JP2011065146A - 赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液と赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液、赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材、および、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターとプラズマディスプレイパネル - Google Patents

赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液と赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液、赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材、および、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターとプラズマディスプレイパネル Download PDF

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【課題】高い可視光透過率と近赤外線吸収性を維持したまま耐湿熱性にも優れたプラズマディスプレイパネル用多層フィルターの赤外線遮蔽粘着膜とその製造に用いられる赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液等を提供する。
【解決手段】赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液は、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される酸化物微粒子で構成される赤外線遮蔽材料微粒子、リン系酸化防止剤、粘着皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマー、イソシアネート系架橋剤等が溶媒中に含まれていることを特徴とし、上記赤外線遮蔽粘着膜は、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液により形成された塗布膜をエージング処理して得られることを特徴とする。そして、この赤外線遮蔽粘着膜にはリン系酸化防止剤が含まれているため赤外線遮蔽材料微粒子の耐湿熱性が改善される効果を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光領域においては透明で、近赤外線領域においては吸収を持つタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子を含有する赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材に係り、特に、タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子の高い赤外線吸収特性(ここでいう赤外線は、波長領域800〜1100nmのことをいう)を維持したまま優れた耐湿熱特性をも具備する赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材、これ等赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材を有するプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記すことがある)用多層フィルターとプラズマディスプレイパネル、並びに、上記赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材を形成する赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液と赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の改良に関するものである。
近年、PDPテレビや液晶テレビ等の薄型テレビの需要が高まっており、50インチ以上の薄型テレビが好まれる傾向にあることから、液晶テレビと比較して大型化が容易なPDPテレビの需要が見込まれる。このPDPの一般的構成について図面を参照しながら説明する。図1は、交流型(AC型)のPDP発光部の概略を示す拡大断面図である。図1において、符号11は、前面ガラス基板(フロントカバープレート)であり、この前面ガラス基板11上に表示電極12が形成されている。更に、この表示電極12が形成されている前面ガラス基板11は、誘電体ガラス層13および酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層14により覆われている。また、符号15は、背面ガラス基板(バックプレート)であり、この背面ガラス基板15上には、アドレス電極16および隔壁17、蛍光体層18が設けられており、符号19は放電ガスを封入する放電空間となっている。
そして、PDPの発光原理は、表示電極12とアドレス電極16との間に電圧を印加することにより放電空間19にて放電させ、当該放電空間に導入してあるキセノンとネオンとの混合ガスを励起して真空紫外線を放射させ、当該真空紫外線により、それぞれ、赤、緑、青(以下、RGBと略記すことがある。)の蛍光を発する蛍光体層18を発光させてカラー表示を可能にさせている。
ところが、キセノンガスからは上記真空紫外線以外に近赤外線も発生し、当該近赤外線の一部はPDP前方に放射される。特に800nm〜1100nmの波長域を有する赤外線は、コードレスフォンや家電機器のリモコンに誤動作を引き起こし、伝送系光通信に悪影響を及ぼす。その他発生する電磁波による人体への悪影響を及ぼすことが問題となっている。また、ネオンガスからはオレンジ色の発光が発生し、RGBの発光に悪影響を及ぼす問題がある。
このため、PDPの前面には、上記赤外線による機器の誤動作を防止する赤外線遮蔽膜、ネオンガス由来のオレンジ発光を遮蔽するネオンカット遮蔽膜や電磁波遮蔽膜を積層して構成された多層フィルター(積層体)が設けられている。尚、多層フィルター(積層体)を構成する上記赤外線遮蔽膜、ネオンカット遮蔽膜、電磁波遮断膜等の各皮膜については、一般に「基材」と称されている。
ところで、上記多層フィルター(積層体)における赤外線遮蔽膜は、赤外線吸収材料を含有する皮膜により構成されるが、当該赤外線吸収材料には、低発光量(省エネ)で十分な視認性を確保するために、可視光線領域(波長域、約380nm〜780nm)の光は十分に透過し、波長域800nm〜1100nmの赤外線は遮蔽するような特性が要求される。従来、上記赤外線吸収材料として、有機色素や金属錯体のような有機化合物が用いられている。そして、赤外線吸収材料としての有機色素や金属錯体等の有機化合物が含まれる赤外線遮蔽膜を形成する場合、上記有機化合物を熱硬化型または光硬化型のバインダーに含有させてこれを基材上に硬化させたものをPDP用多層フィルターに組み込む方法が一般的に行われている。
ここで、有機色素や金属錯体等の赤外線吸収材料としては、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物等が挙げられるが、これ等は、熱や光に対する経時的な劣化が顕著であるため、これ等有機化合物を単独で使用した場合、性能を長期保持するのが困難であるという問題があった。有機色素や金属錯体等の有機化合物における光に対する劣化を抑制するため、上記有機化合物が含有された赤外線遮蔽膜のPDPの視認面側表面近傍に独立した別の層(紫外線吸収層)を設けて耐光性能を補強する措置が一般に採られている。このため、多層フィルター(積層体)としての構造に制約があり、積層数の増加から生産性の低下やコストの上昇を引き起こしていた。積層数を低減させる効果的な方法としては、既存の基材に赤外線遮蔽機能、ネオン由来の発光を遮蔽する機能等を複合させる方法が考えられる。特に、基材同士を張り合わせるために必須となる粘着膜を複合機能性粘着膜とする方法が効果的である。
また、PDPテレビにおける消費電力の低減(省エネ)を図るために発光量の低減が求められており、従来のPDPと同等の視認性を確保するには、PDP前面フィルターの可視光透過率を高く設定する必要がある。しかし、上記有機色素や金属錯体等の赤外線吸収材料の特徴としてフタロシアニン系化合物は可視光領域に吸収をもつため、十分な視認性を確保するためには発光量を高くする必要があり、省エネを実現することは困難となっている。そこで、可視光透過率の高いジイモニウム系化合物が使用されているが、熱硬化型または光硬化型のバインダーへの相溶性は良好であるが、粘着膜形成用バインダーとして一般に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーへの相溶性が悪いという特徴をもつため、ジイモニウム系化合物を粘着膜に含有させることは困難であった。このため、ジイモニウム系化合物を含有させた赤外線遮蔽膜を設置しなければならず、多層フィルター(積層体)の積層数を少なくさせることが困難になっている。尚、粘着膜形成用バインダーとして一般に用いられる上記(メタ)アクリル系ポリマーには、ポリマー骨格内に架橋基である水酸基(−OH)とカルボキシ基(−COOH)を含有し、強粘着性を有する「酸基タイプ」と、ポリマー骨格内に水酸基のみを含有し、弱粘着性を有する「中性タイプ」がある。そして、両者はフィルターの構成により使い分けがなされており、例えば、フィルター製造の貼合工程で貼り直しが行え、歩留まりの向上を重視するときには弱粘着性の上記「中性タイプ」が用いられ、最終製品のフィルターにおける剥がれ防止を重視するときには強粘着性の上記「酸基タイプ」が用いられる等の使い分けがなされている。
このような技術的背景の下、熱や光に対し耐性の低い有機化合物に代えて、特許文献1では、上記近赤外線吸収材料(赤外線遮蔽材料)として、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子、または/および、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表記される複合タングステン酸化物微粒子を適用し、かつ、当該近赤外線遮蔽材料(赤外線遮蔽材料)微粒子の粒子直径が1nm以上800nm以下であることを特徴とする近赤外線遮蔽材料(赤外線遮蔽材料)微粒子分散体、および、この近赤外線遮蔽材料(赤外線遮蔽材料)微粒子分散体の光学特性や導電性、製造方法等について提案しており、また、特許文献2では、上記一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子または/および一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子が用いられた近赤外線遮蔽(赤外線遮蔽)粘着膜を有するPDP用多層フィルター(積層体)を提案している。
