JP4331054B2 - 吸着状態検査装置、表面実装機、及び、部品試験装置 - Google Patents

吸着状態検査装置、表面実装機、及び、部品試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、ICチップ等の電子部品をプリント基板等に搭載するための表面実装機やこの電子部品を検査する部品試験装置に備えられ、吸着ノズル等を備えた吸着部材により上記電子部品を吸着し、この電子部品を所定位置から目的位置に移動させる際に上記電子部品を撮像して吸着状態を判定する吸着状態検査装置に関する。
従来から、ICチップ等の電子部品を所定位置からピックアップしてこの電子部品をプリント基板上に搭載させる表面実装機や、このピックアップした電子部品を検査用電気回路に接触させて電子部品を検査する部品試験装置のような部品搬送装置としては、主に下記のものが知られている。
この部品搬送装置は、上記電子部品を吸着して上記電子部品をピックアップする吸着部材と、この吸着部材を複数有するヘッドユニットとを備え、このヘッドユニットを移動させることにより上記所定位置から上記プリント基板が配置されている箇所又は上記検査用電気回路が配置されている箇所に上記電子部品を搬送する。
このような装置を用いる場合、上記吸着部材で電子部品を吸着する際に位置ずれや吸着ミスが生じる場合があり、上記電子部品を正常な状態で搬送するためには、位置ずれや吸着ミスが生じていないかを検査する必要がある。
そこで、このような検査を行う吸着状態検査装置としては、上記吸着部材及び上記電子部品を横から照射する光源と、この光源からの光を受光することにより上記吸着部材及び上記電子部品の側方からの像を撮像する撮像手段とを備えたものが存在する(例えば、特許文献1)。
かかる検査装置では、まず、上記電子部品が吸着されていない状態での吸着部材を上記撮像手段で撮像し、吸着部材の下端部の高さを認識する。次に、吸着部材の下端部に電子部品を吸着し、この状態を上記撮像手段で撮像し、先に認識した吸着部材の下端部の高さを基準としての電子部品の下端部がいかなる高さ分だけ下方に存在するかをCPU等の演算手段で演算することによって認識し、それに基づいて上記吸着部材が正常に吸着されているか否かを判定する。
また、上記電子部品の吸着位置の位置ずれを調べてそれに応じた部品装着位置の補正等を行うため、例えば特許文献2に記載されているような、吸着部材及び電子部品を下から撮像する撮像手段を設け、この撮像手段で得られた画像を用いて吸着部材における電子部品の吸着状態を検査するものが知られている。この装置は、まず電子部品の下端部と撮像手段との距離を適切な位置に調節してピントを合わせ、次にこの撮像手段を用いて電子部品を撮像し、さらにこの撮像した画像を用いて電子部品の位置ずれを検出することにより、電子部品の吸着状態を検査する。
特開平6−45790号公報 特許第2801331号公報
上記吸着部材が正常に吸着されているか否かの判定、及び、上記吸着部材の吸着位置の位置ずれを検出するためには、上述した二つの装置を併用するのが好ましい。しかしながら、上述の装置を併用する場合、電子部品の位置ずれの検出のため、下からの撮像を正常に行うためには電子部品の下端部と撮像手段との距離を適切な位置にしてピントを合わせる必要があり、このピントを合わせるため、電子部品の形状(例えば厚み)に応じて吸着部材を上下方向に移動させる必要がある。
このように吸着部材を上下方向に移動させると、それに伴って吸着部材の下端部の高さが変動することになるが、特に吸着部材の下端部に電子部品が吸着されている場合、上記側方からの像を撮像する撮像手段では吸着部材の下端部の高さを認識することができない場合も考えられる。
そして、この下端部の高さが認識できない場合、吸着部材の下端部の高さと電子部品の下端部の高さの高さとの差を正確に測定することができず、電子部品の吸着状態を正確に検査できないといった事態が生ずるおそれがある。
