JP2012054000A - 全固体型リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いエネルギー密度および高い安全性を有し、かつ充放電可逆性(サイクル特性)にも優れた全固体型リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】負極材料と、電解質と、正極材料と、を有する全固体型リチウム二次電池であって、電解質は液体を含まずリチウム塩を含む高分子固体電解質であり、負極材料および正極材料のうち少なくとも正極材料中の結着剤にスチレンブタジエンゴム(系の材料)を用いることで、高分子固体電解質を導入する際、高分子固体電解質を溶解する溶剤に起因する不可逆な変形を抑制し、高分子固体電解質の電極材料からの剥離や膨潤を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極材料と、固体電解質と、正極材料とを有し、高い安全性、かつ、充放電可逆性(サイクル特性)にも優れた全固体型リチウム二次電池に関する。
近年、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池は小型携帯端末に広く普及している。しかし、電解質に用いられている有機電解液は可燃性を有することから、種々の安全対策が必要であり、大型電池開発等のネックとなっている。
電池の安全性を担保しながら電池の大型化を達成するためには、高いエネルギー密度を有する活物質を用い、かつ、より安全な電解質と組み合わせてやることが重要である。
高い安全性を有する電解質としては、結晶質やガラス質の無機系材料からなる無機電解質、揮発性溶媒を含まない高分子系材料からなる高分子電解質や、食塩のようなイオンのみからなり、かつ、室温で液体状態を示すイオン液体電解質等が有望である。
しかしながらこのうち無機電解質は、その特性の指標となるイオン導電性は高いものの、電解質が結晶質あるいはガラス質からなり、充放電時の正負極活物質による体積変化の緩和が難しいため、大型電池用途としては今のところ適していない。また、イオン液体電解質は材料が高価であることに加え、熱安定性の指標のひとつである正極/電解質共存における熱暴走等の発熱開始温度が従来の有機電解液系と同等程度となる場合があり、必ずしも高い安全性を有するとは限らないため、今のところ適していない。
一方、負極材料、正極材料と、高分子固体電解質を組み合わせれば、高い安全性を有しながら電池の大型化が可能となると考えられており、そのため高分子固体電解質電池について種々の研究が行われている。しかしながらこれまで研究が行われた(負極材料、)正極材料と高分子固体電解質との組み合わせについては充放電の繰り返し特性(サイクル特性)が十分でないという問題があった。
これまでの正極材料と高分子固体電解質とを組み合わせた電池のサイクル特性が良好でない原因のひとつには、正極が4Vという高電圧条件下では隣接するポリエーテル系高分子固体電解質の酸化分解の起こることがSolid State Ionics, Vol.9&10, P749 (1983)に指摘
されている。
これを解決する手法として、例えば特開平08−222235号の「固体型電池」では、4Vという高電圧環境下で分解反応を起こさない(4Vを上回る電位窓を有する)エステル系高分子固体電解質を正極側に設置することが提案されている。しかしながら、異なる2種類の高分子固体電解質を正極、負極側に介在させ、長期間の運転を行ってもそれぞれが拡散しても他方の電極にまで到達しない条件を得るには、高分子固体電解質に十分な厚さを確保することが不可避となり、電池のエネルギー密度低下を招くことから好ましい方法ではなかった。
一方、別の解決手法として、例えば特開2001−332260号の「固体ポリマー型リチウム二次電池とその製造方法」では、4Vという高電圧条件を避けて、上限電圧3.5Vとなる正極材料(LixMn3-xO4+δ:1.0≦x≦4/3)の適用が提案されている。しかしながら、提案された正極材料の平均放電電圧は2.8 V、可逆容量は140 mAh/g、両者の積である可逆エネルギー容量は約390 mWh/gであり、4V以上の高電圧条件で運転される正極材料(例え
ばLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2では550 mWh/g)と比べて低く、電池のエネルギー密度が低下することから好ましい方法ではなかった。
また、これまでの正極材料と高分子固体電解質とを組み合わせた電池のサイクル特性が良好でない他の原因としては、電極活物質粉末を集電体に密着させる役割を担う結着剤の性能が不十分であると考えられている。
電極活物質粉末を集電体に密着させるためには、電力中央研究所研究報告、Q0801
2で開示されるように電極中に高分子固体電解質を予め導入して結着剤として用いること、あるいは電力中央研究所研究報告、Q09001で開示されるようにポリフッ化ビニリ
デン系結着剤を電極中に導入することが提案されている。しかしながら、上記の手法では充放電サイクル運転に伴う容量低下が大きいという問題があった。
