JP2005312152A - ステータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分割鉄心42のティースに外嵌した絶縁ボビン43のボビン部にステータコイル44を巻回してステータ片41が構成され、複数のステータ片41を円環状に配列して環状ステータ群が構成され、この環状ステータ群がステータホルダに圧入固定されてなるステータであって、絶縁ボビン43は、ボビン部から分割鉄心42のヨーク42b側に延出して配電用空間51を形成せしめる配電用壁部46を有し、この配電用壁部46には、配電用空間51に収容される環状の配電部材に対する周方向位置決め用の係合凹部50が設けられている。
【選択図】 図10
Description
図20は、従来のステータ100の構造例を示す要部断面図である。従来は、分割鉄心103のティース103aに絶縁ボビン109を外嵌し、絶縁ボビン109にステータコイル108を巻回してステータ片120を形成し、このステータ片120を複数用意して円環状に配列して環状ステータ群を形成し、この環状ステータ群をステータホルダ101のフランジ部104側から筒部105に圧入して、各ステータ片120をステータホルダ101に固定している。なお、絶縁ボビン109は樹脂製であり、強度的な問題から、環状ステータ群を圧入するときに絶縁ボビン109に圧入力を加えることはできない。
また、従来のステータ100では、組み立て時に配電部材110の位置決めが面倒で、特に周方向の位置決めが容易でなかった。配電部材110が適正な位置に配置されていないと、配電部材110と各ステータ片120のステータコイル108との接続作業をスムーズに進められなくなる。
そこで、この発明は、配電部材を適正な位置に配置することができ、且つ、絶縁ボビンの設計自由度を大きくできるステータを提供するものである。
このように構成することにより、配電部材を絶縁ボビンの配電用空間に収納することができるので配電部材の収まりがよくなり、また、配電部材を環状ステータ群に取り付ける際の周方向の位置決めが容易にできて、配電部材を環状ステータ群に対して精確な位置に容易に取り付けることができる。
このように構成することにより、給電線を周方向に部分的に結束してなる軽量で構成簡単な配電部材を、環状ステータ群に対して容易に位置決めすることができる。
このように構成することにより、環状ステータ群をステータホルダに圧入する際に、圧入治具の先端を、絶縁ボビンに設けた前記孔に通して分割鉄心の端面に突き当て、直接に押し込み力を分割鉄心に作用させることができる。換言すると、絶縁ボビンに力を加えずに環状ステータ群をステータホルダに圧入することができる。
また、環状ステータ群のステータホルダへの圧入寸法を、前記圧入治具の軸線方向ストロークによって設定することができる。
請求項3に係る発明によれば、絶縁ボビンに力を加えずに環状ステータ群をステータホルダに圧入することができるので、絶縁ボビンにダメージを与えることがなく、絶縁ボビンの損傷を防止することができる。この効果は、圧入力に耐えられない樹脂等の材料で絶縁ボビンを形成した場合に大きい。また、環状ステータ群のステータホルダへの圧入寸法を、前記圧入治具の軸線方向ストロークによって設定することができるので、圧入寸法の管理が容易にできる。
この実施例におけるステータはハイブリッド車両の駆動用電動機に用いられている。図1はハイブリッド車両の駆動系の模式図であり、ハイブリッド車両は駆動源として内燃機関(エンジン)2と電動機(回転電機)3を備え、電動機3においてステータ1の内側で回転するロータ5に、内燃機関2の出力軸2aおよびトランスミッション4の入力軸4aが連結されている。内燃機関2と電動機3の駆動力はトランスミッション4を介して駆動輪(車輪)6に伝達され、内燃機関2と電動機3の少なくとも一方の動力を駆動力としてハイブリッド車両は走行する。また、このハイブリッド車両は、減速時に駆動輪6側から電動機3側に駆動力が伝達されると、電動機3は発電機として機能し、回生制動により車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして図示しない蓄電装置に回収する。
ハウジング10は電動機3のハウジングを形成しており、内燃機関2とトランスミッション4の間に挟み込まれてこれらに連結固定される。
ハウジング10の内部空間13は、ステータホルダ20や環状ステータ群40が収納可能な形状に形成されており、その内周部のトランスミッション4との連結側には、ステータホルダ20を固定するためのボルト孔11を有するボス(固定部)12が、周方向所定位置に複数(この実施例では6つ)設けられている。また、ハウジング10は、内部空間13に連なるターミナルボックス14を備えている。
なお、ステータホルダ20をハウジング10に固定する6本のボルト24のうちの2本は、図6に示すように、円筒状のノックパイプ25を挿通しており、対応する貫通孔23はノックパイプ25が嵌入可能な大きさにされ、対応するボルト孔11にはノックパイプ25が嵌入可能なノック孔15が形成されている。
この実施例において、テーパ筒部28および円弧面29a,29bは、ステータホルダ20の内径が軸線方向一端側(フランジ部22側)へ向かって連続的に縮径する縮径部30を構成し、円弧面29bの小径側に内径一定の小径筒部26が連なっている。また、大径筒部27と縮径部30は導入部31を構成する。
また、ステータホルダ20の周方向所定部位には、テーパ筒部28から大径筒部27の一部分に跨って軸線方向に延びる突条32が径方向内側に突出して設けられている。この突条32は環状ステータ群40に対する周方向の位置決めをするためのものである。
