JP4149474B2 - ステータとその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、この発明は、配電部材の位置決めを容易に行うことができ、配電部材とステータコイルとの接続を容易に行うことができるステータとその製造方法を提供するものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記ターミナルには、いずれの相の給電線の前記端子部にも接続可能な軸線方向長さを有する接続部(例えば、後述する実施例における第2接続部61c)が形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記絶縁ボビンは前記ステータコイルが巻回されるボビン部(例えば、後述する実施例におけるボビン部45)を備え、前記ボビン部の径方向端部に設けられた鍔部(例えば、後述する実施例における鍔部45a)と、前記配電用壁部を構成する側板部(例えば、後述する実施例における側板部48)および該側板部から分割鉄心に対して離間する方向に屈曲する天板部(例えば、後述する実施例における天板部49)と、に囲まれて前記配電部材を収納する配電用空間(例えば、後述する実施例における配電用空間51)が形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記端子部はコ字形に前記環状ステータ群の直径方向に延出していることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記配電用壁部の係合部は凹部(例えば、後述する実施例における係合凹部50)であり、該凹部と前記結束部とが係合することにより、前記配電部材が前記環状ステータ群に対して周方向に位置決めされていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明において、前記ステータはハイブリッド車両の駆動用電動機(例えば、後述する実施例における電動機3)に用いられていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、分割鉄心に外嵌した絶縁ボビンにステータコイルを巻回してステータ片が構成され、複数の前記ステータ片を環状に配列して環状ステータ群が構成され、この環状ステータ群に環状の配電部材が取り付けられ、前記配電部材の給電線と前記ステータコイルが、前記絶縁ボビンにて接続されたステータの製造方法であって、
前記配電部材は複数相の給電線を相毎にステータの軸線方向にずらして周方向所定間隔で結束部材により束ねて構成され、且つ前記各給電線はステータの直径方向へコ字形に延出する端子部を備え、
前記絶縁ボビンは、前記端子部と前記ステータコイルとを接続するターミナルと、前記結束部材に係合する係合部を有する配電用壁部とを備えており、
複数の前記ステータ片を環状に配列して環状ステータ群を形成するステップと、
前記結束部材を前記絶縁ボビンの前記係合部に係合させることにより前記配電部材と前記環状ステータ群とを周方向に位置決めするステップと、
前記端子部と前記ターミナルとを接続するステップと、
を有することを特徴とするステータの製造方法である。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の発明において、前記端子部と前記ターミナルとを接続した後に該ターミナルをかしめるステップをさらに有することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、配電部材のいずれの相の端子部もターミナルの接続部に確実に接続することができる。その結果、いずれの相のステータ片におけるターミナルも同じもので済み、ターミナルの共通化が可能になる。
請求項4に係る発明によれば、配電部材を絶縁ボビンの配電用空間に収納することができるので配電部材の収まりがよくなる
請求項6に係る発明によれば、環状ステータ群をステータホルダに圧入する際に、圧入治具の先端を、絶縁ボビンに設けた前記孔に通して分割鉄心の端面に突き当て、直接に押し込み力を分割鉄心に作用させることができる。換言すると、絶縁ボビンに力を加えずに環状ステータ群をステータホルダに圧入することができる。その結果、絶縁ボビンにダメージを与えることがなく、絶縁ボビンの損傷を防止することができる。また、環状ステータ群のステータホルダへの圧入寸法を、前記圧入治具の軸線方向ストロークによって設定することができるので、圧入寸法の管理が容易にできる
請求項8に係る発明によれば、ハイブリッド車両の駆動用電動機の製造が容易になる。
請求項9および請求項10に係る発明によれば、ステータの生産性が向上する。