この問題の解決手法として、例えば特開2010−103065号の「非水電解質リチウム二次電池」では、従来のポリフッ化ビニリデン系結着剤に代わり、スチレンブタジエンゴム系材料を用いることにより炭素系負極のサイクル特性が改善すると提案されている。しかしながら、提案された電極は負極側であり、正極への適用には言及されていなかった。
なお、ゴム系材料のうちスチレンブタジエン共重合体を電極中の結着剤として適用すること自体は、特開平07−37619号の「非水二次電池」で開示されている。ここで、適用可能な電解質種のひとつにポリエチレンオキサイド系有機固体電解質が列挙されている。しかしながら、同じ非水二次電池の範疇であっても電解質が有機電解液である場合と高分子固体電解質である場合では、後述するように同等の傾向が得られないことがあり、有機電解液を用いる非水二次電池と高分子固体電解質を用いる全固体型リチウム二次電池とを同じ電池として扱うことは不適当である。
また、特開2006−107958号の「電極組成物、電極および電池」中の[0005]では、スチレンブタジエンゴム系結着剤が4.0Vを越える電圧で分解することが開示されている。なお、ここで開示されている電解質は[0050]に記載されているように電解液であり、高分子固体電解質との組み合わせについては言及されていなかった。
さらに同様に、特開2006−269386号の「リチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物、およびその利用」中の[0005]でも、ジエン系ゴムは耐酸化性が低いため、これをバインダー(結着剤)に用いて正極を製造すると、得られるリチウムイオン二次電池を高電圧で用いた場合には電池性能が低下することが開示されている。そのためこれを解決すべく、新たにα、β-不飽和ニトリル化合物由来成分とアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステル由来成分を有する化合物を用いることで4.0V以上の電位まで充電され得る正極材料への適用が開示されている。しかしながら、ここで開示されている電解質は請求項6に記載されているように電解液であり、高分子固体電解質との組み合わ
せについては言及されていなかった。
さらに、特開2000−285924号の「リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、そのスラリーならびに電極および電池」中の[0005]では、スチレンブタジエン共重合体を結着剤に用いると60℃での充放電サイクル特性が大幅に低下することが指摘されている。
特開平08-222235号公報 特開2001−332260号公報 特開2010−103065号公報 特開平07−37619号公報 特開2006−107958号公報 特開2006−269386号公報 特開2000−285924号公報
Solid State Ionics, Vol.9&10, P749 (1983) 電力中央研究所研究報告、Q08012(2009) 電力中央研究所研究報告、Q09001(2010)
上述のように、4V以上の運転上限電圧を有する正極材料と高分子固体電解質との組み合わせた二次電池については充放電の繰り返し特性(サイクル特性)が十分でなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その主な目的は、4V以上の運転上限電圧を有する正極材料と高分子固体電解質とを組み合わせた際に、サイクル特性に優れ、かつ、高い安全性を有する全固体型リチウム二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、負極材料と、電解質と、正極材料と、を有する全固体型リチウム二次電池であって、電解質は液体を含まずリチウム塩を含む高分子固体電解質であり、負極材料および正極材料のうち少なくとも正極材料中の結着剤にゴムスチレンブタジエンゴム(系の材料)を用いることで、高分子固体電解質を導入する際、高分子固体電解質を溶解する溶剤に起因する不可逆な変形を抑制し、高分子固体電解質の電極材料からの剥離や膨潤を防止する、ことを特徴とする。
ここで、前記正極材料は、正極活物質と導電材、結着剤との混合物からなり、運転電圧4V(vs. Li/Li+)以上とする。
また、電極材料と導電材、結着剤との混合物を、水を分散溶媒として金属箔に塗布して乾燥させたのち、高分子固体電解質を導入したものである、ことが好ましい。
また、前記結着材の割合は、活物質と導電剤と結着材の総重量に対し0.5%〜5%とする、ことを特徴とする。
またこの全固体型リチウム二次電池は、30℃以上で充放電される、ことを特徴とする。
また、前記正極活物質は、LiMO2(Mは単一または2種以上の遷移金属からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい)、LiM2O4(Mは単一または2種以上の遷移金属からなり
、その一部に非遷移金属を含んでもよい)、Li2MO3(Mは単一または2種以上の遷移金属
からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい)、LiMBO4(BはP、Si、またはその混合物、Mは単一または2種以上の遷移金属からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい
