JP2011055673A - 回転電機、ハイブリッド車両駆動用回転電機および回転電機のステータ - Google Patents

回転電機、ハイブリッド車両駆動用回転電機および回転電機のステータ Download PDF

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Abstract

【課題】小型で軽量の回転電機、ハイブリッド車両駆動用回転電機および回転電機のステータの提供。
【解決手段】電動モータ1は、モータハウジング11に回転可能に取り付けられたロータ13と、ロータ13と半径方向に対向して設けられたステータ14とを備えている。ステータ14は、モータハウジング11に取り付けられた円環状のステータリング15と、各々コイル164が巻回され、ステータリング15の内周面に円環状に並んで取り付けられた複数のコア体16とにより形成されている。電動モータ1は、コイル164に交流電流を供給することにより、ステータ14において回転磁界が発生し、回転磁界に起因する吸引力または反発力によってロータ13が回転する。ステータリング15は、体積抵抗率の大きい強磁性体により形成され、コイル164によって発生された磁束の磁路として機能する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステータコアに通電することによりロータを駆動する回転電機、ハイブリッド車両駆動用回転電機および回転電機のステータに関する。
ステータ保持リングの内周面に、それぞれコイルが巻回された複数のコアが円環状に保持されて形成されたステータと、ステータと半径方向に対向するように形成されたロータとを備えた回転電機に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。これは、主にハイブリッド車両の駆動用のモータとして使用されるもので、複数のコアを円環状に並べた状態でステータ保持リングに圧入固定し、その後、ステータ保持リングをモータハウジング内に取り付けている。
特許第3666727号公報
上述した特許文献1に開示された回転電機においては、コイルによって発生される磁束を通すために、コアの半径方向外端に位置するバックヨーク部は所定の厚み(半径方向長さ)を有していた。それに加え、ステータ保持リングがモータハウジング内に取り付けられるため、その外周部において、ステータ保持リングとモータハウジングの壁部とが半径方向に重なり、これらのため、モータハウジングが大型化するとともに、重量化しやすかった。
ステータ保持リングとモータハウジングについて言えば、通常、モータハウジングは成型の容易性と車両の軽量化のために、アルミニウム合金によって形成される場合が多い。一方、ステータ保持リングは、発熱によって内周面に固定されたコアが脱落することを防止するために、熱膨張係数がコアと同程度の材質が使用される場合が多い。
したがって、双方に互いに異なった拘束条件が存在するために、ステータ保持リングとモータハウジングとを一体化することができず、上述したような回転電機の大型化の解消は困難であった。例えば、回転電機を車両の駆動用モータとして使用する場合、その大型化および重量化は、車両のエコロジー化に対して逆行し、燃費の悪化に加えて走行性能をも低下させる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で軽量の回転電機、ハイブリッド車両駆動用回転電機および回転電機のステータを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る回転電機の発明の構成上の特徴は、ステータにおいて、コイルが巻回された複数のコアを内周面に円環状に並んで取り付けた保持リングが、コイルによって発生された磁束の磁路として機能することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の回転電機において、コアのバックヨーク部の半径方向寸法を、コアを保持リングに固定する際に、隣接するコアのバックヨーク部同士を互いに当接させることにより、隣り合うコア同士を位置決めするのに必要とする厚みにしたことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2の回転電機において、保持リングは、軟磁性鋳鉄により形成されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のうちのいずれかの回転電機において、保持リングの外周縁には、保持リングをハウジングに対し固定するための、複数の取付孔が貫通しており、それぞれの取付孔は、いずれかのコアの円周方向における中央部と対向するような、保持リング上の位置に形成されたことである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のうちのいずれかの回転電機において、保持リングは、ロータの回転軸方向において複数のリング状のピースに分割されており、各々のピースが積層された状態でハウジングに取り付けられていることである。
請求項6に係るハイブリッド車両駆動用回転電機の発明の構成上の特徴は、ロータの半径方向内方には、エンジンのクランクシャフトとロータとの間を断続させる多板クラッチが設けられており、ステータにおいて、コイルが巻回された複数のコアを内周面に円環状に並んで取り付けた保持リングが、コイルによって発生された磁束の磁路として機能することである。
請求項7に係る回転電機のステータの発明の構成上の特徴は、コイルが巻回された複数のコアを内周面に円環状に並んで取り付けた保持リングが、コイルによって発生された磁束の磁路として機能することである。
請求項1に係る回転電機によれば、ステータにおいて、保持リングがコイルによって発生された磁束の磁路として機能することにより、コアにおいて磁路が形成される部位であり、保持リングの内周面に取り付けられた部分であるバックヨーク部の寸法(厚み)を小さくすることができる。したがって、保持リングの内外径を小さくして、ハウジングの内外径も小さくすることができるため、回転電機全体を小型、軽量化することができる。
請求項2に係る回転電機によれば、コアのバックヨーク部の半径方向寸法を、コアを保持リングに固定する際に、隣接するコアのバックヨーク部同士を互いに当接させることにより、隣り合うコア同士を位置決めするのに必要とする厚みにしたことにより、バックヨーク部の半径方向寸法を極めて小さくすることができ、回転電機全体を小型、軽量化することができる。
請求項3に係る回転電機によれば、保持リングは、軟磁性鋳鉄により形成されていることにより、体積抵抗率が高く渦電流損を低減することができ、ロータの回転トルクを維持しながら、回転電機をさらに小型化することができる。
また、軟磁性鋳鉄は外部磁場により磁化されやすく保磁力が低いため、交流電流を供給して回転磁界を発生させるステータへの使用に適している。
請求項4に係る回転電機によれば、保持リングの外周縁には、保持リングをハウジングに対し固定するための複数の取付孔が貫通しており、それぞれの取付孔は、いずれかのコアの円周方向における中央部と対向するような保持リング上の位置に形成されたことにより、コイルにより発生された磁束が取付孔を避けて通ることができ、取付孔が磁束の形成を妨げることがない。
ここで、それぞれの取付孔が、コアの円周方向における中央部と対向するような保持リング上の位置に形成されているという構成は、厳密に、取付孔がコアの円周方向の中央部と対向しているもののみを意味しているわけではなく、コイルにより発生された磁束が取付孔を避けて通ることができれば、取付孔がコアの円周方向の中央位置に対し、いずれかの方向に所定量ずれて形成されている構成をも含むものである。
請求項5に係る回転電機によれば、保持リングは、ロータの回転軸方向において複数のリング状のピースに分割されており、各々のピースが積層された状態でハウジングに取り付けられていることにより、保持リング上における渦電流損をさらに低減することができる。
請求項6に係るハイブリッド車両駆動用回転電機によれば、ロータの半径方向内方には、エンジンのクランクシャフトとロータとの間を断続させる多板クラッチが設けられていることにより、多板クラッチの有効半径を大きくして、入力側部材と出力側部材との間に介在したトルク伝達用プレートの枚数を低減することができる。
すなわち、コアにおいてバックヨーク部の寸法を小さくして、保持リングの外径を小さくする代わりに、ステータの内径を大きくすることができるため、ロータ内径も大きくすることが可能となる。したがって、多板クラッチの外径を大きくして、トルク伝達用プレートの枚数を低減することができる。