そこで本発明は、かかる課題を解決し、吸着部材における電子部品の吸着状態をより正確に検査することを可能にした吸着状態検査装置、及び、吸着状態検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、電子部品を吸着する吸着部材を上下位置調節可能に設けた部品搬送手段と、上記吸着部材及びこれに吸着された上記電子部品を側方から撮像して側面画像を得る第1撮像手段と、上記吸着部材に吸着された上記電子部品を電子部品吸着面と垂直あるいは略垂直方向に離間した位置から撮像して底面画像を得る第2撮像手段とを備え、上記第1撮像手段及び上記第2撮像手段で撮像した画像を用いて吸着状態を検査する吸着状態検査装置であって、上記吸着部材の下端部に対して所定の位置関係にある部位に、側方から撮像した画像で認識可能な特徴部分を設けるとともに、上記第1撮像手段による撮像により得られる画像から検出される電子部品の下端部の高さ位置と、上記特徴部分を撮像した画像から検出される上記特徴部分の高さ位置と、上記吸着部材の下端部に対する上記特徴部分の位置関係とに基づいて、上記吸着部材の下端部から上記電子部品の下端部までの距離を演算し、この演算結果に基づいて上記電子部品の吸着状態を検査する演算手段を設けたことを特徴とするものである。
この構成によれば、上記吸着部材の下端部から上記電子部品の下端部までの距離の演算は、上記電子部品の下端部の高さ位置と、上記特徴部分を撮像した画像から検出される上記特徴部分の高さ位置と、上記吸着部材の下端部に対する上記特徴部分の位置関係とに基づいて行われる。
すなわち、上記吸着部材の下端部から上記電子部品の下端部までの距離の演算は、側方から撮像した画像で認識可能な特徴部分を基準にして行うことができるため、上記吸着部材が上下方向に移動した場合においても上記演算を正確に行うことが可能となる。したがって、上記電子部品の吸着状態をより正確に検査することが可能となる。
また本発明の吸着状態検査装置において、上記吸着部材は、異なった形状を有する複数種類のものを備え、上記特徴部分は、上記吸着部材の種類に関わらず同一形状であるのがより好ましい。
この構成によれば、上記電子部品の形状に応じて適切な状態で吸着すべく上記吸着部材を複数種類備えた場合であっても、上記特徴部分を認識するためのデータを共通化することができ、このデータの記憶部分の負担を減らすことが可能となる。
また本発明の吸着状態検査装置において、上記第1撮像手段及び第2撮像手段での撮像を略同時に行うことがより好ましい。
この構成によれば、撮像するのにかかる時間を短縮することができ、より効率よく上記検査を行うことができる。
なお、本発明の吸着状態検査装置において、上記第1撮像手段により上記吸着部材及びこれに吸着された電子部品を撮像するときの上記第1撮像手段の視野外となる位置に上記特徴部分を設け、この特徴部分を側方から撮像する第3撮像手段を備えたものにしてもよい。
もっとも、上記第1撮像手段により上記吸着部材及びこれに吸着された電子部品を撮像するときの上記第1撮像手段の視野内となる位置に上記特徴部分を設けた方が、装置の構成を簡素化し、コストダウンを図る上ではより好ましい。
また本発明は、上記吸着状態検査装置と、上記電子部品を供給する部品供給部と、上記電子部品を搭載するプリント基板を供給するプリント基板供給手段とを備え、上記吸着状態検査装置に備えられた上記部品搬送手段により、上記部品供給部から上記プリント基板供給手段によって上記プリント基板が配置される基板配置位置に向けて上記電子部品を搬送し、この電子部品を上記プリント基板上に実装することを可能にすることを特徴とする表面実装機である。
さらに本発明は、上記吸着状態検査装置と、上記電子部品を供給する部品供給部と、上記電子部品を検査する検査用電気回路とを備え、上記吸着状態検査装置に備えられた上記部品搬送手段により、上記部品供給部から上記検査用電気回路が配置されている位置に向けて上記電子部品を搬送し、この電子部品を上記検査用電子回路で検査することを可能にすることを特徴とする部品検査装置である。
本発明の吸着状態検査装置によれば、上記吸着部材の下端部から上記電子部品の下端部までの距離の演算は、側方から撮像した画像で認識可能な特徴部分を基準にして行うことができるため、上記吸着部材が上下方向に移動した場合においても、上記演算を正確に行うことが可能となる。したがって、上記吸着部品における電子部品の吸着状態をより正確に検査することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る吸着状態検査装置を搭載した表面実装機の部分平面図である。また図2(a)は同部分側面図である。当実施形態の表面実装機は、主に各部機構の作動によってプリント基板Pに電子部品C(IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品:(図3(b)参照))を実装する本体機構部100と、その作動を制御するコントローラ200(図4参照)とからなる。本体機構部100は、基台110等からなる実装機本体と、この実装機本体に対して移動可能なヘッドユニット120(部品搬送手段)とを有している。上記基台110上には、プリント基板搬送用のコンベア111(プリント基板供給手段)が配置され、プリント基板Pがこのコンベア111上を搬送されて所定の装着作業位置で停止されるようになっている。
