JP2011130530A - アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法 - Google Patents

アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法 Download PDF

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茂 田嶋
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Abstract

【課題】ヨーク部とロータフレームとを強固に一体化でき、遠心力や磁気吸引力に耐えうる剛性を確保できるアキシャルギャップ型モータ及びそのロータの製造方法を提供する。
【解決手段】アキシャルギャップ型モータのロータは、軸方向に磁化され周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部41と、テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体により構成され、複数の主磁石部41の軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部42と、外径側押圧部材50を積層体の外径側に取り付けた後、内径側押圧部材31a、31bを積層体の内径側に配置して積層体に外径側への圧縮力を作用させることで、内径側押圧部材31a、31bと外径側押圧部材50により積層体に径方向の圧縮力を作用させ、トルク伝達可能に構成される。
【選択図】図9

Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータ及びそのロータ製造方法に関する。
従来、例えば、回転軸周りに回転可能なロータと、回転軸方向の少なくとも一方側からロータに対向配置されたステータとを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、ステータを介した磁束ループを形成するアキシャルギャップ型モータが知られている。
このアキシャルギャップ型モータを構成するロータの製造方法としては、テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体によりヨーク部を構成したものが種々考案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。図14に示すように、特許文献1に記載のアキシャルギャップ型モータでは、テープ状の電磁鋼板を捲回した積層体によってヨーク部102を構成し、この積層体に形成された開口103に磁石104が収容されている。
特開2006−166635号公報(第2図) 特開2005−168124号公報(第1図) 特開2002−10537号公報(第1図)
ところで、ヨーク部を構成する積層体はその内側でシャフト、或いはロータフレームに取り付けられる。この積層体にシャフト、或いはロータフレームを剛性を確保した上で取り付ける場合には、ヨーク部が分割されたロータ構造に比べ、組み付け構造が複雑になりやすい。また、特許文献1〜3に記載のロータの製造方法には、具体的なシャフトとの取り付けについて記載されていない。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ヨーク部が電磁鋼板を捲回巻きして形成された積層体により構成される場合でも、回転による遠心力やステータからの磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができ組み付けやすいロータを備えるアキシャルギャップ型モータ及びそのロータの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11、11A、11B)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)であって、
前記ロータは、
前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部(例えば、後述の実施形態における主磁石部41)と、
テープ状の電磁鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板60)を捲回巻きした積層体(例えば、後述の実施形態における積層体71)により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)と、
前記積層体の内径側に取り付けられる環状の内径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるインナープレート31、31A、31B、加圧リング80)と、
前記積層体の外径部に取り付けられる環状の外径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるアウターリング50、50A)と、を備え、
前記外径側押圧部材を前記積層体の外径側に取り付けた後、前記内径側押圧部材を積層体の内径側に配置して前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることで、前記内径側押圧部材と前記外径側押圧部材により前記積層体に径方向の圧縮力を作用させトルク伝達可能に構成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記積層体は、環状の芯金(例えば、後述の実施形態における芯金32、32A)に前記電磁鋼板を捲回して構成され、
前記芯金の内周面には、回転軸方向一方側と回転軸方向他方側からそれぞれ略中央に向かって回転軸からの径方向距離が次第に短くなる第1及び第2被押圧側テーパ面(例えば、後述の実施形態における第1及び第2被押圧側テーパ面32a、32b)が形成され、
前記内径側押圧部材は、1対の第1及び第2内径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるインナープレート31A、31B)とから構成され、
