JP2011062825A - 昇華型熱転写媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、表面に昇華性染料を樹脂バインダ中に含む染料層、並列に設けられた剥離可能な保護層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、該保護層は、厚さが1〜6μmの樹脂バインダと該樹脂バインダに分散された球状のフィラーからなり、該フィラーの平均粒径と該バインダ層との厚みとの比が0.5〜1.3の範囲であることを特徴とする昇華型熱転写媒体
【選択図】図1
Description
この様に用途の多様化と共に、得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では、印画数の増加やプリンタの高速化に対応したサーマルリボンの高感度化も進んでいる。
代表的なスティッキングは、サーマルリボンがサーマルヘッドの熱により、サーマルヘッド若しくは、受像紙と融着しサーマルリボンの走行が部分的に停止するため線状に濃淡ムラを生じる現象であり、ひどい場合にはサーマルリボンが切れる場合も観察される。そこで、サーマルリボンが印画時の熱に耐えるようにさまざまな耐熱処理が提案されている。
図1は、本発明の昇華型熱転写媒体の一実施形態の平面図である。図2は、本発明の昇
華型熱転写媒体の図1のX−Yにおける断面図であり、熱転写型のプリンタで使用される昇華型熱転写媒体の例を示している。図3は、保護層の樹脂層中に分散されたフィラーの例を模式的に示している。
ここで、保護層(3)はその機能により、基材から保護層を離型させるための離型層、離型層から剥離させるための剥離層、更には被転写体へ接着させるための接着層といった複数の層からなる積層体から形成されることがある。
また、保護層に機能を付与する機能性添加剤の一例を挙げると、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ベンゾエート、トリアジン系に代表される紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系に代表される光安定剤、ヒンダードフェノール系に代表される酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
また、バインダ樹脂としては、熱溶融性が必要とされる以外特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類である。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好適である。
印画時の保護層の接着力が低下しないためにフィラーの粒径は(式1)の範囲であることが求められる。
φr/Oh=0.5〜1.3 (式1)
φrはフィラーの粒径
Ohは保護層の厚み
添加できるフィラーとしては無機系及び有機系のフィラーで球状のものが使用できる。たとえばシリコーンフィラー、メラミン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー、ポリエチレンフィラー、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物フィラー等が使用できるが、これらに限定されず球状フィラーであれば使用できる。また、添加比率としてはフィラー/バインダ=0.5/100から20/100が好ましくこの範囲で樹脂の切れの程度や転写不良の起こらないことを考慮して適宜添加できる。
(実施例1)
エポキシアクリレート 45.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 20.0部
開始剤 1.0部
シリコーンオイル 6.0部
シリカ 3.0部
メチルアルコール 25.0部
アクリル樹脂 10.0部
ポリエステル樹脂 5.0部
エポキシ樹脂 5.0部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 5.0部
シリコーンフィラー(粒径約2μm) 2.0部
トルエン 35.0部
メチルエチルケトン 40.0部
C.I.ソルベントイエロー93 3.0部
C.I.ソルベントイエロー16 1.0部
ポリビニルアルコール樹脂 1.0部
ポリ酢酸ビニル樹脂 4.0部
シリコーンフィラー(粒径約2μm) 0.5部
テトラヒドロフラン 60.0部
トルエン 31.0部
C.I.ディスパースレッド60 1.5部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.5部
ポリビニルアルコール樹脂 1.0部
ポリ酢酸ビニル樹脂 4.0部
シリコーンフィラー(粒径約2μm) 0.5部
テトラヒドロフラン 60.0部
トルエン 32.0部
C.I.ソルベントブルー63 3.0部
ポリビニルアルコール樹脂 1.0部
ポリ酢酸ビニル樹脂 4.0部
シリコーンフィラー(粒径約2μm) 0.5部
テトラヒドロフラン 60.0部
トルエン 32.0部