上記コンベア111の両側には、部品供給部112が配置されている。これらの部品供給部112には、多数列のテープフィーダー112aが設けられている。各テープフィーダー112aは、各々、電子部品Cを所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されており、ヘッドユニット120により電子部品Cが間欠的に取り出されるようになっている。
基台110の上方には、部品装着用のヘッドユニット120が装備されている。このヘッドユニット120は、部品供給部112とプリント基板Pが配置される基板配置位置とにわたって移動可能とされ、X軸方向及びY軸方向に移動することができるようになっている。
すなわち、基台110上には、Y軸方向の固定レール113と、Y軸サーボモータ114により回転駆動されるボールねじ軸115とが配設され、上記固定レール113上にヘッドユニット支持部材116が配置されて、この支持部材116に設けられたナット部分116aが上記ボールねじ軸115に螺合している。
また、上記支持部材116には、X軸方向のガイド部材117と、X軸サーボモータ118により駆動されるボールねじ軸119とが配設され、上記ガイド部材117にヘッドユニット120が移動可能に保持され、このヘッドユニット120に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸119に螺合している。そして、Y軸サーボモータ114の作動により上記支持部材116がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ118の作動によりヘッドユニット120が支持部材116に対してX軸方向に移動するようになっている。
すなわち、ヘッドユニット120は、Y軸サーボモータ114、ボールねじ軸115、ヘッドユニット支持部材116、X軸サーボモータ118、ボールねじ軸119により移動可能となっている。
ヘッドユニット120には、先端に吸着ノズル122(吸着部材)を備えた1又は複数の実装用ヘッド121が設けられ、図示の例では6個の実装用ヘッド121が設けられている。
これらの実装用ヘッド121の各吸着ノズル122には、その下端部から所定の高さ分上方に位置する箇所に特徴部分1220が形成されている(図3(a)参照)。この特徴部分1220は、水平方向に突出する形状に形成されたものであり、かかる特徴部分が形成された箇所が、各々の吸着ノズル122の下端から所定の高さであることを一目で認識することができる目印となっている。
なお、この特徴部分1220は、上記のような目印の機能を有することができるものであれば、上記のように必ずしも吸着ノズル122から突出した形状にする必要はない。例えば、凹む形状に形成してもよい。
また、ヘッドユニット120には、Z軸サーボモータ123と、このZ軸サーボモータ123より回転駆動されるZ軸ボールねじ軸124とが、各実装用ヘッド121に対して各々設けられている。
そして、各実装用ヘッド121に相対回転可能な状態で取り付けられているナット部材125が、各々Z軸ボールねじ軸124に螺合し、このボールねじ軸124がZ軸サーボモータ123により回転駆動することにより実装用ヘッド121が上下方向に移動するようになっている。
さらに、各実装用ヘッド121に対してそれぞれ、実装用ヘッド121を軸回り(R軸回り)に回転させる回転機構127が配置され、これらの回転機構127は、R軸サーボモータ128(図4参照)にそれぞれ接続されている。そして、上記R軸サーボモータ128を駆動することにより、各実装用ヘッド121がR軸回りに回転するようになっている。
上記ヘッドユニット120の下端部には支持部材129が設けられ、この支持部材129の先端には、各吸着ノズル122を側方(水平方向)から照射する側面撮像用照明130が各々配置されている。
ヘッドユニット支持部材116の所定箇所にはカメラ支持部141が延設され、このカメラ支持部141の下端には、側面撮像用カメラ142(第1撮像手段)が取り付けられている。なお、側面撮像用照明130と、側面撮像用カメラ142とは、吸着ノズル122を挟んで対向する状態で配置されている。