前記第1内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって前記第1被押圧側テーパ面と当接する第1押圧側テーパ面(例えば、後述の実施形態における第1押圧側テーパ面31a)が形成され、
前記第2内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向他方側から一方側へ径方向距離が次第に短くなって前記第2被押圧側テーパ面と当接する第2押圧側テーパ面(例えば、後述の実施形態における第2押圧側テーパ面31b)が形成され、
前記第1内径側押圧部材を前記芯金の内径側に回転軸方向一方側から配置して前記第1押圧側テーパ面を前記第1被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向他方側に移動させるとともに、前記第2内径側押圧部材を前記芯金の内径側に回転軸方向他方側から配置して前記第2押圧側テーパ面を前記第2被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向一方側に移動させることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、
前記ロータは、前記積層体の内周部に向けて拡径されるフランジ部(例えば、後述の実施形態におけるフランジ部56)を有するシャフト部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト部55)をさらに備え、
前記第1及び第2内径側押圧部材は前記フランジ部を挟んで両側から締結されることにより、前記第1内径側押圧部材は前記第1押圧側テーパ面を前記第1被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向他方側に移動するとともに、前記第2内径側押圧部材は前記第2押圧側テーパ面を前記第2被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向一方側に移動することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、
前記シャフト部、前記内径側押圧部材、前記積層体及び前記外径側押圧部材には、冷却通路(例えば、後述の実施形態における冷却通路90)が設けられ、
前記シャフト部から供給された冷媒が前記冷却通路を介して前記ステータに供給されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記積層体は、環状の芯金(例えば、後述の実施形態における芯金32B)に電磁鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板60)を捲回して構成され、
前記芯金の内周面には、回転軸方向一方側から他方側へ回転軸からの径方向距離が次第に短くなる被押圧側テーパ面(例えば、後述の実施形態における第1及び第2被押圧側テーパ面32c)が形成され、
前記内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって前記被押圧側テーパ面と当接する押圧側テーパ面(例えば、後述の実施形態における押圧側テーパ面31c)が形成され、
前記内径側押圧部材を前記芯金の内径側に配置して前記押圧側テーパ面を前記被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向に移動させることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記内径側押圧部材と前記芯金間、前記芯金と前記積層体間、前記積層体と外径側押圧部材間それぞれの必要面圧Pが、最大負荷トルクT、締結部半径をr、締結面積A、摩擦係数μとしたとき、P ≧ T / (r×A×μ)を満たすように、前記積層体に径方向の圧縮力を作用させることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記芯金には、前記芯金の拡径を許容する少なくとも1つの拡径許容部(例えば、後述の実施形態における拡径許容部34)が形成されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記芯金と前記外径側押圧部材の少なくとも一方は、前記積層体と接する面が非磁性材からなる複合材で構成されることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記内径側押圧部材は、内部に圧力媒体が封入されてプレッシャースクリュー(例えば、後述の実施形態におけるプレッシャースクリュー81)を締め付けることにより拡径する加圧リング(例えば、後述の実施形態における加圧リング80)からなり、
前記プレッシャースクリューを締め付けることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、
回転軸方向に磁化され周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部(例えば、後述の実施形態における主磁石部41)と、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)とを備え、回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11、11A)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)のロータ製造方法であって、
テープ状の電磁鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板60)を環状の芯金(例えば、後述の実施形態における芯金32、32A、32B)に捲回して、前記複数のヨーク部を構成する積層体(例えば、後述の実施形態における積層体71)を形成する工程と、
前記積層体に前記主磁石部を装着する工程と、
前記積層体の外径側に環状の外径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるアウターリング50、50A)を取り付ける工程と、
