JP5354793B2 - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents
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Description
また、ロータのシャフト部から冷媒を供給する方法も知られているが、シャフト部から直接冷媒をステータ側に供給したのでは、ロータのヨーク部とステータのティースとの間でエアギャップを形成するエアギャップ形成領域に冷媒が滞留してしまい、冷媒がフリクションとなってモータ損失となってしまうという問題があった。
回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置され、略円環板状のステータヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるステータヨーク部21)と、前記ロータに対向する前記ステータヨーク部の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸方向に沿って前記ロータに向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース(例えば、後述の実施形態におけるティース22)と、前記ティースに装着される巻線(例えば、後述の実施形態における巻線23)と、を備えるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)であって、
前記ロータは、
前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部(例えば、後述の実施形態における主磁石部41)と、
テープ状の電磁鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板60)を捲回巻きした積層体(例えば、後述の実施形態における積層体71)により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)と、
前記積層体の内周側に取り付けられるシャフト部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト部55)と、
前記積層体の外径側に取り付けられる外径側押圧部材(例えば、後述の実施形態におけるダイカストリング33、アウターリング50)と、を備え、
前記積層体と前記シャフト部には、径方向に伸びる冷却通路(例えば、後述の実施形態における冷却通路20)が設けられ、
前記シャフト部から供給された冷媒が前記冷却通路を介して前記ステータに供給され、
前記外径側押圧部材に前記冷却通路と連通し前記ステータ側に伸びるガイド通路(例えば、後述の実施形態におけるガイド通路97)が設けられ、
前記巻線の外周渡り部(例えば、後述の実施形態における外周渡り部23a)が、前記ガイド通路から供給される冷媒がかかりやすいように全周に亘って前記ロータ側に傾けられていることを特徴とする。
前記冷却通路を介して供給される冷媒は、前記ロータのヨーク部と前記ステータのティースとの間でエアギャップを形成するエアギャップ形成領域(例えば、後述の実施形態におけるエアギャップ形成領域25)より外径側から前記ステータに供給されることを特徴とする。
前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジング(例えば、後述の実施形態におけるハウジング13)を備え、
前記ハウジングには、前記ガイド通路から外径側に飛散した冷媒を前記ステータ側に導く環状ガイド部材(例えば、後述の実施形態における環状ガイド部材100A、100B)が前記ロータの全周を覆うように設けられていることを特徴とする。
前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジング(例えば、後述の実施形態におけるハウジング13)を備え、
前記ハウジングには、上部に前記ガイド通路から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力で前記ステータに滴下させる上部ガイド部材(例えば、後述の実施形態における上部ガイド部材110)が設けられていることを特徴とする。
前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジング(例えば、後述の実施形態におけるハウジング13)を備え、
前記外径側押圧部材には、前記冷却通路と連通し外径側に貫通する貫通孔(例えば、後述の実施形態におけるアウターリング貫通孔99)が設けられ、
前記ハウジングには、上部に前記貫通孔から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力で前記ステータに滴下させる上部ガイド部材(例えば、後述の実施形態における上部ガイド部材120)が設けられていることを特徴とする。
前記積層体には、周方向で隣り合う前記主磁石部間に磁束短絡抑制部(例えば、後述の実施形態における磁束短絡抑制部73)が設けられ、
前記磁石短絡抑制部には、前記積層体の内径側から挿入されたスポークピン(例えば、後述の実施形態におけるスポークピン35)が収容され、
前記スポークピンには、径方向に伸びて前記冷却通路の一部を構成するスポークピン貫通路(例えば、後述の実施形態におけるスポークピン貫通路93)が設けられていることを特徴とする。
前記積層体には、前記主磁石部を収容する主磁石部挿入穴(例えば、後述の実施形態における主磁石部挿入穴72)が設けられ、
前記主磁石部挿入穴と前記主磁石部挿入穴に収容される前記主磁石部との間に形成される空間が前記冷却通路の一部を構成することを特徴とする。
前記シャフト部には、さらに前記巻線の内周渡り部(例えば、後述の実施形態における内周渡り部23b)に向かって貫通する径方向冷媒路(例えば、後述の実施形態における径方向冷媒路92b)と、前記径方向冷媒路の開口に隣接して前記開口から飛散する冷媒を前記巻線の内周渡り部に導く環状の突出部(例えば、後述の実施形態における突出部921)が設けられ、