この側面撮像用カメラ142は、吸着ノズル122を側方から撮像するものであって、特徴部分1220を含む吸着ノズル122の下端部周辺の側方からの透過画像を得ることが可能となっている。なお、側面撮像用カメラ142の近傍に側面撮像用照明130を配置し、吸着ノズル122の下端部周辺側方の反射画像を得るようにする場合は、特徴部分1220は、吸着ノズルの側方表面に付した刻印、あるいはペイント等であってもよい。
また、基台110上には、吸着ノズル122を下方から撮像するための底面撮像用カメラ151(第2撮像手段)及び底面撮像用照明152が配置され、これらの部品を使用することにより、吸着ノズル122の下端部周辺の下方からの画像を得ることが可能となっている。なお、吸着ノズル122がタレット式ヘッドに搭載されている場合において、吸着ノズルを倒立あるいは横方向に位置させた状態で撮像する場合には、底面撮像用カメラ151は上方からあるいは横方向から撮像する。すなわち、電子部品吸着面と垂直あるいは略垂直方向に吸着ノズル122から離間する方向(電子部品底面に対向する方向)から撮像するようになっていればよい。
次に、本実施形態における制御系統について図4を用いて説明する。
コントローラ200は、本体機構部100の内部の適所に設けられ、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されている。コントローラ200は、機能構成としては、軸制御手段201と、撮像装置制御手段202と、画像メモリ203と、搭載情報記憶手段204と、マシン情報記憶手段205と、演算手段206とを備えている。なお、演算手段206には、各種情報を表示するための表示装置171が接続されている。
なお、このコントローラ200、ヘッドユニット120、側面撮像用カメラ142、底面撮像用カメラ151、及び、底面撮像用照明152を含む構成が、本実施形態における吸着状態検査装置として機能する。
軸制御手段201は、上記表面実装機に設けられているY軸サーボモータ114、X軸サーボモータ118、Z軸サーボモータ123(第1ヘッドZ軸サーボモータ〜第6ヘッドZ軸サーボモータ)、及び、R軸サーボモータ128(第1ヘッドR軸サーボモータ〜第6ヘッドR軸サーボモータ)の駆動を制御するものである。
撮像装置制御手段202は、側面撮像用カメラ142、底面撮像用カメラ151、側面撮像用照明130、及び、底面撮像用照明152の動作を制御するものである。
画像メモリ203は、側面撮像用カメラ142及び底面撮像用カメラ151での撮像により得られた画像データを格納するものである。
搭載情報記憶手段204は、プリント基板P上に実装する電子部品Cに関する情報を記憶するものであって、例えば、電子部品Cの厚み、幅、高さ等の形状に関するデータや、どのような種類の電子部品Cをどの箇所に実装するか等の情報が格納されている。また、これらの電子部品Cが正常な状態で吸着ノズル122に吸着された状態における底面からの画像を示すデータについても格納されている。さらに、正常な状態で電子部品Cが吸着されているか否かを判定する規定値についても格納されている。
マシン情報記憶手段205は、例えば、本実施形態の表面実装機に関する情報が記憶されているものであって、例えば、特徴部分1220の形状や、各吸着ノズル122の下端部から特徴部分1220までの長さL10(図3(b)〜(d)参照)等に関するデータが格納されている。
演算手段206は、CPU等のような演算機能を有するものである。この演算手段206では、画像メモリ203に格納された画像データ、搭載情報記憶手段204並びにマシン情報記憶手段205に格納されたデータ、及び、軸制御手段201からの制御データ等を使用して演算処理を行い、この演算結果に基づいてこの装置の各要素を制御する。
特に、電子部品Cの吸着状態を検査する場合においては、画像メモリ203に格納された側面撮像用カメラ142で撮像された画像から電子部品Cの下端部及び特徴部分1220の高さ位置を検出して特徴部分1220と電子部品Cの下端部との距離L11(図3(b)参照)を算出し、この距離L11と、マシン情報記憶手段205に格納されている吸着ノズル122の下端部から特徴部分1220までの長さL10とに基づいて、吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離L12を算出し、この結果と、搭載情報記憶手段204に格納されている電子部品Cの厚みとを照合させることにより、上記電子部品の吸着状態を検査することが可能となっている。
