JP4437368B2 - シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法に係わり、特に石英ガラスルツボの内表層領域のCa濃度を制御したシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの基板に用いられるシリコン単結晶は、一般にチョクラルスキー法(CZ法)で製造されており、このCZ法は石英ガラスルツボ内に多結晶シリコン原料を装填し、装填したシリコン原料を周囲から加熱して溶融し、上方から吊り下げた種結晶をシリコン融液に接触して引上げるものである。
【0003】
この引上げ工程において、石英ガラスルツボは、シリコン原料の融点以上に長時間加熱され、シリコン融液に曝されるため、ルツボの内側表面は高温下で溶融シリコンと徐々に化学反応を起こす。シリコン単結晶の大口径化に伴ない、引上げ時間が長くなっており、これにより石英ガラスルツボの内表面からの融液への溶損量が増加し、上記化学反応により内表面の石英ガラスの結晶化が促進され、ルツボ内表面に斑点状のクリストバライトが形成され、成長する。
【0004】
このようなクリストバライトはシリコン単結晶の引上げ工程において、ルツボ内表面から離脱しやすく、シリコン融液に浮遊し、引上げられるシリコン単結晶に付着すると多結晶化等の品質欠陥を引起し、高品質が要求されているシリコン単結晶の単結晶化歩留を低下させていた。
【0005】
このためシリコン単結晶引上げ工程中に石英ガラスルツボの内表面に発生するクリストバライトを抑制する方法が検討されていた。
【0006】
本発明者らは、石英ガラスルツボの内表面に発生するクリストバライトを低減し、CZ法において高い単結晶化率(DF率)が得られる石英ガラスルツボおよびその製造方法について鋭意検討を行った。その結果、究極的には石英ガラスルツボ内表層領域のCa濃度を制御することでクリストバライトの発生を低減させることができるとの結論に達した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、シリコン単結晶引上げ工程中の石英ガラスルツボ内表面の面荒れを防止でき、有転位化が発生せず、高単結晶化率が得られるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法が要望されており、シリコン単結晶引上げ工程中の石英ガラスルツボ内表面の面荒れを防止でき、有転位化が発生せず、高単結晶化率が得られるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本願請求項1の発明は、回転する型内に高純度石英原料粉を供給しルツボ形状体を形成して、これをアーク溶融した溶融ルツボの内表面全体を算術平均粗さ0.1μm以下かつ表面粗さのバラツキを±0.03μmに研磨処理し、この研磨面を酸水素バーナにより加熱処理し、内表面から少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度を2.0ppm以下にすることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法であることを要旨としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法により製造された石英ガラスルツボについて添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法により製造された石英ガラスルツボ1の断面図であり、石英ガラスルツボ1は、図2に示すように、内表面1Sから少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度が2.0ppm以下である。
【0012】
次に本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法について説明する。
【0013】
本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法は、図3に示すように、Caの濃度が1.0ppm以下の高純度石英原料粉から溶融ルツボを製造する溶融ルツボ製造工程と、溶融ルツボの内表面を研削(荒削り)する研削工程と、この研削された内表面を研磨する研磨工程と、この研磨された内表面を加熱処理する加熱処理工程とで構成されている。
【0014】
