JP2011066041A - 電子部品実装装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉛直方向に視線を向けて撮像を行う撮像手段20,30と、吸着ノズル105により電子部品を保持するヘッド106と、ヘッドを水平方向に沿って移動させる移動機構107と、撮像手段と移動機構の動作制御を行う動作制御手段10とを備え、撮像手段と測定対象物との距離と、撮像手段と測定対象物との水平方向における実際の相対的な移動距離である実移動距離と、実移動距離の相対移動により撮像手段による撮像画像内での測定対象物の位置変化量に基づく移動距離と、測定対象物の高さとの対応関係から、測定対象物の高さを求める高さ測定手段11を備えることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
そして、ヘッドの吸着ノズルにより電子部品を吸着する際に、その吸着位置は電子部品フィーダや電子部品トレー等、部品の供給形態等により異なるので、確実に電子部品を吸着するために、部品毎に吸着位置を予め測定、ティーチングする等の作業が行われていた。
かかる電子部品の位置取得の方法として、水平方向については、一般的にはヘッドに取り付けられたカメラの画像を用いて認識またはティーチングが行われている。また、高さ方向の位置検出には、ヘッドにレーザ等を用いた変位計を取り付けて測定されていた。
また、電子部品の吸着に限らず、基板に対する電子部品の実装を行う場合にも、基板高さを取得する必要があるため、吸着と同様に、基板の高さの測定もヘッドの変位計を用いて行われていた。
さらに、高さ変位計は、レーザ光を用いる構造のため、測定する面が光沢がある場合や鏡面の場合など、表面状態によっては測定できない場合がしばしばあった。
これにより、電子部品実装装置において、高さ変位計を不要とすることが可能となり、装置の部品点数を低減し、装置の製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、高さ変位計を用いないで撮像手段の撮像により測定対象物の高さを求めることができるので、測定する面の光沢や反射などの表面状態によらず、安定して高さ測定を行うことが可能となる。
発明の実施形態について、図1乃至図14に基づいて説明する。図1は、本実施形態たる電子部品実装装置100の斜視図である。以下、図示のように、水平面において互いに直交する二方向をそれぞれX軸方向とY軸方向とし、これらに直交する鉛直方向をZ軸方向というものとする。
電子部品実装装置100は、基板Sに各種の電子部品の搭載を行うものであって、図1に示すように、搭載される電子部品を供給位置に供給する複数の電子部品フィーダ101及び電子部品フィーダ101を複数並べて保持するフィーダバンク102からなる部品供給部と、X軸方向に基板を搬送する基板搬送手段103と、当該基板搬送手段103による基板搬送経路の途中に設けられた基板Sに対する電子部品搭載作業を行うための基板クランプ機構104と、吸着ノズル105を昇降可能に保持して電子部品Tの保持を行うヘッド106と、ヘッド106を部品供給部と基板クランプ機構104とを含んだ作業エリア内の任意の位置に駆動搬送する移動機構としてのX−Yガントリ107と、ヘッド106に搭載された第一のカメラ20と、上記各構成を搭載支持するベースフレーム114と、ベースフレーム114に固定装備された第二のカメラ30と、上記各構成の動作制御を行う動作制御手段10とを備えている。
基板搬送手段103は、図示しない搬送ベルトを備えており、その搬送ベルトにより基板をX軸方向に沿って搬送する。
また、前述したように、基板搬送手段103による基板搬送経路の途中には、電子部品を基板へ搭載する際の作業位置で基板を固定保持するための基板クランプ機構104が設けられている。かかる基板クランプ機構104が装備されており、基板搬送方向に直交する方向における両端部で基板Sをクランプするようになっている。また、基板クランプ機構104の下方には、クランプ時に基板Sの下面側に当接して電子部品搭載時に基板Sが下方に撓まぬように支承する複数の支持棒が設けられている。基板Sはこれらにより保持された状態で安定した電子部品の搭載作業が行われる。
