JP2011071040A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度センサーの経年劣化に伴って発生する故障を的確に検出し、温度センサーの故障による誘導加熱調理器の二次故障の発生を未然に防止する誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】制御手段31は、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動し、接触式温度センサー21の出力をメモリー32に記録するテストを調理していない時間帯に設定し、このテストにおいて、記録された温度センサーの出力を初期のテストにおけるそれと比較し、所定値以上の差異が生じた場合には非接触式温度センサー21の異常と判定し、その旨を報知手段を用いて報知する。この報知によりユーザーを喚起することで、対処することが可能になり、ひいては温度センサーの故障による誘導加熱調理器の二次故障の発生を未然に防止することが可能になる。
【選択図】図5

Description

この発明は、複数の誘導加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものであり、特に長期使用に伴う誘導加熱調理器の温度センサーの劣化防止に関するものである。
従来の誘導加熱調理器の安全性を向上させるため、赤外線センサーの検知部に赤外線が届くように配置した発光手段を備え、加熱制御手段は発光手段が発光したときに赤外線センサーが受光するエネルギーを基準値として、赤外線センサーの受光したエネルギーと基準値とを比較し、赤外線センサーの受光したエネルギーが基準値以下の場合には、赤外線センサーが故障であると判定して調理容器の加熱を停止または加熱電力量を抑制するように制御して調理容器が過度に高温となるのを未然に防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−213894号公報(第5頁〜第7頁、図1)
しかしながら、特許文献1に示された従来の誘導加熱調理器では、発光手段が必要となるため、部品コスト・組立てコストが増え製品コストが上昇するという問題がある。また、赤外線センサーの故障検出は可能であるが、接触式の温度センサーの故障検知については考慮していないため、この接触式の温度センサーの故障検知ができないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、接触式の温度センサー、非接触式の温度センサーのいずれについてもその経年劣化に伴って発生する故障を的確に検出し、温度センサーの故障による誘導加熱調理器の二次故障の発生を未然に防止できる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を載置するトッププレートと、トッププレートの下方に設置され、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルに高周波電力を供給するインバーターと、インバーターを制御する制御手段と、トッププレートの所定位置を加熱する発熱手段と、発熱手段によって加熱されたトッププレートの温度を検知する温度センサーと、ユーザーに表示または音声で報知する報知手段と、を備え、制御手段は、インバーターを制御して誘導加熱コイルへの高周波電力の供給を停止するとともに、発熱手段を駆動し、温度センサーの出力状態を試験するテストを調理していない時間帯に実行し、テストにおいて、温度センサーの出力が所定の条件にある場合には温度センサーの異常と判定し、報知手段にその旨を示す情報を出力するものである。
本発明によれば、制御手段は、調理していない時間帯のテストにおいて、発熱手段を駆動し、温度センサーの出力が所定の条件にある場合(例えば温度センサーの出力を初期の出力と比較し、比較の結果所定値以上の差異が生じた場合)には、温度センサーの異常と判定し、その旨を報知手段に出力するので、温度センサーの経年劣化に伴って発生する故障を的確に検出でき、ユーザーが対処することで温度センサーの故障による誘導加熱調理器の二次故障の発生を未然に防止することができる。
本発明に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。 トッププレートを取り外した状態の誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。 図1に示す誘導加熱調理器100のトッププレート3を取り外した状態を示す平面図である。 発熱手段を駆動及び停止したときの温度センサーの時間特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態1、4における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるスケジューリングにおける制御部31の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における制御部31の初期値設定の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における制御部31の初期テスト完了後の通常時における定期的なテスト(通常テスト)の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における制御部31の初期値設定の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態3における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャート(その2)である。 本発明の実施の形態4における制御部31の初期値設定の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態8における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態9における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態10における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態11におけるトッププレートを取り外した状態の誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。 図23の誘導加熱調理器の側面断面図である。 図1に示す誘導加熱調理器100のトッププレート3を取り外した状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態11における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態11における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態11における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態12における制御部31の初期特性設定の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態12における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態13における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態14における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態15における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は本発明に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。また、図2はトッププレートを取り外した状態の誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。また、図3は図1に示す誘導加熱調理器100のトッププレート3を取り外した状態を示す平面図である。
図1及び図2に示すように誘導加熱調理器100は、誘導加熱調理器の本体1と、本体1の外枠を構成する筐体2によって支持され、本体1の上面を形成し鍋などの被加熱物を載置する耐熱ガラス製のトッププレート3とから構成される。また、トッププレート3の下方には被加熱物(調理容器)を誘導加熱する2つの誘導加熱コイル4(左側の誘導加熱コイル4aと右側の誘導加熱コイル4b)が配置され、誘導加熱コイル4a、4bの後方のほぼ中央部には発熱抵抗体で構成されたラジエントヒーター5が配置されている。また、本体1の内部には誘導加熱コイル4a、4bに高周波電力を供給するインバーター(図示せず)や制御部(図示せず)を搭載するプリント回路基板(図示せず)が基板ケース6内に収容された状態で取付けられている。このプリント回路基板の設置場所については、発熱個所から遠く、冷却可能な風路中であれば、どこでもよいが、冷却効率の観点から、誘導加熱コイル4よりも上流に配置するのがよい。冷却ファン7は本体1の下部後方の両側に設置され、筐体2の外部から吸気口12を介して空気を吸入し、プリント回路基板(図示せず)及び誘導加熱コイル4に冷却風を送ってこれらを冷却した後、後方に進んで筐体2の後方に形成された排気口13を介して調理器本体1の外へ排気する。なお、本体1の下部にはグリル8が引き出し自在に設けられており、魚などの焼き物料理等の調理が可能となっている。グリル8の後方には、グリル8で調理した結果発生する煙を排気するグリル排気ダクト16が設けられている。
更に、本体1の下部手前の左右両側には操作手段としての操作部9が設けられており、ここでの操作により、加熱出力の調整や調理器への設定などの操作・設定情報が入力可能である。さらに本実施の形態1においては本体1の手前側上面にも操作手段としての操作部10が設けられており、この操作部10での操作も加熱出力の調整や調理器への設定などの操作・設定情報が操作部9と同様に入力可能である。なお、操作部10には、グリル8の操作部も含まれている。また、図1及び図2に示すように本体1の後方には赤外線センサー窓11が設けられており、後述の赤外線センサーはこの赤外線センサー窓11を通して被加熱物から発生する赤外線を検知する。
また、2つの誘導加熱コイル4a、4bと後方の1つのラジエントヒーター5は所謂3口型の加熱部を構成している。
また、誘導加熱コイル4a、4bには、接触式温度センサー21が誘導加熱コイル4a、4bそれぞれの内コイルと外コイルの間に設けられた支持部材によって支持された状態でトッププレート3の裏面に接触した形で取り付けられている。