次に、図5に基づいて、この装置の動作に関する手順について説明する。
まず、ヘッドユニット120を部品供給部112上に配置し、動作の対象とする吸着ノズル122を選定するためのカウンタN1に初期値として1を設定する(ステップS1)。
次に、動作対象となるZ軸サーボモータ123(初期値においては第1ヘッドZ軸サーボモータ)を作動させて吸着ノズル122を下降させ、電子部品Cを吸着する(ステップS2)。
さらに、Z軸サーボモータ123を作動させ、吸着ノズル122の下端部に吸着された電子部品Cに応じてその下面が底面撮像用カメラ151のピントが合う位置となるように吸着ノズル122を上昇させる(ステップS3)。
ソフト上吸着動作を行なう対象となる全ての吸着ノズル122に電子部品Cが吸着されていない場合には(ステップS4でNO)、カウンタN1に1を加算して(ステップS5)、ステップS2へと戻る。すなわち、次の動作対象となる吸着ノズル122(例えば、カウンタN1が2である場合は、第2吸着ノズル122b)における電子部品Cの吸着動作を行う。この作業は、対象となる全ての吸着ノズル122に電子部品Cが吸着されるまで行う。
全ての吸着ノズル122に電子部品Cが吸着されると(ステップS4でYES)、撮像対象とする吸着ノズル122を選定するためのカウンタN2に初期値として1を設定する(ステップS6)。さらに、Y軸サーボモータ114及びX軸サーボモータ118を作動させ、底面撮像用カメラ151の上方へヘッドユニットを移動させる(ステップS7)。
次に、ステップS8において、底面撮像用カメラ151及び底面撮像用照明152を作動させ、電子部品C又は吸着ノズル122の先端部分の底面からの画像を撮像する。そして、この撮像した画像を画像メモリ203に格納する。
そして、演算手段206において、この撮像された画像と、搭載情報記憶手段204に格納されている電子部品Cが正常な状態で吸着された状態を示す底面からの画像とを照合し、補正量を算出する(ステップS9)。この補正量がマシン情報記憶手段205に予め格納されている規定値の範囲外である場合や、電子部品Cそのものが吸着されていない場合、すなわち認識状態が良好でない場合には(ステップS10でNO)、表示装置171にエラー表示を行ってオペレータによる復帰処置を待つ等のエラー処理を行い(ステップS11)、それから後述のステップS14に進む。
この補正量が上記規定値の範囲内である場合、すなわち認識状態が良好である場合には、ステップS12において側面撮像用照明130(カウンダN2が1のときは第1側面撮像用照明130a)及び側面撮像用カメラ142を作動させ、電子部品C又はN2番目の吸着ノズル先端部分の側面からの画像を撮像し、この撮像した画像を画像メモリ203に格納する。
さらに、この側方からの画像を用いて、演算手段206で部品の厚み計算を行う(ステップS13)。なお、この部品の厚み計算に関する手順の詳細は後述のサブルーチンで説明する。
そして、全ての吸着ノズル122の検査が終了していない場合(ステップS14でNO)、カウンタN2に1を加算し(ステップS15)、ステップS7へ戻る。
全ての吸着ノズルの検査が終了した場合(ステップS14でYES)、電子部品Cを実装すべくヘッドユニット120の移動を開始し(ステップS16)、プリント基板P上に電子部品Cを実装する(ステップS17)。
次に、図6を用いて、部品の厚み計算に関するサブルーチンについて説明する。
まず、マシン情報記憶手段205から吸着ノズル122の下端部から特徴部分1220までの長さL10に関する情報を読み出す(ステップS31)。
次に、画像メモリ203に格納された側方から撮像された画像を用いて特徴部分1220の高さ位置を検出する(ステップS32)。この検出ができなかったとき(ステップS33でNO)は、表示装置171にエラー表示を行ってオペレータによる復帰処置を待つ等のエラー処理を行い(ステップS34)、このサブルーチンを終了する。
この検出に成功したとき(ステップS33でYES)は、電子部品Cの下端部の高さ位置を検出する。図3(d)に図示した状態のように電子部品Cの下端部が検出できない場合においては(ステップS36でNO)、表示装置171でエラー表示を行って(ステップS34)このサブルーチンを終了する。下端部が検出できたときには(ステップS36でYES)、電子部品の形状のチェックを行ない(ステップS37)、この形状の判定を行い(ステップS38)、下端面が傾いている場合には吸着不良が生じているとしてステップS34に進み、下端面が吸着ノズルの下端部すなわち吸着面とほぼ平行の場合に、ステップS39へと進行し、電子部品Cの厚み計算を行う。
