JP2011063928A - 塗工ライナおよびその製造方法、ならびにそれを用いた段ボール - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷適性が良好で美粧性を確保でき、古紙としてリサイクルが可能なライナ、当該ライナを用いた段ボール、および当該ライナの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナであって、塗工層は、顔料として再生無機粒子を含有することを特徴とする、ライナ。
【選択図】なし

Description

本発明は、段ボールに好適に用いられるライナに関し、更に詳しくは、印刷適性が良好で美粧性を確保しながら、古紙として回収しリサイクルが可能なライナに関するものである。
例えば、冷凍えびや油分を含んだピザ、コロッケ、フライドポテト、天ぷら、シュウマイ、たこ焼きなどの種々の冷凍、冷蔵品や生鮮食品を梱包する段ボールケースにおいては、特に耐油性が要求されるため、一般にポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネート加工したライナ、あるいはワックスを含浸させたライナが用いられていた。しかし、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネート加工したライナは、古紙として回収しリサイクルすることが困難であり、環境の観点から問題がある。よって、上記の用途の梱包材料に、ポリエチレンをコートしたライナ並の耐油性を持たせ、古紙として回収しリサイクルが可能な耐油ライナの開発が望まれてきた。
尚、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネート加工したライナが、リサイクルされない他の原因としては、これらのライナを一般古紙に混入させてリサイクルすると、抄紙工程でスクリ−ンが詰まり、操業トラブルの原因となり、製品とならない。従って、一般古紙への混入は行わないで、廃棄処分されている。しかし、近年に於いては環境保護のためにリサイクル運動が各地で盛んに行われており、ますます古紙を回収し、原料として再生し、再び紙製品としてリサイクルすることが望まれ、機能性を付与した特殊紙も例外扱いすることはできない。
そこで、上記の耐油性の要求品質及び/又は回収再生等リサイクル性を満足する耐油紙に関して、種々の提案(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照。)が知られている。
特許文献1〜3に記載された発明は、フッ素系耐油剤を使用したものであり、このフッ素系耐油剤を添加することにより、高い耐油度を有する加工紙が得られ、ポリエチレンコート紙、グラシン紙、パーチメント紙及びワックス含有紙よりも優れた耐油性が得られるといわれている。しかし、フッ素系耐油剤は、加工紙に撥水性も付与されるため、各種印刷方式による印刷適性が悪くなり、水系での離解によるリサイクルが困難となるという問題がある。
このようなフッ素系耐油剤における問題の解決を試みた特許文献4では、顔料とアクリル系ディスパージョンとスチレンブタジェン系ディスパージョンの混合物を表面に塗工した製袋用等に使用する耐水耐油紙が紹介されている。
特開昭55−80599号公報 特開平9−87994号公報 特開平8−209590号公報 特開2002−13095公報
上記特許文献4によると、印刷適性が改善され、回収再生等リサイクルが可能となるようであるが、十分とは言えない。また、冷凍庫や冷蔵庫等の低温下で冷凍食品等のケースに段ボールを使用する場合、段ボールの折り返し罫線部で塗被層が割れ、耐油性が損なわれることがある。段ボールの耐油性が失われると、上記ケースが潰れやすくなる問題もある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、印刷適性が良好で美粧性を確保でき、古紙としてリサイクルが可能なライナ、当該ライナを用いた段ボール、および当該ライナの製造方法を提供することを課題とする。
第1の発明は、基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナであって、前記塗工層は、前記顔料として再生無機粒子を含有することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、前記ライナの最表層を構成するパルプに、針葉樹クラフトパルプが40〜80質量%含まれていることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、前記バインダーの含有量が前記顔料100質量部に対して、固形分で20〜200質量部であることを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれか1つの発明のライナを用いた段ボールである。
