JP2008178256A - ステータおよびその製造方法とモータ - Google Patents

ステータおよびその製造方法とモータ Download PDF

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Abstract

【課題】少なくともコイルエンドが樹脂モールドされてなるステータにおいて、モールド体にクラックが生じた場合でもモータ機能が損なわれないステータとその製造方法、および該ステータを具備するモータを提供する。
【解決手段】円環状のヨーク12と、該ヨーク12から径方向内側に突出する複数のティース11,…と、隣接するティース11,11間に形成されるスロットと、を備えたステータコア1と、ティース11周りに形成されるコイル3と、からなるステータ10であり、ステータ10のうち少なくともその外周側とコイルエンドには樹脂モールド体4が形成されており、少なくとも該樹脂モールド体4の表面には相対的に耐クラック性の高い樹脂から成形された保護層5が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステータおよびその製造方法とモータに係り、特に、少なくともコイルエンドが樹脂モールドされてなるステータにおいて、モールド体にクラックが生じた場合でもモータ機能が損なわれないステータとその製造方法、および該ステータを具備するモータに関するものである。
モータ(電動機)を構成するステータは、円環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出する複数のティースと、隣接するティース間に形成されるスロットとを備えた鋼板が積層されてできるステータコアを備えており、コイルがこのスロット内に挿入され、ティース間に巻装されることによってステータが完成する。ここで、コイルの巻装形態には、ティースごとにコイルが巻装される集中巻き方式と複数のティースに跨ってコイルが巻装される分布巻き方式がある。
近時、ハイブリッド車や電気自動車の普及に伴い、その駆動用モータの小型化および高性能化が重要な開発要素となっているが、モータが小型化してもその回転性能(トルク)を維持もしくは向上させるためにはコイルに大電流を印加せざるを得えず、その結果としてジュール熱量が増大することになる。この増大した発熱はステータやコイルの熱損失や磁気特性の低下を齎し、モータ性能の低下に繋がること、さらには有機系絶縁材料の性能低下から効果的に放熱することが重要となる。したがって、上記するハイブリッド車や電気自動車の駆動用モータをはじめ、高性能化と高発熱化を有する各種電気製品用のモータには、小型化と高性能化(高回転性能、または高トルク性能、または高効率性能)に加えて高放熱性能が要求されることになる。
モータに高放熱性を付与する技術として、コイルエンドを含むステータの外周をアルミナ等のセラミックスをはじめとする樹脂にてモールドすることにより、コイルに発生するジュール熱を放熱する技術が一般に適用されており、その一例として特許文献1に開示のサーボモータ用ステータを挙げることができる。
この樹脂モールドされたステータを具備することにより、小型化と高性能化および高放熱化のすべての要素を満足するモータを得ることができる。しかし、この樹脂モールド体は耐衝撃性が低く、さらには冷熱サイクルによる熱膨張収縮作用によってクラックが生じ易いことから、このクラックの発生によって樹脂モールド体の一部が剥がれ落ち、ロータに引き込まれることでモータがロッキングしたり、モータ構成部材にベアリング磨耗を齎すなどの不具合が生じる可能性が高い。特にハイブリッド車の駆動用モータにおいては、エンジンルーム温度や寒冷地での使用などから−40℃〜150℃もしくは180℃の冷熱サイクルに耐え得るモータである必要があり、車両走行時の4Gレベル相当の振動加速度や18000rpm程度の高回転時の振動に耐え得る必要がある。したがって、樹脂モールド体のクラック防止対策が急務の課題であった。
