JP2011055779A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、旋回外側の後輪がスリップするようなときのみ旋回内側の後輪を駆動して走行不能に陥らないようにし、悪条件化でも旋回がスムースに行えるようにする。
【解決手段】制御部(163)に左右の後輪の回転数を検出する後輪回転センサ(205)を設け、断続的入り切り制御機能(B1)は、後輪回転センサにより検出された旋回外側の後輪の回転数に基づいて旋回内側の後輪の設定回転数を所定の演算式にて演算して設定するが、演算式は設定回転数を前記旋回外側の後輪の回転数よりも小さい値に設定する。設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が大きいときは旋回内側のサドクラッチを切りにし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さいときは旋回内側のサイドクラッチを入にする構成とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、苗植付装置などの作業部を備えた作業車両に関するものである。
特許文献1に記載された技術は、左右の後輪への伝動を各別に断続するサイドクラッチと、前輪が直進姿勢から設定角度以上に操向されることに連動して旋回内側のサイドクラッチを切り操作する自動操向機構を備え、前輪が直進姿勢から設定角度以上に操向されている状態が検出されると、旋回内側の後輪に対するサイドクラッチを間欠的に入り切り制御することによって、小回り旋回を可能とし、後輪による圃場の荒らしを少なくするようにしたものである。
特開2004−196000号公報
特許文献1に開示された技術に対し、本発明による場合は、旋回外側の後輪の回転数を検出し、検出された旋回外側の後輪の回転数の所定以下(約5分の1)の値を旋回内側の後輪の設定回転数に設定し、設定回転数より検出される旋回内側の後輪の回転数が大きいときは旋回内側のサイドクラッチを切りにし、設定回転数より検出される旋回内側の後輪の回転数が小さいときは旋回内側のサイドクラッチを入りにすることによって、旋回外側の後輪がスリップするようなときのみ旋回内側の後輪を駆動して走行不能に陥らないようにし、悪条件化でも旋回がスムースに行えるようにする。
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、原動機(E)を備える走行車体(2)と、左右の前輪(10,10)及び原動機からの動力により駆動する左右の後輪(11),(11)と、前記走行車体上に設けた運転席(31)と、走行車体を操向操作する操向ハンドル(34)と、該操向ハンドルの操作に連動して左右の前輪(10,10)を操舵するステアリング機構(87)と、前記走行車体の後側に昇降リンク装置(3)を介して昇降可能に装着された作業部(4)と、原動機からの動力を左右の後輪(11),(11)へ伝達するサイドクラッチを設け、制御部(163)に左右の後輪の回転数を検出する後輪回転センサ(205)を設け、断続的入り切り制御機能(B1)は、後輪回転センサにより検出された旋回外側の後輪の回転数に基づいて旋回内側の後輪の設定回転数を所定の演算式にて演算して設定するようにし、演算式は、設定回転数を前記旋回外側の後輪の回転数よりも小さい値に設定する構成とし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が大きいときは旋回内側のサドクラッチを切りにし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さいときは旋回内側のサイドクラッチを入にする構成としてあることを特徴とする。
操向ハンドル(34)の操作によって前輪(10,10)が左又は右に操向操作されると、左右の後輪(11,11)が左又は右に向けて旋回制御される。
所定の回転数に設定された設定回転数よりも、検出される旋回内側の後輪の回転数が大きくなると、旋回内側のサドクラッチを切りにし、また、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さくなったときは、旋回内側のサイドクラッチを強制的に入りにすることによって、旋回内側の後輪を所定の回転量だけ強制駆動することができる。従って、旋回外側の後輪がスリップするようなときなどには、旋回内側の後輪を駆動することで走行不能に陥ることがなくなり、円滑な旋回制御が行える。
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記制御部(163)には演算式を補正する補正装置(206)を設けてあることを特徴とする。
旋回内側の後輪(11)の設定回転数は、旋回外側の後輪(11)の回転数より小さい値に設定するが、旋回外側後輪の回転数と旋回内側後輪の回転数の割合を、補正装置(206)により圃場面の硬軟等の条件に応じて適宜に設定変更することができる。
請求項3記載の本発明は、請求項2において、圃場面の土壌の硬軟を検出する硬軟検出装置(207)を設け、該硬軟検出装置(207)により土壌の硬軟が軟らかいと判断されるほど設定回転数が小さくなるように、硬軟検出装置の検出結果に基づいて前記補正装置(206)による補正を行うことを特徴とする。
旋回時、硬軟検出装置(207)が圃場面の「軟」を検出した場合には、旋回内側の後輪の設定回転数が小さくなるように補正し、サイドクラッチを切りにする。硬軟検出装置が圃場面の「硬」を検出した場合には、旋回内側の後輪の設定回転数が大きくなるように補正し、サイドクラッチを入りにして強制駆動する。
請求項1記載の本発明によれば、旋回外側の後輪がスリップするようなときのみ旋回内側の後輪を駆動し、走行不能に陥らないようにでき、旋回が円滑に行える。