フィーダバンク102は、ベースフレーム114のY軸方向一端部(図1手前側)にX軸方向に沿った状態で設けられている。フィーダバンク102は、X−Y平面に沿った平坦部を備え、当該平坦部の上面に複数の電子部品フィーダ101がX軸方向に沿って羅列して載置装備される(図1では電子部品フィーダ101を一つのみ図示しているが実際には複数の電子部品フィーダ101が並んで装備される)。
また、フィーダバンク102は、各電子部品フィーダ101を保持するための図示しないラッチ機構を備えており、必要に応じて、各電子部品フィーダ101を装着又は分離することを可能としている。
また、受け渡し部101aのZ軸方向における位置(高さ)は、動作制御手段10により行われる高さ測定制御により毎回の電子部品の吸着時に求められるようになっている。
X−Yガントリ107は、X軸方向にヘッド106の移動を案内するX軸ガイドレール107aと、このX軸ガイドレール107aと共にヘッド106をY軸方向に案内する二本のY軸ガイドレール107bと、X軸方向に沿ってヘッド106を移動させる駆動源であるX軸モータ109と、X軸ガイドレール107aを介してヘッド106をY軸方向に移動させる駆動源であるY軸モータ110とを備えている。そして、各モータ109、110の駆動により、ヘッド106を二本のY軸ガイドレール107bの間となる領域のほぼ全体に搬送することを可能としている。
なお、各モータ109、110は、それぞれの回転量が動作制御手段10に認識され、所望の回転量となるように制御されることにより、ヘッド106を介して吸着ノズル105の位置決めを行っている。
また、電子部品実装作業の必要上、前記した二つのフィーダバンク102,基板クランプ機構104とはいずれもX−Yガントリ107によるヘッド106の搬送可能領域内に配置されている。
図2は電子部品実装装置100の制御系を示すブロック図である。
ヘッド106は、その先端部で空気吸引により電子部品Tを保持する吸着ノズル105(図1参照)と、吸着ノズル105をZ軸方向に沿って昇降させるZ軸モータ111と、吸着ノズル105を回転させて保持された電子部品をZ軸方向回りに角度調節するためのθ軸モータ112とが設けられている。
上記各吸着ノズル105は、Z軸方向に沿った状態で昇降可能且つ回転可能にヘッド106に支持されており、昇降による電子部品の受け取り又は実装及び回転による電子部品の角度調節が可能となっている。
ヘッド106には、Z軸方向の下方に視線を向けた状態で撮像手段としての第一のカメラ20が搭載されている。また、ベースフレーム114には、Z軸方向の上方に視線を向けた状態で撮像手段としての第二のカメラ30が装備されている。これらのカメラ20,30はいずれもCCDカメラであり、その撮像画像データは動作制御手段10に出力される。
また、そのほかに、ヘッド106により、各電子部品フィーダ101の受け渡し部101a、基板Sの部品実装後の部品位置、クランプされた基板Sの上方に搬送され、受け渡し部101a内の電子部品、実装後の電子部品、クランプされた基板Sの上面の撮像を行い、それらの撮像データが各々の高さ測定に使用される。
また、上記用途のほかに、各端子の下端部の高さ測定を行うために、吸着ノズル105に吸着された電子部品の有する複数の端子の下端部の撮像を行う。
