JP4911637B2 - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents

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Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータに関する。
従来、例えば、回転軸周りに回転可能なロータと、回転軸方向の少なくとも一方側からロータに対向配置されたステータとを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、ステータを介した磁束ループを形成するアキシャルギャップ型モータが知られている(例えば、特許文献1、2)。
上記特許文献1に記載のアキシャルギャップ型モータ100では、図22に示すように、ロータコア101がテープ状の磁性板を捲回して構成され、ロータコア101をシャフト部材103に設けられたロータ締結部104に取り付けてシャフト部材103と結合することが開示されている。
上記特許文献2に記載のアキシャルギャップ型モータ200では、図23に示すように、1つのロータフレーム201に複数の主磁石片202と、複数の副磁石片203、204、205と、複数のヨーク206が収容されることが開示されている。
特開昭59−220034号公報 特開2008−104278号公報
しかしながら、この特許文献1に記載のアキシャルギャップ型モータ100では、ロータフレームを備えていないため剛性を確保することが難しく、特にロータ105の温度上昇や経年劣化などによって接着力が低下した場合、ロータ105とステータ106との間に生じる磁気吸引力に起因する磁性板の軸方向の位置ずれを防止することができないおそれがあった。
また、この特許文献2に記載のアキシャルギャップ型モータ200では、1つのロータフレーム201に複数の部材を収容するため組み付け精度をだすことが難しく、また、ロータフレーム201は一部材(円柱又は円筒形状からなる無垢材)からの削り出しのため幅(軸方向長さ)が長く、ロータフレーム201の製造に長時間を要した。さらに、ロータフレーム201はリブ207を有するため捲回巻きで構成されたロータコアを収容することができなかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、捲回巻きで構成されたロータコアを収容可能であり剛性を確保し得るロータフレームを備えるアキシャルギャップ型モータを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11)と、
回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対して対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、を備えるアキシャルギャップ型モータ(例えば、後述の実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10)において、
前記ロータは、
回転軸方向に磁化され、周方向で所定の間隔で配置される複数の主磁石片(例えば、後述の実施形態における主永久磁石片41)と、
回転軸方向および径方向に直交する方向に磁化され、周方向で隣り合う前記主磁石片間で、且つ、前記回転軸方向の少なくとも一方側に配置される複数の副磁石片(例えば、後述の実施形態における副永久磁石片43)と、
テープ状の磁性板を捲回して構成され、周方向で隣り合う前記副磁石片間に前記主磁石片と回転軸方向に対向配置される複数のヨーク部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク部42)と、前記主磁石片を収容する複数の主磁石片用収容部(例えば、後述の実施形態における主磁石片用収容部15)と、前記副磁石片を収容する複数の副磁石片用収容部(例えば、後述の実施形態における副磁石片用収容部17)と、を有するロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア13)と、
周方向に所定の間隔で配置され、且つ、回転軸方向外側で互いに対向する位置に配置されて径方向に延びる複数の外側リブ(例えば、後述の実施形態における外側径方向リブ39)と、前記複数の外側リブの外径側に設けられるリム部(例えば、後述の実施形態におけるリム部37)と、を有するロータフレーム(例えば、後述の実施形態におけるロータフレーム33)と、を備え、
前記ロータフレームは、
第1及び第2ロータフレーム(例えば、後述の実施形態における第1及び第2ロータフレーム33A、33B)からなり、
前記第1及び第2ロータフレームが前記主磁石片と前記副磁石片を収容した前記ロータコアを回転軸方向両側から挟みこむように配置される、
ことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記ロータフレームは前記外側リブの内径側に設けられるシャフト接続部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト接続部36)を有し、