請求項2記載の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、走行路の路面条件等に応じて補正装置の補正を行うことにより、適正な走行路面で円滑に旋回することができる。
請求項3記載の本発明によれば、請求項2の効果に加えて、土壌が軟弱でスリップが発生し易い所では、無闇に旋回内側の後輪が駆動しないようにして旋回時における走行経路が大回りにならないようにし、逆に土壌が硬くスリップが発生し難い所では、旋回外側の後輪のスリップの発生で素早く旋回内側の後輪を強制駆動させることができ、旋回内側の後輪が停止することで土壌を激しく荒らすようなことを防止できる。
乗用型田植機の側面図 同上平面図 図3(a)は、図1の乗用型田植機の操向操作に連動する後輪のクラッチ作動機構図(平面図)、図3(b)は、図3(a)の側面図 図3(b)のミッションケース周辺の拡大側面図 図3(a)に油圧式無段変速装置を図示した場合の図 制御ブロック回路図 旋回制御パターンを示す説明図 旋回制御のフローチャート 田植機の操作盤の間欠サイドクラッチ制御調節ダイヤル部分の平面図 田植機の操作盤の植始め調節ダイヤル部分の平面図 制御ブロック回路図 耕起ロータを備えた苗植付部の要部の平面図 旋回制御のフローチャート 畦際旋回パターンを示す平面図 枕地での植付作業状態を示す平面図 田植機の操作機構を示す要部の平面図
以下、この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は本発明を用いた一実施例である粉粒体繰出し装置として施肥装置を装着した乗用型田植機の側面図と平面図である。この乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10,10及び左右一対の後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13,13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸(前輪アクスル)14(図4)に左右前輪10,10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸17を支点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸11aに後輪11,11が取り付けられている。後輪ローリング軸17の後輪ローリング軸フレーム上には後輪の左右傾斜を検出する後輪ローリングセンサが設置されている。
原動機(エンジンE)はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジンEの回転動力が、ベルト伝動装置21及び油圧式無段変速装置23を介してミッションケース12に伝達される。変速レバー16などにより決められるミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構28によって施肥装置5へ伝動される。
エンジンEの上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に運転席31が設置されている。運転席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作する操向ハンドル(ステアリングハンドル)34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム(図示せず)の先端部との間に昇降油圧シリンダー46が設けられており、該シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
苗植付部4は8条植の構成で、フレームを兼ねる苗植付伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51a、…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a、…に供給すると苗送りベルト51b、…により苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51a、…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52、…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にミドルフロート57とサイドフロート56がそれぞれ設けられている。これらフロート(センターフロート55、サイドフロート56、ミドルフロート57)を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55〜57が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52、…により苗が植付けられる。各フロート(センターフロート55、サイドフロート56、ミドルフロート57)は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角制御センサ(図示せず)により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダー46を制御する油圧バルブ、チェックバルブを介して苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…でフロート(センターフロート55、サイドフロート56、ミドルフロート57)の左右両側に取り付けた施肥ガイド(図示せず)、…まで導き、施肥ガイド、…の前側に設けた作溝体(図示せず)、…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。ブロア用電動モータ53で駆動するブロア58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ59を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
