JP2004155642A - 石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石英ガラスルツボ1の内表面2の表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上である石英ガラスルツボ。また、その製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶の引上げに用いられる石英ガラスルツボとその製造方法に係わり、特にその内表面特性を改良した石英ガラスルツボとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン単結晶の製造には石英ガラスルツボが用いられている。この石英ガラスルツボは多数の気泡を含む外層と透明な内層とからなり、内層には天然シリカ質原料を用いたものと合成シリカ質原料を用いたものとがある。後者は不純物が少なく、単結晶化率が良いという利点があるので、近年次第にいわゆる合成石英ガラスルツボの比率が高くなってきている。
【0003】
しかしながら、石英ガラスルツボを用いシリコンを溶融し単結晶を引き上げる際に、溶融シリコンの液面に波が発生し、種結晶の適確な浸漬による種付けが困難であり、シリコン単結晶の引上げができず、あるいは、単結晶化が阻害されるという問題がしばしば発生していた。この液面振動現象はシリコン結晶が大口径化するに伴い、さらに発生し易くなってきている。このため、益々、石英ガラスルツボの内表面の内表面特性を改善することが必要になってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、液面振動の発生を抑制できる内表面特性を有する石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法が要望されていた。
【0005】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、液面振動の発生を抑制できる内表面特性を有する石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、石英ガラスルツボの内表面の表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上であることを特徴とする石英ガラスルツボが提供される。これにより、液面振動の発生を抑制できる内表面特性、すなわち緻密なガラス構造を有して密度の高い内表面を持つ。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、合成シリカを原料とする透明石英ガラスからなる内層部を有し、上方開口部からストレート部、円弧部および底部から成る湾曲状の石英ガラスルツボであって、少なくとも内表面から0.3mmの内層部の3員環強度が0.25以上であり、前記開口部端部から所定長さのストレート部の少なくとも内表面から1.0mmの領域が100個/mm3以上の気泡を有し、前記領域にSiH基強度が3.0×10−5以上である部分を有し、かつ、前記所定長さ以外は内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡であることを特徴とする石英ガラスルツボが提供される。これにより、Si融液と接する内表面の侵食(溶込み)が低減され、界面で発生するSiOガスによる液面振動の発生が抑制され、また、上記溶込み量の低減によって、Si融液中の酸素濃度が増し、石英ガラスとSi融液の濡れ性が高まり、単結晶引上げ中に、Si融液がルツボストレート部を部分的に這い上がり、これが落下することによる突発的液面振動の発生を防止することができて、特に単結晶引上げ初期の種付けが適確に行なうことができると共に、高い単結晶化率のシリコン単結晶インゴットを製造できる。なお、少なくとも内表面から1.0mmの領域におけるSiH基強度が3.0×10−5以上である部分は、石英ガラスルツボ内表面と略平行にかつ全周に渡って層状に存在することが好ましい。これにより、シリコン単結晶の有転位化をより確実に防止することができ、より高い単結晶化率を実現できる。さらに、上記SiH基強度は1.0×10−5以上であることがより好ましい。
【0008】
好適な一例では、上記内表面の表層0.05mm以上の厚さにおけるOH基含有量が100〜300ppmである。これにより、Si融液がルツボストレート部の内表面を部分的に這い上がり、これが落下することに伴う突発的液面振動の発生が防止され、さらに、Si融液と接する内表面の侵食が低減され、界面で発生するSiガスによる液面振動の発生が抑制される。
【0009】