図2に示すように、動作制御手段10は、主に、X−Yガントリ107のX軸モータ109、Y軸モータ110、ヘッド106において吸着ノズル105の昇降を行うZ軸モータ111、吸着ノズル105の回転を行うθ軸モータ112、基板クランプ機構104のクランプアクチュエータ113について、動作制御プログラムに従って電子部品の実装動作制御を実行するCPU11と、動作制御プログラムが格納されたROM12と、各種のデータを格納することで各種の処理の作業領域となるRAM13と、CPU11と各種の機器との接続を図るI/F(インターフェース)14と、基板に実装する電子部品のリストや各電子部品の実装位置及び電子部品の受け取り位置等の実装の動作制御に要する実装データ等が格納される不揮発性の記憶装置17と、各種の設定や操作に要するデータの入力を行うための操作パネル15と、各種設定の内容や必要情報の提示等を行う表示モニタ18とを有している。また、前述した各モータ109〜112はいずれもエンコーダを備えるサーボモータであり、図示しないサーボドライバを介してI/F14と接続されている。
また、上記ROM12には、動作制御プログラムの他に、各種の高さ測定制御を実行するための第一〜四の高さ測定プログラムが格納されており、CPU11は、各高さ測定プログラムに従って所定の対象物に対する高さ測定制御を実行する。
CPU11が動作制御プログラムに従って行う電子部品の実装動作制御の概要について図3のフローチャートに基づいて説明する。
CPU11は、電子部品の実装作業時には、記憶装置17から実装データの読み込みを行い、当該実装データから、基板に対する実装対象となる各種の電子部品のリスト、各電子部品の受け取り位置及び実装位置の情報を取得する(ステップS1)。
そして、基板Sが搬送されると(ステップS2)、CPU11は、基板クランプ機構104のクランプアクチュエータ113を駆動させて基板Sを所定の保持位置でクランプする(ステップS3)。クランプ後は、ヘッド106を基板位置まで移送し、基板Sの上面の複数位置で第一のカメラ20により撮像を行い、各位置における基板の高さを測定する(ステップS4)。
さらに、ヘッド106の基板実装位置への位置決めの際に、第二のカメラ30の撮像により求めたノズル105に対する電子部品の位置ズレを考慮して補正を行う(ステップS12)。
そして、Z軸モータにより吸着ノズル105を下降させて電子部品の実装を行う(ステップS13)。
なお、上記ステップS5〜S13までの処理は実装対象の全ての電子部品について繰り返し行われる。
検査後は基板Sのクランプを解除し、装置外部に搬出して(ステップS15)実装動作制御を終了する。
上記電子部品の実装動作制御では、ステップS4,S6,S8,S10において、各カメラ20,30により、クランプされた基板Sの上面、電子部品フィーダ101の受け渡し部101a内にある吸着前の電子部品の上面、吸着された電子部品の各端子の下端部、基板実装後の電子部品の上面のそれぞれを電子部品実装装置内の測定対象物として撮像を行い、撮像画像データから高さ測定を行っている。
かかる高さ測定の原理を図4〜9に基づいて説明する。なお、以下の説明では、第一のカメラ20に基づいて説明を行うが、第二のカメラ30も同一の構造であり、原理は同じである。
測定対象物とレンズの距離Fが小さくなると、カメラ20で撮像できる視野は狭くなり、距離Fが大きくなるとカメラ20で撮像できる視野は広くなる。つまり、測定対象物までの距離によってカメラ20で撮像できる視野が変化すると言える。図5に基準面K上の高さhの直方体Dをカメラ20にて撮像する様子を図示する。
直方体Dの上面の右端部が視野の中心である光軸Cに接するように配置した状態(図5(B))での撮像画像を図5(D)に示し、その状態から直方体Dを4[mm]水平平行に移動させた状態(図5(C))の撮像画像を図5(E)に示す。なお、撮像画像は左右反転して図示してある。
上記カメラ20の光学系によれば、直方体Dの下面の端部については、その4[mm]の実移動距離(基準面K上の移動量)に対して、CCD撮像素子21の受光面における像の2[mm]の位置変化量として撮像される。つまり、受光面における像が2[mm]の位置変化を示した場合には、測定対象物が基準面Kの高さにある場合には、光学倍率で除することで4[mm]の移動が行われたものと認識することができる。