ステップS39においては、まず、既に検出された特徴部分1220の高さ位置及び電子部品Cの下端部の高さ位置を用い、特徴部分1220と電子部品Cの下端部との距離L11(図3(b)参照)を算出する。
次に、この距離L11と、マシン情報記憶手段205に格納されている吸着ノズル122の下端部から特徴部分1220までの長さL10とに基づいて、吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離L12を算出する。
そして、この距離L12と搭載情報記憶手段204に格納されている電子部品Cの厚みとを照合させ、例えば図3(c)に図示した状態のように、この距離L12が規定値の範囲外、すなわち電子部品Cの厚みにおける寸法公差の範囲を超えている場合、表示装置171でエラー表示を行った(ステップS34)後にこのサブルーチンを終了し、規定値の範囲内であれば、そのままこのサブルーチンを終了する。
また、図7は側面撮像用カメラのスケールおよび実装用ヘッドの高さの調整処理を示すフローチャートであり、この調整処理は、上記の部品の厚み計算等に必要なデータを予め調べて記憶しておくために、工場出荷時やメインテナンス時等に行われる。なお、このフローチャートでは、各実装用ヘッドにそれぞれ複数種類のノズルから選択されるノズルが交換可能に取付けられる場合を想定し、複数のヘッドとその各ヘッドに選択的に取付けられる複数種類ずつのノズルについてそれぞれ調整処理を行うようにしている。
調整処理においては、特定の実装用ヘッド121とそのヘッドに選択的に取付けられる複数種類の吸着ノズル122のうちの特定のノズルとを予め基準ヘッド、基準ノズルとしておき、先ず調査対象を基準ヘッド、基準ノズルとする(ステップS51)。続いて、ノズルに何も付いていないことの確認を調整者に要求し(ステップS52)、付いていないことの確認を示す入力があったか否かを判定し(ステップS53)、その判定がNOであれば調整者による復帰措置を要求する(ステップS54)。
ノズルに何も付いていないことが確認されたとき(ステップS3の判定がYESのとき)は、ヘッド121を初期高さの状態とし、この状態で側面撮像用カメラ142による撮像に基づいてノズル122の下端と特徴部分1220とを検出する(ステップS55)。
そして、既にスケールが算出済みか否かを判定し(ステップS56)、算出済みであれば後記ステップS59に進むが、算出済みでなければ、ヘッド121を特定量上下移動してから再びノズル122の下端と特徴部分1220とを検出する(ステップS57)。そして、ヘッド121の移動量と、ステップS55とステップS57でそれぞれ検出したノズル122の下端および特徴部分1220の差に基づき、スケールを算出し、マシン情報の記憶部に記憶させ(ステップS58)、それからステップS59に進む。
ステップS59では、現在の調査対象が基準ヘッド、基準ノズルか否かを判定する。そして、基準ヘッド、基準ノズルであれば後記ステップS61に進むが、そうでない場合、基準ヘッド、基準ノズルの初期高さ時の下端位置と同じとなるように該当ヘッド、ノズルの修正した初期高さを計算し、これをマシン情報の記憶部に記憶させ(ステップS60)、それからステップS61に進む。
ステップS61では、該当ヘッドに選択的に取付けられる可能性のある全ノズル種類について調整処理が終了したか否かを判定し、終了していなければ次のノズルに交換した上で(ステップS62)、ステップS52に戻ってそれ以下の処理を繰り返す。
該当ヘッドに対する全ノズル種類について調整処理が終了すると、部品下端エッジの形状のチェック(ステップS63)を行ってから、全ヘッドについて調整処理が終了したか否かを判定し(ステップS64)、終了していなければ調整対象を次のヘッドに変更した上で(ステップS65)、ステップS52に戻ってそれ以下の処理を繰り返す。
全ヘッドについて調整処理が終了すれば、このフローチャートの処理を完了する。
本実施形態の構成によれば、吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離L12の算出は、電子部品Cの下端部の高さ位置と、上記特徴部分1220の高さ位置と、上記吸着ノズル122の下端部から特徴部分1220までの距離L10に基づいて行われる。
