JP2011054438A - 全固体型リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し充放電において耐久性に優れた全固体型リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】全固体型リチウム二次電池20は、基板21上に導電層22が形成されており、この導電層22上に正極24、固体電解質26、負極28が順に積層して形成されている。導電層22には、集電リード23が接続され、負極28には集電リード29が接続されている。この全固体型リチウム二次電池20では、固体電解質26はリン酸リチウム系ガラスで形成されており、負極28はインジウム及びアンチモンの合金により形成されている。負極28は、インジウム及びアンチモンの合金がIn/Sb組成比で1.0以上1.2以下の範囲で形成されている。また、固体電解質26は、全体がリン酸リチウム系ガラスであってもよいし、少なくとも負極28の表面上にリン酸リチウム系ガラスが形成されているものとしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、全固体型リチウム二次電池に関する。
従来、全固体型リチウム二次電池としては、一部を窒化したリン酸リチウム系ガラス(LiPONとも称する)を固体電解質とし、LiCoO2を正極、Li金属を負極にしたものが提案されている(例えば、非特許文献1など)。また、LiPONを固体電解質とし、V25を正極及び負極のいずれかに用いるものが提案されている(例えば、特許文献1など)。また、負極にインジウムを用い、Li2S系ガラス電解質を固体電解質とし、LiCoO2を正極としたものが提案されている(例えば、非特許文献2など)。また、全固体電池において、インジウムやアンチモンなど種々の金属元素を1種以上含む金属(合金)を負極に用いることができると記載されている(例えば、特許文献2など)。また、インジウムやアンチモン、それらを含む合金を電池の集電体(端子)などに利用するもの(例えば、特許文献3,4など)や、全固体電池において、インジウム、もしくは、それを含む合金を電極に添加するもの(例えば、特許文献5など)が提案されている。
特開2002−42863号公報 特開平10−144351号公報 特開平8−203482号公報 特開昭63−143758号公報 特開平8−138725号公報
J.Electrochem.Soc.,147(2000)59 Solid State Ionics,79(1995)288
しかしながら、上述の非特許文献1の電池では、負極にLi金属を用いると、例えばLiCoO2正極と組み合わせた場合、約3.9Vの電池が得られるが、充放電により、Li金属の体積が大きく変化し、特に固体電解質との界面で電気的接触不良となる“絶縁化”が起きる問題点があった。また、上述の特許文献1の電池では、負極としてV25を用いるため、電池の平均放電電圧が約2Vと低い問題があった。また、上述の特許文献2の電池では、インジウムやアンチモンの合金を用いることができると記載されているが、この合金についての具体例はなく、どのような固体電解質との組み合わせが好適であるかなどは明らかではなかった。また、上述の特許文献3〜5では、インジウムやアンチモン、それらを含む合金を電池に用いるものであったが、活物質として用いるものではなかった。その他、負極にインジウム(In)やアンチモン(Sb)、シリコン(Si)などを単独で用いると、充電時のリチウムとの合金化反応により体積が2〜3倍(200〜300%)増加するため、特に、固体電解質を用いる全固体電池において、繰り返しに充放電を行った場合に、それら負極と固体電解質の界面の構造が保てず、耐久性に乏しいという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、繰り返し充放電において耐久性に優れた全固体型リチウム二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、インジウム及びアンチモンの合金を負極活物質とする負極に隣接してリン酸リチウム系ガラスの層が固体電解質に少なくとも形成されているものとすると、繰り返し充放電において耐久性に優れたものとすることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の全固体型リチウム二次電池は、