しかしながら、直方体Dの上面の端部は基準面Kよりも高さの分だけレンズ22に接近しているため、撮像される画像は図5(E)のように、直方体Dの上面は下面より大きく移動しているように見える。仮に、上面のCCD撮像素子21での位置変化量が3[mm]と測定された場合には、相似形の関係から、4[mm]:2[mm]=yy:3[mm]となるので、直方体Dの上面の端部が基準面Kの高さにあると仮定した場合の移動量yy=6[mm]となる。
なお、基準面Kとは、カメラ20のレンズ22からの距離Fが既知である面を示す。また、距離Fは、実画像に対して撮像画像が光学系の光学倍率となる距離、又は、カメラの光学系の焦点距離と一致する距離とすることが望ましい。
例えば、上述のように光学倍率1/2であれば、例えば基準面上で6[mm]の長さのものはCCDの撮像面では3[mm]で像が形成される。
動作制御手段10の高さ測定では、上述のように測定面(直方体Dの上面)とレンズ22の距離が基準面Kと異なる場合に、撮像画像による見かけの移動量が異なる原理を応用する。
次に、測定対象に対してカメラ20の位置を例えば右方向に3[mm]移動させた場合の正面図を図8に示し、その撮像画像を図9に示す。なお、ここではレンズ22から測定対象物が載置される水平な基準面Kまでの距離Fを30[mm]、測定対象物の高さを5[mm]と仮定する。
仮に、測定面Jの高さが基準面Kを基準として高さ0[mm]であれば、撮像画像では測定面の左端部の位置が3[mm]に相当する距離だけ左側の位置E1に位置するはずである。しかし、測定面Jは高さが基準面Kより高く、カメラ20と測定面Jの距離が小さくなっているので、映像ではE2の位置(30×3/25=3.6[mm])に測定面の左端部が撮像される。
なお、カメラ20により撮像画像において、測定面Jの高さ(レンズ22から測定面Jまでの光軸方向の距離)を測定するために、「映像的な特徴ある部分」を撮像画像内で見つけ出さなくてはならないので、画像処理で抽出が可能な「映像的な特徴ある部分」を選択する必要がある。例えば、上記測定面の端部であれば、各画素の輝度値の違いから抽出するエッジ検出等の手法で容易に求めることが可能である。
この時、レンズ22から基準面Kまでの距離をF、基準面Kから測定面Jまでの高さをH、測定対象に対するカメラ20の相対的な水平移動量(実移動距離)をA、画像の見かけの移動量(測定対象物の位置変化量に基づく移動距離)をBとすると、
H=F−(A×F)/B …(1)
の関係となる。
ここで、前述の仮定値を代入すると、H=30−(3×30)/3.6=5[mm]となる。従って、変換式を用いる場合には上式(1)により測定面の高さの算出を行うこととなる。
上記変換テーブルは、予め、Z軸方向の高さのわかっている面をX−Y平面に沿った距離移動した時の見せかけの移動量Bを複数の高さについて測定し、高さと見せかけの移動量との対応関係を変換テーブルとして記憶装置17に記憶する。
具体的には、それぞれ異なる高さであって各高さが既知である複数の治具マークをカメラ20の視野の範囲において撮像し、冶具マークの相対位置を所定の量(前述の水平移動量A)だけ移動させ(治具マークとカメラ20のいずれを移動させても良い)、相対移動の前後でカメラ20により治具マークを撮像し画像認識して治具マークの位置を検出し、相対位置の移動量(実移動距離)に対する画像認識で得られる画像内での位置変化量に基づいて算出される見せかけの移動量Bを求める。これにより、複数の治具における測定結果から、各治具マークの設置してある高さと見せかけの移動量Bに対する画像認識の誤差の関係を表す変換テーブルを作成し、記憶装置17に記憶する。
高さ測定時には、基準面Kに対するカメラ20の高さをFとし(図4及び図8の状態)、相対位置の移動量をテーブル作成時と同じ水平移動量Aとして移動前後の二カ所でカメラ20により測定面Jの撮像を行い、移動前後の画像内での位置変化量に基づく移動量を算出し、見せかけの移動量Bを算出する。そして、変換テーブルを参照することで誤差量に対応する高さを求めることができる。
このように、動作制御手段10のCPU11は、上記数式(1)又は変換テーブルを用いて測定面Jの高さを求めることにより、「高さ測定手段」として機能することとなる。