前記第1及び第2ロータフレームが、それぞれ前記外側リブ(例えば、後述の実施形態における外側径方向リブ39a、39b)と前記シャフト接続部(例えば、後述の実施形態におけるシャフト接続部36a、36b)と前記リム部(例えば、後述の実施形態におけるリム部37a、37b)と、を有する、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
シャフト本体(例えば、後述の実施形態におけるシャフト本体71)から径方向に延設されたフレーム締結部(例えば、後述の実施形態におけるフレーム締結部74)を有するシャフト部材(例えば、後述の実施形態におけるシャフト部材70)を備え、
前記第1及び第2ロータフレームが、それぞれ前記外側リブ(例えば、後述の実施形態における外側径方向リブ39a、39b)と前記リム部(例えば、後述の実施形態におけるリム部37a、37b)と、を有し、
前記ロータコアが前記フレーム締結部に外嵌され、
前記第1及び第2ロータフレームが前記主磁石片と前記副磁石片を収容し前記フレーム締結部に外嵌された前記ロータコアを回転軸方向両側から挟みこむように配置される、
ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加えて、
前記第1及び第2ロータフレームは同一形状を有し、前記第1及び第2ロータフレームのいずれか一方を裏返して前記主磁石片と前記副磁石片を収容した前記ロータコアを軸方向両側から挟みこむように配置される、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加えて、
前記ヨーク部の周方向両側には面取り部(例えば、後述の実施形態における面取り部42a)が形成され、
前記外側リブは前記面取り部と係合するヨーク押さえ部(例えば、後述の実施形態におけるヨーク押さえ部62、64)を有する、
ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加えて、
前記ヨーク押さえ部は前記外側リブの周方向両側を折り曲げて形成され、前記外側リブを挟んで周方向で隣り合う前記ヨーク部の前記面取り部にそれぞれ係合する、
ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加えて、
前記第1及び第2ロータフレームは、板材をに打ち抜き加工と曲げ加工を施すことにより製造した、
ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加えて、
前記ヨーク押さえ部は前記外側リブの周方向両側を切削して形成され、前記外側リブを挟んで周方向で隣り合う前記ヨーク部の前記面取り部にそれぞれ係合する、
ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ロータフレームが第1及び第2ロータフレームからなり、第1及び第2ロータフレームが捲回巻きで構成されたロータコアを回転軸方向両側から挟みこむように配置されるので、捲回巻きで構成されたロータコアを剛性の高いロータフレーム内に収容することができ、ロータの剛性を向上させることができる。
また、ロータフレームが2分割されることにより、第1及び第2ロータフレームの幅(軸方向長さ)を短くすることができ、ロータフレームを容易に製造することができる。これにより、ロータフレームの製造効率を向上することができ、さらには製造コストを削減することができる。
請求項2の発明によれば、第1及び第2ロータフレームによって主磁石片と副磁石片を収容したロータコアを径方向においてリム部とシャフト接続部により、且つ、回転軸方向において外側リブにより保持することができるので、ロータの剛性を向上させるとともにロータの取り扱い性が向上する。
請求項3の発明によれば、ロータコアがフレーム締結部に外嵌されるので第1及び第2ロータフレームにシャフト接続部を形成する必要がない。これにより、第1及び第2ロータフレームの加工をさらに容易に行うことができる。また、第1及び第2ロータフレームがフレーム締結部を軸方向両側から挟み込みシャフト部材に締結されるので、第1及び第2ロータフレームがシャフト部材と密着して締結することができ剛性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、第1及び第2ロータフレームが同一形状であるため、いずれか一方を裏返して用いることで部品点数の増加を最小限に抑えることができる。また、回転軸方向両側に同一形状の部材が配置されるため、ロータの偏芯や荷重の不均衡を抑制し、耐久性を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、ヨーク部の面取り部と外側リブに形成されたヨーク押さえ部が係合することにより、ロータ回転時の回転方向の力をヨーク押さえ部の傾斜によりシャフト部材に伝達することができる。また、ヨーク押さえ部によりヨーク部の回転軸方向外側への位置ずれも防止することができる。