特開2004−289928号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、樹脂モールド体がその外周に形成されたステータとこのステータを具備するモータに関し、小型化、高性能化、高放熱化に加えて、該樹脂モールド体にクラックが生じてもモータの耐久性を損なうことのないステータとその製造方法、および該ステータを具備するモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるステータは、円環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出する複数のティースと、隣接するティース間に形成されるスロットと、を備えたステータコアと、ティース周りに形成されるコイルと、からなるステータにおいて、前記ステータのうち少なくともその外周側とコイルエンドには樹脂モールド体が形成されており、少なくとも前記樹脂モールド体の表面には、該樹脂モールド体に比して相対的に耐クラック性が高い樹脂素材の保護層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のステータは、コイルが集中巻きされる形態、分布巻きされる形態のいずれの形態であってもよいが、発熱量がより大きく、ステータ外周に樹脂モールド体を形成した場合でも該ステータが大きくなり過ぎない集中巻き形式のステータに特に好適である。また、集中巻き形式においては、コイルが形成されたコイルボビンがティースに嵌め合いされる形態であってもティース外周に導線が直接巻装される形態であってもよい。さらに、ステータを構成するステータコアは、珪素鋼板が積層されてなる積層体であってもよいし、絶縁バインダーにて軟磁性金属粉末が被覆されてなる磁性粉末が加圧成形された圧粉磁心から成形されてもよい。
ステータの外周に直接モールドされる樹脂は、10μm程度のコイル導線間への充填性があり、放熱性能のある適宜の樹脂素材が使用されるが、中でも、成形時の粘性が低く、低圧成形が可能な不飽和ポリエステル樹脂(BMC)が好ましい。
本発明のステータは、コイルがティース周りに形成されたステータコアの少なくとも外周側面とその両端のコイルエンドが樹脂からなるモールド体にて被覆されており、さらに、このモールド体が別途の樹脂からなる保護層にて被覆されている。
この保護層は、モールド体の外周(外周側面およびコイルエンド部)のみを包囲する形態であってもよいし、さらにステータの内周側でロータに対向する側面をも被覆する形態であってもよい。
保護層を形成する樹脂は、樹脂モールド体(を形成する樹脂)に比して相対的に耐クラック性の高い素材が選定される。
ここで、耐クラック性を高めるために、保護層用の樹脂として樹脂モールド体用の樹脂に比して相対的に高靭性な素材を選定することができる。例えば、高耐熱フィルムであるポリフェニレンサルファイド(PPS)や液晶ポリマ(LCP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)などからなるフィルムを使用することができる。該フィルムにて所定形状の保護層を形成する方法の一例としては、メス型貼り込みにて賦形する方法などがある。
一方、耐クラック性を高める他の方策として、保護層用の樹脂として樹脂モールド体用の樹脂に比して相対的に高強度な素材を選定することができる。例えば、GFRPプリプレグや長繊維ガラス強化マット(SMC)の圧縮成形体などを使用することができる。
また、例えば熱可塑性樹脂から保護層を成形する場合には、上記する保護層用の樹脂素材は高流動性を有する素材であることが好ましい。高流動性によって成形体の厚みを薄くすることができるため、樹脂モールド体の外周を樹脂からなる保護層にて被覆した場合でも、薄肉成形が可能であり、さらには、樹脂モールド体から外部への放熱性能を低下させることがない。
また、本発明によるモータは、前記ステータと、その内部に配設されるロータと、を少なくとも具備することを特徴とするものである。
上記するステータ、すなわち、ステータコアの外周側およびコイルエンドが樹脂モールド体で被覆され、さらにその外周に相対的に耐クラック性の高い保護層が設けられたステータを具備するモータとすることで、小型化、高性能化、高放熱化を図り、耐久性の高いモータが得られる。これは、樹脂モールド体にクラックが生じ、モールド材が剥がれた場合でも、その外周の保護層にてモールド材の脱落を防止することができるため、モータ駆動に何らの支障も与えないからである。