なお、高さ測定時において、移動前における測定面Jの位置は、光軸Cの近傍に位置することが望ましいが、移動の前後において視野の範囲内であれば光軸Cに位置合わせを行わなくとも、上記変換テーブルで高さを求めることは可能である。
即ち、高さ測定手段として機能するCPU11は、任意に定められた撮像手段としてのカメラ20から撮像における基準面Kまでの既知である距離Fと、カメラ20と測定対象物としての測定面Jとの実移動距離Aと、実移動距離Aの相対移動によりカメラ20による撮像画像内での測定対象物の位置変化量に基づく移動距離(見せかけの移動量B)と、基準面Kに対する測定対象物の高さHとの対応関係から、測定対象物の高さを求めても良い。
Fが既知且つ任意であることを説明するために、例えば、レンズ22からの距離がF+αである他の基準面K‘を任意に定めた場合(αを任意且つ既知の値とする)、基準面K’から測定面Jまでの高さをH‘とすると、測定対象に対するカメラ20の相対的な水平移動量(実移動距離)をA、画像の見かけの移動量(測定対象物の位置変化量に基づく移動距離)をB’とした場合に、前述した式(1)を適用すると、
H’=F+α−(A×(F+α))/B’ …(1)’
となる。見かけの移動量B’は基準面までの距離に比例するのでB’=B・(F+α)/Fとなる。つまり、H’=F+α−A×(F+α)・F/(B・(F+α))となり、さらに、H’=F+α−A・F/Bとなる。
そして、前述の仮定値を代入すると、
H’=30+α−3×30/3.6=5+α[mm]となる。つまり、任意に基準面K’を定めたとしてもカメラ20までの距離が既知であれば、当該基準面K’に対する測定面Jの距離を算出することができる。
図3におけるステップS4に示した基板Sの高さ測定処理について図10のフローチャートに基づいて説明する。かかる処理はCPU11が第一の高さ測定プログラムにより実行する処理である。
基板Sは基板クランプ機構104によりクランプされると、その上面の高さに変化を生じる場合があり、クランプ後に基板Sの上面高さの測定が行われる。
基板Sには、例えば、予め高さ測定を行う位置を示す位置決めマークが付されており、当該マークの位置を示すX−Y座標値が搭載データに定められている。
そして、基板Sのクランプ後にヘッド106を基板Sの位置決めマーク位置に移動し(ステップS21)、当該位置で第一のカメラ20により位置決めマークを撮像する(ステップS22)。なお、原理説明における「基準面K」はいずれの高さとなる面を選択しても良いが、カメラ20から基準面Kに対する高さFの値は予め設定して記憶装置17に記憶しておく必要がある。
同様にして複数の基板上面の高さを測定し、測定された高さ情報を部品の搭載制御、例えば、電子部品の基板実装時における吸着ノズルの高さ制御にフィードバックする。
図3におけるステップS6に示した電子部品の高さ測定処理について図11のフローチャートに基づいて説明する。かかる処理はCPU11が第二の高さ測定プログラムにより実行する処理である。
図12に電子部品フィーダ101の紙テープやエンボステープ等のリール上のパッケージにより供給される電子部品Dを上方からカメラ20で撮像した状態を示す。
電子部品Dの吸着不良を低減させるために、図12の電子部品Dの吸着すべき位置をティーチングしたり、撮像による画像認識により自動的に吸着位置を算出する方法が一般的に用いられている。既知の方法により予め部品の吸着すべき位置を求めておき、部品上方からカメラ20により吸着すべき部分(ここでは部品の上面)の画像を撮像する(ステップS41)。なお、原理説明における「基準面K」はいずれの高さとなる面を選択しても良いが、カメラ20から基準面Kに対する高さFの値は予め設定して記憶装置17に記憶しておく必要がある。
次に、カメラ20をX−Y平面に沿った所定の移動量(前述の水平移動量A)だけ移動させる(ステップS43)。なお、電子部品フィーダ101のテープ送りにより電子部品を所定の移動量だけ移動させても良い。これにより、カメラ20と電子部品Dの上面22とを相対的に所定の量Aだけ移動させる。