基材として厚み4.5μmのポリエステルフィルムを用いて、グラビアコート法により、基材の一方の面に、耐熱樹脂層形成用インクを乾燥厚0.8μmで形成して耐熱樹脂層を得た。他方の面の所定位置に、剥離層形成用インクを用いて、剥離層を乾燥厚0.8μmで形成したのち、剥離層上に、保護層形成用インクを用いて、保護層を乾燥厚2.0μmで形成して2層構成の保護層を形成した。次いで所定位置に染料層形成用イエローインク、マゼンタインク、シアンインクを用いて、染料層を各乾燥厚1.0μmで面順次に形成し染料層を備えた昇華型熱転写媒体を作成した。なお、剥離層形成インク以外は実施例1記載の材料およびインクを使用した。ここで、保護層にはシリコーンフィラーを添加して(式1)=1程度になるように調整した。
アクリル樹脂 18.0部
ポリエステル樹脂 1.0部
ポリエチレンパウダーワックス 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
保護層形成用インク以外は前記実施例2と同様にして昇華型熱転写媒体を作成した。なお、染料層形成用インクは以下のインクを使用した。ここで、保護層にはシリコーンフィラーを添加して(式1)=0.5程度になるように調整した。
<保護層形成用インク>
アクリル樹脂 10.0部
ポリエステル樹脂 5.0部
エポキシ樹脂 5.0部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 5.0部
シリコーンフィラー(粒径約1μm) 1.0部
トルエン 35.0部
メチルエチルケトン 40.0部
保護層形成用インク以外は前記実施例2と同様にして昇華型熱転写媒体を作成した。なお、保護層形成用インクは以下のインクを使用した。
アクリル樹脂 10.0部
ポリエステル樹脂 5.0部
エポキシ樹脂 5.0部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 5.0部
トルエン 35.0部
メチルエチルケトン 40.0部
保護層形成用インク以外は前記実施例2と同様にして昇華型熱転写媒体を作成した。ここで、保護層にはシリコーンフィラーを添加して(式1)=2.5程度になるように調整した。
アクリル樹脂 10.0部
ポリエステル樹脂 5.0部
エポキシ樹脂 5.0部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 5.0部
シリコーンフィラー(粒径約5μm) 1.0部
トルエン 35.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<被転写体の作製>
発泡ポリエステルフィルム:厚さ188μm
<昇華熱転写用受像層形成用インク>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 20.0部
シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 39.5部
実施例1,2、3、比較例1、2で作成した昇華型熱転写媒体を、上記被転写体と組み合わせサーマルシミュレーターにより、表1に示す条件で、ISO SCID画像の印画を行い、各々の印画物を得た。印画物を確認し、その印画性を比較した。印画性の比較結果を表2に示した。
2…耐熱性樹脂層
3…保護層
4…染料層
4Y…染料層(イエロー)
4M…染料層(マゼンタ)
4C…染料層(シアン)
φr…フィラーの粒径
Oh…染料層の厚み
Claims (3)
- 基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、表面に昇華性染料を樹脂バインダ中に含む染料層、並列に設けられた剥離可能な保護層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、該保護層は、厚さが1〜6μmの樹脂バインダと該樹脂バインダに分散された球状のフィラーからなり、該フィラーの平均粒径と該バインダ層との厚みとの比が0.5〜1.3の範囲であることを特徴とする昇華型熱転写媒体。
- 剥離可能な保護層は複数の層からなる積層体で構成され、少なくとも基材から保護層を剥離させる剥離層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写媒体。
- 染料層がイエロー、マゼンタ、シアンの順に並びシアンに次いで剥離可能な樹脂層である保護層が並列にパターン印刷されていることを特徴とする請求項1または2に記載の昇華型熱転写媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009213000A JP2011062825A (ja) | 2009-09-15 | 2009-09-15 | 昇華型熱転写媒体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009213000A JP2011062825A (ja) | 2009-09-15 | 2009-09-15 | 昇華型熱転写媒体 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2009213000A Pending JP2011062825A (ja) | 2009-09-15 | 2009-09-15 | 昇華型熱転写媒体 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-09-15 JP JP2009213000A patent/JP2011062825A/ja active Pending
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