また、特許文献3には、基材フィルムの一方の面に、硬化樹脂と酸化タングステン系化合物等の近赤外線遮蔽材料(赤外線遮蔽材料)を含むハードコート層および硬化樹脂を含む低屈折率層を順次積層して構成された反射防止フィルムが開示され、かつ、この反射防止フィルムをPDPの前面板に貼り付けて成るPDP用多層フィルター(積層体)が提案されている。
更に、特許文献4には、PDP等の透明基板上に接着剤層が積層され、この接着剤層に幾何学図形の導電層が埋設されて成る電磁波シールド性接着フィルムが開示され、かつ、この電磁波シールド性接着フィルムをPDP等のディスプレイ表面に貼り合わせた電磁波シールド性ディスプレイが提案されている。
また、ディスプレイの大型化に伴って、PDPの一層の軽量化・薄型化が求められると共に、パネルの耐衝撃性の向上も重要な課題となったため、上述した赤外線遮蔽膜や電磁波遮蔽(電磁波シールド)層等に加えて、特許文献5では、視野面側からの衝撃に対して緩和するような衝撃緩和性に優れた粘着剤層が提案されている。
国際公開WO2005/037932号公報 特開2006−154516号公報 特開2006−201463号公報 特開2000−323891号公報 特開2005−023133号公報
ところで、上述した有機色素や金属錯体等の有機化合物と比較して熱や光に対し耐性を有するタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子(赤外線遮蔽材料微粒子)が用いられたPDP用多層フィルター(積層体)の上記赤外線遮蔽粘着膜において、粘着皮膜形成用の材料成分として(メタ)アクリル系ポリマーが適用された場合、赤外線遮蔽粘着膜中での上記タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱特性が、上記有機色素や金属錯体等の有機化合物と比較して同等あるいは劣ることが最近の実験により明らかとなり、上記PDP用多層フィルター(積層体)の赤外線遮蔽粘着膜に関してその耐湿熱特性を改善させる必要が存在した。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、高い可視光透過率と赤外線遮蔽性を維持したまま湿熱に対しても優れた耐性を発揮する赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材を提供し、かつ、これ等赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材を有するプラズマディスプレイパネル用多層フィルターとプラズマディスプレイパネルを提供すると共に、上記赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材を形成する赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液と赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を提供することにある。
そこで、本発明者等は、上記課題を解決するため以下の技術的検討を行なった。
まず、赤外線遮蔽粘着膜を構成している(メタ)アクリル系ポリマー等の樹脂は微量のラジカル開始剤や未反応モノマーが存在しており、湿熱環境下、熱、酸素そして水分により、ポリマーの切断、切断時に発生したラジカルによる連鎖的な分解が原因となる樹脂の黄変を伴うヘイズや透明性の悪化を引き起こす。このポリマーの劣化を防止する目的でラジカルを捕捉するヒンダードフェノール系等の「一次酸化防止剤」を添加することがあるが、(メタ)アクリル系ポリマー等の樹脂に充填された無機化合物の劣化を防止する目的で添加されるものではない。その他酸化防止剤として、サリチル酸またはその誘導体があるが、添加剤そのものが光エネルギー(紫外線)を吸収することで、樹脂の光劣化を防止するものであることから、耐湿熱性劣化を防止する添加剤とは種類が異なる。その他、金属不活剤(酸化防止剤として大別される)は、ポリマーの酸化劣化分解を著しく促進させる触媒作用を有する銅、鉄、コバルト、マンガン、クロム等の重金属イオンを捕捉するもので、上記触媒作用のあるイオンを含まないタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が適用された赤外線遮蔽粘着膜中においては添加による効果はないと考えられる。
そして、ポリマーの劣化に関与するラジカルが、結合状態(有機化合物は共有結合、無機化合物はイオン結合)が全く異なる無機化合物または金属(すなわち、タングステン酸化物または複合タングステン酸化物)の劣化に関与するとは考え難い。従って、ラジカルを捕捉する「一次酸化防止剤」であるヒンダードフェノール系酸化防止剤を赤外線遮蔽粘着膜に添加しても無機化合物の劣化を抑制する効果は期待できないと考えられる。
しかし、上述の赤外線遮蔽粘着膜に適用される近赤外線吸収材料(赤外線吸収材料)としてのタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子は、粒子サイズがナノオーダーであり、従来のミリオーダーからマイクロオーダーの金属粉では予測できないような劣化機構を示すことを本発明者等は予想した。
そこで、本発明者等は、従来考えられていなかった上記ラジカルの影響を加味し、耐湿熱特性の劣化原因について更なる研究を行なった結果、有機過酸化物を分解する「二次酸化防止剤」としての酸化防止剤を赤外線遮蔽粘着膜に添加することで、ナノオーダーの微粒子であるタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子の湿熱劣化が改善されることを見出すに至った。
ところで、上記有機過酸化物を多量に生成する機構としては、粘着性を有するポリマー中に微粒子を含有させたものに特有の現象であると考えられる。一般に、粘着層を金属板に貼り合せた場合、粘着層の主成分を構成するポリマーに含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基が金属との共有結合またはファンデルワールス力により密着性を発現して粘着層が金属板に接着される。この密着性は水が原因で低下し、剥離が起きることが知られており、その機構として、金属表面と粘着層界面に水が侵入することで物理的に上記共有結合が断裂するためと考えられている。従って、赤外線遮蔽粘着膜中に上記タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が均一に存在する上記赤外線遮蔽粘着膜中では、上記断裂が局所的に多数発生し、断裂に伴ってラジカル、有機過酸化物が発生すると考えられる。
そして、本発明者等のこれ等研究の結果、上記タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が含まれる赤外線遮蔽粘着膜内に、ラジカルを捕捉する「一次酸化防止剤」を添加しても劣化抑制は改善されず、有機化酸化物を分解する「二次酸化防止剤」を添加することで初めて劣化を抑制できることを見出すに至り、かつ、上記「二次酸化防止剤」の中にはリン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の2種類があるが、粘着皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマー中では、一つ目の対策としてリン系酸化防止剤を添加した場合に上記耐湿熱特性の改善が図れることを見出した。
また、赤外線吸収材料としてタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が適用された赤外線遮蔽粘着膜において、湿熱環境下、赤外線領域の遮蔽効果が低減する理由としては、上記微粒子表面の劣化が原因している。一般に、無機化合物または金属を劣化させる物質としては、残留塩素や水による酸化劣化が疑われるが、湿熱環境下では、樹脂(赤外線遮蔽粘着体)中に浸透した水蒸気(水)が上記微粒子の酸化劣化を及ぼすことが考えられる。そこで、二つ目の対策として、水蒸気の浸透を抑制する方法が劣化抑制(上記耐湿熱特性の向上)に効果的であると考えられる。
更に、三つ目の対策としてラジカルの発生要素である結合の切断を抑制するために、より強固な結合を形成させることが有効であると考えた。ここで考えた結合とは、(メタ)アクリル系ポリマーの架橋用官能基(有機材料)とタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子(無機材料)との結合を示す。この結合を補う材料として、シランカップリング剤やアルコキシド、または金属キレートの添加が有効であるが、上記「酸基タイプ」の(メタ)アクリル系ポリマーを用いた場合、反応速度の速いアルコキシドや金属キレートを必要量添加した赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液は、(メタ)アクリル系ポリマーとの混合と同時に架橋反応が進行し塗布液の形態を保てないという問題がある。そのため、反応速度が比較的緩やかなシランカップリング剤を添加することで塗布液粘度を塗布可能な状態に維持し、かつ、耐湿熱特性を向上できることを見出した。シランカップリング剤としては、以下に示す一般式(IV)の官能基Xが、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基を有するものが有効である。アミノ基を有すものは(メタ)アクリル系ポリマーとの相溶性が悪く赤外線遮蔽粘着膜の透明性に悪影響を及ぼすことが分かっている。
更にまた、(メタ)アクリル系ポリマーの架橋反応を促進させる目的で、触媒作用を有する酸化亜鉛を添加することで耐湿熱性が向上することを見出した。但し、酸化亜鉛の添加量は(メタ)アクリル系ポリマーの100ppm程度までとし、それ以上の添加は、その触媒作用により添加後すぐに架橋反応が進行し、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の形態を保てない。