また、図4は発熱手段を駆動及び停止したときの温度センサーの時間特性を示すグラフであり、同時に温度センサーの初期の時間特性と経年劣化した温度センサーの時間特性を対比して示している。図4において、実線は初期の温度センサーの室温からの出力変化の時間特性を示しており、破線は経年劣化した後の温度センサーの室温からの出力変化の時間特性を示しており、初期の温度センサーの室温からの出力変化が最大となる出力と経年劣化した温度センサーの室温からの出力変化が最大となる出力との差は、温度センサーの劣化が進むに連れて大きくなってくる。そこで、この差が所定値より大きくなったとき、温度センサーに異常が発生したと判定できる。このような劣化特性は接触式温度センサーに限らず赤外線センサー(非接触式温度センサー)でも同じである。
図5は本実施の形態1における接触式温度センサーと制御系の構成を示すブロック図である。図5に示すように誘導加熱調理器は演算制御を行う制御部31と各種データ類を一時記憶するメモリー32と制御用プログラムや各種固定テーブル類を格納するROM33と、これらを接続し、これらの間でデータ信号や制御信号が相互に乗り合う入出力バス34と、発熱手段であるラジエントヒーター5と、このラジエントヒーター5への電源の供給をON/OFFで制御するリレー51と、被加熱物の温度を検知する接触式温度センサー21及びこの接触式温度センサー21の出力信号を制御部31(制御手段を構成する)が処理できるディジタル信号に変換する温度検出部211と、室温を検知する室温センサー22及びこの室温センサー22の出力信号を制御部31(制御手段を構成する)が処理できるディジタル信号に変換する室温検出部221と、誘導加熱コイル4及び制御部31の制御の下に誘導加熱コイル4を駆動するインバーター41と、冷却ファン7、冷却ファン7を制御部31の制御の下に駆動する冷却ファン駆動手段71と、を備えている。
なお、制御部31は制御手段を構成し、メモリー32は記憶手段を構成する。
次に、本実施の形態1の動作概要を説明する。
制御部31は、通常テストを備えており、通常テストにおいては調理を行っていない状態で、ラジエントヒーター5などの発熱手段を駆動あるいは駆動停止を行いながらトッププレート3を加熱し、トッププレート3裏面の接触式温度センサー21の出力を取得する。
次に、制御部31は室温センサー22によって検知された室温を取得し、接触式温度センサー21の出力から差し引いて、その結果を記録する。このように室温センサー22の検知結果を差し引くことにより、室温変化の影響を受けないより精度の高い温度検知が可能となる。
誘導加熱調理器の据え付け時に初期テストを起動して接触式温度センサー21の検出結果から室温センサー22の検知結果を差し引いたものを初期検出値としてメモリー32に記録しておく。そして、初期以外の通常時では、通常テストをほぼ所定の周期で(例えば、1日1回あるいは1月に1回あるいは半年に1回、1年に1回など)定期的に起動する。そして、制御部31は発熱手段の温度を検知する接触式温度センサー21の出力と初期の接触式温度センサー21の出力との温度差が所定値以上になった場合には、経年劣化などにより接触式温度センサー21が故障したと判定してその旨の警報を報知する。
図6は本実施の形態1における制御部31の、スケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。また、図7は本実施の形態1における制御部31の初期値設定の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態1における制御部31の動作を図1〜図7を用いて説明する。
制御部31は、まずスケジューリング処理において、誘導加熱調理器の据え付け時(ステップS601でNoかつステップS602でYes)には、テストモードを設定した(ステップS603)後、初期テストを起動して発熱手段であるラジエントヒーター5が正常か否かのテストを実行する(ステップS604)。全ての調理用ソフトウェアは調理を開始する直前にテストモードを参照して、テストモードが設定されていれば、調理を開始しない。従って、テストモードが設定されている間、他の調理用ソフトウェアによって割り込まれるのを防止することができる。ここで、誘導加熱調理器の出荷時には予め初期フラグが設定されていることを前提としており、制御部31がこの初期フラグを参照することで初期か否かを判定する。例えば、初期フラグが設定されていれば、制御部31は初期と判定し、初期フラグがリセットされていれば初期ではないと判定する。そして、初期テストが完了したら、テストモードを解除し(ステップS605)、さらに初期フラグをリセットした(ステップS606)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを開始する(ステップS611)。
初期テスト完了後、周期のカウント値が所定値になるまでの間、即ち所定の時間が経過するまでの間(ステップS601でNoかつステップS602でNo)は、制御部31は図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップ(ステップS611)のみを続行する。
一方、初期テスト完了後の通常時において、制御部31は、上記所定の周期で定期的にテスト(以下、通常テストと呼ぶ)を実行する。即ち、周期のカウント値が所定の値に達する(即ち、所定の時間が経過する)(ステップS601でYes)都度、制御部31は、テストモードを設定し(ステップS607)、通常テストを起動して発熱手段であるラジエントヒーター5が正常か否かのテストを実行する(ステップS608)。通常テストが終了したら、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
一方、初期テストが起動されると、図7に示すように制御部31は内部に保有している初期値、基準値のメモリー32への設定や周期カウンタを除く各種カウンタ類のクリアなどの初期処理を行った(ステップS701)後、被加熱物がトッププレート3上に載置されているか否かを調べる(ステップS702)。被加熱物がトッププレート3上に載置されていると、テストが困難になるかあるいはセンサーの検出精度が著しく低下するため、テストができない。そこで、被加熱物がトッププレート3上に載置されている場合にはその旨の警報メッセージを表示手段(図示せず)や音声出力手段(図示せず)に送って報知出力させた(ステップS703)上でスケジューリング処理に復帰する。
ステップS702において、被加熱物がトッププレート3に載置されていない場合、テストを実行可能であるから制御部31はリレー51を駆動して、発熱手段であるラジエントヒーター5に電源を供給して起動する(ステップS704)。なお、被加熱物の有無の判定は光センサーなどのセンサーを用いて行うことができる。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS705)。(なお、発熱手段の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間には、接触式温度センサー21の出力が安定する時間も含まれているものとする。この安定になるまでの十分な時間を短縮したい場合には接触式温度センサー21の出力を調べて複数回連続してほぼ同じ結果が得られれば安定したと判定することも可能である。)次に、制御部31は室温センサー22によって検出され、室温検出部221から送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS706)。次に、制御部31は読み取った接触式温度センサー21の検出温度から、読み取った室温センサー22の検出温度を差し引く(ステップS707)。そして制御部31は差し引いた結果の温度差を初期値としてメモリー32に書き込む(ステップS708)。次に制御部31は処理を終了させるためにラジエントヒーター5の駆動を停止した(ステップS709)上でスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、図6に示すように制御部31はテストモードを解除し(ステップS605)、さらに初期フラグをリセットした(ステップS606)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを開始する(ステップS611)。
また、図8は本発明の実施の形態1における制御部31の初期テスト完了後の通常時における定期的なテスト(通常テスト)の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態1における制御部31の通常テストの動作について図1〜図6及び図8を用いて説明する。
制御部31は、まず定期的にテストを起動する。即ち、図6において、所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップS601)、周期のカウント値が所定の値に到達する(即ち、所定の時間が経過する)(ステップS601においてYes)都度、テストモードを設定して(ステップS607)通常テストを起動する(ステップS608)。通常テストが起動されると、図8に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S707と同じ動作を実行する。次に、制御部31はメモリー32から接触式温度センサー21の検出温度と室温センサー22の検出温度との温度差の初期値を読み込む(ステップS801)。次に、制御部31は今回検出した接触式温度センサー21の検出温度から室温の変動成分を排除するために室温センサー22によって検知された室温を差し引いて求めた温度差と、ステップS801でメモリー32から読み込んだ初期の温度差との差分を計算する(ステップS802)。次に制御部31は計算によって得られた差分を予め設定しておいた基準値と比較する(ステップS803)。比較の結果、温度差が基準値よりも小さければ、正常と判定して処理を終了させるためにリレー51を制御してラジエントヒーター5への電力供給を停止して(ステップS805)スケジューリング処理に復帰する。ステップS803の比較の結果、差分が基準値以上の場合には、温度センサーが経年劣化による故障のため使用できないと判定して図示しない表示部および音声出力部にその旨の警報を報知出力し、ラジエントヒーター5の駆動を停止して(ステップS804〜S805)スケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態1によれば、初期値との差違が所定値よりも大きくなったら異常が発生したと判定して、その旨を報知出力するので、ユーザーがこれに対応して処置することにより、二次故障の発生を未然に防止することができる。
なお、本実施の形態では、温度センサーの検出した温度と初期値との差分が1回でも所定値以内ならば異常と判定したが、連続して複数回異常のときに異常と判定するように構成してもよい。この構成により異常判定の精度が向上する。
実施の形態2.