また、本発明の他の態様によれば、回転する型内に石英原料粉を供給し、ルツボ形状成形体を形成した後、これをアーク溶融する石英ガラスルツボの製造方法において、石英ガラスの仮想温度が1200℃以上であり、かつ、前記アーク溶融停止直後に冷却ガスを石英ガラスルツボ内表面に吹付けることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法が提供される。これにより、石英ガラスルツボの内表面の表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上であり、液面振動の発生を抑制できる内表面を持つ石英ガラスルツボの製造が可能となる。
【0010】
また、他の好適な一例では、上記成形体が、天然シリカ質粉末もしくは合成シリカ粉末にて成形体を形成した後に、その内表面全周に渡り第1合成シリカ粉末層を設け、さらに、開口部端部から所定長さ以外の内表面には、第2合成シリカ粉末層を設ける。これにより、開口部端部から所定長さのストレート部の少なくとも内表面から1.0mmの領域が100個/mm3以上の気泡を有し、前記領域にSiH基強度が3.0×10−5以上である部分を有し、かつ、所定長さ以外は内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡となる。
【0011】
また、他の好適な一例では、上記第2合成シリカ粉末層は、アーク溶融後除去され、除去後の面は加熱処理される。これにより、所定長さ以外は、内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡である石英ガラスルツボが製造される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボについて添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボ1で、石英ガラスルツボ1の内表面2側に透明層(内層)3を有し、石英ガラスルツボ1の外周面4側に気泡が存在する不透明層(外層)5を有する2層で形成されている。
【0014】
図1のA部を拡大して示した図2に示すように、石英ガラスルツボ1は、表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上である。
【0015】
シリコン単結晶引上げ時における液面振動現象は、シリコン融液と石英ガラス界面の溶解に大きく影響されるため、所定のガラス構造を有する内表面層を持つ本発明に係わる石英ガラスルツボ1は、液面振動の抑制に有効である。これにより、石英ガラスルツボ1を用いて単結晶の引上げを行えば、高単結晶化率が実現できる。
【0016】
上記3員環強度は、石英ガラス(SiO2)のネットワークの結合の一つであり、石英ガラスの組成(OH等)や熱履歴に影響され、3員環結合のピークは、図3に示すように、レーザラマン分光法による石英ガラスのネットワークスペクトルを測定すると、600cm−1付近に検出される。通常、3員環強度を測定する際、600cm−1の3員環ピークの強度面積を、石英ガラスネットワークスペクトルの一部であるSiOピークの強度面積で除して用いる。すなわち、3員環強度=3員環ピークの強度面積(565〜650cm−1)/SiOピークの強度面積(700〜900cm−1)となる。
【0017】
なお、上記第1実施形態の石英ガラスルツボにおいて、さらに、この内表面の表層0.05mm以上の厚さ領域のOH基含有量を100ppm以上とすることによって、ルツボ内表面が一の極性をもち、またSi融液による侵食で少なからず溶込むOが、Si融液中で一の極性をもつことから、ルツボ内表面とSi融液が反発し合うためにSi融液がルツボストレート部の内表面を部分的に這い上がり、これが落下することに伴う突発的液面振動の発生を防止することができる。
【0018】
また、石英ガラスルツボの内表面の表層0.05mm以上の厚さ領域のOH基含有量を300ppm以下とすることによって、Si融液と接する内表面の侵食が低減され、界面で発生するSiOガスによる液面振動の発生を抑制することができる。なお、上記OH基含有量とする内表面の表層の厚さが少なくとも0.05mm存在することで、上記効果は、実際の単結晶引上げ時において、実現されるものである。
【0019】
次に、本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボの製造方法について説明する。
【0020】
図4に示すように、石英ガラスルツボ製造装置11のルツボ成形用型12は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材13と、その外周に通気部14を設けて、内側部材13を保持する保持体15とから構成されている。
【0021】
また、保持体15の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸16が固着されていて、ルツボ成形用型12を回転可能なようにして支持している。通気部14は、保持体15の下部に設けられた開口部17を介して、回転軸16の中央に設けられた排気口18と連結されており、この通気部14は、減圧機構19と連結されている。
【0022】