請求項7に係る回転電機のステータによれば、保持リングがコイルによって発生された磁束の磁路として機能することにより、コアにおいてバックヨーク部の寸法(厚み)を小さくすることができる。したがって、保持リングの内外径を小さくして、ハウジングの内外径も小さくすることができるため、回転電機全体を小型、軽量化することができる。
本発明の実施形態1による電動モータを搭載した場合の、車両の駆動システムを示したブロック図 図1に示したハイブリッド車両駆動用の電動モータおよびクラッチ装置の断面図 ステータの外観斜視図 図3に示したコア体の簡素化された斜視図 ステータにおいて磁路が形成される様子を示した簡略図 ステータについての寸法関係を説明するための部分平面図であって、従来のステータを示した図(a)、および実施形態1によるステータを示した図(b) 実施形態2によるステータの外観斜視図
<実施形態1>
図1乃至図6に基づき、本発明の実施形態1による電動モータ1について説明する。尚、説明中において回転軸方向という場合、特に断らなければ、電動モータ1の回転軸Cに沿った方向、すなわち図2における左右方向を意味する。
図1は、本実施形態による電動モータ1(本発明の回転電機に該当する)を使用したハイブリッド車両のパワートレーンの概略を示している。図1において、太線は車両の機械的な連結を示し、実線による矢印は装置間をつなぐ油圧配管を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示している。
図1に示したように、車両のエンジン2と電動モータ1とは、湿式多板クラッチであるクラッチ装置3(本発明の多板クラッチに該当する)を介して直列に接続されている。また、ハイブリッド車両駆動用の電動モータ1には、車両のトランスミッション4が直列に接続されており、トランスミッション4には、ディファレンシャル装置5を介して、車両の右駆動輪6Rおよび左駆動輪6L(ともに、本発明の車輪に該当する)が接続されている。以下、右駆動輪6Rおよび左駆動輪6Lを包括して駆動輪6R、6Lという。
エンジン2は、炭化水素系の燃料により出力を発生させる通常の内燃機関である。電動モータ1は、これに限定されるものではないが、車輪駆動用の同期モータであり、トランスミッション4は通常の自動変速機である。また、クラッチ装置3は、普段はエンジン2と電動モータ1との間を接続しているノーマリクローズタイプのクラッチ装置であり、エンジン2と電動モータ1との間のトルク伝達を断続している。
図1に示したパワートレーンを用いた車両は、エンジン2により走行する場合、エンジン2がトランスミッション4を介して駆動輪6R、6Lを回転させる。また、電動モータ1により走行する場合、電動モータ1がトランスミッション4を介して駆動輪6R、6Lを回転させる。この時、クラッチ装置3をレリーズさせて、エンジン2と電動モータ1との間の接続を解除している。さらに、電動モータ1は、クラッチ装置3を介してエンジン2により駆動され、発電機としても機能する。
後述するクラッチ装置3の圧力室PCには、電動ポンプ7の吐出口が接続されており、電動ポンプ7には、コントローラ8が電気的に接続されている。コントローラ8は、電動ポンプ7を作動させてクラッチ装置3の圧力室PCに油圧を供給し、クラッチ装置3の接続状態を制御している。
また、コントローラ8にはエンジン2および電動モータ1が接続されるとともに、車両のアクセル開度センサ、車速センサ、トランスミッション4のシフトスイッチ(いずれも図示せず)からの検出信号が入力されている。コントローラ8は、アクセル操作量等に基づいて、電動モータ1、エンジン2およびクラッチ装置3の作動を制御している。
次に、図2乃至図6に基づいて、クラッチ装置3とともに電動モータ1について詳述する。尚、図2において、左方を電動モータ1およびクラッチ装置3の前方といい、右方を後方ということがあるが、実際の車両上における方向とは無関係である。また、図3乃至図6において、コア体16のボビン162、163およびコイル164は省略されている。
図2に示すように、モータハウジング11(本発明のハウジングに該当する)は、電動モータ1を内蔵した状態で、前方をモータカバー12により封止されている。モータカバー12の前方にはエンジン2が取り付けられ、モータハウジング11の後方にはトランスミッション4が接合されている。また、電動モータ1を構成するロータ13の半径方向内方には、クラッチ装置3が形成されている。