)のいずれかの組成またはこれらの混合物からなる、ことを特徴とする。
また、前記高分子固体電解質は、非プロトン性材料であり、ポリエーテル構造を有し、リチウム塩を溶解する能力を有し、かつ、少なくとも電池運転温度範囲では固体状態を呈
する、ことを特徴とする。
また、前記リチウム塩は、少なくとも、LiBF4又はLiPF6のいずれかと、LiFSI, LiTFSI
、LiBETI又はLiBOBのいずれかとの2種以上の混合塩である、ことを特徴とする。
ここで、前記リチウム塩は、電池を構成した直後において正極近傍では高分子固体電解質中でLiBF4、あるいはLiPF6の割合が高く、負極近傍では高分子固体電解質中でLiFSI, LiTFSI, LiBETI又はLiBOBの割合の高い傾斜組成である、ことを特徴とする。
また、前記負極材料は、金属リチウム、または、活物質と導電材と結着剤との混合物からなり、その活物質は、カーボン、シリコン系化合物、スズ系化合物、アルミニウム系化合物のうちの一種、あるいはこれらの2種以上の混合物からなる、ことを特徴とする。
本発明によれば、リチウムイオンを挿入・脱離、あるいは可逆的に合金化可能な正負極電極材料と、可燃性の揮発性材料(揮発性溶媒)を含まない高分子固体電解質とを組み合わせることで、より安全性を高め、かつ、充放電可逆性(サイクル特性)を改善した全固体型リチウム二次電池を提供することができる。また、正負極材料のうち少なくとも正極材料の結着材にスチレンブタジエンゴム(系の材料)を用い、有機溶媒を用いずに水を分散溶媒としてやれば、電池製造時の環境負荷を低減させ、低コストな電池を製造することができる。
本発明の全固体型リチウム二次電池の実施形態の一例を概念的に示した図である。 正極結着剤にポリフッ化ビニリデン、あるいはスチレンブタジエンゴムを用い、電解質に有機溶媒を用いて充放電試験を行った際の、充放電サイクルにともなう放電容量の推移を示した図である。 正極結着剤にポリフッ化ビニリデン、あるいはスチレンブタジエンゴムを用い、電解質に高分子固体電解質を用いて充放電試験を行った際の、充放電サイクルにともなう放電容量の推移を示した図である。 正極結着剤にスチレンブタジエンゴムを用い、電解質に高分子固体電解質を用いて充放電試験を行った際の、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムの割合を一定とし、スチレンブタジエンゴムの添加量を変えたときの充放電サイクルにともなう放電容量の推移を示した図である。 正極結着剤にスチレンブタジエンゴムを用い、電解質に高分子固体電解質を用いて充放電試験を行った際の、カルボキシメチルセルロースの添加量を一定とし、スチレンブタジエンゴムの割合を変えたときの充放電サイクルにともなう放電容量の推移を示した図である。 正極結着剤にスチレンブタジエンゴムを用い、電解質に高分子固体電解質を用いて充放電試験を行った際の、高分子固体電解質シートに導入するリチウム塩種をかえたときの充放電サイクルにともなう放電容量の推移を示した図である。
本願発明者は、正極材料と負極材料のうち少なくとも正極材料の結着材にゴム系の材料を採用し、また場合により有機溶媒を用いずに水を分散溶媒とし、適切な組成の高分子を電解質として用いることで、環境負荷が低く、簡便な作製プロセスで、高い安全性を兼備し、全固体型リチウム二次電池の充放電の繰り返し運転に伴う容量劣化を低減できることを発見し本発明に至った。
すなわち本発明は、正極材料と負極材料との間に高分子電解質材料を介在させ、負極材料に炭素系材料などを用いることで高エネルギー密度化を実現し、かつ、正負極材料のうち少なくとも正極材料の結着剤にゴム系の材料を用いることにより充放電繰り返し特性の改善を図り、さらに場合により電池材料(電解質)中に揮発性材料を一切含まないことにより電池の発火等の危険性を抑止することを図った全固体型リチウム二次電池を提供するものである。
図1に、本発明の全固体型リチウム二次電池の実施形態の一例を概念的に示した。
この全固体型リチウム二次電池8は、正極材1と負極材4との間に、電解質としての高分子固体電解質3を介在させたものである。
正極材は、例えば電極材料基板としての正極金属基板2と、正極金属基板上に正極活物質、および電解質層と良好なイオンの授受を行い、かつ、正極活物質を金属基板に固定するための結着剤7と、導電材6より構成されている。
正極金属基板2には、例えばアルミニウムが用いられるが、これに限るものではなく、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン等であってもよい。
本発明で使用される正極活物質粒子は、AMO2、AM2O4、A2MO3、AMBO4のいずれかの組成
からなるアルカリ金属含有複合酸化物粉末である。ここで式中のAは、アルカリ金属であ
り、好ましくはLiを用いる。Mは主として遷移金属からなり、Co、Mn、Ni、Cr、Fe、Tiの少なくとも一種を含んでいる。Mは遷移金属からなるが、遷移金属以外にもAl
、Ga、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどが添加されていてもよい。B