また、本発明によるステータの製造方法は、円環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出する複数のティースと、隣接するティース間に形成されるスロットと、を備えたステータコアと、ティース周りに形成されるコイルと、からなるステータであって、該ステータのうち少なくともその外周側とコイルエンドには樹脂モールド体が形成されており、前記樹脂モールド体の表面には該樹脂モールド体に比して相対的に耐クラック性が高い樹脂素材の保護層が形成されてなるステータの製造方法であって、可動型および固定型双方のキャビティ面に前記保護層の分割体を配設し、コイルが形成されたステータコアをキャビティ内に収容することでコイルエンドに保護層が被覆される第1の工程と、キャビティ内を真空引きする第2の工程と、前記保護層とステータコアの間に樹脂モールド体用の樹脂を射出成形する第3の工程と、を少なくとも具備していることを特徴とするものである。
ステータを構成する保護層をステータの高さ方向で2分割しておき、それぞれの分割体を例えば可動型と固定型に設けられたセンターポストに嵌めこんでおく。このセンターポストには外部に連通する開口が形成されており、可動型と固定型が型閉めされた姿勢において、双方の端部間に隙間が形成されるようになっている。なお、例えば可動型内に形成された成形品押出し用のエジェクタピンの摺動孔にクリアランスを設けておき、このクリアランスを介して保護層分割体を真空吸引するようにしてもよい。
例えばセンターポストの中央開口を介して外部のバキューム装置等からキャビティ内を真空引きし、同様にこのセンターポストの中央開口を介してステータと保護層の間に樹脂モールド体用の樹脂を射出成形する。
型を開き、必要に応じてクーリングすることで(成形温度がおよそ150℃のBMCにおいては、保護層は耐熱上安定しているためにクーリングしない状態で脱型する)、樹脂モールド体と樹脂保護層にて被覆されたステータが成形される。なお、可動型および固定型双方のセンターポストの先端同士が当接するようにしておき、このセンターポストの一部に吸引孔を形成しておくことで、外部のバキューム装置に連通する吸引路をセンターポスト内に配設し、該吸引孔を介してキャビティ内の真空引きをおこなうこともできる。
また、本発明によるステータの製造方法の好ましい実施の形態は、前記ステータの製造方法において、前記ステータコアには予めその高さ方向に延設する貫通孔が形成されており、前記第2の工程において、バキューム装置に連通する吸引路が該貫通孔に連通され、ステータコアの内部を介してキャビティ内の真空引きがおこなわれることを特徴とするものである。
例えばステータコアのヨークのうち、磁束流れを妨げない部位に貫通孔を形成しておき、保護層にも微小な孔を形成しておき、この貫通孔にバキューム装置に連通する吸引路を接続してキャビティ内を真空引きすることができる。この方法によれば、センターポストを介して真空引きするだけではキャビティ内の真空引きが十分に実行されない場合でも、積層鋼板間からも真空引きすることでキャビティ内の真空レベルを高めることができる。また、ステータの内周側(ロータに面する側面)に保護層が被覆されている場合でもキャビティ内の真空引きが可能となる。
以上の説明から理解できるように、本発明のステータと該ステータを具備するモータによれば、モータの小型化、高性能化、高放熱化と高耐久性を図ることができる。また、本発明のステータの製造方法によれば、上記ステータを効率的に製造することができ、高性能なステータおよびモータの製造歩留まりを高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のステータの製造方法の一実施の形態を示した模式図であり、図2はコイルが形成されたステータコアの拡大斜視図であり、図3は本発明のステータの一実施の形態の斜視図である。図4は本発明のステータの製造方法の他の実施の形態を示した模式図であり、図5は可動型のキャビティ面の他の実施の形態の斜視図である。図6は本発明のステータの製造方法のさらに他の実施の形態を示した模式図であり、図7は図6の製造方法において適用されるステータの一部の拡大平面図である。