内側部材13に対向する上部にはアーク放電用のアーク電極20と、原料供給ノズル21と、不活性ガス供給管22、水素ガス供給管23及び窒素ガスなどの冷却ガスを供給する冷却ガス供給管24が設けられ、さらに、ルツボ成形用型12の開口部を覆う遮蔽板25が設けられている。
【0023】
従って、上述した石英ガラスルツボ製造装置11を用いてルツボの製造を行うには、回転駆動源(図示せず)を稼働させて回転軸16を矢印の方向に回転させることによってルツボ成形用型12を所定の速度で回転させる。ルツボ成形用型12内に、原料供給ノズル21で、上部から高純度のシリカ粉末を供給する。供給されたシリカ粉末は、遠心力によってルツボ成形用型12の内面部材13側に押圧されルツボ形状の成形体26として成形される。なお、上記成形体26は、アーク溶融を行なう石英ガラスルツボ装置とは、別の装置で成形することもできる。
【0024】
さらに、図5に示すような製造工程図に沿って、減圧機構19の作動により内側部材13内を減圧し、さらに、不活性ガス供給管22からアルゴンガスを一定量の割合で成形体26の中空部26iに供給する。アルゴンガスの供給から所定時間経過後、アーク電極20に通電、継続し、成形体26の内側から加熱し、成形体26の内表面に溶融層を形成する。
【0025】
所定時間経過後、ルツボの外側に気泡を多数含む不透明層を適切に形成するために、減圧機構19を調整もしくは停止してルツボ成形用型12内の減圧を調整もしくは停止させる。減圧を低減もしくは停止した状態でさらに全アーク溶融中アークを継続し、アーク溶融開始から、一定時間経過後にアルゴンガスの供給を停止し、アルゴンガスの供給を停止後、例えば停止と同時に水素ガス供給管23から一定量の割合で水素ガスを成形体26の中空部26iに供給する。水素ガスの供給開始は、遅くともアーク溶融停止の所定時間前に行われ、かつ全アーク溶融時間に対する一定割合経過以降に行われる。アーク溶融開始から所定時間経過後、アーク通電を停止し、水素ガスの供給を止め、さらに、冷却ガス供給管24から冷却ガスとしてのアルゴンガスをルツボ内面に大量に吹付けて内面を急冷し、ルツボ製造工程は終了する。
【0026】
このときの石英ガラスの仮想温度が1200℃以上、より好ましくは、1230℃以上の温度とする。
【0027】
なお、ここで仮想温度とは、室温の石英ガラスの物性が、その製造時の熱履歴によって異なった値をとり、それらの物性値が設定された温度をいうが、本発明において、仮想温度を1200℃以上とするためには、アーク溶融温度(例えば、ルツボ表面温度2000℃)、溶融時間及び冷却速度を適宜調整すればよい。
【0028】
特に、冷却速度を適当に調整する手段として、アーク溶融停止直後に、冷却ガスを石英ガラスルツボ内表面に吹付けることで、急冷却することが好ましい。
【0029】
なお、従来の石英ガラスルツボにおける石英ガラスの仮想温度は、約1100℃である。
【0030】
このように本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法は、石英ガラスの仮想温度を1200℃以上にし、かつ、アーク溶融後の冷却速度をアーク溶融停止直後に冷却ガスを石英ガラスルツボ内表面に吹付けることで急速にすることにより、表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上の上記第1実施形態の石英ガラスルツボを製造することが可能となる。
【0031】
また、本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボについて説明する。
【0032】
図6は本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボ1Aで、石英ガラスルツボ1Aの内表面2A側に透明層(内層)3Aを有し、石英ガラスルツボ1Aの外周面4A側に多数の気泡が存在する不透明層(外層)5Aを有する2層で形成されている。
【0033】
また、石英ガラスルツボ1Aは、形状的には、断面がストレート形状のストレート部1Aaと、このストレート部1Aaに連なり円弧形状の円弧部1Abと、この円弧部1Abに連なる底部1Acとで形成されている。
【0034】
図6のAA部を拡大して示す図7のように、石英ガラスルツボ1Aの内表面2Aは、少なくとも表層0.3mmの範囲における上述した3員環強度が0.25以上である。
【0035】
また、図6のBA部を拡大して示す図8のように、石英ガラスルツボ1Aのストレート部1Aaにおける開口部端部から所定長さ(深さ)迄のストレート部、すなわち、有気泡ストレート部1Aa1の少なくとも内表面2Aから1.0mmの領域は、100個/mm3以上の気泡を有し、SiH基強度が3.0×10−5(好ましくは1.0×10−4)以上である部分を層状に有する透明層である。この透明層の気泡個数は、不透明層の個数より、明確に少ない個数である。
【0036】