前記外径側押圧部材を取り付けた状態で前記芯金の内径側に環状の内径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるインナープレート31、31A、31B)を配置して、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させる工程と、を有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、主磁石部を収容した積層体の外径側に外径側押圧部材を取り付けた後、積層体の内径側に内径側押圧部材を配置して積層体に外径側への圧縮力を作用させることにより、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)を発生させることができる。これにより、各部材間に摩擦力が発生し、この摩擦力によりトルク伝達が可能となるとともに磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
また、各部材間に摩擦力でトルク伝達を可能とするため、複雑な構造のロータフレームが不要となり、部品点数を削減できるとともに組み付け性が向上し、ロータの重量増加を抑制し製造コストを低減することができる。
請求項2の発明によれば、一対の第1及び第2内径側押圧部材を互いに近接する方向に移動させるだけで積層体に外径側への圧縮力を作用させることができるため、部品点数を削減できるとともにロータの組立工程を簡略化することができる。
請求項3の発明によれば、積層体に外径側への圧縮力を作用させると同時にシャフト部との締結を行なうことができる。
請求項4の発明によれば、ロータ側からステータを冷却することができるとともに、ロータの回転速度に応じた潤滑油が遠心力によりステータに供給することができる。これによりステータ側に冷却構造を設ける必要がなく、装置の小型化、軽量化を図ることができる。
請求項5の発明によれば、内径側押圧部材を軸方向に移動させるだけで積層体に外径側への圧縮力を作用させることができるため、部品点数を削減できるとともにロータの組立工程を簡略化することができる。
請求項6の発明によれば、最大負荷トルクがロータに作用してもロータの回転による遠心力やステータからの磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
請求項7の発明によれば、それほど大きな荷重を加えずに積層体に適切な圧縮力を作用させることができる。
請求項8の発明によれば、芯金と外径側押圧部材を非磁性材単体とするよりも積層体と接する面を非磁性材で構成した複合材とすることにより、磁束の短絡を抑制しつつ製造コストを低減することができる。
請求項9の発明によれば、加圧リングのプレッシャースクリューを締め付けるだけで外径側への圧縮力を作用させることができるため、部品点数を削減できるとともにロータの組立工程を簡略化することができる。
請求項10の発明によれば、積層体の外径側に環状の外径側押圧部材を取り付けた後、外径側押圧部材を取り付けた状態で芯金の内径側に環状の内径側押圧部材を配置して、積層体に外径側への圧縮力を作用させることにより、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)を発生させることができる。これにより、各部材間に摩擦力が発生し、この摩擦力によりトルク伝達が可能となるとともに磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
また、各部材間に摩擦力でトルク伝達を可能とするため、複雑な構造のロータフレームが不要となり、部品点数を削減できるとともに組み付け性が向上し、ロータの重量増加を抑制し製造コストを低減することができる。
本発明に係る第1実施形態のアキシャルギャップ型モータの全体斜視図である。 図1のアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 ロータの分解斜視図である。 ロータの正面図である。 主磁石部と副磁石部を収容した積層体の部分斜視図である。 打ち抜いた電磁鋼板を周方向に展開した図である。 電磁鋼板を捲回して積層体を形成する工程を説明する説明図である。 図3及び図4のA部分を周方向から見た図である。 図3のロータの組み立てを説明する図2のIX−IX線断面図であって、(a)は締結前、(b)は締結後である。 (a)は第1変形例に係るロータの正面図であり、(b)は(a)のB−B線断面である。 第2変形例に係るロータの断面図である。 第2実施形態に係るロータの断面図である。 (a)は第3実施形態に係るロータの正面図であり、(b)は(a)のB−B線断面である。 特許文献1のアキシャルギャップ型モータのロータの説明図である。
以下、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの各実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10は、例えば図1及び図2に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸O方向の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線を有する1対のステータ12とを備えて構成されている。
このアキシャルギャップ型モータ10は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション(図示略)の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ10に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ10の回転軸Oが内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ10に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