さらに、溶融ルツボ製造工程は、例えば、図4に示すような石英ガラスルツボ製造装置を用いて行われる。なお、石英ガラスルツボ1の中間品であるルツボ成形体および溶融ルツボには共に1Aの符号を付して説明する。
【0015】
石英ガラスルツボ製造装置11のルツボ成形用型12は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材13と、その外周に通気部14を設けて、内側部材13を保持する保持体15とから構成されている。
【0016】
また、保持体15の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸16が固着されていて、ルツボ成形用型12を回転可能なようにして支持している。通気部14は、保持体15の下部に設けられた開口部17を介して、回転軸16の中央に設けられた排気口18と連結されており、この通気部14は、減圧機構19と連結されている。
【0017】
内側部材13に対向する上部には複数のアーク放電用のアーク電極20と、原料供給ノズル21と、不活性ガス供給管22および水素ガス供給管23が設けられている。
【0018】
従って、石英ガラスルツボ製造装置11を用いて石英ガラスルツボの製造を行うには、回転駆動源(図示せず)を稼働させて回転軸16を矢印の方向に回転させることによってルツボ成形用型12を所定の速度で回転させる。ルツボ成形用型12内に、原料供給ノズル21で、上部から高純度のシリカ粉末を供給する。供給されたシリカ粉末は、遠心力よってルツボ成形用型12の内面部材13側に押圧されルツボ成形体1Aとして形成される。
【0019】
次に、図5に示すような製造工程図に沿って、減圧機構19の作動により内側部材13内を減圧し、さらに、不活性ガス供給管22からヘリウムガスまたはアルゴンガス、例えばヘリウムガスを一定量の割合、例えば80リットル/分でルツボ成形体1Aの中空部1Aiに供給する。ヘリウムガスの供給5分後、アーク電極20に通電、継続し、ルツボ成形体1Aの内側から加熱し、ルツボ成形体1Aの内表面1ASに溶融層を形成する。
【0020】
所定時間経過後、溶融ルツボ1Aの外側に気泡Bを多数含む不透明層を適切に形成するために、減圧機構19を調整もしくは停止してルツボ成形用型12内の減圧を調整もしくは停止させる。減圧程度を低減もしくは停止した状態でさらに全アーク溶融時間T分間アークを継続し、アーク溶融開始から、一定時間経過後にヘリウムガスの供給を停止し、ヘリウムガスの供給を停止後、例えば停止と同時に水素ガス供給管23から一定量の割合、例えば100リットル/分で水素ガスをルツボ成形体1Aの中空部1Aiに供給する。水素ガスの供給開始は、遅くともアーク溶融停止の5分前、例えば10分前に行われ、かつ全アーク溶融時間T分の40%に相当する時間t分経過以降に行われる(t>0.4T)。アーク溶融開始から所定時間T分経過後、アーク通電を停止し、水素ガスの供給を止めて溶融ルツボ製造工程は終了する。
【0021】
上述した溶融ルツボ製造工程において、ヘリウムガスの供給によって、図6に示すように、溶融当初に石英ガラスルツボとなる石英ガラスとなる溶融ルツボ1Aに形成されるシード層(内表面1AS)と外側の不透明層に含まれる気泡量を適切に低減でき、さらに、ヘリウムガスの供給および製造工程の後半における水素ガスを供給することにより、著しく透明層の気泡量の低減が図れる。また、透明層中に残存する気泡および不透明層中の気泡がシリコン単結晶引上げ中に膨張するのを防止できる。
【0022】
さらに、減圧溶融を行うことにより、透明層中に残存する気泡量を低減することができ、また、シード層が一種の通気壁の作用をし、減圧度合の調整によって、不透明層中の気泡量および気泡径を制御することができる。この減圧溶融は、前者の効果を得るために、上記アーク溶融の開始前もしくは同時に、あるいは上記ルツボ形状成形体の内表面が、アーク溶融によって、例えば100μm溶融された後に開始するのが好ましい。また、アーク溶融中に減圧を低減もしくは停止させることにより、不透明層中の気泡量をより適切に制御できる。
【0023】
さらに、水素ガスの供給開始が、アーク溶融停止の5分前であるため、水素供給の効果が十分得られ、ルツボ内側の透明層に残存する気泡量の低減、および外側不透明層の気泡が膨れるのを防止できる。
【0024】
また、水素ガスの供給開始が、全アーク溶融時間Tの40%に相当する時間t経過以降に行われるので、溶融ルツボ1Aの石英ガラスの高温粘性を低下させることがなく、長時間の使用に耐えられる溶融ルツボ1Aが得られる。
【0025】