前記突出部は、前記開口に対し軸方向内側に位置するとともに、前記ロータのヨーク部と前記ステータのティースとの間でエアギャップを形成するエアギャップ形成領域(例えば、後述の実施形態におけるエアギャップ形成領域25)より外側に位置することを特徴とする。
前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジング(例えば、後述の実施形態におけるハウジング13)を備え、
前記ハウジングの下部に溜まった冷媒は、ストレーナを通過後、オイルポンプ、フィードパイプを経由して前記冷却通路に循環されることを特徴とする。
また、より効率的にステータのティースに巻装される巻線の外周渡り部に冷媒を供給することができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10は、例えば図1及び図2に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸O方向の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の巻線23(図8参照)を有する1対のステータ12とを備えて構成されている。
なお、本実施形態は、電磁鋼板60の主要層71bを捲回し、各主磁石部41,…,41と各副磁石部43,…,43が挿入された後に、各主磁石部挿入穴72,…,72、各副磁石部収容部74,…,74及び各磁束短絡抑制部73,…,73を封止する最外層71aを捲回する。
また、各ヨーク部42,…,42には、その周方向端部に傾斜面77が形成されているので、極弧角が調整され、ステータ12,12間での磁気抵抗の急激な変化を抑制し、トルクリップルの発生を抑制できる。
ここで、インナープレート31A、31Bと芯金32間、芯金32と積層体71間、積層体71とダイカストリング33間、及びダイカストリング33とアウターリング50間それぞれの必要面圧Pは、最大負荷トルクT、締結部半径をr、締結面積A、摩擦係数μとしたとき、次式(1)を満たすように設定される。
P ≧ T / (r×A×μ) (1)
かかる必要面圧は、芯金32に対するインナープレート31A、31Bの圧入代、ダイカストリング33形成時のダイカスト圧、アウターリング50の焼ばめ代により調整されうる。
これにより、最大負荷トルクがロータ11に作用してもロータ11の回転による遠心力やステータ12からの磁気吸引力に耐えうる剛性を確保することができる。
なお、本実施形態では、冷却通路90及びガイド通路97を2ヶ所設けたが(図3参照)、これに限定されず少なくとも1ヶ所設けられていればよく、好ましくは偏心を避けるように2ヶ所以上設けられる。
続いて、本発明の第2実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図9を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のステータ12は、ステータ12のティース22に巻装される巻線23の外周渡り部23aがガイド通路97から供給される冷媒がかかりやすいように全周に亘ってロータ11側に傾けられている。
これにより、ガイド通路97の開口部98から遠心力で飛散する冷媒を効果的に外周渡り部23aに当てることができ、ステータ12を効率的に冷却することができる。
続いて、本発明の第3実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図10及び図11を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、ガイド通路97から遠心力で外径側に飛散した冷媒をステータ12の外周渡り部23aに導く一対の環状ガイド部材100A、100Bが、ロータ11の全周を覆うようにハウジング13に設けられている。
また、環状ガイド部材100A、100Bのガイド面101の軸方向外側端部102がティース22の先端面よりも軸方向外側に位置しているので、ガイド面101から供給される冷媒がエアギャップ形成領域25に滞留してしまい、冷媒がフリクションとなってモータ損失となるのを抑制することができる。
続いて、本発明の第4実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図12を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、ハウジング13の上部に、ガイド通路97から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力でステータ12に滴下させる上部ガイド部材110が設けられている。
続いて、本発明の第5実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10について、図13を参照して説明する。なお、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一又は同等の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、冷却通路20を構成するダイカストリング33に形成された外径側貫通孔96と連通するアウターリング貫通孔99がアウターリング50を径方向に貫通するように設けられ、ハウジング13の上部に、アウターリング貫通孔99から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力でステータ12に滴下させる上部ガイド部材120が設けられている。
例えば、積層体71に形成される冷却通路90をスポークピン35の中心を貫通するスポークピン貫通路93としたが、必ずしもスポークピン35を用いる必要はなく、磁束短絡抑制部73をそのまま冷却通路90として用いてもよい。また、図14(a)に示すように、主磁石部41の角部を円弧状に面取りして、主磁石部挿入穴72と主磁石部41の角部との間に形成された空間を冷却通路90としてもよく、図14(b)に示すように、主磁石部挿入穴72の角部に径方向に伸びる略円柱状の穴を設け、主磁石部挿入穴72の角部と主磁石部41との間に形成された空間を冷却通路90としてもよい。