モータカバー12の内周端には、軸受31を介してクラッチ装置3のインプットシャフト32(本発明の入力側部材に該当する)が、回転軸Cを中心に回転可能に取り付けられている。回転軸Cは、エンジン2、電動モータ1およびトランスミッション4の回転軸でもある。インプットシャフト32は、エンジン2の図示しないクランクシャフトと接続されている。
インプットシャフト32は、半径方向外方に突出したクラッチインナ321を備えている。クラッチインナ321の外端面には、複数枚の駆動ディスク322が回転軸方向に重ねられた状態で支承されている。これにより、各々の駆動ディスク322は、クラッチインナ321に対して回転軸方向に移動可能で、かつ、クラッチインナ321とともに回転可能に形成されている。
それぞれの駆動ディスク322の間には、略リング状に形成された複数の従動プレート331が交互に介装されている。従動プレート331の外周部は、クラッチアウタ33(本発明の出力側部材に該当する)の内周面に係合している。これにより従動プレート331は、クラッチアウタ33に対して回転軸方向に移動可能で、かつ、クラッチアウタ33とともに回転可能に形成されている。
クラッチアウタ33は、後述する電動モータ1のロータ13の内周面に連結されている。それとともに、クラッチアウタ33は半径方向内方へと延び、内端においてトランスミッション4のタービンシャフト41とスプライン嵌合している。これにより、ロータ13はトランスミッション4を介して、駆動輪6R、6Lへと連結されており、電動モータ1による駆動力が駆動輪6R、6Lに入力される。また、クラッチアウタ33とモータハウジング11の固定壁111との間には、双方の間の相対回転が可能なように、ベアリング装置34が介装されている。
クラッチアウタ33には、リング状のディスク部材35が固定されており、ディスク部材35とクラッチアウタ33との間には、ピストン部材36が回転軸方向に移動可能に設けられている。また、ピストン部材36とクラッチアウタ33との間には、係合スプリング37が介装されており、係合スプリング37はピストン部材36を、常時、図2おいて左方に押圧している。係合スプリング37により押圧されたピストン部材36は、その左端において従動プレート331を左方に付勢し、クラッチ装置3を接続状態としている。
上述した、ディスク部材35とクラッチアウタ33およびピストン部材36は液密的に係合しており、クラッチアウタ33、ディスク部材35およびピストン部材36とにより圧力室PCが形成されている。圧力室PC内には、上述した電動ポンプ7から油圧が供給され、係合スプリング37の付勢力に抗してピストン部材36を図2において右方に移動させ、クラッチ装置3の接続を解除している。
電動モータ1のロータ13は、クラッチ装置3に対して半径方向外方に位置するように、モータハウジング11に回転可能に取り付けられている。ロータ13は、積層された複数の鋼板131を一対の保持プレート132a、132bにより挟み、これに固定部材133を貫通させて端部をかしめることにより形成されている。
また、ロータ13の円周上には、図示しない複数の界磁極用マグネットが設けられている。一方の保持プレート132bは、クラッチ装置3のクラッチアウタ33に取り付けられ、これにより、ロータ13はクラッチアウタ33と連結されている。
また、モータハウジング11の内周面には、ロータ13と半径方向に対向するように、電動モータ1のステータ14が取り付けられている。ステータ14は、ステータリング15(本発明の保持リングに該当する)の内周面に、回転磁界発生用の複数のコア体16(本発明のコアに該当する)が円環状に並ぶように取り付けられて形成されている(図3示)。
各々のコア体16は、およそT字状を呈した複数のケイ素鋼板が積層されることにより形成されたティース161を備えている(図4示)。ティース161には一対のボビン162、163が装着され、ボビン162、163は、ティース161の外周面を囲むように互いに嵌合している。さらに、ボビン162、163の回りには、回転磁界を発生させるためのコイル164が巻回されている(図2示)。コア体16の周囲に巻回されたコイル164は、図示しないバスリングを介して外部のインバータと接続される。
コア体16をステータリング15に取り付けた状態で、ティース161の半径方向外端に位置するバックヨーク部161aは、合成接着剤または圧入した後に焼きばめにより、ステータリング15の内周面に接合されている。バックヨーク部161aは、コア体16をステータリング15に取り付ける場合に、隣接するコア体16同士のものが円周方向に互いに当接し、隣り合ったコア体16同士を位置決めする機能を有する。