すなわち、吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離L12の算出は、側方から撮像した画像で認識可能な特徴部分1220を基準にして行うことができるため、吸着ノズル122が上下方向に移動した場合においても吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離L12を正確に算出することが可能となる。したがって、電子部品Cの吸着状態をより正確に検査することが可能となる。
また、側面撮像用カメラ142で、特徴部分1220を含む吸着ノズルの下端部周辺の側方からの画像を得ることが可能となっている。すなわち、特徴部分1220と吸着ノズル122の下端部は、共に、同じカメラで撮像することが可能となっているため、装置の構成を簡素化することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、これら以外にも特許請求の範囲内で適宜変形して良い。これらの変形例としては、主に下記のものが挙げられる。
第2実施形態(図8参照)
本実施形態は、第1実施形態と異なり、吸着ノズル122の撮像と特徴部分1220との撮像は別々のカメラで行われるものである。
まず、特徴部分1220は、吸着ノズル122の上部、すなわち側面撮像用カメラ142の視野外に配置されている。
そして、特徴部分1220を撮像する手段として、特徴部分撮像用カメラ161(第3撮像手段)及び、特徴部分撮像用照明162がヘッドユニット120の上部に配置されている。この特徴部分撮像用カメラ161及び162の動作は、図9のブロック図に示すとおり、撮像装置制御手段202によって制御される。
また、吸着状態を調べるための動作においては、ステップS12の処理(図5参照)と相前後して、特徴部分撮像用カメラ161及び特徴部分撮像用照明162を作動させて特徴部分1220を撮像する動作も加わる。そして、特徴部分撮像用照明162による撮像に基づき、特徴部分の基準高さ位置(吸着ノズル122を所定基準高さまで上昇させたときの特徴部分1220の高さ位置)からの変位量が調べられ、この変位量に基づいて吸着ノズル122の下端の位置が求められ、これと、側面撮像用カメラ142による画像に基づいて求められた電子部品の下端部の高さ位置とにより、吸着ノズル122の下端部から電子部品Cの下端部までの距離が正確に算出される。
なお、特徴部分撮像用カメラ161及び特徴部分撮像用照明162による特徴部分1220の撮像と、側面撮像用カメラ142及び側面撮像用照明130による吸着ノズル122の撮像とは、ほぼ同一のタイミングで行われる。
また、工場出荷時やメインテナンス時等に行われるスケールおよび実装用ヘッドの高さの調整処理においては、図7中のステップS55およびステップS57,S58の処理が、側面撮像用カメラ142と特徴部分撮像用カメラ161の両方について行なわれる。
その他実施形態
(1) 本発明の表面実装機において、上記吸着ノズル122は、複数種類の形状を有し、かつ、実装用ヘッド121の本体部分に対して着脱可能とされ、電子部品Cの形状に応じてこの吸着ノズル122を適宜取り替えられる構成となっていることが、電子部品Cの吸着状態を向上させることができる点で好ましい。かかる構成を採った場合、特徴部分1220は、吸着ノズル122の形状にかかわらず同一形状とすることが、マシン情報記憶手段205に格納すべき特徴部分1220の形状の種類を増やす必要がなく、記憶容量を少なくすることができるので好ましい。
(2) 本実施形態の部品認識装置は、表面実装機のみに適用可能であるものではなく、例えば、上記電子部品Cを検査する検査用電気回路が設けられた部品検査装置に適用することも可能である。なお、かかる構成に適用する場合、ヘッドユニット120は、部品供給部112と検査用電気回路が配置された位置とにわたって移動することになる。
本発明の第1実施形態に係る表面実装機を概略的に示す平面図である。 図1のII−II断面におけるヘッドユニット周辺部分を示した概略図である。 (a)は吸着ノズルの先端部分周辺を示した側面図であり、(b)〜(d)は、電子部品を吸着した状態での吸着ノズルの先端部分周辺を側面撮像用カメラで撮像した画像を示した図である。 上記表面実装機の概略制御ブロック図である。 上記表面実装機の動作を示す概略フローチャートである。 上記表面実装機の動作において電子部品の吸着状態を判定するためのサブルーチンを示した概略フローチャートである。 側面撮像用カメラのスケールおよび実装用ヘッドの高さの調整処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる表面実装機のヘッドユニット周辺部分の側面断面を示した概略図である。 本発明の第2実施形態にかかる表面実装機の概略制御ブロック図である。