図2も参照して、各ステータ12は、略円環板状のステータヨーク部21と、ロータ11に対向するステータヨーク部21の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸O方向に沿ってロータ11に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース22,…,22と、適宜のティース22,22間に装着される固定子巻線(図示略)とを備えて構成されている。
各ステータ12は、例えば主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W−)とされた6N型であって、一方のステータ12の各U+,V+,W+極に対して、他方のステータ12の各U−,V−,W−極が回転軸O方向で対向するように設定されている。例えば回転軸O方向で対向する1対のステータ12,12に対し、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の一方に対応する一方のステータ12の3個のティース22,22,22と、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の他方に対応する他方のステータ12の3個のティース22,22,22とが、回転軸O方向で対向するように設定され、回転軸O方向で対向する一方のステータ12のティース22と、他方のステータ12のティース22とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。
ロータ11は、図3、図4及び図9(b)に示すように、シャフト部55と、一対のインナープレート31A、31B(内径側押圧部材)と、芯金32と、複数の主磁石部41,…,41と、複数の副磁石部43,…,43と、複数のヨーク部42,…,42と、アウターリング50(外径側押圧部材)と、を備えて構成される。
複数のヨーク部42,…,42は、図5〜図7に示すように、テープ状の電磁鋼板60を捲回巻きした積層体71により構成される。テープ状の電磁鋼板60には、例えば、プレス成型機を用いて打ち抜き加工を施すことで、主磁石部用切欠き61、副磁石部用切欠き62、磁束短絡抑制部用切欠き63が形成されている。このテープ状の電磁鋼板60は、図7に示すように、巻き始め部64を環状の芯金32上に溶接し、電磁鋼板60に張力を付与しながら芯金32を回転させることで捲回し、巻き終わり部65でカットして溶接することで積層体71を構成する。
また、テープ状の電磁鋼板60は、芯金32上で捲回されるので、最内層から一層目、二層目、三層目、・・・と長手方向長さが長くなる。このため、図6において、磁束短絡抑制部用切欠き63の中心間距離をピッチPとすると、各層のピッチPは径方向外方に向かって次第に大きくなるように設定されている。
このように捲回巻きされた積層体71において、図5に示すように、回転軸方向中間部では、主磁石部用切欠き61によって形成される略扇形形状の複数の主磁石部挿入穴72,…,72と、磁束短絡抑制部用切欠き63によって形成される略直方体形状の複数の磁束短絡抑制部73,…,73とがそれぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられ、また、回転軸方向両側では、略扇形形状の複数のヨーク部42,…,42と、副磁石部用切欠き62によって形成される軸方向外側に開口した略直方体形状の複数の副磁石部収容部74,…,74とがそれぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられる(図3参照)。
また、複数のヨーク部42,…,42は、複数の主磁石部挿入穴72,…,72の回転軸方向両側にそれぞれ配置され、複数の副磁石部収容部74,…,74は、複数の磁束短絡抑制部73,…,73の回転軸方向両側にそれぞれ配置される。主磁石部挿入穴72と磁束短絡抑制部73とは、軸方向両側のヨーク部42同士を連結する軸方向連結部75によって仕切られており、また、副磁石部収容部74と磁束短絡抑制部73とは、周方向両側のヨーク部42同士を連結する周方向連結部76によって仕切られている。
このように構成された積層体71の各主磁石部挿入穴72,…,72には、該挿入穴72,…,72と略同一寸法を有する略扇形形状の複数の主磁石部41,…,41が挿入され、各副磁石部収容部74,…,74には、該収容部74,…,74と略同一寸法を有する略直方体状の複数の副磁石部43,…,43が挿入される。
また、副磁石部収容部74は、図5に示すように、隣接するヨーク部42間の周方向連結部76と、ヨーク部42の周方向端部に形成された傾斜面77の先端部に形成される突起部78とで、副磁石部43を軸方向に位置決めし、且つ、隣接するヨーク部42の周方向側面間で周方向に位置決めする。
これにより、複数の主磁石部41,…,41は、周方向に所定の間隔で配置され、且つ、その磁化方向は、周方向で隣り合う主磁石部41,41毎に異なるように回転軸O方向に向けられている。また、複数の副磁石部43,…,43は、周方向に隣り合うヨーク部42間に配置され、その磁化方向が回転軸方向および径方向に直交する方向に向けられている。周方向で隣り合う副磁石部43,43は、磁化方向が互いに異なっており、また、回転軸方向に隣り合う副磁石部43,43も、磁化方向が互いに異なっている。
さらに、各主磁石部41に対して、回転軸O方向の一方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の一方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置され、回転軸方向の他方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の他方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置される。これにより、所謂永久磁石の略ハルバッハ配置による磁束レンズ効果により、主磁石部41および各副磁石部43,43の各磁束が収束し、各ステータ12,12に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。
また、各ヨーク部42,…,42には、その周方向端部に傾斜面77が形成されているので、極弧角が調整され、ステータ12,12間での磁気抵抗の急激な変化を抑制し、トルクリップルの発生を抑制できる。