図1は、本発明のステータの製造方法の一実施の形態を説明した説明図であり、図2はステータコア1を拡大した図である。この製造方法は、珪素鋼板を積層してなるステータコア1の円環状ヨーク12から径方向に突出してなる各ティース11,…に、導線が巻装されてコイル3が形成されたコイルボビン2を嵌め合いしてなる集中巻き形式のものである。
このコイルが形成されたステータコア1を用意しておき、詳細な構成を省略して図示された可動型6と固定型7双方のキャビティ61,71のセンターポスト62,72に保護層の分割体51,52を装着する。
この保護層分割体51,52はステータコア1の少なくともコイルエンドと外周側を包囲するフィルムまたは成形体からなり、フィルムの場合にはポリフェニレンサルファイド(PPS)や液晶ポリマ(LCP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)などの高耐熱性樹脂フィルムから形成され、成形体の場合にはGFRPプリプレグや長繊維ガラス強化マット(SMC)の圧縮成形体である。いずれの素材であっても、可及的に薄肉であることが好ましく、例えば0.5〜1.0mm程度の厚みの保護層分割体が使用される。
可動型6と固定型7双方のキャビティ61,71内にステータコア1を収容して型閉めし、キャビティを真空引きし、例えば固定型7のセンターポスト72に形成された貫通孔に射出用管路91を挿入して不飽和ポリエステル樹脂(BMC)を充填することにより、ステータコア1と保護層の分割体51,52の間にBMCが充填される。型開き後に適宜の押出し手段にて成形品を押出すことにより、図3に示すようなステータ10が製造される。
図3において、ステータコアの外周には保護層分割体51,52が一体となった保護層5が形成されており、この保護層5とステータコア1の間にはBMCが硬化された樹脂モールド体4が形成されている。
図3に示すステータ10によれば、ステータコア1の少なくともコイルエンドと外周側に放熱性に優れた樹脂モールド体4が形成され、さらにその外側に薄肉で該モールド体4に比して耐クラック性の高い保護層5が形成されているため、耐衝撃性の低い樹脂モールド体のクラック発生後もモールド片が飛散するのを効果的に抑止でき、したがって耐久性が高く、かつ放熱性に優れたステータを得ることができる。
図4は、ステータの製造方法の他の実施の形態を説明した説明図である。
図示するように、可動型6Aの一方側には多数のエジェクタピン81,…を備えたエジェクタ装置8が設けられており、可動型6Aには不図示のエジェクタピン貫通孔が開設されている。この貫通孔の内径はエジェクタピン81の外径よりも大きめに成形されており、エジェクタピン81が貫通孔内に進退可能に遊嵌されている。このエジェクタピン81,…が可動型6A側に押し込まれることで最終成形品を可動型6Aから押出すことができる。
可動型6Aに設けられた貫通孔は可動型6Aのキャビティ61に臨んでおり、エジェクタピン81が貫通孔内に遊嵌された姿勢において双方の間の隙間からキャビティ内を真空引きできるようになっている。具体的には、エジェクタ装置8内に設けられた管路82が可動型6Aに設けられた貫通孔に連通しており、この管路82を介してバキュームポンプ92で吸引することでキャビティ内の真空引きがおこなわれる。
なお、固定型7Aにはキャビティ71の一部に焼結金属からなるガス吸引部71aが形成されており、このガス吸引部71aと管路74が連通していて、該管路74を介してバキュームポンプ92で真空引きをおこなう。
可動型側と固定型側の双方から真空引きすることで、保護層の分割体51,52は双方のキャビティ面に真空吸引されながら位置決めされる。
また、例えば図5に示す可動型のキャビティの形態のごとき、センターポスト62に開口部61a,…を設けておくことで、エジェクタピン81と貫通孔の隙間からこの開口部61a,…を介してキャビティ内の真空引きをおこなうこともできる。
真空引きの後に固定型7Aのセンター開口73を介して射出用管路91がキャビティ内に挿入され、BMCが充填される。
図6は、ステータの製造方法のさらに他の実施の形態を説明した説明図である。まず、この製造方法の適用に当たり、本製造方法で必要となるステータコア1Aを図7の一部平面図に基づいて説明する。
この製造方法で使用されるステータコア1Aは、そのヨーク12における磁束流れに支障のない部位、具体的にはティース11の軸線とヨークの周方向軸線との交点付近にコアの高さ方向に延設する貫通孔13が形成されたものである。