苗植付部4には整地装置の一例である整地ロータ27(27a,27b)が取り付けられている。また、苗載台51は苗植付部4の全体を支持する左右方向と上下方向に幅一杯の矩形の支持枠体65の支持ローラ65aをレールとして左右方向にスライドする構成である。
整地ロータ27は、次のような支持構造に支持されている。すなわち苗載台51の前記支持枠体65の両側辺部材65bに上端を回動自在に支持された梁部材66と該梁部材66の両端に固着した支持アーム67と該支持アーム67に回動自在に取り付けられたロータ支持フレーム68が設けられ、該ロータ支持フレーム68の下端には整地ロータ27(サイドロータ27aとセンタロータ27b)の駆動軸70(70a,70b)が取り付けられている。また、該ロータ支持フレーム68の下端部近くは苗植付伝動ケース50に回動自在に取り付けられた連結部材71に連結している。
フロート(センターフロート55、サイドフロート56、ミドルフロート57)との配置位置の関係でセンタフロート55の前方にあるロータ27bはサイドフロート56とミドルフロート57の前方にある各ロータ27aより前方に配置されている。そのためロータ27aの駆動軸70aへの動力は後輪11のギアケース18内のギアから伝達され、ロータ27bの駆動軸70bへは両方のロータ27a,27aの駆動軸70a,70aの車体内側の端部からそれぞれ動力が伝達される。
また、ロータ27bは梁部材66に上端部が支持された一対のリンク部材76,77によりスプリング78を介して吊り下げられている。
また、ロータ上下位置調節レバー81の下端部には折曲片82が固着されており、該折曲片82は支持枠体65に回動自在に支持されている。そして前記レバー81が車両の左右方向に回動操作されると、支持枠体65の両側辺部材65bに回動自在に支持された梁部材66に固着支持された突出部66aの近くを折曲片82が上下に回動する。折曲片82は前記突出部66aの下方を係止しているので、該突出部66aがレバー81の機体右方向の回動で、上向きに梁部材66を中心として回動する。該突出部66aの前記回動により第一リンク部材76の梁部材66との連結部と反対側の端部も梁部材66を中心として上向きに回動する。この第一リンク部材76の上方への回動により第二リンク部材77とスプリング78を介してロータ27bを上方に上げることができる。ロータ27bを上方に移動させると、駆動軸70bと駆動軸70aを介してロータ27aも同時に上方に移動する。
また、苗植付部4を圃場に下げたときに、苗植付部4を水平位置に戻すケーブル45をセンタロータ27bのリンク部材76,77とスプリング78等からなる引上げスプリング部と油圧ピストン46と連動させた構成としている。
このように、センタロータ27bのスプリング78等によるスイング機構の他にケーブル45を設けることで苗植付部4を上昇位置から下降させるごとにセンタロータ27bを水平位置に戻すことができ、センタロータ27bの保持位置を安定化させることができる。
エンジンEの回転動力は、ベルト伝動装置21などを介して油圧式無段変速装置23に伝えられ、油圧式無段変速装置23からの出力はベルト(図示せず)を介してミッションケース12の図示しない入力軸に伝えられる。
苗植付部4は、走行車体2のメインフレーム15に昇降リンク装置3で昇降自在に装着されているが、その昇降させる構成と苗植付部4の構成について説明する。
先ず、走行車体2に基部が回動自在に設けられた一般的な油圧シリンダー46(図1)のピストン上端部を昇降リンク装置3に連結し、走行車体2に設けた油圧ポンプ49(図4,図5)により油圧シリンダー46に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー46のピストンを伸進・縮退させて昇降リンク装置3に連結した苗植付部4が上下動されるように構成されている。
図3に示すように、左右の後輪11の伝動軸のサイドクラッチ操作アーム86Iを作動させるクラッチ連動用の左右ロッド180がミッションケース12の左右両側に設けられ、該クラッチ連動用の左右ロッド180とサイドクラッチ操作アーム86Iは左右のプルシリンダ217を介して連結している。
左右のサイドクラッチ操作アーム86Iは、前記左右のプルシリンダ217(旋回時にシリンダ217を引き、旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチを切る)作動制御用のサイドクラッチ制御用電磁バルブ221(図4,図5,図6)を備えている上記構成を用いて、ハンドル34を一定角度回転させた後に、一つは継続して前記サイドクラッチを切り又は入りにする制御(A)と、もう一つは一定周期で前記サイドクラッチを接続/切断する制御(B)に切替え選択可能にした。制御(A)は標準用であり、制御(B)は湿田用である。ハンドル34を操作するとトルクジェネレータ(パワーステアリング)37によって旋回内側のプルシリンダ217を作動させてサイドクラッチを切り(又は入り)にする。これらサイドクラッチ操作アーム86I、クラッチ連動用の左右ロッド180、プルシリンダ217、サイドクラッチ制御用電磁バルブ221などをステアリング機構87と言う。
上記した実施例では、ステアリングハンドル34の所定角以上の操作により、旋回内側の後輪11のサイドクラッチ(図示せず)を切る例を示したが、サイドクラッチスイッチを作業モニタ装置に備えた操作盤33(図2)に設けておき、手動でサイドクラッチの「切」が可能な構成にしても良い。または、サイドクラッチペダルにより、手動でサイドクラッチの「切」が可能な構成にしても良い。