正極活物質を有する正極と、
インジウム及びアンチモンの合金を負極活物質とする負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し前記負極上にリン酸リチウム系ガラスの層が少なくとも形成されている固体電解質と、
を備えたものである。
本発明の全固体型リチウム二次電池は、繰り返し充放電において耐久性に優れたものとすることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、インジウム及びアンチモンの合金は、リチウムイオンを挿入脱離反応(酸化還元反応)する際の体積変化が小さいため、LiやSi,SnOのように固体電解質との界面構造が保てなくなりにくいためと考えられる。また、インジウム及びアンチモンの合金と組み合わせる固体電解質には制約(選択性)があり、例えば、リン酸リチウム系ガラスの層とより好適な結合状態が生じるためではないかと考えられる。
全固体型リチウム二次電池20の一例を示す模式図。 実施例1のサイクリックボルタモグラム。 実施例1の容量−電位曲線。 実施例2の容量−電位曲線。 比較例1の容量−電位曲線。 比較例2の容量−電位曲線。 比較例3の容量−電位曲線。 比較例4の容量−電位曲線。
本発明の全固体型リチウム二次電池は、正極活物質を有する正極と、インジウム及びアンチモンの合金を負極活物質とする負極と、正極と負極との間に介在し負極上にリン酸リチウム系ガラスの層が少なくとも形成されている固体電解質と、を備えている。
本発明の全固体型リチウム二次電池の正極は、例えば、リチウム金属基準の電位で0.9V以上でリチウムを吸蔵放出(酸化還元)する活物質を用いるのが好ましい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。また、これらの複合酸化物に種々の元素をドープ置換したものとしてもよい。例えば、LiNi0.5Mn1.54、LiCo0.5Mn1.54、LiCoMnO4、LiNi0.8Co0.15Al0.052、LiCo1/3Mn1/3Ni1/32などが挙げられる。この正極の形成方法は、例えば、正極活物質に適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、固体電解質の表面又は集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したのち、必要に応じて焼成するなどのウエットプロセスで形成するものとしてもよい。また、この正極は、パルスレーザー堆積法(PLD)やスパッタリング、化学蒸着堆積法(CVD)、物理蒸発堆積法(PVD)、静電噴霧堆積法(ESD)などの気相プロセスで形成するものとしてもよい。
本発明の全固体型リチウム二次電池の負極は、インジウム及びアンチモンの合金を負極活物質とする。インジウムアンチモン合金は、リチウム金属基準電位が比較的低い0.9Vでリチウムと反応するため、正極との組み合わせによれば、比較的高い電池電圧を確保することができる。また、インジウムアンチモン合金は、リチウムとの反応において、比較的小さな体積変化であるため、例えば固体電解質と離間するなどにより生じる「絶縁状態」となるのを抑制可能であり、耐久性をより高めることができる。この負極は、インジウム及びアンチモンの合金がIn/Sb組成比で0.8以上1.5以下であることが好ましく、1.0以上1.2以下であることがより好ましい。この負極の形成方法は、上述した正極と同様の方法を用いることができる。
い。
本発明の全固体型リチウム二次電池の固体電解質は、正極と負極と接触しており且つ負極上にリン酸リチウム系ガラスの層が少なくとも形成されている。即ち、固体電解質のうち少なくとも負極表面にはリン酸リチウム系ガラスの層が形成されているものとする。リン酸リチウム系ガラスは、負極のインジウムアンチモン合金との間で電池反応を阻害するような不都合な化合物を生成しにくかったり、この合金と界面で剥離しやすいということがより少ないなどのため、好適である。このリン酸リチウム系ガラスは、Li3PO4としてもよいし、他の成分を添加したもの、例えば、Li3PO4−Li2S−SiS2や、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4などとしてもよいし、窒素がドープされていてもよい。窒素がドープされたリン酸リチウム系ガラス(LiPON)とすれば、より電池特性を高めることができる。