請求項6の発明によれば、外側リブのヨーク押さえ部を、曲げ加工によりヨーク部の面取り部に沿った形状となるように形成することで、ロータの動力を確実にシャフト部材に伝達することが可能となるとともに、容易に形成することができる。
請求項7の発明によれば、従来単一の部材から切削加工を施して製造していたロータフレームを、第1及び第2ロータフレームの2分割とし、それぞれ板材に打ち抜き加工と折り曲げ加工を施すことで形成したので、加工時間を短縮し、安価に製造することができる。
請求項8の発明によれば、外側リブのヨーク押さえ部を、例えば切削加工によりヨーク部の面取り部と面一となるように形成することで、ロータの動力を確実にシャフト部材に伝達することが可能となる。
以下、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの各実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
<第1実施形態>
本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10は、例えば図1及び図2に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸O方向の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線を有する1対のステータ12,12とを備えて構成されている。
このアキシャルギャップ型モータ10は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション(図示略)の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ10に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ10の回転軸が内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ10に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
各ステータ12は、略円環板状のヨーク部21と、ロータ11に対向するヨーク部21の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸O方向に沿ってロータ11に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース22,…,22と、適宜のティース22,22間に装着される固定子巻線(図示略)とを備えて構成されている。
各ステータ12は、例えば主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W)とされた6N型であって、一方のステータ12の各U+,V+,W+極に対して、他方のステータ12の各U−,V−,W−極が回転軸O方向で対向するように設定されている。例えば回転軸O方向で対向する1対のステータ12,12に対し、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の一方に対応する一方のステータ12の3個のティース22,22,22と、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の他方に対応する他方のステータ12の3個のティース22,22,22とが、回転軸O方向で対向するように設定され、回転軸O方向で対向する一方のステータ12のティース22と、他方のステータ12のティース22とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。
ロータ11は、例えば図2及び図3に示すように、ロータコア13と、複数の主磁石部31,…,31と、複数の副磁石部32,…,32と、非磁性材からなる後述する第1及び第2ロータフレーム33A,33Bによって構成されるロータフレーム33と、外周リング50と、を備えて構成され、ロータコア13は主磁石部31と副磁石部32が周方向に交互に収容した状態でロータフレーム33内に装着され、ロータフレーム33の外周には外周リング50が装着されている。
そして、ロータフレーム33は、周方向に所定の間隔で配置され且つ回転軸O方向両側に互いに対向して配置されて径方向に伸びる複数の外側径方向リブ39,…,39と、外側径方向リブ39,…,39によって接続された内周側円環状のシャフト接続部36と外周側円環状のリム部37と、シャフト接続部36の内周部に形成された外部の駆動軸(例えば、車両のトランスミッションの入力軸等)に接続される接続部38と、を備えて構成されている。