はP, Siの少なくとも1種を含んでいる。なお正極活物質粒子の粒径には、好ましくは5
0ミクロン以下、より好ましくは20ミクロン以下のものを用いる。これらの活物質は、充電電圧4V(vs. Li/Li+)以上で運転されるものである。
正極材料粉末の好ましい具体例としては、LixCoO2, LixMnO2,LixNiO2, LixCrO2, LixFeO2, LixCoaMn1-aO2, LixCoaNi1-aO2, LixCoaCr1-aO2, LixCoaFe1-aO2, LixCoaTi1-aO2, LixMnaNi1-aO2, LixMnaCr1-aO2, LixMnaFe1-aO2, LixMnaTi1-aO2, LixNiaCr1-aO2, LixNiaFe1-aO2, LixNiaTi1-aO2, LixCraFe1-aO2, LixCraTi1-aO2, LixFeaTi1-aO2, LixCobMncNi1-b-cO2, LixCrbMncNi1-b-cO2, LixFebMncNi1-b-cO2, LixTibMncNi1-b-cO2, LixMn2O4, LixMndCo2-dO4, LixMndNi2-dO4, LixMndCr2-dO4, LixMndFe2-dO4, LixMndTi2-dO4, LiyMnO3, LiyMneCo1-eO3, LiyMneNi1-eO3, LiyMneFe1-eO3, LiyMneTi1-eO3, LixCoPO4, LixMnPO4, LixNiPO4, LixFePO4, LixCofMn1-fPO4, LixCofNi1-fPO4, LixCofFe1-fPO4, LixMnfNi1-fPO4, LixMnfFe1-fPO4, LixNifFe1-fPO4,LiyCoSiO4, LiyMnSiO4, LiyNiSiO4, LiyFeSiO4, LiyCogMn1-gSiO4, LiyCogNi1-gSiO4, LiyCogFe1-gSiO4, LiyMngNi1-gSiO4, LiyMngFe1-gSiO4, LiyNigFe1-gSiO4, LiyCoPhSi1-hO4, LiyMnPhSi1-hO4, LiyNiPhSi1-hO4, LiyFePhSi1-hO4, LiyCogMn1-gPhSi1-hO4, LiyCogNi1-gPhSi1-hO4, LiyCogFe1-gPhSi1-hO4, LiyMngNi1-gPhSi1-hO4, LiyMngFe1-gPhSi1-hO4, LiyNigFe1-gPhSi1-hO4などのリチウム含有複合酸化物をあげることができる。(ここで、x=0.01〜1.2, y=0.01〜2.2, a=0.01〜0.99, b=0.01〜0.98, c=0.01〜0.98ただし、b+c=0.02〜0.99, d=1.49〜1.99, e=0.01〜0.99, f=0.01〜0.99, g=0.01〜0.99, h=0.01〜0.99である。)
また、前記好ましいリチウム含有複合酸化物粉末のうち、より好ましいリチウム含有複合酸化物粉末としては、具体的には、LixCoO2, LixNiO2, LixMnO2, LixCrO2, LixCoaNi1-aO2, LixMnaNi1-aO2, LixCobMncNi1-b-cO2, LixMn2O4, LiyMnO3, LiyMneFe1-eO3, LiyMneTi1-eO3, LixCoPO4, LixMnPO4, LixNiPO4, LixFePO4, LixMnfFe1-fPO4, をあげることが
できる。(ここで、x=0.01〜1.2, y=0.01〜2.2, a=0.01〜0.99, b=0.01〜0.98, c=0.01〜0.98ただし、b+c=0.02〜0.99, d=1.49〜1.99, e=0.01〜0.99, f=0.01〜0.99である。なお、上記のx, yの値は充放電によって増減する。)
負極材は、例えば電極材料基板としての負極金属基板5と、金属電極基板上に負極活物質、および電解質層と良好なイオンの授受を行い、かつ、負極活物質を金属基板に固定するためのバインダより構成されている。
金属電極基板には、例えば銅が用いられるが、これに限るものではなく、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン等であってもよい。
使用される負極活物質はリチウム、アルミニウム、スズ、シリコン等のリチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを吸蔵・放出可能な金属(粒子、薄膜、板状等形状は問わない)か、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを吸蔵・放出可能な構造(多孔質構造)を有する炭素材料(天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等)からなる粉末粒子である。粉末粒子径は10nm以上100μm以下、より好ましくは20nm以上20μm以下であることが望ましい。また、金属と炭素材料との混合活物質として用いてもよい。