第5の発明は、基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナの製造方法であって、前記基紙の最表層に使用されている紙層に、少なくとも針葉樹クラフトパルプを使用した前記基紙に、前記顔料として再生無機粒子を含有する塗工液をバーコータで塗工することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、前記塗工液の乾燥塗工量が4〜25g/m2であることを特徴とする。
第1の発明によれば、廃棄物としての埋立などの処分が不要であり、環境に優しく、省資源に貢献する循環使用可能な再生無機粒子を顔料として使用することにより、新たな無機粒子の使用量を抑えることができるため製造コストが低く、古紙としてリサイクルが可能でありながら、良好な印刷適正を有するライナを得ることができる。
第2の発明によれば、ライナの最表層を構成する原料パルプに針葉樹クラフトパルプが40〜80質量%含まれることにより、美粧性を確保しつつ、低温条件下においても罫線部での割れが生じ難いライナを得ることができる。
第3の発明によれば、前記バインダーの含有量が前記顔料100質量部に対して、固形分で20〜200質量部であることにより、耐油性と印刷適性とが最適化されたライナを得ることができる。
第4の発明によれば、製造コストが低く、古紙としてリサイクルが可能でありながら、良好な印刷適正を有する段ボールを得ることができる。
第5の発明によれば、製造コストが低く、古紙としてリサイクルが可能でありながら、良好な印刷適正を有するライナを製造することができる。
第6の発明によれば、製造コストが低く、古紙としてリサイクルが可能でありながら、さらに良好な印刷適正を有するライナを製造することができる。
以下、本発明のライナの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態のライナは、基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナである。段ボールに使用されるライナは、複数層例えば5層の紙層を有し、その最表層が白色である白ライナが美粧印刷などの各種印刷を施すのに好適である。勿論、最表層の紙層を染料で染色したカラーライナであっても良い。
一般的な白ライナには、段ボールケースに使用されるライナとしての圧縮強度、また美粧性を得るための印刷適性が要求される。この場合、必要な強度は白ライナの中層や裏層に使用する原料を段ボール古紙や雑誌古紙、あるいは地券古紙等から選択し、又紙力増強剤などの薬品により調整する。一方、白ライナの最表層は、印刷適性を高めるために、すなわち、最表層が平坦で緻密になるようにパルプ繊維が細く短い広葉樹クラフトパルプからなる上白古紙やあるいはバージン広葉樹クラフトパルプだけを適宜組合せ、いずれにしても広葉樹クラフトパルプを用いることが一般的である。一般的な段ボールケースの使用方法においては、これらの原料構成であっても特に罫線部の割れが発生することはない。しかしながら、本発明のような耐油性能を付与した特殊なライナには、冷凍庫や冷蔵庫の低温化という過酷な条件下で使用したとしても、罫線部の割れを生じず、かつ美粧性を得るための良好な印刷適性が必要である。そこで本発明者らは鋭意研究の結果、以下に説明する顔料、バインダーを主成分とする塗披液の構成と最表層の原料構成との相乗効果により、必要な耐油度を保ちながら低温化でも罫線部の割れがなく、印刷適性にも優れる段ボール用ライナを得ることができた。すなわち、本発明の塗披液の構成とライナ最表層の原料構成においてライナの最表層を構成する原料パルプとしては、針葉樹クラフトパルプを40〜80質量%含むことが必要である。特に針葉樹クラフトパルプを50〜60質量%含有することがより好ましい。最表層中に針葉樹クラフトパルプが80質量%を越えて含有した場合には、印刷適性が劣り美粧性を確保できない。また針葉樹クラフトパルプが40重量%未満になると、本発明の塗披液を使用しても低温条件下においては、罫線部での割れが生じてしまうのである。