ロータコア13は、テープ状の電磁鋼板からなる磁性板を捲回してなり、図3〜図7に示すように、その回転軸O方向中央部に後述する主永久磁石片41を収容する略扇形形状の主永久磁石片用収容部15と柱状の磁束漏れ抑制空間16が周方向において所定の間隔で交互に形成され、また磁束漏れ抑制空間16の回転軸O方向両側には、後述する副永久磁石片43を収容する柱状の副永久磁石片用収容部17が形成される。言い換えると、ロータコア13は、周方向に所定の間隔で主永久磁石片41を回転軸O方向両側から挟むように配置されたヨーク部42,…,42と、回転軸O方向に隣り合うヨーク部42、42間を連結する1対の軸方向連結部14a,14aと、軸方向連結部14a,14aによって連結されたヨーク部42,42同士を周方向で連結する1対の周方向連結部14b,14bと、を備え一体に形成されている。また、ヨーク部42の周方向両外側にはテーパ状の面取り部42aが形成されている。
主磁石部31は、厚さ方向(つまり、回転軸O方向)に磁化された略扇形板状の主永久磁石片41が主永久磁石片用収容部15に配置され、周方向で隣り合う主磁石部31,31の各主永久磁石片41,41は、磁化方向が互いに異方向となるように設定されている。
副磁石部32は、それぞれ回転軸O方向および径方向に直行する方向(略周方向)に磁化された1対の副永久磁石片43,43が磁束漏れ抑制空間16の軸方向両側に形成された副永久磁石片用収容部17、17に配置されて構成され、回転軸O方向で対向する1対の副永久磁石片43,43は互いに磁化方向が異方向とされている。
また、主磁石部31を介して周方向で対向する1対の副永久磁石片43,43同士は、互いに磁化方向が異方向とされている。そして、回転軸O方向の一方側に配置された1対の副永久磁石片43,43同士は、回転軸O方向に磁化された主永久磁石片41の一方側の磁極と同極の磁極を対向させ、回転軸O方向の他方側に配置された1対の副永久磁石片43,43同士は、回転軸O方向に磁化された主永久磁石片41の他方側の磁極と同極の磁極を対向させるように配置されている。
つまり、例えば回転軸O方向の一方側がN極かつ他方側がS極とされた主永久磁石片41に対して、回転軸O方向の一方側においてヨーク部42を周方向の両側から挟み込む1対の副永久磁石片43,43は、互いのN極が周方向で対向するように配置され、回転軸O方向の他方側においてヨーク部42を周方向の両側から挟み込む1対の副永久磁石片43,43は、互いのS極が周方向で対向するように配置されている。 これにより、所謂永久磁石の略ハルバッハ配置となり、主永久磁石片41の磁束の方向を規制する磁束レンズ効果により主永久磁石片41および各副永久磁石片43,43の各磁束が収束し、各ステータ12,12に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。
外周リング50は、非磁性材からなり、図7に示すように、ロータコア13の軸方向長さと略同一の軸方向長さを有しており、リム部37の外周に、例えば圧入して固着されている。
ここで、本実施形態においては、例えば図3〜図7に示すように、ロータフレーム33が回転軸O方向に2分割され、第1及び第2ロータフレーム33A,33Bから構成されている。
第1及び第2ロータフレーム33A、33Bは、それぞれ周方向に所定間隔をおいて配置された複数の外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bによって回転軸O方向外側が接続された内周側円環状のシャフト接続部36a、36bと外周側円環状のリム部37a、37bと、シャフト接続部36a、36bの内周部に形成された接続部38a、38bとを備えて同一形状に構成されている。なお、第1ロータフレーム33Aの外側径方向リブ39a,…,39aと第2ロータフレーム33Bの外側径方向リブ39b,…,39bにより外側径方向リブ39,…,39が構成され、第1ロータフレーム33Aのシャフト接続部36aと第2ロータフレーム33Bのシャフト接続部36bによりシャフト接続部36が構成され、第1ロータフレーム33Aのリム部37aと第2ロータフレーム33Bのリム部37bによりリム部37が構成され、第1ロータフレーム33Aの接続部38aと第2ロータフレーム33Bの接続部38bにより接続部38が構成されている。
接続部38a、38bには、複数の外部駆動軸接続用貫通孔38a1,…,38a1、38b1,…,38b1が形成され、外部駆動軸接続用貫通孔38a1,…,38a1、38b1,…,38b1の外径側には回転軸O方向両側から第1及び第2ロータフレーム33A,33Bを互いに締結するためのフレーム接続用貫通孔38a2,…,38a2、38b2,…,38b2が形成されている。
外側径方向リブ39a、39bは、図5〜7に示すように、シャフト接続部36a、36bとリム部37a、37bの回転軸O方向の外側端部を径方向に連結し副永久磁石片43と略等しい周方向長さを有するリブ本体61と、リブ本体61の周方向両側を折り曲げることにより形成されたリブ本体61の中心線P(図5参照)から周方向に離れるに従って回転軸O方向外側にヨーク部42の面取り部42aの傾きと略等しく傾斜するヨーク押さえ部62と、を備えて構成されている。