正極活物質や負極活物質の金属電極基板への形成は、ドクターブレード法やシルクスクリーン法などにより行われる。
電極材料と導電材、結着剤との混合物を、水を分散溶媒として金属箔に塗布して乾燥させたのち、高分子固体電解質を導入するために、例えばドクターブレード法では、正極活物質粒子や負極活物質粒子等を、増粘剤として導入するカルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液に分散してスラリー状にし、金属電極基板に塗布した後、所定のスリット幅を有するブレードにより適切な厚さに均一化する。電極は塗布後、余分な水分を除去するため、例えば100℃真空状態で乾燥する。乾燥後の電極はプレス装置によってプレス成型することで電極材が製造される。
または、エーテル構造と架橋基を有する高分子電解質(分子量10万以上)にリチウム塩を混合し、アセトニトリルで希釈して溶液状態とし、これを正極金属基盤上に滴下し、含浸の後85℃真空状態で乾燥させることにより、正極金属基盤上に高分子電解質が一体化された正極/電解質シートを得ることができる。
なお、負極材または正極材のみの特性を評価する際には、対極にリチウムシートを用いることで、電極材の可逆性を評価できる。また、正極材と負極材の組み合わせ評価の場合には、リチウムシートを用いず、正極材料と負極材料との組み合わせが用いられる。
本発明では、電解質として揮発性成分を有しない非水電解質である高分子電解質を用いた。高分子電解質には、正極と負極とを仕切る充分な機械的強度を有するものが用いられ、他の多孔質セパレータ等を必要としない。
電解質として用いられる高分子材料は、高分子材料自体にリチウムイオン導電性を有する構造を有し、電池運転温度範囲内で固体状態を維持可能な材料が好ましい。具体的な高分子固体電解質には、非プロトン性材料であり、ポリエーテル構造を有し、リチウム塩(LiBF4, LiPF6, LiFSI, LiTFSI、LiBETI、LiBOBのうち2種以上の混合塩)を溶解する能力を有し、かつ、少なくとも室温では固体状態を呈するものが用いられる。
より具体的には、ポリオキシエチレン、ポリシロキサン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンのいずれか、あるいはこれらの2種以上の混合物が挙げられるが、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば特に構造を限定するものではない。
ここで前記リチウム塩は、電池を構成した直後において正極近傍では高分子固体電解質
中でLiBF4、あるいはLiPF6の割合が高く、負極近傍では高分子固体電解質中でLiFSI, LiTFSI, LiBETI, LiBOBの割合の高い傾斜組成とすることが好ましい。このような傾斜組成とすることで、正極近傍ではLiBF4、あるいはLiPF6からの反応生成物により安定な界面を形成し、負極近傍ではLiFSI, LiTFSI, LiBETI, LiBOBからの反応生成物により安定な界面を形成することにより、過その後の充放電サイクル試験における界面インピーダンス増加を抑制することができる。
以下に例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は発明の主旨を越えない限り以下に記載する実施例に限定されるものではない。
実験例1
本実験例では、負極材料と、非水電解液と、正極材料とからなる非水電解液型のリチウム二次電池において、正極電極の作製法と繰り返し運転時の可逆容量の維持割合を比較するために以下の実験を行った。
[実施例1]
正極活物質には、平均粒径10μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)を用いた
。この正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合加えた。さらに結着材としてスチレンブタジエンゴムを電極総重量に対し1重量%、カルボキシメチルセル
ロースを電極総量に対し2重量%添加し、水を溶媒として自転公転併用型攪拌器を用いて1時間攪拌したのち、アルミ集電体(正極金属基板)上に50μmギャップのバーコーターを
用いて塗布し、100℃真空状態で12h以上溶媒を乾繰後、ロールプレスし、これを16mmφに打ち抜いて正極シートとした。
これに、非水電解液として、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DMC)の体積比1対1混合液に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/kg濃度溶解させたものを用い、多孔質セパレータを介して対極に金属リチウムを配置し、2032型コイン電池(直径20mm、高さ3.2mm)に封入して試験電池を組み立てた。
電気化学特性は北斗電工製の充放電装置(HJ1010mSM8)を用い、5時間で所定の充電、および放電が行える試験条件(C/5)にて4.2 V上限、2.7 Vを下限とし、一定電流通電により可逆性を評価した。試験温度は25℃環境とした。
[比較例1]
上記[実施例1]のうち、結着材としてスチレンブタジエンゴム、およびカルボキシメチルセルロースの代わりにポリフッ化ビニリデンを用い、溶媒に水の代わりにnメチルピ
