JP2022084477A - 成形装置 - Google Patents

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康佑 相原
Kosuke Aihara
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Abstract

【課題】金型の上下に発生するバリを、より容易に切除することができる成形装置を提供する。【解決手段】樹脂成形品の成形装置であって、溶融状態の樹脂シートを押し出して垂下させる押出機構と、前記垂下された樹脂シートを開閉可能な金型で型締めする型締め機構を備え、前記金型の上側および下側の少なくとも一方には、前記樹脂シートの幅方向にスライドし、前記樹脂シートを切断するスライド部材が設けられている、成形装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品を成形する成形装置に関する。
従来、樹脂成形品を成形する方法として、押出装置から押し出された溶融状態の樹脂シートを金型の間に垂下し、その樹脂シートを金型で型締めしてブローあるいは真空成形する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法では、押出装置から押し出された溶融状態の樹脂シートを金型の間に配置して型締めしているため、樹脂を再加熱することに起因する加熱の不均一性などの問題点を引き起こすことなく、樹脂成形品を容易に成形することができる。
特開2015-168231号公報
ところで、樹脂シートを開閉可能な金型で型締めすると、金型の上下にバリが発生する。特許文献1では、金型で型締めした状態で、金型の開閉方向に移動する刃物によってバリを樹脂成形体から分離している。
しかし、特許文献1の技術では、樹脂シートの材質が柔らかい場合には、刃物によってバリを樹脂成形体から切除することが困難であるという不具合が生じていた。
本発明の目的は、金型の上下に発生するバリを、より容易に切除することができる成形装置を提供することである。
本発明によれば、樹脂成形品の成形装置であって、溶融状態の樹脂シートを押し出して垂下させる押出機構と、前記垂下された樹脂シートを開閉可能な金型で型締めする型締め機構を備え、前記金型の上側および下側の少なくとも一方には、前記樹脂シートの幅方向にスライドし、前記樹脂シートを切断するスライド部材が設けられている、成形装置が提供される。
このような構成とすることにより、シートの幅方向にスライドするスライド部材で樹脂シートを切除することになり、樹脂シートの材質が柔らかい場合においても割くように切断することによりバリを樹脂成形体から切除することが可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記スライド部材は、平面視において、前記樹脂シートの幅方向に対して垂直方向に延伸可能な延伸部と、前記樹脂シートを切断するための切断部とを備える。
好ましくは、前記延伸部は、エアーシリンダーで構成されている。
好ましくは、前記先端部は、断面L字状のブラケットで形成されている。
好ましくは、前記切断部の厚みは、1.0mm以上3.0mm以下である。
本発明の別の態様では、溶融状態のパリソンを押し出して垂下させる押出機構と、前記垂下されたパリソンを開閉可能な金型で型締めする型締め機構を備え、前記金型の上側および下側の少なくとも一方には、平面視において前記金型の開閉方向と垂直な方向にスライドし、前記パリソンを切断するスライド部材が設けられている、成形装置が提供される。
本実施形態に係る成形装置1を模式的に示す図である。 樹脂シート22,23を金型31,32間に配置した状態を示す図である。 金型31,32を型締めした状態を示す図である。 ピストン34aを延伸させた状態を示す図である。 図4における金型32の上面を示す図である。 スライド部材33をスライドレール36に沿ってスライドさせた状態を示す図である。 下バリB2を落下させた状態を示す図である。 金型31,32を型開きした状態を示す図である。 上バリB1の一方を落下させた状態を示す図である。 上バリB1全体を落下させた状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
(1.成形装置1)
図1および図2を参照し、本実施形態の成形装置1の構成例について説明する。図1は、本実施形態の成形装置1の構成例を示す図である。