また、有気泡ストレート部1Aa1以外の部分、すなわち、ストレート部1Aaの無気泡ストレート部1Aa2、円弧部1Ab及び底部1Acの透明層は、内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡である。これによって、本第2実施形態の石英ガラスルツボを用いて単結晶を引き上げる場合、Si融液と接する内表面2Aの侵食(溶込み)が低減され、界面で発生するSiOガスによる液面振動の発生を抑制することができる。また、上記溶込み量の低減によって、Si融液中の酸素濃度が増し、石英ガラスとSi融液の濡れ性が高まり、単結晶引上げ中に、Si融液が有気泡ストレート部1Aa1の内表面を部分的に這い上がり、これが落下することによる突発的液面振動の発生を防止することができる。これによって、特に、単結晶引上げ初期の種付けを適確に行なうことができる。
【0037】
また、本第2実施形態の石英ガラスルツボにおいては、有気泡ストレート部1Aa1の少なくとも内表面から1.0mmの領域に100個/mm3以上の気泡を有し、かつ、前記領域に石英ガラスのSiH基強度が3.0×10−5(好ましくは1.0×10−4)以上である部分を有することを一つの特徴とする。このような気泡を有気泡ストレート部1Aa1に有することによって、ルツボ外側面からのヒータ加熱による有気泡ストレート部1Aa1を介した液面上方への熱輻射を抑制することで、結晶引上げ速度をより速めることができ、かつ、安定した単結晶を得ることができる。なお、一般的には透明層に気泡が存在すると、この気泡が膨張・破裂等してSi単結晶に結晶転位による有転位化が発生し易いが、ルツボ内表面2Aを水素処理することでこの内表面に略平行にかつ当該領域全周に渡ってSiH基強度が3.0×10−5以上となる部分を層状に形成することで、上記有転位化を防止することができ、高い単結晶化率を得ることができる。
【0038】
なお、上記開口部端部から所定長さ(有気泡ストレート部の長さ)とは、種付け前のSi融液面より数10mm下方であることが好ましい。また、SiH基強度は、ArF514nmレーザ光を石英ガラスルツボ断面に照射し、その散乱光を側面より検出し、2225〜2250cm−1の微分強度と2270〜2300cm−1の微分強度との差について、700〜900cm−1のSi−Oピークの高さ強度との比を採る方法により算出される。具体的には次の通りである。
【0039】
SiHピークは、514nmのArイオンレーザで励起して得られるラマンスペクトルの波数2260cm−1に出現するが、1950〜2550nmに渡って現れるSiOバンドと重なる。SiOバンドは3本のピークが重なった幅の広いピークで、SiHピークが現れる部分はバンドの谷に当り、ベースライン処理やSiOバンドの除去(差し引き)し難く、S/Nの良いデータを得ることが困難である。そこで、SiHピーク強度(SiH基強度)を求める方法として、微分法を採用するのが有用である。さらに、800cm−1SiOバンドの強度(ピーク高さ)を求め、SiH微分強度との比を求める。この求め方は、▲1▼1950〜2550cm−1に渡ってSAV−DOLAY法により、スムージング(平滑化処理)した後、微分する。▲2▼微分スペクトルから、2225〜2250cm−1及び2270〜2300cm−1の範囲で各13点の平均値を求める(SiHピークの左右両側の傾きを求める)。▲3▼上記平均値(傾き)をそれぞれD1、D2とし、D1−D2を求めこれをDSiHとする。▲4▼800cm−1SiOバンドにつき、3員環強度を求めるときと同様にベースライン処理を行なった後、ピーク高さ(最大高さ)を求める。これをHSiOとする。▲5▼DSiH/HSiOを求め、これをSiH強度とする。
【0040】
さらに、気泡個数の特定のみならず、気泡の占有率を0.05vol%以上とすることによって、上記効果をより高めることができる。より好ましくは200個/mm3以下であり、0.1vol%以下である。あまり多過ぎると、表面がエッチングされ易くなり、溶込み量が多くなり、液面振動を誘発したり、高酸素濃度となってしまう傾向がある。
【0041】
また、本第2実施形態においては、円弧部1Abおよび底部1Acの内表面から1.0mm以上が実質的無気泡であることが一つの特徴であるが、これによって、単結晶引上げ中において、気泡の膨れ・破裂等による問題を解消することができる。特に、外周部からのヒータ熱が最も加わり易い円弧部1Abにおいて、実質的無気泡であることが重要である。
【0042】
特に内表面2Aは、アーク溶融した溶融ルツボの内表面全体を研磨処理し、この研磨面を酸水素バーナにより加熱処理することで形成されているので、確実に無気泡化が実現される。なお、実質的無気泡とは、10個/mm3以下、好ましくは5個/mm3以下である。
【0043】
なお、上記第2実施形態の石英ガラスルツボにおいて、さらにこの内表面の表層0.05mm以上の厚さ領域のOH基含有量を100ppm以上とすることによって、ルツボ内表面が一の極性をもち、また、Si融液による侵食で少なからず溶込むOが、Si融液中で一の極性をもつことから、両者が反発し合いSi融液がルツボストレート部の内表面を部分的に這い上がり、これが落下することに伴う突発的液面振動の発生をより効果的に防止することができる。
