JP2011068522A - シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ - Google Patents

シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン単結晶引上げの際、ルツボ内の原料シリコンを溶融するための加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボと十分な密着性が得られるシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボを提供する。
【解決手段】底部1と円筒状の側壁部2との間にアール状のコーナー部3を有する3層構造のシリカガラスルツボとし、底部2中央から、ルツボの中心を通る鉛直方向断面においてコーナー部3の最も曲率が大きい箇所とその曲率中心とを結ぶ直線に対して、曲率中心周りに±5°以内の位置にかけて形成された、OH基含有濃度が30〜300ppmの合成シリカガラスからなる厚さ1〜5mmの第1層4と、天然シリカガラスからなる不透明層の第2層5と、天然シリカガラス、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下の高純度合成シリカガラスからなる透明層である第3層6とを備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)によりシリコン単結晶を引上げる際に用いられる、原料シリコン融液を収容するためのシリカガラスルツボに関する。
シリコン単結晶の製造においては、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、前記種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることにより、種結晶の下端に単結晶インゴットを育成していくものである。
上記方法において、原料シリコン融液を収容するためのルツボには、シリカガラスルツボが用いられ、該シリカガラスルツボは、シリコン単結晶引上げ時には、カーボンルツボに嵌め込むようにセットされて、ルツボ外周からヒータ加熱される。
従来、前記シリカガラスルツボは、内層が合成シリカガラス層、外層が天然シリカガラス層の2層構造(例えば、特許文献1参照)、あるいはまた、前記2層構造の外層と内層の間に、合成シリカガラスからなる不透明(半透明)な中間層を挟んだ、例えば、特許文献2に記載されているような3層構造のものが一般的であった。
主に内層を構成する合成シリカガラスは、高純度で得られるため、引上げられるシリコン単結晶に対する不純物汚染を抑制することができる。一方、外層を構成する天然シリカガラスは、合成シリカガラスに比べて、純度は低いものの、耐熱性に優れているという特徴を有している。
また、特許文献3には、上記のような2層構造のシリカガラスルツボの底部以外の外層の外側に、結晶化促進剤添加シリカガラス層を形成し、底部以外は3層構造として、耐久性とカーボンルツボによる支持安定性を向上させたシリカガラスルツボが開示されている。
特許第2811290号公報 特開2001−348294号公報 特開2008−81374号公報
ところで、近年、シリコン単結晶の製造効率の向上の観点から、上記方法により引上げられるシリコン単結晶インゴットは大口径化しており、これに伴い、一度の引上げに要する原料シリコン融液の量も多くなり、前記シリカガラスルツボも大型化している。
また、シリカガラスルツボ内への原料シリコンの再充填や、急激な昇降温等、シリコンルツボの使用環境も厳しくなってきている。
特に、シリコン単結晶引上げ前には、ルツボ内の原料シリコンを溶融する時間を短縮化するために、ルツボは外周からのヒータ加熱により、急激に昇温される。
このとき、特許文献1,2に記載されているようなシリカガラスルツボでは、外層の天然シリカガラスは高温での粘性が高いため、該ルツボの外周を覆う前記カーボンルツボと馴染みにくく、十分な密着性が得られない。
また、特許文献3に記載されたような結晶化促進剤添加シリカガラス層が形成されたルツボであっても、ルツボの急激な昇温時には、前記カーボンルツボとの十分な密着性が得られる前に、早期に、カーボンルツボと接触する部分での結晶化が完了してしまう。
このように、ルツボ外周からのヒータ加熱の際に、シリカガラスルツボとその外側のカーボンルツボとの密着性が十分でない場合、ルツボが大型であるほど、ルツボ内に収容されている原料シリコン融液に温度ムラが生じやすくなり、また、シリカガラスルツボ自体の加熱変形を生じることもあり、ひいては、引上げられるシリコン単結晶の単結晶化率の低下を招くという課題を有していた。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、シリコン単結晶引上げの際、ルツボ内の原料シリコンを溶融するための加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボと十分な密着性が得られるシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボを提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボは、底部と円筒状の側壁部との間にアール状のコーナー部を有する3層構造のシリカガラスルツボであって、前記底部中央から、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において前記コーナー部の最も曲率が大きい箇所とその曲率中心とを結ぶ直線に対して、前記曲率中心周りに±5°以内の位置にかけて形成された、OH基含有濃度が30〜300ppmである合成シリカガラスからなる厚さ1〜5mmの第1層と、前記第1層の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラスからなる不透明層である第2層と、前記第2層の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラス、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下である高純度合成シリカガラスからなる透明層である第3層とを備えていることを特徴とする。
