JP5375074B2 - 回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
図11は第1の従来技術における回転電機を示す側断面図、図12は同回転電機を示す正断面図であり、特許文献1に示されているものである。
図11および図12において、固定子鉄心112に装着された板状導体よりなる固定子コイル111の負荷側コイルエンド111eは、内周面と外周面が各々一円筒面上に形成され、端面が一平面上に形成され、負荷側ブラケット115の溝部115eに嵌合密着している。そのため、固定子コイル111において発生した熱を、負荷側ブラケット115を通して効果的に放熱し、冷却効果を向上し、固定子コイルの許容温度に対してより大きな通電を可能として、定格出力を格段に向上しているのである。なお、図11および図12において、112cは固定子鉄心のティース部、113は第1のインシュレータ、114は第2のインシュレータ、116は反負荷側ブラケット、117は固定子コイル結線部、118は回転位置検出部、119は負荷側軸受、120は反負荷側軸受、121は永久磁石、122は保護テープ、123は回転子鉄心、そして124は回転軸である。
図13において、前記空芯コイルは、丸銅線41の一端をコイルの内側に固定したまま、他端が内側より順次外側へと巻回されるため、巻き始めの一端であるA端41Aは、内側よりコイル外形状に沿って結線部へ引き出される。その結果、巻回する丸銅線との交差部41dを生じ、外部からの加圧に対し絶縁被膜の損傷を起こし易く、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させるための、金型で加圧して外形状を成形することができない。また、巻回スペース41eのうちの概ねA端分のスペースを損なっているため、巻線占積率も悪い。
金型で加圧して外形状を成形することが目的ではないが、この従来の一般的な巻回方法を改善した例として、図14に示す、第3の従来技術としての回転電機の空芯コイルがある(例えば、特許文献2参照)。
図14において、平角銅線131はコイルの内側より順次外側へと、平角銅線の両端をもって巻回されるため、一端132および他端133がコイルの外側に形成されている。その結果、図13で示した交差部41dを生ぜず、外部からの加圧に対し絶縁被膜の損傷に対する信頼性が高いので、金型で加圧して外形状を成形することが可能となる。また、負荷側コイルエンドの内周面、外周面で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ易く、巻線の一端分のスペースも損なわないので、より多くの平角銅線を巻回でき、特許文献2の発明の目的である巻線占積率を向上することができる。
図15において、固定子鉄心141のティース部146には丸銅線の線径に略等しい高さの段差148が設けられている。丸銅線は、前記ティース部146に絶縁体144を介して互いに密接かつ整列して巻回され、固定子コイル145が形成される。段差を設けたティース部の傾斜を隣接コイルとの境界面と平行にすることで、固定子コイルの外周部もこの境界面と略平行となり、コイルの外側は巻線の層の段差がない平坦あるいは概ね平坦(以下、平坦という)に形成され、負荷側コイルエンドの端面も平坦に形成されるため、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ易く、また、巻線占積率も向上する。なお、図15において、142は固定子鉄心の継鉄部、143は固定子鉄心の鍔部、147はティース部146の側面である。
固定子鉄心のティース部に装着して固定子コイルとする空芯コイルを、金型で加圧して外形状を成形することができ、安価に製作し、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ、固定子コイルにおいて発生した熱を、負荷側ブラケットを通して効果的に放熱し、冷却効果を向上し、固定子コイルの許容温度に対してより大きな通電を可能として、定格出力を格段に向上する回転電機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の回転電機の発明は、回転軸を有する回転子と、空芯コイルを固定子鉄心のティース部に装着して固定子コイルとし、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させる固定子とを備えた回転電機において、前記空芯コイルは、絶縁皮膜を有する巻線の一端および他端がコイルの外側に形成され、かつ前記絶縁被膜が融着し、前記負荷側ブラケットの凹部に対応する外形状となるように加圧成形されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