次に、後進時に苗植付部4を自動的に上昇させる制御構成について説明する。先ず、前後進レバー90(図2)を後進速に操作すると、該レバー90の基部に設けた接当片が接当してオンになるバックリフトスイッチ191(図6)が設けられており、図6に示す制御部163(制御装置)の苗植付装置上昇手段により電磁油圧バルブ(昇降バルブ)161(図6)を作動させる電磁ソレノイドを制御して油圧シリンダー46にて苗植付部4を最大位置まで上昇させるように構成されている。
このように、前後進レバー90を後進速に操作すると、自動的に苗植付部4を最大位置まで上昇させるように構成しておくと、圃場の畦際で機体を旋回させるため等に機体を畦に向かって後進させる時に、自動的に苗植付部4は最大位置まで上昇しているので、苗植付部4が畦に衝突して破損することが未然に防止でき作業性が良い。
次に、旋回時に苗植付部4を自動的に上昇させる制御構成について説明する。前記ステアリングハンドル34を左右何れかに200度回転させた時に自動リフト切替スイッチ192(図6)をオンにすると、制御装置163に備えられた昇降制御手段の苗植付部上昇手段により電磁油圧バルブ161を作動させる電磁ソレノイドを制御して油圧シリンダー46にて苗植付部4を最大位置まで上昇させるように構成されている。
このように、畦際で機体を旋回させるために操向ハンドル34を左右何れかに最大限まで回転させると、自動的に苗植付部4は最大位置まで上昇するので、機体旋回時に苗植付部4を上昇させる操作が不要となり、能率良く機体旋回が行えて作業性が良い。
操作盤33には、苗植付部4の自動上昇を行わせる状態と行わせない状態とに切替える自動リフト切替スイッチ192(図6,図10)が設けられており、自動リフト切替スイッチ192を自動にしていると、上記のようにバックリフトスイッチ191がオンになるか自動リフト切替スイッチ192がオンで操向ハンドル34を左右何れかに200度回転すると自動的に苗植付部4は制御装置163の苗植付装置上昇手段により自動上昇される。そして、自動リフト切替スイッチ192をオフにしていると、バックリフトスイッチ191がオンになっても操向ハンドル34を左右何れかに200度回転しても苗植付部4は自動上昇されない。
このように、一つの自動リフト切替スイッチ192で、バックリフトスイッチ191がオンになっても自動リフト切替スイッチ192がオフであれば操向ハンドル34を左右何れかに200度回転しても苗植付部4は自動上昇されない状態にすることができるので、バックリフトとオートリフトの各々を入り切りするスイッチを別々に設けた構成よりも簡潔な構成となり、一つのスイッチで両者の状態切替えが行えるので、操作ミスが少なくなり作業性が良い。
なお、自動リフト切替スイッチ192をオフにして、バックリフトスイッチ191がオンになっても操向ハンドル34を左右何れかに200度回転しても苗植付部4が自動上昇しない状態にしておくと、機体を後進で納屋等にしまう時に前後進レバー90を後進速に操作しても苗植付部4が自動上昇しないので、苗植付部4を下げたまま後進することができ、納屋の入口上部や納屋内の他の部材に苗植付部4をぶつけてしまうような事態が回避できる。また、扇型やひょうたん型等の変形圃場で畦際に沿って周り植えをする場合に、曲がった畦に沿って操向ハンドル34を回しながら植付け作業を行うが、この時に、自動リフト切替スイッチ192を自動位置にしていると、操向ハンドル34を左右何れかに200度以上回転すると自動的に苗植付部4が上昇してしまい植付け作業が行えないが、自動リフト切替スイッチ192をオフにしていると、操向ハンドル34を左右何れかに200度以上回転しても苗植付部4は上昇しないので植付け作業が行え、変形圃場でも適切に苗植付け作業が行える。
また、上記構成からなる乗用型田植機1では、本実施例の制御装置163は旋回内側の後輪11のドライブシャフト(伝動軸)(図示せず)の回転数の検出に基づいて、旋回時の苗植え付けなどの諸作動を自動的に行わせる旋回連動制御ができる。この制御モードを自動植付開始モードということがあるが、特に、旋回内側の後輪11が所定角度以上操舵されているときに、前記旋回連動制御ができる。
旋回後の苗の植始め位置の設定を後輪の回転数に基づいて自動的に行う制御モード(自動植付開始モード)の設定ができ、この制御モード設定は旋回開始タイミングをハンドル34の旋回角度(切れ角)センサ193で検知し、該旋回角度センサ193で検知した旋回開始時からの走行距離を車輪(旋回内側の後輪11の伝動軸)の回転数センサ(以下後輪回転センサという。)205の検出値に基づき測定し、前記走行距離が所定値に達すると苗植付レバー19(図2)の操作をしなくても、自動的に苗の植え付けを開始する自動植付開始モードである。
この旋回制御方式を図7と表1に示す。
Figure 2011055779
すなわち、操向ハンドル34を切り、旋回内側の後輪11のサイドクラッチが切れた状態で、左右ドライブシャフトの回転数を検出し、旋回時の内側の後輪11の伝動軸回転数が設定値N1を超えると苗植付部4を下降させる。その後、後輪11の伝動軸回転数が設定値N2と苗植付け具126の作動が「切り」状態に入って(=苗植付装置52が上げ状態に移って)から操向ハンドル34の切り操作開始までの後輪11の伝動軸の回転数nの合計値以上になると植付「入り」にする機構である。
上記旋回連動制御のフローを図8に示す。
まず、左右の後輪11,11の伝動軸の回転数を伝動軸回転数センサ205で検出し、また設定値N1(旋回開始から機体90°旋回までの旋回内側の後輪11のドライブシャフト(伝動軸)回転信号設定値)、N2(機体90°旋回から植付クラッチ「入り」までの前記ドライブシャフト回転信号設定値)、θ1((直進操作時のハンドル切り設定角度の)下限値(左旋回と判断する角度))、θ2((直進操作時のハンドル切り設定角度の)上限値(右旋回と判断する角度))をセットする。