以上述べたように、リン系酸化防止剤を含有させる一つ目の対策により上記耐湿熱特性の改善が図られることを見出し、更に、粘土鉱物を含有させる二つ目の対策並びにシランカップリング剤や酸化亜鉛を含有させる三つ目の対策を併用することで上記耐湿熱特性の更なる改善が図られることを見出した。本発明はこのような技術的検討と技術的発見により完成されている。
すなわち、請求項1に係る発明は、
赤外線遮蔽材料微粒子が溶媒中に分散された分散液により構成され、かつ、皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが使用時に添加される赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により上記赤外線遮蔽材料微粒子が構成されると共に、リン系酸化防止剤が上記溶媒中に含まれていることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
上記リン系酸化防止剤が、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)から選択される1種類以上のリン系酸化防止剤で構成されていることを特徴とする。
Figure 2011065146
[但し、式(I)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、rはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつ、p+q+r=3である。]
Figure 2011065146
[但し、式(II)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、sはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、かつ、p+q+r+s=4である。]
Figure 2011065146
[但し、式(III)中、R〜R7は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、s、t、uはそれぞれ独立して0〜6の整数を表し、かつ、p+q+r+s+t+u=6である。]
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
粘土鉱物が含まれていることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項3に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
上記粘土鉱物が、石英、クリストパライト、長石類、雲母、ゼオライトから選択されるベントナイト、または/およびモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイトから選択されるスメクタイトを含むことを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項3または4に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
シランカップリング剤が含まれていることを特徴とし、
請求項6に係る発明は、
請求項5に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
上記シランカップリング剤が、下記一般式(IV)から選択される1種類以上のシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする。
Figure 2011065146
[但し、式(IV)中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される直鎖アルキル基を表し、Xは、ビニル基、エポキシ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基から選択される官能基を表す。]
次に、請求項7に係る発明は、
請求項1、請求項3、請求項5のいずれかに記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
上記タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.45≦z/y≦2.999)で表記される組成比のマグネリ相を含むことを特徴とし、
請求項8に係る発明は、
請求項1、請求項3、請求項5のいずれかに記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
一般式MxWyOzで表記される上記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶若しくは立方晶の結晶構造の1つ以上を含むことを特徴とし、
請求項9に係る発明は、
請求項8に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
上記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの内の1種類以上を含み、かつ、六方晶の結晶構造を有することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、
赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液において、
請求項1〜9のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤が添加されて成ることを特徴とし、
請求項11に係る発明は、
請求項10に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液において、
酸化亜鉛が含まれていることを特徴とし、
請求項12に係る発明は、
請求項10または11に記載の発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液において、
上記(メタ)アクリル系ポリマーが、
(a-1)アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステルで構成されるか、あるいは、
(a-2)上記(a-1)と共重合可能なその他のモノマーが重合してなるポリマーで構成されることを特徴とする。
次に、請求項13に係る発明は、
赤外線遮蔽粘着膜において、
プラズマディスプレイパネル用多層フィルターの第一基材面上またはプラズマディスプレイパネル面上に、請求項10〜12のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、かつ、該塗布膜をエージング処理して得られることを特徴とし、
請求項14に係る発明は、
赤外線遮蔽光学部材において、
上記第一基材と、この第一基材面上に形成された請求項13に記載の赤外線遮蔽粘着膜とで構成されることを特徴とし、
請求項15に係る発明は、
プラズマディスプレイパネル用多層フィルターにおいて、
請求項14の赤外線遮蔽光学部材が組み込まれていることを特徴とし、
また、請求項16に係る発明は、
プラズマディスプレイパネルにおいて、
請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル用多層フィルターが設けられていることを特徴とするものである。
赤外線遮蔽材料微粒子が溶媒中に分散された分散液により構成され、かつ、粘着皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが使用時に添加される本発明の請求項1に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は、上記赤外線遮蔽材料微粒子が、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により構成され、かつ、溶媒中にリン系酸化防止剤が含まれていることを特徴とし、本発明の請求項3に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は上記リン系酸化防止剤に加えて粘度鉱物が含まれていることを特徴とし、更に、本発明の請求項5に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は上記リン系酸化防止剤に加えて粘度鉱物とシランカップリング剤が含まれていることを特徴としている。
そして、上記赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤が添加されて成る請求項10に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液若しくは酸化亜鉛が更に添加された請求項11に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を用いて形成された本発明の赤外線遮蔽粘着膜によれば、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により赤外線遮蔽材料微粒子が構成され、かつ、リン系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤と粘度鉱物、シランカップリング剤、酸化亜鉛のいずれかが含まれているため、上記赤外線遮蔽材料微粒子の耐湿熱性が改善されて高い可視光透過率と近赤外線吸収性を維持したまま優れた耐湿熱性を発揮することが可能となる。
また、上記赤外線遮蔽粘着膜およびこの赤外線遮蔽粘着膜を具備する本発明の赤外線遮蔽光学部材を用いた本発明に係るプラズマディスプレイパネル用多層フィルター並びにプラズマディスプレイパネルにおいても、同様に、高い可視光透過率と近赤外線吸収性を維持したまま優れた耐湿熱性を発揮することが可能となる。
プラズマディスプレイパネルの概略構成説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、粘着皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが使用時に添加される本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により構成される赤外線遮蔽材料微粒子とリン系酸化防止剤が溶媒中に含まれていることを特徴とし、本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液は、上記赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤が添加されて成ることを特徴としている。