記空芯コイルは、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、コイルの外側は巻線の層の段差がない平坦に巻回されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の回転電機の製造方法の発明は、回転軸を有する回転子と、空芯コイルを固定子鉄心のティース部に装着して固定子コイルとし、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させる固定子とを備えた回転電機の製造方法において、前記空芯コイルは、巻回部に段差があり、複数に分割された巻回用治具に巻線を巻回し、接着した後、前記治具を内側に移動させて取り外すことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ丸銅線を巻回したのち、金型で加圧して外形状を成形して構成することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ、長方形断面の平角銅線または正方形断面の角銅線を巻回して構成することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、前記空芯コイルは、巻線の一端および他端がコイルの外側に形成されているため、図13で示した交差部41dを生ぜず、金型で加圧して外形状を成形することができ、安価に製作できる。また、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ、固定子コイルにおいて発生した熱を、負荷側ブラケットを通して効果的に放熱し、冷却効果を向上し、固定子コイルの許容温度に対してより大きな通電を可能として、定格出力を格段に向上する回転電機を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によると、前記空芯コイルは、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、コイルの外側は巻線の層の段差がない平坦に巻回されているため、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ易い空芯コイルを提供することができる。
また、請求項3に記載の発明によると、前記空芯コイルは、複数に分割された巻回用治具に巻線を巻回し、接着した後、前記治具を内側に移動させて取り外すため、コイルの内側に巻線の層の段差を有する空芯コイルを製造することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明によると、前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ丸銅線より構成するため、平角銅線等に比べ、より安価に製作できる。
また、請求項5に記載の発明によると、前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ、長方形断面の平角銅線または正方形断面の角銅線より構成するため、丸銅線に比べ、コイルの外側をより平坦に形成し易く、絶縁体を介して負荷側ブラケットにより密着するものを製作できる。
図1において、回転電機1は、埋込磁石型同機電動機であり、回転軸2を有する円筒形の回転子3と、固定子4とを備え、固定子4はフレーム5に保持され、フレームは負荷側に設置された負荷側ブラケット6に反負荷側ブラケット7とともに、図示しないボルトで締結されている。回転子3は、回転軸2に設置された負荷側軸受8と反負荷側軸受9を介して、負荷側ブラケット6と反負荷側ブラケット7に回転自在に保持され、回転軸の反負荷側には、回転位置検出のためのエンコーダ部10が設置されている。
負荷側ブラケット6には、周方向にリング状に形成された凹部6aが設けられ、固定子コイルの負荷側コイルエンド12aは、内周面12aaと外周面12abが各々一円筒面上に形成され、端面12acが一円錐面上に形成され、内周面、外周面および端面の3面で、絶縁体であるモールド樹脂を介して、前記負荷側ブラケットの凹部6aと嵌合密着している。そのため、固定子コイル12において発生した熱は、負荷側ブラケット6を通して効果的に放熱され、冷却効果が向上し、固定子コイルの許容温度に対してより大きな通電が可能となり、定格出力を格段に向上しているのである。
前記空芯コイルは、巻線の一端12cおよび他端12dがコイルの外側に形成され、固定子コイル12の反負荷側コイルエンド12bの近傍の結線部13において、結線されている。そのため、図5、Aで示した巻回する丸銅線との交差部41dを生ぜず、外部からの加圧に対し絶縁被膜の損傷に対する信頼性が高いので、金型で加圧して外形状を成形することができる。また、負荷側コイルエンドの内周面、外周面で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ易い。