【0044】
また、石英ガラスルツボの内表面の表層0.05mm以上の厚さ領域のOH基含有量を300ppm以下とすることによって、Si融液と接する内表面の侵食がより効果的に低減され、界面で発生するSiOガスによる液面振動の発生をより確実に抑制することができる。なお、上記OH基含有量とする内表面の表層の厚さが少なくとも0.05mm存在することで、上記効果は、実際の単結晶引上げ時において、実現されるものである。
【0045】
さらに、本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法について説明する。
【0046】
第2実施形態の石英ガラスルツボ1Aの製造は、上述した第1実施形態と同様に、図4に示すような石英ガラスルツボ製造装置を用い、図9に示すように原料粉を供給して成形体を製造し、図5及び図10に示すような製造工程に沿って製造する。なお、図4に示す石英ガラスルツボ製造装置と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0047】
例えば、図9に示すように、石英ガラスルツボ製造装置11のルツボ成形用型12を所定の速度で回転させ、このルツボ成形用型12内に、原料供給ノズル21で、上部から高純度の天然シリカ質(水晶)粉末を供給する。供給されたシリカ粉末は、遠心力によってルツボ成形用型12の内面部材13側に押圧されルツボ形状の成形体26Aとして形成される。
【0048】
また、この成形体26Aの上に合成シリカ粉末が供給されて、成形体26Aの内表面27Aの全周に渡り第1合成シリカ粉末層26A1が形成され、さらに、開口部端部から所定長さである有気泡ストレート部26Aa1を除く他の内表面、すなわち、ストレート部26Aaの無気泡部26Aa2、円弧部26Ab及び底部26Acには、合成シリカ粉末が供給されて、第1合成シリカ粉末層26A1の内表面の全周に渡り第2合成シリカ粉末層26A2が形成されて、これを分り易く示す図11において、実線で示すルツボ成形体1Apが得られる。
【0049】
しかる後、図5に示すような製造工程図に沿って、上述した第1実施形態と同様に溶融を行い、図11に示すルツボ成形体1Apと同様の形状の溶融ルツボを製造する。この製造された溶融ルツボの上記第2合成シリカ粉末層26A2が形成された部分(図11中の斜線部)のみ図10に示すような研削、研磨及び加熱処理工程が施される。
【0050】
上記研削工程は、図12に示すような工程と、図13に示すようなハンディタイプの研削装置(ベルトサンダー)31を用いて、粗研削工程、再研削工程の2段階で行われる。
【0051】
上記粗研削は、エアコンプレッサ(図示せず)に連通された高圧エアパイプ32から送られてくる高圧空気により回転されるベーン型回転機構33及び駆動回転ローラ34を介して研削ベルト35を回転させ、研削ベルト35と溶融後の第2合成シリカ粉末層(合成シリカ内面)26A2に給水ノズル36から給水しながら研削する。
【0052】
研削ベルト35は、ダイヤモンド砥石(ベルト)であり、粗研削工程におけるダイヤモンド粒径は80メッシュ(#)以上に細かくする。
【0053】
再研削工程では、研削ベルトのダイヤモンド粒径を200メッシュ以上に細かくして、粗研削同様の研削を行なう。再研削工程後の内表面の算術平均粗さ(Ra)(JIS B0601−1994)を3μm以下に平坦化する。このように、Raを3μm以下の粗さにすることによって、次工程でのより迅速な研磨処理が可能となり、さらに、研削工程で発生するマイクロクラックダメージを確実、かつ、より短時間で除去できるようになる。
【0054】
さらに、図12に示すような工程に従い、この溶融ルツボの研削された内表面を研磨工程において研磨する。
【0055】
例えば、図14に示すように、研磨工程は、ハンディタイプの研磨装置41を用い、回転ローラ42に設けられた研磨布43と溶融後の第2合成シリカ粉末層(合成シリカ内面)26A2間に研磨剤を供給して研磨する。このようにして研磨された内表面はRaで1μm以下、表面粗さのバラツキを内表面全体で±0.1μmの範囲内にすることができる。研磨布35のダイヤモンド粒径が800メッシュ以上と細かいので、内表面の有害となるマイクロクラックダメージをより確実に除去することができ、さらに、より均一性を高く、かつより確実にRaを1μmより小さくすることができる。Raを1μm以下にすると、次工程の加熱処理を行うことにより、内表面2Aに目視できるような凹凸を残すことがなく、また、引き上げられるシリコン単結晶に悪影響を与えることもなく、さらに、マイクロクラックダメージを残さないようにすることができる。
【0056】
次に、図10に示すような工程に従い、溶融ルツボの研磨された内表面を加熱処理工程により熱処理する。
【0057】