符号の説明
111 コンベア(プリント基板供給手段)
112 部品供給部
120 ヘッドユニット(部品搬送手段)
122 吸着ノズル(吸着部材)
142 側面撮像用カメラ(第1撮像手段)
151 底面撮像用カメラ(第2撮像手段)
161 特徴部分撮像用カメラ(第3撮像手段)
206 演算手段
1220 特徴部分
C 電子部品
P プリント基板

Claims (7)

  1. 電子部品を吸着する吸着部材を上下位置調節可能に設けた部品搬送手段と、
    上記吸着部材及びこれに吸着された上記電子部品を側方から撮像して側面画像を得る第1撮像手段と、
    上記吸着部材に吸着された上記電子部品を電子部品吸着面と垂直あるいは略垂直方向に離間した位置から撮像して底面画像を得る第2撮像手段とを備え、
    上記第1撮像手段及び上記第2撮像手段で撮像した画像を用いて吸着状態を検査する吸着状態検査装置であって、
    上記吸着部材の下端部に対して所定の位置関係にある部位に、側方から撮像した画像で認識可能な特徴部分を設けるとともに、
    上記第1撮像手段による撮像により得られる画像から検出される電子部品の下端部の高さ位置と、上記特徴部分を撮像した画像から検出される上記特徴部分の高さ位置と、上記吸着部材の下端部に対する上記特徴部分の位置関係とに基づいて、上記吸着部材の下端部から上記電子部品の下端部までの距離を演算し、この演算結果に基づいて上記電子部品の吸着状態を検査する演算手段を設けた
    ことを特徴とする吸着状態検査装置。
  2. 請求項1記載の吸着状態検査装置において、
    上記吸着部材は、異なった形状を有する複数種類のものを備え、
    上記特徴部分は、上記吸着部材の種類に関わらず同一形状である
    ことを特徴とする吸着状態検査装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の吸着状態検査装置において、
    上記第1撮像手段及び第2撮像手段での撮像を略同時に行う
    ことを特徴とする吸着状態検査装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸着状態検査装置において、
    上記第1撮像手段により上記吸着部材及びこれに吸着された電子部品を撮像するときの上記第1撮像手段の視野内となる位置に上記特徴部分を設けた
    ことを特徴とする吸着状態検査装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸着状態検査装置において、
    上記第1撮像手段により上記吸着部材及びこれに吸着された電子部品を撮像するときの上記第1撮像手段の視野外となる位置に上記特徴部分を設け、この特徴部分を側方から撮像する第3撮像手段を備えた
    ことを特徴とする吸着状態検査装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吸着状態検査装置と、
    上記電子部品を供給する部品供給部と、
    上記電子部品を搭載するプリント基板を供給するプリント基板供給手段とを備え、
    上記吸着状態検査装置に備えられた上記部品搬送手段により、上記部品供給部から上記プリント基板供給手段によって上記プリント基板が配置される基板配置位置に向けて上記電子部品を搬送し、
    この電子部品を上記プリント基板上に実装することを可能にする
    ことを特徴とする表面実装機。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の吸着状態検査装置と、
    上記電子部品を供給する部品供給部と、
    上記電子部品を検査する検査用電気回路とを備え、
    上記吸着状態検査装置に備えられた上記部品搬送手段により、上記部品供給部から上記検査用電気回路が配置されている位置に向けて上記電子部品を搬送し、この電子部品を上記検査用電子回路で検査することを可能にする
    ことを特徴とする部品試験装置。
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