JPH11299137A - モータ用ステータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で、ステータコアを円筒部材に対し
て容易かつ高精度に位置決めすることを可能にする。 【解決手段】ステータ１４は、それぞれコイル２２が巻
き付けられた複数のステータコア１８と、前記ステータ
コア１８同士が円環状に連接された状態で該ステータコ
ア１８を一体的に圧入する円筒部材２４とを備える。ス
テータコア１８に第１係合部位３３が設けられる一方、
円筒部材２４には、センサ取付孔４０ａ〜４０ｃと、前
記第１係合部位３３と互いに嵌合して前記ステータコア
１８の位置決めおよび回り止めを行う第２係合部位４３
とが、プレス成形により一体的に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数のステータコ
アが互いに円環状に連接された状態で円筒部材内に収容
されるモータ用ステータに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、モータのステータは、略円筒体の
内周面に半径方向に向かって突部が複数形成されてお
り、その突部の溝に導線を巻き付けるように構成されて
いる。ところが、その導線の巻き付け作業が極めて煩雑
であるという不具合が指摘されている。

【０００３】そこで、例えば、特開平７−１６３０７０
号公報に開示されたステータが知られている。このステ
ータは、頭部と脚部とを有する略Ｔ字状の弾性体として
形成された複数のステータコアを備え、このステータコ
アは、前記頭部の円周方向の一端部に凹部を設け、他端
部に前記凹部に対応する凸部を形成し、前記凸部を隣接
する他のステータコアの凹部に嵌合して円周状に連結さ
れてステータを構成している。

【０００４】このステータでは、ステータコアの脚部に
導線が巻き付けられた後、前記ステータコアが互いに凹
部と凸部とを嵌合して円周状に連接される。次に、ステ
ータコアが保持体で軸芯方向に締め付けられた状態でハ
ウジング内に挿入され、前記保持体による締め付け力が
解除されることによって、前記ステータコアが拡径して
前記ハウジングの内周面に圧接する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この場合、この種のス
テータでは、ハウジング内に配置されたステータコアを
このハウジングに対して回り止めする必要があり、通
常、キー等を使用して前記ステータコアの回り止めを行
っている。ところで、ハウジングには、ロータのステー
タに対する回転位置を検出するための位置検出センサが
装着されている。例えば、３相の交流電圧を適切な位置
でモータに負荷するためである。このため、位置検出セ
ンサとステータコアとを高精度に位置決めしなければな
らず、この位置決め作業が相当に煩雑であるという問題
が指摘されている。

【０００６】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、簡単な構成で、ステータコアを円筒部材に対して
容易かつ高精度に位置決めすることが可能なモータ用ス
テータを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るモータ用ス
テータでは、円環状に連接された少なくとも１つのステ
ータコアの外周面に凹形状または凸形状の第１係合部位
が形成される一方、円筒部材の内周面に凸形状または凹
形状の第２係合部位が一体的に設けられ、前記第１およ
び第２係合部位が互いに嵌合して前記ステータコアの位
置決めが行われる。

【０００８】これにより、ステータコアの回り止めが確
実になされるとともに、前記ステータコアの位相が、簡
単な作業で迅速かつ高精度に決定される。

【０００９】また、円筒部材が鉄系材料で形成されてお
り、第２係合部位およびセンサ取付部位がプレス成形で
一体的に設けられる。このため、円筒部材の製作工程が
一挙に簡素化するとともに、第２係合部位とセンサ取付
部位とが高精度に位置決めされる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態に係る
モータ用ステータが適用されるモータジェネレータ１０
の概略正面図であり、図２は、前記モータジェネレータ
１０の縦断面説明図である。

【００１１】モータジェネレータ１０は、例えば、ガソ
リンを燃焼させることによって駆動力を発生させる内燃
エンジンを備えたハイブリッド車両に組み込まれてお
り、回生による発電および電力により駆動力を発生させ
て内燃エンジンの出力をアシストする機能を有する。

【００１２】モータジェネレータ１０は、図示しない内
燃エンジンから延在するクランクシャフト１１に固定さ
れる円形状のロータ１２と、このロータ１２の外周部に
装着される本実施形態に係るドーナツ形状のステータ１
４とを備える。ロータ１２の外周部には、複数の磁石１
６がＮ極およびＳ極を交互にして配設されている。

【００１３】ステータ１４は、それぞれ円周方向に複数
配置されるステータコア１８と、このステータコア１８
の外周部に断面略コ字状のガイド部材２０を介して巻き
付けられるコイル（導線）２２と、前記ステータコア１
８同士が円環状に連接された状態で該ステータコア１８
を一体的に圧入する円筒部材２４と、前記円筒部材２４
をねじ止め固定するステータハウジング２６とを備え
る。