次いで、圃場の硬軟や水深、耕盤深さ(圃場深さ)等の圃場条件の相違に対応するために、前記回転数N1、N2及びハンドル切り角度θ1、θ2の各設定値を調節する設定ダイヤルにより、補正値n0を設定する。
苗植付部4の苗植付け具126が苗の植え付け状態にあるか無いかをフィンガーレバー166(苗植付部4の駆動の入り切り操作をしたり、苗植付部4の昇降操作をしたりできるレバー)の操作に伴う制御装置163の状態で検出して、植付「入」から植付「切」になったとき、苗植付け具126の作動が「入り」状態に入ってから苗植付け具126の作動が「切り」状態になるまでの後輪11の伝動軸の回転数nを旋回内側の後輪回転センサ205で検出して、その値(n)を記憶しておく。次いで、操向ハンドル34の切り角度(操舵角度)θを操向ハンドル34のシャフトに設けたハンドル切れ角センサ(ポテンショメータ)193(図6)で検出して直進時(θ1<θ<θ2)以外の時には左右のいずれの方向に旋回中であるかどうかを検出する。
左旋回中であると左後輪11の伝動軸の回転数を検出して、回転数n1がn1≧N1+n0になると、旋回開始から機体が90度以上旋回したことになるので苗植付部4を苗植付部下降手段により油圧シリンダ46を作動させて接地位置まで下げる。この苗植付部4の下降で枕地が均平化される。また、機体を90度旋回させた後には、ハンドル34の旋回度合いを緩めながら前進させ、左後輪11の左右ドライブシャフトの回転数n2がn2≧N2+n+n0になると、苗植付け具126を作動させて苗の植え付けを開始させる。
本実施例の乗用型田植機1では、自動植付開始モードが設定された時にのみ自動的に制御装置163によって、旋回外側の後輪11の回転数に応じて旋回内側の後輪11の駆動を断続的にサイドクラッチを伝動する断続的入り切り制御機能(B1)(上記制御(B)に対応するもので、間欠サイドクラッチ制御という)を作動させることができる。
このように間欠サイドクラッチ制御を行うことにより、ブレーキングによる衝撃も少なく、エンジン回転や車速の影響を受けずに後輪11の旋回角度に応じたブレーキングの周期を得ることができる。前記旋回内側の後輪11のクラッチをオン/オフする間欠サイドクラッチ制御において、車速が遅ければ遅い程クラッチをオン/オフする周期を短く、速ければ速いほどクラッチをオン/オフする周期を長くすることで、オペレータに旋回時の違和感がないブレーキングを行うことができる。
例えば、車速0m/sで旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチ(図示せず:クラッチ操作アーム86Iなどにより行う)の作動周期(オン/オフを含む)が0.5秒、車速0.5m/sで前記サイドクラッチ作動周期(オン/オフを含む)が1.0秒、車速1.0m/sで前記サイドクラッチ作動周期(オン/オフを含む)が1.5秒となるように一次関数的に車速に応じて旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチ作動周期を変更する。
高速走行時は特に後輪11の伝動軸のクラッチをオンするときでも、オフするときでも衝撃が大きい。そこで上記のように、間欠サイドクラッチ制御による衝撃を少なくするために、高速走行時ほど間欠サイドクラッチ制御(クラッチ操作アーム86Iなどにより行う)のオン/オフの周期を長めにする。
本実施例の8条植の乗用型田植機1のように、大型の走行車両は旋回時には比較的大回りをする必要がある。しかし、旋回中に旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチを切ったままでおくと、小回りになり過ぎる。しかし、本実施例のように、旋回内側の後輪11の伝動軸を間欠サイドクラッチ制御すると、オペレータに旋回時の違和感がないブレーキングを行うことができ、オペレータの希望する適切な旋回半径で8条植の乗用型田植機1に相応しい比較的大回りの旋回が可能となる。
前記旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチの接続は、図9に示すように操作盤33に設けている間欠サイドクラッチ制御(ポンピングクラッチ制御ともいう)調節ダイヤル210で設定された回転数(回転角度)に旋回内側の後輪11の回転数が達するまでなされる。
間欠サイドクラッチ制御調節ダイヤル210は、後輪回転角度(=後輪11の伝動軸の回転角度)で11度〜27度の間で調整を行う。なお、前記間欠サイドクラッチ制御調節ダイヤル210を後輪11(後輪11の伝動軸)の回転角度でなく、後輪11の伝動軸作動用のクラッチ(図示せず)の作動時間、例えば210msから510msまでの時間で設定できる構成にして、この間欠サイドクラッチ制御調節ダイヤル210で設定された時間の間、旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチ(図示せず)が接続される構成としても良い。
また、路上走行などで高速走行しているときには、間欠サイドクラッチ制御を選択すると、大回り旋回になり易く、そのため、むしろハンドリングに違和感があるので、路上走行などの高速走行中には、前記間欠サイドクラッチ制御は不要である。そこで、走行車両が一定車速、例えば1.0m/s以上で高速走行しているときには、間欠サイドクラッチ制御が行われないようにしている。
また、図8に示す制御フローの設定値N1(旋回開始から機体90°旋回までの旋回内側の後輪11のドライブシャフト(伝動軸)回転信号設定値)、N2(機体90°旋回から植付クラッチ「入り」までの前記ドライブシャフト回転信号設定値)を小さくするほど、旋回内側の後輪11が深い圃場などにおいて深く沈み込んでいる場合など、苗の植え付け時の苗植付装置52の下降を速く行いたい場合に有効である。