また、固体電解質は、その全体がリン酸リチウム系ガラスであってもよいし、負極近傍がリン酸リチウム系ガラスでありその他の部分が他の固体電解質である複合固体電解質であるものとしてもよい。この他の固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、硫化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、Li2SiS3、硫化リン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、更に複数を混合して用いてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ホウ酸エステル系ポリマーや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、更に複数を混合して用いてもよい。この固体電解質の形成方法は、例えば、無機固体電解質では、上述した正極の形成と同様の方法を用いることができる。また、有機固体電解質と複合したものとする場合には、負極にリン酸リチウム系ガラスを形成したのちに、正極と負極との間にこの有機固体電解質を配置して圧力を付与する方法で作製することもできる。
本発明の全固体型リチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明の全固体型リチウム二次電池20の一例を示す模式図である。この全固体型リチウム二次電池20は、基板21上に導電層22が形成されており、この導電層22上に正極24、固体電解質26、負極28が順に積層して形成されている。導電層22には、集電リード23が接続され、負極28には集電リード29が接続されている。この全固体型リチウム二次電池20では、固体電解質26はリン酸リチウム系ガラスで形成されており、負極28はインジウム及びアンチモンの合金により形成されている。このような構成の全固体型リチウム二次電池20では、例えば、基板21を石英板としてもよいし、導電層22を白金層としてもよいし、集電リード23,29を金ワイヤーとしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の全固体型リチウム二次電池を具体的に作製した例を説明する。
[実施例1]
全固体型リチウム二次電池は、PLD(パルスレーザー堆積法)を用いて作製した。まず、Ptめっきを施した石英ガラス板(約0.5mm)の上に正極活物質であるLiCoO2の膜を成膜させた。Nd−YAGレーザー(4倍波、エネルギー60mJ、パルス幅10Hz)を用い、基板温度を600℃とし、20Paの酸素雰囲気下にて、LiCoO2の粉体を焼結させたターゲットにレーザーを80分間照射し、ターゲットと50mmの距離で対向して配置したPtめっき石英基板上にLiCoO2の膜を成膜させた。得られたLiCoO2膜の厚さは、約240nmであった。次にそのLiCoO2膜の上に固体電解質としてのLi3PO4ガラスの膜を成膜させた。ArF−エキシマレーザー(エネルギー150mJ、パルス幅5Hz)を用い、室温、0.2Paの酸素雰囲気下にて、Li3PO4の粉体を焼結させたターゲットにレーザーを9時間照射し、ターゲットに対向して配置した上記LiCoO2膜の成膜済みの石英基板上にLi3PO4のガラス状の膜を成膜させた。Li3PO4膜の厚さは、約1.5μmであった。次に、そのLi3PO4膜の上に負極活物質としてのInSb合金膜を成膜させた。Nd−YAGレーザー(4倍波、エネルギー60mJ、パルス幅10Hz)を用い、室温、真空下(10-3Pa以下)にて、InSbの粉体を焼結させたターゲットにレーザーを11分間照射し、ターゲットと50mmの距離で対向して配置した上記石英基板上にInSb合金の膜を成膜させた。得られたInSb合金膜の厚さは、約150nmであった。このようにしてPtめっきした石英基板上に、LiCoO2(正極)、Li3PO4ガラス(電解質)、InSb合金(負極)をこの順に膜として積層して、得られた全固体型リチウム二次電池を実施例1とした。この実施例1の全固体型リチウム二次電池に、AuワイヤとAgペーストを用いて、正極及び負極から各々電気的接触をとった(図1参照)。
(充放電試験)