なお、図7に示すように、減圧を行いながら溶融ルツボ1Aの中空部1Aiに水素ガスを流すと、水素ガスが中空部1Aiから上方を通って溶融ルツボ1Aの未溶融層部1Auに回り込んで侵入し、その内側の不透明層のOH基濃度を高めてしまい、結果、石英ガラスルツボ全体の粘度を低下させやすいことから、水素ガスを流す際には、上記のように減圧を停止もしくは低減するのが好ましい。
【0026】
次に、図3に示すような工程に従い、上記のようにして製造された溶融ルツボ1Aを研削工程において荒削りする。
【0027】
この研削工程(図示せず)は、一般に用いられる研削方法、例えばSiO2砥粒(#46〜#1000)を高圧エアにより溶融ルツボ1Aの内表面1ASに吹き付けるサンドブラスト法によって、主として上記シード層(内表面1AS)を一定量研削し、研削後の内表面1ASの算術平均粗さ(Ra)(JIS B0601−1994)を5μm以上に粗面化する。
【0028】
このように、Raを5μm以上の粗さにすることによって、より迅速な研磨処理が可能となり、さらに、研削工程で発生するマイクロクラックダメージを確実、かつ、より短時間で除去できるようにするためには、Raを35μm以下にすることが好ましい。
【0029】
さらに、図4に示すような工程に従い、この溶融ルツボ1Aの研削された内表面1ASを研磨工程において研磨する。
【0030】
例えば、図8に示すように、研磨工程は一般的に用いられるハンディタイプの研磨装置(ベルトサンダー)24を用いて行われる。この研磨装置24はエアコンプレッサ(図示せず)に連通された高圧エアパイプ25から送られてくる高圧空気により回転されるベーン型回転機構26と、このベーン型回転機構26により回転駆動される駆動回転ローラ27と、この駆動回転ローラ27の回転に従動する従動回転ローラ28と、両回転ローラ34、35間に回転自在に設けられた研磨ベルト29と、湿式研磨を行うため、研磨ベルト29と被研磨物間に給水する給水パイプ30に接続された給水ノズル31とを有している。
【0031】
研磨ベルト29は、例えばダイヤモンドベルトであり、ダイヤモンド粒径は800〜3000メッシュ(#)である。この研磨ベルト29を溶融ルツボ1Aの内表面1ASに当て、高圧エアパイプ25からベーン型回転機構26に送り、このベーン型回転機構26を回転させて、駆動回転ローラ27を回転させ、研磨ベルト29を回動させて、内表面1ASを研磨する。このとき、給水パイプ30、給水ノズル31を介して研磨ベルト29と内表面1AS間に給水するので、湿式研磨となり、高平坦に研磨される。
【0032】
研磨ベルト29による内表面1ASの研磨は、例えば、#800、#1200、#3000の順に、段階的に研磨ベルト(研磨布)の粗さを小さくしていくことが好ましい。特に、有害となるマイクロクラックダメージをより確実に除去するためには、#800以上の細かい研磨布を用いる前に、これよりも粗い研磨布を用いて研磨処理しておくことが好ましい。
【0033】
上記のようにして研磨された内表面1ASはRaで0.1μm以下、表面粗さのバラツキを内表面1AS全体で±0.03μmの範囲内にすることができる。研磨ベルト29のダイヤモンド粒径が#800以上と細かいので、より均一性を高く、かつより確実にRaを0.1μmより小さくすることができる。さらに、内表面1ASの状態は、より好ましくは、最高高さ(Ry)(JIS B0601−1994)が1.5μmであり、この場合、内表面1ASのより高い均一性が得られる。
【0034】
上記のようにRaを0.1μm以下にすると、次工程の加熱処理を行うことにより、内表面1ASに目視できるような凹凸を残すことがなく、また、引上げられるシリコン単結晶に悪影響を与えることもなく、さらに、マイクロクラックダメージを残さないようにすることができる。Raが0.1μmを超える場合には、次工程の加熱処理を行っても、内表面1ASに目視できる程度の凹凸が残ってしまい、引上げられるシリコン単結晶に悪影響を与えやすい。
【0035】
また、内表面1ASの部分的なRaのバラツキが、内表面全体で±0.03μmの範囲内であると、加熱処理によって形成されるガラス層の厚さの均一性を保つことができる。Raのバラツキが±0.03μmを超えると、この粗さ状態の違いに伴い加熱処理によって形成されるガラス層の厚さの均一性が損なわれてしまう。
【0036】
次に、図3に示すような工程に従い、この溶融ルツボ1Aの研磨された内表面1ASを加熱処理工程により熱処理する。
【0037】