分割鉄心42は、ティース42aとヨーク42bを備え、ヨーク42bの周方向一端側には略半円形の凸部42cが形成され、他端側には略半円形の凹部42dが形成されていて、ステータ片41,41…を円環状に配列したときに、ヨーク42bの凸部42cが隣接するヨーク42bの凹部42dに嵌合して、総てのヨーク42bが真円状に繋がる。
また、ヨーク42bの外周面には分割鉄心42の積層方向に沿って延びる溝42eが設けられており、この溝42eにステータホルダ20の突条32を嵌入することで、ステータホルダ20に対する環状ステータ群40の周方向位置が位置決めされる。
配電部材70は、同一径のリング状をなすU相、V相、W相のバスリング(給電線)71U,71V,71Wを軸線方向にずらして同心上に配置し、これら三相のバスリング71U,71V,71Wを樹脂モールド部(結束部材)73によって束ねて構成されている。各バスリング71U,71V,71Wには、径方向内側に略コ字形に突出する接続部72が周方向所定間隔おきに設けられており、各相の接続部72が他の相の接続部72と周方向で重複しないように順番に配置されている。
なお、図15に示すように、バスリング71U,71V,71Wはいずれも、導線75を絶縁カバー76で被覆して構成されているが、接続部72では絶縁カバー76が剥がされて導線75が露出している。接続部72においてバスリング71(U〜W)の直径方向に延出する部分は端子部72aにされている。
また、各相のバスリング71U,71V,71Wからは接続端子74U,74V,74Wが径方向外側に延出しており、各相の接続端子74U,74V,74Wは、図2および図5に示すように、ターミナルボックス14内に配されたバスバー90U,90V,90Wを介して、給電端子91U,91V,91Wに接続されている。
まず、図17に示すように、ハウジング10にステータホルダ20を取り付ける。その場合には、ハウジング10においてボス12が設けられていない側の開口、すなわち内燃機関2側の開口から、フランジ部22を先行するようにして、ステータホルダ20をハウジング10の内部空間13に挿入し、フランジ部22の貫通孔23をボス12のボルト孔11に合わせながら、フランジ部22をボス12の端面に当てる。そして、2本のボルト24をそれぞれノックパイプ25に挿通し、フランジ部22の対応する貫通孔23に挿通するとともに、対応するボルト孔11に螺合して締め付け、ノックパイプ25をノック孔15に嵌入する。このように2本のボルト24を取り付けることにより、ノックパイプ25を定位置に嵌着することができ、且つステータホルダ20をハウジング10に対して周方向および径方向に精確に位置決めすることができる。その後、残る4本のボルト24をボルト孔11に螺合し締め付けて、ステータホルダ20の取り付けが完了する。
また、環状ステータ群40のステータホルダ20への圧入寸法は、前記圧入治具の軸線方向ストロークによって設定することができる。このようにすると、圧入寸法の管理が容易にできる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、絶縁ボビンにおける配電部材に対する周方向位置決め用の係合部を、配電部材の結束部材(樹脂モールド部73)に係合する凹部(係合凹部50)で構成したが、結束部材に凹部を設けておいて、これに係合する凸部(係合部)を絶縁ボビンに設けることもできる。すなわち、絶縁ボビンに設ける係合部は凸状であってもよいし凹状であってもよい。また、絶縁ボビンの係合部とそれに係合する配電部材の係合部の形状は、前述した実施例の形状に限定されず、種々の形状が採用可能である。
また、配電用壁部に設けるヨーク端面を露出させるための孔は、ヨーク端面が露出させて圧入治具を突き当てる目的を達成することができる限り、配電用壁部のいかなる位置に設けてもよいし、いかなる形状、寸法であっても構わない。
また、前述した実施例は、本発明をハイブリッド車両の駆動用電動機のステータに適用した例であるが、電気自動車における駆動用電動機や、その他の電動機や発電機のステータにも本発明は適用可能である。
20 ステータホルダ
40 環状ステータ群
41 ステータ片
42 分割鉄心
42a ティース
42b ヨーク
43 絶縁ボビン
44 ステータコイル
45 ボビン部
46 配電用壁部
46a 孔
50 係合凹部
51 配電用空間
70 配電部材
71U〜71W バスリング(給電線)
73 樹脂モールド部(結束部材)
Claims (3)
- 分割鉄心のティースに外嵌した絶縁ボビンのボビン部にステータコイルを巻回してステータ片が構成され、複数の前記ステータ片を円環状に配列して環状ステータ群が構成され、この環状ステータ群に環状の配電部材が取り付けられてなるステータであって、
前記絶縁ボビンは、前記ボビン部から前記分割鉄心のヨーク側に延出して配電用空間を形成せしめる配電用壁部を有し、前記配電用空間に前記配電部材が収納され、前記配電用壁部には、前記配電部材に対する周方向位置決め用の係合部が設けられていることを特徴とするステータ。 - 前記配電部材は円環状をなす複数相の給電線を周方向所定間隔で結束部材によって束ねてなり、前記係合部は前記結束部材に係合する凹部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
- 前記配電用壁部は、前記ヨークの軸線方向一方の端面のほぼ全面を覆うように形成されているとともに、前記ヨークの前記端面の一部を露出させる孔を有し、前記環状ステータ群はステータホルダに圧入固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
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