ロリドンを用いた以外は上記[実施例1]と同様の組成、手法にて試験電池を組み立て、
同様の条件で試験を行った。
[実験結果]
充放電繰り返し運転に伴う放電容量のサイクル依存性を図2に示す。スチレンブタジエンゴムを結着剤に用いた[実施例1]のサイクル特性はポリフッ化ビニリデンを結着剤に用いた[比較例1]のサイクル特性より悪く、例えば[実施例1]では約400サイクルで初期容
量の6割に達したのに対し、[比較例1]では約1300サイクルで初期容量の6割に達する結果が得られた。
すなわち、非水電解液を用いた場合には、結着剤にはポリフッ化ビニリデンを用いたほうがスチレンブタジエンゴムを用いるより望ましいといえる。このことは、特開2006−107958号で開示されているスチレンブタジエンゴム系結着剤が4.0Vを越える電圧での分解、さらに特開2006−269386号で開示されている、ジエン系ゴムの耐酸化性の低さによる電池性能の低下をよく反映するものである。
実験例2
[実施例2]
次に、[実施例1]と同じ工程でスチレンブタジエンゴムを結着剤として正極シートを作
製したものに、以下の処理を施した。
すなわち、エーテル構造を有する高分子電解質(分子量100万以上)にLiBF4塩をエーテル基の酸素[O]に対し、Li濃度[Li]を[O]/[Li]=16/1のモル比になるよう混合し、アセトニトリルで希釈し、溶質10重量%の溶液とした。これをアルゴンガス置換されたグローブボックス内で正極シート上に100μl滴下し、含浸の後85℃真空状態で12h以上溶媒を乾燥
させ、正極シート上に高分子電解質が一体化された正極/電解質シートを得た。これにLiBF4塩をエーテル基の酸素[O]に対し、Li濃度[Li]を[O]/[Li]=16/1のモル比になるよう
混合した高分子電解質シートを介して対極の金属リチウムを設置し、2032型コイン電池(直径20mm、高さ3.2mm)に封入して試験電池を組み立てた。
電気化学特性は北斗電工製の充放電装置(HJ1010mSM8)を用い、8時間で所定の充電、お
よび放電が行える試験条件(C/8)にて4.2V上限、2.7 Vを下限とし、一定電流通電により可逆性を評価した。試験温度は60℃環境とした。
[比較例2]
上記[実施例2]のうち、正極活物質に、結着材としてスチレンブタジエンゴム、およびカルボキシメチルセルロースの代わりにポリフッ化ビニリデンを用い、溶媒に水の代わりにnメチルピロリドンを用いた以外は上記[実施例2]と同様の組成、手法にて試験電
池を組み立て、同様の条件で試験を行った。
[実験結果]
充放電繰り返し運転に伴う放電容量のサイクル依存性を図3に示す。スチレンブタジエ
ンゴムを結着剤に用いた[実施例2]のサイクル特性はポリフッ化ビニリデンを結着剤に用いた[比較例2]のサイクル特性より良好であり、例えば[実施例1]では約200サイクル
で初期容量の8割を維持していたのに対し、[比較例1]では約20サイクルで初期容量の8割
に達する結果が得られた。
すなわち、電解質に高分子固体電解質を用いた場合には、非水電解液を用いた場合と逆に、結着剤にはスチレンブタジエンゴムを用いたほうがポリフッ化ビニリデンを用いるより望ましいといえる。
[実施例1]、[比較例1]と、[実施例2]、[比較例2]の差異は、用いる電解質種の違いによることは明らかである。これまで数々の公開特許公報において、非水電解質は表記のとおり、水でない電解質全てを包含しており、非水電解液を用いて得られた結果から高分子固体電解質を用いた結果も容易に類推されると主張されてきた。
しかしながら本実験結果は、非水電解液を用いた場合に適した結着剤と高分子固体電解質を用いた場合に適した結着剤は異なることを示すものであり、非水電解液を用いて得られた結果から高分子固体電解質を用いた結果が必ずしも類推できないことを示すものである。
言い換えれば、非水電解液を用いた電池と高分子固体電解質を用いた電池は、本来異なる電池系として扱うべきであることを示唆するものである。
[実施例2]と[比較例2]の特性差の要因のひとつには、電極上に滴下する高分子固体電解質の溶剤と結着剤との親和性の違いがある。すなわち、溶剤に用いられアセトニトリルはポリフッ化ビニリデンと親和性があり、10%程度の体積膨張がある。一方、アセトニトリルとスチレンブタジエンゴムの親和性はポリフッ化ビニリデンより低いため膨潤しない。そのため、高分子固体電解質のアセトニトリル溶液をポリフッ化ビニリデン結着剤に用いた場合には結着力が低下し、その後の充放電繰り返し特性が低くなった。
一方、スチレンブタジエンゴムを結着剤に用いた場合には、滴下、乾燥時に結着力が維持され、ここに浸潤する高分子固体電解質によりイオン伝導経路が確保できるまでの間、
「仮止め剤」として機能するため、その後の充放電繰り返し特性が高く維持できた。
実験例3