後輪11が深く圃場に沈み込んでいる場合には昇降リンクセンサ48で上リンク40と下リンク41の昇降の程度を検出することにより、苗植付部4の昇降の程度も検出できる。
上記構成により旋回制御中にオペレータが苗植付部4の上昇タイミングを任意に設定できるので自分のペースに合わせて作業を行うことができる。
こうして、8条植えなどの多条植え用の乗用型作業機であっても、前回の植付条に一部重なった状態で苗の植え付けをするおそれなく圃場での旋回が可能となる。
このようにサイドクラッチが切れている後輪11の伝動軸(ドライブシャフト)の回転数を検出する方法は、動力の伝わっている後輪11の回転数検出方法に比べてよりスリップなどの影響を受け難い特徴がある。また、後輪11より回転の速いドライブシャフトの回転数を検出するため、容易にその測定精度を上げることができる。その結果、各植え付け条毎の苗の植え付け始めがほぼ一定(枕地幅が一定)となる効果がある。
なお、上記図8に示す一連の旋回制御の諸動作を行う旋回制御のスタートボタン(スイッチ)184を上記苗植付のスタート位置の設定を行うボタンとして兼用してもよい。 このように、畦際から発進して苗植付のスタート位置の設定を行うボタンと前記一連の旋回制御の諸動作を行う旋回制御のスタートボタン(スイッチ)184を兼用することによりボタン操作の忘れを防止できる。
前記自動植付開始モードの設定は植始め調節ダイヤル212(図6、図10)で行い、また前記旋回開始時からの苗の植付け始めまでの走行距離は、図10に示す植始め調節ダイヤル212を回して設定する。
前記植始め調節ダイヤル212の回転角度に応じて前記走行距離を適宜選択できる構成であるが、該ダイヤル212の前記走行距離の調節範囲より外れたダイヤル旋回角度領域(しかも自動植付開始モードに入る前のダイヤル旋回角度領域)に、車両の旋回開始時に自動的に苗植付装置4を上昇させる制御モードを選択できるオ−トリフト機能及び車両の後進時に自動的に苗植付装置4を上昇させる制御モードを選択できるバックリフト機能を兼用させている。
そして、植始め調節ダイヤル212のダイヤル回転操作でオ−トリフト機能に対応した位置に植始め調節ダイヤル212の指示部が「オートリフト」と指示された位置(図10に示す)に至ると、当該オートリフト機能がオンになり、オートリフト制御モードが開始すると同時に前記間欠サイドクラッチ制御を開始する制御モードを採用することもできる。
上記したように、機体を旋回するターンには、旋回外側の後輪11の回転数(回転速度)に対して旋回内側の後輪11の回転数(回転速度)が所定速度(旋回外側の後輪の5分の1)以下になると、旋回内側のサイドクラッチを強制的に入りにして旋回内側の後輪を所定の回転量(走行距離67mm程度)だけ強制駆動しながら旋回するターン(ポピングターン)があるが、本発明の特徴点であるこの種の旋回制御において、制御部163には左右の後輪の回転数を検出する後輪回転センサ205が備えられ、左右後輪のサイドクラッチを断続的に入り切り制御する断続的入り切り制御機能は、後輪回転センサ205により検出された旋回外側の後輪の回転数に基づいて旋回内側の後輪の設定回転数を所定の演算式にて演算して設定するようにしている。そして、その演算式は、設定回転数を前記旋回外側の後輪の回転数よりも小さい値(例えば、旋回外側の後輪の回転数と旋回内側の後輪の回転数を5対1の割合)に設定する構成とし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が大きいときは旋回内側のサドクラッチを切りにし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さいときは旋回内側のサイドクラッチを入にして強制駆動する構成としている。
操向ハンドル34の操作によって前輪10,10が左又は右に操向操作されると、左右の後輪11,11が左又は右に旋回制御されるが、所定の回転数に設定された設定回転数よりも、検出される旋回内側の後輪の回転数が大きくなると、旋回内側のサドクラッチが切りとなり、また、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さくなったときは、旋回内側のサイドクラッチが入りとなって、旋回内側の後輪が所定の回転量だけ強制駆動されることになる。従って、旋回外側の後輪がスリップするようなときなどには、旋回内側の後輪を駆動することで走行不能に陥ることがなくなり、円滑な旋回制御が行えることになる。
また、前記制御部(制御装置)163には、演算式を補正する補正装置206が備えられている。旋回内側の後輪の設定回転数は、旋回外側の後輪の回転数より小さい値に設定するが、旋回外側後輪の回転数と旋回内側後輪の回転数の割合を、補正装置206により圃場面の硬軟等の条件に応じて適宜に設定変更することができる。
更に、前記制御部163には、圃場面の土壌の硬軟を検出する硬軟検出装置207が備えられ、該硬軟検出装置207により土壌の硬軟が軟らかいと判断されるほど設定回転数が小さくなるように、硬軟検出装置207(図1、図6)の検出結果に基づいて前記補正装置206によって補正ができるように構成されている。
旋回時、硬軟検出装置207が圃場面の「軟」を検出した場合には、旋回内側の後輪の設定回転数が小さくなるように補正し、サイドクラッチを切りにする。硬軟検出装置が圃場面の「硬」を検出した場合には、旋回内側の後輪の設定回転数が大きくなるように補正し、サイドクラッチを入りにして強制駆動する。従って、旋回外側後輪の回転数と旋回内側後輪の回転数の割合が補正装置により圃場面の硬軟等の条件に応じて適宜に設定変更されることになる。