このように構成された第1及び第2ロータフレーム33A,33Bの周方向で隣り合う外側径方向リブ39a,39a、39b,39b間にはロータコア13のヨーク部42が配置され、外側径方向リブ39aのヨーク押さえ部62がヨーク部42の面取り部42aと係合する。これにより、ヨーク部42の回転軸O方向及び周方向の位置決めがなされるとともに、ロータコア13からの動力が第1及び第2ロータフレーム33A,33Bに伝達される。また、隣り合うヨーク部42,42間に形成された副永久磁石片用収容部17には副永久磁石片43が配置され、副永久磁石片43は回転軸O方向において周方向連結部14bと外側径方向リブ39a,39bのリブ本体61に挟みこまれる。
ここで、シャフト接続部36aとシャフト接続部36bからなるシャフト接続部36とリム部37aとリム部37bからなるリム部37の軸方向長さは、リブ本体61がロータコア13の副永久磁石片用収容部17に収容された副永久磁石片43と接し、ヨーク押さえ部62がヨーク部42の面取り部42aと接した状態において、ヨーク押さえ部62の外側端部がヨーク部42の外側端部と略同一位置であってロータコア13から外側にはみ出すことがないようにその長さが設定されている。
次に、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10のロータ11の製造方法について説明する。
ロータコア13は、テープ状の電磁鋼板からなる磁性板の軸方向中央部に主永久磁石片用収容部15、磁束漏れ抑制空間16を、磁束漏れ抑制空間16の軸方向両側に副永久磁石片用収容部17を、例えばプレス成型機を用いて打ち抜き加工により形成する。
続いて、主永久磁石片用収容部15、磁束漏れ抑制空間16及び副永久磁石片用収容部17が形成されたテープ状の磁性板14は、巻芯上に仮止めされ、巻芯が回転することで捲回され、所定の大きさに捲回された磁性板の巻き始めと巻き終わりが巻芯の中心から径方向において同じ位置で捲回を終了し、捲回された磁性板の巻き始めと巻き終わりを溶接することでロータコア13が形成される(図3参照)。
このように製造されたロータコア13は、その回転軸O方向中央部に主永久磁石片41を収容する略扇形形状の主永久磁石片用収容部15と柱状の磁束漏れ抑制空間16が周方向において交互に形成され、また磁束漏れ抑制空間16の回転軸O方向両側には、副永久磁石片43を収容する柱状の副永久磁石片用収容部17が形成される。
そして、ロータコア13の主永久磁石片用収容部15に主永久磁石片41を装着し、副永久磁石片用収容部17に副永久磁石片43を装着する。
また、ロータフレーム33を構成する第1及び第2ロータフレーム33A、33Bは、円環状の薄板材の外周側に、例えばプレス成型機を用いて、周方向に等間隔に略扇形状のヨーク部用開口66a,…,66a、66b,…,66b(図3参照)と、内周側に外部駆動軸接続用貫通孔38a1,…,38a1、38b1,…,38b1と、フレーム接続用貫通孔38a2,…,38a2、38b2,…,38b2を打ち抜き、続いて、シャフト接続部36a,36bとリム部37a,37bとを内周側と外周側で互いに対向するように円環状に形成するとともに外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bと接続部38a、38bとが軸方向でそれぞれ外側と内側に位置するように折り曲げることにより形成される。
また、外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bのリブ本体61の周方向両端部に、リブ本体61の中心線Pから周方向に離れるにしたがって回転軸O方向外側に傾斜するヨーク押さえ部62を上記曲げ加工と同時に折り曲げて形成する。
そして、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bが主永久磁石片41と副永久磁石片43を収容したロータコア13を軸方向両側から、副永久磁石片43がリブ本体61と接しヨーク部42の面取り部42aがヨーク押さえ部62と接するように挟みこみ、図8で示すように、ボルト81,…,81とナット82,…,82を用いてフレーム接続用貫通孔38a2,…,38a2、38b2,…,38b2で第1及び第2ロータフレーム33A、33Bを締結するとともに外周リング50をリム部37に圧入することでロータ11が組み付けられる。
このように組み付けられたロータ11は、図8〜10に示すように、外部駆動軸としてのシャフト部材70に取り付けられる。より具体的に、シャフト部材70のシャフト本体71から径方向に延設されたフレーム締結部72のフレーム接続用貫通孔73,…,73とロータフレーム33の外部駆動軸接続用貫通孔38a1,…,38a1、38b1,…,38b1に回転軸O方向一方からボルト83を用いて締結することで、ロータ11がシャフト部材70に取り付けられる。なお、図1〜7については簡略化のためボルト81,…,81、83,…,83とナット82,…,82を省略する。以下、図11〜19においても同様とする。