また、本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜は、上記赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液をプラズマディスプレイパネル用多層フィルターの第一基材面上またはプラズマディスプレイパネル面上に塗布して塗布膜を形成し、かつ、この塗布膜をエージング処理して得られることを特徴とし、本発明に係る赤外線遮蔽光学部材は、上記第一基材と、第一基材面上に形成された上記赤外線遮蔽粘着膜とで構成されることを特徴とする。
次に、本発明に係るプラズマディスプレイパネル用多層フィルターは、上記赤外線遮蔽光学部材が組み込まれていることを特徴とし、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターが設けられていることを特徴とするものである。
以下、順次説明する。
1.赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液
粘着皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが使用時に添加される本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は、4〜89重量部の溶媒と、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により構成された10〜80重量部の赤外線遮蔽材料微粒子と、リン系酸化防止剤とを含有することを特徴とし、上記リン系酸化防止剤の含有量は適宜選択可能である。また、上記タングステン酸化物微粒子および複合タングステン酸化物微粒子の平均分散粒径は800nm以下であることが望ましく、より好ましくは平均分散粒径が100nm以下がよい。
(a)溶媒
赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に用いる上記溶媒は、(メタ)アクリル系ポリマーの架橋反応を阻害しないことが求められる。カルボキシル基または/および水酸基を架橋基として有する(メタ)アクリル系ポリマーは、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤またはイソシアネート系架橋剤が(メタ)アクリル系ポリマー骨格内にある架橋基としての上記カルボキシル基または/および水酸基と反応し、(メタ)アクリル系ポリマー同士を架橋させる架橋反応が進行する。
そして、溶媒には、上記架橋剤と律速的に反応して、(メタ)アクリル系ポリマーに含まれる架橋基と架橋剤との反応を阻害するカルボキシル基(COOH基)や水酸基(OH基)を含有しない、ケトン類、エステル類、炭化水素類、エーテル類から選ばれた1種類以上であることが好ましい。代表例として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類が挙げられる。中でも、ケトン類、エステル類は危険性や毒性が低く、しかも取り扱いが容易な溶媒であることからより好ましい。尚、イソシアネート系架橋剤の中で、アルコール類と副反応し不活化しないブロックイソシアネート等を用いた場合、アルコール類を用いることも問題にならない。代表例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール等のアルコール類が挙げられる。
(b)タングステン酸化物微粒子と複合タングステン酸化物微粒子
本発明において適用される赤外線遮蔽材料微粒子は、上述したように一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により構成される。
一般式WyOz(2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子として、例えば、W1849、W2058、W411等を挙げることができる。z/yの値が2.2以上であれば、赤外線遮蔽材料中に目的外であるWOの結晶相が現れるのを完全に回避することができると共に、材料の化学的安定性を得ることができる。一方、z/yの値が2.999以下であれば、十分な量の自由電子が生成され効率よい赤外線遮蔽材料となる。そして、z/yの範囲が2.45≦z/y≦2.999であるWyOz化合物は、いわゆるマグネリ相と呼ばれる化合物で耐久性に優れている。
また、一般式MxWyOz(0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表記される複合タングステン酸化物微粒子としては、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造を有する場合に耐久性に優れることから、六方晶、正方晶、立方晶から選択される1つ以上の結晶構造を有することが好ましい。例えば、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子の場合であれば、好ましいM元素として、Cs、Rb、K、Ti、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの各元素から選択された1種類以上の元素を含む複合タングステン酸化物微粒子が挙げられる。このとき添加されるM元素の添加量xは、x/yにおいて0.001以上1以下が好ましく、より好ましくは0.33付近がよい。これは、六方晶の結晶構造から理論的に算出されるx/yの値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるためである。一方、酸素の存在量zは、z/yで2.2以上、3以下が好ましい。典型的な例としてはCs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3等を挙げることができるが、x、y、zが上記範囲に収まるものであれば、有用な赤外線遮蔽特性を得ることができる。
これ等タングステン酸化物微粒子と複合タングステン酸化物微粒子は、各々単独で使用してもよいし、混合して使用することも望ましい。
上記タングステン酸化物微粒子と複合タングステン酸化物微粒子から選ばれた少なくとも1種類以上を赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に用いる場合、平均分散粒径は800nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下がよい。タングステン酸化物や複合タングステン酸化物の平均分散粒径が800nmを超えた場合、幾何学散乱またはミー散乱によって、波長380nm〜780nmの可視光線領域の光を散乱してしまうことから、上記赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液を用いて作製したPDP用多層フィルターにおける赤外線遮蔽粘着膜の外観は曇りガラスのようになり、鮮明な画面表示が得られず好ましくない。平均分散粒径が200nm以下になると、幾何学散乱またはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になる。レイリー散乱領域において、散乱光は平均分散粒径の6乗に反比例して低減するため、可視光線の散乱が低減して鮮明な画面表示が可能となる。更に、平均分散粒径が100nm以下になると散乱光は非常に少なくなることから好ましい。
(c)酸化防止剤
本発明において適用される酸化防止剤は、有機過酸化物分解剤として作用し、不活性な化合物に分解するものであれば特に化学構造に制約があるものではない。
上記有機物過酸化物を分解し、不活性な化合物に分解する酸化防止剤は上述したように「二次酸化防止剤」と呼ばれ、リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤がある。
そして、本発明において適用される「二次酸化防止剤」としての酸化防止剤はリン系酸化防止剤であることが必要で、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)から選択される1種類以上のリン系酸化防止剤で構成することが望ましい。
Figure 2011065146
[但し、式(I)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、rはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつ、p+q+r=3である。]
Figure 2011065146
[但し、式(II)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、sはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、かつ、p+q+r+s=4である。]
Figure 2011065146
[但し、式(III)中、R〜R7は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、s、t、uはそれぞれ独立して0〜6の整数を表し、かつ、p+q+r+s+t+u=6である。]
上記リン系酸化防止剤の具体例として、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスファイト、ジ−t−ブチル−m−クレジル−ホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライル(オクタデシルホスファイト)、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト等が挙げられる。
これ等の中でも、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト等の常温で液体のものが好ましい。
(d)粘土鉱物
本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は、上述したように粘土鉱物を含んでいることが望ましい。
そして、上記粘土鉱物としては、石英、クリストパライト、長石類、雲母、ゼオライトから選択されるベントナイト、または/および、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイトから選択されるスメクタイトを含むことが望ましい。中でも、ヘクトライトやモンモリロナイトのように、板状結晶がナトリウムイオンやカリウムイオンのような層間イオンにより積層構造(層状構造)を成している粘土鉱物が適している。