上記のような構造のシリカガラスルツボによれば、シリコン単結晶引上げの際、ルツボ加熱開始直後のカーボンルツボとの密着性が向上し、初期変形が抑制されるとともに、原料シリコン融液の温度ムラの発生が抑制され、引上げられるシリコン単結晶の単結晶化率の向上を図ることができる。
前記シリカガラスルツボにおいては、前記第1層は、底部中央よりもコーナー部の方が、厚さが薄いことが好ましい。特に、前記シリカガラスルツボにおいては、前記第1層が、底部中央からコーナー部に向かって連続的に厚さが減少していることが好ましい。
この場合、前記第1層は、ルツボ底部中央における厚さtcと、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において、コーナー部の最も曲率が大きい箇所における厚さtpの比tc/tpが、1.2〜2.4であることが好ましい。
このような構成とすることにより、ルツボ底部中央から、シリカガラスルツボとカーボンルツボとを密着させることができ、また、その密着速度を適度に保つことができ、均一な密着性が得られる。
本発明に係るシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボによれば、シリコン単結晶引上げの際、ルツボ内の原料シリコンを溶融するための加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボと十分な密着性を得ることができる。
したがって、本発明に係るシリカガラスルツボによれば、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の温度ムラの発生を抑制することができ、また、昇温初期におけるルツボの変形を防止することができ、ひいては、高効率かつ高い単結晶化率でシリコン単結晶を引上げることが可能となる。
本発明に係るシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボの模式的な断面図である。 図1のシリカガラスルツボのコーナー部周辺の拡大断面図である。 本発明に係る他の態様のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボのコーナー部周辺の拡大断面図である。
以下、本発明にについて、図面を参照して、詳細に説明する。
図1に、本発明に係るシリカガラスルツボの断面図を示す。図1に示すシリカガラスルツボは、底部1と円筒状の側壁部2との間にアール状のコーナー部3を有する断面がU字状の形状からなる。このシリカガラスルツボは3層構造である。そして、底部1からコーナー部2の所定位置にかけて形成された、合成シリカガラスからなる第1層4と、第1層4の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラスからなる不透明層である第2層5と、第2層5の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラス、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下である高純度合成シリカガラスからなる透明層である第3層6とを備えている。
このように、底部1からコーナー部2にかけての外層に、天然シリカガラスよりも粘性の低い合成シリカガラスからなる第1層4を設けることにより、シリカガラスルツボ内の原料シリコンを溶融するために急速加熱した場合であっても、加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボとの密着性を向上させることができる。
これにより、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の温度ムラの発生を抑制することができ、高い単結晶化率かつ高効率でのシリコン単結晶引上げも可能となる。
ここで、合成シリカガラスとは、例えば、シリコンアルコキシドの加水分解等により合成された合成シリカ原料を溶融して製造されるシリカガラスであり、天然シリカガラスとは、水晶等の天然シリカ原料を溶融して製造されるシリカガラスを意味する。
一般に、合成シリカガラスは、天然シリカガラスに比べて粘性が低いが、上述したカーボンルツボとの十分な密着性を得るために、適度な粘性とする観点から、前記第1層4を構成する合成シリカガラスにおいては、OH基含有濃度が30〜300ppmであることが好ましく、80〜200ppmであることがより好ましい。
前記OH基濃度が30ppm未満の場合、該合成シリカガラスの粘性が高く、ルツボの加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボとの密着性の向上を図ることは困難である。
一方、前記OH基濃度が300ppmを超える場合、該合成シリカガラスの粘性が低すぎ、ルツボの加熱開始直後における初期変形が著しく、ルツボ基材自体の形状安定性が不十分となる。
図2に、図1のシリカガラスルツボのコーナー部周辺の拡大断面図を示す。図2に示すように、前記第1層4の形成範囲は、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において、コーナー部3の最も曲率が大きい箇所Pとその曲率中心Oとを結ぶ直線POに対して、前記曲率中心O周りに±5°以内の位置に、その端部があることが好ましい。