本実施例の乗用型田植機1の制御装置163によれば、サイドクラッチ操作アーム86Iクラッチ連動用の左右ロッド180、プルシリンダ217、電磁バルブ221などのステアリング機構87に連動して旋回内側の後輪11を入り又は切りにする継続的入り切り制御機能(A1)と、後輪回転センサ205により検出される旋回外側の後輪11の回転数に応じて旋回内側の後輪11の駆動を断続的に入/切する断続的入り切り制御機能(B1)(間欠サイドクラッチ制御)を備え、例えば、圃場の深さに応じて選択する処理を行う入り切り制御選択機能を有した構成としている。また、左右のサイドクラッチ又はサイドブレーキ(図示せず)を左右個別に操作できる操作具として左右のブレーキペダル111,111(図3,図4)を設けているが、左右のブレーキペダル111,111の連結中にも制御装置163によって間欠サイドクラッチ制御(B1)を選択する制御が行われないようにする。
左右のブレーキペダル111,111が連結中(又は連結中でない)であることを検出するブレーキペダル連結センサ114をブレーキペダル111,111近傍に設けて、ブレーキペダル連結センサ114からの検出値によって間欠サイドクラッチ制御(B1)の作動の有無を制御装置163により選択する。
図3に示すように、左右のブレーキペダル111,111は前端部上側が保持プレート113によって保持され、前端部下側が左右のブレーキペダル111,111を連結するための連結プレート115によって支持されている。そして連結プレート115の下面は、左右のブレーキペダル111,111の基部111a,111aに連結しており、ブレーキペダル基部111a,111aの先端はアーム116,117を介して第1ロッド119に連結している。ブレーキペダル111を矢印P方向に踏み込むと、アーム116はブレーキペダル基部111aとアーム116との連結軸118を支点として矢印A方向に回動してアーム117と共に第1ロッド119が上方(矢印B方向)に動く。
一方、ブレーキペダル111を矢印P方向とは反対方向に戻すと、アーム116は矢印A方向とは反対の方向に回動してアーム117と共に第1ロッド119が下方(矢印B方向とは反対方向)に動く。このようにブレーキペダル111を操作することで、第1ロッド119は上下方向に動く。
左右一方の第1ロッド119は左右一方の中継アーム134に連結し、更に中継アーム134はカウンタ軸133に連結し、カウンタ軸133に連結した左右他方の中継アーム134から、カウンタロッド137、カウンタアーム139等を介してクラッチ連動用の左右一方のロッド180に繋がっている。また、左右他方の第1ロッド119は、中継アーム134、カウンタ軸133、カウンタロッド137などを介さずにカウンタアーム139からクラッチ連動用の左右他方のロッド180に繋がっている。
これら左右ロッド180はそれぞれプルシリンダ217,サイドクラッチ操作アーム86Iに連結しており、第1ロッド119が上下に動くと、左右ロッド180が前後方向に動いて左右のサイドクラッチ操作アーム86Iは左右ロッド180の動きに連動して回動する。
ブレーキペダル111を矢印P方向に踏み込むと、上述のように第1ロッド119が上方(矢印B方向)に動き、左右ロッド180は前方(矢印C方向)に引かれてサイドクラッチ操作アーム86Iが矢印U方向に回動して、旋回内側の後輪11の伝動軸のサイドクラッチが切れる。
一方、左右のサイドクラッチ操作アーム86Iは、左右のプルシリンダ217作動制御用のサイドクラッチ制御用電磁バルブ221を備えており、制御装置163からの出力信号によりサイドクラッチ制御用電磁バルブ221が作動して継続的入り切り制御機能(A1)又は間欠サイドクラッチ制御(B1)が行われる。
左右のブレーキペダル111,111が連結中の時に、オペレータが一方又は両方のブレーキペダル111を操作すると、ブレーキングが行われる。しかし、左右のブレーキペダル111,111を連結している場合は、路上走行等のときであり、走行速度が速く、また傾斜地を走行することもあるから、より安全性を確保するために、間欠サイドクラッチ制御(B1)を作動させないようにする。
したがって、本構成を採用することにより、オペレータの意思とは無関係に継続的入り切り制御機能(A1)又は間欠サイドクラッチ制御(B1)が作動しないようにできるので、安全性の向上が図れる。
また、左右のブレーキペダル111,111の操作の動きを感知するセンサ(ポテンショメータ)112,112(図3)をそれぞれ設け、間欠サイドクラッチ制御(ポンピングクラッチ)調節ダイヤル210により手動で設定した手動旋回時に、オペレータの操作パターンを制御装置163に記憶させるようにしても良い。
これは、旋回時のポテンショメータ112,112の操作パターンを記憶するものであるが、ハンドル切れ角センサ193により旋回を開始したことを検出してから、ハンドル切れ角センサ193により旋回を終了したことを検出するまでの間、制御装置163に入力される旋回内側の伝動軸回転数センサ205の累計回転数検出値に対応する旋回内側のポテンショメータ112,112の検出値を自動的に記憶することになる。
そして、手動旋回時の制御装置163に記憶したパターン通りに、次工程では自動で間欠サイドクラッチ(B1)(旋回内側の後輪11の駆動を断続的に入/切する)を制御するような構成としても良い。
図1、図11において、苗植付作業中、苗載台51内の苗が所定量以下に減少すると、苗量センサ91の検出結果に基づき苗減少ランプ92が点灯するようになっている。機体の前部に対向側の畦までの走行距離を測定する前方距離センサ93を設け、苗が減少して苗減少ランプ92が点灯する時点で、前方距離センサ93により対向側の畦までの距離を測定し、畦までの距離が比較的短く、残量苗だけで畦までの植え付けが可能である場合には、苗減少ランプが畦際に到達するまで点灯しないように制御する構成としている。この時の苗植付可能判断材料としては、一株当たりの苗取量、横送り行程での苗取回数、植付株間間隔等を考慮して判断するものとし、又は、苗取量調節レバー94のセンサ94a、横送り切替レバー96のセンサ96a、株間調節レバー95のセンサ95a等によりそれぞれのレバー位置を検出して制御部に入力することで、苗の植込必要量を総合的に判断することができる。