複数の貫通孔13,…をヨークの所定部位に備え、ティースにコイルが形成されたステータコア1Aが図6に示す可動型6Bおよび固定型7Bのキャビティ内に収容される。
ここで、可動型6Bのキャビティおよび固定型7Bのキャビティの双方には、外部のバキュームポンプに連通する吸引管63,…、75,…が突出しており、それらの先端プラグがステータコア1Aの貫通孔13,…の両開口に接続されるようになっている。
上記するようにセンターポストを介して真空引きすることに加えて、本製造方法のごときステータコア1Aのヨークに形成された貫通孔13を介して真空引きすることにより、キャビティ内を高い真空レベルとすることができる。さらに、積層鋼板からなるステータコアのコア内で直接真空引きすることで、鋼板間の隙間のエアを効果的に抜気することができるため、鋼板同士の密着度を高めることでステータコア自体の狭小化に繋がる。
本発明者等は、図4の説明図に示す製造方法によってステータを製造した。まず、保護層の製造は、日東紡製のガラスプリプレグ:WP−15Dを3枚重ね、所定形状の成形型を130℃に加温しておき、これにガラスプリプレグをセットし、圧縮成形した。15分後に成形型から取り出し、厚みが0.5mmの保護層(の分割体)を得た。次いで、この保護層の端面を所定形状にトリミングしてバリの撤去を実施した。
成形された保護層(の分割体)を可動型および固定型双方のキャビティ面に設置し、真空引きをおこなうことで保護層分割体の位置ずれを防止しながら成形型の余熱を実施した。
次いで、可動型のセンターポスト外周に、所定温度に予熱されたステータコアをその内径を沿わせながら設置し、型閉めをおこなった。
次いで、樹脂モールド体用の素材として、熱伝導度が0.7W/m・KのBMC樹脂(昭和高分子株式会社製のRNC−833)を使用し、株式会社ニイガタマシンテクノ社製の熱硬化性樹脂用射出成形機を使用して保護層とステータコア間にBMC樹脂を射出成形した。なお、成形型の温度は150℃、射出速度は17mm/秒、保圧が5MPaで射出を実施している。
射出完了後、ステータコアが成形型内に収容された姿勢で300秒置き、樹脂を熱硬化させた後に型開きしてステータを取り出した。
このステータを分解し、樹脂モールド体を切断してその充填状態を照査した結果、可動型側の保護層との間に一部未充填箇所が見受けられたものの、保護層とステータコア間にBMC樹脂が確実に充填されていた。
次いで、図4の説明図に示す製造方法を適用し、かつ、可動型側のセンターポストに図5に示す真空引き用の開口部を設けた可動型を用いてステータを製造した。なお、この開口部はセンターポストの周方向に8箇所設けた。
具体的な製造方法は実施例1と同様であり、製造されたステータを実施例1と同様に分解切断して樹脂の充填状態を照査した結果、未充填部は全く存在しなかった。
次いで、実施例2の方法で製造されたステータと従来のステータ(保護層が存在しないステータ)に冷熱サイクル試験を同様に実施し、試験前後のステータ表面のクラックの状態を検証した。なお、この冷熱サイクル試験は、150℃の高温雰囲気で3時間、次いで−40℃の低温雰囲気で3時間の1サイクルを500サイクル実施し、この環境下にステータを残置するものである。
クラックの状態を検証すると、本発明の製造方法による実施例2のステータ表面(保護層表面)にはクラックが全く存在しなかった。
一方、従来構造のステータ(比較例)では、モールド材の脱落は見受けられなかったものの、ヘアクラックが7箇所存在し、その総延長は130mmにも及んでいた。この比較例のクラックの状態によれば、冷熱サイクル数がさらに数十サイクル増えた場合において、ステータ表面からクラックが脱落する可能性は極めて高くなると判断される。また、この500サイクルの状態においても、モータ駆動時の振動によって既存クラックがさらに伸展し、モールド材が脱落に至ることは避けられない。
本実験結果からも明らかなように、樹脂モールド体の外周に該樹脂モールド体に比して耐クラック性の高い薄肉保護層を設けておくことで、例えばハイブリッド車用の駆動モータの経験し得る冷熱サイクル環境下において、樹脂モールド材の脱落を確実に防止することができる。また、このステータは、小型化を阻害されるものではなく、放熱性に優れたステータである。