実施の形態1では、接触式温度センサー21の異常判定について説明したが、本実施の形態2では非接触温度センサーである赤外線センサー23と接触式温度センサー21の組合せに基づいてこれらのセンサーの異常判定について説明する。
赤外線センサーの場合には、接触式温度センサーと異なり、発熱手段から放射される熱エネルギーを非接触方式で受光する
図1〜図4および図6は本実施の形態2でも用いられる。
図3に示すように赤外線センサー23は本体1の前面側と背面側の対向する位置に3口型の加熱部に対応してそれぞれ3つずつ設けられている。つまり、本体1の前面側に設けられた赤外線センサー23a〜23cは被加熱物の前面側の赤外線を検出し、後端に設けられた赤外線センサー23d〜23fは被加熱物の前背面側からの赤外線を検出するように互いに反対方向に向いている。左側の誘導加熱コイル4aによって誘導加熱された被加熱物の表面から発する赤外線は本体1の前後両側にそれぞれ設けられた赤外線センサー23aと23dによって検出され、右側の誘導加熱コイル4bによって誘導加熱された被加熱物の表面から発する赤外線は本体1の前後両側にそれぞれ設けられた赤外線センサー23cと23fによって検出され、ラジエントヒーター5によって加熱された被加熱物の表面から発する赤外線は本体1の前後両側にそれぞれ設けられた赤外線センサー23bと23eによって検出される。なお、赤外線センサー23a〜23fはテストモードにおいては、ラジエントヒーター5により加熱されたトッププレート3の温度を検出し、この検出結果を予め設定された基準値と比較することで、これらの赤外線センサーが正常か否かを確認する。
本実施の形態2では、説明を簡単にするために、赤外線センサー1台でラジエントヒーター5によって加熱されたトッププレート3の熱を検知する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図であり、図中、図5と同符号は同一または相当部分を示す。図において、赤外線センサー23及び温度検出部231を追加し、室温センサー22及び室温検出部221を削除した以外は図5と同じ構成である。
次に、本実施の形態2の動作概要を説明する。
制御部31は据え付け時やメンテナンス時などの初期には初期テストを起動させ、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動してトッププレート3を加熱し、接触式温度センサー21と非接触式温度センサーである赤外線センサー23の両方を用いて発熱手段5により加熱されたトッププレート3の温度を測定し、得られた2つの検出温度の温度差を計算して初期の温度差としてメモリー32に記録しておく。
このように、温度差を算出することにより、室温に変動があってもその影響を受けることがなくなる。
そして、初期以外の通常時では、所定の周期で定期的に通常テストを起動させ、各通常テストにおいて、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動してトッププレート3を加熱し、接触式温度センサー21と赤外線センサー23の両方を用いて発熱手段5により加熱されたトッププレート3の温度を測定し、得られた2つの検出温度の温度差を計算する。次に制御部31はメモリー32に記録していた初期の温度差を読み込んで、この初期の温度差と今回のテストで算出した温度差とを比較し、差分が所定値よりも大きければ赤外線センサー23が経年劣化により故障して使用できなくなったと判定し、その旨を報知出力する。この報知出力により、ユーザーは接触式温度センサー21か赤外線センサー23のいずれかに異常があることを知ることができ、どちらかの異常かを実施の形態1で記述した内容を実行して判定した後、対処することができる。
図10は本発明の実施の形態2における制御部31の初期値設定の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態2における制御部31の初期値設定の動作について図1〜図4、図6、図9及び図10を用いて説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
制御部31は、誘導加熱調理器の据え付け時やメンテナンス時には、まず図6と同様にしてテストモードを設定して初期テストを起動する(ステップS601〜S604)。初期テストが起動されると、図10に示すように制御部31は、まず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS1001)。次に制御部31は赤外線センサー23によって検出され、温度検出部231から送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS1002)。次に、制御部31は第1の検出温度(接触式温度センサー21の検出した温度)と第2の検出温度(赤外線センサー23の検出した温度)との温度差を計算する(ステップS1003)。次に、制御部31は計算によって得られた温度差を初期の温度差としてメモリー32に書き込む(ステップS1004)。次に、制御部31は初期処理を終了させるために図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、図6に示すように制御部31はテストモードを解除し(ステップS605)、さらに初期フラグをリセットした(ステップS606)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを開始する(ステップS611)。
図11は本発明の実施の形態2における制御部31の初期時以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態2における制御部31のテスト時の動作について図1〜図4、図6、図9及び図11を用いて説明する。
制御部31は、まず定期的に通常テストを起動する。即ち、図6において、所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップS601)、周期のカウント値が所定の値に到達する(即ち、所定の時間が経過する)(ステップS601においてYes)都度、テストモードを設定して(ステップS607)通常テストを起動する(ステップS608)。通常テストが起動されると、図11に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS1101)。次に制御部31は赤外線センサー23によって検出され、温度検出部231から送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS1102)。次に、制御部31は第1の検出温度(接触式温度センサー21の検出した温度)と第2の検出温度(赤外線センサー23の検出した温度)との温度差を計算する(ステップS1103)。次に、制御部31はメモリー32から初期の温度差を読み込む(ステップS1104)。次に、制御部31は今回算出した温度差とメモリー32から読み込んだ初期の温度差との差分を計算する(ステップS1105)。次に制御部31は図8のステップS803〜S805と同じ動作を実行した後、スケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態2によれば、接触式温度センサーの検出温度と非接触温度センサーの検出温度との温度差を、初期の温度差と比較し、得られた差分が所定値よりも大きくなったら少なくともいずれか一方の温度センサーに異常が発生したと判定して、その旨を報知出力するので、この報知出力により、ユーザーは接触式温度センサーか赤外線温度センサーのいずれかに異常があることを知ることができる。そこで、どちらかの異常かを別の方法(例えば実施の形態1を動作させること)で判定した後、対応処置を施すことにより実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、赤外線センサーを複数用い、平均をとることで、測定精度が向上するだけでなく、1つが故障しても残りの赤外線センサーによって検知することができるため、故障率を少なくすることが可能である。
なお、赤外線センサーを前後いずれか一方の側に3つ設けても良く、効果も上記と同様である。
また、赤外線センサーを天板下に設け、天板を透過した赤外線を検出するようにしても良い。
実施の形態3.
実施の形態2では、異なる種類の温度センサーの検出温度の温度差を初期値と比較して差分が所定置よりも大きい場合に制御部31が温度センサーの異常と判定する場合について説明した。
本実施の形態3では、同一種類の複数の温度センサーの検出温度に基づいて異常判定を行う場合について説明する。具体的には接触式温度センサーが3個以上設けられている場合にこれらの内のいずれか1つが故障した場合の制御部31の異常判定について説明する。
図3に示すように発熱手段であるラジエントヒーター5を中心としてほぼ等距離に接触式温度センサー21が複数個(4個)配置されている。従って、各温度センサー21によって検出される発熱手段(ラジエントヒーター5)の検出温度はほぼ同じである。
なお、図3では、接触式温度センサーは4個設けられているが、以下では説明を簡単にするために、3個設けられていることを前提として説明する。
図1〜図4および図6は本実施の形態3でも用いられる。
図12は本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図であり、図中、図5と同符号は同一または相当部分を示す。
接触式温度センサー21及び温度検出部211に代えて、3個の接触式温度センサー21a〜21c及び温度検出部211a〜211cを設けた点以外は図5と同じ構成である。
次に、本実施の形態3の動作概要を説明する。
なお、室温の変動の影響については実施の形態1と同様に通常は処理が必要であるが、本実施の形態3では複数の温度センサーによる測定値の差分(温度差)を用いるため、室温の影響を考慮する必要が無い。以降の各実施の形態でも同様である。
ここでは、初期テストは完了していることを前提とする。
制御部31は初期テスト完了後、所定の周期で定期的に通常テストを起動させ、各通常テストにおいて、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動してトッププレート3を加熱し、複数の接触式温度センサー21を用いて温度を測定する。そして、いずれか1つの接触式温度センサー21の測定差分が大きくなると、この接触式温度センサー21が経年劣化により故障して使用できなくなったと判定し、その旨を報知出力する。
図13は本発明の実施の形態3における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。図13において、「Y」はYesを表し、「N」はNoを表す。
次に、本実施の形態3における制御部31の初期以外のテスト(通常テスト)の動作について図1〜図4、図6、図12及び図13を用いて説明する。但し、同時に2個以上、センサーが異常にはならないものとする。
制御部31は、まず図6と同様にして通常テストを起動する(ステップS601〜S603)。テストモードが起動されると、図13に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式の温度センサー21a(以下、第1の接触式温度センサー21aと呼ぶこともある)によって検出され、温度検出部211aから送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS1301)。次に、制御部31は接触式の温度センサー21b(以下、第2の接触式温度センサー21bと呼ぶこともある)によって検出され、温度検出部211bから送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS1302)。次に、制御部31は接触式の温度センサー21c(以下、第3の接触式温度センサー21cと呼ぶこともある)によって検出され、温度検出部211cから送られた第3の検出温度を読み取る(ステップS1303)。
次に、制御部31は、第1の検出温度(第1の接触式温度センサー21aによって検出された温度)と第2の検出温度(第2の接触式温度センサー21bによって検出された温度)との温度差(以下、第1の温度差という)を計算する(ステップS1304)。次に、制御部31は、第2の検出温度(第2の接触式温度センサー21bによって検出された温度)と第3の検出温度(第3の接触式温度センサー21cによって検出された温度)との温度差(以下、第2の温度差という)を計算する(ステップS1305)。次に、制御部31は、第3の検出温度(第3の接触式温度センサー21cによって検出された温度)と第1の検出温度(第1の接触式温度センサー21aによって検出された温度)との温度差(以下、第3の温度差という)を計算する(ステップS1306)。
次に制御部31は計算によって得られた第1の温度差と第2の温度差と第3の温度差を予め初期処理で設定しておいた基準値と比較する(ステップS1307〜S1309)。比較の結果、第1の温度差と第2の温度差が全て基準値よりも小さい(ステップS1307でYes且つS1308でYes)場合には、制御部31は第1〜第3の接触式温度センサー21a〜21cの全てが正常と判定して処理を終了させるために図8のステップS805と同じようにラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
また、比較の結果、第1の温度差が基準値以上で且つ第2の温度差が基準値よりも小さい(ステップS1307でNo且つS1309でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21aにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1310)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
また、比較の結果、第1の温度差が基準値以上で且つ第2の温度差が基準値以上である(ステップS1307でNo且つS1309でNo)場合には、制御部31は第2の接触式温度センサー21bにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1312)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
また、比較の結果、第1の温度差が基準値より小さく且つ第2の温度差が基準値以上である(ステップS1307でYes且つS1308でNo)場合には、制御部31は第3の接触式温度センサー21cにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1312)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態3によれば、このように複数の温度センサーの検出した温度同士を比較し、差が所定値よりも大きいものがあれば、差分が大きいものを異常であると判定して、その旨を報知出力するので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