上記位置においては、合成シリカガラスからなる第1層4が外層となるように形成することにより、ルツボの加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボとの十分な密着性が得られるとともに、ルツボ側壁部2においては、天然シリカガラスからなる不透明層である第2層5を外層とする2層構造とすることにより、ルツボの加熱開始直後の初期変形を抑制することができる。
前記直線POに対して、点Oを中心としたルツボ側壁部2方向への回転を正方向とした場合、第1層4の形成範囲の端部が、前記回転角が−5°未満の位置であると、ルツボの加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボとの十分な密着性が得られず、ルツボ内の原料シリコン融液に温度ムラが生じ、引上げるシリコン単結晶の単結晶化率の低下を招く。
一方、前記回転角が+5°を超える位置まで第1層4を形成すると、外層の粘性低下が側壁部2においても生じ、ルツボが座屈変形しやすくなる。
また、前記第1層4の厚さは、1〜5mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましい。
前記厚さが1mm未満の場合、上述したようなカーボンルツボとの十分な密着性が得られない。
一方、前記厚さが5mmを超える場合、粘性が相対的に低い合成シリカガラス層が厚すぎるため、ルツボの加熱開始直後における初期変形が著しく、ルツボ基材自体の形状安定性が不十分となる。
なお、前記第1層4の内側に形成される第2層5及び第3層6の各層の厚さは、ルツボの大きさにより適宜規定されるが、強度、コスト等の観点から、例えば、外径800mm、高さ500mmのルツボの場合、それぞれ、第2層5は15〜28mm、内層の第3層6は2〜6mmで形成することが好ましい。
前記第2層5は、合成シリカガラスに比べて、純度は低いものの、耐熱性に優れた天然シリカガラスにより形成され、通常、透明層よりも多数の気泡を含有しており、透明層よりも光透過率の低い不透明層とされ、主に、ルツボ全体の強度を保持する機能を有する。
また、前記第3層6は、シリコン単結晶の原料シリコン融液と接する面を構成するものであり、シリコン単結晶に求められる品質に応じて、天然シリカガラス、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下である高純度合成シリカガラスにより形成され、通常、気泡をほとんど含まない、内表面が平滑な透明層とされる。
図3に、本発明に係る他の態様のシリカガラスルツボのコーナー部周辺の拡大断面図を示す。
前記第1層4の厚さは、上記範囲内で、底部1中央よりもコーナー部3の方が薄いことが好ましく、特に、図3に示すように、底部1中央からコーナー部3に向かって連続的に厚さが減少するように変化させて、すなわち、底部1中央は、より厚く、コーナー部3(端部)側は、より薄く形成することが好ましい。
このような厚さで第1層を形成することにより、ルツボの加熱開始直後、より早期に、ルツボ底部1において、カーボンルツボと密着させることができ、その後、第1層の端部に向かって徐々に密着していくことにより、第1層とカーボンルツボとを均一に密着させることができる。
上記のように第1層の厚さが均一でなく、傾斜している場合、ルツボ底部1中央Cにおける厚さtcと、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において、コーナー部3の最も曲率が大きい箇所Pにおける厚さtpの比tc/tpは、1.2〜2.4であることが好ましく、1.5〜2.2であることがより好ましい。
前記比tc/tpが1.2未満では、ルツボの加熱開始後、第1層とカーボンルツボとが底部1中央から密着し始めない場合もあり、密着が不均一となることがある。
一方、前記比tc/tpが2.4を超える場合、底部1中央におけるカーボンルツボとの密着速度が大きすぎるため、底部1中央と第1層4の端部であるコーナー部付近とで、カーボンルツボと密着するまでの時間差が大きくなり、ルツボの初期変形が生じやすくなる。
上記のような本発明に係るシリカガラスルツボは、従来の製造方法を用いて製造することができる。以下に、具体的な製造方法の一例を説明するが、本発明に係るシリカガラスルツボの製造方法は、これに限定されるものではない。
まず、ルツボの中心軸周りに回転するルツボ成形用型内に、合成シリカ原料粉を供給し、遠心力及び機械的押圧によって、前記型の内表面の底部からコーナー部の所定位置にかけて、第1層の成形体を形成する。なお、第1層の厚さ及び形状は、合成シリカ原料粉の量及び機械的押圧の程度を適宜調節することにより、制御することができる。
次いで、前記型内に、天然シリカ原料粉を供給し、遠心力及び機械的押圧によって、前記第1層の内側にルツボ全体にわたって、第2層の成形体を成形する。この第2層は、不透明層とされることが好ましい。
その後、天然シリカ原料粉、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下の高純度合成シリカ原料粉を全体的に供給し、遠心力及び機械的押圧によって、第2層の内表面に、第3層の成形体を形成する。この第3層は、透明層とされることが好ましい。
そして、上記のようにして得られたルツボ成形体を、アーク溶融法により全体をガラス化することにより、本発明に係るシリカガラスルツボが得られる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
上記の実施の形態において説明した方法と同様の製造方法により、外径800mm、高さ500mmの図3に示すような構造のシリカガラスルツボを製造した。このルツボの第1層は、第1層のルツボ底部1中央Cにおける厚さtcが2.5mm、第1層の端部の位置をコーナー部の最も曲率が大きい箇所Pとし、tc/tpを2.0とし、また、OH基含有濃度85ppmの合成シリカガラスにより構成した。また、第2層は、天然シリカガラスにより構成し、側壁部における厚さを20mmとした。第3層は、天然シリカガラスにより構成し、厚さを3mmとした。