このように構成された本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、ロータフレーム33が第1及び第2ロータフレーム33A、33Bからなり、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bが捲回巻きで構成されたロータコア13を回転軸O方向両側から挟みこむように配置されるので、捲回巻きで構成されたロータコア13を剛性の高いロータフレーム33内に収容することができる。また、ロータフレーム33が2分割されることにより、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bの幅(回転軸O方向長さ)を短くすることができ、ロータフレーム33を容易に製造することができる。これにより、ロータフレームの製造効率を向上することができ、さらには製造コストを削減することができる。
また、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bが同一形状であるため、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。また、回転軸O方向両側に同一形状の部材が配置されるため、ロータ11の偏芯や荷重の不均衡を抑制し、耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、ヨーク部42の面取り部42aと外側径方向リブ39a、39bに形成されたヨーク押さえ部62が係合することにより、ロータ11の回転時の動力をシャフト部材に伝達することができるとともに、ヨーク部42の回転軸O方向の位置ずれも防止することができる。
また、副永久磁石片43が外側径方向リブ39a、39bのリブ本体61と対向配置されるので、外側径方向リブ39a、39bのリブ本体61が副永久磁石片43の飛び出しを防止することができる。
また、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、従来単一の部材から切削加工を施して製造していたロータフレームを、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bの2分割とし、それぞれ板材に打ち抜き加工と曲げ加工を施すことで形成したので、さらに加工時間を短縮し、安価に製造することができる。さらに、外側径方向リブ39a、39bのヨーク押さえ部62を、リブ本体61の周方向両側を曲げ加工によりヨーク部42の面取り部42aとなるように形成することで、容易に製造することができる。
また、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、回転軸O方向及び径方向に直交する方向に磁化され、周方向で隣り合うヨーク部42,42間にそれぞれ配置される複数の副永久磁石片43を備えるので略ハルバッハ構造となり、主永久磁石片41の磁束の方向を規制する磁束レンズ効果により有効磁束発生量を相対的に増やすことができる。
また、本実施の形態によるアキシャルギャップ型モータ10によれば、ロータコア13の隣り合う主永久磁石片用収容部15,15間に磁束漏れ抑制空間16を形成したので、周方向に隣り合う主永久磁石片41,41間の磁束の短絡を抑制することができ、アキシャルギャップ型モータ10の発生トルクの減少や効率低下を抑制することができる。
次に第1実施形態のアキシャルギャップ型モータ10の変形例について図11〜図14を参照して説明する。なお、本変形例は、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bに形成された外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bの形状が異なる以外は第1実施形態のアキシャルギャップ型モータ10と同様の構成を有する。
本変形例の第1及び第2ロータフレーム33A、33Bに形成された外側径方向リブ39a、39bは、図11〜14に示すように、シャフト接続部36a、36bとリム部37a、37bの回転軸O方向の外側端部を径方向に連結し副永久磁石片43と略等しい周方向長さを有するリブ本体63と、リブ本体63の周方向両側を切削することによりリブ本体63の中心線P(図12参照)から周方向に離れるに従って回転軸O方向外側にヨーク部42の面取り部42aの傾きと略等しく傾斜するヨーク押さえ部64と、を備えて構成され、図12に示すように周方向から見て略台形形状断面を有する。
このように構成された第1及び第2ロータフレーム33A,33Bの周方向に隣り合う外側径方向リブ39a,39a、39b,39b間にはヨーク部42が配置され、外側径方向リブ39aのヨーク押さえ部64がヨーク部42の面取り部42aで係合する。これにより、ヨーク部42の回転軸O方向及び周方向の位置決めがなされ、隣り合うヨーク部42,42間の副永久磁石片用収容部17には副永久磁石片43が配置され、副永久磁石片43は回転軸O方向において周方向連結部14bと外側径方向リブ39a,39bのリブ本体63に挟みこまれる。