図において、回転軸2を有する円筒形の回転子3は、回転子の内部に永久磁石14を埋設した埋込磁石型回転子である。固定子4は、絶縁皮膜を持つ丸銅線を巻回したのち、金型で加圧して外形状を成形した空芯コイルを、固定子鉄心11のティース部11aに装着して固定子コイル12とし、円筒形に接合して構成し、フレーム5に保持されている。
図3(a)に示すように、前記丸銅線21を固定子鉄心のティース部の形状に近似した巻回用治具22の下方に、固定子コイルとして装着した場合の負荷側となる方向より、水平に整列して巻回する。巻回用治具の巻回スペース22aは、予め設定回数巻回される丸銅線の線径に合せ、準備されている。
次に図3(b)に示すように、前記反負荷側において、巻回の一方の端部21abを、巻回の他方の端部21ABの上方に向かって、斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、下方の巻線に密着して、水平に整列して巻回する。
次に図3(c)に示すように、繰り返し、前記反負荷側において、巻回の一方の端部21abを斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、下方の巻線に密着して、水平に整列して上端まで巻回し、1層目の巻回が終了する。
次に図3(d)に示すように、巻回の一方の端部21abを、前記反負荷側の上端において、1層目の外側の層に乗り上げ水平に1周巻回し、同様に巻回の他方の端部21ABも、前記反負荷側の下端において、1層目の外側の層に乗り上げ水平に1周巻回する。
次に図3(e)に示すように、繰り返し、前記反負荷側において、巻回の一方の端部21abを斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、上方の巻線に密着して、水平に整列して、下端の他方の端部21ABの巻回に至るまで巻回し、2層目の巻回が終了する。
次に図3(f)に示すように、巻回の一方の端部21abを、前記反負荷側の上端において、2層目の外側の層に乗り上げ水平に1周巻回し、同様に巻回の他方の端部21ABも、前記反負荷側の下端において、2層目の外側の層に乗り上げ水平に1周巻回する。
以下図3(g)より(i)に示すように、巻回の一方の端部21abは、前記反負荷側において、巻回のリードのため内側の層の巻線を乗り越して斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、前巻回の巻線に密着して水平に整列して、下端の他方の端部21ABの巻回から上端に至る範囲の巻回を進め、巻回の他方の端部21ABは、前記反負荷側の下端において、外側の層に乗り上げ水平に1周巻回することを繰り返して、設定回数の巻回を終了する。
このような巻回方法によって、絶縁皮膜を持つ丸銅線2本を同時に巻回でき、図5、Aで示した巻回する丸銅線との交差部41dがなく、巻線の一端および他端がコイルの外側に形成され、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、水平に整列して巻回された空芯コイル30を巻回できる。
図4の(a)に示すように、空芯コイル30を加圧用治具のコアピン31に装着し、内周面パンチ32とコアピンを固定した状態で、外周面パンチ33を下方に加圧して、空芯コイルの径方向高さを設定の寸法とする。
次に図4の(b)に示すように、境界面パンチ34を両側より周方向中央に加圧し、図の(c)に示す状態とする。
図4の(d)は、(c)に示した状態の側断面図である。図4(d)に示すように、最後に固定子コイルとして装着した場合の負荷側より、端面パンチ35をコアピン方向に加圧し、この状態を丸銅線の絶縁皮膜が融着する温度に保ち、外形状を成形された空芯コイル30が完成する。
固定子コイルにおいて発生した熱は、負荷側ブラケットを通して放熱されるため、反負荷側からの加圧は行わない。
図5において、前記空芯コイル30は、図13で示した巻回する丸銅線との交差部41dがなく、外部からの加圧に対し絶縁被膜の損傷に対する信頼性が高いので、金型で加圧して外形状を成形することができる。また、巻線の一端および他端がコイルの外側に形成され、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、水平に整列して巻回されているため、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面の外形状を精密に加圧成形して、絶縁体を介して負荷側ブラケットと密着させ、固定子コイルにおいて発生した熱を、負荷側ブラケットを通して効果的に放熱し、冷却効果を向上させることができる。