[実施例3−1]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を2対1を維持した組成の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=90.6/6.4/2/1の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実施例3−2]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を2対1を維持した組成の別の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=92/6.5/1/0.5の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[比較例3]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を2対1を維持した組成の比較例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=65.4/4.6/20/10の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実験結果]
充放電繰り返し運転に伴う放電容量のサイクル依存性を図4に示す。[実施例3−1]、あるいは[実施例3−2]では初期容量100mAh/g以上の放電容量が得られたが、[比較例3]では放電容量が2以下とほとんど充放電できなかった。[比較例3]では電極中におけ
る結着剤、増粘剤の割合が3割以上と高すぎたため良好な充放電が行えなかった結果を反映するものである。なお、結着剤割合が電極総重量の0.5%を下回る場合には、十分な結着能力がえられないため電極作製が困難となることから適切ではない。一方、結着剤割合が電極総重量の5%を上回る場合には、電池の基本性能に影響がでることが考えられるため好ましくない。
実験例4
[実施例4−1]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を変化させた組成の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=91.5/6.5/1/1の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実施例4−2]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を変化させた組成の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=91.1/6.4/1/1.5の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実施例4−3]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を変化させた組成の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=86.9/6.1/1.9/5の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[比較例4]
正極活物質に導電材を活物質重量85重量部に対し6 重量部の割合を維持し、スチレンブ
タジエンゴムとカルボキシメチルセルロースの割合を変化させた組成の実施例として、正極活物質/導電剤/CMC/SBR=82.4/5.8/1.9/10の割合で混合する以外は、実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実験結果]
充放電繰り返し運転に伴う放電容量のサイクル依存性を図5に示す。[実施例4−1]、[実施例4−2]あるいは[実施例4−3]では初期容量100mAh/g以上の放電容量が得ら
れたが、[比較例4]では放電容量が80mAh/g以下と良好な特性が得られなかった。[比
較例4]では電極中における結着剤の割合が1割と高すぎたため良好な充放電が行えなか
った結果を反映するものである。なお、結着剤割合が電極総重量の0.5%を下回る場合には、十分な結着能力がえられないため電極作製が困難となることから適切ではない。一方、結着剤割合が電極総重量の5%を上回る場合には、電池の基本性能に影響がでることが考えられるため好ましくない。
実験例5
[実施例5]
正極と金属リチウム間に介在させる高分子電解質シート内の塩をLiTFSI塩とした以外は実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[比較例5]
滴下する高分子固体電解質中のリチウム塩をLiTFSIとし、正極と金属リチウム間に介在
させる高分子電解質シート内の塩をLiTFSI塩とした以外は実施例2と同じ工程で電池化し、充放電繰り返し特性を測定した。
[実験結果]
充放電繰り返し運転に伴う放電容量のサイクル依存性を図6に示す。滴下する高分子固体電解質中のリチウム塩がLiBF4、正極と金属リチウム間に介在させる高分子固体電解質
シート内の塩がLiTFSIである[実施例5]では、100 mAh/g以上の高い放電容量が得られ、良好な充放電繰り返し特性が得られた。一方、滴下する高分子固体電解質中リチウム塩、正極と金属リチウム間に介在させる高分子固体電解質シート内のリチウム塩がいずれもLiTFSIである[比較例5]では放電容量が90 mAh/gと低く、充放電繰り返し特性も不十分なもの