積層体71の外周部には、例えば、ステンレス鋼板(例えばSUS304)などの非磁性材料から構成される環状のアウターリング50が嵌合又は圧入により取り付けられている。
積層体71の内周部には、ステンレス鋼板(例えばSUS304)などの非磁性材料から構成され、テープ状の電磁鋼板60が積層される芯金32が溶接により取り付けられている。芯金32の外周面は一様径をなし、内周面は、回転軸方向一方側(図9(b)中左側)と回転軸方向他方側(図9(b)中右側)からそれぞれ略中央に向かって回転軸Oからの径方向距離が次第に短くなる第1及び第2被押圧側テーパ面32a、32bをなしている。さらに、芯金32は、図8に示すように、インナープレート31A、31Bから外径側への圧縮力が作用した際に芯金32の拡径を許容する拡径許容部34が周方向に少なくとも1ヶ所(本実施形態では1ヶ所)設けられている。なお、本実施形態の拡径許容部34は、軸方向一方側に開口するスリット34aと該スリット34aを挟むように軸方向他方側に開口するスリット34b、34bにより構成される屈曲部35によりなるが、これに限定されず任意の構成を採用することができる。
インナープレート31A、31Bは、それぞれ炭素鋼(例えばS45C)などの磁性材料から構成され、芯金32の内径側であって後述するシャフト部55のフランジ部56を挟んで軸方向一方側(図9(b)中左側)と軸方向他方側(図9(b)中右側)に配置される。
軸方向一方側(図9(b)中左側)に配置されるインナープレート31Aは、外周面が回転軸方向一方側(図9(b)中左側)から他方側(図9(b)中右側)へ径方向距離が次第に短くなって芯金32の内周面に形成された第1被押圧側テーパ面32aと当接する第1押圧側テーパ面31aをなし、軸方向他方側(図9(b)中右側)に配置されるインナープレート31Bは、外周面が回転軸方向他方側(図9(b)中右側)から一方側(図9(b)中左側)へ径方向距離が次第に短くなって芯金32の内周面に形成された第2被押圧側テーパ面32bと当接する第2押圧側テーパ面31bをなしている。
インナープレート31A、31Bの内周部には、それぞれ周方向に4ヶ所のボルト貫通孔36が形成され、外部駆動軸(例えば、車両のトランスミッション入力軸等)に接続されるシャフト部55に固定される。
シャフト部55は、積層体71の内周部に向けて拡径されたフランジ部56を有し、フランジ部56には、インナープレート31A、31Bに形成された4ヶ所のボルト貫通孔36と対応するボルト締結孔57が形成される。そして、フランジ部56を挟むようにインナープレート31Aが軸方向一方側(図9(b)中左側)から、インナープレート31Bが軸方向他方側(図9(b)中右側)から配置され、ボルト45とナット46で締結される。
このインナープレート31A、31Bとシャフト部55との締結は、積層体71の各主磁石部挿入穴72,…,72と各副磁石部収容部74,…,74にそれぞれ複数の主磁石部41,…,41と複数の副磁石部43,…,43を挿入し、積層体71の外周部にアウターリング50を取り付けた後になされる。ボルト45の締め込みに伴って、第1押圧側テーパ面31aが第1被押圧側テーパ面32aと当接しながらインナープレート31Aが軸方向他方側(図9(b)中右側)に移動し、第2押圧側テーパ面31bが第2被押圧側テーパ面32bと当接しながらインナープレート31Bが軸方向一方側(図9(b)中左側)に移動するため、芯金32には拡径する方向の押圧力が作用する。このとき、芯金32に形成された屈曲部35により芯金32は拡径するため、図9(a)及び(b)に示すように、ボルト45の締め込みにより積層体71の内径寸法が大きくなるが(d’>d)、積層体71の外周部には、アウターリング50が圧入又は嵌合固定されているためほとんど変わらず、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)が発生する。
ここで、インナープレート31A、31Bと芯金32間、芯金32と積層体71間、積層体71とアウターリング50間それぞれの必要面圧Pは、最大負荷トルクT、締結部半径をr、締結面積A、摩擦係数μとしたとき、次式(1)を満たすように設定される。
P ≧ T / (r×A×μ) (1)
かかる必要面圧は、ボルト45の締め付け量や、第1及び第2押圧側テーパ面31a、31bと第1及び第2被押圧側テーパ面32a、32bのテーパ角により調整されうる。これにより、最大負荷トルクがロータ11に作用してもロータ11の回転による遠心力やステータ12からの磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、複数のヨーク部42,…,42を構成する積層体71の外径側から外径側押圧部材としてのアウターリング50を取り付けた後、内径側押圧部材としてのインナープレート31A、31Bを配置して積層体71に外径側への圧縮力を作用させることで、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)を発生させることができる。これにより、各部材間に摩擦力が発生し、この摩擦力によりトルク伝達が可能となるとともに磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
また、各部材間に摩擦力でトルク伝達を可能とするため、複雑な構造のロータフレームが不要となり、部品点数を削減できるとともに組立工数の削減でき、これによりロータ11の重量増加を抑制し製造コストを低減することができる。
また、本実施形態によれば、積層体71が、環状の芯金32に電磁鋼板60を捲回して構成され、芯金32の内周面には、回転軸方向一方側と回転軸方向他方側からそれぞれ略中央に向かって回転軸からの径方向距離が次第に短くなる第1及び第2被押圧側テーパ面32a、32bが形成され、インナープレート31Aの外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって第1被押圧側テーパ面32aと当接する第1押圧側テーパ面31aが形成され、インナープレート31Bの外周面には、回転軸方向他方側から一方側へ径方向距離が次第に短くなって第2被押圧側テーパ面32bと当接する第2押圧側テーパ面31bが形成され、インナープレート31Aを芯金32の内径側に回転軸方向一方側から配置して第1押圧側テーパ面31aを第1被押圧側テーパ面32aに当接させながら回転軸方向他方側に移動させるとともに、インナープレート31Bを芯金32の内径側に回転軸方向他方側から配置して第2押圧側テーパ面31bを第2被押圧側テーパ面32bに当接させながら回転軸方向一方側に移動させることにより、積層体71に外径側への圧縮力を作用させるので、部品点数を削減できるとともにロータ11の組立工程を簡略化することができる。