そして、見せかけの移動量Bが得られたら、基準面Kから測定面Jまでの高さHと実移動距離Aと見せかけの移動量Bとの関係式(1)により基準面Kに対する高さHを算出する。また予め、変換テーブルを用意している場合には、当該テーブルを参照して高さHを特定する(ステップS46)。これにより、ヘッド106から吸着ノズル105により電子部品の吸着を行うための下降量が求められる。
また、カメラ20から基準面Kまでの距離Fをカメラ20の光学系の焦点距離に一致させている場合、所定の移動の前後となるカメラ20の視野内における電子部品Dの各位置は、いずれも光軸位置からずれた位置であっても良いが、視野の外側ほど誤差が大きくなるので、測定した高さ情報から吸着位置にさらに補正をかけることも可能である。なお、かかる補正は、ステップS4,S8,S10の高さ測定にも適用しても良い。
また、テンプレートとして記憶する領域をオペレータが指定することで、高さを測定する面を限定し、オペレータの意図した面の高さを測定することもできる。また、かかる領域指定は、ステップS4,S8,S10の高さ測定時にも行っても良い。
図3におけるステップS10に示した吸着された電子部品の各端子のコプラナリティ検査処理について図13のフローチャートに基づいて説明する。かかる処理はCPU11が第三の高さ測定プログラムにより実行する処理である。
かかる電子部品のコプラナリティ検査処理では、吸着ノズル105に吸着された電子部品に対して第二のカメラ30により鉛直下方から撮像を行う。従って、変換テーブルを利用して各端子の高さを検出する場合には、ヘッド105側に治具を装着して変換テーブルを作成する必要があるが、その他の点については第一のカメラ20を利用する場合と同様の原理により高さ測定が行われる。
即ち、電子部品が吸着されると、実装前に第二のカメラ30の撮像位置にヘッド106を移動し(ステップS61)、当該位置で第二のカメラ30により電子部品下部全体を撮像する(ステップS62)。なお、この場合、吸着ノズル105が予め定められた基準面Kに対して前述した既知である高さFとなるようにZ軸モータ111が制御される。基準面Kは水平且つ再現性があれば電子部品実装装置100のいずれの面を利用しても良いし、高さFについても一定であれば良いが、高さFについては予め設定して記憶装置17に記憶しておく必要がある。
そして、電子部品の各端子の下端面の高さのバラツキを求め、当該バラツキが予め定められた閾値の範囲内か否かを判定し(ステップS68)、閾値以内であれば、コプラナリティ検査をパスし、閾値を超える場合には当該電子部品は不良であるとしてエラー処理に移行する。
図3におけるステップS14に示した電子部品の基板実装後の電子部品の高さ測定処理について図14のフローチャートに基づいて説明する。かかる処理はCPU11が第四の高さ測定プログラムにより実行する処理である。
かかる電子部品の実装後高さ測定は、予め実装動作前に実行することが設定された電子部品についてフラグを立て、全電子部品の実装後に、フラグが立てられた電子部品のみについて実行される。
即ち、対象となる電子部品の実装位置にヘッド106が移動し(ステップS81)、当該電子部品を第一のカメラ20で上方から撮像する(ステップS82)。なお、原理説明における「基準面K」はいずれの高さとなる面を選択しても良いが、カメラ20から基準面Kに対する高さFの値は予め設定して記憶装置17に記憶しておく必要がある。
そして、当該電子部品の高さが適正高さの範囲内か否かを判定し(ステップS88)、範囲内であれば、適正高さ検査をパスし、適正範囲外の場合には当該電子部品の実装が不良であるとしてエラー処理に移行する。
以上のように、電子部品実装装置100では、カメラ20又は30と高さ測定の対象となる電子部品又は基板とを水平方向に相対移動させて得られる見せかけの移動量Bと実移動距離Aと基準面Kに対するカメラ20,30の高さFと測定対象物の基準面に対する高さHとが一定の関係が成立することに着目し、数式(1)又は変換テーブルに従って測定対象物の高さを計測している。