以下、5層の紙層からなるライナを例に説明する。ライナが5層の場合、塗被層を設ける最表層(1層目)の紙層は、針葉樹クラフトパルプと上質紙(LBKP、NBKPを原料として抄造した紙)の裁落や白損などから成る上白古紙を主原料とする原料パルプを用いて抄造し、表下層(2層目)の紙層は、上白古紙と印刷用塗被紙などの各塗被紙の裁落、白損から成るケント古紙などを配合したものを主原料とする原料パルプを用いて抄造し、中間層(3〜4層目)及び裏層(5層目)の紙層は、紙器製造時に発生する裁落、損紙、新聞古紙、雑誌古紙などを原料として抄造した白ボールなどから成る地券古紙や段ボール古紙を主原料とする原料パルプを用いて抄造される。このようなライナは長網抄紙機、円網抄紙機などにより各層の紙層を順次抄き合わせることによって抄造される。ライナの坪量は、120〜400g/m2程度のものが、保存用、輸送用の段ボールケースなどに用いるのに適している。
こうして抄造されたライナの最表層上には塗工液が塗工される。塗工液を構成するバインダーとしては、アクリル酸エステル共重合体などの耐油性を有するものが用いられる。バインダーにアクリル酸エステル共重合体を用いることにより、ライナが段ボールケースに加工された後に、特に冷凍庫や冷蔵庫の低温下という過酷な条件で使用された場合でも、段ボールケースにおいて特有に要求される罫線部での塗被層の割れを防止することができ、耐油性を確保することができる。特に、アクリル酸エステル共重合体でガラス相転移点(Tg) が1度以下のものが好適に使用でき、−5度以下のものがより好適に使用できる。こうすることで、本発明で得られるライナを、油分を含んだ生鮮食品はもちろんのこと、冷凍庫、冷蔵庫で使用する段ボールケースとして使用しても罫線部で塗工層が割れることがない。具体例としては例えば新中村化学工業株式会社製の商品名「ニューコートMT−2780SS」(Tg=−12)などが好適に用いられるが、勿論これに限定されるものではない。
また、塗被層は、顔料100重量部に対し、バインダーを20〜200部含有するものが好適に使用でき、バインダーを25〜60部含有するものがより好適に使用できる。こうすることで、耐油性と印刷適性の最適化を図ることができる。バインダーの配合量が20部より少ないと耐油性が不十分となり、バインダーの配合量が200部を超えると塗被液に占める顔料の割合が少なくなりすぎるため印刷適性が不良となり、フレキソ印刷やグラビア印刷により美粧性を確保することができない問題が生じる。
塗工液を構成する顔料としては、再生無機粒子、炭酸カルシウム、クレーが好適に使用できる。粒度は1〜10μmのものが好適である。具体的には、炭酸カルシウム「PX」(白石工業製、平均粒度1.8μm)や、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程、粉砕工程を経て得られた、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含有し、かつ、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が、90質量%以上である再生無機粒子などが好適に用いられる。
顔料として再生無機粒子、炭酸カルシウム、クレーを含む粉粒体を用いることにより、良好な印刷適性を呈し、フレキソ印刷やグラビア印刷により美粧性を確保することができるが、中でもカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含有する再生無機粒子は、炭酸カルシウム、クレー、又シリカ粒子の特徴を併せ持ち、良好な印刷適性を発揮するとともに、その粒子構造が多孔性であることから保湿性に優れ、段ボールケースにおいて特有に要求される罫線部での塗被層の割れを抑制する効果を保有するので好ましい。
これらの顔料の配合比は、固形分質量比で、顔料とバインダーを100:20〜200の重量比率とするのが好適である。この配合比率よりバインダーの配合量が少ないと、耐油性が不十分となり、逆に顔料の配合量が少ないと印刷適性が不良となり、フレキソ印刷やグラビア印刷により美粧性を確保することができない。
前記再生無機粒子について詳細を説明すると、本発明で使用する再生無機粒子は、脱墨フロスを焼成して得られた循環使用可能なものなので、廃棄物としての埋立などの処分が不要であり、環境に優しく、省資源に貢献するものである。また、原料が古紙処理工程から発生する脱墨フロスであるため安価であり、新たな無機粒子の使用量を抑えることができるため、製造コストが削減される。
また、この再生無機粒子は、カルシウムが酸化物換算で30質量割合以上とされているので、内添した紙の白色度が高くなる。炭酸カルシウムには、六方結晶系のカルサイト結晶(方解石)や、斜方結晶系のアラゴナイト結晶(あられ石)などの同質異像があり、天然に産する石灰石はそのほとんどがカルサイト系で、貝殻類にはカルサイト結晶のほかアラゴナイト結晶がある。また、炭酸カルシウムには、天然には存在しないがバテライト系がある。脱墨フロスから得られるカルシウムは多種多様であるが、焼成凝集化することでほぼ均一の炭酸カルシウム性状となる。したがって、無機微粒子そのものの品質安定性に寄与し、異なる成分で構成される凝集体でありながら、性状が安定した無機微粒子が得られる。