また、本実施形態によれば、ロータ11は、積層体71の内周部に向けて拡径されるフランジ部56を有するシャフト部55をさらに備え、インナープレート31A、31Bはフランジ部56を挟んで両側から締結されることにより、インナープレート31Aは第1押圧側テーパ面31aを第1被押圧側テーパ面32aに当接させながら回転軸方向他方側に移動するとともに、インナープレート31Bは第2押圧側テーパ面を第2被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向一方側に移動するので、積層体71に外径側への圧縮力を作用させると同時にシャフト部55との締結を行なうことができる。
次に本実施形態の第1変形例について図10(a)及び(b)を参照して説明する。
本変形例は、第1実施形態おける芯金32とアウターリング50がそれぞれ複合材から構成される点で第1実施形態と相違している。
本変形例の芯金32Aは、内周側に炭素鋼(例えばS45C)などの磁性材料から構成される内周側芯金形成部材321と、外周側にステンレス鋼板(例えばSUS304)などの非磁性材料から構成される外周側芯金形成部材322と、が一体に形成された複合材である。この内周側芯金形成部材321は、図10(a)に示すように、4つの内周側芯金形成部材片323が、環状に配置されたもので、周方向で隣り合う内周側芯金形成部材片323間には、拡径許容部34をなす所定の隙間324が設けられている。内周側芯金形成部材321の内周面は、回転軸方向一方側(図10(b)中左側)と回転軸方向他方側(図10(b)中右側)からそれぞれ略中央に向かって回転軸Oからの径方向距離が次第に短くなる第1及び第2被押圧側テーパ面32a、32bをなしている。外周側芯金形成部材322の外周面は、一様径をなし、テープ状の電磁鋼板60が積層される。
アウターリング50Aは、内周側にステンレス鋼板(例えばSUS304)などの非磁性材料から構成される内周側アウターリング501と、外周側に炭素鋼(例えばS45C)などの磁性材料から構成される外周側アウターリング502と、が一体に形成された複合材である。内周側アウターリング501の内周面及び外周側アウターリング502の外周面はそれぞれ一様径をなしている。
このように芯金32Aとアウターリング50Aを複合材から構成し、積層体71と接する外周側芯金形成部材322と内周側アウターリング501を非磁性材から構成し、内周側芯金形成部材321と外周側アウターリング502を比較的安価な炭素鋼等で構成することにより、磁束の短絡を抑制しつつ製造コストを低減することができる。
そして、第1実施形態と同様に、インナープレート31A、31Bとシャフト部55をボルト45で締結することで、第1押圧側テーパ面31aが第1被押圧側テーパ面32aと当接しながらインナープレート31Aが軸方向他方側(図10(b)中右側)に移動し、第2押圧側テーパ面31bが第2被押圧側テーパ面32bと当接しながらインナープレート31Bが軸方向一方側(図10(b)中左側)に移動するため、芯金32Aには拡径する方向の押圧力が作用する。このとき、芯金32Aに形成された隙間324により芯金32Aは拡径するため、ボルト45の締め込みにより積層体71の内径寸法が大きくなるが、積層体71の外周部には、アウターリング50Aが圧入又は嵌合固定されているためほとんど変わらず、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)が発生する。
次に本実施形態の第2変形例について図11を参照して説明する。
本変形例は、上述した第1変形例に加えて、ロータ11がステータ12を冷却する冷却構造を備えている。
本実施形態のシャフト部55には、回転軸Oと同心状に形成された軸心冷媒路91と、該軸心冷媒路91から分岐して径方向に貫通する径方向冷媒路92と、が形成される。径方向冷媒路92は、積層体71に形成された放射状に延びる複数の磁束短絡抑制部73,…,73の少なくとも1つ(以下、冷却用磁束短絡抑制部93と呼ぶ。)と対応する位置に形成される。また、インナープレート31Aとインナープレート31Bとの合わせ面には、径方向冷媒路92と連通するインナープレート貫通路94が形成され、芯金32Aには、インナープレート貫通路94と冷却用磁束短絡抑制部93を連通させる内径側貫通孔95が形成され、また、冷却用磁束短絡抑制部93はアウターリング50の内周面と積層体71の外周面との間に形成された軸方向に伸びるガイド通路97に連通する。
このように、軸心冷媒路91、径方向冷媒路92、インナープレート貫通路94、内径側貫通孔95、冷却用磁束短絡抑制部93及びガイド通路97により冷却通路90が構成され、シャフト部55から供給される冷媒が、図11の矢印で示したように、冷却通路90を介してガイド通路97からステータ12に供給される。
本実施形態によれば、ロータ11側からステータ12を冷却することができるとともに、ロータ11の回転速度に応じた潤滑油が遠心力によりステータ12に供給することができる。これによりステータ12側に冷却構造を設ける必要がなく、装置の小型化、軽量化を図ることができる。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図1を参照して説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態とロータの構成のみが相違するため、図12にはロータのみを示し、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のロータ11Aを構成する芯金32Bの内周面は、回転軸方向一方側(図12中左側)から回転軸方向他方側(図12中右側)に向かって回転軸Oからの径方向距離が次第に短くなる被押圧側テーパ面32cが片側にのみ形成されるとともに、回転軸方向他方側はシャフト部55側に延設された固定部32dを有している。