【００１４】ステータコア１８は、同一形状の弾性力の
ある鉄系材料から得られた板体を所定の枚数積層して形
成されている。図１および図３に示すように、ステータ
コア１８は、頭部２８と脚部３０とを備えた略Ｔ字状の
形状を有している。頭部２８には、円筒部材２４の内周
面２４ａに当接する円弧状の外周面３２が形成されると
ともに、この外周面３２には、凹形状（または凸形状）
の第１係合部位３３が形成される（図４参照）。頭部２
８の円周方向の一端部に凸部３４が形成される一方、そ
の他端部に前記凸部３４に対応する凹部３６が形成され
る。

【００１５】円筒部材２４は、鉄系材料で構成され、略
リング状を有している。円筒部材２４の一側面２４ｂに
は、前記円筒部材２４をステータハウジング２６にねじ
止めするための複数の孔部３８が形成されるとともに、
前記円筒部材２４の他側面２４ｃには、センサ取付孔
（センサ取付部位）４０ａ〜４０ｃがプレス成形により
一体的に設けられている。円筒部材２４の内周面２４ａ
には、第１係合部位３３と互いに嵌合してステータコア
１８の位置決めおよび回り止めを行う凸形状（または凹
形状）の第２係合部位４３が所定の角度ずつ離間してプ
レス成形により一体的に設けられている。

【００１６】図２に示すように、ガイド部材２０の内燃
エンジン側には、ステータコア１８の外周側に沿って周
回溝部４２が形成され、この周回溝部４２に導電性の３
枚の接続リング（バスプレート）４４ａ〜４４ｃが重畳
して装着される。接続リング４４ａ〜４４ｃは、それぞ
れの表面に絶縁層が形成されており、３相交流により駆
動されるようにステータコア１８に巻装されたコイル２
２に対してそれぞれ２つおきに接続される。接続リング
４４ａ〜４４ｃから外方に突出する端子部４６ａ〜４６
ｃは、ステータハウジング２６に設けられたコネクタ４
８より導出される端子板５０ａ〜５０ｃに接続される
（図１参照）。

【００１７】円筒部材２４のセンサ取付孔４０ａ〜４０
ｃには、ロータ１２のステータ１４に対する回転位置を
検出するための位置検出センサ５２ａ〜５２ｃが装着さ
れる（図２参照）。このロータ１２には、ボルト５４を
介してディスク状のフライホイール５６が固定されると
ともに、このフライホイール５６にボルト５８を介して
検出プレート６０が固定され、この検出プレート６０に
は、位置検出センサ５２ａ〜５２ｃに対向するように孔
部６２が形成されている。

【００１８】フライホイール５６は、クラッチ機構６４
を構成している。このクラッチ機構６４は、駆動力を切
り換えて図示しない駆動軸に伝達するトランスミッショ
ン６６に連結されている。

【００１９】このように構成されるモータジェネレータ
１０において、ステータ１４を組み立てる作業について
以下に説明する。

【００２０】先ず、図５に示すように、ステータコア１
８の脚部３０には、ガイド部材２０を介して導線による
巻線が施され、コイル２２が設けられる。このコイル２
２には、端末処理等が施される。

【００２１】次に、図６に示すように、コイル２２が設
けられた複数のステータコア１８同士が円環状に連結さ
れる。具体的には、各ステータコア１８の頭部２８に設
けられた凸部３４を隣接する凹部３６に嵌合することに
より、前記ステータコア１８同士が連結される。複数の
ステータコア１８は、図示しない保持手段によって保持
された状態で円筒部材２４の内周面２４ａに一体的に圧
入される（図７参照）。さらに、図８に示すように、ガ
イド部材２０の周回溝部４２に接続リング４４ａ〜４４
ｃが装着されるとともに、結線作業等の所定の処理が施
される。そして、円筒部材２４がステータハウジング２
６にねじ止め固定される。

【００２２】この場合、本実施形態では、コイル２２が
装着された複数のステータコア１８同士を円環状に連接
した状態で、前記ステータコア１８を円筒部材２４の内
周面２４ａに一体的に圧入する際、該ステータコア１８
の第１係合部位３３と該円筒部材２４の第２係合部位４
３とが互いに嵌合する。このため、ステータコア１８
は、円筒部材２４内で正確に位置決め保持されるととも
に、このステータコア１８の回り止めが確実に行われる
という効果が得られる。