この加熱処理工程(図示せず)は再アーク溶融によって、内表面全体を加熱することで行われる。なお、再アーク溶融時には、カーボン電極を下方に下げ、図11に示す有気泡ストレート部(肉薄の非斜線部分)26Aa1が再溶融されないようにする。溶融ルツボの内表面の一部にのみ微小気泡が存在する場合にも、内表面全体を研削工程、研磨工程で、研削、研磨し、再アーク溶融を用いて内表面全体を高温加熱することにより、図6に示すような内表面に段差がない、なだらかな内表面を有するルツボが製造され、さらに、少なくとも内表面から0.3mmの内層部の3員環強度が0.25以上であり、開口部端部から所定長さのストレート部の少なくとも内表面から1.0mmの領域が100個/mm3以上の気泡を有し、前記領域にSiH基強度が3.0×10−5以上となる部分を有し、かつ、所定長さ以外は内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡であり、液面振動の発生を抑制できる内表面特性を持つ上記第2実施形態の石英ガラスルツボが製造される。
【0058】
【実施例】
[試験1]
本発明の第1実施形態に係わる石英ガラスルツボの製造方法により製造し、3員環強度が異なるルツボを用いて、シリコン単結晶を引上げ、液面振動発生状況及び単結晶化率を調べた。
【0059】
なお、3員環強度の測定は、次のとおり行った。
【0060】
レーザラマン分光法を用いて本発明に係わる石英ガラスのネットワークスペクトルを測定する。
【0061】
測定装置:装置は愛宕物産製「RAMANOR S320型レーザラマン分光分析装置」を用い、入射レーザにArレーザ(514nm)を使用し、検出器にCCD検出器を使用する。
【0062】
【0063】
試料:本発明に係わる石英ガラスルツボより切出し、入射面及び散乱光検出面を鏡面研磨する。
【0064】
結果:図3のようなスペクトルを得た。各試料のスペクトルから、3員環ピークの強度面積(565〜650cm−1)及びSiOピーク強度面積(700〜900cm−1)を測定し、3員環強度面積/SiOピーク強度面積により3員環強度を算出した。
【0065】
また、表1に示すような3員環強度と関連する結果を得た。
【表1】
【0066】
表1に示すように、石英ガラスの仮想温度が1200℃以上となるように製造され、3員環強度が0.25以上の実施例1及び実施例2は、液面振動が発生しないことがわかった。また、単結晶化率もそれぞれ99%、100%と高率になり、これに対して、石英ガラスの仮想温度が1200℃未満である1160℃となるように製造され、3員環強度が0.20の従来例の場合は、液面振動が発生し、また、単結晶化率も95%と低率になることがわかった。
【0067】
また、石英ガラスの仮想温度を1100℃となるように製造され、3員環強度が0.23の比較例1は、液面振動が発生するが、単結晶化率は99%と高率であることがわかった。
【0068】
なお、従来例の場合、密度は2.2013であったのに対して、実施例1の場合、密度は2.2019であった。
【0069】
[試験2]
本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係わる石英ガラスルツボの製造方法により製造されたルツボの内表面特性を調べ、さらに、この石英ガラスルツボを用いて、シリコン単結晶の引上げを行い結晶化率を調べた。
【0070】
1.石英ガラスルツボの作製
▲1▼(実施例3) 第1実施形態の石英ガラスルツボであり、ルツボ形状型寸法が外径560mm、高さ500mmの型に堆積層厚さ25mm(水晶原料で堆積厚さ17mm+内表面側:合成シリカ原料で第1合成シリカ粉末層堆積厚さ8mm)に充填した。上記ルツボ形状型の外面側から、真空ポンプを用いて350Torrの溶融時圧力となるように減圧しながら、アルゴンガスを60リットル/分の割合で成形体の中空部に供給した。アルゴンガスの供給開始から4分後、アーク電極に通電、継続し、成形体の内側からトータル50分加熱した。アーク溶融開始から10分後に溶融時圧力を720Torrまで低減し、全アーク溶融時間50分の約70%経過後の35分経過後(アーク停止15分前)に、アルゴンガスの供給を停止して、同時に水素ガスを200リットル/分の割合で成形体の中空部に供給した。水素ガスの供給10分間経過後に、水素ガスの供給を停止して、アーク溶融を継続した。この時のルツボ内表面の温度は2300℃であった。水素ガス停止5分後にアーク溶融を停止し、冷却のためにアルゴンガスを500l/minでルツボの中空部に供給することで、表2に示すような内表面特性を有する石英ガラスルツボを製造した。
【0071】