成形装置1は、一対の押出機構2と、型締め機構30を備える。押出機構2は、ホッパー12と、押出機13と、アキュームレータ17と、Tダイ18と、延伸ローラ28を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。以下、各構成について詳細に説明する。
<ホッパー12,押出機13>
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
<アキュームレータ17、Tダイ18>
溶融樹脂は、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂が貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に溶融樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて溶融樹脂をTダイ18の最下端に設けられた押出スリット18aから押し出して垂下させて溶融状態の樹脂シート22,23を形成する。
<延伸ローラ28>
押出機構2は、押出スリット18aから押し出された溶融状態の樹脂シート22,23を延伸するために、延伸ローラ28を有している。図2に示すように、延伸ローラ28は、一対の調整ローラ28a,28bと、補助ローラ28cで構成されている。一対の調整ローラ28a,28bは、Tダイ18の下方の所定位置に配置されている。補助ローラ28cは、一対の調整ローラ28a,28bの下方の所定位置に配置されている。
押出機構2は、押出スリット18aから押し出された樹脂シート22,23を一対の調整ローラ28a,28bの間に挟み込み、調整ローラ28a,28bの回転により樹脂シート22,23を下方に送り出すことで、樹脂シート22,23を延伸薄肉化している。ここで、押出スリット18aから押し出される樹脂シート22,23の押出速度と、調整ローラ28a,28bによる樹脂シート22,23の送り出し速度との関係を調整することで、ドローダウンあるいはネックインの発生を防止することができる。その結果、樹脂の種類、特に、MFR値およびメルトテンション値、あるいは単位時間当たりの押出量に対する制約を小さくすることができる。
<型締め機構30>
型締め機構30は、樹脂シート22,23を成形するための開閉可能な1対の金型31,32と、送風機38を備える。金型32の上面および下面には、樹脂シートの幅方向にスライド可能に構成されたスライド部材33が設けられている。
図2に示すように、金型31,32は、キャビティ31a,32aを有し、キャビティ31a,32aを取り囲むようにピンチオフ部31b,32bが設けられている。キャビティ31a,32a内には、減圧吸引孔(図示せず)が設けられており、減圧吸引孔を通じて樹脂シート22,23を減圧吸引して金型31,32のキャビティ31a,32aの内面に沿った形状に賦形することが可能になっている。減圧吸引孔は、極小の孔であり、一端が金型31,32内部を通ってキャビティ31a,32aの内面にまで連通されてり、他端が減圧装置に接続されている。
スライド部材33は、平面視において、樹脂シート22,23の幅方向に対して垂直方向に延伸可能な延伸部としてのエアーシリンダー34と、樹脂シート22,23を切断するための切断部としてのブラケット35を備える。スライド部材33の構成および動作についての詳細は後述する。
(2.成形品Pの製造方法)
図2~図10を参照しながら、成形装置1を用いた成形品Pの製造方法について説明する。
まず、溶融混練した熱可塑性樹脂をアキュームレータ17内に所定量貯留し、Tダイ18に設けられた所定間隔の押出スリット18aから、アキュームレータ17内に貯留された熱可塑性樹脂を単位時間当たり所定押出量で間欠的に押し出す。これにより、押出スリット18aから溶融状態の樹脂シート22,23が所定の押出速度で押し出される。
押出機構2は、押出スリット18aの下方に配置された調整ローラ28a,28bの間隔を樹脂シート22,23の厚みより広げる。これにより、押出スリット18aから下方に押し出された溶融状態の樹脂シート22,23の最下部が一対の調整ローラ28a,28bの間に円滑に供給されるようにすることができる。なお、一対の調整ローラ28a,28bの間隔を樹脂シート22,23の厚みより広げるタイミングは、押し出し開始後でなく、ワンショットごとに二次成形が終了時点で行ってもよい。