ステータリング15は、軟磁性鋳鉄、電磁鋼板、ケイ素鋼板、ニッケル合金、コバルト合金といった、透磁率の大きい強磁性体により円環状に形成されている。また、コイル164への通電による渦電流損を低減させるために、ステータリング15には、従来よりも体積抵抗率の大きい材質を使用することが望ましい。例えば、軟磁性鋳鉄においては体積抵抗率が57〜114×10−8Ω・m程度、電磁鋼板においては、体積抵抗率が54×10−8Ω・m程度の材質の使用が望まれる。
上述した構成を備えた電動モータ1において、コイル164に例えば三相の交流電流が供給されることによりステータ14において回転磁界が発生し、回転磁界に起因する吸引力または反発力によってロータ13が回転される。
上述したように、体積抵抗率の大きい強磁性体を使用してステータリング15を形成したことにより、電動モータ1が作動する場合に、ステータリング15は回転磁界の磁路として機能し、コイル164によって発生された磁束の大部分は、コア体16のバックヨーク部161aを通らずに、ステータリング15を通ることができる(図5示)。
ステータリング15の外周縁には、円周上の均等な位置に複数の取付ボス151が設けられ、それぞれの取付ボス151には、回転軸方向に延びた貫通孔152(本発明の取付孔に該当する)が形成されている(図3示)。図2に示すように、ステータリング15の回転軸方向の端面をモータハウジング11のボス部112に当接させ、貫通孔152に取付ボルト17を挿通した後、ボス部112に螺合させることにより、ステータ14はモータハウジング11に固定される。
図3に示すように、いずれの貫通孔152も、コア体16をステータリング15に対して取り付けた場合に、各々のコア体16の円周方向におけるほぼ中央部と対向するようなステータリング15上の位置に形成されている。すなわち、図5に示すように、それぞれの貫通孔152は、各々のコア体16を形成しているティース161において、コイル164が巻回されている部位の円周方向の幅Wに対し、そのほぼ中央部と対向するように位置している。したがって、コイル164によって発生された磁束は貫通孔152に妨げられることなく、ステータリング15中において支障なく形成される。
本実施形態によれば、従来よりも体積抵抗率の大きい強磁性体を使用してステータリング15を形成し、ステータリング15をバックヨーク部161aの代わりに、コイル164によって発生された磁束の磁路の大部分として機能させるため、コア体16においてバックヨーク部161aの半径方向寸法(厚み)を小さくすることができ、結果的にステータリング15の外径を小さくすることができる。
例えば、図6(a)に示すように、従来のステータリング18が、コア体19のコイル(図示せず)によって発生された磁束の磁路として機能していない場合に、ティース191のバックヨーク部191aが磁路として必要な断面積を確保するために、その半径方向寸法がS以上でなければならないとする。この場合においてもステータリング18は、コア体19の保持を可能とするために、最低限の半径方向の厚み寸法を必要としている。
一方、本実施形態によるステータリング15は、コイル164によって発生された磁束の磁路として機能するため、図6(a)に示した場合と同等性能の磁気回路を形成するためには、ステータリング15の半径方向寸法とバックヨーク部161aの半径方向寸法(厚み)とを足したものが、およそSだけあればよい(図6(b)示)。
したがって、コア体16のバックヨーク部161aの半径方向寸法を、コア体16をステータリング15に固定する際に、隣り合うコア体16同士を位置決めするために機能的に必要とする厚みまで小さくできる。これにより、従来に対して、ステータ14の内径寸法φ(ステータリング15に取り付けられたコア体16の内端同士の間の寸法)を維持するとすれば、ステータ14の外径寸法D2を、従来のものの外径寸法D1よりも小さくすることができる(D1>D2)。
よって、ステータ14の外径寸法D2を小さくすることにより、モータハウジング11も小さくできるため、電動モータ1全体を小型、軽量化することができる。但し、上記説明中において、ティース161のバックヨーク部161aの回転軸方向の長さと、ステータリング15の回転軸方向の長さとが、ほぼ同じことを前提としている。