また、粘土鉱物としては、上記層間イオンを四級アンモニウムカチオン等で置換することにより、非水溶性溶媒に容易に溶解しかつ樹脂との相溶性を向上させたものが望ましい。ここで、上記四級アンモニウムカチオンには、Nを中心に炭素原子数が1〜50、水素原子数が3〜101の炭素鎖が4つ含まれるものがよい。また、この炭素鎖は、直線構造、分岐構造、環状構造をとっていてもよい。上記層間イオンを四級アンモニウムカチオン等で置換した粘土鉱物は、ケトン類、エステル類、炭化水素類、エーテル類、アルコール類から選ばれた1つ以上の溶媒に、振動処理、攪拌処理、超音波処理により分散させ、透明性を有する赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液として用いることが、得られる赤外線遮蔽粘着膜のヘイズに悪影響を与えることがないため最も好ましい。
上記粘度鉱物の添加により、水(水蒸気)が赤外線遮蔽粘着膜へ浸透することを抑制できる。酸化防止剤に粘度鉱物を併用することで、タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱劣化の更なる抑制に効果的である。
(e)シランカップリング剤
本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液は、上述したように粘土鉱物に加えてシランカップリング剤を含んでいることが望ましい。
そして、本発明で適用されるシランカップリング剤は、有機物とケイ素から構成される化合物で、分子中に無機質材料と化学的結合をする反応基と、有機材料と化学的結合をする反応基の2種類以上の異なった反応基を有する。このため、通常では非常に結びつきにくい有機材料と無機材料を結ぶ仲介役として作用する。無機質材料と結合する反応基には、メトキシ基(−OCH3)、エトキシ基(−OC25)があり、加水分解によりシラノールとなり無機質表面と化学結合を形成する。また、有機材料と結合する反応基には、ビニル基、エポキシ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基等がある。
上記シランカップリング剤は、一般に、複合材料の機械的強度、耐水性、接着性の改良、樹脂改質、表面改質等に利用されている。そして、上記シランカップリング剤の具体的な例として、例えば、有機官能基がビニル基であるビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、有機官能基がエポキシ基である2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、有機官能基がスチリル基であるp−スチリルトリメトキシシラン、有機官能基がメタクリロキシ基である3−メタクリロキシプロピルトリジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、有機官能基がアクリロキシ基である3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機官能基がアミノ基であるN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルービチリデン)プロピルアミン、N-フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、有機官能基がウレイド基である3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、有機官能基がメルカプト基である3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、有機官能基がスルフィド基であるビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、有機官能基がイソシアネート基である3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも有機官能基がビニル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基を有するシランカップリング剤は(メタ)アクリル系ポリマーおよび/またはアクリル系分散剤との反応性がよく、タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱性劣化抑制効果が高いため望ましい。尚、シランカップリング剤の添加量はタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子重量に対して10〜20重量部が好ましい。
一方、有機官能基がスチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基を有するシランカップリング剤は、添加による耐湿熱性劣化の抑制効果が弱い場合があり、有機官能基がアミノ基のシランカップリング剤は赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を白濁させてしまい透明性が失われる問題を生じる。
そして、本発明において適用されるシランカップリング剤としては、下記一般式(IV)で示されるシランカップリング剤が望ましい。
Figure 2011065146
[但し、式(IV)中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される直鎖アルキル基を表し、Xは、ビニル基、エポキシ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基から選択される官能基を表す。]
2.赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液
次に、本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液は、上述した赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤が添加されて成り、更に上記架橋剤に加えて酸化亜鉛が添加されて成ることを特徴とするものである。
(a)(メタ)アクリル系ポリマー
上記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、(a-1)アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステル、あるいは、(a-2)上記(a-1)と共重合可能なその他のモノマーが重合してなるポリマーが挙げられる。
(a-1)アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステル
上記アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸のC1〜15の直鎖、分岐鎖または環状アルキルエステルが挙げられる。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボニル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
また、上記メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸のC1〜15の直鎖、分岐鎖または環状アルキルエステルが挙げられ、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−n−ペンチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボニル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
中でも、アルキル基の炭素数が4〜8のアクリル酸アルキルエステルを使用すると、得られる粘着剤の粘着力、柔軟性が良好になるため好ましく、特に、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが好ましい。
(a-2)上記(a-1)と共重合可能なその他のモノマーが重合してなるポリマー
(a-1)と共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、1以上のカルボキシル基を分子内に有する不飽和結合を有する化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル−β−カルボキシエチル、メタクリル酸−β−カルボキシエチル、アクリル酸−5−カルボキシペンチル、メタクリル酸−5−カルボキシペンチル、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー; アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の水酸基含有モノマー; アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エトキシエチル、アクリル酸−2−メトキシプロピル、アクリル酸−3−メトキシプロピル、アクリル酸−2−メトキシブチル、アクリル酸−4−メトキシブチル等のアクリル酸アルコキシエステル、メタクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸−2−メトキシプロピル、メタクリル酸−3−メトキシプルピル、メタクリル酸−2−メトキシブチル、メタクリル酸−4−メトキシブチル等のメタクリル酸アルコキシエステル;アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール等のアクリル酸アルキレングリコール; メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコール等のメタクリル酸アルキレングリコール; アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸アリール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸アリール; 酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸アリル等が挙げられる。
(b)架橋剤