インナープレート31は、芯金32Bの内径側であって芯金32Bの固定部32dとの間でシャフト部55のフランジ部56を挟むように軸方向一方側(図12中左側)に配置される。
インナープレート31は、外周面が回転軸方向一方側(図12中左側)から他方側(図12中右側)へ径方向距離が次第に短くなって芯金32Bの内周面に形成された被押圧側テーパ面32cと当接する押圧側テーパ面31cをなしている。
そして、積層体71の各主磁石部挿入穴72,…,72と各副磁石部収容部74,…,74にそれぞれ複数の主磁石部41,…,41と複数の副磁石部43,…,43を挿入し、積層体71の外周部にアウターリング50を取り付けた後にインナープレート31と芯金32Bがシャフト部55を挟んで締結される。具体的に、インナープレート31と芯金32Bの固定部32dでフランジ部56を軸方向両側から挟みこんで、インナープレート31の内周部に形成されたボルト貫通孔36と、フランジ部56に形成されたボルト締結孔57、芯金32Bの固定部32dに形成されたボルト貫通孔38にボルト45を貫通させてナット46で締め込むことにより、押圧側テーパ面31cが被押圧側テーパ面32cと当接しながらインナープレート31が軸方向他方側(図12中右側)に移動するため、芯金32Bには拡径する方向の押圧力が作用する。このとき、芯金32に形成された屈曲部35により芯金32は拡径するため、積層体71の内径寸法が大きくなるが、積層体71の外周部には、アウターリング50が圧入又は嵌合固定されているためほとんど変わらず、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)が発生する。
以上説明したように本実施形態によれば、積層体71が環状の芯金32Bに電磁鋼板60を捲回して構成され、芯金32Bの内周面には、回転軸方向一方側から他方側へ回転軸からの径方向距離が次第に短くなる被押圧側テーパ面32cが形成され、インナープレート31の外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって被押圧側テーパ面32cと当接する押圧側テーパ面31cが形成され、インナープレート31を芯金32Bの内径側に配置して押圧側テーパ面31cを被押圧側テーパ面32cに当接させながら回転軸O方向に移動させることにより、積層体71に外径側への圧縮力を作用させることができる。これにより、一枚のインナープレート31であっても第1実施形態と同様に、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)を発生させることができ、部品点数を削減できるとともにロータの組立工程を簡略化することができる。
<第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図13(a)及び(b)を参照して説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態とロータの構成のみが相違するため、図13(a)及び(b)にはロータのみを示し、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のロータ11Bを構成する積層体71は、芯金32の代わりに、加圧リング80の外周面に捲回される。この加圧リング80は、非磁性材料からなり、内周面及び外周面が略一様径をなし、さらに内部に圧力媒体が封入されてプレッシャースクリュー81を締め付けることにより拡径する。
そして、積層体71の各主磁石部挿入穴72,…,72と各副磁石部収容部74,…,74にそれぞれ複数の主磁石部41,…,41と複数の副磁石部43,…,43を挿入し、外周部にアウターリング50Aを取り付けた積層体71の内周部に、シャフト部55のフランジ部56先端に形成された積層体71と略同一幅であって略一様外径を有する外周円筒部58を圧入又は嵌合し、プレッシャースクリュー81を締め付けることで、積層体71の内径寸法が大きくなるが、積層体71の外周部には、アウターリング50Aが圧入又は嵌合固定されているためほとんど変わらず、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)が発生する。
以上説明したように本実施形態によれば、積層体71が加圧リング80に電磁鋼板60を捲回して構成され、プレッシャースクリュー81を締め付けることにより、積層体71に外径側への圧縮力を作用させることができる。これにより、第1実施形態と同様に、ロータ内部に面圧(径方向圧縮応力)を発生させることができ、部品点数を削減できるとともにロータの組立工程を簡略化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
10 アキシャルギャップ型モータ
11、11A、11B ロータ
12 ステータ
31 インナープレート(内径側押圧部材)
31A インナープレート(内径側押圧部材)
31B インナープレート(内径側押圧部材)
32、32A、32B 芯金
31a 第1押圧側テーパ面
31b 第2押圧側テーパ面
31c 押圧側テーパ面
32a 第1被押圧側テーパ面
32b 第2被押圧側テーパ面
32c 被押圧側テーパ面
324 隙間(拡径許容部)
34 拡径許容部
41 主磁石部
42 ヨーク部
43 副磁石部
50、50A アウターリング(外径側押圧部材)
55 シャフト部
56 フランジ部
60 電磁鋼板
72 主磁石部挿入穴
80 加圧リング
81 プレッシャースクリュー
90 冷却通路
O 回転軸

Claims (10)

  1. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
    前記ロータは、
    前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、
    テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
    前記積層体の内径側に取り付けられる環状の内径側押圧部材と、