上記の例では、複数の温度センサーが同時に異常にならない場合について説明した。
次に、複数の温度センサーが同時に異常になることがある場合の態様について説明する。
図14は複数の温度センサーが同時に異常になることがある場合の制御部31のテスト時の動作を示すフローチャートである。図14において、「Y」はYesを表し、「N」はNoを表す。
次に、本実施の形態3における複数の温度センサーが同時に異常になることがある場合の制御部31のテスト動作について図1〜図4、図6、図12及び図14を用いて説明する。
制御部31は、まず図6と同様にしてテストモードを起動する(ステップS601〜S603)。テストモードが起動されると、図14に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行し、次に図13のステップS1301〜S1306と同じ動作を実行する。
次に制御部31は計算によって得られた第1の温度差を予め初期処理で設定しておいた基準値と比較する(ステップS1307)。ステップS1307での比較の結果、第1の温度差が第1の基準値よりも小さくない(ステップS1307でNo)場合には、制御部31は計算によって得られた第2の温度差を上記基準値と比較する(ステップS1321)。ステップS1321での比較の結果、第2の温度差が第2の基準値よりも小さくない(ステップS1321でNo)場合には、制御部31は計算によって得られた第3の温度差を上記基準値と比較する(ステップS1322)。ステップS1322での比較の結果、第3の温度差が基準値よりも小さくない(ステップS1322でNo)場合には、制御部31は測定エラーが発生したと判定して(ステップS1323)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1322での比較の結果、第3の温度差が基準値よりも小さい(ステップS1322でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値を予め初期処理で設定しておいた下限値と比較する(ステップS1324)。ステップS1324での比較の結果、第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値が上記下限値よりも大きくない(ステップS1324でNo)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21a及び第3の接触式温度センサー21cにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1325)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1324での比較の結果、第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値が上記下限値よりも大きい(ステップS1324でYes)場合には、制御部31は第2の接触式温度センサー21bにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1326)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1321での比較の結果、第2の温度差が第2の基準値よりも小さい(ステップS1321でYes)場合には、制御部31は第2の接触式温度センサー21bの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値を上記下限値と比較する(ステップS1327)。ステップS1327での比較の結果、第2の接触式温度センサー21bの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値が上記下限値よりも大きくない(ステップS1327でNo)場合には、制御部31は第2の接触式温度センサー21b及び第3の接触式温度センサー21cにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1325)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1327での比較の結果、第2の接触式温度センサー21bの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値が上記下限値よりも大きい(ステップS1327でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21aにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1329)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1307での比較の結果、第1の温度差が第1の基準値よりも小さい(ステップS1307でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第2の接触式温度センサー21bの測定値を上記下限値と比較する(ステップS1331)。ステップS1331での比較の結果、第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第2の接触式温度センサー21bの測定値が上記下限値よりも大きくない(ステップS1331でNo)場合には、制御部31は計算によって得られた第2の温度差を基準値と比較する(ステップS1332)。ステップS1332での比較の結果、第2の温度差が基準値よりも小さくない(ステップS1332でNo)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21a及び第2の接触式温度センサー21bにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1333)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1332での比較の結果、第2の温度差が基準値よりも小さい(ステップS1332でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21a、第2の接触式温度センサー21b及び第3の接触式温度センサー21cにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出力させ(ステップS1333)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1331での比較の結果、第1の接触式温度センサー21aの測定値及び第3の接触式温度センサー21cの測定値が上記下限値よりも大きい(ステップS1331でYes)場合には、制御部31は計算によって得られた第2の温度差を基準値と比較する(ステップS1335)。ステップS1335での比較の結果、第2の温度差が基準値よりも小さくない(ステップS1335でNo)場合には、制御部31は第3の接触式温度センサー21cにおいて経年劣化による故障が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出して報知出させ(ステップS1336)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1335での比較の結果、第2の温度差が基準値よりも小さい(ステップS1335でYes)場合には、制御部31は第1の接触式温度センサー21a、第2の接触式温度センサー21b及び第3の接触式温度センサー21cはいずれも正常であったと判定して、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態3によれば、このように複数の温度センサーの検出した温度同士を比較し、差が所定値よりも大きいものがあれば、差分が大きいものを異常であると判定して、その旨を報知出力するので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、下限値よりも小さいものがあれば、それを異常であると判定して、その旨を報知出力するので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
さらに、本実施の形態3によれば、複数の温度センサーの異常も判定できるので、異常検知精度が向上する。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、少なくとも1つの温度センサーによって検出された温度に基づいて、この温度センサーの異常の有無を判定する場合について説明した。
本実施の形態4では、温度センサーの異常の有無の判定に室温を加味する場合について説明する。
図1〜図6は実施の形態4でも用いられる。
次に、本実施の形態4の動作概要を説明する。
制御部31は据え付けやメンテナンスを行う年について、温度の変わる時節(例えば春夏秋冬毎)に初期テストを起動させ、各初期テストモードにおいて、室温センサー22を用いて室温を測定すると共に、発熱手段(ラジエントヒーター5)を駆動し、接触式温度センサー21を用いて発熱手段によって加熱されたトッププレート3の温度を測定し、室温とトッププレート3の温度を対応させて初期値としてメモリー32内のテーブルに記録しておく。
そして、初期以外の通常時では、制御部31は初期テストを実行した時とほぼ同じ周期で定期的に通常テストを起動させ、各通常テストにおいて、室温センサー22を用いて室温を測定すると共に、発熱手段(ラジエントヒーター5)を駆動し、接触式温度センサー21を用いてトッププレート3の温度を測定する。さらに、制御部31は室温を検索キーとしてメモリー32内のテーブルを参照して室温に対応するトッププレート3の初期の検出温度を取り出して、この初期の検出温度と今回の通常テストで接触式温度センサー21が検出した温度とを比較し、温度差が所定値よりも大きければ接触式温度センサー21が経年劣化により故障して使用できなくなったと判定し、その旨を報知出力する。
図15は本発明の実施の形態4における制御部31の初期値設定動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態4における制御部31の初期値設定の動作について図1〜図6及び図15を用いて説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
制御部31は、誘導加熱調理器100の据え付け時やメンテナンス時には、まず図6と同様にして所定の時期には、テストモードを設定した上で、初期テストを起動する(ステップS601〜S605)。初期テストが起動されると、制御部31は図15に示すようにまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式の温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度値を読み取る(ステップS1501)。次に、制御部31は室温センサー22によって検出され、室温検出部221から送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS1502)。次に、制御部31は第2の検出温度(室温センサー22の検出した温度)に対応させて、第1の検出温度(接触式温度センサー21の検出した温度)をメモリー32の初期値用テーブルに書き込む(ステップS1503)。次に、制御部31は初期処理を終了させるために図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、図6に示すように制御部31はテストモードを解除し(ステップS605)、さらに初期フラグをリセットした(ステップS606)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを開始する(ステップS611)。
図16は本発明の実施の形態4における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態4における制御部31の初期以外のテスト時の動作について図1〜図4、図6、図15及び図16を用いて説明する。
制御部31は、まず定期的に通常テストを起動する。即ち、図6において、所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップS601)、周期のカウント値が所定の値に到達する(即ち、所定の時間が経過する)(ステップS601においてYes)都度、テストモードを設定して(ステップS607)通常テストを起動する(ステップS608)。通常テストが起動されると、図16に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式の温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS1601)。次に、制御部31は室温センサー22によって検出され、室温検出部221から送られた第2の検出温度(室温)を読み取る(ステップS1602)。次に、制御部31は第2の検出温度(室温)を検索キーとしてメモリー32の初期値用テーブルを検索し、室温に対応する第1の検出温度(発熱手段5によって加熱されたトッププレート3の温度)の初期値を読み込む(ステップS1603)。次に、制御部31は今回検出した第1の検出温度とメモリー32から読み込んだ初期の第1の検出温度との温度差を計算する(ステップS1604)。次に制御部31は計算によって得られた温度差を予めメモリー32に格納しておいた基準値と比較する(ステップS1605)。比較の結果、温度差が基準値よりも小さい場合には、正常と判定して処理を終了させるために図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1605の比較の結果、温度差が基準値よりも大きい場合には、温度センサーに異常が発生したと判定して、表示部および音声出力部にその旨の警報を報知出力し(ステップS804)、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態4によれば、初期値との差違が所定値よりも大きくなったら異常が発生したと判定して、その旨を報知出力するので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、上記の例では、春夏秋冬をテストの実行周期としたがこれに限る必要はなく、気温が10度変わる毎にテストモードを起動してもよいし、設置される地域により、テストモードの実行周期を適宜変更してもよい。
実施の形態5.