作製した実施例1の全固体型リチウム二次電池を真空容器に入れ、真空引きを行いながら充放電試験を行った。充放電の手法はサイクリックボルタンメトリーであり、室温にて、1mV/sの電位走査速度にて、2.0Vから3.8Vの間で電位走査を行った。この初回(1サイクル目)の充電容量に対する放電容量の割合から、初回充放電効率を求め、その後、同条件でサイクル試験(100サイクル)を行い、1サイクルあたりの容量維持率を評価した。容量維持率は、前回の放電容量と今回の放電容量との差を前回の放電容量で除算し100を乗算することにより計算した。更に、このサイクル中にて、絶縁頻度(一時的に電気が流せなくなる状態の頻度)を評価した。図2に実施例1のサイクリックボルタモグラムを示し、図3に、実施例1の容量−電位曲線を示す。その結果であるが、実施例1の電池が室温にて作動することが確認でき、初回の充放電効率は80%であった。この値は、後述する比較例1での87%に比べると低い値であるが、十分な特性であると云える。また、1サイクルあたりの容量維持率は99%を超え、サイクル中の絶縁頻度は0%であり、サイクル耐久性に優れることが分かった。
[実施例2]
InSb合金の替わりに、In1.2Sb組成のインジウムアンチモン合金で負極を成膜した以外は実施例1と同様の工程を経て得られた全固体型リチウム二次電池を実施例2とした。In1.2Sb膜の成膜は、In板にSb板を貼り付けたターゲットを用い、Nd−YAGレーザー(4倍波、エネルギー60mJ、パルス幅10Hz)を用いて、室温、真空中(10-3Pa以下)で行った。11分間レーザーを照射し、厚さが約150nmの膜を得た。この実施例2の電池の充放電曲線(容量−電位曲線)を図4に示す。
[比較例1]
InSb合金の替わりに、Li金属を負極として成膜すること以外は、実施例1と同様の工程を経て得られた全固体型リチウム二次電池を比較例1とした。Li膜の成膜は、真空蒸着法(15分)を用いた。この比較例1の電池についても実施例1と同様の評価を行った。充放電試験では、電圧範囲を、3.0Vから4.3Vとした。この電池の充放電曲線(容量−電位曲線)を図5に示す。
[比較例2]
InSb合金の替わりに、Siを負極として成膜すること以外は、実施例1と同様の工程を経て得られた全固体型リチウム二次電池を比較例2とした。Si膜の成膜は、Si単結晶基板をターゲットとし、Nd−YAGレーザー(4倍波、エネルギー60mJ、パルス幅10Hz)を用い、室温、真空中(10-3Pa以下)で行った。40分間レーザーを照射し、厚さが約40nmの膜を得た。この比較例2の電池についても実施例1と同様の評価を行った。充放電試験では、電圧範囲を、2.4Vから3.8Vとした。この電池の初回(1サイクル目)の充放電曲線(容量−電位曲線)を図6に示す。
[比較例3]
InSb合金の替わりに、SnOを負極として成膜すること以外は、実施例1と同様の工程を経て得られた全固体型リチウム二次電池を比較例3とした。SnO膜の成膜は、SnOの圧粉体をターゲットとし、Nd−YAGレーザー(4倍波、エネルギー60mJ、パルス幅10Hz)を用い、室温、1.3Paの酸素雰囲気下で行った。3分間レーザーを照射し、厚さが約30nmの膜を得た。この比較例3の電池についても実施例1と同様の評価を行った。充放電試験では、電圧範囲を、0Vから3.3Vとした。この電池の初回(1サイクル目)の充放電曲線(容量−電位曲線)を図7に示す。
[比較例4]
Li3PO4ガラスの替わりに、リチウムイオン伝導性のホウ酸エステル系ポリマーを固体電解質として用いること以外は、実施例1と同様の工程を経て得られた全固体型リチウム二次電池を比較例4とした。このホウ酸エステル系ポリマーは、室温で、5×10-4S/cmの導電率を示し、0〜4.0V(Li金属基準電位)の電圧範囲で分解せず、安定である。用いたポリマーの厚さは約700μmである。LiCoO2の正極は実施例1と同じ条件でPt板上に成膜し、InSb合金の負極は実施例1と同じ条件でCu板上に成膜した。これら正極、負極を、ポリマーの両面に各々張り合わせ、圧力を加えることで電池を作製した。この電池の初回(1サイクル目)の充放電曲線(容量−電位曲線)を図8に示す。