ここで、シャフト接続部36aとシャフト接続部36bからなるシャフト接続部36とリム部37aとリム部37bからなるリム部37の軸方向長さは、ロータコア13の軸方向長さと略等しい長さに設定されている。従って、本変形例の外側径方向リブ39a、39bは板材を折り曲げて形成した第1実施形態の外側径方向リブ39a、39bに比べて高い剛性を有し、より確実にロータ11の回転時の動力をシャフト部材に伝達することができるとともに、ヨーク部42の回転軸O方向の位置ずれも防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータについて、図15〜図21を参照して説明する。なお、第2実施形態のアキシャルギャップ型モータは、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bの形状及びシャフト部材の形状が異なる以外は同じ構成を有する。このため、第1実施形態と同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
第1及び第2ロータフレーム33A、33Bは、外周側円環状のリム部37a、37bと、リム部37a、37bの外側端部からそれぞれ周方向に所定間隔をおいて内径側に延設された複数の外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bと、外側径方向リブ39a,…,39a、39b,…,39bからさらに内径側に延設された円板状の接続部38a’、38b’と、を備えて同一形状に構成され、接続部38a’、38b’には、複数の接続用貫通孔38a’3、38b’3が形成されている。
外側径方向リブ39a、39bは、図16〜19に示すように、副永久磁石片43と略等しい周方向長さを有するリブ本体61と、リブ本体61の周方向両側を折り曲げることにより形成されたリブ本体61の中心線P(図7参照)から周方向に離れるに従って回転軸O方向外側にヨーク部42の面取り部42aの傾きと略等しく傾斜するヨーク押さえ部62と、を備えて構成されている。
また、シャフト部材70はシャフト本体71から径方向に延設されたフレーム締結部74を備えて構成され、フレーム締結部74には複数のロータ接続用貫通孔75が穿設されている。
このように構成されたシャフト部材70のフレーム締結部74の外周面に、第1実施形態と同様に製造され主永久磁石片41と副永久磁石片43を収容したロータコア13を装着し、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bを回転軸O方向両側から挟みこむ。このとき、第1ロータフレーム33Aに形成された接続用貫通孔38a’3と第2ロータフレーム33Bに形成された接続用貫通孔38b’3の位相が同位相とならないようにフレーム締結部74に形成されたロータ接続用貫通孔75と位置あわせをして、回転軸O方向両側からボルト83により締結し、最後に外周リング50をリム部37に外嵌して、ロータ11が製造されシャフト部材70に組み付けられる。
本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、シャフト部材70のフレーム締結部74にロータコア13を装着したので、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bにはシャフト接続部を折り曲げて加工する必要はない。これにより、加工が難しい内周側の折り曲げ加工がなくなり第1及び第2ロータフレームの製造をより容易に製造することができる。また、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bがフレーム締結部74を軸方向両側から挟み込みシャフト部材70に締結されるので、第1及び第2ロータフレーム33A、33Bがシャフト部材70と密着して締結することができ剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様の作用・効果を有する。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
また、上記実施形態において、回転軸O方向の一方側にのみステータ12を備えてもよい。この場合、回転軸O方向の一方側にのみ副永久磁石片43を設ける。
本発明に係るアキシャルギャップ型モータの一実施形態の全体斜視図である。 第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 図2に示すアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 図2に示すアキシャルギャップ型モータのロータの正面図である。 図4のV−V線矢視図である。 図4のVI−VI線矢視図である。 図4のVII−VII線矢視図である。 ロータとシャフト部材の締結を説明する分解斜視図である。 シャフト部材に取り付けられたロータの斜視図である。 図9のロータとシャフト部材の断面図である。 変形例に係るアキシャルギャップ型モータのロータの正面図である。 図11のXII−XII線矢視図である。 図11のXIII−XIII線矢視図である。 図11のXIV−XIV線矢視図である。 第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 図15に示すアキシャルギャップ型モータのロータの正面図である。 図16のXVII−XVII線矢視図である。 図16のXVIII−XVIII線矢視図である。 図16のXIX−XIX線矢視図である。 シャフト部材に取り付けられたロータの斜視図である。 図20のロータとシャフト部材の断面図である。 特許文献1に記載のアキシャルギャップ型モータの断面図である。 特許文献2に記載のアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。