接触式温度センサー21が落下や剥がれなどトッププレート3から離れている場合には、正しい温度が得られない。そこで、このような場合には温度センサーの異常と判定する必要がある。本実施の形態5では、このような態様について説明する。
図1〜図6は実施の形態5でも用いられる。
次に、本実施の形態5の動作概要を説明する。
制御部31は所定の周期で定期的に通常テストを起動させ、各通常テストにおいて、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動してトッププレート3を加熱し、接触式温度センサー21を用いて温度を測定する。同時に室温センサー22を用いて室温を測定する。そして、接触式温度センサー21の出力と室温センサー22の出力との温度差が所定値より小さくなった場合、即ち、発熱手段の温度が気温とほぼ同じになった場合には、明らかに異常であり、経年劣化などにより温度センサー21が故障したか、落下など温度センサーがトッププレートの裏面に接触していないなどの異常が発生したと判定してその旨の警報を報知する。
図17は本発明の実施の形態5における通常テストでの制御部31の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態5における制御部31の動作を図1〜図6及び図17を用いて説明する。
制御部31は、通常時において、所定の周期で周期的(ステップS601でYes)にテストモードを設定し(ステップS607)、通常テストを起動する(ステップS608)。
通常テストが起動されると、図17に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、接触式の温度センサー21によって検出され、温度検出部211から送られた第1の検出温度を読み取る(ステップS1701)。次に、制御部31は室温センサー22によって検出され、室温検出部221から送られた第2の検出温度を読み取る(ステップS1702)。次に、制御部31は読み取った第1の検出温度と第2の検出温度の温度差を計算する(ステップS1703)。次に制御部31は計算によって得られた温度差を予めメモリー32に格納しておいた基準値(この基準値は実施の形態4で用いられた基準値よりは十分小さい値である)と比較する(ステップS1704)。比較の結果、温度差が基準値よりも大きい場合には、正常と判定して処理を終了させるために図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
ステップS1704の比較の結果、温度差が基準値よりも小さい場合には、制御部31は温度センサーがトッププレートから落下などにより離れたなどの異常が発生したと判定して、その旨の警報メッセージを表示部および音声出力部に送出し、報知出力させた(ステップS804)上で、図8のステップS805と同様にラジエントヒーター5の駆動を停止してスケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態5によれば、発熱手段によって加熱されるトッププレートの温度を検知する接触式温度センサーの検出温度が室温とほぼ同じ温度の場合には接触式温度センサーが落下など異常な位置にあり、使用できない状態にあると判定し、その旨を表示部や音声出力手段により報知するので、ユーザーがこれに対応して処置することにより、二次故障の発生を未然に防止することができる。
実施の形態6.
実施の形態5では、接触式温度センサーの異常判定を初期値との比較に基づいて行う場合について説明したが、赤外線センサーの異常を過去の履歴情報に基づいて予想することも可能である。
本実施の形態6では、このように赤外線センサーの異常を過去の履歴情報に基づいて予想する場合の態様について説明する。
図1〜図4、図6及び図9は本実施の形態6でも用いられる。
次に、本実施の形態6の動作概要を説明する。
制御部31は初期及び通常時において、定期的にテストモードを設定し、テストを起動させ、各テストにおいて、発熱手段であるラジエントヒーター5を駆動し、非接触式温度センサーである赤外線センサー23を用いて発熱手段5によって加熱されたトッププレート3の温度を測定してメモリー32に記録しておく。次に制御部31はメモリー32に記録していた前回の検出温度を取り出して、この前回の検出温度と今回のテストで検出した温度とを比較し、温度差を算出しメモリー32に記録しておく。こうして得られた任意の時点の検出温度とその1つ前の検出温度との温度差を過去複数回分メモリー32に保存し、この過去複数回分の温度差データをテスト時に読み出してその温度差の変化に基づいて次回の温度を予想し、この予想した温度が所定値よりも大きければ赤外線センサー23が経年劣化により故障して使用できなくなる虞があると判定し、その旨を報知出力する。
図18は本発明の実施の形態6における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態6における制御部31のテストの動作について図1〜図4、図6、図9、及び図18を用いて説明する。ここでは、説明を簡単にするために、過去の温度差データを前回分だけ記録しておくこととする。また、図6において、初期テストは処理済みであることを前提とする。
制御部31は、まず図6と同様にして所定の周期で定期的に(ステップS601でYes)テストモードを設定した上で(ステップS607)、テストを起動する(ステップS605)。テストが起動されると、図18に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S704と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段であるラジエントヒーター5の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、赤外線センサー23によって検出され、温度検出部231から送られた検出温度を読み取る(ステップS1801)。次に、制御部31は読み取った検出温度をメモリー32に記録する(ステップS1802)。次に、制御部31はメモリー32から前回の赤外線センサー23の検出温度を読み込む(ステップS1803)。次に、制御部31は今回検出した温度(赤外線センサー23によって検出された温度)と前回の検出温度(メモリー32から読み込んだ温度)との温度差を計算する(ステップS1804)。次に、制御部31は、算出した温度差をメモリー32に記録する(ステップS1805)。次に制御部31は、メモリー32から前回の温度差を読み込む(ステップS1806)。次に制御部31は今回算出した温度差とメモリー32から読み込んだ前回の温度差とに基づいて次回分の温度差を推定する。次に制御部31は、今回の検出温度に次回分の温度差を加算して次回の温度を予測する。さらに制御部31は、次回の予測温度と初期の検出温度との温度差を計算する。(ステップS1807)。
次に制御部31は図16のステップS1605と図8のステップS804〜S805と同じ動作を実行した後、スケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
本実施の形態6によれば、赤外線センサーの検出した温度を記録しておき、過去の履歴に基づいて次回に検出される温度を予測し、次回の検出温度と初期の温度との差分が所定値以上であれば、異常であると判定して、その旨を報知出力するので、実施の形態1の効果に加えて予測できるので、対処がより早めにできる。
実施の形態7.
実施の形態1〜6では、トッププレート3上に被加熱物(鍋)が載置されていない時にテストを行うようにしていたが、深夜時間帯にテストしても良い、本実施の形態7では、このような態様について説明する。
なお、ここでは、初期テストは完了していることを前提とする。
図19は本実施の形態7における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態7における制御部31の動作を図19を用いて説明する。
制御部31は内蔵するタイマーを調べ(ステップS1901)、深夜時間帯例えば0時であれば、図6のステップS607〜S608を実行してテストを開始する。これ以降の制御部31のテストの動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除して処理を終了する(ステップS609)。
本実施の形態7によれば、深夜にテストを実行できるので、効率の良いテストができる。
実施の形態8.
実施の形態7では、深夜時間帯にテストするようにしたが、過去の調理履歴から非操作時間帯を学習してこの時間帯にテストするようにしても良い、本実施の形態8では、このような態様について説明する。
なお、ここでは、初期テストは完了していることを前提とする。
図20は本実施の形態8における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態8における制御部31の動作を図20を用いて説明する。
制御部31はメモリー32から複数の操作履歴を読み込む(ステップS2001)。次に制御部31は過去の操作履歴から非操作時間帯を抽出する(ステップS2002)。次に制御部31は内蔵するタイマーを調べ、現在が非操作時間帯か否かを調べる(ステップS2003)。現在が非操作時間帯でなければ、処理を終了する。現在が非操作時間帯であれば、図6のステップS607〜S608を実行してテストを開始する。これ以降の制御部31のテストの動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除して処理を終了する(ステップS609)。
本実施の形態8によれば、過去の履歴に基づいて自動的にテスト可能な時間帯を学習し、自動的にテストを実行するので、より確実にかつ効率の良いテストができる。
実施の形態9.