また、この再生無機粒子は、ケイ素を含むところ、ケイ素からなるシリカの1次粒子は微細なので、光学的屈折率が高い。したがって、ケイ素が酸化物換算で9質量割合以上とされている再生無機粒子を顔料として使用した場合、吸水性に優れる特徴がある。耐油性をもつバインダーは、その機能に反し、インクの吸水性を阻害するため、ケイ素が酸化物換算で9質量割合以上とされている再生無機粒子を顔料として使用することで、吸水性を保持し、良好な印刷を行うことができる。
以上のように調製した塗工液をバーコータなどの塗工機により4〜25g/m2の塗工量でライナの最表層の表面上に塗工する。塗工量が4g/m2未満では、十分な耐油性及び印刷適性を確保できず、25g/m2を越えると、効果が頭打ちとなって薬品コストが高くなる。また、冷凍えびや油分を含んだピザ、コロッケ、フライドポテト、天ぷら、シュウマイ、たこ焼きなどの種々の冷凍、冷蔵品や生鮮食品に用いられる段ボールケースにおいて満足する耐油性及び良好な印刷適性を確保し、またライナ製造時のコスト、操業性などを考慮すると、塗工量は6〜12g/m2とすることがより好ましい。
もちろん、原紙への塗被液の塗工方法は、バーコータに限ったものではなく、一般的に用いられるブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、カーテンコータ、サイズプレスコータ等の塗工装置によって行うことができる。
こうして塗工液を塗工した後、必要に応じて、マシンカレンダーにてカレンダー処理を行っても良い。
なお、塗工液を塗工する前の原紙のサイズ度は、JIS8140に準じて行い、蒸留水との接触時間は120秒として、60g/m2〜150g/m2とすることが好ましい。紙面の白紙光沢、印刷光沢を高めるために、ライナ表面に顔料とバインダーを塗被するいわゆるコートライナの場合、原紙表面のコブサイズ度を40〜60g/m2とすることが一般的である。しかし、冷凍えびや油分を含んだピザ、コロッケ、フライドポテト、天ぷら、シュウマイ、たこ焼きなどの種々の冷凍保存や冷蔵保存に用いられる段ボールケースでは、特別、使用される過酷な温度環境と耐油性を確保する必要性から、塗工液を塗工する前の原紙のサイズ度は60g/m2〜150g/m2とすることが好ましい。
すなわち、60g/m2未満のサイズ効果の高い原紙に塗工液を塗被した場合は、塗被液中のバインダーが原紙に浸透する割合が少なく、塗被層と原紙の接着強度が弱いために、段ボールケースに加工後、罫線部を折り曲げた際に、塗被層と原紙が剥離するという問題が生じる。一方、150g/m2を超えるサイズ効果の低い原紙に塗工液を塗被した場合は、塗被液中のバインダーが原紙に浸透しすぎ、要求される耐油性を確保することが難しくなる。
次に、本発明のいくつかの実施例と比較例を説明する。
(実施例1)
第1層の最表層は針葉樹クラフトパルプと上白古紙を40:60の重量比で配合した原料スラリーを用い、第2層の表下層は上白古紙とケント古紙を50:50の重量比で配合した原料スラリーを用い、第3層〜第5層の中間層及び裏層は地券古紙を原料スラリーに用い、これらの第1〜第5層の紙層を抄き合わせ、ライナの最表層上に次の組成顔料として炭酸カルシウム(商品名:「炭酸カルシウムPX」/白石工業製)100部に対し、バインダーとしてアクリル酸エステル(Tg=3℃)15部を混合して調製した塗工液をバーコータにて2g/m2の塗工量で塗工し、その後マシンカレンダーにて、線圧30kgf/cmの条件でカレンダー処理し、坪量が220g/m2の5層構造のライナを得た。なお、実施例で使用した上白古紙の原料パルプはLBKP100%であった。また、このライナに塗工液を塗工する前の原紙のコブサイズ度は100g/m2であった。
(実施例2〜14)
最表層の原料配合、塗被する顔料、顔料とバインダーの比率、バインダーのTg、塗工量を表1のとおり変えた以外は実施例1と同様にライナを得た。
(比較例1)
塗被するバインダーにPVA(ポリビニールアルコール/Tg=65℃)を用いた以外は、実施例6と同様にした。
(比較例2)
塗被するバインダーにスチレン−アクリル共重合体(商品名:「ボンコート5462K」/大日本インキ化学工業(株)/Tg=6℃)を用いた以外は、実施例6と同様にした。
(比較例3)
第1層の最表層の原料配合を、針葉樹クラフトパルプと上白古紙を30:70の重量比で配合した原料スラリーを用いた以外は、実施例6と同様にした。上白古紙は実施例で使用した上白古紙と同じものを使用した。
(比較例4)