▲2▼(実施例4) ルツボ形状型寸法が外径560mm、高さ500mmの型に堆積層厚さ27mm(水晶原料で堆積厚さ17mm+内表面側:合成シリカ原料で第1合成シリカ粉末層堆積厚さ8mm+最内表面側:開口部端部から200mmより下方のストレート部・円弧部・底部に合成シリカ原料で第2合成シリカ粉層堆積厚さ2mm)に充填した。上記ルツボ形状型の外面側から、上記実施例3と同様にアルゴンガス、水素ガスを供給し、アーク溶融して、溶融ルツボを得た。この溶融ルツボの開口部端部から200mmより下方のストレート部・円弧部・底部を粒径80メッシュのSiC砥粒でブラスト処理することで粗研削加工し、続いて、粒径400メッシュのダイヤモンド砥石(ベルト)で再研削加工を行なった後、ルツボ溶融装置にて、上記アーク溶融時よりカーボン電極を下方に下げ550Torr減圧、水素ガスを200リットル/分の割合で成形体の中空部に供給しつつ、5分間再アーク溶融を行ない、その後上記実施例3と同様にアルゴンガスをルツボの中空部に供給し急冷を行なうことで、内表面に段差のなく、表2に示すような内表面特性を有する石英ガラスルツボを製造した。
【0072】
▲3▼(比較例2) 実施例3と同様の方法により、表2に示すような内表面特性を有するように製造工程を制御して、石英ガラスルツボを製造した。
【0073】
2.内表面特性の測定方法
4部分(有気泡ストレート部、無気泡ストレート部、円弧部及び底部)の各々において、各10個の試料を作製し、内表面から0.3mm位置の3員環強度を試験1と同様の方法で測定した。また、試験1と同じ測定装置、測定条件で、同様にして試料を作製し、SiH基強度の測定を行なった。測定は上記3員環強度の測定と同様に4分割について各々10個の試料の内表面から0.3mm位置のSiH基強度を測定した。さらに、上記4部分の内表面から1mmの領域での単位体積当りの気泡個数、気泡占有率は厚さ1mmの断面試料の拡大写真から実測した。
【0074】
3.単結晶引上げ試験方法
実施例及び比較例を各々100個を用いて、初期シリコン融液面位置が、ルツボ開口部端部から約100mmとなるような条件にて、CZ法によるシリコン単結晶の引上げを行なった。
【0075】
4.結果
表2に示す。
【表2】
【0076】
表2からもわかるように、実施例3では、4部分(有気泡ストレート部、無気泡ストレート部、円弧部及び底部)の平均3員環強度は0.25を上回っており、また、全体的に若干の気泡が内表面側に存在することが確認された。さらに、実施例3を用いた単結晶引上げでは、液面振動の発生はなく、平均結晶化率も93%と高い値であることがわかった。
【0077】
また、実施例4は、4部分(有気泡ストレート部、無気泡ストレート部、円弧部及び底部)共、3員環強度は0.25を上回っており、有気泡ストレート部には、他部に比べて気泡が多く存在しており、これに対して、他部は実質的に無気泡であることがわかった。また、有気泡ストレート部は、そのSiH基強度が1.0×10−4を上回っていることがわかった。さらに、実施例4を用いた単結晶引上げでは、液面振動の発生はなく、平均結晶化率も98%と極めて高い値であることがわかった。
【0078】
これに対して、比較例2は、4部分の平均3員環強度は0.25に達せず、また、平均気泡個数も5と極めて少なく、その気泡含有率も小さいことがわかった。さらに、比較例2を用いた単結晶引上げでは、35/100の割合で液面振動が発生し、いくつかの石英ガラスルツボを用いた場合には、全く単結晶が引上げられない場合(単結晶化率=0)があり、平均結晶化率も85%と極めて低い値であることがわかった。
【0079】
[試験3]
上記[試験2]の実施例3と同様の製造方法において、水素ガスの流量及び流出時間を調整することによって、内表面から0.25mmの表層領域のOH基含有量が表3のような石英ガラスルツボを製造し(実施例5,6及び比較例3,4)、上記試験2と同様に液面振動頻度及び単結晶化率の測定を行った。なお、OH基含有量は、3700cm−1に検出されるOHピークと、800cm−1に検出されるSi−Oピークとの面積強度の比を濃度換算することで算出する。
【0080】
結果: 表3に示す。
【表3】
表3からもわかるように、実施例5では、3員環強度は0.25であり、有気泡ストレート部には、他部に比べて気泡が多く存在していることがわかった。また、有気泡ストレート部は、そのSiH基強度が2.0×10−4、OH基含有量100〜250ppmであることがわかった。さらに、実施例5を用いた単結晶引上げでは、液面振動の発生はなく、平均結晶化率も95%と極めて高い値であることがわかった。
【0081】
また、実施例6は、3員環強度は0.26であり、有気泡ストレート部には、他部に比べて気泡が多く存在していることがわかった。また、有気泡ストレート部は、そのSiH基強度が3.0×10−5、OH基含有量100〜250ppmであることがわかった。さらに、実施例6を用いた単結晶引上げでは、液面振動の発生はなく、平均結晶化率も92%と極めて高い値であることがわかった。
【0082】
これに対して、比較例3は、3員環強度は0.26であるが、また、平均気泡個数も8と極めて少なく、その気泡含有率も小さく、SiH基強度が−5.0×10−5、OH基含有量30〜80ppmあることがわかった。さらに、比較例3を用いた単結晶引上げでは、25/100の割合で液面振動が発生し、平均結晶化率も86%と極めて低い値であることがわかった。