ユーザーが手動でテストモードを行う際に、最終調理後、所定の時間が経過していない間は、テストモードの実行ができないようにし、所定の時間経過したらテストモードを実行可能なように構成しても良い。本実施の形態9では、このような態様について説明する。
図21は本発明の実施の形態9における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態9における制御部31の動作を図21を用いて説明する。
加熱制御手段である制御部31は、初期処理実行後(ステップS2101)、最終調理終了か否かを判定する(ステップS2102)。この判定基準は例えば、ユーザーが終了スイッチを操作したか否かを調べてもよいし、所定時間以上誘導加熱コイルの出力電流が流れなくなったか否かを調べてもよい。最終調理終了でない場合には、ステップS2102へ戻り、再び最終調理終了か否かを判定する。ステップS2102の判定において、最終調理終了の場合には、制御部31はタイマーを用いて経過時間(初期値は0)を累積カウントし(ステップS2103)、所定時間を経過したか否かを調べ(ステップS2104)、所定時間を経過しない間はテスト不可能の旨の報知出力を行い(ステップS2105)、ステップS2103へ戻る。ステップS2104の判定において、経過時間の累積カウント値が所定時間を経過したとき、制御部31はテスト可能の旨の報知出力を行い(ステップS2106)、ユーザーからのテスト開始指示待ちの状態となる(ステップS2107)。ユーザーが操作スイッチの操作によりテスト開始指示を行うと、制御部31はテストモードを設定した上で、テストを実行する(ステップS607〜S608)。これ以降の制御部31のテストの動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除して処理を終了する(ステップS609)。
本実施の形態9によれば、最終調理後、所定の時間が経過していない間は、テストの実行ができないように構成したので、トッププレート3の温度が十分に冷えるため安全にテストを実行することができる。
実施の形態10.
ユーザーが手動でテストを行う際に、最終調理終了後、トッププレート3の温度がテストに適切な温度でない間は、テストの実行ができないようにし、トッププレート3の温度がテストに適切な温度となった場合にはテストを実行可能なように構成しても良い。本実施の形態10では、このような態様について説明する。
図22は本実施の形態10における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態10における制御部31の動作を図22を用いて説明する。
加熱制御手段である制御部31は、ステップS2101〜S2102は図21のそれと同様に動作する。次に、制御部31は、最終調理後、温度センサー(接触式温度センサーあるいは非接触式温度センサーのいずれでも良い)の検出した温度情報を温度検出部経由で読み取り(ステップS2201)、この温度が所定の範囲内にあるか(即ち適切な温度であるか)否かを判定する(ステップS2202)。温度が所定の範囲内になければ、制御部31はテスト不可能の旨の報知出力を行い(ステップS2105)、ステップS2201へ戻る。ステップS2202の判定において、温度が所定の範囲内にあれば、制御部31は図21のステップS2106〜S2107と同様に動作し、その後は図6のステップS607〜S609と同様に実行する。
本実施の形態10によれば、最終調理後、トッププレート3の温度が所定の範囲内まで下がらない間は、テストの実行ができないように構成したので、トッププレート3の温度が十分に冷えてからテストを実行することにより安全にテストを実行することができる。
実施の形態11.
実施の形態1〜8では発熱手段にラジエントヒーターを用いた場合について説明したが、ラジエントヒーターが無い誘導加熱調理器の場合には発熱手段としてラジエントヒーターを使用できない。このような場合には発熱手段として脱臭用触媒ヒーターを用いることができる。
本実施の形態11では、このような場合について説明する。
図1及び図4は本実施の形態11でも用いられる。
図23は本発明の実施の形態11における誘導加熱調理器のトッププレート3を取り外した状態の外観を示す斜視図である。図23において、図2と同符号は同一または相当部分を示す。ラジエントヒーター5に代えて誘導加熱コイル4cが設けられていること、熱伝導手段14が追加されていること以外は図2の構成と同じである。また、図3と同様、3つの加熱口に対応して前端と後端に3対の赤外線センサー23が配置されている。
また、図24は図23のトッププレート3を含む誘導加熱調理器の側面断面図である。図24において、図23と同符号は同一または相当部分を示す。グリル8の後方のグリル排気ダクト16にグリル8から排出される排煙を脱臭する触媒を活性化する脱臭用触媒ヒーター15が取り付けられている。この脱臭用触媒ヒーター15は発熱抵抗体で構成されている。本実施の形態11では、ラジエントヒーター5が無いので、この脱臭用触媒ヒーター15を発熱手段として用いる。脱臭用触媒ヒーター15には、トッププレート3まで延設された金属などの熱伝導性の高い材料で構成された熱伝導手段14が接続されており、脱臭用触媒ヒーター15からの熱がこの熱伝導手段14によって真上のトッププレート3に伝達される。このように構成することにより、テストにおいて、脱臭用触媒ヒーター15を駆動し、脱臭用触媒ヒーター15から発せられた熱は熱伝導手段14を介して真上のトッププレート3に伝達され、トッププレート3の当該個所を加熱する。この温度を非接触式の温度センサーである赤外線センサー23で検知するようにすれば、テストで赤外線センサー23の異常状態を調べることができる。
また、図25は図1に示す誘導加熱調理器100のトッププレート3を取り外した状態を示す平面図である。図25に示すように、誘導加熱調理器本体1の前面側および背面側に赤外線センサー23とほぼ同一の位置に鍋の載置状況を監視する非接触式の鍋センサー24が設けられている。この鍋センサー24は、前面側から光を発光する発光手段を設け、背面側の対向する位置にこの光を受光する受光素子を設けるかあるいは背面側から光を発光し、前面側で受光するように構成する。これにより、トッププレート3上に鍋が載置されているか否かを検知するものである。
また、誘導加熱コイル4cの中心には接触式温度センサー21が設けられている。
また、図26は本発明の実施の形態11における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図であり、図中、図9と同符号は同一または相当部分を示す。
非接触式鍋センサー24及び鍋載置検出部241が追加されている点、ラジエントヒーター5及びリレー51に代えて、脱臭用触媒ヒーター15及び脱臭用触媒ヒーター15に電力を供給するためのリレー151が設けられている点以外は図9と同じ構成である。
次に、本実施の形態11の動作概要を説明する。
制御部31の動作は発熱手段がラジエントヒーター5に代えて脱臭用触媒ヒーター15である以外は実施の形態2と同様である。
図27は本発明の実施の形態11における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
図28は本発明の実施の形態11における制御部31のテスト時の動作を示すフローチャートである。
制御部31は、まず図27に示すように鍋センサー24の出力に基づいて、トッププレート3上に鍋が載置されたか否かを調べる(ステップS2701)。もし鍋が載置されていたら、その旨のメッセージを表示手段または音声出力手段などの報知手段に出力して(ステップS2702)処理を終了する。ステップS2702の判定において、鍋が載置されていない場合には、図6と同様にしてテストモードを設定した上でテストを起動する(ステップS607〜S609)。テストが起動されると、図28に示すように制御部31はまず図7のステップS701〜S703と同じ動作を実行する。
次に、制御部31は発熱手段である脱臭用触媒ヒーター15を起動する(ステップS2801)。次に、制御部31は発熱手段である脱臭用触媒ヒーター15の出力が安定するまでの時間を含む十分な時間が経過した後、図11のステップS1101〜S1105と同様に動作する。そして今回検出した温度と初期の検出温度との温度差を基準値を比較して温度差が基準値より小さいか否かを判定する(ステップS803)。温度差が基準値より小さければ(ステップS803でYes)、制御部31は赤外線センサー23が正常であると判定して、脱臭用触媒ヒーター15の駆動を停止して(ステップS2802)スケジューリング処理に復帰する。
一方、ステップS803の判定において、今回検出した温度と初期の検出温度との温度差が基準値以上であれば、制御部31は赤外線センサー23において経年劣化による故障が発生したと判定して、図8のステップS805と同様に表示部および音声出力部にその旨の警報を報知出力した(ステップS804)後、脱臭用触媒ヒーター15の駆動を停止して(ステップS2802)スケジューリング処理に復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除して(ステップS609)処理を終了する。
本実施の形態11によれば、実施の形態2と同様の効果を奏する。
なお、鍋センサー24と鍋載置検出部241は鍋検出手段を構成する。
また、上記の例では鍋センサー24として光学式のセンサーを用いたが、これに限る必要はない。例えば、トッププレート3の裏面の被加熱物の載置位置にコンデンサ容量式のセンサーを取付け、これを鍋センサー24として用いても良い。また、トッププレート3の上面の被加熱物の載置位置に重量センサーを配置し、これを鍋センサー24として用いても良い。また、トッププレート3の裏面の被加熱物の載置位置に電磁石によるスイッチ手段を取付け、これを鍋センサー24として用いても良い。
なお、発熱手段及びトッププレートのテストモードの温度は人が触れても安全な温度で行う(40℃位)ように構成してもよい。これにより、安全なテストが可能になる。
また、本実施の形態11においては、脱臭用触媒ヒーターを発熱体としてトッププレートを加熱してテストを行なっているが、グリルに備えられた調理用のヒーターを発熱体として用いても良い。この場合も脱臭用触媒ヒーターを発熱体としてトッププレートを加熱してテストを行う場合と同様の効果が得られる。
実施の形態12.