次に、押出機構2は、一対の調整ローラ28a,28bの間隔を狭めて樹脂シート22,23を挟み込み、一対の調整ローラ28a,28bの回転により樹脂シート22,23を下方に送り出す。このとき、時間経過とともに一対の調整ローラ28a,28bの回転速度を低下させて、送り出し速度を樹脂シート22,23の押出速度に近づけるように調整する。
このように、時間経過とともに、一対の調整ローラ28a,28bの回転による樹脂シート22,23の下方への送り出し速度と、樹脂シート22,23の押出速度との相対速度差を縮めることにより、樹脂シート22,23の上部ほど一対の調整ローラ28a,28bによる下方への引っ張り力が低下し、相対的にこのような引っ張り力に伴う延伸薄肉化が低減され、ドローダウンあるいはネックインに伴う薄肉化を相殺し、ドローダウンあるいはネックインを有効に防止し、以て押出方向に一様な厚みを形成することが可能となる。
次に、図2に示すように、一対の押出機構2から送り出された一対の樹脂シート22,23を、開いた状態の金型31,32の間に配置する。樹脂シート22,23の位置決めが完了すると、押出機構2の一対の調整ローラ28a,28bおよび補助ローラ28cの回転を一旦停止し、一対の調整ローラ28a,28bで樹脂シート22,23を挟持した状態にする。
次に、樹脂シート22,23をそれぞれ金型31,32のキャビティ31a,32aに沿って賦形する。この工程は、金型31,32によって樹脂シート22,23の減圧吸引を行うことによって実行することができる。
次に、図3に示すように、金型31,32を型締めする。これにより、ピンチオフ部31b,32bに沿って樹脂シート22,23が互いに溶着されて、一対の金型31,32によって形成されるキャビティの内面に沿った形状の樹脂成形体Mが得られる。このように金型31,32を型締めすると、金型31,32の上下に樹脂シート22,23によってバリが形成される。以下、金型31,32の上方に形成されるバリを上バリB1とし、金型31,32の下方に形成されるバリを下バリB2とする。
次に、図4に示すように、金型32の上側および下側に設けられたエアーシリンダー34のピストン34aが上バリB1および下バリB2方向に延伸される。
図5は、エアーシリンダー34のピストン34aが延伸された状態での金型32の上面を示す図である。図5に示すように、スライド部材33は、エアーシリンダー(図示せず)によって、金型上面(および下面)に設けられたスライドレール36に沿って、樹脂シート22,23の幅方向(すなわち、図5における矢印A方向)に沿ってスライド可能に構成されている。ピストン34aの先端には、断面L字状のブラケット35が取り付けられている。ブラケット35は、ピストン34aに取り付けられる垂直面35aと、金型32の上面を摺動する水平面35bを備える。
次に、図6に示すように、スライド部材33を樹脂シート22,23の幅方向に沿ってスライドさせる。これにより、ピストン34aの先端に設けられたブラケット35の水平面35bが、上バリB1および下バリB2を切断する。これにより、図7に示すように、金型31,32の下側に形成されていた下バリB2がベルトコンベア40上に落下して搬送される。
ここで、ブラケット35の水平面35bは、所定の厚みを備えるのが好ましい。具体的には、水平面35bの厚みは1.0mm~3.0mmとするのが好ましく、一例として、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0(mm)のいずれかの値、またはこれらの数値の内、いずれか2つの間の値とすることができ、より好ましくは、1.5mmとすることができる。このように、ブラケット35の水平面35bに所定の厚みを持たせることにより、樹脂シート22,23の材質が柔らかい場合においても、上バリB1(および下バリB2)を割くように切断することが可能となる。合わせて、ブラケット35が所定の厚みを備えているため、刃物を用いて樹脂シートを切断する場合と比較して、より安全に製造工程を実施することができる。
次に、図8に示すように、エアーシリンダー34のピストン34aおよびスライド部材33を元の位置に戻し、金型31,32を型開きする。本実施形態では、送風機38側に設けられた金型32の内部の減圧吸引孔からの吸引により、樹脂成形体Mは金型32に吸着した状態で型開きされる。
次に、図9に示すように、送風機38から送風を行いつつ、送風機38側の一対の調整ローラ28a、28bおよび補助ローラ28cを回転し、延伸ローラ28で挟持していた上バリB1の一方を解放する。