図6において、固定子は、絶縁皮膜を持つ丸銅線を巻回したのち、金型で加圧して外形状を成形した空芯コイルを、固定子鉄心61のティース部61aに装着して固定子コイル62とし、円筒形に接合して構成し、固定子コイル近傍をモールド樹脂63でモールドしている。
前記空芯コイルは、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、コイルの外側は巻線の層の段差がない概ね平坦に巻回されている。図示しない負荷側コイルエンドの端面も同様に巻線の層の段差がない概ね平坦となり、そのため、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面の3面で、絶縁体であるモールド樹脂を介して、前記負荷側ブラケットの凹部6aと嵌合密着し、固定子コイル62において発生した熱は、負荷側ブラケットを通して効果的に放熱され、冷却効果が向上する。
一般的に、固定子鉄心のティース部に装着する固定子コイルの装着スペースは扇形の場合が多く、コイルの外側に巻線の層の段差がなく、コイルの内側にも巻線の層の段差がない空芯コイルを、金型で加圧して外形状を成形する場合に比べ、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、予め固定子コイルの装着スペースに外形状を近づけた空芯コイルを、金型で加圧して外形状を成形する方が、空芯コイルに与える変形を軽減できる。
従来の回転電機では、巻線の層の段差をコイルの外側に有する固定子コイルが一般的であるが、負荷側コイルエンドの端面等より、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させ、固定子コイルにおいて発生した熱を、負荷側ブラケットを通して効果的に放熱し、冷却効果を向上し、固定子コイルの許容温度に対してより大きな通電を可能として、定格出力を格段に向上する回転電機では、コイルの外側が平坦であることが重要であり、コイルの内側に巻線の層の段差を有することは問題とならない。
図7の(a)に示すように、前記丸銅線71を、巻回部に段差があり、後に説明する複数に分割された巻回用治具72の下方に、固定子コイルとして装着した場合の負荷側となる方向より、水平に整列して巻回する。
次に前記反負荷側において、巻回の一方の端部71abを、巻回の他方の端部71ABの上方に向かって、斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、下方の巻線に密着して、水平に整列して巻回する。
次に図7の(b)に示すように、繰り返し、前記反負荷側において、巻回の一方の端部71abを斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、下方の巻線に密着して、水平に整列して上端まで巻回し、1層目の巻回が終了する。
次に図7の(c)に示すように、巻回の他方の端部71ABを、前記反負荷側の下端において、1層目の巻線の谷間に乗り上げ、水平に1周巻回する。同様に、巻回の一方の端部71abを、前記反負荷側の上端において、1層目の巻線の谷間に乗り上げ、水平に1周巻回し、繰り返し、前記反負荷側において斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、上方の巻線に密着して、水平に整列して、下端の他方の端部71ABの巻回に至るまで巻回し、2層目の巻回が終了する。
以下図7の(d)より(h)に示すように、巻回の一方の端部71abは、前記反負荷側において、内側の層の巻線の谷間に乗り上げ、巻回のリードのため斜めに巻回し、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、前巻回の巻線に密着して、水平に整列して下端の他方の端部71ABの巻回から上端に至る範囲の巻回を進め、巻回の他方の端部71ABは、前記反負荷側の下端において、内側の層の巻線の谷間に乗り上げ、水平に1周巻回することを繰り返して、設定回数の巻回を終了する。
このような巻回方法によって、巻回部に段差があり、複数に分割された巻回用治具に、絶縁皮膜を持つ丸銅線2本を同時に巻回でき、図5、Aで示した巻回する丸銅線との交差部41dがなく、巻線の一端および他端がコイルの外側に形成され、前記負荷側を含む前記反負荷側以外の部分において、水平に整列して巻回されたコイルを巻回できる。
本実施例の巻回方法においては、外側の層の巻線は内側の層の巻線の谷間に巻回したが、実施例1の巻回方法と同様に、外側の層の巻線を内側の層の巻線の真上に巻回しても良い。