定期的にテストを実行して得られた温度センサーの出力と温度センサーの初期特性とに基づいてこの温度センサーが異常か否かを判定するように構成しても良い。本実施の形態12では、このような態様について説明する。
図5、及び図6は本実施の形態12でも用いられる。
図29は本発明の実施の形態12における制御部31の初期特性設定の動作を示すフローチャートである。図29において、ステップS2901〜S2902が追加されている以外は図7のフローと同じである。
次に、本実施の形態12における制御部31の初期特性設定の動作を図5〜図6及び図29を用いて説明する。
制御部31は、まずスケジューリング処理において、誘導加熱調理器の据え付け時に図6のステップS601〜S605を実行して、初期テストを起動する。初期テストは図29のステップS701〜S704を実行した後、さらに図29のステップS705〜S708をテストの終了条件(ステップS2901)が満足されるまで所定のディレイ時間(数百m秒〜数秒のオーダー)を周期として(ステップS2902)繰り返し実行することで初期テストを行う。この初期テストにおいて、制御部31はラジエントヒーター5による加熱の経過時間が長くなるに連れてトッププレート3の温度が上昇していくので、各経過時間において接触式温度センサー21によって検出された温度を次々と取得しては室温センサー22の検出した室内温度を差し引いていくことで室温の変動成分の影響を受けない温度を算出し、これをメモリー32に記録していく。これにより、接触式温度センサー21の初期特性が作成される。初期テストが終了条件を満足したら、制御部31はラジエントヒーター5を停止して(ステップS709)復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、図6に示すように制御部31はテストモードを解除し(ステップS605)、さらに初期フラグをリセットした(ステップS606)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを開始する(ステップS611)。
また、図30は本発明の実施の形態12における制御部31の初期以外のテスト時の動作を示すフローチャートである。図30において、ステップS3001〜S3002が追加されている以外は図8のフローと同じである。
次に、本実施の形態12における制御部31のテスト時の動作について図1〜図8及び図30を用いて説明する。
制御部31は、初期テスト完了後の通常時において、所定の周期(数日、数ヶ月、数年のオーダー)で定期的に通常テストを実行する。即ち、制御部31は定期的に図6のステップS601、S607〜S608を実行して通常テストを起動する。通常テストが起動されると、制御部31は図7のステップS701〜S707及び図8のステップS801を実行することで接触式温度センサー21の出力を取得し、さらに室温センサー22の検出した室温を差し引くことで室温の変動成分の影響を受けない温度を算出する。次に、制御部31はメモリー32に記憶された接触式温度センサー21の初期特性を構成する複数の温度データの内、今回のテストを実施したテスト開始からの経過時間を検索キーとして対応する温度を抽出し、検索して得られた温度と今回のテストで算出した温度との差分を計算する(ステップS802)。そして、制御部31は得られた差分が基準値よりも小さいか否かに基づいて接触式温度センサー21が異常か否かを判定する(ステップS803)。差分が基準値以上の場合には、接触式温度センサー21が経年劣化による故障のため使用できないと判定して図示しない表示部および音声出力部にその旨の警報を報知出力し、ラジエントヒーター5の駆動を停止して(ステップS804〜S805)スケジューリング処理に復帰する。
ステップS803における判定の結果、差分が基準値よりも小さければ、制御部31は接触式温度センサー21が正常であると判定し、通常テストが終了条件を満足するまで、図29のディレイ時間と同じディレイ時間(数百m秒〜数秒のオーダー)を周期として(ステップS3002)、ステップS701〜S707及びステップS801〜S802を繰り返し実行することで本実施の形態12の通常テストが行われる。
通常テストが終了条件を満足したら、制御部31はラジエントヒーター5を停止して(ステップS805)復帰する。
スケジューリング処理に復帰後、制御部31はテストモードを解除した(ステップS609)後、周期を一旦0にクリアした(ステップS610)上で図示しないタイマーを用いて周期のカウントアップを再開する(ステップS611)。
なお、テスト終了条件としては、例えば、ラジエントヒーター5の起動後、所定の時間が経過したこと、あるいはトッププレートの温度が所定値を超えたことが一例として挙げられる。
本実施の形態12によれば、上記のように誘導加熱調理器の据え付け時に初期テストを動作させて温度センサーの初期特性を記録し、この初期特性を温度センサーの異常判定に用いることにより、製品の個体差による発熱体、温度センサー等の特性の違いや、設置環境によるトッププレートの放熱特性や温度センサーへの外乱等の影響が学習され判定に勘案されるので、温度センサーの異常検知の精度が高まり、誘導加熱調理器の安全性・信頼性が向上する。
実施の形態13.
温度センサーの出力が、人がトッププレート3に触れても安全な温度範囲内にある場合にテストを実行できるようにし、テストを実行するときには、テスト中である旨の報知出力を行うように構成しても良い。本実施の形態13では、このような態様について説明する。
図5及び図8は本実施の形態13でも用いられる。図31は本発明の実施の形態13における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。図31において、ステップS3101が追加されている以外は図22のフローと同じである。
次に、本実施の形態13における制御部31の動作を図31を用いて説明する。
制御部31は、図21のステップS2101〜S2107(図22のS2201〜S2202を含む)と同様に動作してトッププレート3の温度を検知する接触式温度センサー21の出力を読み取り、読み取った温度が予め設定された温度範囲を超えている場合はテスト不可能の旨の報知出力を行ってテストの実行を禁止し、読み取った温度が予め設定された温度範囲内にある場合にはテストの実行が可能である旨の報知出力を行う。また、テストを実行するときには、テストモードを設定した(ステップS607)後、テスト中である旨の報知出力を行って(ステップS3101)、テストを起動する(ステップS608)。これ以降の制御部31のテストの動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除して処理を終了する(ステップS609)。
本実施の形態13によれば、トッププレートの温度が人が触れても火傷等の問題が発生しない十分に安全な温度であるときにテストモードの実行を可能とし、テストモード実行中はその旨の報知出力を行なってユーザーの注意を喚起するので、ユーザーがトッププレートへの接触を回避することで、安全性を高めることができる。
実施の形態14.
実施の形態7では、深夜時間帯にテストを行うようにしていたが、一定時間以上調理が行われない場合にテストするように構成しても良い、本実施の形態14では、このような態様について説明する。
図32は本実施の形態14における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態14における制御部31の動作を図32を用いて説明する。
加熱手段(左右の誘導加熱コイル4及びラジエントヒーター5)の駆動制御は制御部31自身が図示しないインバーター41を制御して行うので、制御部31が把握できる。
そこで、制御部31は全ての加熱手段、即ち、左右の誘導加熱コイル4及びラジエントヒーター5のいずれも駆動されているか否かを調べる(ステップS3201)。その結果、いずれかの加熱手段を駆動制御しており調理中であれば(ステップS3201でYes)、処理を終了する。ステップS3201の判定において、全ての加熱手段を駆動していない場合には(ステップS3201でNo)、図示しない内蔵タイマーをカウントして、所定時間経過するのを待つ(ステップS3202)。所定時間が経過したら、制御部31は再度全ての加熱手段即ち、左右の誘導加熱コイル4及びラジエントヒーター5のいずれも駆動されているか否かを調べる(ステップS3203)。その結果、いずれかの加熱手段を駆動制御しており調理中であれば(ステップS3203でYes)、処理を終了する。ステップS3203の判定において、全ての加熱手段を駆動していない場合には(ステップS3203でNo)、制御部31は図6のステップS607〜S608を実行してテストを起動する。これ以降の制御部31の動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除して処理を終了する(ステップS609)。
本実施の形態14によれば、一定時間、すべての調理動作を実施していないことを確認してからテストを開始するので、テストを開始する頃にはトッププレートに調理の余熱が消え去っており、発熱体によるトッププレートの加熱に基づく温度変化への影響が軽減され、温度センサーの異常検知の精度が高まり、テストの安全性及び信頼性が向上する。
実施の形態15.