実施例1〜2,比較例1〜4の測定結果として、電池構成、初回の充放電効率、1サイクルあたりのサイクル容量維持率、サイクル中の絶縁頻度をまとめて表1に示す。この表1により明らかなように、実施例2では、実施例1と同等の性能が得られ、インジウムアンチモン負極のIn/Sb組成比が1.0〜1.2の範囲では少なくとも高い性能が同じく得られることがわかった。比較例1では、初回充放電効率が高く、良好な容量維持率を示したが、10%の頻度で、電池として通電できなくなる“絶縁”が発生した。これは、電池として放電する際に、Li金属負極は、固体電解質と接している部位からLiがイオン化するため、Li金属と固体電解質の界面に隙間が生じ、これがある程度の大きさになった時に、電池として通電できなくなる状態に陥ると考えられる。比較例2,3では、初回の充放電効率が低く、数サイクルで急激に容量が低下した。すなわち、サイクル容量維持率が低かった。そのため、絶縁頻度を評価するまでに至らなかった。この理由は明確ではないが、Siは充放電に伴いLiと合金化すると体積が約3倍以上に膨張することが知られており、そのために、固体電解質との界面構造を保つことができずに、電池として急激に容量が低下したと考えられる。SnOについては、明確な体積変化の報告はないが、同様のことにより界面構造が保てなくなったと考えられる。もしくは、これら負極とLi3PO4との反応により界面に電気化学的に不活性な不動態相を形成した可能性も考えられる。比較例4では、1サイクル目に充電するものの、ほとんど放電しなかった。そのため、サイクル試験が行えず、容量維持率、絶縁頻度を評価するまでに至らなかった。この比較例4のポリマー電解質は、0〜4.0V(Li金属基準電位)の電圧範囲で安定であるため、電位で判断すれば、約0.9V(Li金属基準電位)で充放電するInSb合金は使用できるはずである。そこで、負極を変更して別の評価を行ったところ、LiCoO2は同じポリマー電解質に対して充放電ができることを確認した。負極をInSb合金とした場合(比較例4)に充放電ができなかった理由は明らかではないが、InSb合金とポリマーの界面にて、電気化学的に活性な界面が形成されなかったためではないかと考えられる。これら比較例と比べて、実施例1,2では、絶縁が発生することなく、良好なサイクル特性(容量維持率)を示した。これは、InSb合金がリチウムイオンを挿入脱離反応(酸化還元反応)する際の体積変化が約5.6%と小さいため、LiやSi,SnOのように固体電解質との界面構造が保てなくなることがないためであると考えられる。更に、InSb合金と組み合わせる電解質には制約があり、ホウ酸エステル系ポリマー電解質を用いることができず、Li3PO4系ガラス、または、それを一部窒素化したものが好ましいことがわかった。このように、InSb合金の負極とLi3PO4系ガラス電解質を組み合わせることで、サイクル安定性に優れた全固体型リチウム電池を得ることができた。また、Li金属負極を用いる電池を製造する時のような厳密な水分管理を必要とせず、製造コストを抑制可能と考えられた。
Figure 2011054438
なお、非特許文献(Electrochemical and Solid−State Letters,3(1)13−16(2000))では、InSb合金を単極として電解液中で充放電することができ、リチウムの挿入(合金化)に伴う体積変化が5.6%の増加であると開示されている。しかしながら、InSb合金は、全固体電池の負極に用いられた報告がなく、また、比較例1〜4に示すとおり、組み合わせる固体電解質として適切なものを用いなければ電池として作動しない場合がある。本発明では、リン酸リチウム系ガラス電解質を用いることにより、InSb合金を負極とする全固体二次電池を良好に作動させることができることをはじめて明らかにした。
20 全固体型リチウム二次電池、21 基板、22 導電層、23,29 集電リード、24 正極、26 固体電解質、28 負極。

Claims (3)

  1. 正極活物質を有する正極と、
    インジウム及びアンチモンの合金を負極活物質とする負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し前記負極上にリン酸リチウム系ガラスの層が少なくとも形成されている固体電解質と、
    を備えた全固体型リチウム二次電池。
  2. 前記負極は、前記インジウム及びアンチモンの合金がIn/Sb組成比で1.0以上1.2以下である、請求項1に記載の全固体型リチウム二次電池。
  3. 前記固体電解質は、その全体が前記リン酸リチウム系ガラスにより形成されている、請求項1又は2に記載の全固体型リチウム二次電池。
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