上記する製造方法によって製造されたステータコアを具備するモータは、ハイブリッド自動車用の次世代型SRモータ等への適用は勿論のこと、各種家電製品に使用されるモータなど、あらゆるモータに適用することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のステータの製造方法の一実施の形態を示した模式図である。 コイルが形成されたステータコアの拡大斜視図である。 本発明のステータの一実施の形態の斜視図である。 本発明のステータの製造方法の他の実施の形態を示した模式図である。 可動型のキャビティ面の他の実施の形態の斜視図である。 本発明のステータの製造方法のさらに他の実施の形態を示した模式図である。 図6の製造方法において適用されるステータの一部の拡大平面図である。
符号の説明
1,1A…ステータコア、10…ステータ、11…ティース、12…ヨーク、13…貫通孔、2…コイルボビン、3…コイル、4…樹脂モールド体、5…保護層、51,52…保護層分割体、6,6A,6B…可動型、61…キャビティ、62…センターポスト、62a…貫通路、7,7A,7B…固定型、71…キャビティ、72…センターポスト、8…エジェクタ装置、81…エジェクタピン、91…射出用管路、92…バキュームポンプ

Claims (7)

  1. 円環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出する複数のティースと、隣接するティース間に形成されるスロットと、を備えたステータコアと、ティース周りに形成されるコイルと、からなるステータにおいて、
    前記ステータのうち少なくともその外周側とコイルエンドには樹脂モールド体が形成されており、
    少なくとも前記樹脂モールド体の表面には、該樹脂モールド体に比して相対的に耐クラック性の高い樹脂素材の保護層が形成されていることを特徴とするステータ。
  2. 前記保護層が、前記樹脂モールド体に比して相対的に高靭性であることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記保護層が、前記樹脂モールド体に比して相対的に高強度であることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  4. 前記保護層が、高流動性の樹脂から成形されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステータ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のステータと、その内部に配設されるロータと、を少なくとも具備するモータ。
  6. 円環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出する複数のティースと、隣接するティース間に形成されるスロットと、を備えたステータコアと、ティース周りに形成されるコイルと、からなるステータであって、該ステータのうち少なくともその外周側とコイルエンドには樹脂モールド体が形成されており、前記樹脂モールド体の表面には該樹脂モールド体に比して相対的に耐クラック性が高い樹脂素材の保護層が形成されてなるステータの製造方法であって、
    可動型および固定型双方のキャビティ面に前記保護層の分割体を配設し、コイルが形成されたステータコアをキャビティ内に収容することでコイルエンドに保護層が被覆される第1の工程と、
    キャビティ内を真空引きする第2の工程と、
    前記保護層とステータコアの間に樹脂モールド体用の樹脂を射出成形する第3の工程と、を少なくとも具備していることを特徴とするステータの製造方法。
  7. 請求項6のステータの製造方法において、
    前記ステータコアには予めその高さ方向に延設する貫通孔が形成されており、前記第2の工程において、バキューム装置に連通する吸引路が該貫通孔に連通され、ステータコアの内部を介してキャビティ内の真空引きがおこなわれることを特徴とするステータの製造方法。
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