上記架橋剤としては、上述したイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられ、中でもイソシアネート系架橋剤が好ましく、特にイソシアネート系架橋剤と金属キレート架橋剤とを併用することが好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメリルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;これ等をトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと付加させた化合物、これ等ポリイソシアネート化合物のビュレット型化合物やイソシアヌレート化合物;これ等ポリイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
また、上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1, 6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジアミングリシジルアミノメチル)シクトヘキサン等の分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
また、上記金属キレート架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属にアセチレン、アセト酢酸エチルが配位した化合物が挙げられる。
(c)酸化亜鉛
上記架橋剤と併用される酸化亜鉛としては、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の透明性、塗布性に影響がなければ特に形状は特定されないが、赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液と同様のアクリル系分散剤と溶媒にて微粒子化することが望ましい。(メタ)アクリル系ポリマーの架橋反応を促進させるために添加するものであることから、添加量は(メタ)アクリル系ポリマー重量の1〜100ppmまでの添加量が望ましい。100ppmを超えて例えば1000ppmを添加すると酸化亜鉛の添加と同時に架橋反応が進み、粘度が急上昇または硬化してしまうため塗布性に悪影響を及ぼす場合がある。
3.赤外線遮蔽粘着膜と赤外線遮蔽光学部材
本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液は、上述した赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤を添加し、あるいは、上記架橋剤に加えて酸化亜鉛を添加して構成されるものであり、本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜は、この赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターの第一基材面上またはプラズマディスプレイパネル面上に塗布して塗布膜を形成しかつこの塗布膜をエージング処理して得られ、この赤外線遮蔽粘着膜には、更にネオンカット色素や色調補正色素が含まれていてもよい。尚、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターの上記第一基材とは、多層フィルターを構成しかつ赤外線遮蔽粘着膜以外の電磁波遮断膜や後述する外力吸収層等任意の皮膜本体、あるいは、赤外線遮蔽粘着膜本体が形成される被成膜体(この場合、赤外線遮蔽粘着膜本体と被成膜体とで多層フィルターにおける赤外線遮蔽粘着膜を構成する。同様に、上記電磁波遮断膜等も被成膜体を具備する場合、これ等被成膜体も各皮膜の構成要素となる)等が該当する。また、上記第一基材は、プラズマディスプレイパネル面上に直接設けられた多層フィルターの任意基材(表面に露出する基材が該当)であってもよいし、プラズマディスプレイパネル面上へ貼付される前の多層フィルターの任意基材でもよい。
そして、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液が塗布される被成膜体は、所望によりフィルムでもボードでも良く形状は限定されない。透明の被成膜体材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)等のポリエチレン類、アクリル、ウレタン、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ふっ素樹脂等が各種目的に応じて使用可能である。また、樹脂以外ではガラスを用いることができる。
また、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の塗布方法としては、プラズマディスプレイパネル用多層フィルターの第一基材面上またはプラズマディスプレイパネル面上に塗布膜を均一に形成できればよく、特に限定されないが、ドクターブレード法、バーコート法、グラビヤコート法、ディップコート法、スリットコート法等が例示される。
そして、赤外線遮蔽粘着膜に含まれる上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子は透明性に富んだ材料で均一に分散されているため、PDPパネル内に設置しても意匠性を損なうことなく用いることができる。また、上記赤外線遮蔽粘着膜において、皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが好ましいのは、PDPパネル内でガラス基板とPET基板等の異なる材質同士を接着する際、粘着特性の観点または高い可視光透過率を持つ良好な透明性を有しているためである。
そして、少なくともリン系酸化防止剤を含有させ、あるいは、リン系酸化防止剤に加えて粘土鉱物、シランカップリング剤、酸化亜鉛を含有させる赤外線遮蔽粘着膜に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー[以下、粘着樹脂またはPSA(Pressure Sensitive Adhesive)と呼ぶ場合がある]に含まれる官能基としては、上述した水酸基の他に赤外線遮蔽膜の粘着性を向上させるカルボキシル基を多く含む「酸基タイプ」であり、タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を凝集させることなく分散できるのであればよい。
次に、本発明に係る赤外線遮蔽光学部材は、赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液が塗布される第一基材とこの第一基材面上に形成された赤外線遮蔽粘着膜とで構成される。
そして、赤外線遮蔽粘着膜の作用により上記赤外線遮蔽光学部材を多層フィルターの第二基材面上に直接貼付することが可能になるため、粘着膜が赤外線遮蔽機能を兼ね備える分、製造コストの低減が図れる効果がある。尚、多層フィルターの第二基材とは、多層フィルターを構成しかつ赤外線遮蔽粘着膜以外の電磁波遮断膜や外力吸収層等任意の皮膜が該当する。
4.プラズマディスプレイパネル用多層フィルターとプラズマディスプレイパネル
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用多層フィルターは、プラズマディスプレイパネルに適用されると共に、本発明に係る赤外線遮蔽光学部材が組み込まれた多層フィルターである。また、多層フィルターとは、赤外線遮蔽粘着膜、電磁波遮断膜、外力吸収層等複数の基材(上述した第一基材、第二基材等を含む)を積層して構成されるもので、上記赤外線遮蔽粘着膜、電磁波遮断膜、外力吸収層等が被成膜体を具備する場合には、赤外線遮蔽粘着膜本体と被成膜体から成る赤外線遮蔽粘着膜、電磁波遮断膜本体と被成膜体から成る電磁波遮断膜、外力吸収層本体と被成膜体から成る外力吸収層等により構成される。そして、複数の基材で構成される多層フィルター(積層体)は、各基材の構成材料を含んだ塗布液等をプラズマディスプレイパネル面上に直接塗布する等して多層フィルター(積層体)を形成する場合、複数の基材で構成される別体の多層フィルター(積層体)を予め作製し、この多層フィルター(積層体)をプラズマディスプレイパネル面上に貼付する等して多層フィルター(積層体)を形成する場合、あるいは、これ等方法を適宜組み合わせて多層フィルター(積層体)を形成する場合等がある。
他方、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、本発明に係る上記プラズマディスプレイパネル用多層フィルターが組み込まれたプラズマディスプレイパネルである。
尚、上記赤外線遮蔽粘着膜については、赤外線遮蔽粘着膜内に電磁波遮蔽機能を有するメッシュまたは/および繊維状の金属層若しくは金属含有層が埋め込まれた構造にすることにより、電磁波遮蔽機能を合わせて持たせることができ、赤外線遮蔽機能、電磁波機能、接着機能の3種類の機能を1つの層で達成できるため好ましい。
上記メッシュ状の電磁波遮蔽部材については、電磁波遮蔽能を有するものであればその種類等は限定されるものではない。代表例としては、Cu、Fe、Ni、Cr、Al、Au、Ag、W、Ti、あるいは、これ等合金から成る金属箔をメッシュ状に加工したもの、カーボンブラック、Cu、Ni等の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させたインクをメッシュ状にパターン印刷したもの等が挙げられる。
更に、上記赤外線遮蔽粘着膜について衝撃緩和性に優れた赤外線遮蔽粘着膜で構成した場合、外力吸収機能が付加されて、パネルに加えられた衝撃を緩和し、PDPの破損を防ぐことができる。そして、これまで別々に設けてきた外力吸収層と赤外線遮蔽粘着膜と粘着層を1つの層で達成することができ、更に、上記メッシュ状の電磁波遮蔽部材等を埋め込むことにより電磁波遮蔽能をも合わせることができるため好ましい。
このように本発明に係る赤外線遮蔽粘着膜においては、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により赤外線遮蔽材料微粒子が構成されるため、有機色素や金属錯体等の赤外線遮蔽材料が適用された場合と比較して、高い近赤外線吸収特性を長期に亘り維持することができ、更に、赤外線遮蔽粘着膜内には少なくともリン系酸化防止剤が含まれ、あるいは、リン系酸化防止剤に加えて粘土鉱物、シランカップリング剤、酸化亜鉛が含まれているため上記タングステン酸化物微粒子および複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱特性も飛躍的に改善されている。
従って、上記赤外線遮蔽粘着膜を有する多層フィルターが組み込まれたプラズマディスプレイパネルにおいては、赤外線遮断効果を長期に亘って持続させることができるため工業的に極めて有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
