPをキャビティ116に対して押し付けて、キャビティ116の凹凸表面に沿った形状にシート状パリソンPを賦形する。これにより、後に説明する金型32の型締後の本賦形に対する予備賦形として、シート状パリソンPをキャビティ116の凹凸表面に沿ってある程度なじませることが可能である。
この場合、図3に示すように、真空吸引口124によりピンチオフ部118の外側に位置する部分も含めシート状パリソンPを吸引することにより、バリの部分も含め対応する金型32の表面に吸着保持することが可能である。
以上の工程を、異色の2枚のシート状パリソンPそれぞれについて行う。なお、ここまでの金型32の型締前までの工程について、2枚のシート状パリソンPについて略同時に行われるのが好ましいが、金型32の型締工程開始に実質的に待ち時間が生じない限り、厳密に同時に行われる必要はない。
この場合、図5に示すように、環状のピンチオフ部118同士が当接した状態で、それぞれの型枠33の相対する型枠に対する対向面208と、対応する金型32の相対する金型に対する対向面206とが面一となるように、型枠33および/または金型32を型締方向に移動調整するのがよい。
これにより、金型32に対向するシート状パリソンPの表面に対して、きめの細かいシボ模様等を賦形することが可能である。
以上のように、一次成形において溶融樹脂を間欠的に押し出すたびに、以上のような工程を繰り返すことにより、シート状の樹脂成形品を次々に成形することが可能であり、一次成形(押出成形)により熱可塑性樹脂を間欠的に溶融状態のシート状パリソンPとして押し出し、二次成形(ブロー成形あるいは真空成形)により押し出されたシート状パリソンPを金型を用いて成形することが可能である。
PL パーティングライン
10 成形装置
12 押出装置
14 型締装置
16 ホッパー
18 シリンダー
20 油圧モーター
22 アキュムレータ
24 プランジャー
28 Tダイ
30 ローラー
32 分割金型
33 型枠
34 押出スリット
102 内周面
116 キャビティ
118 ピンチオフ部
120 真空吸引室
124 真空吸引口
200 第1密閉空間
202 第2密閉空間
206 対向面
208 対向面
Claims (8)
- 色および/または材質の異なる2枚のシートを用いる成形方法であって、
色および/または材質の異なる2つの熱可塑性樹脂製材料の溶融状態のシート状パリソンそれぞれを互いに離間した状態で、一対の分割形式の金型のキャビティの周縁部に設けられた環状のピンチオフ部のまわりにはみ出す形態で、一対の分割形式の金型間に位置決めする段階と、
一対の分割形式の金型それぞれの外周面に外嵌する環状外枠を対向する金型に向かって、対応するシート状パリソンの対向面に当たるまで移動させることにより、金型のキャビティ、対応するシート状パリソンの対向面、および環状外枠部の内周面により密閉空間を形成する段階と、
該密閉空間を通じて、環状のピンチオフ部の外側に位置する部分も含め対応するシート状パリソンを吸引することにより、シート状パリソンを対応する金型のキャビティに押し当てて、賦形する段階と、
一対の分割形式の金型を型締めして、環状のピンチオフ部同士を当接させることにより、2つのシート状パリソン同士を溶着する段階と
を有することを特徴とする成形方法。 - 前記位置決め段階は、一対の分割形式の金型より上方で押出成形された連続シート状の溶融状態のシート状パリソンを一対の分割形式の金型間に垂下させる段階を有する、請求項1に記載の成形方法。
- 前記型締段階は、環状のピンチオフ部の外側に位置するシート状パリソンの部分を吸引保持した状態で、型締を行う請求項1に記載の成形方法。
- 前記型締め段階において、環状のピンチオフ部同士の型締め方向の当接位置は、互いに離間するシート状パリソンの間に設けられる、請求項1に記載の成形方法。
- 環状のピンチオフ部の少なくとも一方は、対向する金型に向かって突出するように設けられ、
前記型締段階は、シート状パリソンの対向面に当接する環状外枠をそのままの位置に保持した状態で、前記少なくとも一方の環状のピンチオフ部が対応する環状外枠より突出するまで対応する金型を移動させる、請求項4に記載の成形方法。 - 環状のピンチオフ部はそれぞれ、対向する金型に向かって突出するように設けられ、
前記型締段階は、シート状パリソンの対向面に当接する環状外枠をそのままの位置に保持した状態で、前記環状のピンチオフ部それぞれが対応する環状外枠より突出するまで両金型を互いに近づく向きに移動させる、請求項4に記載の成形方法。 - 前記型締段階は、環状のピンチオフ部同士が当接した状態で、それぞれの環状外枠の相対する環状外枠に対する対向面と、対応する金型の相対する金型に対する対向面とが面一となるように、環状外枠および/または金型を型締方向に移動調整する段階を有する、請求項5または請求項6に記載の成形方法。
- 前記シート状パリソンの吸引段階は、ピンチオフ部の外周に沿って設けられた真空吸引口を通じて、環状のピンチオフ部の外側に位置するシート状パリソンの部分を吸引する、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の成形方法。
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