この実施例におけるステータはハイブリッド車両の駆動用電動機に用いられている。図1はハイブリッド車両の駆動系の模式図であり、ハイブリッド車両は駆動源として内燃機関(エンジン)2と電動機(回転電機)3を備え、電動機3においてステータ1の内側で回転するロータ5に、内燃機関2の出力軸2aおよびトランスミッション4の入力軸4aが連結されている。内燃機関2と電動機3の駆動力はトランスミッション4を介して駆動輪(車輪)6に伝達され、内燃機関2と電動機3の少なくとも一方の動力を駆動力としてハイブリッド車両は走行する。また、このハイブリッド車両は、減速時に駆動輪6側から電動機3側に駆動力が伝達されると、電動機3は発電機として機能し、回生制動により車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして図示しない蓄電装置に回収する。
ハウジング10は電動機3のハウジングを形成しており、内燃機関2とトランスミッション4の間に挟み込まれてこれらに連結固定される。
ハウジング10の内部空間13は、ステータホルダ20や環状ステータ群40が収納可能な形状に形成されており、その内周部のトランスミッション4との連結側には、ステータホルダ20を固定するためのボルト孔11を有するボス(固定部)12が、周方向所定位置に複数(この実施例では6つ)設けられている。また、ハウジング10は、内部空間13に連なるターミナルボックス14を備えている。
この実施例において、テーパ筒部28および円弧面29a,29bは、ステータホルダ20の内径が軸線方向一端側(フランジ部22側)へ向かって連続的に縮径する縮径部30を構成し、円弧面29bの小径側に内径一定の小径筒部26が連なっている。また、大径筒部27と縮径部30は導入部31を構成する。
また、ステータホルダ20の周方向所定部位には、テーパ筒部28から大径筒部27の一部分に跨って軸線方向に延びる突条32が径方向内側に突出して設けられている。この突条32は環状ステータ群40に対する周方向の位置決めをするためのものである。
分割鉄心42は、ティース42aとヨーク42bを備え、ヨーク42bの周方向一端側には略半円形の凸部42cが形成され、他端側には略半円形の凹部42dが形成されていて、ステータ片41,41…を円環状に配列したときに、ヨーク42bの凸部42cが隣接するヨーク42bの凹部42dに嵌合して、総てのヨーク42bが真円状に繋がる。
また、ヨーク42bの外周面には分割鉄心42の積層方向に沿って延びる溝42eが設けられており、この溝42eにステータホルダ20の突条32を嵌入することで、ステータホルダ20に対する環状ステータ群40の周方向位置が位置決めされる。
このステータ1においては、隣接する2つのステータコイル44,44の他端44b,44bを、中点ターミナル62の接続部62bに挿入した後、この接続部62bをかしめることにより、1回のかしめ作業で前記2つの他端44b,44bを接続することができ、生産性が向上する。
配電部材70は、同一径のリング状をなすU相、V相、W相のバスリング(給電線)71U,71V,71Wを軸線方向にずらして同心上に配置し、これら三相のバスリング71U,71V,71Wを樹脂モールド部(結束部材)73によって束ねて構成されている。各バスリング71U,71V,71Wには、径方向内側に略コ字形に突出する接続部72が周方向所定間隔おきに設けられており、各相の接続部72が他の相の接続部72と周方向で重複しないように順番に配置されている。
なお、図15に示すように、バスリング71U,71V,71Wはいずれも、導線75を絶縁カバー76で被覆して構成されているが、接続部72では絶縁カバー76が剥がされて導線75が露出している。接続部72においてバスリング71(U〜W)の直径方向に延出する部分は端子部72aにされている。
また、各相のバスリング71U,71V,71Wからは接続端子74U,74V,74Wが径方向外側に延出しており、各相の接続端子74U,74V,74Wは、図2および図5に示すように、ターミナルボックス14内に配されたバスバー90U,90V,90Wを介して、給電端子91U,91V,91Wに接続されている。
まず、図21に示すように、ハウジング10にステータホルダ20を取り付ける。その場合には、ハウジング10においてボス12が設けられていない側の開口、すなわち内燃機関2側の開口から、フランジ部22を先行するようにして、ステータホルダ20をハウジング10の内部空間13に挿入し、フランジ部22の貫通孔23をボス12のボルト孔11に合わせながら、フランジ部22をボス12の端面に当てる。そして、2本のボルト24をそれぞれノックパイプ25に挿通し、フランジ部22の対応する貫通孔23に挿通するとともに、対応するボルト孔11に螺合して締め付け、ノックパイプ25をノック孔15に嵌入する。このように2本のボルト24を取り付けることにより、ノックパイプ25を定位置に嵌着することができ、且つステータホルダ20をハウジング10に対して周方向および径方向に精確に位置決めすることができる。その後、残る4本のボルト24をボルト孔11に螺合し締め付けて、ステータホルダ20の取り付けが完了する。
また、環状ステータ群40のステータホルダ20への圧入寸法は、前記圧入治具の軸線方向ストロークによって設定することができる。このようにすると、圧入寸法の管理が容易にできる。