溶媒として酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒が適用された(メタ)アクリル系ポリマー[綜研化学(株)社製 商品名SKダインー2094]を主剤として用い、かつ、リン系酸化防止剤としてジフェニルオクチルホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブC]が溶解された赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液[複合タングステン酸化物微粒子Cs0.33WO3濃度:17.4重量%の住友金属鉱山(株)社製 商品名YMF−02AA3]と、表1に記載された架橋剤とを、表1に記載された割合で上記主剤と混合し、実施例1に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を調製した。尚、実施例1に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の組成を表1に示す。
Figure 2011065146
次に、厚さ50μmのPETフィルム上にドクターブレードを用い実施例1に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を塗布し、かつ、80℃で2分乾燥させて塗布膜の厚さが25μmとなるように粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を形成すると共に、この粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を厚さ3mmのガラス基板に張り合わせて実施例1に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例2]
実施例1で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル-ジトリデシル)ホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブ260]を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例3]
実施例1で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、トリスイソデシルホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブ3010]を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例4]
溶媒として酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒が適用された(メタ)アクリル系ポリマー[綜研化学(株)社製 商品名SKダインー2094]を主剤として用い、かつ、リン系酸化防止剤としてジフェニルオクチルホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブC]、ポリオキシプロピレンメチルフエチルアンモニウム(化学式:[(CH)(CN(CHCH(CH)O)25H])で表面処理された珪酸ナトリウム・マグネシウム(ヘクトライト)から成る粘土鉱物[コープケミカル(株)社製 商品名ルーセンタイトSPN]をメチルイソブチルケトンに溶解した溶液が添加された赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液[複合タングステン酸化物微粒子Cs0.33WO3濃度:17.4重量%の住友金属鉱山(株)社製 商品名YMF−02AA3]と、表2に記載された架橋剤とを、表2に記載された割合で上記主剤と混合し、実施例4に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を調製した。尚、実施例4に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の組成を表2に示す。
Figure 2011065146
次に、厚さ50μmのPETフィルム上にドクターブレードを用い実施例4に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を塗布し、かつ、80℃で2分乾燥させて塗布膜の厚さが25μmとなるように粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を形成すると共に、この粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を厚さ3mmのガラス基板に張り合わせて実施例4に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例5]
実施例4で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル-ジトリデシル)ホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブ260]を用いた以外は実施例4と同様にして実施例5に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例6]
実施例4で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、トリスイソデシルホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブ3010]を用いた以外は実施例4と同様にして実施例6に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例7]
溶媒として酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒が適用された(メタ)アクリル系ポリマー[綜研化学(株)社製 商品名SKダインー2094]を主剤として用い、かつ、リン系酸化防止剤としてジフェニルオクチルホスファイト[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブC]、ポリオキシプロピレンメチルフエチルアンモニウム(化学式:[(CH)(CN(CHCH(CH)O)25H])で表面処理された珪酸ナトリウム・マグネシウム(ヘクトライト)から成る粘土鉱物[コープケミカル(株)社製 商品名ルーセンタイトSPN]をメチルイソブチルケトンに溶解した溶液、および、シランカップリング剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 商品名KBE-9007)の3種類の添加剤(すなわち、上記リン系酸化防止剤、粘土鉱物とシランカップリング剤)が添加された赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液[複合タングステン酸化物微粒子Cs0.33WO3濃度:17.4重量%の住友金属鉱山(株)社製 商品名YMF−02AA3]と、アクリル系分散剤を用いてトルエン中に分散させた酸化亜鉛(住友金属鉱山株式会社製)と、表3に記載された架橋剤とを、表3に記載された割合で上記主剤と混合し、実施例7に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を調製した。尚、実施例7に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の組成を表3に示す。
Figure 2011065146
次に、厚さ50μmのPETフィルム上にドクターブレードを用い実施例7に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を塗布し、かつ、80℃で2分乾燥させて塗布膜の厚さが25μmとなるように粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を形成すると共に、この粘着層(赤外線遮蔽粘着膜)を厚さ3mmのガラス基板に張り合わせて実施例7に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[実施例8]
実施例7で添加した酸化亜鉛の添加量を表4に示す「0.002重量部」に変更した以外は実施例7と同様にして実施例8に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。尚、実施例8に係る赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液の配合の割合は表4の通りである。
Figure 2011065146
[比較例1]
実施例1で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)を添加しないこと以外は実施例1と同様にして比較例1に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[比較例2]
実施例1で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、「二次酸化防止剤」であるイオウ系酸化防止剤のジ−トリデシル−チオジプロピオネート[(株)ADEKA社製 商品名アデカスタブAO-503]を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2に係る試験サンプル(赤外線遮蔽粘着膜)を得た。
[比較例3]
実施例1で使用したリン系酸化防止剤(ジフェニルオクチルホスファイト)に代えて、ラジカルを捕捉する「一次酸化防止剤」である4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール[チバ・ジャパン(株)社製 商品名イルガノックス1520L]を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)を得た。
[測定条件]
装置 恒温恒湿槽 FX414P [楠本化成(株)社製]
分光光度計 U−4000 [(株)日立ハイテクフィールディング製]
[耐湿熱製試験]
試験サンプルについて、80℃、95%RHの環境で7日間暴露後、波長820nmの透過率を測定した。
[波長820nmの透過率]
波長800nm〜850nmの透過率を測定して820nmの透過率を測定した。
[試験サンプルの評価方法]