【００２３】しかも、円筒部材２４には、第２係合部位
４３およびセンサ取付孔４０ａ〜４０ｃがプレス成形に
より一体的に設けられており、前記第２係合部位４３と
前記センサ取付孔４０ａ〜４０ｃとは、互いに精度よく
配置されている。従って、第２係合部位４３に第１係合
部位３３を嵌合して配置されるステータコア１８と、セ
ンサ取付孔４０ａ〜４０ｃに装着される位置検出センサ
５２ａ〜５２ｃとは、互いに高精度に位置決めされるこ
とになる。これによりフライホイール５６の回転作用下
に検出プレート６０に形成された孔部６２を介して位置
検出センサ５２ａ〜５２ｃが駆動される際、３相の交流
電圧を適切な位置で負荷することができ、高品質なモー
タジェネレータ１０を得ることが可能になるという効果
がある。

【００２４】しかも、円筒部材２４は、ステータコア１
８と同様に、鉄系材料で形成されている。従って、ステ
ータコア１８を円環状に維持して円筒部材２４内に圧入
する際、この円筒部材２４の内周面２４ａに損傷が惹起
したり、該円筒部材２４が破損する等の不具合を有効に
回避し、高品質なステータ１４を効率的に組み立てるこ
とができる。

【００２５】なお、本実施形態では、各ステータコア１
８の外周面３２に第１係合部位３３が設けられるととも
に、円筒部材２４の内周面２４ａに前記ステータコア１
８の数に対応して複数の第２係合部位４３が設けられて
いるが、これに限定されるものではない。例えば、１つ
のステータコア１８の外周面３２に第１係合部位３３を
設ける一方、円筒部材２４の内周面２４ａに１つの第２
係合部位４３を設けてもよく、また、前記第１および第
２係合部位３３、４３を互いに対応して２つ以上設けて
もよい。

【００２６】また、本実施形態では、ハイブリッド車両
に組み込まれるモータジェネレータ１０を用いて説明し
たが、これに限定されるものではなく、種々の構造のモ
ータに適用可能である。

【００２７】

【発明の効果】本発明に係るモータ用ステータでは、円
環状に連接された少なくとも１つのステータコアの外周
面に凹形状または凸形状の第１係合部位が形成される一
方、円筒部材の内周面に凸形状または凹形状の第２係合
部位が一体的に設けられ、前記第１および第２係合部位
が互いに嵌合して前記ステータコアの位置決めが行われ
る。これにより、ステータコアの回り止めが確実になさ
れるとともに、前記ステータコアの位相が、簡単な作業
で迅速かつ高精度に決定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るモータ用ステータの組
立方法が適用されるモータジェネレータの概略正面図で
ある。

【図２】前記モータジェネレータの縦断面説明図であ
る。

【図３】前記モータジェネレータを構成するステータの
分解斜視説明図である。

【図４】前記ステータを構成するステータコアが円筒部
材に圧入された状態の平面説明図である。

【図５】前記ステータを構成するステータコアにガイド
部材を介して巻線が施された際の斜視説明図である。

【図６】前記巻線が施された前記ステータコアを円環状
に配置した状態の斜視説明図である。

【図７】前記ステータコアを前記円筒部材に圧入した状
態の斜視説明図である。

【図８】前記円筒部材に接続リングを組み付けた状態の
斜視説明図である。

【符号の説明】

１０…モータジェネレータ １２…ロータ １４…ステータ １８…ステータ
コア ２０…ガイド部材 ２２…コイル ２４…円筒部材 ２６…ステータ
ハウジング ２８…頭部 ３３、４３…係
合部位 ４０ａ〜４０ｃ…センサ取付孔 ４４ａ〜４４ｃ
…接続リング ５２ａ〜５２ｃ…位置検出センサ ６０…検出プレ
ート ６２…孔部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ導線が巻き付けられた複数のステ
   ータコアと、 前記ステータコアが互いに円環状に連接された状態で一
   体的に収容される円筒部材と、 を備え、 前記円環状に連接された少なくとも１つの前記ステータ
   コアの外周面には、凹形状または凸形状の第１係合部位
   が形成され、 前記ステータコアの外周面が接触する前記円筒部材の内
   周面には、前記第１係合部位と互いに嵌合して前記ステ
   ータコアの位置決めを行う凸形状または凹形状の第２係
   合部位が一体的に設けられるとともに、 前記円筒部材には、ロータのステータに対する回転位置
   を検出するセンサを取り付けるためのセンサ取付部位が
   設けられることを特徴とするモータ用ステータ。
2. 【請求項２】請求項１記載のステータにおいて、前記円
   筒部材は、鉄系材料で形成されており、前記第２係合部
   位および前記センサ取付部位がプレス成形で一体的に設
   けられることを特徴とするモータ用ステータ。