次に、図10に示すように、送風機38と反対側の一対の調整ローラ28a、28bおよび補助ローラ28cを回転し、一方の延伸ローラ28で挟持していた上バリB1の他方を開放する。これにより、上バリB1がベルトコンベア40上に落下して搬送されることになる。このあと、取り出し機構(図示せず)を用いて、金型32に吸引されている樹脂成形体Mを取り出し、周部に形成されている周部バリB3を切除することにより、成形品Pが製造される。
このように、本実施形態の型締め機構30では、樹脂成形体Mから上バリB1および下バリB2を切断し、下バリB2、上バリB1の順番でそれぞれ時間差を設けてベルトコンベア40に落下させて搬送させる。このため、下バリB2、上バリB1をリサイクル材として再利用することができる。
また、送風機38から送風を行いつつ、送風機38側の延伸ローラ28から上バリB1を解放するため、上バリB1は送風機38からのエアFによって反対側へ吹き流され、送風機38側の金型32に吸引されている樹脂成形体Mと接触することなく、ベルトコンベア40へ落下する。これにより、上バリB1と樹脂成形体Mとが接触して樹脂成形体Mが損傷または変形することを防ぐことができる。
(3.他の実施形態)
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、押出機構2によって溶融状態の樹脂シート22,23を押し出して樹脂成形体が成形されているが、この形態に限定されることはない。例えば、押出機構2は、パリソンを筒状に押し出す形態でもよい。この場合においては、スライド部材33を、平面視において金型31,32の開閉方向と垂直な方向にスライドさせることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、スライド部材の延伸部としてエアーシリンダーが用いられているが、この形態に限定されることはなく、油圧シリンダーやアクチュエーターなどを用いて延伸部を実現してもよい。
また、上記実施形態においては、L字状のブラケット35が用いられているが、この形態に限定されることはない。例えば、平面視において、水平面35bの中央に垂直面35aが取り付けられているようなT字状のブラケットを用いてもよい。
1 :成形装置
2 :押出機構
11 :原料樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
18a :押出スリット
22 :樹脂シート
23 :樹脂シート
25 :連結管
27 :連結管
28 :延伸ローラ
28a :調整ローラ
28b :調整ローラ
28c :補助ローラ
30 :型締め機構
31 :金型
31a :キャビティ
31b :ピンチオフ部
32 :金型
32a :キャビティ
32b :ピンチオフ部
33 :スライド部材
34 :エアーシリンダー
34a :ピストン
35 :ブラケット
35a :垂直面
35b :水平面
36 :スライドレール
38 :送風機
40 :ベルトコンベア

Claims (6)

  1. 樹脂成形品の成形装置であって、
    溶融状態の樹脂シートを押し出して垂下させる押出機構と、
    前記垂下された樹脂シートを開閉可能な金型で型締めする型締め機構を備え、
    前記金型の上側および下側の少なくとも一方には、前記樹脂シートの幅方向にスライドし、前記樹脂シートを切断するスライド部材が設けられている、成形装置。
  2. 請求項1に記載の成形装置であって、
    前記スライド部材は、平面視において、前記樹脂シートの幅方向に対して垂直方向に延伸可能な延伸部と、前記樹脂シートを切断するための切断部とを備える、成形装置。
  3. 請求項2に記載の成形装置であって、
    前記延伸部は、エアーシリンダーで構成されている、成形装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の成形装置であって、
    前記先端部は、断面L字状のブラケットで形成されている、成形装置。
  5. 請求項2~請求項4のいずれか1項記載の成形装置であって、
    前記切断部の厚みは、1.0mm以上3.0mm以下である、成形装置。
  6. 樹脂成形品の成形装置であって、
    溶融状態のパリソンを押し出して垂下させる押出機構と、
    前記垂下されたパリソンを開閉可能な金型で型締めする型締め機構を備え、
    前記金型の上側および下側の少なくとも一方には、平面視において前記金型の開閉方向と垂直な方向にスライドし、前記パリソンを切断するスライド部材が設けられている、成形装置。
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