この加熱処理工程(図示せず)は酸水素バーナを用いて、内表面全体を加熱することによって行われる。溶融ルツボ1Aの内表面1ASの一部にのみ微小気泡が存在する場合にも、内表面全体を研削工程、研磨工程で、研削、研磨し、酸水素バーナを用いて内表面全体を高温加熱することにより、SiO2のベーパライズが発生せず、剥離の原因となる部分的結晶化も生じない。
【0038】
特に、酸水素バーナを用いて、内表面全体を加熱するので、図2に示すように、石英ガラスルツボ1の内表面1Sが平坦で気泡がなく、かつ内表面1Sから少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度を2.0ppm以下にすることができる。
【0039】
これに対して、アーク炎での加熱処理では、酸水素バーナでの加熱処理に比べかなり高い雰囲気温度となり、加熱時に表面のSiO2を蒸発させ、このSiO2より蒸気圧の低いAl、Ca等の不純物が内表面に濃縮された状態で残存し、熱処理後の石英ガラスルツボの内表面にAl、Ca等の不純物が点在してしまい、内表面から少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度を2.0ppm以下にすることはできない。
【0040】
次に本発明に係わる石英ガラスルツボ1を用いたCZ法によるシリコン単結晶の引上げ方法について説明する。
【0041】
図9に示すように、シリコン単結晶引上装置41のチャンバ42内に設置した石英ガラスルツボ1に原料であるポリシリコンを充填し、石英ガラスルツボ1の外周に設けたヒータ43によってポリシリコンを加熱溶解し、しかる後、シリコン融液44にシードチャックに取付けた種結晶46を浸漬し、シードチャックおよび石英ガラスルツボ1を同方向または逆方向に所定の回転数で回転させながらシードチャックを引上げてシリコン単結晶47を成長させ、所定の引上げ速度で引上げることにより行われる。
【0042】
上記のような引上げ工程において、石英ガラスルツボ1は、シリコン原料の融点以上に長時間加熱され、シリコン融液44に曝されるため、石英ガラスルツボ1の内表面1sは高温下で溶融シリコンと徐々に化学反応を起こすが、石英ガラスルツボ1の内表面1Sから少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度が2.0ppm以下であるので、ルツボ内表面1Sでのクリストバライトの形成は抑制される。
【0043】
従って、クリストバライトがルツボ内表面1Sから離脱するようなことがなく、これによりクリストバライトが融液に浮遊して、引上げられるシリコン単結晶47に付着し多結晶化等の品質欠陥を引起すことがなく、シリコン単結晶47を高単結晶化率で引上げることができる。
【0044】
【実施例】
本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法により製造された石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引上げを行い、単結晶化率を調べた。
【0045】
試料は口径が22”の石英ガラスルツボを用い、内表面から10μmにおけるCaを表1のように変化させた。
【0046】
試験結果:表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
・Caが0.5ppmである実施例1は、面荒れが発生せず、良好な状態を維持し、DF率100%と良好であった。また、Alは51ppmとCaに比べて多く含有しているが、面荒れが発生していない。
【0049】
・Caが2.0ppmである実施例2は、若干面荒れが認められたが、DF率は100%で良好であった。また、Alは34ppmとCaに比べて多く含有しているが、面荒れに大きな影響を与えていない。
【0050】
・Caが2.8ppmである比較例1は、Ca以外のAl、Fe、Na、K、LiおよびCu各々の濃度が実施例1とほぼ同等であるにもかかわらず、かなりの範囲で面荒れが認められ、DF率75%と低い値である。
【0051】
・Caが6.3ppmである比較例2は、Ca以外のAl、Fe、Na、K、LiおよびCu各々の濃度が実施例2とほぼ同等であるにもかかわらず、ほぼ全面に面荒れが発生し、表面がガサガサ状態になっており、DF率40%と極めて低い値である。
【0052】
・面荒れの要因となるクリストバライトの発生状態は、Caの含有量が影響を与えることがわかった。また、面荒れがDF率に影響を与えることもわかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、シリコン単結晶引上げ工程中の石英ガラスルツボ内表面の面荒れを防止でき、有転位化が発生せず、高単結晶化率が得られるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法を提供することができる。