符号の説明
10 アキシャルギャップ型モータ
11 ロータ
12 ステータ
13 ロータコア
15 主永久磁石片用収容部
17 副永久磁石片用収容部
33 ロータフレーム
33A 第1ロータフレーム
33B 第2ロータフレーム
36、36a、36b シャフト接続部
37、37a、37b リム部
39 外側径方向リブ(外側リブ)
41 主永久磁石片(主磁石片)
42 ヨーク部
42a 面取り部
43 副永久磁石片(副磁石片)
62 ヨーク押さえ部
O 回転軸

Claims (8)

  1. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    回転軸方向の少なくとも一方から前記ロータに対して対向配置されるステータと、を備えるアキシャルギャップ型モータにおいて、
    前記ロータは、
    回転軸方向に磁化され、周方向で所定の間隔で配置される複数の主磁石片と、
    回転軸方向および径方向に直交する方向に磁化され、周方向で隣り合う前記主磁石片間で、且つ、前記回転軸方向の少なくとも一方側に配置される複数の副磁石片と、
    テープ状の磁性板を捲回して構成され、周方向で隣り合う前記副磁石片間に前記主磁石片と回転軸方向に対向配置される複数のヨーク部と、前記主磁石片を収容する複数の主磁石片用収容部と、前記副磁石片を収容する複数の副磁石片用収容部と、を有するロータコアと、
    周方向に所定の間隔で配置され、且つ、回転軸方向外側で互いに対向する位置に配置されて径方向に延びる複数の外側リブと、前記複数の外側リブの外径側に設けられるリム部と、を有するロータフレームと、を備え、
    前記ロータフレームは、
    第1及び第2ロータフレームからなり、
    前記第1及び第2ロータフレームが前記主磁石片と前記副磁石片を収容した前記ロータコアを回転軸方向両側から挟みこむように配置される、
    ことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  2. 前記ロータフレームは前記外側リブの内径側に設けられるシャフト接続部を有し、
    前記第1及び第2ロータフレームが、それぞれ前記外側リブと前記シャフト接続部と前記リム部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  3. シャフト本体から径方向に延設されたフレーム締結部を有するシャフト部材を備え、
    前記第1及び第2ロータフレームが、それぞれ前記外側リブと前記リム部と、を有し、
    前記ロータコアが前記フレーム締結部に外嵌され、
    前記第1及び第2ロータフレームが前記主磁石片と前記副磁石片を収容し前記フレーム締結部に外嵌された前記ロータコアを回転軸方向両側から挟みこむように配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  4. 前記第1及び第2ロータフレームは同一形状を有し、前記第1及び第2ロータフレームのいずれか一方を裏返して前記主磁石片と前記副磁石片を収容した前記ロータコアを軸方向両側から挟みこむように配置される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
  5. 前記ヨーク部の周方向両側には面取り部が形成され、
    前記外側リブは前記面取り部と係合するヨーク押さえ部を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
  6. 前記ヨーク押さえ部は前記外側リブの周方向両側を折り曲げて形成され、前記外側リブを挟んで周方向で隣り合う前記ヨーク部の前記面取り部にそれぞれ係合する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  7. 前記第1及び第2ロータフレームは、板材に打ち抜き加工と曲げ加工を施すことにより製造した、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
  8. 前記ヨーク押さえ部は前記外側リブの周方向両側を切削して形成され、前記外側リブを挟んで周方向で隣り合う前記ヨーク部の前記面取り部にそれぞれ係合する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のアキシャルギャップ型モータ。
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