このシリカガラスルツボを、カーボンルツボに嵌め込んでセットし、ルツボ外周からヒータ加熱して、ルツボ内で約350kgの原料シリコンを溶融させ、CZ法により、直径12インチのシリコン単結晶の引上げを行った。単結晶引上げ前の昇温速度は、通常の2倍とした。
[実施例2〜4]
第1層の厚さ、端部位置、OH基含有濃度、tc/tpを下記表1の実施例2〜4に示すように変化させ、それ以外は実施例1と同様にして、シリカガラスルツボを製造し、これらの各ルツボを用いて、実施例1と同様にして、シリコン単結晶引上げを行った。
[比較例1]
上記実施例1において、第1層を形成せずに、第2層及び第3層のみを備えた2層構造のシリカガラスルツボを製造し、このルツボを用いて、実施例1と同様にして、シリコン単結晶引上げを行った。
[実施例5〜10、比較例2〜7]
第1層の厚さ、端部位置、OH基含有濃度、tc/tpを下記表1の実施例5〜10、比較例2〜7に示すように変化させ、また、第3層をNa、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下である合成シリカガラスにより構成し、それ以外は実施例1と同様にして、シリカガラスルツボを製造し、これらの各ルツボを用いて、実施例1と同様にして、シリコン単結晶引上げを行った。
上記実施例及び比較例において製造したシリカガラスルツボについて、シリコン単結晶引上げに使用した後のルツボの変形、引上げられるシリコン単結晶の単結晶化率の評価を行った。
これらの評価結果をまとめて表1に示す。
表1において、ルツボの変形の有無の判断基準は、○:目視で変形なし、△:目視で変形発生を確認、×:変形発生により引上げ中止、とした。
また、単結晶化率の判断基準は、○:>95%、△:90〜95%、×:<90%とした。
Figure 2011068522
表1に示した評価結果から分かるように、実施例1〜10は、ルツボの変形は生じず、引上げられたシリコン単結晶の単結晶化率も95%超と良好であった。
なお、第1層の厚さの傾斜比率tc/tpが1.2未満、又は、2.4を超える場合(実施例9,10)、ルツボの大きな変形はなく、シリコン単結晶の引上げに支障はなかったものの、シリコン単結晶の単結晶化率が実施例1〜8よりもやや劣っていた。
一方、従来の2層構造のルツボ(比較例1)、第1層が薄い場合(比較例2)、及び、第1層の端部がルツボ底部側に寄り過ぎて、形成範囲が狭い場合(比較例4)は、第1層の機能が十分に果たされず、カーボンルツボとの密着性が悪く、ルツボの加熱開始直後に、底部において波打ち変形が生じたため、シリコン単結晶引上げを中止した。
また、第1層が厚い場合(比較例3)、及び、第1層のOH基含有濃度が高い場合(比較例6)は、ルツボ基材自体の粘性が低下して変形を生じたため、シリコン単結晶引上げを中止した。
第1層の端部がルツボ側壁部側まで広がり過ぎて、形成範囲が広い場合(比較例5)、ルツボ側壁部で座屈変形が生じたため、シリコン単結晶引上げを中止した。
また、第1層のOH基含有濃度が低い場合(比較例7)は、ルツボ基材自体の粘性が高く、カーボンルツボとの密着性が悪く、原料シリコン融液の温度ムラが生じ、シリコン単結晶の単結晶化率が低くなった。
以上から、本発明に係る第1層を形成したシリカガラスルツボによれば、ルツボの加熱開始直後に、外周に接するカーボンルツボと十分な密着性が得られ、初期変形が抑制されるため、原料シリコン溶融のための急速加熱による製造効率の向上を図ることが可能であることが認められた。
また、これにより、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の温度ムラの発生が抑制され、高い単結晶化率でシリコン単結晶を引上げることができることが認められた。
1 底部
2 側壁部
3 コーナー部
4 第1層
5 第2層
6 第3層

Claims (4)

  1. 底部と円筒状の側壁部との間にアール状のコーナー部を有する3層構造のシリカガラスルツボであって、
    前記底部中央から、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において前記コーナー部の最も曲率が大きい箇所とその曲率中心とを結ぶ直線に対して、前記曲率中心周りに±5°以内の位置にかけて形成された、OH基含有濃度が30〜300ppmである合成シリカガラスからなる厚さ1〜5mmの第1層と、
    前記第1層の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラスからなる不透明層である第2層と、
    前記第2層の内面側にルツボ全体にわたって形成された、天然シリカガラス、又は、Na、K、Alの金属不純物含有量が各々1ppm以下である高純度合成シリカガラスからなる透明層である第3層とを備えていることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
  2. 前記第1層は、底部中央よりもコーナー部の方が、厚さが薄いことを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
  3. 前記第1層は、底部中央からコーナー部に向かって連続的に厚さが減少していることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
  4. 前記第1層は、ルツボ底部中央における厚さtcと、ルツボの中心を通る鉛直方向断面において、コーナー部の最も曲率が大きい箇所における厚さtpの比tc/tpが、1.2〜2.4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
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