【0083】
また、比較例4は、3員環強度は0.23と0.25以下であり、さらに、平均気泡個数も5と極めて少なく、その気泡含有率も小さく、SiH基強度が−3.0×10−5、OH基含有量350〜420ppmであることがわかった。さらに、比較例4を用いた単結晶引上げでは、40/100の割合で液面振動が発生し、平均結晶化率も75%と極めて低い値であることがわかった。
【0084】
【発明の効果】
本発明に係わる石英ガラスルツボによれば、液面振動の発生を抑制できる内表面特性を持つ石英ガラスルツボを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボの概念図。
【図2】図1のA部を拡大して示す概念図。
【図3】石英ガラスのネットワークスペクトル図。
【図4】本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボの製造方法の概念図。
【図5】本発明の第1実施形態の石英ガラスルツボの製造方法の製造工程図。
【図6】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの概念図。
【図7】図6のAA部を拡大して示す概念図。
【図8】図6のBA部を拡大して示す概念図。
【図9】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法の概念図。
【図10】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法の製造工程図。
【図11】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法におけるルツボ成形体の概念図。
【図12】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法の研削、研磨工程図。
【図13】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法に使用される研削装置の概念図。
【図14】本発明の第2実施形態の石英ガラスルツボの製造方法に使用される研磨装置の概念図。
【符号の説明】
1 石英ガラスルツボ
2 内表面
3 透明層(内層)
4 外周面
5 不透明層(外層)
1A 石英ガラスルツボ
1Aa ストレート部
1Aa1 有気泡ストレート部
1Aa2 無気泡ストレート部
1Ab 円弧部
1Ac 底部
2A 内表面
3A 透明層(内層)
4A 外周面
5A 不透明層(外層)
Claims (6)
- 石英ガラスルツボの内表面の表層0.5mmの範囲における3員環強度が0.25以上であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
- 合成シリカを原料とする透明石英ガラスからなる内層部を有し、上方開口部からストレート部、円弧部および底部から成る湾曲状の石英ガラスルツボであって、少なくとも内表面から0.3mmの内層部の3員環強度が0.25以上であり、前記開口部端部から所定長さのストレート部の少なくとも内表面から1.0mmの領域が100個/mm3以上の気泡を有し、前記領域にSiH基強度が3.0×10−5以上である部分を有し、かつ、前記所定長さ以外は内表面から1.0mm以上の領域が実質的無気泡であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
- 請求項1または2に記載の石英ガラスルツボにおいて、上記内表面の表層0.05mm以上の厚さにおけるOH基含有量が100〜300ppmであることを特徴とする石英ガラスルツボ。
- 回転する型内に原料粉を供給し、ルツボ形状成形体を形成した後、これをアーク溶融する石英ガラスルツボの製造方法において、石英の仮想温度が1200℃以上であり、かつ、前記アーク溶融停止直後に冷却ガスを石英ガラスルツボ内表面に吹付けることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
- 請求項4に記載の石英ガラスルツボの製造方法において、上記成形体が、天然シリカ質粉末もしくは合成シリカ粉末にて成形体を形成した後に、その内表面全周に渡り第1合成シリカ粉末層を設け、さらに、開口部端部から所定長さ以外の内表面には、第2合成シリカ粉末層を設けることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
- 請求項5に記載の石英ガラスルツボの製造方法において、上記第2合成シリカ粉末層は、アーク溶融後除去され、除去後の面は加熱処理されることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
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