実施の形態14では、一定時間以上調理が行われない場合にテストを行うようにしていたが、テスト開始前一定時間温度センサーの出力値の変化が所定値以内にあって安定していることを確認してからテストしても良い、本実施の形態15では、このような態様について説明する。
図33は本実施の形態15における制御部31のテスト時のスケジューリング処理の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態15における制御部31の動作を図33を用いて説明する。
制御部31は、初期処理においてフラグを0に設定する(ステップS3301)。次に、制御部31は接触式温度センサー21が検知したトッププレート3の温度を読み取る(ステップS3302)。次に、制御部31はメモリー32から前回検出した温度を読み込み(ステップS3303)、今回取得した温度との差分を算出して(ステップS3304)、温度の変化が所定値以内か否かを調べる(ステップS3305)。温度変化が所定値以上あれば、制御部31は温度は安定していないと判定してフラグをリセットした(ステップS3310)上で処理を終了する。ステップS3305の比較において、温度の変化が所定値以内であれば、制御部31は温度が本当に安定しているか否かを調べるために、フラグを1つインクリメントする(この場合、フラグは1となる)(ステップS3306)。次に、フラグの値が2であるか否かを調べる(ステップS3307)。ステップS3307の比較において、フラグは2でないから、制御部31は接触式温度センサー21から取得した温度情報を前回値としてメモリー32に記録した(ステップS3308)上で、経過時間をカウントして所定の時間が経過するのを待つ(ステップS3309)。所定の時間が経過したら、制御部31はステップS3302へ戻り、再びステップS3302〜S3304を実行して新たな温度変化が所定値以内にあって安定しているか否かを判定する。その結果、温度変化が所定値よりも大きくて安定していないと判定すると、フラグをリセットした(ステップS3310)上で処理を終了する。また、ステップS3305において、温度変化が所定値以内で安定していると判定したら、制御部31はフラグを1つインクリメントする(この場合、フラグは2となる)(ステップS3306)。次に、制御部31はフラグの値が2であるか否かを調べる(ステップS3307)。ステップS3307の比較において、フラグは2であるから、制御部31はステップS607〜S608を実行してテストを起動する。
これ以降の制御部31の動作は実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。テストの実行が終了したら、制御部31はテストモードを解除し(ステップS609)、さらにフラグをリセットして(ステップS3310)処理を終了する。
本実施の形態15によれば、制御部31はテスト開始前に一定時間温度センサーの出力値の変化が所定値以内にあって安定していることを確認してからテストモードの実施を開始するので、トッププレートの温度が安定した状態よりテストを開始できる。従って、発熱体によるトッププレートの温度上昇が軽減され、温度センサーの異常検知の精度が高まり、安全性及び信頼性が向上する。
1 本体、2 筐体、3 トッププレート、4、4a〜4c 誘導加熱コイル、5 ラジエントヒーター(発熱手段)、6 基板ケース、7 冷却ファン、8 グリル、9 操作部、10 操作部、11 赤外線センサー窓、12 吸気口、13 排気口、14 熱伝導手段、15 脱臭用触媒ヒーター、16 グリル排気ダクト、21 接触式温度センサー、22 室温センサー、23、23a〜23e 赤外線センサー、24 非接触式鍋センサー、31 制御部、32 メモリー、33 ROM、34 入出力バス、41 インバーター、51 リレー、71 冷却ファン駆動手段、100 誘導加熱調理器、151 リレー、211 温度検出部、221 室温検出部、231 温度検出部。

Claims (24)

  1. 被加熱物を載置するトッププレートと、
    このトッププレートの下方に設置され、前記被加熱物を誘導加熱する誘導加熱コイルと、
    この誘導加熱コイルに高周波電力を供給するインバーターと、
    このインバーターを制御する制御手段と、
    前記トッププレートを加熱する発熱手段と、
    温度を検知する温度センサーと、
    ユーザーに表示または音声で報知する報知手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記インバーターを制御して前記誘導加熱コイルへの高周波電力の供給を停止するとともに、前記発熱手段を駆動し、前記温度センサーの出力状態を試験するテストを調理していない時間帯に実行し、前記テストにおいて、前記温度センサーの出力が所定の条件にある場合には前記温度センサーの異常と判定し、前記報知手段にその旨を示す情報を出力することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記温度センサーは、前記誘導加熱コイルの設置位置に対応する前記トッププレートの裏面に接触して取付けられる接触式温度センサーであることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記温度センサーは、前記被加熱物の表面から放射される赤外線を非接触で検出する赤外線センサーであることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記発熱手段は発熱抵抗体で構成されたラジエントヒーターであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  5. 魚などを焼くグリルを備え、
    前記発熱手段は前記グリルに具備され、発熱抵抗体で構成されたヒーターであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度センサーの初期の出力を初期特性として前記記憶手段に記録しておき、前記テストにおいて、前記温度センサーの出力と前記記憶手段に記録された初期特性との差分が所定値を超えると前記温度センサーの異常と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記温度センサーは、前記誘導加熱コイルの設置位置に対応する前記トッププレートの裏面に接触して取り付けられた接触式温度センサーと、前記被加熱物の表面から放射される赤外線を非接触で検出する非接触式温度センサーと、を備え、
    前記制御手段は、前記テストにおいて、前記接触式温度センサーの出力と前記非接触式温度センサーの出力との差分を算出し、この差分を初期のテストにおけるそれと比較し、比較の結果、前記差分が所定値を超えた場合には前記温度センサーの異常と判定することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  8. 少なくとも3つの同一種類の温度センサーを備え、
    前記制御手段は、前記温度センサー出力同士を比較して、いずれか1つの出力が所定値を超え、残りの出力が所定値以下ならば、所定値を超えた温度センサーの異常と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  9. 少なくとも3つの同一種類の温度センサーを備え、
    前記制御手段は、前記温度センサーの内、予め設定した下限値よりも低い温度を検知した温度センサーを異常と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  10. 記憶手段を備え、
    周囲の空気を吸入するファンと、
    このファンによって吸入された周囲の室温を検出する室温センサーと、を備え、
    前記制御手段は、前記室温センサーの初期出力と前記温度センサーの初期出力とを複数の室温毎に対応させて前記記憶手段に記録しておき、前記テストにおいて、前記室温センサーの出力に対応する前記記憶手段に記録された温度センサーの初期出力と、前記温度センサーの出力との差分が所定値を超えたら前記温度センサーの異常と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  11. 周囲の空気を吸入するファンと、
    このファンによって吸入された周囲の空気温度を検出する室温センサーと、を備え、
    前記制御手段は、前記テストにおいて、前記温度センサーの出力と前記室温センサーの出力との差分が所定値以下であるとき、前記温度センサー脱落の異常と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  12. 記憶手段を備え、
    前記制御手段は、定期的にテストを動作させて前記温度センサーの出力を前記記憶手段に記録し、前記温度センサーの出力と前記記憶手段に記録された前回の出力との差分を変化として記録し、初期特性と前記記録した差分に基づいて次回の検出値を予測し、この予測値と前記初期特性との差分が所定値を超えると、前記温度センサーの異常と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  13. 記憶手段を備え、
    前記制御手段は、据え付け時にテストを動作させて前記温度センサーの出力を初期特性として前記記憶手段に記録しておき、定期的にテストを動作させて前記温度センサーの出力を取得し、取得した前記温度センサーの出力と前記記憶手段に記憶された前記温度センサーの初期特性とに基づいて前記温度センサーが異常か否かを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  14. 前記制御手段は、前記温度センサーの出力が所定の温度範囲内にある場合にはテストの実行を可能とし、前記テストを実行するときには、テスト中である旨を示す情報を前記報知手段に出力することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  15. 前記制御手段は、テストを実行する際には、すべての加熱コイルおよびラジエントヒーターを駆動しない時間が所定時間を経過した後でテストの実行を開始することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  16. 記憶手段を備え、
    前記制御手段は、常時または所定の周期で前記温度センサーによって検出された前記トッププレートの温度を取得して前記記憶手段に記録し、テスト開始前一定時間温度センサーの出力値の変化が所定値以内にあって安定していることを確認してからテストの実施を開始することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  17. 前記制御手段は、最終調理後、所定の時間を経過していない場合には、テストの実行ができない旨を示す情報を前記報知手段に出力することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  18. 前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記トッププレートの温度が、テスト用として予め定められた温度範囲を超えている場合には、テストの実行ができない旨を示す情報を前記報知手段に出力することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  19. 前記制御手段は、特定の操作スイッチが操作されたときに前記テストを実行することを特徴とする請求項17または請求項18記載の誘導加熱調理器。
  20. タイマーを備え、
    前記制御手段は、前記タイマーの出力が予め設定された非調理時間帯であると判定したときに前記通常テストを実行することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  21. 前記制御手段は、前記タイマーの出力に基づいて調理をした履歴を動作履歴として作成し、この動作履歴に基づいて、前記非調理時間帯を学習することを特徴とする請求項20記載の誘導加熱調理器。
  22. 前記被加熱物の載置を検出する鍋検出手段を備え、
    前記加熱制御手段は、前記鍋検出手段の出力に基づいて前記被加熱物が前記トッププレートに載置されていないと判定したときに前記テストを実行することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  23. 前記鍋検出手段は、前記トッププレートの前面側または背面側の前記被加熱物の載置位置に対向して配置された光センサーであることを特徴とする請求項22に記載の誘導加熱調理器。
  24. 前記制御手段は、前記発熱手段によって加熱されたトッププレートの温度が安定する時間を含む所定の時間経過後に前記温度センサーの異常判定を行うことを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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