これにより、電子部品実装装置100において、高さ変位計を不要とすることが可能となり、装置の部品点数を低減し、装置の製造コストの低減を図ることが可能となる。さらに、高さ変位計を用いないで各カメラ20,30の撮像により測定対象物の高さを求めることができるので、測定する面の光沢や反射などの表面状態によらず、安定して高さ測定を行うことが可能となる。
また、測定対象物として基板に実装後の電子部品の高さを求めることにより、電子部品の搭載不良を発見することができるので、これにより、不良基板を除いたり、或いは搭載のリトライを行うことができ、信頼性の高い電子部品実装を行うことが可能となる。
さらに、測定対象物としてクランプ位置でクランプされた基板Sの上面の高さを求めることにより、ヘッド106の吸着ノズル105が電子部品を搭載する際に正確な基板高さを取得することができるので、安定した電子部品の搭載を行うことが可能となる。
またさらに、測定対象物としてヘッド106の吸着ノズル105に吸着保持された電子部品の複数の端子の高さを求めることにより、電子部品のコプラナリティ検査を行うことが可能となる。
11 CPU(高さ測定手段)
20 第一のカメラ(撮像手段)
30 第二のカメラ(撮像手段)
100 電子部品実装装置
101 電子部品フィーダ(部品供給部)
102 フィーダバンク(部品供給部)
104 基板クランプ機構
105 吸着ノズル
106 ヘッド
107 X−Yガントリ(移動機構)
A 実移動距離
B 見かけの移動量(測定対象物の位置変化量に基づく移動距離)
D 電子部品
F カメラのレンズから基準面までの距離
H 基準面から測定面までの高さ
J 測定面
K 基準面
S 基板
Claims (5)
- 鉛直方向に向けて撮像を行う撮像手段と、
吸着ノズルにより供給位置に供給され基板に塔載する電子部品を保持するヘッドと、
前記ヘッドを水平方向に沿って移動させる移動機構と、
前記撮像手段と前記移動機構の動作制御を行う動作制御手段とを備える電子部品実装装置において、
前記撮像手段と電子部品実装装置内の測定対象物の基準面との距離と、前記撮像手段と前記測定対象物との水平方向における実際の相対的な移動距離である実移動距離と、前記実移動距離の相対移動により前記撮像手段による撮像画像内での前記測定対象物の位置変化量に基づく移動距離と、前記測定対象物の高さとの対応関係から、前記測定対象物の高さを求める高さ測定手段を備えることを特徴とする電子部品実装装置。 - 前記撮像手段は鉛直下方に撮像方向を向けて前記ヘッドに保持されており、
前記高さ測定手段は、前記ヘッドに対する供給位置にある電子部品を前記測定対象物として前記撮像手段により撮像し、当該電子部品の高さを求めることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。 - 前記撮像手段は鉛直下方に撮像方向を向けて前記ヘッドに保持されており、
前記高さ測定手段は、基板に搭載後の電子部品を前記測定対象物として前記撮像手段により撮像し、当該電子部品の高さを求めることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。 - 前記撮像手段は鉛直下方に撮像方向を向けて前記ヘッドに保持されており、
前記高さ測定手段は、クランプ位置でクランプされた基板の上面を前記測定対象物として前記撮像手段により撮像し、当該基板上面の高さを求めることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。 - 前記撮像手段は鉛直上方に撮像方向を向けて装置の支持フレームに保持されており、
前記高さ測定手段は、前記ヘッドに保持された電子部品の複数の端子を前記測定対象物として前記撮像手段により撮像し、前記各端子先端部の高さを求めることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
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