これにより、冷媒がエアギャップ形成領域25に滞留してフリクションとなるのを避けつつ、ステータ12のティース22に巻装される巻線23の内周渡り部23bに冷媒を供給し、ステータ12の内周部も冷却することができる。
11 ロータ
12 ステータ
13 ハウジング
21 ステータヨーク部
22 ティース
23 巻線
23a 外周渡り部
23b 内周渡り部
25 エアギャップ形成領域
33 ダイカストリング(外径側押圧部材)
35 スポークピン
41 主磁石部
42 ヨーク部
43 副磁石部
50 アウターリング(外径側押圧部材)
55 シャフト部
56 フランジ部
60 電磁鋼板
71 積層体
73 磁束短絡抑制部
90 冷却通路
91 軸心冷媒路
92a 径方向冷媒路
92b 径方向冷媒路
93 スポークピン貫通路
96 外径側貫通孔
97 ガイド通路
99 アウターリング貫通孔(貫通孔)
100A 環状ガイド部材
100B 環状ガイド部材
110 上部ガイド部材
120 上部ガイド部材
920 開口部
921 突出部
O 回転軸
Claims (9)
- 回転軸周りに回転可能なロータと、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対向配置され、略円環板状のステータヨーク部と、前記ロータに対向する前記ステータヨーク部の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸方向に沿って前記ロータに向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティースと、前記ティースに装着される巻線と、を備えるステータと、を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
前記ロータは、
前記回転軸方向に磁化され、周方向に所定の間隔で配置される複数の主磁石部と、
テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体により構成され、前記複数の主磁石部の前記回転軸方向の少なくとも一方にそれぞれ配置される複数のヨーク部と、
前記積層体の内周側に取り付けられるシャフト部と、
前記積層体の外径側に取り付けられる外径側押圧部材と、を備え、
前記積層体と前記シャフト部には、径方向に伸びる冷却通路が設けられ、
冷媒が前記冷却通路を介して前記ステータに供給され、
前記外径側押圧部材に前記冷却通路と連通し前記ステータ側に伸びるガイド通路が設けられ、
前記巻線の外周渡り部が、前記ガイド通路から供給される冷媒がかかりやすいように全周に亘って前記ロータ側に傾けられていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。 - 前記冷却通路を介して供給される冷媒は、前記ロータのヨーク部と前記ステータのティースとの間でエアギャップを形成するエアギャップ形成領域より外径側から前記ステータに供給されることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
- 前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジングを備え、
前記ハウジングには、前記ガイド通路から外径側に飛散した冷媒を前記ステータ側に導く環状ガイド部材が前記ロータの全周を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジングを備え、
前記ハウジングには、上部に前記ガイド通路から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力で前記ステータに滴下させる上部ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジングを備え、
前記外径側押圧部材には、前記冷却通路と連通し外径側に貫通する貫通孔が設けられ、
前記ハウジングには、上部に前記貫通孔から外径側に飛散した冷媒を受け止めて冷媒の重力で前記ステータに滴下させる上部ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記積層体には、周方向で隣り合う前記主磁石部間に磁束短絡抑制部が設けられ、
前記磁石短絡抑制部には、前記積層体の内径側から挿入されたスポークピンが収容され、
前記スポークピンには、径方向に伸びて前記冷却通路の一部を構成するスポークピン貫通路が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記積層体には、前記主磁石部を収容する主磁石部挿入穴が設けられ、
前記主磁石部挿入穴と前記主磁石部挿入穴に収容される前記主磁石部との間に形成される空間が前記冷却通路の一部を構成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記シャフト部には、さらに前記巻線の内周渡り部に向かって貫通する径方向冷媒路と、前記径方向冷媒路の開口に隣接して前記開口から飛散する冷媒を前記巻線の内周渡り部に導く環状の突出部が設けられ、
前記突出部は、前記開口に対し軸方向内側に位置するとともに、前記ロータのヨーク部と前記ステータのティースとの間でエアギャップを形成するエアギャップ形成領域より外側に位置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。 - 前記ステータを保持し前記ロータの外周部を覆うハウジングを備え、
前記ハウジングの下部に溜まった冷媒は、ストレーナを通過後、オイルポンプ、フィードパイプを経由して前記冷却通路に循環されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型モータ。
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