であった。この結果から、少なくとも電池を構成した直後において正極近傍におけるリチウム塩はフッ素供給能力の高いLiBF4、LiPF6等が適しており、イオン導電性と負極界面
安定性に優れたLiTFSI塩と組み合わせて2種類以上のリチウム塩を混在させることが良好な電池特性をえるために重要であることがわかった。このような、正極近傍と負極近傍に異なる塩種を用いることは、従来の非水電解液系電池では実現しなかったものである。このことからも、非水電解液を用いた電池と高分子固体電解質を用いた電池は、本来異なる電池系として扱うべきであることを示唆するものであり、本発明はこのうち高分子固体電解質の特徴を利用して得られた結果であると結論づけることができる。
以上に説明したように本発明の非水電解質二次電池によれば、正極材料の結着剤にゴム系材料を用いることで電池のエネルギー密度を高め、揮発性材料を含まない高分子電解質を組み合わせることで、安全性を向上させながら、適切な組成とすることで充放電可逆性(サイクル特性)を改善することができる。
1 正極材
2 正極金属基板
3 高分子固体電解質
4 負極材
5 負極金属基板
6 導電材
7 結着剤
8 全固体型リチウム二次電池

Claims (10)

  1. 負極材料と、電解質と、正極材料と、を有する全固体型リチウム二次電池であって、
    電解質は液体を含まずリチウム塩を含む高分子固体電解質であり、
    負極材料および正極材料のうち少なくとも正極材料中の結着剤にゴムスチレンブタジエンゴムを用いることで、高分子固体電解質を導入する際、高分子固体電解質を溶解する溶剤に起因する不可逆な変形を抑制し、高分子固体電解質の電極材料からの剥離や膨潤を防止する、ことを特徴とする全固体型リチウム二次電池。
  2. 前記正極材料は、正極活物質と導電材、結着剤との混合物からなり、運転電圧4V(vs.
    Li/Li+)以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の全固体型リチウム二次電池。
  3. 電極材料と導電材、結着剤との混合物を、水を分散溶媒として金属箔に塗布して乾燥させたのち、高分子固体電解質を導入したものである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の全固体型リチウム二次電池。
  4. 前記結着材の割合は、活物質と導電剤と結着材の総重量に対し0.5%〜5%である、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の全固体型リチウム二次電池。
  5. 60℃以上においても長期かつ安定に充放電可能である、ことを特徴とする請求項1、
    2又は3に記載の全固体型リチウム二次電池。
  6. 前記正極活物質は、LiMO2(Mは単一または2種以上の遷移金属からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい)、LiM2O4(Mは単一または2種以上の遷移金属からなり、その
    一部に非遷移金属を含んでもよい)、Li2MO3(Mは単一または2種以上の遷移金属からな
    り、その一部に非遷移金属を含んでもよい)、LiMBO4(BはP、Si、またはその混合物、M
    は単一または2種以上の遷移金属からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい)のいずれかの組成またはこれらの混合物からなる、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記
    載の全固体型リチウム二次電池。
  7. 前記高分子固体電解質は、非プロトン性材料であり、ポリエーテル構造を有し、リチウム塩を溶解する能力を有し、かつ、少なくとも電池運転温度範囲では固体状態を呈する、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の全固体型リチウム二次電池。
  8. 前記リチウム塩は、少なくとも、LiBF4又はLiPF6のいずれかと、LiFSI, LiTFSI、LiBETI又はLiBOBのいずれかとの2種以上の混合塩である、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の全固体型リチウム二次電池。
  9. 前記リチウム塩は、電池を構成した直後において正極近傍では高分子固体電解質中でLiBF4、あるいはLiPF6の割合が高く、負極近傍では高分子固体電解質中でLiFSI, LiTFSI, LiBETI又はLiBOBの割合の高い傾斜組成である、ことを特徴とする請求項9に記載の全固体型リチウム二次電池。
  10. 前記負極材料は、金属リチウム、または、活物質と導電材と結着剤との混合物からなり、その活物質は、カーボン、シリコン系化合物、スズ系化合物、アルミニウム系化合物のうちの一種、あるいはこれらの2種以上の混合物からなる、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の全固体型リチウム二次電池。
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