また、いずれの相のステータ片41にも、同じ形状・寸法のターミナル61を装着すればよいので、ターミナル61が1種類で済み、部品の共通化を図ることができ、生産性が向上する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、配電部材は前述した実施例のようなバスリング(給電線)を周方向部分的に樹脂モールド部で結束して構成したものに限らず、バスリングの全体を樹脂モールドにより包囲して構成したものなど、種々の構造の配電部材が採用可能である。給電線の端子部は、前述したコ字状のものに限らず、直線棒状のようなものであっても構わない。
また、前述した実施例は、本発明をハイブリッド車両の駆動用電動機のステータに適用した例であるが、電気自動車における駆動用電動機や、その他の電動機や発電機のステータにも本発明は適用可能である。
3 電動機
20 ステータホルダ
40 環状ステータ群
41 ステータ片
42 分割鉄心
43 絶縁ボビン
44 ステータコイル
45 ボビン部
45a 鍔部
46 配電用壁部
46a 孔
48 側板部
49 天板部
50 係合凹部(係合部)
51 配電用空間
61 ターミナル
61c 第2接続部(接続部)
70 配電部材
72a 端子部
71U〜71W バスリング(給電線)
73 樹脂モールド部(結束部材)
Claims (10)
- 分割鉄心に外嵌した絶縁ボビンにステータコイルを巻回してステータ片が構成され、複数の前記ステータ片を環状に配列して環状ステータ群が構成され、この環状ステータ群に環状の配電部材が取り付けられ、前記配電部材の給電線と前記ステータコイルが、前記絶縁ボビンにて接続されたステータであって、
前記配電部材は複数相の給電線を周方向所定間隔で結束部材により束ねて構成され、
前記各給電線はステータの直径方向に延出する端子部を備え、
前記絶縁ボビンは、前記端子部と前記ステータコイルとを接続するターミナルと、前記結束部材と係合して前記配電部材に対して周方向の位置決めをする係合部を有する配電用壁部と、を備えることを特徴とするステータ。 - 前記結束部材は、前記複数相の給電線を相毎にステータの軸線方向にずらして結束していることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
- 前記ターミナルには、いずれの相の給電線の前記端子部にも接続可能な軸線方向長さを有する接続部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のステータ。
- 前記絶縁ボビンは前記ステータコイルが巻回されるボビン部を備え、
前記ボビン部の径方向端部に設けられた鍔部と、前記配電用壁部を構成する側板部および該側板部から分割鉄心に対して離間する方向に屈曲する天板部と、に囲まれて前記配電部材を収納する配電用空間が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のステータ。 - 前記端子部はコ字形に前記環状ステータ群の直径方向に延出していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のステータ。
- 前記配電用壁部は、前記分割鉄心のヨークの軸線方向一方の端面のほぼ全面を覆うように形成されているとともに、前記ヨークの前記端面の一部を露出させる孔を有し、前記環状ステータ群はステータホルダに圧入固定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のステータ。
- 前記配電用壁部の係合部は凹部であり、該凹部と前記結束部とが係合することにより、前記配電部材が前記環状ステータ群に対して周方向に位置決めされていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のステータ。
- 前記ステータはハイブリッド車両の駆動用電動機に用いられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のステータ。
- 分割鉄心に外嵌した絶縁ボビンにステータコイルを巻回してステータ片が構成され、複数の前記ステータ片を環状に配列して環状ステータ群が構成され、この環状ステータ群に環状の配電部材が取り付けられ、前記配電部材の給電線と前記ステータコイルが、前記絶縁ボビンにて接続されたステータの製造方法であって、
前記配電部材は複数相の給電線を相毎にステータの軸線方向にずらして周方向所定間隔で結束部材により束ねて構成され、且つ前記各給電線はステータの直径方向へコ字形に延出する端子部を備え、
前記絶縁ボビンは、前記端子部と前記ステータコイルとを接続するターミナルと、前記結束部材に係合する係合部を有する配電用壁部とを備えており、
複数の前記ステータ片を環状に配列して環状ステータ群を形成するステップと、
前記結束部材を前記絶縁ボビンの前記係合部に係合させることにより前記配電部材と前記環状ステータ群とを周方向に位置決めするステップと、
前記端子部と前記ターミナルとを接続するステップと、
を有することを特徴とするステータの製造方法。 - 前記端子部と前記ターミナルとを接続した後に該ターミナルをかしめるステップをさらに有することを特徴とする請求項9に記載のステータの製造方法。
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