第1層の最表層の原料配合を、針葉樹クラフトパルプと上白古紙を90:10の重量比で配合した原料スラリーを用いた以外は、実施例6と同様にした。上白古紙は実施例で使用した上白古紙と同じものを使用した。
以上の実施例1〜14及び比較例1〜4のライナについて、耐油度の測定を行った。また、印刷適性の評価、罫線部の割れの評価、製造時の操業性・経済性を評価した。
耐油度の評価は、TAPPI UM−557法(キット法)の規定に従い、塗工面表面にひまし油、トルオール、n−ヘキサンの混合比が異なる各種キットNo. の試験液を1滴落とし、15秒後にティッシュペーパーで滴下した試験液を拭き取って、試験液の浸透による汚れ、即ち油分が滲み込んで濡れた部分が生じなくても、はっきりとした黒い点が認められたら、不合格とし、合格した最大の液番号について、5点の平均値をキット指数として表現した。TAPPIUM−557では、最高12級であるが、これ以上の耐油性のものでは、更にトルオールの比率を減少させて、n−ヘキサンを増量したもので測定する方法が提案されており、n−ヘキサン100%のキット液が滲み込まないものを、16級とした改訂法に基づいて測定した。
印刷適性の評価には、JIS−P8129で定めるIGT印刷適性試験機に用いる標準タックグレードインク(品番404.380.000)を用いて、熊谷理機工業(株)製KRK万能印刷適性試験機を用いて印刷しRI印刷適性試験により測定し、次の評価基準
◎:インクの剥がれがなく、印面に影響なし
○:インクの剥がれは僅かにあるが、印面に影響はない
△:インクの剥がれがあり、印面に下地の現れるところがある
×:インクの剥がれ、印面の下地の現われともはなはだしい
とした。
塗工層の割れの評価には、一般中芯120g/m2と貼合したA段の両面段ボールシートを製作し、10cmの罫線部を含む試験片を−15℃の冷蔵庫に24時間置いた後、罫線部を90度折り曲げて、罫線部を目視確認して
◎:塗工層の割れが全くない
○:塗工層表面にのみわずかな亀裂がある
△:塗工層は割れているが、原紙は割れていない
×:塗工層が明らかに割れ、割れは原紙まで達している
とした。
Figure 2011063928
実施例1〜14及び比較例1〜4のライナについての、耐油度の測定結果、印刷適性の評価、罫線部の割れの評価、製造時の操業性・経済性の評価を表1に示した。
表1によれば、ライナの最表層を構成するパルプに針葉樹クラフトパルプが40〜80%含まれ、最表層の表面に、アクリル酸エステル共重合体から成るバインダーと炭酸カルシウムや再生無機粒子の粉粒体(再生填料)から成る顔料とを含む塗被層を設け、耐油度(キット数)を12級以上とした各実施例1〜14からは、各々の組成による特性、特に再生填料を用いた場合の優位な特長が、表1から読み取れるが、全体として印刷適性、罫線部の割れ及び製造時の操業性・経済性の何れに対しても要求が満たされていることが分かる。これに対して、比較例のようにバインダーとしてPVAを用いた場合には、耐油性及び罫線部の割れに対する特性が悪く、スチレン−アクリル共重合体を用いた場合や針葉樹クラフトパルプが40%未満の場合には、罫線部の割れに対する特性が悪く、針葉樹クラフトパルプが60%を大きく超えた場合には、印刷適性が悪くなることが分かる。

Claims (6)

  1. 基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナであって、
    前記塗工層は、前記顔料として再生無機粒子を含有することを特徴とする、ライナ。
  2. 前記ライナの最表層を構成するパルプに、針葉樹クラフトパルプが40〜80質量%含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のライナ。
  3. 前記バインダーの含有量が前記顔料100質量部に対して、固形分で20〜200質量部であることを特徴とする、請求項1または2に記載のライナ。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のライナを用いた段ボール。
  5. 基紙と、基紙上に設けられた、バインダーおよび顔料を含む塗工層とを備えたライナの製造方法であって、
    前記基紙の最表層に使用されている紙層に、少なくとも針葉樹クラフトパルプを使用した前記基紙に、
    前記顔料として再生無機粒子を含有する塗工液をバーコータによって塗工することを特徴とするライナの製造方法。
  6. 前記塗工液の乾燥塗工量が4〜25g/m2であることを特徴とする請求項5に記載のライナの製造方法。
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