旋回開始位置から畦際までの走行距離を任意設定変更可能に構成し、畦際までの距離が予め設定された設定値になると、前方距離センサ93の検出結果に基づき、電磁油圧バルブ161、油圧シリンダ46を介して苗植付部4が上昇するように連動構成してある田植機において、苗植付部の前側に苗植付位置前方の圃場面を耕起する耕起ロータ98(図12)を回転駆動可能で駆動力入り切り可能(図13)に構成して設け、畦際までの距離が予め設定された設定値になると、前方距離センサ93の検出によって苗植付部4の植付クラッチが「切り」になる少し手前の位置で耕起ロータ98の駆動が停止するように制御する構成としている。不耕起は、苗植付部を下げにしてフロートを接地した状態でロータは回転させずに前進させることがある。不耕起では、耕起していない圃場で、苗を植え付ける位置だけロータで耕起する(耕起した溝に苗を植える)ようになっているため、植付作業をしながら都合の良い位置ではいちいちロータの入り切り操作を手動で行わなければならず、操作を煩雑にするものであったが、上記のように、自動でロータの入り切りが行えるので、操作性が向上する。
また、図14、図15に示す実施例では、機体1の前部に前方距離センサ93L,93Rを左右に並設し、機体の進行方向に対して畦(K)が斜めになっているかどうかを検出し、自動的に畦クラッチを入り切りして畦からの植え付けない距離を合わすように制御する構成としている。これにより、畦が傾斜していても、旋回前の植え終りから畦(K)までの距離と、旋回後の畦(K)から植え始めまでの距離を同じにすることができ、枕地での植付幅(D)を一定に揃えることが可能となり、枕地植付作業が無駄なく効率良く行える。なお、旋回前の植付部への植付クラッチ「切」制御は、苗植付部4が隣接条の苗植え終り位置に達すると、その苗終り位置の苗を隣接条センサ(図示省略)で検出し、このセンサ検出結果に基づき、PTOクラッチ作動ソレノイド220(図11)を作動させて植付クラッチを「切」制御する構成とすることもできる。
図11に示す制御装置163に圃場の面積を入力すると、その圃場に必要な苗の枚数を計算してモニタ100へ出力するように構成しておくと便利である。この場合、制御部には、予め、苗取量位置、横送り切替位置、株間調節位置を先に入力しておくものとする。また、それらの位置は苗取量調節レバーセンサ94a、横送り切替レバーセンサ96a、株間調節レバーセンサ95aにより自動的に感知して入力するものであってもよい。
図16に示す実施例は、操向ハンドル34の操作コラム47の右側位置に植付操作レバー165を設け、このレバー165を1段下げ方向に操作すると苗植付部が下降し、2段下げ方向に操作すると植付クラッチが入りとなるように構成している。また、レバー165を奥側へ倒すと植付部のちょい下げとなり、手前側に倒すとちょい上げとなるよう連動構成している。
操作コラム47の左側位置には、電動マーカの操作を行うマーカ操作レバー167を設け、該レバー167の上下方向の操作でマーカを上げ下げし、また、レバー167を奥側に押すとマーカのちょい上げ、手前に引くとちょい下げの操作が行えるように構成している。
E 原動機(エンジン) 1 乗用型田植機
2 走行車体 3 昇降リンク装置
4 作業部(苗植付部) 10 前輪
11 後輪 31 運転席
34 操向ハンドル 87 ステアリング機構
163 制御部(制御装置) 205 後輪回転センサ
206 補正装置 207 硬軟検出装置
B1 断続入り切り制御機能

Claims (3)

  1. 原動機(E)を備える走行車体(2)と、左右の前輪(10,10)及び原動機からの動力により駆動する左右の後輪(11,11)と、前記走行車体上に設けた運転席(31)と、走行車体を操向操作する操向ハンドル(34)と、該操向ハンドルの操作に連動して左右の前輪(10,10)を操舵するステアリング機構(87)と、前記走行車体の後側に昇降リンク装置(3)を介して昇降可能に装着された作業部(4)と、原動機からの動力を左右の後輪(11,11)へ伝達するサイドクラッチを設け、制御部(163)に左右の後輪の回転数を検出する後輪回転センサ(205)を設け、断続的入り切り制御機能(B1)は、後輪回転センサにより検出された旋回外側の後輪の回転数に基づいて旋回内側の後輪の設定回転数を所定の演算式にて演算して設定するようにし、演算式は、設定回転数を前記旋回外側の後輪の回転数よりも小さい値に設定する構成とし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が大きいときは旋回内側のサドクラッチを切りにし、設定回転数よりも検出される旋回内側の後輪の回転数が小さいときは旋回内側のサイドクラッチを入にする構成としてあることを特徴とする作業車両。
  2. 前記制御部(163)には演算式を補正する補正装置(206)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
  3. 圃場面の土壌の硬軟を検出する硬軟検出装置(207)を設け、該硬軟検出装置(207)により土壌の硬軟が軟らかいと判断されるほど設定回転数が小さくなるように、硬軟検出装置の検出結果に基づいて前記補正装置(206)による補正を行うことを特徴とする請求項2記載の作業車両。
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