試験前の各実施例並びに各比較例に係る試験サンプル(赤外線遮蔽光学部材)について波長820nmでの透過率をそれぞれ測定し、これを「0日」として耐湿熱性試験を行った。
耐湿熱性試験は、80℃、95%RHの恒温恒湿槽に7日間保管することで行った。
透過率の測定は、分光光度計U−4000[(株)日立ハイテクフィールディング製]を使用し、「7日目」と「0日目」の透過率の差[ΔT/(%)]を算出した。
耐湿熱性試験の結果を、以下の表5に示す。
Figure 2011065146
[評 価]
(1)実施例1〜3と比較例1ではリン系酸化防止剤の添加の有無が異なる。
これ等を対比すると、波長820nmでの変化率(透過率の差)[ΔT/(%)]が、実施例1〜3では7.28〜7.95(%)であるのに対し比較例1では9.57(%)であり、リン系酸化防止剤が添加された実施例1〜3の優位性が確認された。
(2)実施例1〜3は、「二次酸化防止剤」であるリン系酸化防止剤の種類を変えたものであり、リン系酸化防止剤であれば種類を変えても酸化防止剤の添加効果が確認される。
(3)比較例2は、「二次酸化防止剤」であるイオウ系酸化防止剤を添加しているもので、リン系酸化防止剤と異なり、酸化防止剤の添加効果は確認できなかった。
(4)比較例3は、ラジカルを捕捉する「一次酸化防止剤」のヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加しているもので、酸化防止剤の添加効果は確認できなかった。
(5)実施例4〜6と比較例1ではリン系酸化防止剤と粘土鉱物の添加の有無が異なる。
これ等を対比すると、波長820nmでの変化率(透過率の差)[ΔT/(%)]が、実施例4〜6では6.12〜6.42(%)であるのに対し比較例1では9.57(%)であることからリン系酸化防止剤と粘土鉱物が併用して添加された実施例4〜6の優位性が確認され、更に、上記数値が7.28〜7.95(%)である実施例1〜3と比較して実施例4〜6の優位性が確認される。
(6)実施例4〜6は、粘土鉱物の種類は変えず、「二次酸化防止剤」であるリン系酸化防止剤の種類を変えたものであり、リン系酸化防止剤であれば種類を変えても酸化防止剤の添加効果が確認される。
(7)実施例7〜8と比較例1では、リン系酸化防止剤、粘土鉱物、シランカップリング剤、酸化亜鉛の添加の有無が異なる。
これ等を対比すると、波長820nmでの変化率(透過率の差)[ΔT/(%)]が、実施例7〜8では4.21〜4.41(%)であるのに対し比較例1では9.57(%)であることから、リン系酸化防止剤、粘土鉱物、シランカップリング剤、酸化亜鉛の4種類が併用して添加された実施例7〜8の優位性が確認され、更に、上記数値が7.28〜7.95(%)である実施例1〜3および上記数値が6.12〜6.42(%)である実施例4〜6と比較して実施例7〜8の優位性が確認される。
(8)実施例7〜8は、酸化亜鉛の添加量を変えたものであり、酸化亜鉛の添加量が多いほど添加効果が確認される。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用多層フィルターの赤外線遮蔽粘着膜によれば、高い可視光透過率と近赤外線吸収性を維持したまま湿熱に対しても優れた耐性を発揮するため、プラズマディスプレイパネルに組み込んで適用される産業上の利用可能性を有している。
11 前面ガラス基板(フロントカバープレート)
12 表示電極
13 誘電体ガラス層
14 酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層
15 背面ガラス基板(バックプレート)
16 アドレス電極
17 隔壁
18 蛍光体層
19 放電ガスを封入する放電空間

Claims (16)

  1. 赤外線遮蔽材料微粒子が溶媒中に分散された分散液により構成され、かつ、皮膜形成用材料である(メタ)アクリル系ポリマーが使用時に添加される赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液において、
    一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表記される複合タングステン酸化物微粒子から選択される1種以上の酸化物微粒子により上記赤外線遮蔽材料微粒子が構成されると共に、リン系酸化防止剤が上記溶媒中に含まれていることを特徴とする赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  2. 上記リン系酸化防止剤が、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)から選択される1種類以上のリン系酸化防止剤で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
    Figure 2011065146
    [但し、式(I)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、rはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、かつ、p+q+r=3である。]
    Figure 2011065146
    [但し、式(II)中、R〜Rは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、sはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、かつ、p+q+r+s=4である。]
    Figure 2011065146
    [但し、式(III)中、R〜R7は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基、または、上記アルキル基内の一部水素原子がフェニル基に置換された官能基を表すと共に、p、q、r、s、t、uはそれぞれ独立して0〜6の整数を表し、かつ、p+q+r+s+t+u=6である。]
  3. 粘土鉱物が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  4. 上記粘土鉱物が、石英、クリストパライト、長石類、雲母、ゼオライトから選択されるベントナイト、または/およびモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイトから選択されるスメクタイトを含むことを特徴とする請求項3に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  5. シランカップリング剤が含まれていることを特徴とする請求項3または4に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  6. 上記シランカップリング剤が、下記一般式(IV)から選択される1種類以上のシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
    Figure 2011065146
    [但し、式(IV)中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される直鎖アルキル基を表し、Xは、ビニル基、エポキシ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基から選択される官能基を表す。]
  7. 上記タングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.45≦z/y≦2.999)で表記される組成比のマグネリ相を含むことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  8. 一般式MxWyOzで表記される上記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶若しくは立方晶の結晶構造の1つ以上を含むことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  9. 上記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの内の1種類以上を含み、かつ、六方晶の結晶構造を有することを特徴とする請求項8に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用分散液に、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤から選択される少なくとも1種類の架橋剤が添加されて成ることを特徴とする赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液。
  11. 酸化亜鉛が含まれていることを特徴とする請求項10に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液。
  12. 上記(メタ)アクリル系ポリマーが、
    (a-1)アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステルで構成されるか、あるいは、
    (a-2)上記(a-1)と共重合可能なその他のモノマーが重合してなるポリマーで構成されることを特徴とする請求項10または11に記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液。
  13. プラズマディスプレイパネル用多層フィルターの第一基材面上またはプラズマディスプレイパネル面上に、請求項10〜12のいずれかに記載の赤外線遮蔽粘着膜形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、かつ、該塗布膜をエージング処理して得られることを特徴とする赤外線遮蔽粘着膜。
  14. 上記第一基材と、この第一基材面上に形成された請求項13に記載の赤外線遮蔽粘着膜とで構成されることを特徴とする赤外線遮蔽光学部材。
  15. 請求項14の赤外線遮蔽光学部材が組み込まれていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用多層フィルター。
  16. 請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル用多層フィルターが設けられていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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