図6(b)に示したように、本実施形態によれば、結果的に、ステータリング15の半径方向の厚み寸法は、バックヨーク部161aの半径方向寸法に対してはるかに大きくなって、バックヨーク部161aと比較してその磁気抵抗が少なくなることもあり、ステータリング15がコイル164によって発生された磁束の主な磁路として機能することができる。
また、ステータリング15は、強磁性体により形成されていることにより、コイル164により発生された磁束がステータリング15上をいっそう通りやすくなり、ステータリング15において磁束が通る部位の断面積を小さくし、その外径をさらに小さくすることが可能となる。
また、ステータリング15は、軟磁性鋳鉄により形成されていることにより、体積抵抗率が高く渦電流損を低減することができ、ロータ13の回転トルクを維持しながら、電動モータ1をさらに小型化することができる。
また、軟磁性鋳鉄は外部磁場により磁化されやすく保磁力が低いため、交流電流を供給して回転磁界を発生させるステータ14への使用に適している。
さらに、ステータリング15の材質を、その透磁率がティース161よりも大きいものにすれば、ステータリング15を通過する磁束の量をいっそう増大させることができる。
また、ティース161のバックヨーク部161aの半径方向寸法を、コア体16をステータリング15に固定する際に、隣接するコア体16のバックヨーク部161a同士を互いに当接させることにより、隣り合うコア体16同士を位置決めするために機能的に必要とする厚みにしたことにより、バックヨーク部161aの半径方向寸法を極めて小さくすることができ、電動モータ1全体を小型、軽量化することができる。
また、クラッチ装置3はロータ13の半径方向内方に設けられていることにより、クラッチ装置3の有効半径を大きくして、トルク伝達用プレートである駆動ディスク322および従動プレート331の枚数を低減することができる。
すなわち、コア体16において磁路が形成されるバックヨーク部161aの寸法を小さくして、ステータリング15の外径寸法を小さくする代わりに、ステータ14の内径を大きくすることができるため、ロータ13の内径も大きくすることが可能となる。したがって、クラッチ装置3の外径を大きくして、駆動ディスク322および従動プレート331の枚数を低減することができる。
また、ステータリング15の外周縁には、ステータリング15をモータハウジング11に対し固定するための、複数の貫通孔152が貫通しており、それぞれの貫通孔152は、いずれかのコア体16の円周方向のほぼ中央部と対向するような、ステータリング15上の位置に形成されたことにより、コイル164により発生された磁束が貫通孔152を避けて通ることができ、貫通孔152が磁束の形成を妨げることがない。
<実施形態2>
図7に基づき、本発明の実施形態2によるステータ14Aについて説明する。尚、図7において、コア体16のボビン162、163およびコイル164は省略されている。本実施形態によるステータ14Aは、実施形態1によるステータ14に対し、回転軸方向に複数のリムRP(本発明のリング状のピースに該当する)に分割されたステータリング15Aを備えている点のみが異なる。
各々のリムRPは、軟磁性鋳鉄、電磁鋼板、ケイ素鋼板といった強磁性体によりリング状に形成されており、それぞれ上述した貫通孔152を備えている。それぞれのリムRPは、積層された状態で貫通孔152にピン等を挿入して、円周方向の位置決めを行った後に互いに接合される。各リムRPが接合されて形成されたステータリング15Aは、複数のコア体16が取り付けられた後、上述した取付ボルト17によってモータハウジング11に取り付けられる。
本実施形態によれば、ステータリング15Aは、ロータ13の回転軸方向において複数のリング状のリムRPに分割されていることにより、ステータリング15A上における渦電流損をさらに低減することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による電動モータ1は、同期モータ、誘導モータ、直流モータあるいはそれ以外のあらゆる回転電機に適用可能である。
また、本発明による電動モータ1は車両のみではなく、家庭用電器あるいは一般的な産業用機械の回転電機として使用することも可能である。