図8の(a)は、加圧用治具による加圧前の状態を示し、(b)は、加圧後の状態を示している。図8において、巻回部に段差があり、後に説明する複数に分割された加圧用治具のコアピン74に、巻回用治具より取り外した空芯コイル73と、内周面パンチ75と、外周面パンチ76とを装着する。以下、内周面パンチ75とコアピン74を固定した状態で、外周面パンチ76、境界面パンチ77と図示しない端面パンチを用い加圧する手順は、実施例1と同様である。
図9の(a)は、固定子コイルとして装着した場合の負荷側となる方向より見た断面図である。巻回用治具の巻回部80に段差があり、巻回された空芯コイルを取り外すためには、治具を分割する必要がある。
図9の(b)は、固定子コイルとして装着した場合の外周側となる方向より見た巻回用治具の巻回部の断面図である。
図9において、巻回用治具の巻回部は、2つの第1のスライドコア81と、2つの第2のスライドコア82と、固定コア83の、5つの部品より構成されている。破線はコイルの内側の最小形状を表す。
図9の(c)と(d)は、前記5つの部品を、順次コイルの内側の最小形状より取り外す手順を示す。
図9において、先ず固定コアを取り外し、次に第2のスライドコアをコイルの内側にスライドさせ取り外す。最後に第1のスライドコアを内側にスライドさせ取り外す。
つまり、4つの角からコイルの内側に向けて、コアを対角線方向にスライドさせ、取り外すのである。
このように、前記空芯コイルは、複数に分割された巻回用治具に巻線を巻回し、接着した後、前記治具を内側に移動させて取り外すため、コイルの内側に巻線の層の段差を有する空芯コイルを製造することができる。
その場合、丸銅線に比べ、巻回のみでコイルの外側をより平坦に形成し易く、金型で加圧して外形状を成形する場合、空芯コイルに与える変形を軽減でき、あるいは、金型で加圧して外形状を成形する工程を省くことができる。
また、本発明が特許文献2と異なる部分は、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、コイルの外側は巻線の層の段差がない概ね平坦に巻回されている部分である。また、巻線の一端および他端がコイルの外側に形成する目的が、巻線占積率向上ではなく、負荷側コイルエンドと負荷側ブラケットの凹部との密着である部分である。
また、本発明が特許文献3と異なる部分は、有芯コイルでなく、コイルの内側に巻線の層の段差を有する空芯コイルを製造可能とした部分である。
2 回転軸
3 回転子
4 固定子
5 フレーム
6 負荷側ブラケット
6a 負荷側ブラケットの凹部
7 反負荷側ブラケット
8 負荷側軸受
9 反負荷側軸受
10 エンコーダ部
11 固定子鉄心
12 固定子コイル
12a 負荷側コイルエンド
12aa 負荷側コイルエンドの内周面
12ab 負荷側コイルエンドの外周面
12ac 負荷側コイルエンドの端面
12b 反負荷側コイルエンド
12c 巻線の一端
12d 巻線の他端
13 結線部
Claims (5)
- 回転軸を有する回転子と、空芯コイルを固定子鉄心のティース部に装着して固定子コイルとし、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させる固定子とを備えた回転電機において、
前記空芯コイルは、絶縁皮膜を有する巻線の一端および他端がコイルの外側に形成され、かつ前記絶縁被膜が融着し、前記負荷側ブラケットの凹部に対応する外形状となるように加圧成形されていることを特徴とする回転電機。 - 前記空芯コイルは、コイルの内側に巻線の層の段差を有し、コイルの外側は巻線の層の段差がない平坦に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 回転軸を有する回転子と、空芯コイルを固定子鉄心のティース部に装着して固定子コイルとし、負荷側コイルエンドの内周面、外周面および端面等の少なくとも2面以上で、絶縁体を介して、負荷側ブラケットの凹部と密着させる固定子とを備えた回転電機の製造方法において、
前記空芯コイルは、巻回部に段差があり、複数に分割された巻回用治具に巻線を巻回し、接着した後、前記治具を内側に移動させて取り外すことを特徴とする回転電機の製造方法。 - 前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ丸銅線を巻回したのち、金型で加圧して外形状を成形して構成することを特徴とする請求項3に記載の回転電機の製造方法。
- 前記空芯コイルは、絶縁皮膜を持つ、長方形断面の平角銅線または正方形断面の角銅線を巻回して構成することを特徴とする請求項3に記載の回転電機の製造方法。
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