【0054】
すなわち、内表面から少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度が2.0ppm以下であるので、クリストバライトがルツボ内表面から離脱するようなことがなく、これによりクリストバライトが融液に浮遊して、引上げられるシリコン単結晶に付着し多結晶化等の品質欠陥を引起すことがなく、シリコン単結晶を高単結晶化率で引上げることができる。
【0055】
また、回転する型内に高純度石英原料粉を供給しルツボ形状体を形成してこれをアーク溶融した溶融ルツボの内表面全体を研磨処理し、この研磨面を酸水素バーナにより加熱処理し、内表面から少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度を2.0ppm以下にすることで、シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボを製造するので、石英ガラスルツボの内表面から少なくとも100μmの領域におけるCa濃度をより確実に、より容易に20ppm以下に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法により製造された石英ガラスルツボの断面図。
【図2】図1のA部を拡大して示す断面図。
【図3】本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法の工程図。
【図4】本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法に用いられる石英ガラスルツボ製造装置の概念図。
【図5】本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法の溶融ルツボ製造工程の説明図。
【図6】本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法の溶融ルツボ製造工程において製造される石英ガラスルツボの説明図。
【図7】本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法の溶融ルツボ製造工程における石英ガラスルツボの状態の説明図。
【図8】本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法の研磨工程に使用される研磨装置の説明図。
【図9】 本発明に係わるシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法により製造された石英ガラスルツボを用いたシリコン単結晶引上げ装置の断面図。
【符号の説明】
1 石英ガラスルツボ
1S 内表面
1A 中間品(ルツボ成形体、溶融ルツボ)
1As 内表面
1Ai 中空部
1Au 未溶融層
11 石英ガラスルツボ製造装置
12 ルツボ成形用型
13 内側部材
14 通気部
15 保持体
16 回転軸
17 開口部
18 排気口
19 減圧機構
20 アーク電極
21 原料供給ノズル
22 不活性ガス供給管
23 水素ガス供給管
24 研磨装置(ベルトサンダー)
25 高圧エアパイプ
26 ベーン型回転機構
27 駆動回転ローラ
28 従動回転ローラ
29 研磨ベルト
30 給水パイプ
31 給水ノズル
41シリコン単結晶引上装置
42チャンバ
43ヒータ
44シリコン融液
46種結晶
47シリコン単結晶
B 気泡
Claims (2)
- 回転する型内に高純度石英原料粉を供給しルツボ形状体を形成して、これをアーク溶融した溶融ルツボの内表面全体を算術平均粗さ0.1μm以下かつ表面粗さのバラツキを±0.03μmに研磨処理し、この研磨面を酸水素バーナにより加熱処理し、内表面から少なくとも100μmの領域におけるCaの濃度を2.0ppm以下にすることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法。
- 前記溶融ルツボの内表面全体を算術平均粗さ5μm以上35μm以下に粗面化した後に、前記研磨処理をすることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法。
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