図面中、1は電動モータ(回転電機)、2はエンジン、3はクラッチ装置(多板クラッチ)、6Rは右駆動輪(車輪)、6Lは左駆動輪(車輪)、11はモータハウジング(ハウジング)、13はロータ、14,14Aはステータ、15,15Aはステータリング(保持リング)、16はコア体(コア)、32はインプットシャフト(入力側部材)、33はクラッチアウタ(出力側部材)、152は貫通孔(取付孔)、161aはバックヨーク部、164はコイル、RPはリム(リング状のピース)を示している。

Claims (7)

  1. ハウジングに回転可能に取り付けられたロータと、
    前記ロータと半径方向に対向して設けられたステータとを備え、
    前記ステータは、
    強磁性体により形成され、前記ハウジングに取り付けられた円環状の保持リングと、
    各々コイルが巻回されるとともに、前記保持リングの内周面に円環状に並んで取り付けられた複数のコアと、
    により形成され、
    前記コイルに通電することにより、前記ステータにおいて回転磁界を発生させ、前記回転磁界に起因する吸引力または反発力によって前記ロータが回転する回転電機において、
    前記保持リングが、
    前記コイルによって発生された磁束の磁路として機能することを特徴とする回転電機。
  2. 前記保持リングに取り付けられた状態で、前記コアの半径方向の外端部に位置するバックヨーク部の半径方向寸法を、前記コアを前記保持リングに固定する際に、隣接する前記コアの前記バックヨーク部同士を互いに当接させることにより、隣り合う前記コア同士を位置決めするのに必要とする厚みにしたことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 前記保持リングは、
    軟磁性鋳鉄により形成されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 前記保持リングの外周縁には、前記保持リングを前記ハウジングに対し固定するための、複数の取付孔が貫通しており、
    それぞれの前記取付孔は、
    前記コアの円周方向における中央部と対向するような、前記保持リング上の位置に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記保持リングは、
    前記ロータの回転軸方向において複数のリング状のピースに分割されており、各々の前記ピースが積層された状態で前記ハウジングに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の回転電機。
  6. 強磁性体により形成され、ハウジングに取り付けられた円環状の保持リングと、各々コイルが巻回されるとともに、前記保持リングの内周面に円環状に並んで取り付けられた複数のコアとにより形成されたステータと、
    前記ステータに対して半径方向に対向するように、前記ハウジングに回転可能に取り付けられるとともに、車両の車輪へと連結されたロータと、
    を備え、
    前記ロータの半径方向内方には、
    入力側部材と出力側部材とを備え、前記入力側部材と前記出力側部材との間が断続される多板クラッチが設けられており、
    前記入力側部材は、
    エンジンのクランクシャフトと接続され、
    前記出力側部材は、
    前記ロータと連結されており、
    前記コイルに通電することにより、前記ステータにおいて回転磁界を発生させ、前記回転磁界に起因する吸引力または反発力によって前記ロータが回転し、前記車輪を駆動するハイブリッド車両駆動用回転電機において、
    前記保持リングが、
    前記コイルによって発生された磁束の磁路として機能することを特徴とするハイブリッド車両駆動用回転電機。
  7. 強磁性体により形成され、回転電機のハウジングに取り付けられる円環状の保持リングと、
    各々コイルが巻回されるとともに、前記保持リングの内周面に円環状に並んで取り付けられた複数のコアと、
    を備え、
    前記コイルに通電することにより回転磁界を発生させ、前記回転磁界に起因する吸引力または反発力によって、半径方向に対向したロータを回転させる回転電機のステータにおいて、
    前記保持リングが、
    前記コイルによって発生された磁束の磁路として機能することを特徴とする回転電機のステータ。
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