    前記積層体の外径部に取り付けられる環状の外径側押圧部材と、を備え、
    前記外径側押圧部材を前記積層体の外径側に取り付けた後、前記内径側押圧部材を積層体の内径側に配置して前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることで、前記内径側押圧部材と前記外径側押圧部材により前記積層体に径方向の圧縮力を作用させトルク伝達可能に構成されたことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  2. 前記積層体は、環状の芯金に前記電磁鋼板を捲回して構成され、
    前記芯金の内周面には、回転軸方向一方側と回転軸方向他方側からそれぞれ略中央に向かって回転軸からの径方向距離が次第に短くなる第1及び第2被押圧側テーパ面が形成され、
    前記内径側押圧部材は、1対の第1及び第2内径側押圧部材とから構成され、
    前記第1内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって前記第1被押圧側テーパ面と当接する第1押圧側テーパ面が形成され、
    前記第2内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向他方側から一方側へ径方向距離が次第に短くなって前記第2被押圧側テーパ面と当接する第2押圧側テーパ面が形成され、
    前記第1内径側押圧部材を前記芯金の内径側に回転軸方向一方側から配置して前記第1押圧側テーパ面を前記第1被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向他方側に移動させるとともに、前記第2内径側押圧部材を前記芯金の内径側に回転軸方向他方側から配置して前記第2押圧側テーパ面を前記第2被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向一方側に移動させることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  3. 前記ロータは、前記積層体の内周部に向けて拡径されるフランジ部を有するシャフト部をさらに備え、
    前記第1及び第2内径側押圧部材は前記フランジ部を挟んで両側から締結されることにより、前記第1内径側押圧部材は前記第1押圧側テーパ面を前記第1被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向他方側に移動するとともに、前記第2内径側押圧部材は前記第2押圧側テーパ面を前記第2被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向一方側に移動することを特徴とする請求項2に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  4. 前記シャフト部、前記内径側押圧部材、前記積層体及び前記外径側押圧部材には、冷却通路が設けられ、
    前記シャフト部から供給された冷媒が前記冷却通路を介して前記ステータに供給されることを特徴とする請求項3に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  5. 前記積層体は、環状の芯金に電磁鋼板を捲回して構成され、
    前記芯金の内周面には、回転軸方向一方側から他方側へ回転軸からの径方向距離が次第に短くなる被押圧側テーパ面が形成され、
    前記内径側押圧部材の外周面には、回転軸方向一方側から他方側へ径方向距離が次第に短くなって前記被押圧側テーパ面と当接する押圧側テーパ面が形成され、
    前記内径側押圧部材を前記芯金の内径側に配置して前記押圧側テーパ面を前記被押圧側テーパ面に当接させながら回転軸方向に移動させることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  6. 前記内径側押圧部材と前記芯金間、前記芯金と前記積層体間、前記積層体と外径側押圧部材間それぞれの必要面圧Pが、最大負荷トルクT、締結部半径をr、締結面積A、摩擦係数μとしたとき、P ≧ T / (r×A×μ)を満たすように、前記積層体に径方向の圧縮力を作用させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  7. 前記芯金には、前記芯金の拡径を許容する少なくとも1つの拡径許容部が形成されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  8. 前記芯金と前記外径側押圧部材の少なくとも一方は、前記積層体と接する面が非磁性材からなる複合材で構成されることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  9. 前記内径側押圧部材は、内部に圧力媒体が封入されてプレッシャースクリューを締め付けることにより拡径する加圧リングからなり、
    前記プレッシャースクリューを締め付けることにより、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  10. 回転軸方向に磁化され周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部とを備え、回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置されるステータと、を備えるアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法であって、
    テープ状の電磁鋼板を環状の芯金に捲回して、前記複数のヨーク部を構成する積層体を形成する工程と、
    前記積層体に前記主磁石部を装着する工程と、
    前記積層体の外径側に環状の外径側押圧部材を取り付ける工程と、
    前記外径側押圧部材を取り付けた状態で前記芯金の内径側に環状の内径側押圧部材を配置して、前記積層体に外径側への圧縮力を作用させる工程と、を有することを特徴とするアキシャルギャップ型モータのロータ製造方法。
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